商標取消審判
2023-300114
ラッシュ
- 審判番号
- 2023-300114
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1999-115002
- 登録番号
- 4444646
- 請求日
- 2023年02月20日
- 審決日
- 2024年05月31日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ボレー・ブランズ・ジャパン 株式会社
- 【請求人代理人】達野 大輔
- 【請求人代理人】竹中 陽輔
- 【請求人代理人】中山 真理子
- 【請求人代理人】岡田 次弘
- 【請求人代理人】山頭 めぐみ
- 【被請求人】山本光学 株式会社
- 【被請求人代理人】辻本 希世士
- 【被請求人代理人】神吉 出
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 大山 健
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T132 .1 -Y (Z09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4444646号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4444646号商標(以下「本件商標」という。)は、「RUSH」の欧文字を横書きしてなり、平成11年12月14日に登録出願、第9類「スキーゴーグル,サングラス,普通眼鏡,防じん眼鏡,眼鏡の部品及び附属品,スイミングゴーグル」を指定商品として、同13年1月12日に設定登録され、同23年1月18日及び令和3年1月18日にそれぞれ存続期間の更新登録がされたものである。
なお、本件審判請求の登録日は、令和5年3月6日である。
また、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和2年(2020年)3月6日ないし令和5年(2023年)3月5日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「眼鏡の部品及び附属品」についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由、及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
なお、証拠の記載については、以下、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載することがあり、枝番号の全てを示すときは枝番号を省略する場合がある(乙号証についても以下同じ。)。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「眼鏡の部品及び附属品」(以下「取消請求商品」ということがある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)はじめに
以下に述べるとおり、被請求人によって提出された乙各号証によっては、本件商品についての本件商標の使用の事実は証明されていない。
(2)本件審判の背景及び経緯
ア 大阪地方裁判所令和5年(ワ)第532号商標権侵害差止請求事件
請求人は、請求人が製造販売する製造業等における作業従事者、建設現場作業員、医療現場従事者、警察官、消防隊員、自衛隊員その他の現場作業員等が使用する「防塵マスク」について「RUSH」を使用していたところ、被請求人により、本件商標に係る商標権に基づいて、商標権侵害の訴の提起を受けた。
そこで、請求人は、本件商標に関する商品を確認したところ、被請求人の指定商品は「包括表示」、つまり「眼鏡」を指定しておらず、個別商品の指定「スキーゴーグル,サングラス, 普通眼鏡,防じん眼鏡, 眼鏡の部品及び附属品,スイミングゴーグル」により商品が指定されていた。もし包括表示による指定をした場合は、国際分類上その類に属する商品又は役務の範囲内でその包括表示下の商品又は役務をすべて指定したことになる(甲2)が、被請求人は本件商標について包括表示を指定することもしていない。
被請求人の商品を調査したところ、被請求人の商品は、「オフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品」であって、取消請求商品ではなかった。
よって、請求人は、被請求人に対して、本件審判を請求したものである。
イ 類似商品・役務審査基準(第7版)
本件商標が登録された時点(2001年1月12日)では、我が国の類似商品・役務審査基準は、国際分類第7版が適用されていた(甲3)。国際分類第7版に従えば、本件商標は「眼鏡の部品及び附属品」の使用に該当しない。
「オフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品」を使用するのであれば、出願時にその表示をして登録すべきものであって、商品として第9類に表示をしていないということは、商標登録の指定商品(専用権)として登録されていないということになる。
請求人が使用しているのは、「オフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品」であって、「眼鏡の部品及び附属品」ではない。
ウ 被請求人の不当な権利行使と損害賠償の請求
被請求人は、本件商標について「眼鏡の部品及び附属品」を使用していないにもかかわらず、「オフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品」を使用することによって、商標権の権利を主張し、請求人を被告として商標権侵害を訴え、同時に1億1千万円にわたる損害賠償の請求も行っている。
エ 本件商標の使用の不存在
請求人は調査を行ったが、本件商標の使用の事実を客観的に裏付けるものは見つからなかった。
(3)弁駁の概要
被請求人の提出した証拠は、「オフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品」についての証拠であって、「眼鏡の部品及び附属品」についての証拠ではない。被請求人は本件商標の指定商品として、「オフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品」を指定しておらず、取消請求商品について本件商標を使用していないから、取消しを免れない。
「オフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品」についての使用が「眼鏡の部品及び附属品」の使用に該当しないのは、以下の理由からである。
そもそも「眼鏡」とは、通常の語義によれば、遠視・近視・乱視・老眼などの視力を調整し、または光線が強く入るのを防ぐために目にかける凹または凸レンズ、あるいは単なる色グラスの器具(甲4)とあるように、本来ならば、遠視や近視、及び乱視や老眼などを調整するための器具であって、石などが飛んでくるようなオフロードを駆け抜けるオフロードバイク用ゴーグルは想定していない。
本件では包括表示を指定していないので、オフロードバイク用ゴーグルの部品及びその附属品は本件商標の指定商品には含まれ得ないし、また、「眼鏡」の短冊の下の商品にオフロードバイク用ゴーグルの部品及びその附属品が含まれていると解釈するべき事情もない。
以下に、被請求人から提出された証拠を検証する。
ア 乙第2号証
乙第2号証は、要証期間外の証拠である。
イ 乙第3号証
乙第3号証は、2頁及び4頁の上段にオフロードバイクの写真が掲載されている。そして、2頁の「RUSH」と記載のある隣には、「10年以上にわたってライダーの眼を護り続ける定番モデル。ヘルメットのサイズ、種類を問わずフィットするその高い汎用性は、初めてのゴーグルとしても上級者の選択としても間違いのないチョイスとなる。」とあるように、乙第3号証に記載のゴーグルは、オフロードバイク用ゴーグル又はその部品及び附属品と見るのが自然である。
よって、乙第3号証は、「眼鏡の部品及び附属品」の使用を証明していない。
ウ 乙第4号証及び乙第5号証
乙第4号証及び乙第5号証に掲載されているティアオフパーツ等は、「眼鏡の部品及び附属品」を指すものではなく、「オフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品」を指すものにすぎない。
エ 乙第6号証
乙第6号証の、2頁、4頁及び6頁の上段又は全面にオフロードバイクの写真の掲載がある。これらの写真から、このカタログに掲載されている商品は、オフロードバイク用ゴーグル又はオフロードバイク用の部品及び附属品であることは明らかである。
オ 乙第7号証
乙第7号証にもオフロードバイクの写真の掲載がある。また、乙第7号証には「RUSH」の記載がない。
カ 乙第8号証
乙第8号証は、オフロードバイク用ゴーグル又はオフロードバイク用ゴーグルの部品及び附属品のカタログと認識するのが自然であり、「RUSH」の記載はオフロードバイク用ゴーグル又はオフロードバイク用のゴーグルの部品及び附属品のための商標であるといわざるを得ない。
キ 乙第9号証及び乙第10号証
乙第9号証と乙第10号証は、それらの日付が近いことから、乙第10号証の納品書に「RUSH」と記載されている商品を、商品コードや商品名を頼りに、乙第9号証のカタログと思われるものから探してみたが、商品コードや商品名が一致するものが見つからなかった。よって、乙第10号証に「RS L-TF 2 RUSH LAMI-TEAROFF 7*2」又は「#L-RUSH-PET MX-RUSH スペアレンズ」との商標で記載された商品がどのようなものであるか確認することができなかった。
また乙第9号証は、1頁にオフロードバイクの写真の記載があることから、2頁以降の商品がオフロードバイク用ゴーグル又はその部品及び附属品であると推認できる。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 乙第1号証ないし乙第10号証に示すとおり、本件商標は被請求人が取消請求商品について継続して使用している。
2 被請求人による使用
被請求人は、遅くとも平成15年(2003年)以降現在まで継続して「RUSH」の商品名で眼鏡の部品及び附属品を製造販売している。
3 カタログヘの使用
乙第2号証の1は、被請求人が2020年2月に発行した「SWANS 2020 MX GOGGLES&ACCESSORIES Co11ection」と題するカタログである。同カタログの裏表紙に「2020.02」と記載されていること、納品期日を7営業日としてカタログ印刷を2020年2月7日に印刷業者である株式会社プリントパックに発注していること(乙2の2)からすれば、同カタログは同月に発行されたことが理解できる。そして、眼鏡の部品及び附属品に当たる、フレームパーツ、ティアオフパーツ、ラミネートティアオフレンズ及びSpare Lens(スペアレンズ)に関する広告に「RUSH」の標章を付している。このカタログは、南海部品株式会社等のオートバイ用専門店等に配布、頒布している。なお、紙媒体のカタログは、この2020年2月発行分が最後となっており、以後はデジタルカタログのみを発行している。
乙第3号証は、「SWANS 2022 MX GOGGLES&ACCESSORIES Collection」と題するカタログデータであるところ、被請求人は、眼鏡の部品及び附属品に当たる、フレームパーツ、ティアオフパーツ、ラミネートティアオフレンズ及びSpare Lens(スペアレンズ)に関する広告に、「RUSH」の標章を付している。同カタログデータは、裏表紙に「2022.01」と記載されているとおり、2022年1月に作成したものであるところ、被請求人が同年2月26日に自社のSWANS公式サイト内のNEWSのページにて公開したものである(乙4)。
乙第5号証は、ウェイバックマシンにより保存された、2022MXゴーグルカタログ(乙3)のうち、必要箇所をスキャンしたものであるところ、右上に「FEB 28 2022」の記載があるとおり、被請求人は、2022年2月28日に、眼鏡の部品及び附属品に該当するティアオフパーツ等に、「RUSH」の標章を付して広告を掲載した。
乙第6号証は、「2023 MX GOGGLES&ACCESSORIES Collection」と題するカタログデータであるところ、被請求人は、眼鏡の部品及び附属品に当たる、フレームパーツ、ティアオフパーツ、ラミネートティアオフレンズ及びSpare Lens(スペアレンズ)に関する広告に、「RUSH」の標章を付している。同カタログデータは、裏表紙に「2022.12」と記載されているとおり、2022年12月に作成され、被請求人が同月22日に自社のSWANS公式サイト内のNEWSのページにて公開したものである(乙7)。
乙第8号証は、ウェイバックマシンにより保存された被請求人の2023MXゴーグルカタログ(乙6)のうち、必要箇所をスキャンしたものであるところ、右上に「DEC 27 2022」の記載があるとおり、被請求人は、2022年12月27日に、眼鏡の部品及び附属品に当たるティアオフパーツ等に、「RUSH」の標章を付して広告を掲載した。
4 オンラインショップでの使用
乙第9号証は、1頁の右上に「JUL 01 2022」の記載があるとおり、上記ウェイバックマシンにより保存された被請求人の公式オンラインショップSWANS STORE Webのサイトの2022年7月1日の時点での表示を示したものであるところ、被請求人は、同時点にて、眼鏡の部品及び附属品に当たる、スペアレンズ及びティアオフレンズに、「RUSH」の標章を付して広告を掲載した。
5 取引書類での使用
乙第10号証は、2022年4月28日付けの請求人発行の納品書であるところ、「商品コード 商品名」に「RUSH LAMI-TEAROFF 7*2」、「#L-RUSH-PET MX-RUSH スペアレンズ」と記載されている。これらの商品は、2020年2月発行のカタログ(乙2の1)、2022年2月発行のカタログ(乙3)及び同年12月発行のカタログ(乙6)に掲載されているティアオフレンズ「RUSH LAMI-TEAROFF 7*2」及びスペアレンズ「L-RUSH-PET」に該当する。このように、被請求人は、取引先に対し、眼鏡の部品及び附属品に該当する、ティアオフレンズ及びスペアレンズを納品する際に、その取引書類である納品書に「RUSH」の標章を付して頒布した。
なお、納品書は、株式会社オービックの「OBIC7」を利用しており、Microsoftが開発したデータベース管理システム「SQL Server」にて構築されている。被請求人においては、基本的にはデータで保存し、必要に応じてPDFデータやExcelデータなどに書き出しをしており、今回提出したものはPDFデータを出力したものである。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)「SWANS 2022 MX GOGGLES&ACCESSORIES Collection」と題するカタログについて
ア カタログ(乙3)
乙第3号証は、「SWANS 2022 MX GOGGLES&ACCESSORIES Collection」と題するカタログであるところ、その1葉目には、「SWANS/JAPANESE QUALITY」及び「SWANS 2022 MX GOGGLES&ACCESSORIES Collection」の記載がある。
また、2葉目には、ヘルメットとゴーグルを装着したライダーが、モトクロス用バイクに乗って走行している画像とともに、「RUSH」の文字の表示及び「10年以上にわたってライダーの目を護り続ける定番モデル。ヘルメットのサイズ、種類を問わずフィットするその高い汎用性は、初めてのゴーグルとしても上級者の選択としても間違いないチョイスとなる。」の記載がある。また、2葉目の下部には、ゴーグルの正面画像に対して、「ティアオフパーツ/独立した取り付け構造の為、/破損時にも簡単に交換が可能。」及び「Lens/豊富なレンズのラインナップを用意。」などの記載がある。
さらに、3葉目には、「MX-RUSH-M/ダートで、ストリートで映えるミラーレンズ標準装備モデル。日差しの強い晴天時に活躍。 ¥9,900(税込)」、「MX-RUSH-PET/ベーシック仕様。カスタムベースにも最適。 ¥8,030(税込)」、「Frame Parts/RUSH専用フレームバーツ(LRセット) ¥990(税込)」及び「Tearoff Parts/RUSH・CHAMBO専用ティアオフパーツ ¥550(税込)/(LRセット)」などの記載が、それぞれの画像とともに確認でき、4葉目には、「LENS」及び「Tear Off Lens series」のタイトル下に「RS-TEAROFF ¥2,530(税込)/RUSHフレーム専用ティアオフレンズ/[日本製]」の記載、5葉目には、「Spare Lens series」のタイトル下に「L-RUSH-H-C/RUSH用H-Cレンズ/¥4,400(税込)/レンズ厚1.0mm/[日本製]」などの記載がある。
また、6葉目には、「山本光学株式会社 www.swans.co.jp」及び「2022.01」の記載がある。
イ ウェブサイト(乙4)
乙第4号証は、2023年4月10日に出力されたウェブサイトの出力物であり、その1葉目には、「2022 SWANS ダートゴーグルカタログPDFデータを公開しました|スポーツアイウェアならSWANS(スワンズ)」、「2022.02.26」、「SWANS ダートゴーグルカタログPDFデータを公開しました/・・・ダートゴーグルカタログは下記よりPDFでご覧いただけます。」、「PDFデータ/※約4.6MB」の記載とともに、カタログの表紙と思われる画像に「SWANS/JAPANESE QUALITY」「SWANS 2022 MX GOGGLES&ACCESSORIES Collection」の記載が確認でき、下部には「https://swans.co.jp/news・・・」のURLの記載がある。
(2)上記(1)から以下の事実が認められる。
商標権者は、2022年1月に「SWANS 2022 MX GOGGLES&ACCESSORIES Collection」と題するカタログを発行し(乙3)、同年2月26日に自社が運営するウェブサイト(www.swans.co.jp)において、同カタログのPDFデータをダウンロード・閲覧できるようにして公開した(乙4)。
そして、同カタログ(乙3)には、「RUSH」の文字の表示(以下「使用商標」という。)を付して、モトクロス用ゴーグルとともに、その部品又は附属品である、モトクロス用ゴーグルのフレームパーツ、ティアオフパーツ、ティアオフレンズ及びスペアレンズ(以下、これらのモトクロス用ゴーグルの部品又は附属品を「使用商品」という。)を掲載した。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
商標権者が製造販売するモトクロス用ゴーグル及び使用商品(モトクロス用ゴーグルのフレームパーツ、ティアオフパーツ、ティアオフレンズ及びスペアレンズ)を掲載した、「SWANS 2022 MX GOGGLES&ACCESSORIES Collection」と題するカタログ(乙3)には、使用商標(RUSH)が表示されている(乙3の2葉目)。
そして、上記第1のとおり、本件商標は、「RUSH」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、使用商標は本件商標と文字構成を同じくするものであるから、本件商標と社会通念上同一であると認められる。
(2)使用商品について
使用商品は、モトクロス用ゴーグルの部品又は附属品であるところ、平成4年3月の類似商品・役務審査基準(「商標国際分類第7版」甲2)において、商標法施行令で定める商品区分第9類「眼鏡」には、「普通眼鏡」以外にも「水中マスク 水中眼鏡 防じん眼鏡」が含まれており(商標法施行規則別表も参照。)、この概念には「矯正めがね」のほかに眼を保護する各種めがねが含まれると解するのが相当である。このことは、その後、商標法施行規則別表及び類似商品・役務審査基準において「眼鏡」の概念に「運動用ゴーグル」が追加されたことからも確認できる。
そうすると、「モトクロス用ゴーグル」は「水中マスク 水中眼鏡 防じん眼鏡」及び「運動用ゴーグル」と同様に、眼を保護する各種めがねとして取引される「眼鏡」の概念に含まれる商品といえるから、その部品又は付属品である使用商品は、本件審判の請求に係る指定商品中、第9類「眼鏡の部品及び附属品」の範ちゅうに属する商品であるというべきである。
なお、請求人は、「眼鏡」は、石などが飛んでくるようなオフロードを駆け抜けるオフロードバイク用ゴーグルは想定されていない旨を主張するが、上記のとおり、第9類「眼鏡の部品及び附属品」にはモトクロス用ゴーグルの部品又は附属品が包含されると解されるから、請求人の主張は採用できない。
(3)使用行為、使用時期、使用者について
商標権者が、要証期間である2022年2月に、使用商標(RUSH)を付した使用商品に関するカタログ(乙3)のPDFデータを、同人のウェブサイトで閲覧、ダウンロードできるようにして公開した(乙4)こと、すなわち、商標権者が要証期間に商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為(商品の広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為)を行ったと認められる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、本件商標の商標権者は、要証期間に、日本国内において、取消請求商品(第9類「眼鏡の部品及び附属品」)の範ちゅうに属するモトクロス用ゴーグルのフレームパーツ、ティアオフパーツ、ティアオフレンズ及びスペアレンズについて、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認めることができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の商標権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-300114