商標拒絶査定不服審判
2024-019070
デコビノ、デコビーノ、デコ
- 審判番号
- 2024-019070
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-145088
- 請求日
- 2024年11月28日
- 審決日
- 2025年09月02日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社正木屋商店
- 【請求人代理人】弁理士法人Toreru
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 幸志
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W33) / T18 .262-Z (W33) / T18 .263-Z (W33) / T18 .272-Z (W33)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-145088拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年12月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 6月27日付け:拒絶理由通知書
令和6年 7月12日 :意見書の提出
令和6年10月25日付け:拒絶査定
令和6年11月28日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「DECO VINO」の文字を標準文字で表してなり、第33類「洋酒,果実酒,アルコール飲料(ビールを除く。),ワイン,リキュール」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、以下の(1)及び(2)の拒絶の理由をもって、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、その構成中に、指定商品との関係で「ワイン」を認識させる「VINO」の文字を有してなるから、これをその指定商品中、「ワイン」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、登録第2417157号商標(以下、「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、引用商標は、「デコ」の片仮名と「DECO」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成元年7月6日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年5月29日に設定登録され、その後、同15年7月23日に指定商品を第32類及び第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品として書換登録され、同24年3月6日に指定商品を第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とする更新登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「DECO VINO」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成前半の「DECO」の欧文字と「VINO」の欧文字との間には1文字のスペース(空白)があることから、これは「DECO」の文字と「VINO」の文字からなるものと、容易に理解できるものである。
そして、その構成中の「VINO」の文字は、「ワイン」(出典:「新英和中辞典 第七版」株式会社研究社)を意味する語であって、イタリア語及びスペイン語においても同じ意味を有するものであるところ(別掲参照)、原審提示の情報「東京税関」のウェブサイト(https://www.customs.go.jp/tokyo/etu/ftp/toku0309.pdf)によれば、我が国へのボトルワインの輸入数量(2020年時点)は、イタリア共和国及びスペイン王国に加え、スペイン語を公用語とするチリ共和国からのものの合計数量が総数量の半分以上を占めている実情がある。
加えて、原審提示の情報にあるように、酒類を取り扱う分野において、同文字が「ワイン」を意味する語として使用されている事実も認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「VINO」の文字から、その商品が「ワイン」であると容易に理解、認識するといえ、本願商標をその指定商品中「ワイン」以外の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、該商品があたかも「ワイン」であるかのごとく、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標の構成態様は、上記(1)のとおりであるところ、その構成中「DECO」の文字は、「アール・デコ(1920-30年代の装飾様式)(風)の」(出典:「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館)を意味する語として英語の辞書類に掲載されている事実は認められるものの、我が国において親しまれている語とはいえないことから、同文字は特段の意味合いを理解させない造語として認識されるというべきものであって、本願の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を十分に有するものである。
他方、本願商標の構成中「VINO」の文字は、上記(1)のとおり、「ワイン」の意味を有するものであって、本願の指定商品中「ワイン」との関係において、その商品の普通名称又は品質を表しているといえるものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといえる。
そうすると、本願商標は、構成中の「VINO」の文字部分が、本願の指定商品中「ワイン」との関係において、商品の出所を識別する標識としての称呼及び観念を生じない部分といえるのに対し、「DECO」の文字部分は、自他商品識別力を有するものであり、両文字の間にスペースを有する構成からなることを踏まえれば、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないから、「DECO」の文字部分を抽出し、その部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
しがたって、本願商標よりは、その構成文字全体に相応した「デコビーノ」の称呼が生じるほか、その構成中の「DECO」の文字部分(以下「本願要部」という。)から「デコ」の称呼をも生じ、また、「DECO」の文字は造語として認識されることから、特定の観念が生じるとはいえないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、「デコ」の片仮名と「DECO」の欧文字とを二段に書してなるところ、その構成態様から、上段の片仮名は下段の欧文字の文字種を置き換えて表したものと容易に理解できるものである。
したがって、引用商標よりは、その構成文字に相応した「デコ」の称呼が生じ、また、上記アのとおり、特定の観念が生じるとはいえないものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、その構成全体が相違するものの、本願要部と引用商標との比較においては、いずれも「DECO」のつづり字を共通にするものであるから、外観上、相当程度近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「デコ」を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念が生じないことから、比較することができないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものの、外観については、本願要部と引用商標の対比において、相当程度近似した印象を与えるものであり、また、称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品である第33類「洋酒,果実酒,アルコール飲料(ビールを除く。),ワイン,リキュール」は引用商標の指定商品である第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」と同一又は類似する商品である。
オ 小括
本願商標は、引用商標と類似する商標であり、引用商標に係る指定商品又はそれと類似する商品について使用をするものであることから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、「VINO」の文字で「ワイン」を意味する言語は、(英語ではなく)イタリア語又はスペイン語であって、これらの言語は我が国で広く一般に認知されているものではないことから、我が国において「VINO」の文字は造語と理解されるものである旨、及び、本願商標は同書、同大、同間隔で構成され、一体的に看取される商標のため、「VINO」の文字を捨象する合理的理由が見出せない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「VINO」の文字は、我が国において比較的親しまれた外国語である英語の辞書類に「ワイン」を意味する語として掲載されているものであり、イタリア語及びスペイン語においても同じ意味を有する語である上、我が国はイタリア語圏及びスペイン語圏の国から多くのボトルワインを輸入しており、実際に、酒類を取り扱う分野において、同文字が「ワイン」を意味する語として使用されている実情も認められることからすれば、本願の指定商品との関係において、取引者、需要者をして「VINO」の文字は「ワイン」の意味合いを容易に理解、認識させるものというのが相当である。
そうすると、上記(1)のとおり、本願商標をその指定商品中「ワイン」以外の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、該商品があたかも「ワイン」であるかのごとく、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといえるのであって、また、本願商標の構成中、自他商品の識別標識としての機能を有するのは「DECO」の文字部分のみといえるのであり、当該文字部分を要部として抽出し、それのみを引用商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるものである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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