2022-019899
遊技機
- 審判番号
- 2022-019899
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-052399外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月08日
- 審決日
- 2023年09月19日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ソフイア
- 【請求人代理人】弁理士法人扶桑国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成30年3月20日の出願であって、令和3年11月25日付けで拒絶の理由の通知がされ、令和4年1月28日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月13日付けで最後の拒絶の理由の通知がされ、同年6月20日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月7日付け(送達日:同年9月13日)で、上記令和4年6月20日に提出された手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、それに対し、同年12月8日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和4年12月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年12月8日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容について
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和4年1月28日に提出された手続補正書により補正された本件補正前の請求項1に、
「カラーコードにより定格を示す受動素子を実装する第1の面と前記第1の面の裏面側となる第2の面とに導体パターンを有する基板と、前記基板を前記第1の面を観察可能に収容して封止シールにより封止される基板ボックスと、を備え、前記基板は、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成されて、当該基板に関する基板情報を表示する情報表示部を含み、前記封止シールは、前記基板を遊技機に設置した状態における下側から上側に向けて所定の情報を表示する向きで貼付され、前記受動素子は、前記基板を遊技機に設置した状態において前記カラーコードの第1色帯を下側にして前記カラーコードが上下方向に並ぶ向きで実装される、遊技機。」
とあるのを、
「カラーコードにより定格を示す受動素子を実装する第1の面と前記第1の面の裏面側となる第2の面とに導体パターンを有する基板と、前記基板を前記第1の面を観察可能に収容して封止シールにより封止される基板ボックスと、を備え、前記基板は、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成されて、当該基板に関する基板情報を表示する情報表示部を含み、前記封止シールは、前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において文字を含む所定情報の表示が上下方向に並ぶ向きで、前記所定情報の先頭表示を下側にして貼付され、前記受動素子は、前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において前記カラーコードが上下方向に並ぶ向きで、前記カラーコードの第1色帯を下側にして実装される、遊技機。」
とする補正を含むものである(なお、下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。以下、本件補正後の請求項1に係る発明を「本件補正発明」という。
2 本件補正の適否について
(1)本件補正の目的
本件補正は、補正前の「前記封止シールは、前記基板を遊技機に設置した状態における下側から上側に向けて所定の情報を表示する向きで貼付され、」を「前記封止シールは、前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において文字を含む所定情報の表示が上下方向に並ぶ向きで、前記所定情報の先頭表示を下側にして貼付され、」と補正することで、「基板」が「遊技機に設置」される態様について、「基板」が「基板ボックス」に「収容」されて「遊技機に設置」されることを特定するとともに、「前記封止シール」が表示する「所定の情報」について、「文字を含む」ことを特定するものである。
また、本件補正は、補正前の「前記受動素子は、前記基板を遊技機に設置した状態において前記カラーコードの第1色帯を下側にして前記カラーコードが上下方向に並ぶ向きで実装される、」を「前記受動素子は、前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において前記カラーコードが上下方向に並ぶ向きで、前記カラーコードの第1色帯を下側にして実装される、」と補正することで、上記と同様、「基板」が「遊技機に設置」される態様について、「基板」が「基板ボックス」に「収容」されて「遊技機に設置」されることを特定するものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。
したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮に該当する目的を含むものである。
(2)新規事項の追加の有無
本件補正に係る技術的事項は、本願の願書に最初に添付された明細書(以下「当初明細書」といい、特許請求の範囲及び図面と併せて「当初明細書等」という。)の段落【0482】~【0486】及び図53の記載に基づくものといえ、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
3 独立特許要件について
本件補正は、上記「2(1)」で検討したとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものを含むものといえ、本件補正発明は特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合(特許出願の際独立して特許を受けることができる)しなければならないところ、以下、この点について検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明について記号を付して再掲すると、次のとおりである(記号A~Fは、分説するために合議体が付した。以下、記号Aを付した事項を「構成A」などという。)。
「【請求項1】A カラーコードにより定格を示す受動素子を実装する第1の面と前記第1の面の裏面側となる第2の面とに導体パターンを有する基板と、B 前記基板を前記第1の面を観察可能に収容して封止シールにより封止さ続きを表示(全15行)れる基板ボックスと、を備え、C 前記基板は、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成されて、当該基板に関する基板情報を表示する情報表示部を含み、D 前記封止シールは、前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において文字を含む所定情報の表示が上下方向に並ぶ向きで、前記所定情報の先頭表示を下側にして貼付され、E 前記受動素子は、前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において前記カラーコードが上下方向に並ぶ向きで、前記カラーコードの第1色帯を下側にして実装される、F 遊技機。」
(2)引用文献等の記載
ア 引用文献1の記載事項、引用発明
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原査定の拒絶の理由において引用文献1として引用され、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開平9-299553号公報(以下「引用文献1」という。)には、「遊技機用回路基板」(発明の名称)に関し、次の記載がある。下線は、合議体が付した。
(ア)「【0015】一方、パチンコ遊技機1の裏面構成においては、図25に示すように、機構板41が開閉自在に設けられている。この機構板41の中央には、窓開口42が開設され、該窓開口42に対応する遊技盤11の裏面には、入賞玉集合カバー体39が設けられている。入賞玉集合カバー体39には、前記可変表示装置14の後面突出部が貫通しており、その後面突出部の裏面にドラム中継基板19が設けられている。・・・また、入賞玉集合カバー体39の裏面には・・・中継基板40も設けられている。要は、ドラム中継基板19も中継基板40も遊技制御回路基板92と遊技盤11に設けられる電気機器との配線の中継を行うものである。」
(イ)「【0018】次に、本実施形態の要部を構成する回路基板としての遊技制御回路基板92が収納される基板収納ボックス50の構成について図1乃至図8を参照して説明する。・・・【0019】しかして、基板収納ボックス50は、遊技制御回路基板92を収納支持する箱体51と、該箱体51の上面を閉塞するカバー体70とが組付構成され、そのように組付構成された基板収納ボックス50は、前記機構板41の裏面に止着される取付台100に着脱自在に取り付け得るようになっている。以下、各組付構成部品毎に説明する。【0020】・・・また、箱体51の底面には、比較的大きな長方形状の開口53が開設され、該開口53の長手方向開口縁には、取付台100の後述する係合レール101に係合するL字状の係合片54が垂下形成されている。・・・【0021】更に、箱体51の底面には、その前方部中央に係止孔60が形成され、その一側長辺部左右に支持位置決め突起55が突設され、その他側長辺部左右に止め突起56が突設されている。係止孔60は、基板収納ボックス50を取付台100に装着した際に取付台100に形成される係止突起104と係合して基板収納ボックス50全体を機構板41の裏面に支持固定するものである。また、支持位置決め突起55は、遊技制御回路基板92の一側長辺部両端をカバー体70に設けられる後述する押え部材76と挟持して支持するものであり、止め突起56は、遊技制御回路基板92の他側長辺部両端をビス95で止着支持するものである。・・・続きを表示(全17行)【0022】また、箱体51の長手方向一側側壁の2カ所及び短辺方向両側側壁の1カ所には、係合穴57が形成されている。この係合穴57は、カバー体70を箱体51に被覆したときにカバー体70の裏面に垂下形成される係止垂下片75と係合するようになっており、この係合穴57と係止垂下片75との係合状態は、通常時に、外部から操作してその係合状態を解除することができるようになっているが、本実施形態においては、箱体51の短辺側上縁中央に外側に向かって突設される溶着片61とカバー体70の後述する溶着片79とが溶着技術によって溶着されているので、係合穴57と係止垂下片75との係合状態を解除しても箱体51とカバー体70とを分離することはできないようになっている。・・・【0023】更に、箱体51の長手方向の他側辺側壁は、高さが低く形成された配線引き出し凹部58となっており、また、箱体51の底面開口53の両側部には、複数の楕円形状の開口59が開設されている。開口59は、・・・箱体51を形成する原材料の軽減に寄与するものである。【0024】また、箱体51の前記開口53を閉塞するために透明板62が箱体51の内側から底面に当接して設けられる。このため、透明板62の四隅には、間隔保持筒部63が上面に形成され、この間隔保持筒部63が図5(A)に示すように、前記支持位置決め突起55及び止め突起56を貫通して所定の位置に保持され、また、間隔保持筒部63の上面に遊技制御回路基板92の下面が当接して透明板62と遊技制御回路基板92との間隔を保持している。しかして、箱体51の底面を透明板62で閉塞することにより、遊技制御回路基板92の裏面(ハンダ面)が外部から透視し得ることとなり、仮にハンダ面に不正な工作・・・をした場合には、直ちにわかるようになっている。・・・【0025】一方、上記した箱体51の上面を閉塞するカバー体70は、透明な合成樹脂によって一体的に成形されるもので、その長手方向の他側辺部が下方向に曲折された仕切片71となっている。この仕切片71の位置は、カバー体70を箱体51に装着したときに図1に示すように、遊技制御回路基板92のコネクタ実装領域94が外部に現れて接続開口72を形成するような位置で曲折される。これにより、箱体51にカバー体70を組付構成した状態で接続開口72に臨むコネクタ99に外部からの配線を接続することができる。また、カバー体70の表面の後述する分離カバー体部80及び表示領域77a,77bを除く領域には、内部で発生した熱を外部に放出するための放熱孔73(図1の二点鎖線で囲んだ範囲)が多数形成されている。なお、表示領域77aには、基板収納ボックス50を取付台100から取り外す方法の説明が表示され、表示領域77bには、前述した溶着部分の破壊の方法の説明が表示されている。【0026】更に、カバー体70の長辺方向端縁及び短辺方向端縁には、箱体51の側壁上端縁と係合する掛止部74が適宜間隔を置いて2個ずつ突設され、該掛止部74の間のカバー体70には、下方に向かって垂下される係止垂下片75が形成されている。係止垂下片75には、先端に爪部75aが形成され、この爪部75aが箱体51の前記係合穴57に係合するようになっている。【0027】また、カバー体70の一側辺部両側に押え部材76が垂下されており、また、カバー体70を箱体51に組み付けた状態で、カバー体70の上面と箱体51の側壁との間を差し渡すように封印紙78が貼付される。更に、箱体51の前記溶着片61に対応する位置に溶着片79が外側に向かって突設されている。この溶着片79の基部には、切込溝79aが形成されており、この切込溝79aと溶着片61の基部裏面に形成される折曲凹部61aとにより、溶着部分を容易に破壊できるようにしている。・・・【0028】上記した押え部材76の詳細な説明をする前に、遊技制御回路基板92の構造について簡単に説明すると、遊技制御回路基板92は、周知のようにプリント配線基板によって構成され、その上面がROM98を含む電子部品の実装面とされ、その実装面の大部分が電子部品実装領域93として使用され、後方の一部がコネクタ99が実装されるコネクタ実装領域94とされる。また、遊技制御回路基板92には、その一側長辺左右に前記支持位置決め突起55に対応する係止穴96が形成され、その他側長辺左右に前記止め突起56に対応する止め穴97が形成されている。【0029】上記のように構成されるカバー体70の押え部材76の作用について以下説明する。透明板62が装着された状態の箱体51において、遊技制御回路基板92の一側長辺の係止穴96を支持位置決め突起55の先端突起部に差し込み、他側長辺の止め穴97を止め突起56に載置する。この状態で止め穴97と止め突起56の穴を一致させてビス95を螺着することにより、一応、遊技制御回路基板92を箱体51に止着したこととなる。そして、その後、カバー体70を箱体51の上方から装着する。この際、押え部材76の先端部が図5(A)に示すように、遊技制御回路基板92の上面に当接すると共に、係止穴96を貫通している支持位置決め突起55の先端突起部が押え部材76の中心に形成された穴に係合するので、遊技制御回路基板92の一側長辺部が支持位置決め突起55と押え部材76とによって挟持止着された状態となり、他側長辺部のビス95による止着とで完全に遊技制御回路基板92を基板収納ボックス50内に止着したこととなる。・・・【0034】上記のように構成される基板収納ボックス50においては、箱体51とカバー体70とが溶着片61,79によって強固に溶着されているので、箱体51とカバー体70とを分離して遊技制御回路基板92の被覆状態を解除することは不可能である。しかして、その被覆状態を解除しようと思えば、連結突部81をニッパ等の工具で切断して分離カバー体部80をカバー体70から分離させてROM98を臨ませなければならない。しかしながら、このように連結突部81を切断したときには、その切断したことにより、連結突部81が無くなるので、その点からだけでも遊技制御回路基板92のROM98に不正な処理を施したか否かがわかる。【0035】なお、遊技場においては、監督官庁によりパチンコ島台に列設されるパチンコ遊技機1の中から1台又は2台程度抜き出してROM98の検査(サンプル抽出検査)を行う場合がある。このようなサンプル抽出検査を行う場合には、図4(A)及び図5(B)に示すように、連結突部81をニッパ等で切断して分離カバー体部80を分離せしめてROM98を露出せしめ、そのROM98を引き抜いて調査した後、再度ROM98を遊技制御回路基板92に実装し、その後、図4(B)及び図5(C)に示すように、分離カバー体部80を裏返して係止片82を係合開口83に係合させて分離カバー体部80をカバー体70に装着する。・・・【0038】なお、本実施形態においては、1回目の検査を上記したカバー体70と分離カバー体部80とを分離して行った後に再度検査する必要が生じる場合も考慮して、カバー体70と箱体51とを破壊することにより分離できる構成を採用している。即ち、図8に示すように、箱体51とカバー体70との溶着片61,79による溶着部分をラジオペンチ等の工具で挟んで折り曲げることにより、その溶着部分が折曲凹部61aと切込溝79aとによって簡単に折曲でき、その後、図8(B)に示すように、係合穴57にドライバ工具106等を差し込んで係止垂下片75の爪部75aを係合穴57から外してカバー体70を持ち上げれば、カバー体70による箱体51の被覆状態を解除することができる。その解除した状態でROM98の検査が終了した後は、再度カバー体70を箱体51に被覆して係止垂下片75の爪部75aを係合穴57に係合させることにより、被覆状態を復元することができる。ただし、この場合には、簡単に係止垂下片75と係合穴57との係合状態を解除することができるので、被覆状態を保証するために、検査を行った監督官庁が発行する検査済封印紙(図示しない)を箱体51とカバー体70との間を掛け渡すように貼付する必要がある。」
(ウ)「【0058】・・・図22は、遊技制御回路基板92の各種部品の実装前のグリーン基板状態の部分平面図であり、図23は、グリーン基板状態の部分断面図である。【0059】図において、グリーン基板状態の遊技制御回路基板92は、ベース絶縁基板177上に広範囲のアース用導電パターン170と、数多い導電パターン配線171と、端子接続ホール172とが形成され、アース用導電パターン170と導電パターン配線171の上面が絶縁皮膜178によって被覆されている。本実施形態においては、上記したアース用導電パターン170や導電パターン配線171と導通しない状態でベース絶縁基板177の上部に特定の表示173~176が導電パターンにて形成されている。具体的には、当該パチンコ遊技機1の製造業者名であるメーカー名表示173と、当該遊技制御回路基板92の製造業者である基板製造者名表示174と、基板の種類を表示する基板種類表示175と、パチンコ遊技機1の機種名である機種名表示176とがそれぞれ導電パターンにて形成されている。そして、それらの特定表示の上面には、図23(A)に示すように絶縁皮膜178が被覆されている。【0060】しかして、本実施形態に係る遊技制御回路基板92は、ベース絶縁基板177上に導通状態に関係しない特定の表示173~176が導電パターンで形成されて絶縁皮膜178で覆われているので、図13(B)に示す従来のように絶縁皮膜178の上面に特定の表示173a~176aがシルク印刷されているものに比べて、特定の表示173~176を簡単に消すことはできず、他の遊技機で使用されていた類似の回路基板を転用する不正を防止することができる。・・・」
(エ)【図1】
「[図:0001404472000001.jpg]」
(オ)【図2】
「[図:0001404472000002.jpg]」
(カ)【図5】
「[図:0001404472000003.jpg]」
(キ)【図22】
「[図:0001404472000004.jpg]」
(ク)【図23】
「[図:0001404472000005.jpg]」
(ケ)【図25】
「[図:0001404472000006.jpg]」
(コ)上記図22は、遊技制御回路基板92の各種部品の実装前の基板状態を示しており、図23(A)は、同基板状態の部分断面図であるところ(【0058】)、両図からは、遊技制御回路基板92の両面にアース用導電パターン170と導電パターン配線171が形成されていることが看取できる。
(サ)引用発明
上記記載事項(ア)~(ケ)、認定事項(コ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、分説のために合議体が符号a~fを付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。
(引用発明)
「a 遊技制御回路基板92は、プリント配線基板によって構成され、その上面がROM98を含む電子部品の実装面とされ、その実装面の大部分が電子部品実装領域93として使用され、後方の一部がコネクタ99が実装されるコネクタ実装領域94とされ(【0028】)、遊技制御回路基板92の両面にアース用導電パターン170と導電パターン配線171が形成されており(認定事項(コ))、b パチンコ遊技機1の裏面に機構板41が開閉自在に設けられ(【0015】)、基板収納ボックス50は、遊技制御回路基板92を収納支持する箱体51と、該箱体51の上面を閉塞するカバー体70とが組付構成され、基板収納ボックス50は、前記機構板41の裏面に止着される取付台100に着脱自在に取り付け得(【0019】)、箱体51の底面開口53(【0023】)を閉塞するために透明板62が箱体51の内側から底面に当接して設けられ、透明板62の四隅には、間隔保持筒部63が上面に形成され、間隔保持筒部63の上面に遊技制御回路基板92の下面が当接して透明板62と遊技制御回路基板92との間隔を保持し(【0024】)、箱体51の上面を閉塞するカバー体70は、透明な合成樹脂によって一体的に成形され、箱体51にカバー体70を組付構成した状態でコネクタ99に外部からの配線を接続することができ、カバー体70の表面の表示領域77aには、基板収納ボックス50を取付台100から取り外す方法の説明が表示され、表示領域77bには、溶着部分の破壊の方法の説明が表示され(【0025】)、また、カバー体70を箱体51に組み付けた状態で、カバー体70の上面と箱体51の側壁との間を差し渡すように封印紙78が貼付され(【0027】)、カバー体70による箱体51の被覆状態を解除した状態でROM98の検査が終了した後は、再度カバー体70を箱体51に被覆して被覆状態を復元することができ、この場合、被覆状態を保証するために、検査を行った監督官庁が発行する検査済封印紙を箱体51とカバー体70との間を掛け渡すように貼付する必要があり(【0038】)、c 遊技制御回路基板92は、ベース絶縁基板177上に広範囲のアース用導電パターン170と、数多い導電パターン配線171と、端子接続ホール172とが形成され、アース用導電パターン170と導電パターン配線171の上面が絶縁皮膜178によって被覆され、アース用導電パターン170や導電パターン配線171と導通しない状態でベース絶縁基板177の上部に基板の種類を表示する基板種類表示175が導電パターンにて形成されている(【0059】)、f パチンコ遊技機1(【0015】)。」
イ 引用文献2の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用文献2として引用され、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-182519号公報(以下「引用文献2」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の記載がある。
(ア)「【0016】図2には、遊技機10の裏面の構造が示されている。・・・【0017】続きを表示(全11行)さらに、前面枠12の裏面中央部には、表示装置(画像表示装置)における変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御装置80と、演出制御装置80等の各種装置を統括制御する遊技制御装置100と、等が配設されている。・・・【0018】・・・遊技制御装置100は、例えば図3、図4に示すように、遊技機10の動作制御等を行うことで遊技の進行を統括的に制御する遊技制御基板110(制御基板)と、当該遊技制御基板110を内部に収納するための基板ボックス120と、を備えて構成される。そして、遊技制御装置100においては、予め記憶された固有の識別情報を発信可能な電子タグ131を有する電子タグシール130や、当該遊技制御装置100の管理番号等が印字された管理番号シール140、当該遊技制御装置100を備える遊技機10の機種等が印字された機種シール150などが、基板ボックス120(具体的には、基板ボックス120が備える第1ケース部材200(後述)等)に貼着されている。【0019】遊技制御装置100は、遊技盤30の背面に取り付けられて当該遊技盤30が前面枠12に取り付けられることによって、例えば図2に示すように、遊技機10の背面側から視認可能に配されている。したがって、以下の説明では、遊技機10の背面側に配された遊技制御装置100を遊技機10の背面側から見た場合(図2参照)に、遊技機10の背面側から視認可能な側を上側、遊技盤30に取り付けられた側を下側とし、上になる側を後側、下になる側を前側とし、左になる側を左側、右になる側を右側とする。」
(イ)「【0125】次に、基板ボックス120が備える貼着領域Rと、当該貼着領域Rに貼着される電子タグシール130と、について説明する。【0126】貼着領域Rは、例えば図23(a)に示すように、右側端封止手段500の第1固着部(右第1固着部510)と第2固着部(右第2固着部520)とに跨って形成されている。続きを表示(全14行)・・・したがって、右第1固着部510と右第2固着部520との重合境界と、脆弱部(右第1脆弱部513及び右第2脆弱部523)と、の双方が貼着領域Rを横断している。【0127】電子タグシール130は、遊技機10が設置された遊技場の従業員等が、所定の読取装置を用いて当該電子タグシール130が有する電子タグ131から当該電子タグシール130が貼着された遊技制御装置100を識別するための識別情報を読み取って、遊技制御装置100の不正交換等を確認するためのものである。具体的には、電子タグシール130は、例えば図14(a),(b),(c)に示すように、長尺状に形成されたRFICタグ等の電子タグ131と、矩形状に形成されたベースシール132と、により構成されている。【0128】ベースシール132は、一方の面が粘着面になっており、他方の面に「開封禁止」の文字等が印字されている。・・・【0130】ここで、電子タグ131がベースシール132の対角線上に貼り付けられているので、貼着領域Rに貼着された電子タグシール130においては、第1固着部と第2固着部との重合境界(具体的には、右第1内側固着部511と右第2内側固着部521との重合境界、右第1外側固着部512と右第2外側固着部522との重合境界)と、電子タグ131と、が交差している。これにより、基板ボックス120を開封するために第1固着部と第2固着部との重合を解除すると、当該重合部分(重合境界)で電子タグ131が破損することになるので、基板ボックス120の不正開封を抑制できるとともに、基板ボックス120の不正開封を発見し易くすることができる。・・・」
(ウ)【図2】
「[図:0001404472000007.jpg]」
(エ)【図4】
「[図:0001404472000008.jpg]」
(オ)【図23】
「[図:0001404472000009.jpg]」
以上によれば、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されているといえる。
「遊技機10の裏面の前面枠12の裏面中央部に、各種装置を統括制御する遊技制御装置100等が配設され、遊技制御装置100は、遊技の進行を統括的に制御する遊技制御基板110と当該遊技制御基板110を内部に収納するための基板ボックス120とを備えて構成され、電子タグシール130などが、基板ボックス120に貼着され、遊技制御装置100は、遊技盤30の背面に取り付けられて当該遊技盤30が前面枠12に取り付けられることによって、遊技機10の背面側から視認可能に配され、遊技機10の背面側に配された遊技制御装置100を遊技機10の背面側から見た場合に、遊技機10の背面側から視認可能な側を上側、遊技盤30に取り付けられた側を下側とし、上になる側を後側、下になる側を前側とし、左になる側を左側、右になる側を右側とし、基板ボックス120が備える貼着領域Rは、右側端封止手段500の第1固着部(右第1固着部510)と第2固着部(右第2固着部520)とに跨って形成され、電子タグシール130が当該貼着領域Rに貼着され、電子タグシール130は、電子タグ131と矩形状に形成されたベースシール132とにより構成され、ベースシール132は、一方の面が粘着面になっており、他方の面に「開封禁止」の文字等が印字されており、基板ボックス120を開封するために第1固着部と第2固着部との重合を解除すると、当該重合部分で電子タグ131が破損するので、基板ボックス120の不正開封を抑制できるとともに、基板ボックス120の不正開封を発見し易くすることができる点」
ウ 引用文献3の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用文献3として引用され、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-106777号公報(以下「引用文献3」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の記載がある。
(ア)「【0088】<4.基板例>実施の形態の弾球遊技機100や回胴遊技機200に装着される基板の具体例である基板10として、基板10Aを図14、図15に示し、また基板10Bを図16,図17に示す。図14は基板10Aの第一主面(部品面)10x、図15は第一主面10xからみて裏側となる第二主面(半田面)10yを示している。・・・続きを表示(全12行)【0089】なお、これらの各図では、図面の見やすさを考慮して、配線パターンの図示は省略した。また同じく図面の見やすさのため、電子部品21、電子部品群22、識別情報25、識別情報群27、囲い線31、32、引出線33、対応マーカ34、35としての符号は、一部のみに付した。符号“21”“25”が付して無くとも、第一主面10b及び第二主面10h上で略方形又は円形で示しているものが電子部品21であり、各所に表記されている文字が識別情報25である。・・・【0093】基板10Aは、図14,図15に示すように、4つの端辺11,12,13,14を持った略長方形に形成されている。そして装着されている各電子部品21は、各辺が基板10Aの各端辺11,12,13,14と平行になるように配置されている。この基板10Aの第一主面10xには、識別情報25が「IC1」「IC2」等のIC、「C101」「C102」等のコンデンサ、「R201」「R202」等の抵抗、「CN1」のコネクタ等の電子部品21が搭載されている。なお識別情報25が「IC5」のICはBGA(ball grid array)タイプのICである。第二主面10yには、識別情報25が「C301」「C302」等のコンデンサ、「R401」「R402」等の抵抗などの電子部品21が搭載されている。」
(イ)【図14】
「[図:0001404472000010.jpg]」
以上によれば、引用文献3には、以下の事項(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されているといえる。
「弾球遊技機100に装着される基板10Aの第一主面(部品面)において、基板10Aは、4つの端辺を持った略長方形に形成されており、装着される各電子部品21は、各辺が基板10Aの各端辺と平行になるように「R201」「R202」等の識別情報25とともに抵抗等が配置、搭載される点」
エ 引用文献等4の記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
原査定の拒絶理由において引用文献等4として引用され、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、「抵抗の取り付けには向きがある!?」,[online],2016年03月03日,「http://www.gatelink.co.jp/hw/micon-mame/resistor/index.html」(以下「引用文献等4」という。)の「抵抗を基板に寝かせる場合」の欄には、次の記載がある。
「抵抗を基板に寝かせる場合抵抗を寝かせて取り付けるときも同じで、向きがバラバラだと読む際にワンテンポ遅れます。[図:0001404472000011.jpg]下図のように左から右、上から下のように統一するとよいでしょう。[図:0001404472000012.jpg]」
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 構成Aについて
引用発明の構成aにおける「遊技制御回路基板92」は、「両面にアース用導電パターン170と導電パターン配線171が形成されて」いるから、
本件補正発明の構成Aにおける「第1の面と前記第1の面の裏面側となる第2の面とに導体パターンを有する基板」に相当する。
引用発明の構成aにおける「遊技制御回路基板92」の「上面」は、「ROM98を含む電子部品の実装面とされ」ているから、本件補正発明の構成Aにおける「カラーコードにより定格を示す受動素子を実装する第1の面」と、「電子部品を実装する第1の面」である点で共通する。
したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Aと「電子部品を実装する第1の面と前記第1の面の裏面側となる第2の面とに導体パターンを有する基板と、」を備えるものである点で共通する。
イ 構成Bについて
引用発明の構成bにおける「基板収納ボックス50」は、「遊技制御回路基板92」を「箱体51と、該箱体51の上面を閉塞するカバー体70とが組付構成され」ることにより「収納支持」するから、本件補正発明の構成Bにおける「前記基板」を「収容」する「基板ボックス」に相当する。
引用発明の構成aにおける「遊技制御回路基板92」の「上面」は、「ROM98を含む電子部品の実装面とされ」ているところ(上記(ア))、引用発明の構成bによれば、「箱体51の上面を閉塞するカバー体70は、透明な合成樹脂によって一体的に成形され」ているから、「基板収納ボックス50」は、「遊技制御回路基板92」の「上面」(第1の面)を、「透明な合成樹脂」を介して「観察可能」であるといえる。
引用発明の構成bによれば、「基板収納ボックス50」は、「カバー体70を箱体51に組み付けた状態で、カバー体70の上面と箱体51の側壁との間を差し渡すように封印紙78が貼付され」ているから、「封止シールにより封止され」ているといえる。
以上から、引用発明は、本件補正発明の構成Bの「前記基板を前記第1の面を観察可能に収容して封止シールにより封止される基板ボックスと、を備え、」に相当する構成を備える。
ウ 構成Cについて
引用発明の構成cにおいて、「遊技制御回路基板92」には「基板種類表示175」が「導電パターンにて形成されて」おり、「基板種類表示175」が「アース用導電パターン170や導電パターン配線171と導通しない状態でベース絶縁基板177の上部」に形成されていることは、本件補正発明の構成Cにおける「前記基板は、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成されて、」「情報表示部を含」んでいることに相当する。また、引用発明の構成cによれば、「基板種類表示175」は「基板の種類を表示する」ものであり、「当該基板に関する基板情報を表示する」ものといえる。
以上から、引用発明は、本件補正発明の構成Cの「前記基板は、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成されて、当該基板に関する基板情報を表示する情報表示部を含み、」に相当する構成を備える。
エ 構成Fについて
引用発明の構成fにおける「パチンコ遊技機1」は、本件補正発明の構成Fにおける「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明は、本件補正発明の構成Fに相当する構成を備える。
(一致点)
「A’電子部品を実装する第1の面と前記第1の面の裏面側となる第2の面とに導体パターンを有する基板と、B 前記基板を前記第1の面を観察可能に収容して封止シールにより封止される基板ボックスと、を備え、C 前記基板は、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成されて、当該基板に関する基板情報を表示する情報表示部を含み、F 遊技機。」
【相違点1】(構成D)
「封止シール」が、本件補正発明では、「前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において文字を含む所定情報の表示が上下方向に並ぶ向きで、前記所定情報の先頭表示を下側にして」貼付されるのに対し、
引用発明では、封印紙78(封止シール)が、かかる構成を備えるか不明である点。
【相違点2】(構成A、E)
「基板」の「第1の面」に、本件補正発明では、「カラーコードにより定格を示す受動素子」を実装し、「前記受動素子は、前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において前記カラーコードが上下方向に並ぶ向きで、前記カラーコードの第1色帯を下側にして実装される」のに対し、
引用発明では、「カラーコードにより定格を示す受動素子」を実装するのか明らかでなく、「前記受動素子は、前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において前記カラーコードが上下方向に並ぶ向きで、前記カラーコードの第1色帯を下側にして実装される」のか明らかでない点。
(4)判断
ア 相違点1について
(ア)引用文献1の図25(上記(2)ア(ケ)参照)からは、符号50で示される部材(基板収納ボックス50)が、ドラム中継基板19と中継基板40からの配線ケーブルが接続されるコネクタ領域が正面視左側に位置するようにパチンコ遊技機1の裏面に設けられる符号41で示される部材(機構板41)に取り付けられることが看取できるところ、図1(上記(2)ア(ケ)参照)には、コネクタ領域(コネクタ99)が正面視左側に位置する基板収納ボックス50の平面図が示されており、カバー体70の表面の表示領域77a及び表示領域77bの説明が上下方向に並ぶ向きで、当該説明の先頭を下側にすることが記載されているといえ、上記相違点1に係る「前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において文字を含む所定情報の表示が上下方向に並ぶ向きで、前記所定情報の先頭表示を下側にして貼付される」との構成に相当する構成を備える。
(イ)また、引用文献2記載事項における「電子タグシール130」は、「基板ボックス120が備える貼着領域R」に貼着され、「基板ボックス120を開封する」と「電子タグ131が破損するので、基板ボックス120の不正開封を抑制できるとともに、基板ボックス120の不正開封を発見し易くできる」ものであるから、上記相違点1に係る「封止シール」に相当し、引用文献2記載事項の「電子タグシール130」を構成する「矩形状に形成されたベースシール132」の粘着面の他方の面に印字される「開封禁止の文字等」は、上記相違点1に係る「文字を含む所定情報」に相当するところ、引用文献2記載事項の「開封禁止」の文字は、遊技制御装置100すなわち「基板ボックス120」が、遊技盤30すなわち「遊技機10」に取り付けられた状態で、「開封禁止」における「開」の文字が下(図23で「前」を示す矢印の方向)になり、「止」の文字が上(同図で「後」を示す矢印の方向)になることを踏まえると、引用文献2記載事項は、上記相違点1に係る「前記基板ボックスを遊技機に設置した状態において文字を含む所定情報の表示が上下方向に並ぶ向きで、前記所定情報の先頭表示を下側にして貼付される」との構成に相当する構成を備える。
(ウ)上記(ア)又は(イ)を踏まえれば、引用発明における「カバー体70の上面と箱体51の側壁との間を差し渡すように」「貼付され」る「封印紙78」において、「開封禁止」の文字を印字するか、或いは、引用発明における「箱体51とカバー体70との間を掛け渡すように貼付」する「検査を行った監督官庁が発行する検査済封印紙」において、「開封禁止」の文字を印字することとし、その際、「開」の文字が下側、「止」の文字が上側となるようにすることで、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
引用文献3記載事項に例示されるように(必要であれば、特開2001ー185823号公報の図2や特開2010-12058の図4等も参照のこと)、遊技機に装着される基板の第一の面(部品面)に、基板の各端辺と平行になるように、「R1」等の識別情報とともに抵抗を配置することは、遊技機の技術分野における周知の技術的事項である。
また、引用文献等4の記載事項に示されるように、色コードにより抵抗値を確認できるようにした複数個のリード付きの抵抗を基板に寝かせて取り付ける際、色コードを常に同じ方向に読めるように配置することで、当該抵抗がいかなる抵抗値であるのか確認し易くすることは、回路の技術分野における周知の技術的事項である。
そうすると、引用発明における「遊技制御回路基板92」の「電子部品の実装面」において、色コード(カラーコード)により抵抗値(定格)を確認できる抵抗(受動素子)を複数個実装することとし、その際、左から右方向、右から左方向、上から下方向、下から上方向等、色コードを常に同じ方向に読めるように配置し、実装した複数個の抵抗値を確認し易くすることで、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(5)審判請求人の主張について
請求人は,審判請求書において、封止シールの文字とカラーコードを共に下から上の向きにすることにより、封止シールの下から上への順に並ぶ文字を見た点検作業者が自然にカラーコードを下から上への順に読むようにして受動素子の不正点検作業を容易に行えるものであり、受動素子の向きを決定する際に基板ボックス(基板)を遊技機に設置した状態で他の情報の表示の向きを考慮することは慣用されていないし、また上下方向に実装する抵抗において第1色帯を上(審決注:「下」の誤記と認める。)とする慣用に反した態様である請求項1に係る発明は、製造工程や検査工程における作業性や確認容易性を損ないかねないことから、周知慣用技術の適用に対して阻害要因を有すると主張する。
しかしながら、メンテナンス等の際に、部品の配置や種別、部品に付された情報を把握しやすくすることは、遊技機の分野ならずとも当然に存在する自明の課題であるところ、抵抗の「カラーコード」はその第1色帯から後段の色帯にかけて視認されることで抵抗値が確認でき、引用発明における基板収納ボックス50の表面の表示領域77a、77bに付される説明書き、封印紙78や検査済封印紙に印字される「文字」も先頭文字から後ろの文字にかけて視認されることでその内容が理解できるものであり、両者を同じ方向に読むことができれば点検作業者にとって便宜であり、上記課題の解決に資することは、当業者は当然のこととして理解するから、封止シールの文字とカラーコードとを例えば共に下から上の向きに読めるように配置することは、当業者が適宜になし得る設計的事項にすぎず、出願人の主張は採用できない。
(6)小括
以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができない。
4 補正の却下の決定のむすび
以上に検討したところによれば、本件補正発明は、上記3で検討したとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和4年7月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものであるところ、分説のための符号を付して再掲すると、次のとおりである。
「【請求項1】A カラーコードにより定格を示す受動素子を実装する第1の面と前記第1の面の裏面側となる第2の面とに導体パターンを有する基板と、B 前記基板を前記第1の面を観察可能に収容して封止シールにより封止さ続きを表示(全14行)れる基板ボックスと、を備え、C 前記基板は、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成されて、当該基板に関する基板情報を表示する情報表示部を含み、D’前記封止シールは、前記基板を遊技機に設置した状態における下側から上側に向けて所定の情報を表示する向きで貼付され、E’前記受動素子は、前記基板を遊技機に設置した状態において前記カラーコードの第1色帯を下側にして前記カラーコードが上下方向に並ぶ向きで実装される、F 遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、以下の理由を含むものである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開平09-299553号公報
2.特開2016-182519号公報
3.特開2016-106777号公報
4.「抵抗の取り付けには向きがある!?」,[online],2016年03月03日
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3 引用文献等
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献等は、本件補正発明が独立特許要件を満たすか否かを検討する際に用いたものと同じであり、その内容は、上記第2[理由]3(2)ア~エに摘記したとおりである。
4 対比・判断
上記第2〔理由〕2(1)における検討を踏まえれば、本願発明(上記1)は、本件補正発明(上記第2〔理由〕3(1))において、「基板」が「基板ボックス」に「収容」されて「遊技機に設置」されると特定されていたのを、「基板」が「基板ボックス」に「収容」されていたとの限定を省き、「封止シール」が表示する「所定の情報」が「文字を含む」と特定されていたのを、「文字を含む」との限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに、「基板」が「遊技機に設置」される際の態様及び「封止シール」が表示する「所定の情報」の内容に関して、より限定されたものである本件補正発明が、上記第2の3で示した理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたのであるから、上記の限定を省いた本願発明は、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-019899