商標取消審判
2025-300003
ゾノ
- 審判番号
- 2025-300003
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2019-077008
- 登録番号
- 6268462
- 請求日
- 2024年12月20日
- 審決日
- 2026年05月19日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】大園 茂樹
- 【請求人代理人】弁理士法人秀和特許事務所
- 【被請求人】小園 薫
- 【被請求人代理人】舘 康祐
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 和彦
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T132 .1 -Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条、商標法第50条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6268462号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6268462号商標の指定役務中、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6268462号商標(以下「本件商標」という。)は、「zono」の文字を標準文字で表してなり、令和元年6月3日登録出願、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年7月10日に設定登録されたものである 。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和7年1月20日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(令和4年1月20日~令和7年1月19日)を、以下「要証期間」という。
2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和7年3月18日付け答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年5月14日付け弁駁書において、その理由を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した(以下、証拠の表示について、甲第1号証を「甲1」、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合がある。)。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「本件審判請求に係る指定役務」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実は見出せないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁の理由
被請求人は、答弁書を提出し、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、乙第1号証から乙第9号証を提出して、本件商標を「手動利器・手動工具及び金具」及び「携帯トイレ」の「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用していると述べる。
しかし、請求人は、審判請求書の請求の趣旨に記したように、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中、本件審判請求に係る指定役務についての登録を取り消す旨の審決を求めるものであって、本件商標の指定役務の全ての取消しを求めていない。よって、被請求人の答弁は的を射ていない。
被請求人が提出した乙号各証は、審理対象たる本件審判請求に係る指定役務とは非類似の(故に類似群の異なる)指定役務についての使用の挙証を試みるもので、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによる、本件審判請求に係る指定役務についての登録商標の使用が証明されるものではない(本件審判請求に係る指定役務についての商標登録が取消しとなったとしても、被請求人が使用していると主張する指定役務については登録が維持されることになる以上、かかる役務についての被請求人の事業は、何ら影響を受けるものではない筈である。)。
このように、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、本件審判請求に係る指定役務についての登録商標の使用を立証していないことは明らかであるから、本件商標登録は、商標法第50条第1項の規定により一部取消しを免れない。
3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、その理由を答弁書において、要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
(1)答弁の理由
被請求人は、本件商標登録直後の令和2年8月5日より、本件商標を屋号としてBASE株式会社(以下「BASE」という。)が運営するインターネットショップ作成サービスを利用してきた。被請求人が作成した同ショップサイト上には「zono」という本件商標が掲載され、「携帯トイレ」や「ナイロン車輪」の商品が販売されていることが確認できる(乙1)。同サイトが被請求人の管理にかかることは、同サイトの問合せに対する返信が、被請求人が代表取締役に就く株式会社コゾノ企画が利用するアドレスの「kozonokikaku.com」より送信されることから確認できる(乙2、乙3)。
被請求人が同サービス利用当初にBASEに登録していたメールアドレスは、普段、被請求人が使用している「gmail」のものであったが(乙4、乙5)、間もなくして、メールアドレスを本件商標を含む「kozono@zono.life」に変更した。そして、同アドレス宛にBASEより定期的にメールが送信されており(乙6、乙7の1、乙7の2)、令和6年10月23日にはBASEから「直近で管理画面へのログインが確認で」きない旨のメールも送信されていたこと等から(乙6、乙7の3)、被請求人が同日時点で管理者、すなわち、BASEの提供するサービスを利用する出店者であることが確認できる。また、令和6年中に同ショップサイトの閲覧数も一定数あることから(乙8)、同サイトがインターネット上で掲載され公開が継続していたことが分かる。(なお、令和7年3月以降、被請求人の「kozono@zono.life」のメールアドレスが失効したため、BASEでの登録のメールアドレスを「kozono@kozonokikaku.com」に変更した。)
また、被請求人住所地においても、同様に本件商標の屋号を使用して販売をしており、令和6年10月30日には、ナイロン車輪の部材を2200円で販売し、本件商標を記載した領収証を販売顧客であるT氏宛に発行していた(乙9)。
これらはいずれも、本件商標の指定役務である「手動利器・手動工具及び金具」及び「携帯トイレ」の「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」にかかる使用であり、本件商標の使用ということができる。
(2)小括
以上により、本件商標は要証期間に使用されたため、不使用により本件商標が取り消される理由はない。
よって、本件審判請求は速やかに不成立とすべきである。
4 審尋及び被請求人の回答
審判長は、令和8年2月24日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、下記5(2)のとおり、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の暫定的見解を示し、被請求人に意見を求めた。
それに対し、被請求人は、同年3月25日付け意見書を提出し、被請求人は、当該暫定的見解及び請求人の主張のとおり、「手動利器・手動工具及び金具」並びに「携帯トイレ」が「身の回り品」に該当せず、本件請求による取消しによっても、それらの「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について本件商標を使用することが妨げられないのであれば、本件請求に対して争わない意向である旨述べた。
5 当審の判断
(1)被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
(2)答弁書における被請求人の主張に係る判断
ア 本件商標が使用されている役務について
本件審判の請求において、請求人が取消しを求めるのは、本件商標の指定役務中、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であるところ、上記3のとおり、被請求人が提出した証拠において示されているのは、「携帯トイレ」及び「車輪(汎用のもの)」の販売に係る事実であって、本件審判請求に係る指定役務についての商標の使用の事実を確認することはできない。
すなわち、「携帯トイレ」及び「車輪(汎用のもの)」は、本件審判請求に係る指定役務の取扱商品である「身の回り品」に含まれるものではない。
したがって、被請求人が提出した証拠からは、本件商標が、本件審判請求に係る指定役務に使用されていた事実を確認することができない。
イ ウェブサイトにおける本件商標の使用について(乙1~乙8)
被請求人は、本件商標の商標権者である被請求人が作成したインターネットショップ(ウェブサイト)(以下「本件ウェブサイト」という。)において、要証期間内に本件商標を使用していた旨主張し、その証拠として乙第1号証ないし乙第8号証を提出している。
しかしながら、提出された証拠からは、「株式会社コゾノ企画」が本件ウェブサイトを管理・運営しているように見受けられるから、被請求人が、いずれの者(本件商標の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者)の使用を立証しようとしているのかが明らかではない。また、被請求人は、同人が同社の代表取締役である旨主張しており、仮に、同社が実質的に通常使用権者であるとしても、その事実を客観的に示す証拠(同社の全部事項証明書など)は提出されていないため、確認することができない。
さらに、乙第1号証は、本件ウェブサイトの写しであるところ、その印刷日は不明であって、また、これには「zono(旧さぶよし商店)」の記載があることからすると、「zono」の文字からなる商標が使用されるまでは「さぶよし商店」の文字からなる商標が使用されていたことが推認できるが、それがいつ変更されたのか、すなわち、本件ウェブサイトにおいて「zono」の文字からなる商標がいつから使用されていたのか、明らかとはいえない。
したがって、乙第1号証ないし乙第8号証によっては、本件商標の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかの者が、要証期間に、本件商標を本件審判請求に係る指定役務に使用したとは認めることができない。
(3)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判請求に係る指定役務についての本件商標の使用をした事実を証明したということはできない。
また、被請求人は、本件審判請求に係る指定役務について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の指定役務中、「結論掲記の指定役務」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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