商標取消審判
2022-300644
ラバミュージック、ラバ
- 審判番号
- 2022-300644
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2018-068992
- 登録番号
- 6137739
- 請求日
- 2022年07月12日
- 審決日
- 2023年10月05日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】叶韻瑩
- 【請求人代理人】尾崎 隆弘
- 【被請求人】ムーン ビデオ インク.
- 【被請求人代理人】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T131 .1 -Z (W093841)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6137739号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6137739号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6137739号商標(以下「本件商標」という。)は、「Lava Music」の文字を標準文字で表してなり、平成30年5月24日に登録出願、第9類、第38類及び第41類の別掲に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同31年4月12日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録は、令和4年7月27日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年7月27日から同4年7月26日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件商標の指定商品及び指定役務(以下「請求に係る指定商品及び指定役務」という。)について使用をした事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。2 答弁に対する弁駁
(1)商標の使用者について
被請求人の提出に係る証拠(乙1、乙2)には、商標権者の名称や住所等が記載されていないため、「スマートフォン用アプリケーションソフトウェア,ダウンロード可能なコンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),携帯情報端末用コンピュータアプリケーションソフトウェア,アプリケーションソフトウェア」(以下「使用商品」という。)が商標権者による商品であることを確認できない。
また、前記の「第三者」が「専用使用権者又は通常使用権者」であるのか、「APKPure.com」のウェブサイト(以下「被請求人ウェブサイト」という。)からは、不明である。
よって、被請求人の主張する登録商標の使用は、「商標権者、専用使用権者又は通常使用権者」の使用には該当しない。
(2)いずれの指定商品の使用かについて
被請求人の使用商品は、どれをどのように証明しようとしているのかが明らかではない。「販売されるもの」であれば、販売記録が必要である。
(3)日本における使用か否かについて
乙第1号証は、ほとんどが英語であり、英語ウェブサイトにおいて、機械翻訳によって、一部の項目について日本語が表示されているにすぎず、「日本語ウェブサイト」における表示には該当しない。
被請求人ウェブサイトは、「INTERNIC WHOIS」の「APKPure.com写し」(甲2)によれば、「APKPure.comサーバー」が、米国に設けられたものであり、登録者及び管理者も米国在住のものである(甲2第2頁)。また、「JPRS WHOIS」(http://whois.jprs.jp/)でも、被請求人ウェブサイトを検索したが、ヒットしなかったので、日本のサーバーではない(甲3)。
インターネット上に、もともと英語で表記されたものを「日本語翻訳機能」によって、ページの一部のみが日本語で表示されていたとしても、単に検索エンジンで検索可能であったということだけであって、日本の需要者、取引者を対象としたものではないことは明らかである。
日本の需要者、取引者を対象としているのであれば、商品の金額が「日本円表示」で、なおかつ「日本円による決済手段」、そして日本サーバーでのダウンロードによる販売の経路が整っている必要がある。しかし、被請求人の証拠からは、日本での使用であることの、何らの証拠も開示されていない。
また、サーバーがアメリカにあるので、記録の保存がアメリカで行われたのであり、日本国内での記録でなければ意味はない。
上記のとおり、被請求人の提出した証拠は、不自然で不可解であるため、証拠能力に欠ける。また、USドル決済の米国を対象としたインターネット上の使用であって、日本における使用とは認められない。
(4)審判請求登録前3年以内か
乙第1号証のプリントアウトの日付は2022年11月4日であり、審判請求登録後の使用の証拠であるので、期間内の使用ではない。
乙第2号証について、被請求人は、2頁の第3段落で、「85回、サイトの記録が保存されていることがわかる。」と主張するが、単に回数を主張しているだけであり、どこで、誰が、どのような内容を、どのようにして、サイトのどのような記録を保存したのか不明である。
また、審判請求人の提出する「WAYBACK MACHINE」に示す(甲5)とおり、2018年11月10日及び同16日の更新記録はなく、信憑性に欠ける。また、2018年11月10日及び同16日は、審判請求登録日より3年以内の日付ではないので、登録商標が使用されていたことを証明することはできない。
(5)まとめ
以上のとおり、被請求人の提出した証拠には、我が国において、実際に商品として取引された客観的な事実は何ら示されていない。本件商標は、指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1 理由
被請求人は、モバイルアプリケーションの開発を業としている会社である。本件請求に係る商標については、使用商品に関して、第三者のアプリケーション販売サイトを通じて当該商標を付した商品が流通している。
乙第1号証は、Android向けに開発された各種のアプリケーションを提供している被請求人ウェブサイトの写しである。音楽関連のアプリケーション「Lava Music」として、ボタンを押せばダウンロードできるようになっている。アプリケーション名「Lava Music」(以下「本件アプリ」という。)は、本件商標と同一のものであり、商標法第2条第3項2号の「商品に標章を付したものを電気通信回線を通じて提供する行為」に該当していることは明白である。
当該掲載ページに記載のとおり、2018年11月10日付けで本件アプリの最新版「Lava Music 0.9.2」のアップデートが提供されており、ページの最終更新日は「2018-11-16」(2018年11月16日)となっている。これより、2018年11月16日以降から現在に至るまで、当該商品が掲載され続けていることが証明されている。
過去のウェブページを閲覧できる「INTERNET ARCHIVE Wayback Machine」から被請求人ウェブサイトのURL(https://m.apkpure.com/jp/)で検索したところ、2017年10月22日から2022年10月12日までの間に85回、サイトの記録が保存されている(乙2)。これより、当該記録期間の間、被請求人ウェブサイトが存在し続けていることが証明されるとともに本件アプリについても、その最終更新日である2018年11月16日から、少なくとも2022年10月12日までの間は商品が提供され続けていることが明白であり、審判請求の登録前3年以内の期間の使用に該当する。
2 結語
本件商標は、本件審判の登録前3年以内に日本国において、その請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていることが明白であるので、その登録は、取り消されるべきものではない。
第4 当審における審尋
当審において、令和5年6月21日付け審尋により、被請求人に対し、被請求人が商標法第50条第2項の規定する本件商標の使用している事実を証明したものとは認められない旨の暫定的見解を示し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第5 審尋に対する被請求人の回答
被請求人は、上記第4の審尋に対し、何ら回答をしていない。
第6 当審の判断
1 事実認定
被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、次のとおりである。
(1)被請求人ウェブサイト(乙1)には、円盤状のアイコンと思しき図形右横に「Lava Music」の記載があり、その他に「Android向けのLava Music APKをダウンロードしましょう」、「APKをダウンロード」、「XAPK/APKのインストール方法」、「説明」、「Lava Music 0.9.2 アップデート」、「音楽&オーディオ」、「追加情報」、「カテゴリー:フリー音楽&オーディオアプリ」、「最終のバージョン」、「最終更新日」、「投稿者」、「Andoroid要件」、「報告:不適切な内容としてのフラグ」等の記載が日本語で表示され、それ以外の記載のほとんどが英語にて表示されている。また、商標権者の名称や住所等の記載はみられない。
(2)過去のウェブページを閲覧できる「INTERNET ARCHIVE Wayback Machine」により、被請求人ウェブサイトのURL(https://m.apkpure.com/jp/)で検索した結果、2017年10月22日から2022年10月12日までの間に85回、サイトの記録が保存されている(乙2)。
2 判断
(1)本件商標の使用者について
上記1からすると、被請求人の提出に係る証拠からは、商標権者の名称や住所等の記載が見受けられず、他に商標権者等が使用商品について、商品取引を行っているとする具体的な証明がなされていないから、本件商標の使用者は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用されたものとは認められない。
(2)日本国内における使用について
被請求人の提出に係るウェブサイト(乙1)からは、「説明」、「追加情報」及び「最終更新日」等のタイトルが日本語である以外、その具体的な説明、内容等が英語表記されているものであって、また、他に日本国内において使用されている証拠等の提出はないから、本件商標が、日本国内において使用されていたとすることはできない。
(3)使用時期について
被請求人は、「2018年11月10日付けで本件アプリの最新版「Lava Music 0.9.2」のアップデートが提供され、ページの最終更新日は「2018-11-16」(2018年11月16日)となっていることより、2018年11月16日以降から現在に至るまで、当該商品が掲載され続けていることが証明されている。」旨主張するとともに、「過去のウェブページを閲覧できる「INTERNET ARCHIVE Wayback Machine」から、被請求人ウェブサイトは、2017年10月22日から2022年10月12日までの間に85回、サイトの記録が保存され、本件アプリの最終更新日の2018年11月16日から、少なくとも2022年10月12日までの間は商品が提供され続けていることが明白である。」旨主張する。
しかしながら、本件アプリの最新版がアップデートされ、2018年11月16日に最終更新がなされたことをもって、現在に至るまで本件商標が使用され続けていたということはできず、また、過去のウェブページを閲覧できる「INTERNET ARCHIVE Wayback Machine」による、ウェブサイトの存在記録等をもって、本件アプリが販売等の取引がされていたとすることはできないから、本件商標が、要証期間内において使用されていたとすることはできない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠における使用商標は、要証期間に日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務について、本件商標を使用されたものとは認められず、また、請求に係る指定商品及び指定役務について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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