商標取消審判
2022-300814
デコ
- 審判番号
- 2022-300814
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-142047
- 登録番号
- 6034119
- 請求日
- 2022年09月05日
- 審決日
- 2025年03月24日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ティーピー-リンク コーポレーション リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人RIN IP Partners
- 【請求人代理人】宮田 佳代子
- 【被請求人】株式会社 ジー・モード
- 【被請求人代理人】江部 武史
- 【被請求人代理人】朝比 一夫
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T132 .1 -Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6034119号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6034119号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成28年12月19日に登録出願、第9類、第25類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同30年4月6日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和4年9月22日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和元年9月22日~令和4年9月21日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,コンピュータゲームソフトウェア,ダウンロード可能なコンピュータ用のゲームプログラム,ダウンロード可能な移動体電話機用のゲームプログラム,電子応用機械器具及びその部品,スマートフォン用のゲームプログラムを記憶させた記録媒体,コンピュータ用のゲームプログラムを記憶させた電子回路・ICメモリ・フラッシュメモリ・ROMカートリッジ・CD-ROM・DVD・光ディスクその他の記録媒体,移動体電話機用のゲームプログラムを記憶させた電子回路・ICメモリ・フラッシュメモリ・ROMカートリッジ・CD-ROM・DVD・光ディスクその他の記録媒体」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)について、登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、本件審判請求に係る指定商品について継続して3年以上日本国内において本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は令和4年11月10日付け(同月11日差出)の審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した(審決注:答弁書中「8.証拠方法」及び「9.添付書類又は添付物件の目録」における「甲第1号証」ないし「甲第8号証」の各記載は「乙第1号証」ないし「乙第8号証」の誤記と認め、そのように読み替えた。)。
なお、以下、乙各号証の表記に当たっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合がある。
1 概要
商標権者は、以下に示すとおり、要証期間に日本国内で本件商標を本件審判請求に係る指定商品に使用した事実が認められるから、本件審判の請求は成り立たない。
2 本件商標の使用について
(1)乙第1号証ないし乙第3号証について
商標権者は、自社の公式ウェブサイトのトップページ上で「BurgerTime PARTY!」の画像を表示する(乙1)。
この画像をクリックして表示されるページで、商標権者は、2019年10月8日から「BurgerTime Party(バーガータイムパーティー)」なるゲームプログラムをダウンロード販売している(乙2)。
そして、このゲームをダウンロード購入した第三者がゲームのプレイ状況を撮影し、Youtubeにアップロードした動画がインターネット上に数多く存在する(乙3)。
乙第3号証に示すように、ゲームトップ画面に商標権者及び「DECO」が明確に表示されている。
この「DECO」は、本件商標と白赤が反転しているのみであり、本件商標と社会通念上同一の商標である。
そして、乙第3号証には、「968回視聴 8か月前」と記載され、本件動画が遅くとも2022年3月頃に投稿されたことが推認される。
(2)乙第4号証について
商標権者は、自社の公式ウェブサイトで「BurgerTime PARTY!」なるゲームプログラムをダウンロード販売(乙2)するとともに、本ゲームプログラムの「体験版」をダウンロード提供している。
これは、「ダウンロード購入」ページで入手可能であり、正規販売品の一部を体験できるものである。
体験版ゲームを開始すると、乙第4号証のようなトップ画面が表示され、当該トップ画面に、商標権者及び「DECO」が明確に表示されている。
この「DECO」は、本件商標と白赤が反転しているのみであり、本件商標と社会通念上同一の商標である。
(3)乙第5号証について
商標権者は、自社の公式ウェブサイトのトップページ上で「データイースト 100以上のDECOタイトルを所有しています」と表示し、「DECO」を使用している(乙1)。
そして、この表示を介して、「DATA EAST Revival Project」として数多くのDECOブランドのゲームプログラムを提供している(乙5)。
乙第1号証の「DECO」は文字からなり、乙第5号証の「DECO」は本件商標と白赤が反転しているのみであるため、これらの商標は、本件商標と社会通念上同一の商標である。
そして、商標権者の記録によれば、「DATA EAST Revival Project」は、2017年9月7日に公開され、開始されたことが確認されている。
(4)乙第6号証及び乙第7号証について
商標権者は、株式会社D4エンタープライズが提供するゲーム配信サイト「PROJECT EGG」において、2010年5月18日から「HEAVY BARREL(ヘビーバレル)」なるアクションゲームをダウンロード販売している(乙6)。
このアクションゲームのトップ画面が乙第6号証の右上に表示されており、それを拡大したものが乙第7号証に示される。
乙第7号証に示されるように、本件商標が明確に表示されている。
なお、乙第7号証には「DATA EAST CORP.」と表示されているが、商標権者は、同社からゲームに関するライセンス及び商標権を適法に承継取得している。
(5)乙第8号証について
商標権者は、遅くとも2021年1月18日には、「サッカーリーグ ウィナーズカップ」なるスポーツゲームや「バーディ・ラッシュゴルフ倶楽部」なるゴルフゲームに本件商標を付して、レトロゲーム提供アプリ「PicoPico」を介してダウンロード販売している(乙8)。
本件商標は、「サッカーリーグ ウィナーズカップ」のトップ画面の左下に、「バーディ・ラッシュ ゴルフ倶楽部」のトップ画面の中央やや下方に表示されている。
3 指定商品について使用していることについて
乙第1号証ないし乙第8号証で示されるゲームは、ダウンロード購入できるようになっており、本件審判請求に係る指定商品の「コンピュータゲームソフトウェア、ダウンロード可能なコンピュータ用のゲームプログラム」に相当する。
第4 当審の判断
1 事実認定
被請求人の提出した乙各号証によれば、以下のとおりである。
(1)乙第2号証は、被請求人が、商標権者の公式ウェブサイトにおいて表示されるゲームの購入ページと主張するものであり、1葉目において、「世界一有名なハンバーガー職人が帰ってきた! 伝説の名作「バーガータイム」シリーズ最新作!」の記載、その下の長方形の枠内に「ダウンロード購入」の記載、5葉目において、「タイトル」欄に「バーガータイムパーティー」の記載、「配信日」欄に「2019年10月8日」、「価格」欄に「1980円(税込)」の記載、「対応機種」欄に「Nintendo Switch」の記載、下部に、「○C G-MODE Corporation」(審決注:「○C」は「○」の中に「C」を表示した記号を表す。以下同じ。)の記載がある。
(2)乙第3号証は、被請求人が、「バーガータイムパーティー」をダウンロード購入した者がゲームのプレイ状況を撮影して動画閲覧サイトにアップロードした動画と主張するものであり、当該動画の再生開始から21秒経過後の画像の表示領域内において、左下に、別掲2のとおりの、本件商標と「DECO」の欧文字の書体を同一とし、色彩を変更して文字色を白色、背景色を赤色とした商標(以下「使用商標」という。)の表示があること、さらに、その右に「○C G-MODE Corporation」の記載があることが見て取れる。
また、上記画像の下に、「あの名作をリメイク?「バーガータイムパーティー(BurgerTime Party)」遊んでみた」の記載、その下に、「972回視聴 8か月前」の記載がある。
(3)乙第3号証における上記(2)の「バーガータイムパーティー」の記載が、投稿された動画に表示されるゲームの名称であることは明らかであるところ、当該記載は上記(1)の乙第2号証中の記載と一致している。
また、上記(2)の「8か月前」の記載は、当該動画が動画閲覧サイトに投稿された日時が、被請求人が、本件審判の請求を受けて乙第3号証を作成するために動画閲覧サイトにアクセスした日時の約8か月前であることを示すものと解される。
さらに、上記(2)によれば、上記ゲームは、実行中に使用商標が表示されるものといえる。
そうすると、当該動画の投稿者は、遅くとも2022年3月に、実行中に使用商標が表示される、「バーガータイムパーティー」と称するゲーム(以下「本件ゲーム」という。)を入手したものと認められる。
(4)乙第2号証における上記(1)の「配信日」は、本件ゲームのダウンロード購入が可能となった日付であるものと解され、その日付が2019年10月8日であり、その後、上記(3)のように、2022年3月以前の動画投稿者による入手に至ったものと合理的に理解できる。
また、乙第2号証及び乙第3号証は、商標権者の英語表記と解される「G-MODE Corporation」の記載においても一致しているから、本件ゲームの販売者は、商標権者であると認められる。
(5)上記(3)及び(4)によれば、商標権者は、実行中に使用商標が表示される本件ゲームを、2019年10月8日ないし2022年3月のいずれかの日に、ダウンロード可能な形式で販売したことが認められる。
2 判断
上記1(5)の行為について、以下のように判断できる。
(1)使用者、使用時期及び使用行為について
使用商標の使用者は商標権者であり、2019年10月8日ないし2022年3月のいずれかの日は、要証期間である。
また、本件ゲームを実行すると使用商標が表示されることは、本件ゲームに使用商標が付されていることであるといえ、これをダウンロード可能な形式で販売する行為は、商標法第2条第3項第2号にいう、商品に標章を付したものを電気通信回線を通じて提供する行為に該当する。
(2)使用商標について
上記1(2)よれば、本件商標と使用商標とは、「DECO」のつづり及び書体を同一にするものであって、色彩において相違するのみであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であると認められる。
(3)使用商品について
本件ゲームは、本件審判請求に係る指定商品中の「コンピュータゲームソフトウェア」に該当する商品であると認められる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、商標権者は、要証期間に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品中の「コンピュータゲームソフトウェア」に該当する商品に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標を付して、電気通信回線を通じて提供する行為を行ったことが認められ、この使用行為は、商標法第2条第3項第2号に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る本件商標の指定商品に該当する商品について、本件商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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