商標拒絶査定不服審判
2022-018616
アトム
- 審判番号
- 2022-018616
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-009065
- 請求日
- 2022年11月18日
- 審決日
- 2024年06月07日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アトムテック株式会社
- 【請求人代理人】Authense弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .261-Z (W09) / T18 .262-Z (W09) / T18 .263-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-9065拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類、第11類、第38類及び第42類に属する願書に記載されたとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和4年1月27日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年7月6日付けで拒絶理由の通知がされ、同月29日に意見書が提出されたが、同年10月11日付けで拒絶査定がされたもので、これに対して、同年11月18日に拒絶査定不服審判の請求がされ、同日に手続補正書が提出された。
そして、本願の指定商品及び指定役務については、当審における上記手続補正書により、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,スマートカメラ,ビデオカメラ,動作感知センサー」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1799340号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:アトム
登録出願日:昭和48年5月9日
設定登録日:昭和60年8月29日
書換登録日:平成17年11月2日
最新更新登録日:平成27年9月8日
指定商品:第9類「電子応用機械器具及びその部品」を含む第7類ないし第12類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(2)登録第3111439号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成4年9月29日
設定登録日:平成7年12月26日
最新更新登録日:平成27年12月8日
指定役務:第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
(3)登録第3111440号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成4年9月29日
設定登録日:平成7年12月26日
最新更新登録日:平成27年12月8日
指定役務:第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
(4)登録第4065356号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:ATOM
登録出願日:平成7年7月28日
設定登録日:平成9年10月3日
最新更新登録日:平成29年9月26日
指定役務:第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
(5)登録第4763747号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:ATOM(標準文字)
登録出願日:平成15年2月10日
設定登録日:平成16年4月16日
最新更新登録日:令和6年2月21日
指定役務:第38類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
(6)登録第6180429号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成30年11月9日
設定登録日:令和元年9月13日
指定商品及び指定役務:第9類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル及び映像ファイル,録画済みCD-ROM・DVD・ビデオディスク及びビデオテープ」及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
(7)登録第6544007号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
登録出願日:令和元年9月13日
設定登録日:令和4年4月13日
指定商品:第9類「遠隔制御用無線送信機,遠隔制御用無線受信機,遠隔制御用無線送信機・遠隔制御用無線受信機の部品及び附属品,遠隔制御用無線中継器,遠隔制御用無線通信機,遠隔制御装置,無線通信機械器具,アンテナ,電気通信機械器具,ケーブル」
以下、引用商標1ないし引用商標7をまとめていうときは「引用商標」という。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標と引用商標とは、両者は「アトム」の称呼及び「原子」の観念を共通にし、外観において、本願商標と引用商標1及び引用商標3とは、外観(要部)が欧文字と片仮名とで文字種が異なるとしても、同一の語について欧文字と片仮名を併用して表記することが商取引において一般に行われていることから、両者が外観上別異のものとして格別強い印象を与えるとまではいえず、また、本願商標と引用商標2及び引用商標4ないし引用商標7とは、外観において、「ATOM」の欧文字を有するという点で一定の類似性を有するから、本願商標と引用商標とは互いに類似する商標である。そして、本願商標は、引用商標に係る指定商品及び指定役務又はこれらに類似する商品及び役務について使用をするものであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本願商標と、引用商標2ないし引用商標5との類否について
本願の指定商品及び指定役務は、上記1のとおりに補正された結果、引用商標2ないし引用商標5に係る指定役務と同一又は類似する指定役務は全て削除されたと認められる。
その結果、本願の指定商品は、引用商標2ないし引用商標5に係る指定役務と類似しない商品になった。
したがって、引用商標2ないし引用商標5との関係において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
イ 本願商標と、引用商標1、引用商標6及び引用商標7との類否について
(ア)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、赤色で表された三角形状の図形(以下「本願図形」という。)を上段に配し、同じく赤色で表された「ATOM」の欧文字(「A」の欧文字はデザイン化されている。以下「本願文字」という。)を下段に配した構成よりなるものである。
そして、本願商標の構成中、本願図形と本願文字とは、同じ赤色で表されているものの、重なり合うことなく、上下に表されており、また、図形と文字という構成要素を異にするものであるから、両者は、視覚上分離して観察されるものである。
また、本願図形は特定の意味合い又は事物を表すものとして認識されないものであるのに対し、本願文字は、「原子」を意味する英単語(「ジーニアス英和辞典 第五版」大修館書店)であるから、両者に観念上のつながりはなく、他に本願図形と本願文字とを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情は見いだせないものである。
そうすると、本願商標は、その構成中、本願図形と本願文字とがこれらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないものである。
してみると、本願商標は、その構成中の「ATOM」の文字のみを分離抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、「ATOM」の文字に相応して「アトム」の称呼を生じ、「原子」の観念を生じるものである。
(イ)引用商標1、引用商標6及び引用商標7について
a 引用商標1について
引用商標1は、上記2(1)のとおり、「アトム」の片仮名よりなるところ、当該文字(語)は、「原子」の意味(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を有する語であるから、その構成文字に相応して、「アトム」の称呼を生じ、「原子」の観念を生じるものである。
b 引用商標6について
引用商標6は、別掲4のとおり、黒い太線の縁取り白抜き文字で「A」と「M」の欧文字を横書きし、「A」の文字の右下隅に重なるように「T」の白抜き文字を小さく表し、「M」の文字の左下隅に重なるように「O」の白抜き文字を小さく表し、さらに「M」の白抜き部分に、黒地の角丸の細長長方形内に白抜きで、星を両端に付した「アトム」の片仮名を表した構成よりなるところ、その構成中の欧文字は、文字の大小の差異はあるものの、左から順に「A」、「T」、「O」及び「M」の文字を配置されたものと理解されることから、「ATOM」の欧文字をデザインしたものと容易に認識されるもので、上記(ア)及び(イ)aと同様に、構成中の「ATOM」及び「アトム」の文字は「原子」の意味を有することから、その構成文字に相応して、「アトム」の称呼を生じ、「原子」の観念を生じるものである。
c 引用商標7について
引用商標7は、別掲5のとおり、デザイン化された太文字の「ATOm」の欧文字よりなるところ、当該文字は、上記(ア)と同様に、「ATOm」の文字が「原子」の意味を有する語であるから、その構成文字に相応して、「アトム」の称呼を生じ、「原子」の観念を生じるものである。
(ウ)本願商標と引用商標1、引用商標6及び引用商標7との類否について
a 本願商標と引用商標1との類否について
本願商標の構成中の本願文字と引用商標1とは、欧文字と片仮名という文字種の相違から、外観においては相違するものの、両者はいずれも「アトム」の称呼及び「原子」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。
そして、商標の使用においては、その構成文字を同一の称呼及び観念を生じる範囲内で欧文字と片仮名とを相互に変換して表記することが一般的に行われていることからすると、欧文字か片仮名かの違いは、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえないものである。
そうすると、本願商標と引用商標1との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、たとえ外観において相違するとしても、その相違は顕著なものとして強い印象を与えるものではないことを踏まえれば、称呼及び観念を共通にする両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似する商標と判断するのが相当である。
b 本願商標と引用商標6及び引用商標7との類否について
本願商標の構成中の本願文字と引用商標6及び引用商標7とは、デザイン化の態様は異なるものの、いずれも「ATOM」の欧文字よりなる又は有するものであるから、外観において近似した印象を与えるものである。
また、いずれの商標も「アトム」の称呼及び「原子」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標6及び引用商標7とは、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を共通にするものであるから、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛らわしい類似する商標と判断するのが相当である。
(エ)本願の指定商品と引用商標1、引用商標6及び引用商標7の指定商品との類否について
本願の指定商品中の「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム,スマートカメラ」と引用商標1の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似する商品であり、本願の指定商品中の「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」は、引用商標6の指定商品中の「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル及び映像ファイル,録画済みCD-ROM・DVD・ビデオディスク及びビデオテープ」と同一又は類似する商品であり、本願の指定商品中の「電気通信機械器具,スマートカメラ,ビデオカメラ」は、引用商標7の指定商品中の「遠隔制御用無線送信機,遠隔制御用無線受信機,遠隔制御用無線送信機・遠隔制御用無線受信機の部品及び附属品,遠隔制御用無線中継器,遠隔制御用無線通信機,遠隔制御装置,無線通信機械器具,アンテナ,電気通信機械器具」と同一又は類似する商品である。
ウ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標1、引用商標6及び引用商標7と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標1、引用商標6及び引用商標7の指定商品と同一又は類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標と引用商標1、引用商標6及び引用商標7とは、その全体の外観が大きく異なる旨、また、「ATOM」や「アトム」の語は、「原子」を想起させるものであり、原子力を利用した機械器具や、原子を制御・操作する機械器具が存在することから、指定商品との関連では識別力が弱く、これから生じる観念に重点を置いて判断されるべきではない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品は上記1のとおりであり、「ガイガー計数器,サイクロトロン,産業用X線機械器具,産業用ベータートロン」などが明示的に除外されていることからしても、原子力を利用した機械器具や原子を制御・操作する機械器具ではないことが明らかである。
また、本願の指定商品と同一又は類似する引用商標1、引用商標6及び引用商標7の指定商品についても、上記(1)イ(エ)のとおり、原子力を利用した機械器具や原子を制御・操作する機械器具ではないものも多く含まれているものである。
そうすると、本願商標と引用商標1、引用商標6及び引用商標7との類否判断において、これらの商標の構成中「ATOM」又は「アトム」の文字部分が指定商品との関係から自他商品の識別力が弱いとはいえず、当該文字から生じる「アトム」の称呼及び「原子」の観念は、当該類否判断における重要な要素というべきである。
そして、上記(1)イ(ウ)のとおり、本願商標と引用商標1とは、外観において相違するとしても、その相違は顕著なものとして強い印象を与えるものではなく、本願商標と引用商標6及び引用商標7とは、外観において近似した印象を与えるものである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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