商標取消審判
2022-300857
ガッシュ
- 審判番号
- 2022-300857
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-056751
- 登録番号
- 5872022
- 請求日
- 2022年09月22日
- 審決日
- 2023年10月30日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】青木 幾雄
- 【請求人代理人】弁理士法人一色国際特許事務所
- 【被請求人】樂點股▲ふん▼有限公司
- 【被請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Z (W0941)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5872022号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5872022号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「ダウンロード可能なビデオファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,ダウンロード可能なコンピュータグラフィックス画像」及び第41類「音楽及び映画の分野のオンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。)」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5872022号商標(以下「本件商標」という。)は、図案化された「GASH」の文字からなり、平成27年6月16日に登録出願され、「ダウンロード可能なビデオファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,ダウンロード可能なコンピュータグラフィックス画像」を含む第9類、「音楽及び映画の分野のオンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。)」を含む第41類及び第36類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年8月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年10月11日であり、その請求の登録前3年以内の令和元年10月11日から令和4年10月10日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「ダウンロード可能なビデオファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,ダウンロード可能なコンピュータグラフィックス画像」及び第41類「音楽及び映画の分野のオンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。)」(以下「請求に係る指定商品役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)株式会社ギャッシュポイント・ジャパンのウェブサイト(乙2)で被請求人が請求に係る指定商品役務についての使用であると主張している「デジタルコンテンツの翻訳、販売、輸出入及び仲介、コンサルティング」という記載は、被請求人の「一般的な」事業内容の紹介にすぎず、具体的に請求に係る指定商品役務についての紹介・広告を行っているとはいえない。被請求人らのデジタルコンテンツが、動画、画像、音楽、電子出版物、のいずれなのか、ダウンロード可能なものか否か、どのように入手できるのか、商品・役務の価格がいくらなのか、などは全く不明だからである。単に事業内容として「デジタルコンテンツの翻訳、販売、輸出入及び仲介、コンサルティング」と貴脚しているだけでは、請求に係る指定商品役務のいずれについて、具体的に広告を行っているか全く不明であり、商標法第2条第3項第8号に規定する使用には当たらない。
(2)乙第1号証、乙第3号証ないし乙第5号証は、いずれも本件商標権者の日本における登録商標の使用について立証するものではない。
(3)株式会社ギャッシュポイント・ジャパンのウェブサイトは、実際には機能しておらず、「事業内容」すら日本で要証期間内に提供されていたか疑わしい。令和5年4月19日における当該ウェブサイトのトップページには「ユーザー登録(無料)」と表示された箇所があり、ユーザ登録を希望する者が必要事項を記入して「無料会員登録」をクリックすれば、ユーザ登録できるかのような体裁になっているが、必要事項を記入して「無料会員登録」をクリックしても、「構築中」の旨を示す表示がなされる等、同社のサービスを受ける前提である「ユーザー登録」「ログイン」ができない状況である。
第3 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。
1 令和5年3月28日差出の審判事件答弁書
(1)本件商標権者の英語名称は「GASH POINT Co.,Ltd」であり(乙1)、株式会社ギャッシュポイント・ジャパン(英語名称は「GASH POINT(JAPAN) Co.,Ltd」)は、本件商標権者の日本法人であり(乙2、乙3)、株式会社ギャッシュポイント・ジャパンが本件商標権者の日本法人である以上、同社が通常使用権者であることは明らかである。
(2)株式会社ギャッシュポイント・ジャパンのウェブサイト(乙2)のヘッダーに本件商標と社会通念上同一の商標が表示されており、「事業内容」の記載に紹介されている事業内容の1つに「デジタルコンテンツの翻訳、販売、輸出入及び仲介、コンサルティング」と記載されている。ウィキペディアの記事(乙5)にあるように、デジタルコンテンツにはビデオファイル、画像ファイル、電子出版物などが含まれることは明白であることから、本件商標が請求に係る指定商品役務に使用されていることは明らかである。
第4 審尋及び被請求人の回答
1 審判長は、令和5年6月29日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、使用者及び使用に係る商品又は役務についての立証が不十分であり、本件商標権者が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解を示すとともに、請求人提出の弁駁書に対する回答を求めた。
2 被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。
第5 当審の判断
1 被請求人提出の証拠の内容
(1)乙第2号証及び乙第6号証は、株式会社ギャッシュポイント・ジャパンのウェブサイトの写しであり、そのヘッダーに図案化されたGASHの白地の文字(以下「使用商標」という。)が表示されており、「事業内容」の項目の1つに「デジタルコンテンツの翻訳、販売、輸出入及び仲介、コンサルティング」と記載されている。
なお、乙第1号証は、中国語のウェブサイトの写しであり、乙第3号証は、財経新聞と題するウェブサイトの写しであり、乙第4号証は、特許庁のホームページ掲載の資料の写しであり、乙第5号証は、ウィキペディアの「デジタルコンテンツ」の項目のページの写しである。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
事案に鑑み、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。以下同じ。)を請求に係る指定商品役務に使用したことが立証されたかについて検討する。
上記1によれば、使用商標を示す証拠として提出された乙第2号証及び乙第6号証には、「事業内容」の項目に「デジタルコンテンツの翻訳、販売、輸出入及び仲介、コンサルティング」との記載がある。しかしながら、この記載は、株式会社ギャッシュポイント・ジャパンの事業の概要の紹介にとどまるものであって、本件商標が、具体的に請求に係る指定商品役務のいずれかに使用されていることを示す記載とはいえない。
また、乙第1号証は、中国語によるものであり、日本国内における本件商標の使用を示すものでないことが明らかであり、乙第3号証ないし乙第5号証は、本件商標権者または通常使用権者によるものでなく、本件商標の使用を示すものでないことが明らかである。
よって、被請求人が提出した証拠は、いずれも本件商標の請求に係る指定商品役務についての使用を示すものでなく、被請求人は、請求に係る指定商品役務についての本件商標の使用を立証していない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件商標権者が請求に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用したことを立証しておらず、他に、本件審判の請求の登録前3年以内に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによる本件商標の使用を証明するものはない。
よって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明したものということはできない。
また、本件商標を請求に係る指定商品及び指定役務について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中「結論掲起の指定商品及び指定役務」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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