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商標取消審判

2024-300864

エスシイエム

審判番号
2024-300864
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2020-159476
登録番号
6463693
請求日
2024年11月22日
審決日
2026年03月10日
公報発行日
2026年05月29日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】ジャパン建材 株式会社
  • 【請求人代理人】遠藤 直哉
  • 【請求人代理人】村谷 晃司
  • 【請求人代理人】中村 智広
  • 【被請求人】合同会社 SCM
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
分類
T132 .1 -Z (W3537)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第50条第3項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6463693号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6463693号商標の指定役務中、第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第37類「製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6463693号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和2年12月24日に登録出願、第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第37類「製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守」を含む、第35類及び第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同3年10月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年12月10日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年(2021年)12月10日から同6年(2024年)12月9日までを、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第37類「製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守」(以下「請求に係る役務」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人は、商標登録以降の3年間で、木製の家具やインテリア製品の販売を行っている、と主張し、その証拠として被請求人の店舗における、木製家具の商品陳列の写真及び販売時の領収書及び被請求人のホームページ内に掲載されている木製家具の紹介ページを提出した(乙1、乙2)。 (2)まず、請求人は審判請求書に記載の指定役務のすべてについてその不使用取消を求めるものであるところ、かかる被請求人の主張は、指定役務中、第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する使用の主張であると理解できる。被請求人は答弁の趣旨で一応全体を争っているものの、審判請求書に記載のその他の指定役務について理由を付して答弁しておらず、その不使用について実質的に争っていないことに留意すべきである。 (3)駆け込み使用の主張 商標法第50条第3項は、商標権者の駆け込み使用を定めたものである。 本件審判請求日の3か月前である令和6年8月22日までに、商標権者によって、その請求に係る役務についての登録商標の使用を主張すれば、それは駆け込み使用として、商標法第50条第1項の使用に該当しない。 ここで、被請求人は、乙第2号証のホームページを根拠に木製の家具やインテリア製品の販売を行っていたと主張する。しかしながら、乙第2号証ではどの時点で家具やインテリアをホームページに掲載したのか一切明らかにされていない。 確かに、本弁駁書提出日時点の被請求人のホームページ(甲3)には、ウッド・インテリア詳細ページとのリンクが設けられ、かかるリンクから木製家具等の紹介ページを閲覧することができる。 ここで、過去のホームページを閲覧できるツール(Wayback Machine)を利用して被請求人のホームページを確認すると、令和6年11月4日より以前にはウッド・インテリア紹介ページが設けられていなかったにもかかわらず、令和6年11月4日の時点で突如としてウッド・インテリア紹介ページが設けられた(甲4~甲10)。 当該審判請求の前に、先行して同様の審判請求が令和6年9月17日にされたが、先行した審判請求について令和6年10月29日に審理終結通知書が被請求人にも送られた(甲11)。このことから、その審判請求の内容は同時点頃において被請求人も了知済みである。そのため、被請求人は請求人から要件を充たした不使用審判請求が再度提起されうることを令和6年11月4日時点で了知していた。 先述したとおり、当該審判請求が提起された3か月前である令和6年8月22日までに被請求人によってその請求に係る指定役務、すなわち第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての登録商標の使用を主張しても、かかる使用は商標法第50条第1項の「使用」に該当しない。被請求人が提出した乙第2号証は、令和6年11月4日時点で初めてホームページ上で紹介された「ウッド・インテリア紹介ページ」をもって、その使用を主張するものであるから、明らかに駆け込み使用の主張をしている。したがって、かかる使用は商標法第50条第1項の「使用」に該当しない。 (4)次に、乙第1号証の2枚目及び3枚目には、写真及びその写真のプロパティが紹介されている。そのプロパティには「DSC02084」のタイトルが記載されている。かかる「DSC02084」の写真は乙第1号証の3枚目の写真の上段部2つの写真である。その他のタイトルである「DSC02087」及び「DSC02090」のプロパティは掲載されておらず、その撮影日時が不明である。そのため、「DSC02087」及び「DSC02090」は商標登録日から3年間継続して使用していた、と主張する根拠になりえない。 次に、「DSC02084」のタイトルが記載される写真には、商品が撮影されているにとどまり、本件商標の記載がない。そのため、商標法第50条第1項の使用がされていると主張する根拠になりえない。 さらに、「DSC0284」の写真は、当該登録商標が「家具の小売又は卸売の業務」に使用されていたことまでを意味する写真ではない。かかる写真は「SCM experience」と記載されていた看板の下に和ダンスのような商品がおかれていることを意味するにすぎない。 (5)最後に、乙第1号証の1枚目には、領収書が印刷されている。かかる領収書の発行日付は「2024年1月24日」や「2024年3月3日」であり、乙第1号証の2枚目以降に掲載される物品の撮影日とは異なっている。また、品物名として「鎌倉彫和たんす」や「ウッドチェアー」と記載されているが、これらの品物がどのような商品を指すのか、乙第1号証の2枚目以降に撮影される物品との対応関係が不明である。これらの同一性が不明であるし、領収書に品番、型番、注文コード等が明記されておらず、領収書に記載の取引が実際にあったかどうかも疑わしい。 さらに、領収書は後にそのような取引があったものとして作成することができるし、実際に記載された日付にこのような入金があったかどうかも不明であることから、その証拠価値は低く、信用性がないというほかない。 (6)結論 以上から、被請求人が提出する証拠をもって商標法第50条第1項の「使用」の事実を主張立証できたとはいえない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を審判事件答弁書において、「商標登録以降の3年間で、木製の家具やインテリア製品の販売を行っている」旨述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。 第4 審尋 審判長は、被請求人に対し、令和7年11月11日付け審尋において、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、商標権者又は通常使用権者が、請求に係る役務について、本件商標を使用していたことを被請求人が証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した同年2月13日付けの弁駁書に対する回答を求めた。 第5 審尋に対する回答 前記第4の審尋に対し、被請求人からの回答はなかった。 第6 当審の判断 1 請求人及び被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。 (1)乙第1号証は、被請求人である商標権者が代表社員を務める会社(以下「本件会社」という。)の店舗における、木製家具の商品陳列の写真と、その販売時の領収証とするものである。 ア 乙第1号証の1葉目には、2枚の領収証(以下「本件領収証」という。)の写しが上下に表示されており、いずれにも、別掲2のとおりの標章(以下「使用商標1」という。)が表示されている。また、本件領収証のうち、上段の領収証には、商品名として「鎌倉彫和たんす」の記載、入金日として2024年1月24日の記載がある。そして、下段の領収証には、商品名として「ウッドチェアー」の記載、入金日として2024年3月3日の記載がある。また、本件領収証の発行者は本件会社であり、その代表社員として商標権者の氏名が記載されている。 イ 乙第1号証の3葉目には、屋外に置かれた複数の引き出し式の家具を写した6枚の写真(以下「本件写真」という。)、2葉目には、それらのうちの1枚と思われる写真のプロパティ(以下「本件プロパティ」という。)が表示されているところ、当該プロパティの作成日時は、2023年12月19日である。本件写真の撮影者及び本件プロパティの作成者は明らかでない。 ウ 本件領収証と、本件写真及び本件プロパティとの関係は明らかでない。 (2)乙第2号証は、本件会社のホームページ内に掲載されている、木製家具の紹介ページ(以下「本件ホームページ」という。)の写しとするものである。本件ホームページの作成日及び印刷日は不明であり、その開設者も、証拠からは明らかでない。 また、本件ホームページには、「木製家具(アンティーク その他)/SCMがセレクトした、ご家庭用の家具やインテリアを販売しております。/画像は過去にお取り扱いした商品の一部です。」(以下、文中の「SCM」の文字を「使用商標2」という。)の記載とともに、5点の引き出し式の家具の写真が表示されている。 これらの家具は、いずれも、乙第1号証の写真の家具と同一視し得るものである。 (3)本件商標については、本件取消審判に先立って請求された審判事件があり、その審理終結通知書が2024年10月29日に被請求人宛てに発送されたところ、その直後である2024年11月4日頃から、本件ホームページにおいて、それ以前にはみられなかった家具の写真が表示されるようになった経緯がある(甲3~甲11)。 2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。 (1)本件ホームページにおける使用について 本件商標は、別掲1のとおり、「SCM」の文字を図案化したとおぼしき構成からなり、使用商標2は、上記1(2)のとおり、「SCM」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、これらは、外観において明らかに異なり、同視し得るものではないから、両者は、社会通念上同一の商標とはいえない。 また、本件ホームページは、その作成日及び印刷日が不明であるから、本件ホームページに記載されている使用商標2が、要証期間内に使用されたものとはいえない。 さらに、本件ホームページの開設者が明らかでないことから、使用商標2が、商標権者により使用されたものとはいえない。 加えて、上記1(3)のとおり、本件ホームページにおいて家具の写真が掲載された時系列には不自然な点もある。 以上を踏まえると、本件ホームページに基づく本件商標の使用を認めることはできない。 (2)本件領収証における使用について 本件商標は、別掲1のとおりの構成からなり、本件領収証に表示された使用商標1は、別掲2のとおりの構成からなるところ、これらは、いずれも「SCM」の欧文字を図案化したとおぼしき構成からなり、その構成態様をほぼ同一にするものであって、外観において同視されるものといえるから、両者は、社会通念上同一の商標といえる。そして、本件領収証には、いずれも要証期間内である2024年1月24日及び同年3月3日の日付が記載されている。また、本件領収証の発行者は本件会社であるところ、本件領収証には、本件会社の代表社員として商標権者の氏名も記載されており、商標権者と本件会社の間には業務上密接な関係があるということができるから、商標権者は、本件会社に対して本件商標の黙示の使用許諾を与えていたものと推認することはできる。 しかし、本件領収証の内容は、商品「鎌倉彫和たんす」及び「ウッドチェアー」についての小売が行われたことを示すものとはいえるものの、この点につき、本件領収証と、本件写真や本件プロパティとの関係は明らかでなく、本件領収証に記載された「鎌倉彫和たんす」等の商品が、本件写真や本件プロパティに表示された引き出し式の家具等と同一の商品であるかを確認することができず、その他、本件領収証に記載された商品が、具体的にどのような商品であるかを客観的に示す証拠の提出はない。 加えて、本件写真や本件プロパティは、それらの撮影者及び作成者が明らかでない上、木製の家具を屋外に展示したことを示す写真等であって、その信ぴょう性に疑問もあることから、本件会社ないし商標権者により、本件領収証を使用して、本件写真や本件プロパティに写った商品についての取引が行われたものと客観的に認めることができない。 また、仮に、本件領収証に記載された商品が、本件写真や本件プロパティに表示された商品であったとしても、本件写真と同視し得る商品の写真が掲載された本件ホームページは、上記1(3)によれば、商品写真の掲載時期について、不自然な点があるものである。 これらを踏まえると、本件領収証における使用商標1の使用は、信ぴょう性に欠けるものといわざるを得ず、本件領収証に基づく本件商標の使用を認めることはできない。 (3)小括 以上のことからすると、商標権者が、要証期間内に、本件商標を請求に係る役務について使用をしたと認めることができない。 そして、その他、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、本件商標を請求に係る役務について使用をしていることを認めるに足りる証拠の提出はない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、本件商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求に係る役務のいずれかについて、本件商標を使用していることを証明したとはいえない。 また、被請求人は、請求に係る役務について、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定役務中、請求に係る役務についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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