商標取消審判
2022-300130
アウトサイドイン、アウトサイド
- 審判番号
- 2022-300130
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1998-065820
- 登録番号
- 4342674
- 請求日
- 2022年02月14日
- 審決日
- 2023年09月26日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 オークジャパン
- 【請求人代理人】林 栄二
- 【請求人代理人】小野寺 隆
- 【被請求人】アジャイル ソフトウェア コーポレイション
- 【被請求人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 山田 啓之
- 分類
- T131 .1 -Y (Z09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第2号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4342674号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4342674号商標(以下「本件商標」という。)は、「OUTSIDE IN」の文字を標準文字で書してなり、平成10年8月4日に登録出願、第9類「コンピューター用のプログラムを記憶させた電子回路・同磁気テープ・同磁気カード・同磁気ディスク・同光ディスク・同光磁気ディスク・同CD-ROM,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同11年12月10日に設定登録され、同21年12月15日及び令和元年7月16日に存続期間の更新登録がされたものである。
なお、本件審判請求の登録日は、令和4年3月2日である。
また、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成31年(2019年)3月2日ないし令和4年(2022年)3月1日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品のいずれについても、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をした事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人提出の乙各号証について
乙第1号証は、本件商標の書誌事項である。
乙第2号証は、確認書として、被請求人が本件商標についてオラクルジャパン(日本オラクル株式会社)へ使用許諾を認めているとされている書面であるが、署名の日付は2022年5月12日と記載されており、これは要証期間外のものである。
乙第3号証は、商標使用権者のウェブサイトで本件商標を付したソフトウェアのダウンロードページが可能なページまで進むことができると示されているが、いずれの箇所にも本件商標の記載はない。また、当該ページの作成時期については何ら記載がなく、要証期間の登録商標の使用であることは何ら立証されていない。
乙第4号証は、ウェブページの遷移を示す、とあり、開発者向けダウンロードの欄には、「Outside In Technology」等の記載があるが、当該ページがソフトウェアのダウンロードがされた事実はなく、またその表示態様も各文字も大文字・小文字で「Outside In Technology」又は「Oracle Outside In Technology Downloads」とまとまりよく記載されていることから、本件商標「OUTSIDE IN」の文字が単独で使用されているものではない。
乙第5号証は、ウェイバックマシーンの掲載ページであり、乙第4号証の3が存在していたと示されているが、ダウンロードされているページが示されておらず、要証期間において指定商品との関係において使用していることの証明にはならない。
乙第6号証は、ダウンロード画面から取得できる商品としており、乙第7号証に示すウェイバックマシーンにおいて、要証期間に存在していたとするが、乙第6号証は日本で掲載された事実はなく、また商標使用権者が示した記載でもないことから、商標権者が米国にて示した資料であって日本国内の指定商品との関係で使用されているものではない。また、乙第6号証の1には「Oracle Outside In Technology」とまとまりよく記載されていることから、本件商標「OUTSIDE IN」の文字が単独で使用されているものではない。
さらに、乙第6号証の1には、「Outside In SDKs」の記載もあるが、製品の特長について記載するものであって、指定商品との関係で使用されているものではく、本件商標「OUTSIDE IN」の文字が単独で使用されているものでもない。
乙第8号証は、SDKがソフトウェア開発キットであるとの記載を示しているが、乙第6号証の1に示される記載は、「SDK」ではなく「SDKs」である。なお、乙第8号証の書面は2018年1月17日更新の記載であって要証期間外のものである。
乙第9号証は、商標使用者が顧客に対し発行した注文確認書であるとして、「Oracle Outside In Viewer」との記載があり、本件商標「OUTSIDE IN」の文字が単独で使用されているものでもなく、また「Oracle Outside In Viewer」がどのような商品であるかの明示もなく、指定商品との関係で使用されているものであるとはいえない。また、当該注文確認書を頒布したことの証明がなされていない。
乙第10号証及び乙第11号証は、商標使用権者と当該顧客との間で取り交わされた電子メールの写しとして、注文番号があるとの記載があるが乙第9号証には同様の記載があるが、この番号が注文番号であるとの記載もなく、乙第9号証の注文確認書におけるメールの記載であるかの証明がされたとはいえない。
(2)本件商標と使用商標との社会通念上の同一性について
本件商標は、「OUTSIDE IN」のローマ字の大文字を表してなるものであり、被請求人の提出に係る証拠には「Outside In」の大文字と小文字より構成される文字が他の文字と結合されているもののみが示されており、要証期間に日本国内で請求に係る指定商品について使用した事実を証明するものは何ら提出されていない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、被請求人提出の乙号証のいずれをもってしても、商標法第50条第2項で定める日本国内において継続して3年以上、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求された指定商品について本件商標を使用していたことを証明したということはできないから、本件商標の登録は取り消されるべきである。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標と使用商標について
請求人は、本件商標について、「その指定商品のいずれについても、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をした事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである」旨主張している。
しかし、通常使用権者である日本オラクル株式会社(住所:東京都港区北青山・・・。以下「日本オラクル社」という。)は、下記に示すとおり、要証期間に、本件商標と社会通念上同一の商標を、指定商品中、「その他の電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する「コンピュータプログラム」について使用している。
以下、その事実について示す。
(2)通常使用権者による使用
日本オラクル社が被請求人から使用の許諾を受けていることを示す証拠として商標権者及び日本オラクル社による宣誓書を提出する(乙2)。
当該宣誓書には、本件商標の商標権者が、日本オラクル社に対して本件商標の使用を2007年(平成19年)7月16日から許諾していること、及び日本オラクル社がその許諾後から現在に至るまで本件商標を使用していることが明記されている。当該書類から、少なくとも、商標権者が日本オラクル社に対し、本件商標を第9類の指定商品について、使用の許諾を行っている事実が確認でき、日本オラクル社は通常使用権者と認められる。
(3)本件商標の使用
ア 日本オラクル社のウェブサイトにおける使用
乙第3号証の1は、日本オラクル社のウェブサイトのトップページである。
当該ウェブサイトが日本オラクル社のウェブサイトであることは、当該ウェブページ中において、日本オラクル社の本社情報を示すページがあり、そこに記載されている名称と住所が宣誓書(乙2)記載の名称と住所と一致していることから同一であることが特定できる(乙3の2)。また、トップページと本社情報のページは、URL中のドメインの最初の部分が共通している。したがって、本社情報が日本オラクル社のウェブサイト内に存在していることも確認できる(乙3の2)。
日本オラクル社のウェブサイトのトップページ(乙3の1)から、以下の手順で進むと、本件商標を付したソフトウェアのダウンロードが可能なページまで進むことができる。
乙第3号証の1において、上段にある「リソース」を選択すると、次の乙第4号証の1の画面に遷移する。
乙第4号証の1において、「ダウンロード」を選択すると、次の乙第4号証の2の画面に遷移する。
乙第4号証の2において、「開発者向けダウンロード」を選択すると、次の乙第4号証の3の画面に遷移する。
乙第4号証の3において、「ミドルウェア」項目内の「Outside In Technology」を選択すると次の乙第4号証の4の画面に遷移し、ソフトウェアをここからダウンロードすることができる。
この乙第4号証の3に「Outside In Technology」及び乙第4号証の4に「Oracle Outside In Technology」の表示が確認できる。「Oracle」は日本オラクル社の社名の一部を表しており、当該コンピュータプログラムが日本オラクル社によって提供されていることを示しているにすぎない。また、「Technology」は単に「技術」や「科学技術」を意味する語で、商標の一部を構成しない。「Outside In Technology」及び「Oracle Outside In Technology」における要部である「Outside In」は、本件商標「OUTSIDE IN」と綴りを同じにする社会通念上同一の商標である。
当該ウェブサイトが要証期間に存在していた事実は、ウェイバックマシーンによって確認できる(乙5)。ウェイバックマシーンによる「APR 11 2021」の表示から、要証期間である令和3年4月11日の時点で、乙第4号証の3が存在していたことが確認できる。
そして、ダウンロード画面から取得できる商品は、ソフトウェア開発キット(Software Development Kits:SDKs)である。このことは、日本オラクル社の親会社である米国オラクル・コーポレーション(以下「米国オラクル社」という。)のウェブサイトに、以下のとおり説明されている。
「OUTSIDE IN技術は、600種類の非構造化ファイルフォーマットのコンテンツを抽出、正規化、スクラビング、変換、表示するための包括的なソリューションを開発者に提供するソフトウェア開発キット(SDK)の一式です。この一式内の各SDKは、特定の問題を解決するために最適化されていますが、高い柔軟性と相互運用性を備えています。開発者は、Outside InのSDKを自由に組み合わせて、アプリケーションに最適な機能を迅速に実装することができ、統合作業とコードフットプリントを最小化することができます。SDKは、開発者がワークフローと出力をプログラムで制御できるように、幅広いオプションを提供します。また、徹底したドキュメントとソースコード付きのサンプルアプリケーションも含まれており、実装をさらに加速させます。
このリリースの主な目標は、いくつかの主要なターゲットフォーマットにおけるレンダリングの忠実度の向上、すべてのレンダリング製品における一般的なフォント選択の改善、フォーマット範囲の拡大、Web View Exportの機能拡張です。その他、お客様から要望のあった機能強化やバグ修正も含まれています。」(乙6の1、乙6の2)
なお、日本オラクル社は、米国オラクル社の日本法人であって、日本オラクル社が販売するコンピュータプログラムは、乙第6号証の1及び乙第6号証の2に記載の商品と同一のものである。
当該ウェブサイトが要証期間に存在していた事実は、ウェイバックマシーンによって確認できる(乙7)。ウェイバックマシーンによる「JAN 20 2022」の表示から、要証期間である2022年1月20日の時点で、乙第6号証が存在していたことが示される。
また、ソフトウェア開発キットとは、プラットフォームやアプリケーションを作成するためにソフトウェア技術者が使用する開発ツールをひとまとめにしたパッケージ商品を意味するもので(乙8)、コンピュータプログラムを主たる商品とする。すなわち、日本オラクル社が提供する商品は電子応用機械器具の範ちゅうに属する「コンピュータプログラム」である。
以上から、日本オラクル社が、商品「コンピュータプログラム」について本件商標と社会通念上同一の商標を付し、付したものを譲渡若しくは引渡しのための展示、及び電気通信回線を通じて提供する行為を行っていることが確認できる。
イ 次に、日本の取引者と実際の取引が行われている事実を示す。
乙第9号証の1は、日本オラクル社が顧客に対し発行した注文確認書(「ORDERING DOCUMENT」)であり、各ページ右下の「Issued by 日本オラクル株式会社 28-APR-2021」との記載から、令和3年(2021年)4月28日付けのものであることが確認できる。また、注文に係る商品名は「Oracle Outside In Viewer-Named User Plus Perpetual-Software Update License & Support」及びそのアップデートライセンス等、対象プログラム関連テクニカル・サポート料金であることが確認できる。右上には「日本オラクル株式会社 〒107-0061 東京都港区北青山・・・」の記載が確認できる。
当該注文確認書において、商品名は「Oracle Outside In Viewer-Named User Plus Perpetual」となっている。「Oracle」は日本オラクル社の社名の一部を表しており、「OUTSIDE IN」製品は使用目的によって数種類のプログラムが存在するが、「Viewer」もそのうちの1つであって、乙第4号証の4には「Viewer Technology」の表示が確認できる。
さらに、注文確認書に記載の商品「Oracle Outside In Viewer」はソフトウェア開発キットであって、これはコンピュータプログラムに該当するから、その上位概念である本件商標の指定商品中、「その他の電子応用機械器具及びその部品」に含まれる。
当該注文確認書の別紙(乙9の2)には、「自社アプリケーション・ホスティングに関する登録フォーム」の用紙があり、商品購入者である当該顧客が、プログラム「OUTSIDE IN」をどのように管理及び使用するものであるかを日本オラクル社に対し届け出ている。「使用制限付きオラクル・プログラム(提供者のアプリケーションとともに使用される各オラクル・プログラム名を記入してください)」の欄に、当該商品「Oracle Outside In Viewer」の記載が確認される。
また、製品名の後ろにハイフンで結合された「-Named User Plus Perpetual」はライセンスの形式であって、各ユーザーがアカウントを作成・登録して使用し、一度購入後は追加料金がかからない形式のライセンスを表すものである。よって、これらの文字は付記的部分であり、注文確認書等で使用されている商標「Outside In」は本件商標と社会通念上同一のものである。
乙第10号証は、日本オラクル社と当該顧客との間で取り交わされた電子メールの写しである。この中で、日本オラクル社から2021年4月23日に送付された電子メールには、「先ほど注文書のリリースを致しました」の文言があり、「注文書#CPQ-2064452」の注文番号が確認される。これは乙第9号証の注文確認書の左下に記載された注文番号と一致する。また、乙第11号証は、上記の注文書が当該顧客によって受諾されたことを示す、2021年4月28日付けの電子メールの写しである。出荷先及び請求先の一部は企業秘密の観点から黒塗りされているが、「東京都港区」に所在の「株式会社」であることが確認できる。ここに記載されている注文番号も「CPQ-2064452」であって、当該取引に係るものである。
以上から、日本オラクル社が、本件商標と社会通念上同一の商標を、商品「コンピュータプログラム」に関する取引書類に付して展示し、譲渡していることが確認できる。
2 まとめ
以上のとおり、商標権者より使用許諾を受けた者であって、実質上の通常使用権者である日本オラクル社が、本件審判請求に係る指定商品中、第9類「その他の電子応用機械器具及びその部品」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を付したものを譲渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、電気通信回線を通じて提供し、又は取引書類に標章を付する行為を行っている(商標法第2条第3項第2号及び同項第8号)。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)日本オラクル社が提供するソフトウェアについて(乙4~乙7)
乙第4号証の1ないし乙第4号証の3は、2022年5月30日に出力された日本オラクル社のウェブサイトの出力物であるところ、乙第4号証の3は、乙第4号証の1及び乙第4号証の2のリンクから辿れる「Oracleソフトウェアのダウンロード」のページであり、「開発者向けダウンロード」のタイトルの下、「すべてのソフトウェアのダウンロードは無料で、ほとんどのソフトウェアには開発者ライセンスが付属しています。・・・オンライン・ストアや営業担当者から、フルライセンスの製品をいつでも購入することができます。」の記載があり、「ミドルウェア」の項に、リンクの態様で「Outside In Technology」の記載がある。
そして、乙第4号証の4は、2022年5月30日に出力された米国オラクル社のウェブサイトの「Outside In Downloads」のページであり、「Oracle Outside In Technology -8.5.6」のタイトルの下、「Clean Content 8.5.6」、「Content Access 8.5.6」、「Viewer Technology 8.5.6」などの記載があり、「Oracle Outside In Technology Downloads」のタイトル下に、「Clean Content version8.5.6」、「Content Access version8.5.6」、「Viewer Technology version8.5.6」などのソフトウェアをダウンロードするためのリンクが確認できる。
さらに、乙第6号証は、2022年5月30日に出力された米国オラクル社のウェブサイトの「Outside In Technology」のページの出力物であり、「Outside In Technologyは、600種類の非構造化ファイルフォーマットのコンテンツを抽出、正規化、スクラビング、変換、表示するための包括的なソリューションを開発者に提供するソフトウェア開発キット(SDK)の一式です。」などの記載がある。
また、乙第5号証及び乙第7号証は、インターネットアーカイブ(WayBackMachine)に保存されているそれぞれ日本オラクル社及び米国オラクル社のウェブサイトの出力物であり、乙第5号証は2021年4月11日の情報であって、その記載内容は日本オラクル社のウェブサイトの「Oracleソフトウェアのダウンロード」ページ(乙4の3)の内容と一致し、また、乙第7号証は2022年1月20日の情報であって、その記載内容は「Outside In Technology」ページ(乙6の1)の内容と一致する。
(2)確認書(乙2)について
2022年5月12日付け確認書(乙2)には、商標権者が、日本オラクル社に、2007年7月16日から、本件商標を使用許諾していたこと及び日本オラクル社は使用許諾後に「Outside In Technology」に本件商標を使用していることが記載されている。
(3)上記(1)及び(2)から、以下の事実が認められる。
商標権者は、2007年7月16日から日本オラクル社に対し、本件商標について使用を許諾していること(乙2)が2022年5月12日時点において認められる。
また、日本オラクル社は、自社のウェブサイトである「Oracleソフトウェアのダウンロード」のページ(2022年5月30日付)において、ソフトウェア(ミドルウェア)名として「Outside In Technology」(以下「使用商標」という。)と表記し、ダウンロード可能な状態にして掲載しており、2021年4月11日においても、日本オラクル社の「Oracleソフトウェアのダウンロード」のページは同様の状態であったことが認められる(乙4の3、乙5)。
また、上記日本オラクル社の「Oracleソフトウェアのダウンロード」のページにおいて、「Outside In Technology」を選択すると、米国オラクル社のウェブサイト(「Outside In Downloads」)の「Oracle Outside In Technology」のページ(乙4の4)に遷移し、当該ページにある「Oracle Outside In Technology」がダウンロードできるものであり、この「Oracle Outside In Technology」は、同社のウェブサイト上の記載内容から「ソフトウェア開発キット」(以下「使用商品」という。)であることがうかがえる(乙6)。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品について
使用商品である「ソフトウェア開発キット」は、あるシステムに対応したソフトウェアを開発するためのプログラム等をまとめたパッケージであって、ダウンロード可能なソフトウェアとしてウェブサイト上に掲載されているものであるから、本件商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品である。
(2)使用商標について
使用商品の使用商標である「Outside In Technology」は、「Outside In」の文字と「技術」の意味を有する英語「Technology」の文字とを結合したものと容易に認識できるものであるから、語頭の「Outside In」の文字が独立して自他商品識別標識としての機能を果たすものといえる。
そして、使用商標の「Outside In」の文字は、上記第1のとおり「OUTSIDE IN」の文字からなる本件商標とは、そのつづり及び称呼が共通するから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
(3)使用者、使用時期、使用行為について
商標権者は、要証期間を含む2007年7月16日から2022年5月12日の期間において、日本オラクル社に対し本件商標についての使用を許諾しているから、要証期間において日本オラクル社は本件商標の通常使用権者であるといえる。
そして、通常使用権者である日本オラクル社は、要証期間である2021年4月頃、使用商標を付して使用商品を自社のウェブサイトで提供し、広告していたことが認められる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に本件商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品「ソフトウェア開発キット」に関する広告に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して、自社のウェブページにより、電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号)ということができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-300130