商標取消審判
2022-300650
ピアチェーレ、ピアセレ、ピアセア、ピイピイ、ピイ
- 審判番号
- 2022-300650
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2012-019627
- 登録番号
- 5560655
- 請求日
- 2022年07月13日
- 審決日
- 2023年10月30日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】安藤 豊
- 【請求人代理人】松浦 恵治
- 【被請求人】株式会社 ピアチェーレ
- 【被請求人代理人】石原 幸典
- 【被請求人代理人】石原 昌典
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T132 .1 -Y (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第70条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5560655号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5560655号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年3月2日に登録出願、同25年1月9日に登録査定され、第35類「被服用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝石の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品(布製身の回り品を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第45類「ファッション情報の提供」を指定役務として、同年3月1日に設定登録されたものである。
第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「身の回り品(布製身の回り品を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「本件請求役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書においてその理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
2 請求の理由
請求人が調査した限りにおいては、本件商標が本件請求役務に関して、本件商標権者によって継続して3年以上(2019年7月27日から2022年7月26日まで。以下「要証期間」という。)、日本国内において使用されている事実を発見することができなかった。
また、商標登録原簿を見ても専用使用権及び通常使用権は設定登録されておらず、許諾を受けた通常使用権者などによる使用の事実もない。
さらに、本件商標を使用していないことについて正当な理由もない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件請求役務に関してその商標登録の取消を請求する。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、結論同旨の審決を求め、審判事件答弁書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証から乙第30号証(以下「乙○」と表記する。)を提出した。
2 答弁の理由
(1)被請求人のウェブサイト
ア 被請求人は、アクセサリーやジュエリーなどの販売を事業の一つとする国内法人であるところ、自社ウェブサイトとして、日本国内向けの日本語ウェブサイトを開設、運営している(乙1、乙2)。
乙3は、特定商取引法に基づく表記のページであり、被請求人に係る情報が会社名及び所在地として記載されている。
また、乙4及び乙5により、上記ウェブサイトのドメイン名の所有者が被請求人であることも確認できる。
イ 乙1は上記ウェブサイトのトップページであり、乙2は上記ウェブサイトの「取扱ブランド一覧」ページであるところ、いずれも、上部に大きく、即ち商標的態様として本件商標が表されている。
そして、乙2には、「ピアチェーレでは、ネットショップとリアルイベントで人気ブランドから新進アーティストの作品まで、つねに旬の作品をいち早くアクセサリー・ジュエリーをお届けしています。お取扱い実績のあるアクセサリーブランドの一部をご紹介します。」との顧客に対する便益の提供に係る宣伝広告文と併せて、取り扱い商品であるアクセサリーやジュエリーなどの写真及びブランド紹介文が掲載されている。
例えば、「KARIKA」ブランドの取り扱い商品例としてネックレスの写真が、「m.m.m.」ブランドの取り扱い商品例として指輪などの写真が掲載されているが、ネックレスや指輪などの身飾品は「身の回り品(布製身の回り品を除く。)」に含まれるものである。
ウ 乙2は、本件審判請求の登録後である2022年(令和4年)8月8日にプリントアウトしたものであるが、上記ウェブサイトの「取扱ブランド一覧」ページの過去の内容は、世界最大の電子図書館の一つであるアーカイブサイト「Wayback Machine」において確認できる。
「Wayback Machine」には、乙6から乙8のとおり、要証期間である2021年(令和3年)4月12日(乙7)及び同年7月31日(乙8)における上記ウェブサイトの「取扱ブランド一覧」ページの内容が保存されている。
乙7及び乙8より、要証期間中の上記日付において、上記ウェブサイトの「取扱ブランド一覧」ページが乙2と同様であったことが確認できる。
エ なお、本件商標は黒色の色彩からなるところ、乙7及び乙8に表されている商標は黒色の色彩ではないが、色彩を黒色とすれば本件商標と同一の商標であることは明らかであり、本件商標と社会通念上同一の商標である(商標法第70条第1項)。
オ 以上より、本件商標権者である被請求人自身が、要証期間に、日本国内において、本件請求役務について、本件商標を、商標法第2条第3項第8号に規定される行為について使用している。
(2)被請求人の名刺
ア 被請求人は、自社の名刺として、本件商標を表面に表し、事業内容を裏面に表した名刺を作成している(乙9)。
当該名刺は、専門業者にその印刷を発注して作成しているものであるところ、乙10から乙13は、要証期間である2021年(令和3年)2月4日の発注書類(100枚分)であり、乙14及び乙15は、同じく要証期間である2020年(令和2年)3月2日の発注書類(100枚分)である。
上述のとおり、被請求人の名刺は事業内容を裏面に表しているところ、乙12、乙13及び乙15のとおり、事業内容の一つとして本件請求役務に相当する「アクセサリー、ジュエリー/・展示販売会企画運営、リフォーム、メンテナンス受付」との記載がある。
そして、アクセサリーやジュエリーは身飾品であり、身飾品は「身の回り品(布製身の回り品を除く。)」に含まれる。
したがって、被請求人の名刺は、本件請求役務についての取引書類に該当する。
イ また、被請求人の名刺は、発注枚数、発注間隔及び後述する本件請求役務の提供実績からして、その役務の準備段階や提供段階において頒布されているといえる。
ウ 以上より、本件商標権者である被請求人自身が、要証期間に、日本国内において、本件請求役務について、本件商標を、商標法第2条第3項第8号に規定される行為について使用している。
(3)本件請求役務の提供実績
ア 被請求人は、要証期間の2020年(令和2年)7月から8月にかけて、東京都品川区(自社オフィス)及び東京都港区において、ネックレスやブレスレットなどのアクセサリーの販売会を開催している。
イ 当該販売会に関して、乙16から乙18は、被請求人の代表者が自身のSNS上で2020年(令和2年)7月8日に投稿した告知であり、乙19から乙21は、同じSNS上で同月19日に再び投稿した告知である。
なお、当該販売会において販売したアクセサリーは、乙16から乙21の写真に写っている自社製作品や、乙22の請求書に示されるような取引において仕入れたものである。
ウ 乙16の投稿中の「場所は六本木駅から徒歩5分の秘密基地(レンタルスペース)」の記載について補足すると、当該レンタルスペースは、東京都港区六本木に存在する「391 シェアスペHome六本木(当時の名称はスペレン六本木)」(乙23)である。
当該レンタルスペースは、2021年(令和3年)11月まではF社(乙24)が運営を受託していたレンタルスペースであり、当該レンタルスペースが入るビルの区分所有者は、当該運営会社にLINEで使用希望日時を事前に連絡することで予約・使用することができた。
被請求人の代表者は、自身が代表を務める別法人が当該ビルの一室を区分所有していたことから、上述の方法でレンタルスペースを予約し、上記販売会を開催した。
エ 乙25は、被請求人の代表者が上述の方法で2020年(令和2年)8月8日のレンタルスペースの使用を予約した際のLINEの画面である。
乙26は、被請求人が使用する領収証の表紙であり、乙27から乙29は、上記販売会において被請求人が発行した領収証である。
乙30は、被請求人が自社のオフィスにおいて開催した販売会の様子を記録した写真である。
オ 以上より、本件商標権者である被請求人自身が、要証期間に、日本国内において、本件請求役務を業として提供しており、これにより、上述した被請求人のウェブサイトの情報が、本件請求役務に係る実態のある事業についての広告に該当すること、また、上述した被請求人の名刺が、本件請求役務に係る実態のある事業についての取引書類に該当することがいえる。
(4)結び
以上のとおり、要証期間に、日本国内において、本件商標権者である被請求人自身が、本件請求役務について、本件商標を、商標法第2条第3項第8号に規定される行為について使用している。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)ア 本件商標権者が管理するドメイン名(A-PIACERE.CO.JP)の「ピアチェーレ」と題するウェブサイトには、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「本件使用商標」という。)が表示され、「ピアチェーレではアクセサリーの展示販売会をはじめ、さまざまなワークショップなど、さまざまなイベントを企画・主催しております。」の記載がある(乙1、乙4)。
イ 上記ウェブサイトの「取扱ブランド一覧」の項には、本件使用商標が表示され、「アクセサリー・ジュエリー お取扱いブランド」の見出しの下、「ピアチェーレでは、ネットショップとリアルイベントで人気ブランドから新進アーティストの作品まで、つねに旬の作品をいち早くアクセサリー・ジュエリーをお届けしています。お取扱い実績のあるアクセサリーブランドの一部をご紹介します。」の記載とともに、様々なブランドのネックレスやイヤリング、指輪、ピアスなどの写真が掲載されている(乙2)。
ウ 「Wayback Machine」のウェブサイトには、上記ウェブサイト(乙2)が同様の態様で、2021年4月12日及び同年7月31日付けで保存されている(乙7、乙8)。
(2)ア 本件商標権者の代表取締役によるSNSの投稿記事(2020年7月8日付け)には、「今の季節からぴったりの、ピアチェーレオリジナルアクセサリーのセールを行います!ちょっとでも気分を上げたいときにおすすめのビタミンカラーのカラフルピアスやイヤリング、ネックレス、ブレスレット、アンクレットなどなど150点以上!!」、「場所は六本木駅から徒歩5分の秘密基地(レンタルスペース)」、「7月15日~8月15日のうちで、ご希望の日にちとお時間(第3希望ぐらいまで)を、・・・メッセンジャーでご連絡ください。」の記載がある(乙16)。
イ 上記SNSの投稿記事(2020年7月19日付け)には、「アクセサリー夏 セール8月15日まで開催中です」の記載がある(乙19)。
2 上記の認定事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)ア 本件商標権者は、アクセサリーの展示販売などを行う会社であって、2020年7月ごろに企画された「ピアス、イヤリング、ネックレス、ブレスレット、アンクレット」などの商品を取り揃える商品販売会などのような、本件請求役務である「身の回り品(布製身の回り品を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に含まれる役務の提供を業務の一つとしているものである。
イ そして、本件商標権者は自社のウェブサイトにおいて、本件使用商標を表示しつつ、アクセサリーやジュエリーの写真とともに、小売販売をしている旨を記載することで、自己の業務である上記小売役務の宣伝、広告をしている。
ウ また、上記ウェブサイトに表示された本件使用商標と本件商標は、外観構成(図形、文字、配置)を共通にする社会通念上同一の商標と認められる。
エ さらに、上記ウェブサイトは、要証期間(2021年4月12日、同年7月31日)において電磁的方法により提供されていたことが確認できる。
(2)以上を踏まえると、本件商標権者は日本国内において、要証期間に、本件請求役務に相当する役務に関する広告を内容とする情報(自社ウェブサイト)に、本件商標と社会通念上同一の本件使用商標を付して、電磁的方法により提供していた(商標法第2条第3項第8号)と認められる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、本件商標権者が、本件請求役務について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の本件請求役務についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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