商標拒絶査定不服審判
2024-006315
ピアチェーレ、ピアセレ
- 審判番号
- 2024-006315
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-158829
- 請求日
- 2024年04月12日
- 審決日
- 2025年06月19日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ワンダーワークス
- 【請求人代理人】松浦 恵治
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .265-Z (W08)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第2条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-158829拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年12月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年6月6日付け :拒絶理由通知書
令和4年7月16日 :意見書の提出
令和6年1月11日付け:拒絶査定
令和6年4月12日 :審判請求書の提出
令和7年2月20日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「ピアチェーレ」の片仮名と「piacere」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、第8類「ピアス用耳たぶ穿孔器,ピアス用耳たぶ穿孔用ガン,ピアス用ピアッサー」を指定商品として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5560655号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなるところ、平成24年3月2日に登録出願、第35類「被服用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝石の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品(布製身の回り品を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第45類「ファッション情報の提供」を指定役務として、同25年3月1日に設定登録、令和5年2月28日に商標権の存続期間の更新登録がされ、その商標権は現に有効に存続しているものである。
第4 当審における審尋
当審において、令和7年2月20日付け審尋により、別掲3に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し意見を求めた。
請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、「ピアチェーレ」の片仮名と「piacere」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、「ピアチェーレ」の片仮名及び「piacere」の欧文字は、我が国の一般的な辞書等に載録された既成語ではなく、我が国において何らかの意味を有する語として親しまれているという事情も見いだせないことから、特定の意味合いが生じない造語と認められるものである。
そして、「ピアチェーレ」の片仮名については、「piacere」の欧文字の読みを特定するために付記されたものと理解し得るものである。
したがって、本願商標は、「piacere」の欧文字に付された「ピアチェーレ」の片仮名に相応して「ピアチェーレ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、上部に円内にPの欧文字を組み合わせてモチーフにしたとおぼしき図形(以下「図形部分」という。)を配し、その下に、「PIACERE」の欧文字を書してなるところ、図形部分と文字部分は、大きさなどが異なっており、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、かつ、図形部分から出所識別標識としての具体的な称呼及び観念は生じないものであって、図形部分及び文字部分との間に、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできないから、引用商標の図形部分と文字部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
そうすると、引用商標については、「PIACERE」の欧文字部分を要部(以下「引用商標の要部」ということがある。)として取り出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
そして、引用商標の要部は、我が国の一般的な辞書等に載録された既成語ではなく、我が国において何らかの意味を有する語として親しまれているという事情も見いだせないことから、特定の意味合いが生じない造語と認められるものである。
したがって、引用商標は、「PIACERE」の欧文字に相応して「ピアチェーレ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、両商標の構成は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりであるところ、外観については、本願商標と引用商標の要部は小文字と大文字の差はあるものの、欧文字部分のつづりを共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものである。
次に、称呼については、本願商標と引用商標の要部は、「ピアチェーレ」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、本願商標と引用商標の要部は、いずれも特定の観念が生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できず、外観において全体の構成は異なるものの、構成中の文字部分において類似するものであり、称呼を同一とするものであるから、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定商品と引用商標の指定役務中、第35類「身の回り品(布製身の回り品を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「抵触役務」という。)は、商品と小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務。以下同じ。)という関係にあり、その対象となる商品を共通にするものであって、それらの商品の小売等役務とその商品の販売は、一般的には同一事業者によって行われることが多く、別掲3の取引の実情も鑑みると、本願商標の指定商品と引用商標の抵触役務との間で、一般的にそれぞれ異なる事業者が主体となるものではなく、用途や、販売ないし提供される場所も格別に異なるものでもなく、需要者の範囲も一般的には一致する。
そうすると、本願商標の指定商品と引用商標の抵触役務に同一又は類似の商標を使用するときは出所の誤認混同を生じるおそれがあり、本願商標の上記指定商品と引用商標の指定役務は類似する。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定役務と類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、商標の構成(称呼)においては類似の関係にあるとしても、本願商標の指定商品と引用商標の抵触役務とは類似の関係が認められないので、本願商標と引用商標の間では、商標法第4条第1項第11号の適用は認められない旨主張する。
しかしながら、上記1(4)のとおり、本願商標の指定商品と引用商標の抵触役務との間で、一般的にそれぞれ異なる事業者が主体となるものではなく、用途や、販売ないし提供される場所も格別に異なるものでもなく、需要者の範囲も一般的には一致するため、本願商標の指定商品と引用商標の抵触役務に同一又は類似の商標を使用するときは出所の誤認混同を生じるおそれがあり、本願商標の指定商品と引用商標の指定役務は類似するというべきである。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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