商標取消審判
2022-300522
バイオリンクス、ビオリンクス、バイオ、ビオ、ブイアイオオ、リンクス
- 審判番号
- 2022-300522
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2014-002466
- 登録番号
- 5673803
- 請求日
- 2022年06月08日
- 審決日
- 2023年07月26日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】ヴィオタス
- 【請求人代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
- 【被請求人】株式会社 アイ・エル・シー
- 【被請求人代理人】酒井 昭徳
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T132 .1 -Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5673803号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5673803号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「製造業における生産性向上を支援するための自動制御用自動調節機械器具,生産工程の計測・監視・制御のための自動制御用自動調節機械器具及び遠隔監視装置,測定機械器具,電気通信機械器具,製造業における製品開発・生産性向上を支援するための電子計算機用プログラム,その他の電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5673803号商標(以下「本件商標」という。)は、「VIO-Links」の文字を標準文字で表してなり、平成26年1月16日に登録出願、商標登録原簿に記載の第9類に属する商品及び第42類に属する役務を指定商品及び指定役務として、同年5月30日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年6月22日である。
なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年6月22日ないし同4年6月21日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「製造業における生産性向上を支援するための自動制御用自動調節機械器具,生産工程の計測・監視・制御のための自動制御用自動調節機械器具及び遠隔監視装置,測定機械器具,電気通信機械器具,製造業における製品開発・生産性向上を支援するための電子計算機用プログラム,その他の電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」(以下「請求対象商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1 答弁の理由
本件商標は、商標権者により、本件商標の指定商品である「電子計算機用プログラム」(以下「本件製品」という。)について、要証期間に国内で継続的に使用されていた事実がある。
被請求人は、商標権者による本件商標の使用事実を証するために、乙第1号証及び乙第2号証を提出する。
乙第1号証は、商標権者が2018年4月17日に発行(閲覧開始)した本件製品の電子カタログ(カタログ番号:BF932-038J-1 201804)で、商標権者はこれをその運営に係るインターネットホームページからダウンロードさせている。
電子カタログ閲覧ページのURLは次のとおりである。
http://www.ilc.co.jp/cgi/form/catalog-download/submit
http://www.ilc.co.jp/support/downloadCatalogDataILC151225/SEP_Catalog_RevI.pdf
本件商標が使用されている箇所は次のとおりである。
3頁の「POINT 2」、「POINT 3」。
7頁の「SEPメーカカスタマイズ機能」中の「ユーザアプリケーション」の概念図中に「ILCが提供する標準機能」として「コア部(VIO-Links○R)」(当審注:「○R」は「R」の文字を丸囲みしたもの。以下同様。)と表示されている。
12頁の「SEP商品構成」、「1:SEPcoreの全体概要」。
13頁の「1-2:VIO-Links○R(Virtual Object LINKing System)」、「図1-1-3 VIO-Linksの機能説明図」。
17頁の「SEPcore(SEP組込プラットフォーム)」の動作環境に「メモリ 最小構成(VIO-Links機能)で30KbytesのROMと8Kbytesのワークメモリで動作可能」と記載されている。
18頁の「○4 制御プログラム自動生成」説明図(当審注:「○4」は「4」の文字を丸囲みしたもの。)。
19頁の関連用語集に「VIO-Links○R」が記載されている。
裏表紙に「FACTICS、Smart Embedded Platform、VIO-Links、Remote Agent Callは株式会社アイ・エル・シーの登録商標です。」と記載されている。
乙第2号証は、本件製品に関する請求書兼納品書である。
本件製品を購入した顧客に対して2021年5月10日に「VIO-Links」のバイナリ提供サービスを行ったこと、その対価として110,000円(消費税10%込み)を請求した事実を証明するものである。ここで「バイナリ提供サービス」とは、本件製品を購入した顧客の動作環境がWindowsやLinux以外であった場合に顧客の動作環境上(OS等)で「VIO-Links」を稼働させるためのバイナリデータを生成して提供する役務を意味するものである。
2 結語
被請求人は、以上の乙各号証により、本件商標の商標権者による本件審判請求の登録日前3年以内の本件商標の取消対象商品についての日本国内での使用事実(商標法第2条第3項第8号)を立証し得たものと確信する。
第4 当審における審尋
当審は、令和5年3月17日付け審尋において、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品に本件商標を使用していると主張し、その証拠として乙第1号証及び乙第2号証を提出しているが、提出された証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する証明をしたものということはできない旨の暫定的見解を示したうえで、請求人の主張に対し、意見があれば具体的な証拠とともに提出するよう、相当の期間を指定して、回答を求めた。
しかしながら、被請求人は、上記審尋に対して何ら応答していない。
第5 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)カタログ(乙1)
乙第1号証は、被請求人の主張によれば、商標権者が2018年4月17日に発行した「SEP(Smart Embedded Platform)」についての電子カタログである。
当該カタログによれば、「SEP」は、「ハードウエア、OS、通信の違いを意識することなく、世界中のMachineとMachine(M2M)をどこでも誰とでもシームレスにつなげる世界初の次世代志向スマート制御プラットフォーム。」であって、「SEP」が「SEPcore(SEP組込プラットフォーム)」、「SEP Platform Builder(SEP組込プラットフォーム構築ツール)」及び「SEPポーティングサポートパッケージ(SEP移植用開発キット)」で構成され、さらに、「SEPcore(SEP組込プラットフォーム)」が「VIO-Links 通信仮想化機構」を含むものであること、「SEPcore」は「SEPが提供する機能を活用するシステム(アプリケーションソフト)に組み込まれる機器組込プラットフォーム」であること、「VIO-Links」は、「「機能を使いたい側」と「機能を提供する側」に分離し、双方が離れていても、その間の通信を仮想化して、あたかも同じ装置の中の機能を使っているように見える仕組み」であることが確認できる。
また、「・・・VIO-Linksをお客様独自のプラットフォームに合わせて移植するためには、VIO-Linksバイナリ提供サービスをご利用いただく必要があります。」の記載がある。
(2)取引書類(乙2)
乙第2号証は、商標権者が、顧客宛に2021年5月10日に作成した「請求書兼納品書」であり、商標権者は、「SEP VIO-Links バイナリ提供サービス」1式の対価として税込金額110,000円を顧客に請求したといえる。
(3)上記(1)及び(2)から、商標権者による電子カタログに記載された「VIO-Links」とは「通信仮想化機構」であって、「SEP」と称するスマート制御プラットフォームの「SEPcore」に包含される1つの機能(仕組み)の名称として使用されていることが認められる。
そして、上記「VIO-Links」を顧客のプラットフォームに合わせて移植するためには、「VIO-Linksバイナリ提供サービス」を要するものであって、実際に2021年5月頃当該サービスを1式、商標権者が顧客に提供したといえる。
2 上記1によれば、当審の判断は、以下のとおりである。
商標権者の発行したカタログ(乙1)において、本件商標と構成文字が同一の「VIO-Links」の文字が記載されているといえるものの、これは、単に、スマート制御プラットフォームに係る1つの機能の名称として記載されているにすぎないものであり、また、取引書類(乙2)に記載された「VIO-Links」の文字も、顧客のプラットフォームに合わせて移植するためのサービスの名称として記載されたにすぎないものである。
そうすると、上記カタログや取引書類における「VIO-Links」の文字が、市場において独立して商取引の対象として流通に供される商品の商標として使用されていること、さらに、当該文字が、請求対象商品の商標として使用されていることを認めることはできない。
したがって、被請求人が提出した証拠によっては、請求対象商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の商標法第2条第3項各号にいう使用があったことを認めるに足る事実を見いだせない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中「結論掲記の指定商品」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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