商標取消審判
2022-300553
ネット、エヌイイテイ
- 審判番号
- 2022-300553
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2007-065826
- 登録番号
- 5180286
- 請求日
- 2022年06月16日
- 審決日
- 2023年04月19日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】志方 志乃
- 【被請求人】株式会社 東武百貨店
- 【被請求人代理人】田中 伸一郎
- 【被請求人代理人】中村 稔
- 【被請求人代理人】辻居 幸一
- 【被請求人代理人】井滝 裕敬
- 【被請求人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【被請求人代理人】藤倉 大作
- 【被請求人代理人】相良 由里子
- 【被請求人代理人】石戸 孝
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Y (X35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5180286号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5180286号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成19年6月25日に登録出願され、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,医療用機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同20年11月14日に設定登録され、同30年8月14日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年7月4日であり、その請求の登録前3年以内の同元年7月4日から同4年7月3日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,医療用機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての登録を取り消す、審判請求費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、答弁に対し弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出している。
1 被請求人は、「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する取引書類である、被請求人のギフトカタログ(乙1~乙7)に本件商標を使用してきた。ギフトカタログ中の各商品番号の右側に本件商標が付されている。
乙第1号証ないし乙第7号証は、2019年から2022年夏までのお中元・お歳暮のギフトカタログであり、要証期間内に発行され、頒布されたものである。被請求人の行為は、商標法2条3項8号に規定する商標の使用に該当する。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第2号証は、表紙に「東武のお歳暮」「2019年総合版」の表示があるギフトカタログ(以下「2019お歳暮カタログ」という。)であり、「惣菜」や「洋菓子・和菓子」等のカテゴリー毎にギフト商品の名称、写真、価格等が掲載されており、その商品の一部には、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)の表示がある。
また、2019お歳暮カタログの212ページには、「インターネットでのお申込み方法」「※池袋店のお取り扱いとなります。」「承り期間:10月18日(金)午前10時~12月22日(日)午後2時」(注:「(金)」、「(日)」は丸囲い文字の金、日。以下曜日を示す文字について同様。)との記載とともに、使用商標が表示されており、「このマークがついている商品は、インターネットなら24時間いつでもご注文いただけます。」と記載されている。
そして、2019お歳暮カタログの214ページには、「郵便でのお申込み方法」「承り期間:11月6日(水)~12月11日(水)到着分有効」との記載とともに、「郵送用宛名ラベル」とのはがき大の領域に「(受取人)東京都豊島区西池袋 1-1-25 東武百貨店池袋店 お歳暮ギフト 「カタログショッピング」係行」と記載されている。
(2)乙第3号証は、表紙に「東武のお中元」「2020年総合版」の表示があるギフトカタログ(以下「2020お中元カタログ」という。)であり、「惣菜」や「洋菓子・和菓子」等のカテゴリー毎にギフト商品の名称、写真、価格等が掲載されており、その商品の一部には、使用商標の表示がある。
また、2020お中元カタログの210ページには、「インターネットでのお申込み方法」「※池袋店のお取り扱いとなります。」「承り期間:5月17日(日)午前11時~7月20日(月)午後2時」との記載とともに、使用商標が表示されており、「このマークがついている商品は、インターネットなら24時間いつでもご注文いただけます。」と記載されている。
そして、2020お中元カタログの212ページには、「郵便でのお申込み方法」「承り期間:6月8日(月)~7月5日(日)到着分有効」との記載とともに、「郵送用宛名ラベル」とのはがき大の領域に「(受取人)東京都豊島区西池袋 1-1-25 東武百貨店池袋店 お中元ギフト 「カタログショッピング」係行」と記載されている。
(3)乙第4号証は、表紙に「東武のお歳暮」「2020年総合版」の表示があるギフトカタログ(以下「2020お歳暮カタログ」という。)であり、「惣菜」や「和洋菓子」等のカテゴリー毎にギフト商品の名称、写真、価格等が掲載されており、その商品の一部には、使用商標の表示がある。
また、2020お歳暮カタログの212ページには、「インターネットでのお申込み方法」「※池袋店のお取り扱いとなります。」「承り期間:10月16日(金)午前10時~12月22日(火)午後2時」との記載とともに、使用商標が表示されており、「このマークがついている商品は、インターネットなら24時間いつでもご注文いただけます。」と記載されている。
そして、2020お歳暮カタログの214ページには、「郵便でのお申込み方法」「承り期間:11月5日(木)~12月5日(土)到着分有効」との記載とともに、「郵送用宛名ラベル」とのはがき大の領域に「(受取人)東京都豊島区西池袋 1-1-25 東武百貨店池袋店 お歳暮ギフト 「カタログショッピング」係行」と記載されている。
(4)乙第5号証は、表紙に「東武のお中元」「2021年総合版」の表示があるギフトカタログ(以下「2021お中元カタログ」という。)であり、「惣菜」や「洋菓子・和菓子」等のカテゴリー毎にギフト商品の名称、写真、価格等が掲載されており、その商品の一部には、使用商標の表示がある。
また、2021お中元カタログの216ページには、「インターネットでのお申込み方法」「※池袋店のお取り扱いとなります。」「承り期間:5月18日(火)午前10時~7月20日(火)午後2時」との記載とともに、使用商標が表示されており、「このマークがついている商品は、インターネットなら24時間いつでもご注文いただけます。」と記載されている。
そして、2021お中元カタログの218ページには、「郵便でのお申込み方法」「承り期間:6月7日(月)~7月4日(日)到着分有効」との記載とともに、「郵送用宛名ラベル」とのはがき大の領域に「(受取人)東京都豊島区西池袋 1-1-25 東武百貨店池袋店 お中元ギフト 「カタログショッピング」係行」と記載されている。
(5)乙第6号証は、表紙に「東武のお歳暮」「2021年総合版」の表示があるギフトカタログ(以下「2021お歳暮カタログ」という。)であり、「惣菜」や「和洋菓子」等のカテゴリー毎にギフト商品の名称、写真、価格等が掲載されており、その商品の一部には、使用商標の表示がある。
また、2021お歳暮カタログの218ページには、「インターネットでのお申込み方法」「※池袋店のお取り扱いとなります。」「承り期間:10月15日(金)午前10時~12月23日(木)午前(あさ)8時」との記載とともに、別掲2の使用商標が表示されており、「このマークがついている商品は、インターネットなら24時間いつでもご注文いただけます。」と記載されている。
そして、2021お歳暮カタログの220ページには、「郵便でのお申込み方法」「承り期間:10月28日(木)~12月10日(金)(12月6日(月)到着分有効)」との記載とともに、「郵送用宛名ラベル」とのはがき大の領域に「(受取人)東京都豊島区西池袋 1-1-25 東武百貨店池袋店 お歳暮ギフト 「カタログショッピング」係行」と記載されている。
(6)乙第7号証は、表紙に「東武のお中元」「2022年総合版」の表示があるギフトカタログ(以下「2022お中元カタログ」という。)であり、「惣菜」や「洋菓子・和菓子」等のカテゴリー毎にギフト商品の名称、写真、価格等が掲載されており、その商品の一部には、使用商標の表示がある。
また、2022お中元カタログの218ページには、「インターネットでのお申込み方法」「※池袋店のお取り扱いとなります。」「承り期間:5月17日(火)午前10時~8月4日(木)午前(あさ)8時」との記載とともに、使用商標が表示されており、「このマークがついている商品は、インターネットなら24時間いつでもご注文いただけます。」と記載されている。
そして、2022お中元カタログの220ページには、「郵便でのお申込み方法」「承り期間:5月26日(木)~7月4日(月)(到着分有効)」との記載とともに、「郵送用宛名ラベル」とのはがき大の領域に「(受取人)東京都豊島区西池袋 1-1-25 東武百貨店池袋店 お中元ギフト 「カタログショッピング」係行」と記載されている。
(7)上記(1)~(6)のギフトカタログを総称して、以下「本件ギフトカタログ」という。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「net」の欧文字とこれを囲う白抜きの長方形をその下の略台形と組み合わせてなる商標であり、他方、使用商標も、別掲2のとおり、同様の「net」の欧文字とこれを囲う白抜きの長方形をその下の略台形と組み合わせてなる商標である。
よって、使用商標が本件商標と同一の商標(本件商標と社会通念上同一の商標を含む。以下同様。)であることは、明らかである。
(2)使用者について
上記1のとおり、本件ギフトカタログには、郵送によるギフトの申込みに係る郵送の宛名が、本件商標権者の池袋店である旨が記載され、また、インターネットによるギフトの申込みの取扱が本件商標権者の池袋店である旨も示されている。
これらの記載によれば、インターネットによるギフトの申込みの対象となるギフト商品を本件ギフトカタログに使用商標とともに掲載した主体が本件商標権者であることが明らかである。
よって、使用者は、本件商標権者である。
(3)使用役務について
本件ギフトカタログは、通信販売における、顧客の商品選択の便宜のためのカタログであると認められる。
また、上記1のとおり、使用商標は、本件ギフトカタログにおいて、インターネット販売の対象の商品について使用されており、インターネット販売の対象である商品選択の便宜のために使用されているものと認められる。
そして、本件ギフトカタログには「惣菜」や「洋菓子・和菓子」等、飲食物に該当する商品も掲載されており、当該商品にも使用商標が付された商品が含まれている。
よって、使用商標は、請求に係る指定役務に含まれる、「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用役務」という。)について使用されている。
(4)使用時期について
ア 上記1(1)ないし(6)に示したとおり、本件ギフトカタログには、インターネットでのギフトの申込み及び郵便によるギフトの申込みのそれぞれについての「承り期間」が記載されている。そして、本件商標権者において、各年の歳暮又は中元の時期に対応して「承り期間」を設定し、当該「承り期間」に申込みがなされたギフト商品を小売販売したことは、明らかである。
イ そして、本件ギフトカタログは、承り期間より前に作成され、その作成日から当該承り期間を含む期間に頒布されたと推認される。
よって、本件ギフトカタログの作成及び頒布は、要証期間内になされたものと推認される。
ウ 本件ギフトカタログのそれぞれの頒布から「承り期間」の終了までの期間は要証期間内であり、当該期間において、インターネット販売の対象である飲食物の選択の便宜のために、使用商標が表示された本件ギフトカタログが使用されていたものと推認される。
このことから、本件商標権者は、要証期間内に、使用商標を表示した本件ギフトカタログを用いて使用役務を提供したものと推認される。
(5)使用行為について
ア 本件ギフトカタログは、使用役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に該当する。
そして、上記(4)イによれば、本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定役務に含まれる使用役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に本件商標と同一の商標を付する行為を行ったものであり、この行為は、商標法2条3項3号の役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為に該当する。
また、上記(4)ウによれば、本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定役務に含まれる使用役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に本件商標と同一の商標を付したものを用いてこの使用役務を提供する行為を行ったものであり、この行為は、同条同項4号の役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為に該当する。
イ 本件ギフトカタログは、インターネットにより申込みが可能であるギフト商品の選択の便宜のために、これらのギフト商品の名称、写真、価格等を掲載したものが頒布されるものであることから、使用役務に関する広告又は価格表に該当するものともいえる。
そして、上記(4)イによれば、本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定役務に含まれる使用役務に関する広告又は価格表に本件商標と同一の商標を付して頒布する行為を行ったものであり、この行為は、同条同項8号の役務に関する広告若しくは価格表に標章を付して頒布する行為に該当する。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定役務に含まれる使用役務について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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