商標取消審判
2023-300128
グラスポン、ガラスポン、グラス、ガラス、ポン、グラスポング、ガラスポング、ポング
- 審判番号
- 2023-300128
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-059719
- 登録番号
- 5807563
- 請求日
- 2023年02月24日
- 審決日
- 2024年07月10日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】ソリッドシード 株式会社
- 【請求人代理人】辻田 朋子
- 【請求人代理人】下田 一徳
- 【請求人代理人】樋口 頼子
- 【請求人代理人】中川 慶太
- 【請求人代理人】三村 拓真
- 【被請求人】Snapbag 合同会社
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 大山 健
- 審判官 鈴木 雅也
- 分類
- T131 .1 -Z (W0941)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5807563号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5807563号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5807563号商標(以下「本件商標」という。)は、「GlassPong」の文字を標準文字で書してなり、平成27年6月24日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,インターネット又はその他の通信ネットワークの手段により提供される電子ゲームの提供,電子出版物の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),娯楽施設の提供,おもちゃの貸与,遊戯用器具の貸与」を指定商品及び指定役務として、同年11月20日に設定登録がされた。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年3月13日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2020年(令和2年)3月13日~2023年(令和5年)3月12日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
(1)反論の趣旨
ア 事実の認定
被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証及び乙第2号証において、Nonnon Babaが「GlassPong+(グラスポン プラス)」又は「GlassPong+」の文字をアプリケーションソフトウェアに使用している事実が認められる。
(イ)著作物利用許諾書(乙3)において、株式会社シグマコミュニケーションズからSnapbag合同会社に対して、著作物(題名)「GlassPong」を、著作物(商品)「アプリケーションソフトウェア」についての著作物利用許諾の事実が認められる。
(ウ)Snapbag合同会社からNonnon Babaに対して、「iOSアプリケーション“GlassPong+”開発」の発注をした事実が認められる。また、発注書(乙4)にある「Snapbag合同会社は商標権があり且つ、株式会社シグマコミュニケーションズからGlassPongの著作物利用の許諾を受けております。また、再許諾の権利を行使しての発注になります。各種取り決めは秘密保持契約の通りになります。」との記載より、本件発注が著作物利用許諾に伴った発注である事実が認められる。
イ 認定した事実により判断できる事項
上記アにおいて認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(ア)本件商標(社会通念上同一と認められる商標も含む。)を使用していない
●乙第1号証及び乙第2号証について
「GlassPong+(グラスポン プラス)」及び「GlassPong+」は、本件商標と社会通念上同一の商標とはいえない。
●乙第3号証について
著作物利用許諾書(乙3)は、著作物の利用許諾の事実を示しているにすぎず、本件商標を商品について使用していたことを立証するものではない。
●乙第4号証について
発注書(乙4)で示される事実は、「GlassPong+」の開発発注で、「GlassPong+」と本件商標とは、外観、称呼及び観念において一致するものではない。
また、発注書(乙4)は、著作物の利用許諾の事実を示しているにすぎず、本件商標を商品について使用していたことを立証するものではない。
(イ)通常使用権の証明が不十分
●乙第1号証及び乙第2号証について
乙第1号証及び乙第2号証からは、Nonnon Babaが、使用権者としての地位を有している事実は認められない。
●乙第3号証について
著作物利用許諾書(乙3)は、著作物の利用許諾の事実を示しているにすぎず、Nonnon Baba、株式会社シグマコミュニケーションズ、及びその他に使用権を設定した事実は認められない。
●乙第4号証について
発注書(乙4)で示される事実は、被請求人には、GlassPongの著作物利用の許諾に伴った商標権があり、それに伴って商品発注を行った事実を示しているにすぎず、Nonnon Baba、株式会社シグマコミュニケーションズ、及びその他に使用権を設定した事実は認められない。
(ウ)本件商標を使用していない
●乙第1号証及び乙第2号証について
乙第1号証及び乙第2号証の「GlassPong+(グラスポン プラス)」及び「GlassPong+」は、本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえない。また、通常使用権の証明が不十分で、乙第1号証及び乙第2号証から、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標を使用した事実は認められない。
●乙第3号証及び乙第4号証について
著作物利用許諾書(乙3)は、著作物の利用許諾の事実を示しているにすぎず、発注書(乙4)は、商品発注の事実を示しているにすぎず、本件商標を商品について使用したことを立証するものではない。また、著作物利用許諾書(乙3)及び発注書(乙4)が頒布されたことは立証されていない。さらに、著作物利用許諾書(乙3)及び発注書(乙4)は、1社を対象とするものであり、頒布する性質の取引書類ではない。
(エ)要証期間における使用事実はない
乙第1号証ないし乙第4号証から、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標を商品に使用した事実は認められない。
(2)正当な理由の有無について
被請求人は、答弁書において、本件商標の使用をしていないことについての正当な理由があることを明らかにしていない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 答弁の理由
iPhoneアプリとして5年前にリリースしており現在も稼働中である。
また、著作権利用許諾を権利者と締結しており、製作者とも業務委託契約を締結している。
2 合議体の暫定的な見解及び弁駁に対する意見
合議体は、令和6年2月28日付けで審尋を通知し、相当の期間を指定して、合議体の暫定的な見解及び請求人の弁駁(上記第2の2)に対する被請求人の意見を求めたが、応答はなかった。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)App Storeの出力物(乙1)
乙第1号証は、App Storeの画面を出力した出力物であるところ、上部に、「GlassPong+(グラスポン プラス)」、「連続ボールを投げると爽快感が格別に違います」、「Nonnon Baba」、「iPhone対応」、「無料・App内課金が有ります」の記載があり、下部に、「情報」の項目下、「販売元/Nonnon Baba」、「サイズ/73.8MB」、「カテゴリ/ゲーム」の記載がある。
(2)App Store Connectの出力物(乙2)
乙第2号証は、App Store Connectの画面を出力した出力物であるところ、「2023年1月9日-2月8日」、「名前/GlassPong+/Nonnon Baba」、「タイプ/App」、「プラットフォーム/iOS」、「ユニット数/10」の記載があり、Nonnon Baba(以下「Nonnon Baba社」という。)が提供する「GlassPong+」の名称の「アプリ」が2023年1月9日ないし同年2月8日の期間において、10回ダウンロードされたことが示されている。
(3)著作物利用許諾書(乙3)
乙第3号証は、平成29年1月25日に、被請求人と株式会社シグマコミュニケーションズ(以下「シグマコミュニケーションズ社」という。)との間で締結された著作物利用許諾書であり、その1葉目に、「株式会社シグマコミュニケーションズ(以下「甲」という)はSnapbag合同会社(以下「乙」という)へ別紙記載の著作物(以下「本著作物」という)の利用を許諾し、詳細は次のとおりとする。」、「第1条(利用許諾)/甲は乙に対し、本著作物につき、別紙記載の条件に基づく利用を許諾する。」、「第4条(期間)/1.本書の有効期間は、本許可書末尾記載の本契約締結日から1年間とする。/2.本書の期間満了3ヵ月前までに、甲乙いずれも相手方に対し、文章をもって本書終了の意思表示をしないときは、本書はさらに1年間延長されるものとし、以後も同様とする。・・・」との記載がある。また、4葉目の【別紙】に、「1 著作物 アプリケーションソフト」の項目下に、「著作物(題名) GlassPong」の記載があり、「2 利用許諾に関する事項」の項目下に、「・・・○3許諾される利用態様(権利)/(1)本著作物の加工、複製/題名、開発物全部、ゲーム性、デザイン全部・・・/○4その他の利用条件/・・・(2)再許諾の可否/乙は、第三者に対し、上記○3の利用に関する権利の全部または一部を再許諾することができる。」(「○数字」は、「数字」を丸囲みしたもの。)の記載がある。
(4)発注書(乙4)
乙第4号証は、2017年9月1日に、被請求人が、Nonnon Baba社(宛先の「Nonno Baba」については「Nonnon Baba」誤記と認める。)に宛てて送付した発注書であるところ、「件名:アプリケーションソフト GlassPong+ 開発」の記載下に、「案件名」「数量」などを項目とする表内に、「案件名」として「iOSアプリケーション“GlassPong+”開発」、「数量」として「1」の記載がある。また、その下の「備考」欄に、「Snapbag合同会社は商標権があり且つ、株式会社シグマコミュニケーションズからGlassPongの著作物利用の許諾を受けております。また、再許諾の権利を行使しての発注になります。各種取り決めは秘密保持契約の通りになります。」との記載がある。
(5)上記(1)ないし(4)から以下の事実が認められる。
ア 販売元とされるNonnon Baba社が、要証期間である2023年1月頃に、「GlassPong+(グラスポン プラス)」の文字を用いて、App Storeにおいて、アプリを広告及び販売したことは推認できる(乙1、乙2)。
イ 被請求人が、Nonnon Baba社に、2017年9月1日に、「GlassPong+」の名称のiOSアプリの開発を委託したことは確認できる(乙4)。
ウ 被請求人が、シグマコミュニケーションズ社から、平成29年1月25日に、題名が「GlassPong」である「アプリケーションソフト(著作物)」についての利用を許諾されたことは確認できる(乙3)。
2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。
(1)アプリに基づく使用について(乙1、乙2、乙4)
ア 使用商標について
Nonnon Baba社が、要証期間である2023年1月頃に、「GlassPong+(グラスポン プラス)」の文字(以下「使用商標」という。)を用いて、App Storeにおいて、アプリを広告及び販売した(乙1、乙2)と推認できるところ、使用商標における、「(グラスポン プラス)」の部分は、「GlassPong+」の読みを表していると認められ、使用商標において、「GlassPong+」が自他商品及び役務を識別する要部であると認められる。
そして、使用商標の要部である「GlassPong+」と、本件商標(上記第1)とは、「+」(プラス)の文字の有無で相違することからすれば、直ちに、使用商標が本件商標と同一又は社会通念上同一ということはできない。
イ 使用者について
また、仮に、使用商標が本件商標と社会通念上同一であるとしても、要証期間である2023年1月頃、使用商標を付してアプリを広告及び販売したのは、Nonnon Baba社である。
そして、被請求人は、被請求人とNonnon Baba社との関係について説明しておらず、被請求人が提出した証拠からは、Nonnon Baba社が本件商標についての専用使用権者又は通常使用権者であることは認められない。
なお、発注書(乙4)から、被請求人がNonnon Baba社に、「GlassPong+」の名称のiOSアプリの開発を委託したことは確認できるとしても、この発注書から、Nonnon Baba社が、本件商標についての通常使用権者であるとまでは認めることができないし、Nonnon Baba社が本件商標の通常使用権者であることを示すようなその他の証拠も見当たらない。
ウ 小括
したがって、被請求人が提出した、アプリについての証拠方法(乙1、乙2、乙4)からは、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用したと認めることはできない。
(2)著作物利用許諾書に基づく使用について(乙3)
著作物利用許諾書(乙3)から、被請求人が、シグマコミュニケーションズ社から、平成29年1月25日に、題名が「GlassPong」である「アプリケーションソフト(著作物)」についての利用を許諾されたことは確認できるとしても、当該日付は要証期間外である。
さらに、仮に、著作物利用許諾書(乙3)による著作物の利用許諾が要証期間においても存続していたとしても、著作物利用許諾書(乙3)は、被請求人が、シグマコミュニケーションズ社から、著作物についての利用を許諾されたことを示すにとどまり、実際に被請求人が要証期間に、「GlassPong」の題名のアプリを広告や販売したことを示すものではない。
したがって、被請求人が提出した、著作物利用許諾書についての証拠方法(乙3)からも、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用したと認めることはできない。
(3)発注書に基づく使用について(乙4)
発注書(乙4)から、被請求人が、Nonnon Baba社に、2017年9月1日に、「GlassPong+」の名称のiOSアプリの開発を委託したことは確認できるとしても、当該日付は、要証期間外である。
また、発注書(乙4)に表示された「“GlassPong+”」の文字が、本件商標と社会通念上同一とはいえないことは、上記(1)アで説示したとおりである。
したがって、被請求人が提出した、発注書についての証拠方法(乙4)からも、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用したと認めることはできない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-300128