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商標拒絶査定不服審判

2024-016689

ファットラバアンドジャーマンアートポタリー、ファットラバジャーマンアートポタリー、ファットラバ、ファット、エフエイテイ、ラバ、ジャーマンアートポタリー、ジャーマンアート、アートポタリー

審判番号
2024-016689
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-085674
請求日
2024年10月18日
審決日
2025年09月08日
公報発行日
2025年11月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】服部 敬子
  • 【請求人代理人】弁理士法人いしい特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 目黒 潤
分類
T18 .16 -Z (W35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023- 85674拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年8月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年 2月13日付け:拒絶理由通知 令和6年 3月22日 :意見書の提出 令和6年 7月19日付け:拒絶査定 令和6年10月18日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「Fat Lava & German Art Pottery」の文字を標準文字で表してなり、第35類「陶器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原審において、「本願商標は、「Fat Lava & German Art Pottery」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定役務の分野において、主に1950年代から1980年代頃までの期間、旧西ドイツを中心に制作された陶磁器作品の一種を表す語として「Fat Lava」の語が一般に使用されている実情、及び主に1940年代から1990年代頃までの期間に旧西ドイツを中心に制作された陶磁器を表す語として、「German Art Pottery(West German Art Pottery)」の語が一般に使用されている実情が見受けられる。また、本願商標の構成中「&」の文字は、「~と・および・そして・またのことを意味する英語表現」である「and」の記号と一般に理解されるものである。そうとすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、当該小売等役務における取扱商品が、「Fat Lava(主に1950年代から1980年代頃までの期間、旧西ドイツを中心に制作された陶磁器作品の一種)及び、German Art Pottery(主に1940年代から1990年代頃までの期間に旧西ドイツを中心に制作された陶磁器)」であること、すなわち、取扱商品の品質を普通に用いられる方法で表したものと認識するにすぎないものといえる。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものというのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、「Fat Lava & German Art Pottery」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成態様から、「Fat Lava」、「&」及び「German Art Pottery」の各文字及び記号を結合させたものと容易に理解されるものである。 そして、本願商標の構成中、「Fat」の文字は「(まるまると)太った。ふくらんだ。肥沃な。」等を、「Lava」の文字は「溶岩。焼石。」を、「German」の文字は「ドイツの。ドイツ人[語]の」等を、「Art」の文字は「芸術。美術。」等を、「Pottery」の文字は「陶器類。焼き物。」等(いずれも出典は「新英和中辞典第7版」株式会社研究社)をそれぞれ意味する語であり、また、同構成中の「&」(ampersand)部分は「「そして」「…と…」の意。アンド。」を意味する記号(出典:「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)であり、我が国において、広く一般的に親しまれ、意味の理解が容易な記号である。 また、原審提示の情報や別掲1及び別掲2の情報にあるように、本願の指定役務の分野(以下「陶器の小売等役務」という。)において、「Fat Lava」の文字は、主に1950年代から1980年代頃までの期間、旧西ドイツを中心に制作された陶磁器作品のジャンルの一種を、「German Art Pottery」の文字は、主に1940年代から1990年代頃までの期間に旧西ドイツを中心に制作された陶磁器作品のジャンルの一種を表す語としてそれぞれ広く一般に使用されている事実があることが確認できる。 そうとすれば、上記取引の実情を踏まえると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者、取引者は、当該役務が「陶磁器作品のジャンルの一種である「Fat Lava」と「German Art Pottery」の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であること、すなわち、単に陶器の小売等役務の取扱商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)本願商標の使用による識別性について 請求人は、令和6年10月18日提出の審判請求書において、本願商標は、その指定役務の分野において、取引者・需要者によって請求人の業務に係る役務を示す表示として広く認識されていることを示すものである旨主張し、証拠方法として、資料12ないし資料36を提出している。 そこで、提出された資料及びそれに基づく請求人の主張を検討するに、請求人は、2020年10月から2024年9月まで、月一程度の頻度で、大手百貨店を主としてポップアップストア(数週間程度の比較的短い期間限定で開設されるショップ)の出店を断続的に実施し、東京から熊本に至る全国主要都市の延べ46箇所において、「Fat Lava & German Art Pottery」の標章を付したものを展示し、また、インスタグラムのページに「Fat Lava & German Art Pottery」の標章を付して提供している(資料12ないし資料36)。 しかしながら、本願商標の使用期間は4年弱と決して長いとはいい難く、また、請求人役務の市場規模や同業他社の取引実績、販売実績等の程度も明らかではないため、取引実績等の多寡や市場におけるシェア等を判断することができず、また、インスタグラム以外に請求人役務の広告宣伝の実績、規模などを客観的にかつ具体的に示す証拠はなく、そのほか需要者の認識の程度を示す証拠(アンケート調査の結果など)も提出されていないことから、請求人役務の我が国における取引規模や需要者の認識の程度は明らかではない。 そうとすれば、請求人提出の証拠によっては、本願商標がその指定役務について使用された結果、請求人を示すものとして、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っているものとは認めることはできない。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標は、全ての文字及び記号が同じ大きさ、間隔、書体並びに色彩で表されており、いずれかの文字部分だけが独立して看者の注意を引くものではなく、これより生ずる称呼がやや冗長ではあるものの、無理なく一連に称呼できることにも鑑みれば、本願商標に接する需要者や取引者は、本願商標を一体不可分の語よりなるものと認識する旨主張している。 しかしながら、本願商標は、その構成中のいずれの文字部分は独立して看者の注意を引くものではないとしても、それを構成するのは、「Fat Lava」の文字と「German Art Pottery」の文字とを、「&」の記号で結合したものであると容易に看取、把握されるものであるし、また、本願商標全体から生じる「ファットラバアンドジャーマンアートポタリー」の称呼も一連に称呼するにはあまりに冗長といえるものであり、さらに、本願の指定役務である陶器の小売等役務に係る取引の実情等も踏まえると、本願商標の構成全体として一種の造語というよりは、上記(1)のとおり、単に陶磁器のジャンルの一種を「&」で結合したもの、すなわち、取扱商品の品質を表すものとして認識するにとどまるものである。 イ 請求人は、原審で提示した証左に関して、「Fat Lava」及び「German Art Pottery」の語が未登録商標として使用される場合が多く存在する実情を踏まえると、これらの語に接する需要者等が取扱商品の品質を普通に用いられる方法で表しただけと認識するとは到底考えらない旨主張している。 しかしながら、原審提示の情報や別掲1及び別掲2の情報を確認するに、「Fat Lava」の語が、主に1950年代から1980年代頃までの期間、旧西ドイツを中心に制作された陶磁器作品のジャンルの一種であること、「German Art Pottery」の語が、主に1940年代から1990年代頃までの期間に旧西ドイツを中心に制作された陶磁器作品のジャンルの一種であることを説明する記載が多数見られることを考慮すれば、これらの語を「&」で結合した本願商標に接する需要者等は、取扱商品の品質を認識するにすぎないものといえるものであるから、本願商標は、上記(1)のとおり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。 ウ 請求人は、「Fat Lava & German Art Pottery」の文字を用いている事例の数が極めて少ない上、同文字が「Fat Lava」及び「German Art Pottery」を指称する語としてある程度統一的に使用されているという事実は特に見当たらず、本願商標に接する需要者が、それを自他役務の識別標識としては認識し得ないというべき事情も特段に見当たらない旨主張している。 しかしながら、「商標法第3条第1項第6号は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該商標が取引上現実に使用されている事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成25年(行ケ)第10142号、同年11月14日知財高裁判決)」ことからすると、「Fat Lava & German Art Pottery」の文字が、請求人以外の者によって使用されている事例が極めて少ないとしても、本願商標をその指定役務に使用した場合における需要者の認識を推し量る際に、当該指定役務に係る取引の実情を勘案することは、合理的であるというべきであって、そのような取引の実情を勘案したときに、本願商標が、需要者をして何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であることは、上記(1)のとおりである。 エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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