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特許拒絶査定不服審判

2022-018843

撮像素子および撮像装置

審判番号
2022-018843
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-082097外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年11月24日
審決日
2023年10月16日
公報発行日
2024年01月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2020- 82097「撮像素子および撮像装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月30日出願公開、特開2020-115696〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成25年3月13日に出願した特願2013-50605号の一部を平成29年7月19日に新たに特許出願したもの(特願2017-140011号)について、さらにその一部を令和2年5月7日に新たに特許出願したもの(特願2020-82097号)であって、その手続の経緯は次のとおりである。

令和3年 6月 3日 :手続補正書の提出
7月20日付け:拒絶理由通知書
11月24日 :意見書、手続補正書の提出
12月21日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和4年 4月28日 :意見書、手続補正書の提出
8月18日付け:補正の却下の決定、拒絶査定
11月24日 :審判請求書の提出
令和5年 3月22日付け:拒絶理由通知書(当審)
5月29日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原審における補正の却下の決定について

審判請求人は、審判請求書において、令和4年4月28日にされた手続補正についてなされた同年8月18日付けの補正の却下の決定について、不服申立てを行っている。

令和5年3月22日付け拒絶理由通知書において見解を示したとおり、当該補正の却下の決定を取り消す。

第3 本願発明

本願の請求項に係る発明は、令和5年5月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1~55に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

〔本願発明〕

積層された複数の半導体基板を備える撮像素子であって、

前記複数の半導体基板のうちの1つの半導体基板であって、光電変換された電荷に基づく画素信号を出力する複数の画素をそれぞれ含む複数の単位ブロックを有する第1半導体基板と、

前記複数の半導体基板のうちの1つの半導体基板であって、前記複数の単位ブロックのうち第1単位ブロックに含まれる前記複数の画素からの前記画素信号をデジタル信号に変換する複数の第1変換回路を含む第1周辺回路と、前記複数の単位ブロックのうち、前記第1単位ブロックの隣に並ぶ第2単位ブロックに含まれる前記複数の画素からの前記画素信号をデジタル信号に変換する複数の第2変換回路を含む第2周辺回路とを有する第2半導体基板とを備え、

前記第1単位ブロックと前記第1周辺回路とは、前記複数の半導体基板が積層される積層方向において重なるように配置され、

前記第2単位ブロックと前記第2周辺回路とは、前記積層方向において重なるように配置され、

前記複数の第1変換回路の数は、前記第1単位ブロックに含まれる前記複数の画素の数よりも少なく、

前記複数の第2変換回路の数は、前記第2単位ブロックに含まれる前記複数の画素の数よりも少ない、撮像素子。

第4 令和5年3月22日付け拒絶理由通知書における拒絶の理由

令和5年3月22日付け拒絶理由通知書における拒絶の理由のうち本願発明に係るものは、

本願発明はその出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び周知技術(引用文献2~3)に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、

というものである。

引用文献1:特開2012-60334号公報
引用文献2:国際公開第2006/129762号
引用文献3:特開2008-235478号公報

第5 引用文献

1 引用文献1

(1)記載事項

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上記引用文献1には次の記載がある。なお、以降の下線は説明のために当審で付したものである。

「【0059】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置は、AD変換部により変換されたNビットのデジタルデータを、対応する列のデータ保持部に保持させるデータ取り込み動作と、複数のデータ保持部を直列に接続する水平シフト動作と、複数のデータ保持部の各々に含まれるN個のフリップフロップを直列に接続する垂直シフト動作とを行う。
【0060】
続きを表示(全43行)
これにより、第1の実施形態に係る固体撮像装置は、カラム処理部外に回路を追加することなく、AD変換部により変換されたデジタルデータを増幅できるとともに、データ保持部の不良箇所を容易かつ短時間で特定できる。
【0061】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置50の概略構成図である。
【0062】
図1に示す撮像装置50は、固体撮像装置100と、外部システムであるDSP(Digital Signal Processor)101とを備える。固体撮像装置100は、画素アレイ部(撮像部)110と、画素アレイ部110の外側に設けられた駆動制御部120とを備える。
【0063】
画素アレイ部110は、入射光を画素信号に変換する。この画素アレイ部110は、行列状に配列された複数の単位画素111と、行毎に一つ設けられた複数の行制御線112と、列毎に一つ設けられた複数の垂直信号線113とを備える。各単位画素111は、対応する行に設けられた行制御線112の信号に応じて、入射光を画素信号に変換し、変換した画素信号を対応する列に設けられた垂直信号線113へ出力する。
【0064】
なお、簡単のため図1では、画素アレイ部110に3行×6列の単位画素111が配置される例を示しているが、画素アレイ部110に配置される単位画素111の数(行数及び列数)は、これ以外であってもよい。
【0065】
駆動制御部120は、画素アレイ部110を駆動する。この駆動制御部120は、水平走査部121と、垂直走査部122と、カラム処理部123と、複数の出力ドライバ124と、出力回路125と、通信タイミング制御部126と、水平信号線127とを備えている。
【0066】
水平走査部121は、列アドレス及び列走査回路を制御する。
【0067】
垂直走査部122は、行アドレス及び行走査回路を制御する。
【0068】
通信タイミング制御部126は、DSP101からマスタークロックCLK0を受け取り、種々の内部クロックを生成する。また、通信タイミング制御部126は、水平走査部121、垂直走査部122、及びカラム処理部123を制御する。また、通信タイミング制御部126は、DSP101からデータ信号DATAを受け取る。
【0069】
カラム処理部123は、画素アレイ部110から出力される画素信号151をNビットのデジタルデータ152に変換する。
【0070】
また、カラム処理部123は、予め定められた単位列毎に設けられた複数のカラムブロック130を含む。なお、図1では、簡単のため、単位列が3列であり、カラム処理部123が2個のカラムブロック130を備える例を示しているが、単位列、及びカラムブロック130の数は、これ以外であってもよい。
【0071】
カラムブロック130は、対応する単位列の画素信号151をNビットのデジタルデータ152に変換する。また、カラムブロック130は、単位列分のデジタルデータ152をシリアルに出力する。
【0072】
出力ドライバ124は、カラムブロック130毎に設けられている。この出力ドライバ124は、対応するカラムブロック130から出力されるデジタルデータ152を水平信号線127へ出力する。また、通信タイミング制御部126により生成されるブロック選択信号150に応じて、複数の出力ドライバ124のうち、一つの出力ドライバ124のみがデジタルデータ152を水平信号線127へ出力する。例えば、h番目のカラムブロック130のデータを水平信号線127に出力する場合には、通信タイミング制御部126は、ブロック選択信号150の値を「h」に設定する。
【0073】
出力回路125は、出力ドライバ124により水平信号線127に出力されたデジタルデータ152を映像データ153として外部へ出力する。
【0074】
図2は、カラムブロック130の構成を示す図である。
【0075】
図2に示すように、カラムブロック130は、列毎に設けられたカラムAD(カラムアナログ/デジタルコンバーター)回路131a及び131bを有する。カラムAD回路131aは、カラムブロック130に含まれるカラムAD回路のうち、末端の列(1列目)のカラムAD回路であり、カラムAD回路131bは2列目以降のカラムAD回路である。
【0076】
カラムAD回路131aは、AD変換部140と、データ保持部141と、データ切替部142aとを備える。カラムAD回路131bは、AD変換部140と、データ保持部141と、データ切替部142bとを備える。
【0077】
AD変換部140は、対応する列に配置された複数の単位画素111により変換された画素信号151をNビットのデジタルデータ154に変換する。
【0078】
データ保持部141は、AD変換部140によって変換されたNビットのデジタルデータ154を保持する。
【0079】
データ切替部142a及び142bは、データ保持部141へ供給するデータを切り替える。」
「【図1】
[図:0001405509000001.jpg]
」
「【図2】
[図:0001405509000002.jpg]
」

(2)引用発明

上記(1)から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

なお、各構成の末尾の括弧内に対応する記載箇所を示した。

〔引用発明〕

画素アレイ部(撮像部)と、画素アレイ部の外側に設けられた駆動制御部とを備え、(【0062】)

前記画素アレイ部は、行列状に配列された複数の単位画素と、行毎に一つ設けられた複数の行制御線と、列毎に一つ設けられた複数の垂直信号線とを備え、各単位画素は、対応する行に設けられた行制御線の信号に応じて、入射光を画素信号に変換し、変換した画素信号を対応する列に設けられた垂直信号線へ出力するものであり、(【0063】)

前記駆動制御部は、水平走査部と、垂直走査部と、カラム処理部と、複数の出力ドライバと、出力回路と、通信タイミング制御部と、水平信号線とを備え、(【0065】)

前記カラム処理部は、予め定められた単位列毎に設けられた複数のカラムブロックを含み、(【0070】)

前記カラムブロックは、列毎に設けられたカラムAD(カラムアナログ/デジタルコンバーター)回路を有し、(【0075】)

前記カラムAD回路は、AD変換部と、データ保持部と、データ切替部とを備え、(【0076】)

前記AD変換部は、対応する列に配置された複数の単位画素により変換された画素信号をNビットのデジタルデータに変換するものである(【0077】)

固体撮像装置。(【0062】)

2 引用文献2

(1)記載事項

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上記引用文献2には次の記載がある。

「[0013]本発明は、画素の開口率が向上すると共に、チップ使用効率の向上を図り、しかも全画素の同時シャッタを可能にしたCMOS型の半導体イメージセンサ・モジュール及びその製造方法を提供するものである。
[0014]本発明に係る半導体イメージセンサ・モジュールは、複数の画素が規則的に配列され、各画素が光電変換素子とトランジスタで構成されたイメージセンサを備えた第1の半導体チップと、複数のアナログ/デジタル変換器からなるアナログ/デジタル変換器アレイを備えた第2の半導体チップとが積層されて成ることを特徴とする。」

「[0038]図3は、上記の複数ピクセルからなる1つのピクセルアレイブロックと、1つのアナ口グ/デジタル変換器と、ピクセルアレイブロックのピクセル数に対応してデータを格納する複数のメモリ素子からなる1つのメモリ素子サブアレイ(すなわちメモリアレイブロック)との関係を、模式的な斜視図で示す。イメージセンサの第1の半導体チップ52と、アナログ/デジタル変換器アレイの第2の半導体チップ53と、メモリ素子アレイの第3の半導体チップ54とが積層され、複数のピクセル(画素)からなる1つのピクセルアレイブロック86に対して1つのアナログ/デジタル変換器87が対応し、この1つのアナログ/デジタル変換器87に対してピクセルアレイブロック86の情報が記憶できる複数のメモリ素子からなる1つのメモリ素子サブアレイ(メモリアレイブロック)88が対応するように相互に接続される。」

「【図3】
[図:0001405509000003.jpg]
」

3 引用文献3

(1)記載事項

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上記引用文献3には次の記載がある。

「【0039】
《第6実施形態》
第6実施形態は、複数の受光画素を貫通配線に共通接続する実施形態である。
図10[A]は、撮像素子10fの構成部品である第1チップ11fの上面図(4画素分)である。
続きを表示(全20行)
図10[B]は、撮像素子10fの構成部品である第2チップ12fの上面図(4画素分)である。
図11は、撮像素子10fの4画素分の等価回路図である。
以下、これらの図を参照して、撮像素子10fの構成を説明する。
【0040】
第1チップ11fの受光画素1fは、複数画素(ここでは横2画素×縦2画素)ごとに区画が設定される。この区画内には、4つの受光素子PD1~PD4が設けられる。これらの受光素子PD1~PD4には、転送トランジスタQT1~QT4がそれぞれ設けられる。転送トランジスタQT1~QT4のドレインは、共通配線71を介して貫通配線20に共通接続される。この貫通配線20は、スルーホールを介して反対面まで貫通する。この反対面の貫通箇所には、マイクロパッド13が設けられる。
【0041】
一方、第2チップ12fには、貫通配線20に各対応して、読み出し回路30fが形成される。この読み出し回路30fのマイクロパッド14は、マイクロバンプによって、第1チップ11fのマイクロパッド13と電気的に接合される。この読み出し回路30fは、第2実施形態の読み出し回路30aと同様の回路構成を有する。その他、読み出し回路30fには、画素メモリ部や、AD変換回路などを設けてもよい。
このような構成では、転送トランジスタQT1~QT4を、制御信号φTx1~φTx4を用いて順次に導通させることにより、受光素子PD1~PD4の信号電荷を時分割に読み出し回路30fに与えることができる。読み出し回路30fは、これらの信号電荷を時分割に取り込み、画像信号として順次に出力する。
【0042】
第6実施形態では、複数画素の区画ごとに一つの読み出し回路30fを備える。そのため、読み出し回路30fの設置数を、全画素数の数分の1まで減らすことが可能になる。
【0043】
特に、第6実施形態では、横2画素×縦2画素を区画とするため、ベイヤ配列の最小色配列を一つの読み出し回路30fで処理することができる。したがって、読み出し回路30f内に、近接する信号間の処理回路(色差変換回路、画素数変換回路など)を実装することも可能になる。
【0044】
なお、第6実施形態では、区画のレイアウトを柔軟に設計することができる。例えば、列単位の受光画素1fを区画とし、列単位に読み出し回路30fを設けることも可能である。この場合、読み出し回路30f内にAD変換回路を設けることにより、列単位にAD変換を実施することが可能になる。
【0045】
なお、第6実施形態では、転送トランジスタQTの出力を貫通配線20に共通接続している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第3実施形態~第5実施形態の素子構造において、複数の受光画素を1区画として、貫通配線20に共通接続してもよい。この場合、区画内の転送トランジスタQTを順次に導通させることにより、読み出し回路は、区画内の受光画素の電気信号を時分割に取り込むことが可能になる。」
「【図10】
[図:0001405509000004.jpg]
」

第6 対比

本願発明と引用発明を対比する。

引用発明の「固体撮像装置」は、引用文献1の【0003】の従来例や図1の記載を参酌すると、半導体基板で構成したものと認められるから、本願発明の「半導体基板を備える撮像素子」に相当する。

引用発明の固体撮像装置が備える画素アレイ部(撮像部)における各「単位画素」は、入射光を画素信号に変換し、変換した画素信号を対応する列に設けられた垂直信号線へ出力するものであるから、本願発明の「光電変換された電荷に基づく画素信号を出力する」「画素」に相当する。

そして、引用発明の前記画素アレイ部における行列状に配列された複数の単位画素のうち、予め定められた単位列毎に設けられた複数のカラムブロックの各カラムブロックに対応する単位列に位置する「単位画素」群は、本願発明の「光電変換された電荷に基づく画素信号を出力する複数の画素をそれぞれ含む複数の単位ブロック」の各「単位ブロック」に相当するものといえる。

よって、引用発明の前記画素アレイ部は、本願発明の「光電変換された電荷に基づく画素信号を出力する複数の画素をそれぞれ含む複数の単位ブロック」に相当する構成を有するものである。

引用発明における、上記複数のカラムブロックの各カラムブロックに対応する単位列に位置する「単位画素」群(単位ブロック)のうち、隣接関係にある2つのものは、本願発明の「前記複数の単位ブロックのうち第1単位ブロック」及び「前記複数の単位ブロックのうち、前記第1単位ブロックの隣に並ぶ第2単位ブロック」に相当する。

引用発明の上記隣接関係にある2つの「単位画素」群(第1単位ブロック、第2単位ブロック)の各々に対応して備わる各カラムブロックは、列毎に設けられた(すなわち複数の)カラムAD回路を有し、前記カラムAD回路は、対応する列に配置された複数の単位画素により変換された画素信号をデジタルデータに変換するAD変換部を備えるものであるから、引用発明の上記各カラムブロックにおけるカラムAD回路は、本願発明の「前記複数の単位ブロックのうち第1単位ブロックに含まれる前記複数の画素からの前記画素信号をデジタル信号に変換する複数の第1変換回路」及び「前記複数の単位ブロックのうち、前記第1単位ブロックの隣に並ぶ第2単位ブロックに含まれる前記複数の画素からの前記画素信号をデジタル信号に変換する複数の第2変換回路」に相当する。

そして、引用発明の上記各カラムブロックは、本願発明の「前記複数の単位ブロックのうち第1単位ブロックに含まれる前記複数の画素からの前記画素信号をデジタル信号に変換する複数の第1変換回路を含む第1周辺回路」及び「前記複数の単位ブロックのうち、前記第1単位ブロックの隣に並ぶ第2単位ブロックに含まれる前記複数の画素からの前記画素信号をデジタル信号に変換する複数の第2変換回路を含む第2周辺回路」に相当する。

引用発明の前記列毎に設けられたカラムAD回路(複数の第1変換回路、複数の第2変換回路)は、列毎に(1つ)設けられるから、「前記複数の第1変換回路の数は、前記第1単位ブロックに含まれる前記複数の画素の数よりも少なく、前記複数の第2変換回路の数は、前記第2単位ブロックに含まれる前記複数の画素の数よりも少ない」ものといえる。

以上から、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。

〔一致点〕

半導体基板を備える撮像素子であって、

光電変換された電荷に基づく画素信号を出力する複数の画素をそれぞれ含む複数の単位ブロックを有し、

前記複数の単位ブロックのうち第1単位ブロックに含まれる前記複数の画素からの前記画素信号をデジタル信号に変換する複数の第1変換回路を含む第1周辺回路と、前記複数の単位ブロックのうち、前記第1単位ブロックの隣に並ぶ第2単位ブロックに含まれる前記複数の画素からの前記画素信号をデジタル信号に変換する複数の第2変換回路を含む第2周辺回路とを有し、

前記複数の第1変換回路の数は、前記第1単位ブロックに含まれる前記複数の画素の数よりも少なく、

前記複数の第2変換回路の数は、前記第2単位ブロックに含まれる前記複数の画素の数よりも少ない、撮像素子。」

〔相違点〕

本願発明は、上記半導体基板を備える撮像素子が、「積層された複数の」ものであり、上記複数の単位ブロック及び第1、第2周辺回路が、それぞれ第1半導体基板及び第2半導体基板に有するものであり、上記単位ブロック及び周辺回路が、「前記第1単位ブロックと前記第1周辺回路とは、前記複数の半導体基板が積層される積層方向において重なるように配置され、前記第2単位ブロックと前記第2周辺回路とは、前記積層方向において重なるように配置され」るものであるのに対し、引用発明では当該構成が特定されていない点。

第7 相違点についての判断

上記相違点について検討する。

固体撮像装置の技術分野において、画素の開口率や、チップの使用効率、レイアウト設計の柔軟性を向上させるという技術課題、及び、当該技術課題を解決するために、接続される画素部とAD変換回路等の周辺回路部とを各半導体基板に互いに重なるように配置する積層構造を採ることは、上記引用文献2や引用文献3にも記載されているように周知の技術課題及び解決手段である。

そうすると、引用発明の固体撮像装置において、上記周知の技術課題に基づいて、接続される画素部とAD変換回路等の周辺回路部とを各半導体基板に互いに重なるように配置する積層構造を採ること、すなわち、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。

なお、審判請求人は、令和5年5月29日付け意見書において、

「引用文献1の発明と引用文献2の発明を組み合わせることは、引用文献1の発明と引用文献2の発明とのいずれかがその目的に反するものになっている。よって、引用文献2を引用文献1に適用することには阻害要因があるといえる。」、

「引用文献2を引用文献1に適用する動機付けがあるとはいえない。」、

「引用文献1の発明と引用文献3の発明を組み合わせることは、引用文献1の発明と引用文献3の発明とのいずれかがその目的に反するものになっている。よって、引用文献3を引用文献1に適用することには阻害要因があるといえる。」、

「引用文献3を引用文献1に適用する動機付けがあるとはいえない。」

などと主張している。

しかしながら、上記周知の技術課題は、固体撮像装置の設計、製造等に携わる当業者において、固体撮像装置の機能を向上させるにあたり通常考慮されるものであり、引用発明において考慮できない特別の事情は見あたらないから、審判請求人の上記主張はいずれも採用することができない。

したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第8 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-018843

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