商標拒絶査定不服審判
2023-010576
ピント、パイント、ピイ
- 審判番号
- 2023-010576
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-033073
- 請求日
- 2023年06月26日
- 審決日
- 2024年03月21日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社マインディア
- 【請求人代理人】Authense弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .261-Z (W0935) / T18 .262-Z (W0935) / T18 .263-Z (W0935)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-33073拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年3月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年8月16日付け:拒絶理由通知書
令和4年10月6日:意見書の提出
令和5年3月16日付け:拒絶査定
令和5年6月26日:審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、前記1の手続補正書により、別掲2のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4920330号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「ピント」の文字を標準文字で表してなる商標
登録出願日:平成17年3月22日
設定登録日:平成18年1月13日
指定商品及び指定役務:第16類、第28類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(2)登録第5951853号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「PINT!」の文字を標準文字で表してなる商標
登録出願日:平成28年9月23日
設定登録日:平成29年6月2日
指定商品及び指定役務:第7類ないし第9類、第11類、第37類、第38類及び第40類ないし第42類に属する別掲3のとおりの商品及び役務
(3)登録第5958462号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成28年10月17日
設定登録日:平成29年6月23日
指定商品及び指定役務:第7類ないし第9類、第11類及び第35類に属する別掲5のとおりの商品及び役務
(4)登録第5964779号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「PINT」の文字を標準文字で表してなる商標
登録出願日:平成28年10月5日
設定登録日:平成29年7月21日
指定商品及び指定役務:第7類ないし第9類、第11類及び第35類に属する別掲6のとおりの商品及び役務
以下、引用商標2ないし引用商標4をまとめて「引用商標」という。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本願商標と引用商標との類否について
(ア)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、左側に赤色、黄色、青色及び緑色で配色した、鞄を模したとおぼしき略四角形の図形内に白抜きの曲線を表した図形(以下「図形部分」という。)を配し、右側に「Pint」の欧文字(以下「文字部分」ということがある。)を横書きしてなるところ、図形部分と文字部分とは、相互に間隔を空けて、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上分離して看取し得るものである。
そして、構成中の図形部分は、特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであり、これよりは、特定の称呼及び観念を生じないものである。
一方、本願商標の構成中の「Pint」の文字は、「(液量単位)パイント」(英辞郎on the WEB 株式会社アルク)を意味する英語であるものの、我が国においてなじみのない単語であって、一種の造語として把握されるものである。そして、欧文字からなる特定の意味合いを生じない造語にあっては、我が国において親しまれているローマ字読み及び英語の読みに倣って称呼するのが自然であるから、当該文字からは「ピント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。
また、図形部分及び文字部分とが、特定の意味合いを有する等の観念上の結びつきを有するものとも認められないことから、これらが常に一体不可分のものとしてのみ看取されると判断しなければならない特段の事情は見いだせない。
そうすると、本願商標は、その構成中、顕著に表され、かつ称呼しやすい「Pint」の文字部分を分離抽出し、これを本願商標の要部として引用商標と比較することが許されるというべきであり、「Pint」の文字に相応して「ピント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標について
a 引用商標2について
引用商標2は、上記3のとおり、「PINT!」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「!」は、その前の文字を強調する感嘆符であって、引用商標2において、自他商品役務の識別標識としての機能を発揮する部分は、「PINT」の文字部分にあるといえる。
したがって、引用商標2は、その構成中、「PINT」の文字に相応して「ピント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
b 引用商標3について
引用商標3は、別掲4のとおり、デザイン化した吹き出しと思われる赤色の図形内の中央に大きく「PINT!」の文字を配してなるところ、その構成中、吹き出しと思われる図形部分は、「PINT!」の文字を装飾する部分と看取されるものとみるのが相当である。
また、構成中の「PINT!」の文字部分は、「PINT」の文字を黒色で、「!」を赤色で、異なる色をもって表されているだけでなく、上記aのとおり、「!」は、その前の文字を強調する感嘆符であるから、引用商標3においては、「PINT」の文字部分が、自他商品役務の識別標識としての機能を発揮する部分と判断するのが相当である。
そうすると、引用商標3は、その構成中の「PINT」の文字部分を分離抽出し、これを引用商標3の要部として本願商標と比較することが許されるというべきであり、「PINT」の文字に相応して「ピント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
c 引用商標4について
引用商標4は、上記3のとおり、「PINT」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ピント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成よりなるところ、両商標は、その全体の外観構成において相違するものの、本願商標の要部である「Pint」と、引用商標の「PINT」の文字部分とを比較すると、大文字と小文字の差異を有し、書体が相違するものの、いずれも欧文字のつづりが同一であるから、両者は外観上、近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、本願商標の要部である「Pint」の文字から「ピント」の称呼を生じ、引用商標から「ピント」の称呼を生じることから、両者は、「ピント」の称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標の要部である「Pint」と引用商標の「PINT」は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
以上からすると、本願商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、「ピント」の称呼を共通にするものであり、外観において近似した印象を与えるものであるから、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
イ 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
a 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標2の指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」は引用商標2の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と、本願商標の指定商品及び指定役務中、第35類「コンピュータデータベースへの情報編集」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第42類「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」と同一又は類似の商品及び役務である。
b 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標3及び引用商標4の指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」は、引用商標3及び引用商標4の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。)」及び第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と同一又は類似の商品である。
ウ 小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、その指定商品及び指定役務は引用商標の指定商品及び指定役務と類似する商品及び役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張の主張について
ア 請求人は、本願商標は、図形部分と文字部分が「PPint」という態様で一体不可分のものと把握し得るものであり、本願商標からは「ピーピント」の称呼が生ずること、また、本願商標と引用商標は外観において顕著に相違することから、両者は互いに類似しない旨主張する。
しかしながら、本願商標の図形部分が常に「P」の文字を認識させるものとは言い難く、かつ、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成中、「Pint」の文字部分を分離抽出し、これを要部として本願商標と比較することが許されるというべきであるから、本願商標からは「ピント」の称呼が生ずるものである。
また、本願商標の要部である「Pint」と引用商標の「PINT」の文字部分とを比較すると、大文字と小文字の差異を有し、書体が相違するものの、いずれも欧文字のつづりが同一であるから、両者は外観上、近似した印象を与えるものである。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記(1)のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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