2022-019314
局在的配電ネットワーク設計のための重なり合わない電源/グランドプレーン
- 審判番号
- 2022-019314
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-553161外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年11月30日
- 審決日
- 2023年12月01日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】サン・ディエゴ・ステート・ユニバーシティ・リサーチ・ファンデーション
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 【請求人】キョーセラ・インターナショナル・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 【請求人】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 分類
- P18 .113-WY (H05K) / P18 .121-WY (H05K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 17項目
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)12月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年12月15日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年7月26日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。
1 理由1
(新規性)本願請求項1~3,6,8~12,15,18~19に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2 理由2
(進歩性)本願請求項1~20に係る発明は、以下の引用文献1~6(当審注:引用文献2~6のいずれかは一部の請求項に対しては引用されていない。)に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 本願発明
本願請求項1~8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明8」という。)は、令和4年11月30日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は次のとおりの発明である。
「【請求項1】複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを含む、配電のための装置であって、前記配電ネットワークは、複数の重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメントと、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメントと、を含み、それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントは、少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって、別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されており、前記1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントのそれぞれは、電源(P)プレーンセグメント、グランド(G)プレーンセグメント、多層電源(P)プレーンセグメント、又は多層グランド(G)プレーンセグメント、の少なくとも1つであり、前記多層電源(P)プレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準も有さず、前記多層グランド(G)プレーンセグメントは、何れのPGプレーンの電源基準も有さない、装置。」
なお、本願発明2~8は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献の記載、引用発明等
1 引用文献1、引用発明
(1)原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審による。以下同様。)。
「【0017】図1は本発明の多層配線基板に係る積層配線体の実施の形態の一例を示す分解平面図であり、同図(a)は第1の絶縁層の、(b)は第2の絶縁層の、(c)は第3の絶縁層の平面図をそれぞれ示している。また、図2はこれらを積層して成る積層配線体から成る本発明の多層配線基板の実施の形態の一例を示す透視平面図であり、図3はそのA?B線断面図である。【0018】これらの図において、I1~I4はそれぞれ第1~第4の絶縁層であり、L1~L3はそれぞれ第1~第3の絶縁層I1~I3の上面に略平行に配設された第1~第3の平行配線群、S1~S3はそれぞれ第1~第3の平行配線群L1~L3中の信号配線、SP1は互いに隣接する2本の信号配線S1から成る第1の平行配線群L1中の信号配線対、G1~G3はそれぞれ第1~第3の平行配線群L1~L3中の接地配線、P1~P3はそれぞれ第1~第3の平行配線群L1~L3中の電源配線、Tは第1~第3の平行配線群L1~L3の少なくとも2つの平行配線群を所定の箇所で電気的に接続する貫通導体群である。これらにより本発明の多層配線基板に係る積層配線体が構成されている。【0019】なお、同じ平面に配設された複数の信号配線S1~S3はそれぞれ異なる信号を伝送するものとしてもよく、同じ平面に配設された複数の電源配線P1~P3はそれぞれ異なる電源を供給するものとしてもよい。また、信号配線対SP1は2本の信号配線によって差動回路を構成するようにすることが好ましいが、2本の信号配線で同じ信号を伝送するようにしてもよい。また、信号配線対SP1は複数設けてもよく、第2および第3の平行配線群L2・L3中にも同様の信号配線対を設けてもよい。【0020】このような本発明の多層配線基板には、例えばその表面にMPU(Micro Processing Unit)・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)・DSP(Digital Signal Processor)のような半導体素子等の電子部品が搭載される。そして、半導体素子収納用パッケージ等の電子部品収納用パッケージや電子部品搭載用基板、多数の半導体集積回路素子が搭載されるいわゆるマルチチップモジュールやマルチチップパッケージ、あるいはマザーボード等として使用される。これらの電子部品は、例えばいわゆるバンプ電極によりこの多層配線基板の表面に実装されて、あるいは接着剤・ろう材等により搭載部に取着されるとともにボンディングワイヤ等を介して、貫通導体等により例えば第2の平行配線群L2と電気的に接続される。なお、外部電気回路との接続部ならびに搭載される半導体素子等の電子部品との接続部は図示していない。」
「【図1】[図:0001404448000001.jpg]【図2】[図:0001404448000002.jpg]【図3】[図:0001404448000003.jpg]」
(2)段落【0018】の記載から、積層配線体は、第1~第4の絶縁層I1~I4と、それぞれ第1~第3の絶縁層I1~I3の上面に略平行に配設された第1~第3の平行配線群L1~L3中の信号配線S1~S3、接地配線G1~G3及び電源配線P1~P3と、互いに隣接する2本の信号配線S1から成る第1の平行配線群L1中の信号配線対SP1と、第1~第3の平行配線群L1~L3の少なくとも2つの平行配線群を所定の箇所で電気的に接続する貫通導体群Tとにより構成されるものであるといえる。
(3)上記(1)、(2)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「第1~第4の絶縁層I1~I4と、それぞれ第1~第3の絶縁層I1~I3の上面に略平行に配設された第1~第3の平行配線群L1~L3中の信号配線S1~S3、接地配線G1~G3及び電源配線P1~P3と、互いに隣接する2本の信号配線S1から成る第1の平行配線群L1中の信号配線対SP1と、第1~第3の平行配線群L1~L3の少なくとも2つの平行配線群を所定の箇所で電気的に接続する貫通導体群Tとにより構成され、表面に電子部品が搭載され、多数の半導体集積回路素子が搭載されるいわゆるマルチチップモジュールとして使用される、多層配線基板。」
2 引用文献2
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献2には、図面とともに、次の記載がある。
「【0042】図4において、スタック30の底部から頂部へ向かって、基板(図面を簡単にするため、図示しない)上に形成された、4つのセラミック誘電体層33,35,37,39がある。各誘電体層のベースに形成された導体ラインがあるが、この場合、導体ライン(1つの層内で、交互する電源ラインおよびグランドラインである)は、交互する層内にY軸に平行に、またはX軸に平行に配向されており、導体ラインは誘電体層の底部に平行に延びている。【0043】図4において、上側誘電体層39のベースには、4本の平行な導体ライン38A,38B,39C,38Dがあり、これら導体ラインは、Y軸に平行に延びており、2本のグランドライン38B,38Dは、2本の電源/電圧ライン38A,38Cと交互に配列されている。次の誘電体層37のベースには、4本の平行な導体ライン36A,36B,36C,36Dがあり、これら導体ラインは、X軸に平行に延びており、グランドライン36A,36Cは、2本の電源/電圧ライン36B,36Dと交互に配列されている。【0044】電源/電圧ライン36B,36Dは、電源バイア40A,40C,40B,40Dによって、電源/電圧ライン38A,38Cに接続されている。グランドライン36A,36Cは、グランドライン36A,36Cからそれぞれグランドライン38Bに達するグランドバイア42A,42Cによって、およびグランドライン36A,36Cからそれぞれグランドライン38Dに達するグランドバイア42D,42Bによって、グランドライン38B,38Dに接続されている。Z軸に平行なバイアホールは、ドリリングまたはパンチングにより穴あけされて、最終スタック30に導電バイアを形成する導電材料で充てんされる。【0045】このように、従来の1つの標準メッシュプレーンは、2つの共面金属層で置き換えられている。これら共面金属層は、第1の層上でY軸方向に配向された電源/電圧ライン38A/38Cおよびグランドライン38B/38Dと、第2の層上でX軸方向に配向された電源/電圧ライン36B/36Dおよびグランドライン36A,36Cを有し、電気的短絡を阻止する誘電体材料の層37が介在されている。この誘電体材料に穴あけされた垂直電源/電圧バイア40A,40B,40C,40Dおよび垂直グランドバイア42A,42B,42C,42Dは、直交する電圧およびグランド・メッシュまたはバスラインの2つの別個の組を電気的に相互接続する。電圧およびグランド・バスラインの水平X軸およびY軸のピッチに比べて、垂直バイアが比較的短いならば、このPVD構造の電圧(またはグランド)バスラインの直交組は、従来の標準メッシュ電圧(またはグランド)プレーンに実質的に電気的に等価であるが、従来の標準メッシュ電圧(またはグランド)プレーンとは、位相幾何学的に異なっている。【0046】図4~図6の本発明に基づく集積化メッシュまたはバスラインPVDキャリアは、DC電流およびAC電流に対する低インピーダンスの通常の要件を有する完全な電源配布システムを形成する。」
「【図4】[図:0001404448000004.jpg]【図5】[図:0001404448000005.jpg]【図6】[図:0001404448000006.jpg]」
3 引用文献3
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献3には、図面とともに、次の記載がある。
「【0025】(第1の実施の形態)図1に示されるように、本発明の第1の実施の形態による多層基板10は、絶縁体(即ち、誘電体)とパターンとをウエハース状に積み重ねて形成されている。パターンは、例えばビアホールによって電気的に互いに接続されている。多層基板10は、PC等の電子機器(図示せず)に搭載されて使用される。【0026】本実施の形態による多層基板10は、上述のパターンとして、1つの電源層100、1つのグラウンド層200及び1つの信号層300を備えている。但し、多層基板10は、例えば複数の電源層100を備えていてもよいし、複数のグラウンド層200を備えていてもよい。多層基板10が複数の電源層100を備えている場合、複数の電源層100は互いに接続されていてもよい。換言すれば、多層基板10は、少なくとも1つの電源層100と、少なくとも1つのグラウンド層200とを備えていればよい。【0027】多層基板10の内層プレーンである電源層100には、基幹電源(図示せず)から電源が供給される。多層基板10の表層である信号層300には、IC(Integrated Circuit)チップ(電子部品)310等の様々な電子部品が搭載されている。電子部品310は、ビアホールを経由して電源層100及び(多層基板10の内層プレーンである)グラウンド層200と接続されており、これにより、電源層100に供給された電源は電子部品310に供給される。」
「【図1】[図:0001404448000007.jpg]」
4 引用文献4
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献4には、図面とともに、次の記載がある。
「【0015】図1は、本実施の形態における電子機器設計支援装置101の構成を示す構成図である。同図に示す電子機器設計支援装置101は、電源層と、グラウンド層と、電源層及びグラウンド層を貫通する構造の差動配線を構成する差動ビアとを有する多層プリント基板の設計を支援する装置であり、プリント基板レイアウト情報入力部(以下、「レイアウト情報入力部」)102と、層構成&信号配線レイアウト抽出部(以下、「レイアウト抽出部」)103と、差動配線ペア情報入力部104とを備える。【0016】レイアウト情報入力部102には、設計対象の電子機器を構成する多層プリント基板のレイアウト情報が入力される。レイアウト抽出部103は、入力されたプリント基板のレイアウト情報から層構成の情報と信号配線に関係するレイアウトを抽出する。差動配線ペア情報入力部104は、プリント基板の配線レイアウトからペアを構成する差動配線情報を入力する。」
【0017】
上記構成に加え、電子機器設計支援装置101は、差動ビア情報抽出部105と、放射電界強度増加量算出条件判断部(以下、「条件判断部」)106と、放射強度増加量算出部(以下、「算出部」)108と、放射強度増加量算出用近似式データベース部(以下、近似式データベース部)107と、最大放射強度増加量出力部(以下、「出力部」)109とを備える。
【0018】
差動ビア情報抽出部105は、プリント基板の差動配線ペア情報が入力された差動配線レイアウトから、内層の電源層及びグラウンド層を貫く差動ビアを検索し、その位置情報を抽出する。条件判断部106は、抽出された差動ビアの位置情報とその周囲の層構成情報から放射電界強度増加量を算出するための条件を判断する。近似式データベース部107には、差動ビア間の相対距離(以下、「差動ビア間相対距離」)と、電源層及びグラウンド層間の距離(以下、「電源層?グラウンド層間距離」)とから放射電界強度増加量を算出するための関係近似式および定数(係数)が格納されている。算出部108は、近似式データベース部107の関係近似式および定数を用いて、差動ビアが引き起こす電源層及びグラウンド層間の共振による不要電磁放射の最大増加量を算出する。出力部109は、算出部108により算出された値を表示及び印刷などにより出力する。」
「【0027】すなわち、電子機器設計支援装置101が起動すると、まず、多層プリント基板のレイアウト情報が入力されるのを待つ待機状態となる。レイアウト情報は、例えば、電源層やグラウンド層の構造、LSIやICなどの電子デバイスとデカップリングコンデンサなどの部品の搭載位置などのプリント基板のレイアウトに関するデータである。なお、対象となるプリント基板においては、多層構造のいずれかの層に基板平面と平行な状態の電源層とグラウンド層が少なくとも1対以上備えられている。さらに、相互に重ねたときの電源層とグラウンド層のサイズ(基板上からみて、重なる部分のサイズ)は、周波数帯域30MHz?1GHz内に少なくとも1つ以上の共振周波数が存在する大きさである。【0028】上記のような多層プリント基板のレイアウト情報が、操作者(設計者)の操作によりレイアウト情報入力部102に入力される(ステップSt1)。そうすると、入力されたデータの中で設計対象の一部である配線レイアウト情報が、レイアウト抽出部103に出力される。」
「【図1】[図:0001404448000008.jpg]」
5 引用文献5
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献5には、図面とともに、次の記載がある。
「[0107] (第2の実施の形態)図9は、本開示の第2の実施の形態に係る半導体装置2の一部を拡大して表したものであり、具体的には、チップ配設領域20A内の三本の第1配線151および三本の第2配線152の平面構成を表している。なお、図9の上面図では、わかりやすくするために半導体チップ10およびアンダーフィル樹脂40を省略している。[0108] 本実施の形態は、複数の第1配線151および複数の第2配線152を斜め方向DSの直線とするようにしたものである。このことを除いては、この半導体装置2は、上記第1の実施の形態の半導体装置1と同様の構成、作用および効果を有している。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。[0109] 一般的に、パッケージ基板20上に銅(Cu)よりなる配線150を設ける場合、隣接する配線150間のスペースで制約が生じる。本実施の形態では、複数の第1配線151および複数の第2配線152を直線とし、複数の第1電極131および複数の第2電極132を直線状に結線することによって、第1配線151と第2配線152との距離d150を一定に保ったままで、はんだを含む電極130間のピッチを最短化することが可能となる。[0110] このように本実施の形態では、複数の第1配線151および複数の第2配線152を直線とするようにしたので、第1電極131および第2電極132を市松配置としながら、第1配線151と第2配線152との距離d150を一定にすることが可能となる。また、このことにより、パッケージ基板10製造時の配線150の加工が容易となり、歩留が向上すると共に、配線150の幅を広くとることが可能となる。[0111] また、複数の第1電極131および複数の第2電極132を、チップ本体10の中央部に、行方向Xおよび列方向Yの両方に交互に配置(市松配置)することによって、半導体チップ10側の電源設計を容易にすることが可能となる。[0112] 更に、一般的にパッケージ基板20上の配線150を形成する際には、配線150間の距離d150の最小値が加工精度から定められている。よって、第1配線151および第2配線152が直線であれば、はんだを含む電極130間の距離d130は配線150間の距離d150よりも大きいために、配線150の幅を太くすることが可能である。露出した配線151の側面54にもはんだ層32が覆うように、配線150の幅を太くすることによって、パッケージ基板20上の配線150でのIRドロップをできる限り抑えて、より接合部の強度に優れたフリップチップ型の半導体装置2を実現することが可能となる。」
「[図9][図:0001404448000009.jpg]」
6 引用文献6
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献6には、図面とともに、次の記載がある。
「[0017] The present invention provides an interconnection medium wherein the number of interconnect layers is reduced while the low inductance power distribution characteristics of parallel power and ground planes, as well as the high wiring density for signal interconnect wires characteristic of photolithographic fabrication techniques are retained.[0018] To that end, the present invention inventively combines aspects of mesh planes and interdigitation to create what is referred to herein as dual offset mesh planes or an interconnected mesh power system. The word dual denotes the provision of both power and ground planes. The word offset denotes the appearance of conductive regions of one electrical plane on two different interconnect layers.[0019] As explained below, in a single offset mesh plane, all X direction conductors are carried on a first metal layer, and all Y direction conductors are carried on a second metal layer. At each point where these conductive regions overlie one another, they can be interconnected by means of a conducting hole or via through the dielectric separating the two metal layers. These conductive regions thus can define one electrical plane. Another plane can be incorporated into the structure by interdigitating in both metal levels a conductive region of opposite polarity between every conductor region of the first plane, and similarly connecting the overlying regions with vias to provide two offset mesh planes. Thus, the two metal levels can contain the electrical equivalent of two mesh planes, with the critically important topological feature that all conductive regions (i.e., conductors) lying in a given metal layer run in the same direction.[0020] These features allow signal conductors to be effectively woven into a fabric of power and ground conductors. During the design process, when a signal path must be included between two points, the designer can determine the necessary X and Y conductors which must be included in the signal path and then isolate portions of the power and/or ground conductors on the metal layers necessary to provide a signal path. Of course, this process can be automated---specifically, computer-implemented-with the use of a computer aided design (CAD) system.」
(当審訳:[0017]本発明は、フォトリソグラフィー製作技術の信号相互接続配線のための高い配線密度とともに、平行電源プレーン及び接地プレーンの低インダクタンス電力分配特性を共に保持しつつ、相互接続層の数を減少させた相互接続媒体を提供する。
[0018]この目的のために、本発明は、デュアルオフセットメッシュプレーンまたは相互結合メッシュパワーシステムと呼ばれるものを創作するため、本発明は、メッシュプレーンと相互組合せの考え方を結合する。ここで、用語「デュアル」は、電源及び接地プレーンの両方の導入を表す。用語「オフセット」は、2つの異なる相互接続層における1つの電気的プレーンの導電性領域の出現を表す。
[0019]以下に説明するように、シングルオフセットメッシュプレーンにおいては、全てのX方向導電体が第一金属層上に搭載され、全てのY方向導電体が第2金属層上に搭載される。これらの導電性領域が互いに重なる場所の各点で、導電性のホール又はビアを用いて、2つの金属層を分離する誘電体を介して相互接続され得る。これらの導電性領域は、1つの電気的プレーンを画定し得る。別のプレーンは、第1のプレーンの各導電領域間において逆極性の導電性領域を両方の金属レベルで交差し、2つのオフセットメッシュプレーンを提供するために同様に重畳領域をビアで接続することによって、構造体に組み込むことができる。このようにして、2つの金属が、与えられた金属層に存在する全ての導電性領域(すなわち、導体)が同じ方向に走る決定的に重要なトポロジ的特徴を備えた、2つのメッシュプレーンとの電気的等価性を有することがでる。
[0020]これらの特徴は、信号導体が電源及び接地導体の組織内に織り込まれることを可能にする。設計過程において、信号経路が2点間に含まれなければならない場合、設計者は、信号経路に含まれなければならない必要なX及びY導電体を決定することができ、その後、信号経路の設定に必要な金属層上の電源及び/又は接地導体を絶縁することができる。もちろん、この過程は自動化され得るものであり、特に、計算機支援設計(CAD)システムを用いてコンピュータ実装化され得る。)
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
(ア)引用発明の「多層配線基板」は、「接地配線G1~G3」、「電源配線P1~P3」等を含み、「表面に電子部品が搭載され、多数の半導体集積回路素子が搭載されるいわゆるマルチチップモジュールとして使用される」ものであり、ここで、「電源配線P1~P3」等が「半導体集積回路素子」への配電のためのものであることは明らかであるから、「接地配線G1~G3」及び「電源配線P1~P3」が、「多数」の「半導体集積回路素子」用の配電のためのネットワークとして機能するといえる。
そして、引用発明の「半導体集積回路素子」は、本願発明1の「集積回路(IC)」に相当し、引用発明の「接地配線G1~G3」及び「電源配線P1~P3」は、本願発明1の「配電ネットワーク」に相当する。
以上から、引用発明の「多層配線基板」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを含む、配電のための装置」に相当する。
(イ)引用発明の「多層配線基板」は、「第1~第3の絶縁層I1~I3」が積層され、「第1~第3の絶縁層I1~I3の上面に略平行に配設された第1~第3の平行配線群L1~L3中」の「接地配線G1~G3及び電源配線P1~P3」が、「第1~第3の絶縁層I1~I3」の各層に配設されたものであるといえる。
また、引用文献1の図1~3から見て取れる事項も考慮すると、引用発明の「接地配線G1~G3」及び「電源配線P1~P3」は、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが重なり合うセグメント(導体同士が交差する箇所)と、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが互いに重なり合わないセグメントとを、それぞれ複数含み、複数の前者のセグメントのうちのいずれか2つは、(絶縁層I1~I3のみが存在するセグメントによって)互いに分離されているといえる。
そして、引用発明における「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが重なり合う複数のセグメントと、本願発明1の「複数の重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメント」とは、「複数の重なり合う電源/グランド(PG)導体セグメント」である点で共通する。
また、引用発明における「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが互いに重なり合わない複数のセグメントと、本願発明1の「1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメント」とは、「複数の重なり合わないPG(no-PG)導体セグメント」である点で共通し、個数が「複数」であることは、「1つ又は複数」に含まれる。
以上の点について、上記(ア)を踏まえると、引用発明において、「第1~第3の絶縁層I1~I3」が積層され、「第1~第3の絶縁層I1~I3の上面に略平行に配設された第1~第3の平行配線群L1~L3中」の「接地配線G1~G3及び電源配線P1~P3」が、「第1~第3の絶縁層I1~I3」の各層に配設されていることと、本願発明1の
「前記配電ネットワークは、複数の重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメントと、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメントと、を含み、それぞれの重なり合うPGプレーンセグメントは、少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって、別の重なり合うPGプレーンセグメントから分離されて」いる
こととは、
「前記配電ネットワークは、複数の重なり合う電源/グランド(PG)導体セグメントと、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)導体セグメントと、を含み、それぞれの重なり合うPG導体セグメントは、別の重なり合うPG導体セグメントから分離されて」いる
ことであるという点で共通する。
なお、引用発明の「接地配線G1~G3」の各導体及び「電源配線P1~P3」の各導体は、いずれも「配線」であって、プレーンとして形成されたものではないことから、引用発明の上記の各セグメントは本願発明1の「複数の重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメント」等に相当するとはいえない。
(ウ)引用発明における、上記(イ)で述べた「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが互いに重なり合わない複数のセグメントのそれぞれは、「電源配線P1~P3」の導体のいずれか1つが単独で存在するセグメント、「接地配線G1~G3」の導体のいずれか1つが単独で存在するセグメント、「電源配線P1~P3」の各導体のいずれか2つが多層をなしているセグメント、又は「接地配線G1~G3」の各導体のいずれか2つが多層をなしているセグメント、の少なくとも1つである、との構成であるということができ、引用発明の当該構成と、本願発明1の「電源(P)プレーンセグメント、グランド(G)プレーンセグメント、多層電源(P)プレーンセグメント、又は多層グランド(G)プレーンセグメント、の少なくとも1つ」とは、「電源(P)導体セグメント、グランド(G)導体セグメント、多層電源(P)導体セグメント、又は多層グランド(G)導体セグメント、の少なくとも1つ」である点で共通する。
また、引用発明の上記構成において、「電源配線P1~P3」の各導体のいずれか2つが多層をなしているセグメントは、各導体の電位が接地電位ではないことから、上記(イ)で述べた「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが重なり合う全てのセグメントのうちのいずれのセグメントにおける導体のグランド基準も満たさず、同じく、「接地配線G1~G3」の各導体のいずれか2つが多層をなしているセグメントは、各導体の電位が電源の電位ではないことから、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが重なり合う全てのセグメントのうちのいずれのセグメントにおける導体の電源基準も満たさないといえる。
以上の点について、上記(イ)でさらに検討した点を踏まえると、引用発明において、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが互いに重なり合わない複数のセグメントのそれぞれは、「電源配線P1~P3」の導体のいずれか1つが単独で存在するセグメント、「接地配線G1~G3」の導体のいずれか1つが単独で存在するセグメント、「電源配線P1~P3」の各導体のいずれか2つが多層をなしているセグメント、又は「接地配線G1~G3」の各導体のいずれか2つが多層をなしているセグメント、の少なくとも1つであることと、本願発明1の
「前記1つ又は複数のno-PGプレーンセグメントのそれぞれは、電源(P)プレーンセグメント、グランド(G)プレーンセグメント、多層電源(P)プレーンセグメント、又は多層グランド(G)プレーンセグメント、の少なくとも1つであり、前記多層電源(P)プレーンセグメントは、何れのPGプレーンのグランド基準も有さず、前記多層グランド(G)プレーンセグメントは、何れのPGプレーンの電源基準も有さない」
こととは、
「複数のno-PG導体セグメントのそれぞれは、電源(P)導体セグメント、グランド(G)導体セグメント、多層電源(P)導体セグメント、又は多層グランド(G)導体セグメント、の少なくとも1つであり、前記多層電源(P)導体セグメントは、何れのPG導体のグランド基準も有さず、前記多層グランド(G)導体セグメントは、何れのPG導体の電源基準も有さない」
ことであるという点で共通する。
イ したがって、本願発明1と引用発明とは以下の点で一致する。
(一致点)
「複数の集積回路(IC)用の配電ネットワークを含む、配電のための装置であって、前記配電ネットワークは、複数の重なり合う電源/グランド(PG)導体セグメントと、1つ又は複数の重なり合わないPG(no-PG)導体セグメントと、を含み、それぞれの重なり合うPG導体セグメントは、別の重なり合うPG導体セグメントから分離されており、前記複数のno-PG導体セグメントのそれぞれは、電源(P)導体セグメント、グランド(G)導体セグメント、多層電源(P)導体セグメント、又は多層グランド(G)導体セグメント、の少なくとも1つであり、前記多層電源(P)導体セグメントは、何れのPG導体のグランド基準も有さず、前記多層グランド(G)導体セグメントは、何れのPG導体の電源基準も有さない、装置。」
ウ また、本願発明1と引用発明とは以下の点で相違する。
(相違点1)
「重なり合う電源/グランド(PG)導体セグメント」について、本願発明1では、「重なり合う電源/グランド(PG)プレーンセグメント」であるのに対して、引用発明は、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが重なり合うセグメントである点。
(相違点2)
「重なり合わないPG(no-PG)導体セグメント」について、本願発明1では、「重なり合わないPG(no-PG)プレーンセグメント」であるのに対して、引用発明は、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが互いに重なり合わないセグメントである点。
(相違点3)
本願発明1では、「重なり合う電源/グランド(PG)導体セグメント」同士の「分離」が、「少なくとも1つのno-PGプレーンセグメントによって」行われるのに対して、引用発明では、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが重なり合うセグメント同士の「分離」が、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが互いに重なり合わないセグメントによって行われるものではない点。
(相違点4)
「電源(P)導体セグメント」、「グランド(G)導体セグメント」、「多層電源(P)導体セグメント」、「多層グランド(G)導体セグメント」について、本願発明1では、それぞれ、「電源(P)プレーンセグメント」、「グランド(G)プレーンセグメント」、「多層電源(P)プレーンセグメント」、「多層グランド(G)プレーンセグメント」であるのに対して、引用発明では、「電源配線P1~P3」の導体のいずれか1つが単独で存在するセグメント、「接地配線G1~G3」の導体のいずれか1つが単独で存在するセグメント、「電源配線P1~P3」の各導体のいずれか2つが多層をなしているセグメント、「接地配線G1~G3」の各導体のいずれか2つが多層をなしているセグメントである点。
(相違点5)
「グランド基準」及び「電源基準」について、本願発明1では、それぞれ「PGプレーン」の基準(電位)であるのに対して、引用発明では、それぞれ、「接地配線G1~G3」のいずれかの導体と「電源配線P1~P3」のいずれかの導体とが重なり合うセグメントの基準である点。
(2)判断
まず、相違点1について検討する。
引用文献1には、引用発明の「電源配線P1~P3」及び「接地配線G1~G3」の各導体をプレーンとして形成し得ることについて示唆する記載はなく、自明であるともいえない。
そうすると、重なり合う電源/グランド(PG)プレーンそれ自体は周知技術である(例えば、引用文献3は当該周知技術を示すものといえる。)としても、当該周知技術を引用発明の「電源配線P1~P3」及び「接地配線G1~G3」に適用する動機付けがあるとはいえない。
よって、相違点1は実質的な相違点であり、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても引用文献1~6に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2~8について
本願発明2~8は、本願発明1を減縮した発明であり、相違点1に係る構成を含むことから、本願発明1と同様に、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても引用文献1~6に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 小括
したがって、原査定を維持することはできない。
第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2022-019314