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商標取消審判

2020-300759

アトム

審判番号
2020-300759
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1973-073156
登録番号
1799340
請求日
2020年10月23日
審決日
2022年01月20日
公報発行日
2022年10月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】アトム電機工業 株式会社
  • 【請求人代理人】松村 直都
  • 【被請求人】アトムリビンテック 株式会社
  • 【被請求人代理人】吉田 芳春
審判長/審判官
  • 審判長 齋藤 貴博
  • 審判官 岩崎 安子
  • 審判官 相崎 裕恒
分類
T132 .1 -Z (Y09) / T132 .11 -Z (Y09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第1799340号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第1799340号商標の指定商品中、第9類「電線及びケーブル,電気通信機械器具」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第1799340号商標(以下「本件商標」という。)は、「アトム」の片仮名を横書きしてなり、昭和48年5月9日に登録出願され、第11類「電気機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同60年8月29日に設定登録され、平成8年2月28日及び同17年4月19日に存続期間の更新登録がなされ、同17年11月2日に指定商品を第9類「電線及びケーブル,電気通信機械器具」を含む、第7類、第8類、第9類、第10類、第11類、第12類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、同27年9月8日に存続期間の更新登録がなされて、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年11月13日であり、その請求の登録前3年以内の平成29年11月13日から令和2年11月12日までの期間を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、第9類「電線及びケーブル,電気通信機械器具」(以下「請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)乙第1号証ないし乙第8号証に示された使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一のものとはいえない。また、これらの証拠によっては、当該商標を「電線及びケーブル」について使用している事実は認められない。 (2)乙第1号証には、各ショールームにおいて「電線及びケーブル」を用いた製品に関する本件商標を付した広告・取引書類の展示・頒布や当該製品の販売等が行われている事実は一切示されていない。 (3)被請求人は、乙第1号証のカタログの表紙の中央部の横書き上下4段の表示のうち最上段の「ATOM」の文字部分が本件商標の使用に係る商標であると主張していると考えられるところ、最下段の「2019-2021」は自他商品識別機能を有しない部分であり、残り3段の「ATOM」「DATA」「LINE」は、同書同大でまとまりよく一体的に表示されており、「アトムデータライン」なる称呼は格別冗長でなく一連に称呼し得るものであるから、「ATOM」の文字部分のみが分離独立して需要者に把握認識され、同部分より「アトム」の称呼及び「原子」の観念が生じることはない。 カタログ表紙下部の横書き上下3段の表示についても、中段及び下段の「ATOM」「LIVINTECH」の文字部分が上段の「住まいの飾り職人」から分離独立して需要者に把握認識され、同部分により「アトムリビンテック」の称呼及び被請求人の商号の要部を観念させることはあり得るが、「ATOM」のみがさらに分離独立して需要者に把握認識される格別の事情は存在しないと考えられる。 (4)乙第1号証の「サブコード」、「センサー用メインコード」、「スイッチ用メインコード」は「linear Engine MM30」(以下「MM30」という。)のオプション製品である「スポットセンサー」、「タッチスイッチ」の附属品であって、独立して取引の対象とされる商品としての「電線及びケーブル」に該当するものとはいえない。 (5)乙3号証は、奥付の記載から、要証期間内に発行されたものでなく、発行時の内容を変更することなく要証期間内に展示・頒布されたかどうかは判然としない。 また、表紙中央部の横書き2段の表示は、乙第1号証と同様に、「ATOM」を使用しているものといえない。 乙第3号証の「プラグ」、「ジャック」は「LEDライト」の分離不能な部品であり、「ACアダプター」のコードも「ACアダプター」の分離不能な部品にすぎない。「コードクリップ」は、LEDライトを壁面に設置する照明器具「CASARL WALLSTYLE」(以下「CASARL」という。)に附属しているコードに使用されるものでない。乙第3号証のカタログには、本件商標が「電線及びケーブル」に使用されている事実は見当たらない。 (6)出荷案内書兼受領書(乙6)においても「電線及びケーブル」が独立した商品として取引の対象とされている事実は発見できないし、これらの取引書類には、本件商標と社会通念上同一の商標は表示されていない。 (7)乙第2号証及び乙第4号証は、本件審判請求登録後である2021年2月18日付で「アトムダイレクトショップ」のウェブサイトをプリントアウトしたものであると思われる。「アトムダイレクトショップ」の表示は、オンラインショッピングサイトの名称を表したものであって小売業務について使用される商標として機能するものであり、MM30及びCASARLについては、独立した商品としての「電線及びケーブル」に使用されているとはいえない。 第3 被請求人の主張 1 答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証を提出している。 (1)被請求人は、東京に本社を置くほかに、ショールームを東京と大阪に開設している。各ショールームでは展示・即売を行っており、その他に、営業所を北海道、群馬、広島に設け、全国的に製品を販売しており、カタログや公式通販サイトによる閲覧・アクセスの他に、実際に製品を手にする機会を需要者に広く提供することで展示・即売を行っている。 (2)被請求人の取扱う製品は多岐にわたり、そのうち、「引戸金具」、「吊金具」等の製品には電気制御の必要性が増加しており、「引戸金具」、「吊金具」の動作制御を行うために「電線」、「電気用ケーブル」が必要となっている。被請求人は、住宅屋内用の自動ドアシステム金具を開発し「MM30」の商品名で提供している。このMM30は、レール内にモータ・コントローラなどの機能部品を全て内蔵させた商品として提供しているので、内蔵に伴って従来の上吊式引戸とほぼ同じ要領で施工を行うことができる利点が得られている。 (3)被請求人は、東京と大阪にショールームを設け、北海道の営業所にはミニショールームを併設し、1985年以降、東京と大阪のショールームで展示会を開催しており、2008年からは春と秋の2回の展示会を開催しており、第9類「電線及びケーブル」を用いた製品につき、本件商標を日本国内で自社の商品に関する広告・取引書類等に付して展示・頒布等し、また、各ショールームや公式通販サイトにおいて本件商標を付した製品を販売等している。 (4)カタログ(乙1、乙3)表題の「ATOM」から自然に生じる称呼は「アトム」であり、本件商標はカタカナ表記で「アトム」であるので、カタログ表題の「ATOM」と本件商標「アトム」とは称呼が同一であり、社会通念上同一の商標である。 (5)MM30は、被請求人の2019年~2021年度のカタログ(乙1)に掲載され、本体及び各種部品から構成されており、カタログには、「レール内にモータ・コントローラなどの機能部品が全て内蔵されています」と記載してあり、上記の「機能部品」として保守部品「サブコード」等が含まれている。MM30のオプション製品である「スポットセンサー」及び「タッチスイッチ」には、「センサー用メインコード」と「スイッチ用メインコード」が含まれる旨が記載してある。MM30を構成する「サブコード」、「センサー用メインコード」、「スイッチ用メインコード」はいずれも第9類「電線及びケーブル」に属する「電線」、「電気用ケーブル」に含まれており、MM30において第9類「電線及びケーブル」に、本件商標が使用されている。 (6)「CASARL」の製品が被請求人の2016年~2018年度のカタログ(乙3)に掲載されており、この本体は、LEDライト及び「プラグ」と「ジャック」によって構成されている。電力供給コードとして「電線」が使用されている「ACアダプター」単品も販売されている。カタログには、オプション製品として「コードクリップ」が掲載されており、「コードクリップ」は、コードが製品に附属していることを前提とするので、本製品に電線であるコードが使用されていることは明らかである。 (7)上記2製品MM30、CASARLについて、被請求人と取引業者との取引伝票(乙6)を提出する。 (8)上記2製品MM30、CASARLは、いずれも被請求人のオンラインショップにも掲載されており(乙2、乙4)、上記2製品について、本件商標は、オンラインショップ上で使用されている。 2 審尋に対する回答 (1)本件商標が内覧会等で展示商品に付されていたことの証拠について、2018年(平成30年)秋の内覧会のフロアガイド及び当日の写真(乙9、乙10)、2019年(平成31年)春の新作発表会のフロアガイド及び当日の写真(乙12、乙13)を提出する。これらのフロアガイド中、「住宅用自動ドア」は、「MM30」を指すことが明らかである。 (2)「MM30」のコード商品につき、本件商標が付された状態で、コード商品が単品としても要証期間内に出荷されていた事実を示す出荷案内書(乙14)を新たに提出する。本証拠中に「アトムオンラインショップ」の表示がある。「オンラインショップ」はインターネット通販サイトを示すものとして普通に用いられる名称であって識別力に欠け、「アトムオンラインショップ」の記載から本件商標の要証期間内の使用は明らかである。 (3)要証期間内の「CASARL」製品の販売を証明するため、ウェブサイトの履歴を保存するインターネットアーカイブの記録(乙15)を提出し、併せて被請求人の総合カタログのうち、「CASARL」製品ラインナップの部分(乙16)を提出する。乙第15号証には「アトムダイレクトショップ」の記載があり、「CASARL」の「ACアダプター」「LEDライト」につき、本件商標が使用されていた。 (4)請求人は、弁駁書で、「ATOM」「DATA」「LINE」は、同書同大でまとまりよく一体的に表示されている旨を述べている。「ATOM」「DATA」「LINE」の三段全てを一体的に捉えるとする請求人の主張について、客観的な証拠の提示はない。分離独立した「ATOM」「DATA」「LINE」から自然に生じる称呼は「アトム」「データ」「ライン」の分離独立した3語と考えるのが適用であり、一連の「アトムデータライン」の称呼のみを生じると考えるのは不自然である。 「ATOM」「DATA」「LINE」の表記はそれぞれに「『アトム』社」「データ(商品情報)」「ライン(商品展開)」程度の意味合いを需要者が把握するといえ、商品情報及び商品展開程度の意味合いを生じる「DATA」「LINE」には自他識別力がなく、「ATOM」のみが自他識別力を有し、「アトム」の称呼及び「原子」の観念を生じると考えるべきである。 合議体の暫定的見解では、「ATOM」「DATA」「LINE」のうち「DATA LINE」の語には識別力がないとはいえないとのことだが、「DATA LINE」の語が一体的に捉えられ、自他識別力を有するとはいい難く、同書同大で「ATOM」「DATA」「LINE」と三段に分けて表記された総合カタログの表題につき、需要者はそれぞれの語を分離独立して観察すると考えるべきである。 (5)請求人は、「ATOM」「LIVINTECH」の二段の表記が「アトムリビンテック」を認識すると主張するが、大きくポイントの異なる「ATOM」と「LIVINTECH」の二段の表記から自然に生じる称呼は「アトム」と「リビンテック」の分離独立した2語と考えるのが適当であり、一連の「アトムリビンテック」の称呼のみを生じるとするのは不自然である。 (6)新たに提出する乙第9号証ないし乙第13号証により、本件商標と社会通念上同一の商標が「内覧会」等で展示商品に付されていたことを証明し、乙第14号証により、「コード商品」が単品でも「出荷案内書」に記載され、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標が使用されていたことを証明し、乙第15号証、乙第16号証により、被請求人が運営する「アトムダイレクトショップ」において本件商標が「電線・ケーブル」等に使用されていた蓋然性が高いことを証明する。 第4 当審の判断 1 被請求人提出の証拠の内容 (1)乙第1号証について ア 乙第1号証は、本件商標権者が編集・構成し、2019年4月に本件商標権者により発行された製品カタログの一部の写しであり、その表紙中央に三段書きされた「ATOM」、「DATA」及び「LINE」の欧文字(以下「使用商標1」という。)(別掲1)と「2019-2021」の文字とを組み合わせたもの及び表紙下部に二段書きされた「ATOM」及び「LIVINTECH」の欧文字(以下「使用商標2」という。)(別掲2)が表示されている。 イ 乙第1号証には、その目次に示された製品カタログに掲載された製品のうち「上吊式引戸金具」の「住宅用自動ドア」のページ(172~175ページ)に示された「MM30」について、これが住宅屋内用の自動ドアシステム用金具であり、レール内にモータ・コントローラなどの機能部品が全て内蔵されており、通常の上吊式引戸とほぼ同じ要領で施工を行うことができる旨、MM30の特徴として機能を拡張するための「オプション」として「スポットセンサー」と「タッチスイッチ」が用意されている旨等が示されている。 ウ さらに、オプションパーツの製品寸法図等を掲載した仕様表(175ページ)には、「スポットセンサー」と「タッチスイッチ」については価格を示す欄にそれらの価格と注文コードが記載されている。また、「スポットセンサー」の付属品には「センサー用メインコード」と「サブコード」が含まれ、「タッチスイッチ」の付属品には「スイッチ用メインコード」と「サブコード」が含まれる旨が示されている。 エ なお、この仕様表には、「サブコード」、「センサー用メインコード1個セット用」、「センサー用メインコード2個セット用」、「スイッチ用メインコード」についても製品寸法図等が掲載されているものの、価格を示す欄にそれらの価格と注文コードは示されておらず、これらがスポットセンサー又はタッチスイッチに添付されている旨が示されている。 オ 「上吊式引戸金具」の「住宅用自動ドア」のページ(172~175ページ)には、使用商標とおぼしき表示は見当たらない。 カ 会社概要を示すページ(810ページ)では、本件商標権者の名称、使用商標2、事業所のショールーム名として「アトムCSタワー」及び「アトム住まいの金物ギャラリー大阪/大阪事業所」が示されている(以下「アトム」の片仮名を「使用商標3」という。)。 キ 「ATOM CS TOWER」の紹介ページ(812ページ)では、これが「アトムリビンテックの総合ショールーム」である旨が示され、その「亜吐夢金物館」について「ATOMブランドの金物ラインアップのなかから、ピックアップした製品をご紹介。」等と記載されている(以下「ATOM」の欧文字を「使用商標4」という。)。 ク 「アトム製品のお問い合わせ窓口ショールームのご案内」との記載があるページ(813ページ)では、ショールーム名として「アトムCSタワー」「アトム住まいの金物ギャラリー大阪」が示されており、その次のページでは、「アトムリビンテックのホームページ」から製品カタログ等をダウンロードでき、「お求めのアトム製品」の情報をいつでも利用できる旨が示されており、使用商標3と「製品」からなる「アトム製品」との表示がある。 ケ 「What’s new of the ATOM」との記載があるページ(815ページ)では、1985年から展示会を開催している旨、「新商材」の提供のために2008年から年2回、東京の「アトムCSタワー」、大阪の「アトム住まいのギャラリー大阪」で開催している旨等が示されている。 「What’s new of the ATOM」における、使用商標4を含む「new of the ATOM」は、同ページ中の「新商材」を意味していることが明らかである。 コ 奥付中央及び裏表紙中央には、上記アの表紙中央と同様の使用商標1と「2019-2021」の文字とを組み合わせたものが表示されている。 (2)乙第2号証について ア 乙第2号証は、タイトルが「住宅用自動ドアシステム リニアエンジンMM30『アトムダイレクトショップ』」であるウェブページの写しであり、「2021/2/18」と表示されている。また、乙第2号証には、使用商標2とともに「ダイレクトショップ」と表示されている(以下「アトム」の片仮名を含む「アトムダイレクトショップ」を「使用商標5」という。)。 イ 乙第2号証には、「MM30」について、「モータ・コントローラ等の機能部品」が「レール内」に「全て内蔵」されている旨の説明、リニアレール長さに応じた商品コードと販売価格等が示されている。 さらに、上部吊り車、リストレバー、グラス吊り金具、薄扉用吊り車、調整戸車、スカイ戸引手及びガムロックの写真と価格が示されているが、電線やケーブルの写真や価格は示されていない。 (3)乙第3号証、乙第16号証について ア 乙第3号証及び乙第16号証は、本件商標権者が編集・構成し、2016年4月に本件商標権者により発行された製品カタログの一部の写し(表紙、奥付及び裏表紙に加え、乙第3号証は466~467ページ、乙第16号証は、458~467ページの写し)であり、その表紙中央に横書きされた「ATOM DATA LINE」の欧文字(以下「使用商標6」という。)(別掲3)、及び表紙下部に使用商標2が表示されている。 イ 458~467ページには、「CASARL」の製品について、価格と注文コードが示されている。 CASARLの製品には、「LEDライト」、「ACアダプター」、「コードクリップ」のほか、「メインレール」、「ブラケット」、「ブラケット用高さ調節プレート」、「インナーフック」、「フック5」、「フック10」、「フック30」、「シェルフガード(R)」、「シェルフガード(L)」、「ハンギングシェルフS」、「ボトムプレート」、「アクリルトレイ200」、「アクリルトレイ600」、「トッププレート」、「インナープレート」、「インナーケース」、「エンドカバー」、「エンドプロテクター」があって、合わせて21製品がある旨、これらのうち、「LEDライト」にプラグとジャックが付属している旨、「ACアダプター」のコードのコード長が1800mmである旨、「コードクリップ」が「電化製品を置いた際のケーブルを、メインレールの裏側に隠す事ができるクリップ」である旨が記載されている。 ウ 奥付中央には、使用商標1と「2016|>18」の文字とを組み合わせたものが表示されており、裏表紙には、使用商標1と「2016|>2018」の文字とを組み合わせたものが表示されている。(なお、右向き三角形を「|>」で示した。) (4)乙第4号証について ア 乙第4号証は、タイトルが「商品一覧(全商品)『アトムダイレクトショップ』」であるウェブページの写しであり、「2021/2/18」と表示されており、使用商標5と使用商標2が表示されている。 イ 乙第4号証には、「メインレール ブラケット」、「コードクリップ」及び「ACアダプター」を含む「CASARL」の製品について、製品の写真と価格が示されている。 (5)乙第6号証について 乙第6号証は、被請求人における、「MM30」とそのオプションである「スポットセンサー」及び「タッチスイッチ」等に係る出荷案内書兼受領書の写しであり、いずれも、被請求人の名称とともに使用商標2を表示するものである。 そのうち、日付が2017年11月30日の出荷案内書兼受領書の写しには、商品名として「メインコード」及び「サブコード」が示されている。 (6)乙第9号証について 乙第9号証は、「2018 秋の内覧会 フロアガイド」の写しであり、被請求人の名称とともに使用商標2を表示するものである。また、「4F」フロア中に「住宅用自動ドア」との表示がある。 (7)乙第12号証について 乙第12号証は、「2019 春の新作発表会 フロアガイド」の写しであり、被請求人の名称とともに使用商標2を表示するものであり、また、「65th アトムブランド 誕生」という文字を含む図形中に「アトムブランド」の文字が表示されている。また、「4F」フロア中に「住宅用自動ドア」との表示がある。 (8)乙第14号証について 乙第14号証は、被請求人における、出荷案内書兼受領書の写しと売上を示す販売部控えの写しであって、いずれも、被請求人の名称とともに使用商標2を表示するものである。 このうち、出荷案内書兼受領書の写しには、日付が2020年7月1日、商品名として「タッチスイッチ」及び「サブコード」が示されており、宛先を示す欄に「アトムオンラインショップ 現売り 御中」との表示がある(以下「アトム」の片仮名を含む「アトムオンラインショップ」を「使用商標7」という。)。そして、販売部控えの写しのうち、日付が2020年7月1日のものには、「商品名/規格」として「タッチスイッチ」及び「サブコード」が示されており、宛先を示す欄に「アトムオンラインショップ 現売り 御中」との表示があり、使用商標7が表示されており、上記の出荷案内書兼受領書の写しに対応するものと推認される。 販売部控えの写しのうち、日付が2017年11月30日のものには、「商品名/規格」として「メインコード」、「サブコード」等が示されており、日付が2017年11月30日の出荷案内書兼受領書の写し(乙6)に対応するものと推認される。 (9)乙第15号証について 乙第15号証は、インターネットアーカイブに2019年2月7日に保存されたウェブページが表示された複数の画面のスクリーンショットであり、当該ウェブページにおいて使用商標2と使用商標5とが表示されている旨、及び、「ブラケット」、「メインレール」等の複数の「CASARL製品」が表示され、「商品」が「21件」ある旨が示されている。 (10)その他の乙号証について 乙第5号証、乙第7号証、乙第8号証、乙第10号証、乙第11号証、乙第13号証及び乙第17号証には、使用商標とおぼしきものは示されていない。 2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標と本件商標の社会通念上同一性について ア 使用商標1、使用商標2及び使用商標6について 本件商標の「アトム」は、「Atom」という英単語の読みとして慣用されており、「原子」等の観念を生じるものである。 これに対して、使用商標1及び使用商標6は、三段書きと横書きの違いはあるものの、いずれも「ATOM」「DATA」及び「LINE」が同じ書体、大きさ及び色彩でまとまりよく一体のものとして表示されていることから、これを需要者は一体不可分のものとして把握するのであって、「ATOM」のみが分離独立して需要者に把握されるものではない。また、使用商標1及び使用商標6を構成する各文字が意味を有するとしても、全体から特定の観念は生じない。 次に、使用商標2の「ATOM LIVINTECH」は、本件審判請求人の名称のうち識別力のない「株式会社」を除いた「アトムリビンテック」の欧文字表記とするものであるから、使用商標2は、本件審判請求人の略称を示すものとしての観念を生じる。 以上を踏まえれば、使用商標1及び使用商標6は、特定の観念を生じず、使用商標2は、本件商標と異なり本件審判請求人の略称としての観念を生じることから、これらはいずれも本件商標と観念を共通にするものであるといえない。なお、使用商標1及び使用商標6は、その構成から「ATOM」が分離されない以上、本件商標と称呼を共通にするものでないことも明らかである。 イ 使用商標3、使用商標4、使用商標5及び使用商標7について 上記1(1)によれば、製品カタログ(乙1)には、使用商標3と使用商標4が示されているところ、使用商標3は、「アトム」の片仮名であり、本件商標と同一である。また、使用商標4は、「アトム」を読みとする「ATOM」の欧文字であり、本件商標と称呼及び観念が同一であることから、本件商標と社会通念上同一の商標であると認められる。 また、ウェブページの写し(乙2、乙4)のタイトル及びインターネットアーカイブに保存されたウェブページが表示された画面のスクリーンショット(乙15)には、使用商標5の表示があり、また、2020年7月1日付けの出荷案内書兼受領書の写し及び販売部控え(乙14)には、使用商標7の表示があるところ、これらのうち、「アトム」の片仮名以外の部分(使用商標5の「ダイレクトショップ」の片仮名及び使用商標7の「オンラインショップ」の片仮名)は、いずれも電子商取引のホームページであることを示す一般的な用語として識別力がないことから、それらの要部は「アトム」である。このことから、使用商標5及び使用商標7は、本件商標と書体が異なるだけの社会通念上同一の商標であると認められる。 ウ 以上からすれば、使用商標1、使用商標2及び使用商標6は、本件商標と社会通念上同一の商標であると認められないものの、使用商標3、使用商標4、使用商標5及び使用商標7は、本件商標と社会通念上同一の商標であると認められる。 (2)請求に係る指定商品についての使用について ア 以下、使用商標3、使用商標4、使用商標5及び使用商標7のいずれかが請求に係る指定商品について使用されているか否かを検討する。 イ 使用商標3及び使用商標4について 上記1(1)によれば、製品カタログの写し(乙1)には、使用商標3と「製品」からなる「アトム製品」との表示及び新商材を意味する「new of the ATOM」における使用商標4の表示があり、これらは、それぞれ使用商標3及び使用商標4を製品カタログに掲載された製品について使用したものと解することができ、さらに、製品カタログに掲載された製品に「MM30」が含まれていることから、乙第1号証によれば、使用商標3及び使用商標4が製品カタログに掲載された製品である「MM30」について使用されているといえる。 しかし、「MM30」は、「レール内にモータ・コントローラなどの機能部品が全て内蔵」された「住宅屋内用の自動ドアシステム用金具」であり、電動式扉自動開閉装置であることから、「電線及びケーブル」と「電気通信機械器具」のいずれにも該当しないことが明らかである。 さらに、「MM30」に関連して製品カタログに掲載されている「サブコード」、「センサー用メインコード1個セット用」、「センサー用メインコード2個セット用」、「スイッチ用メインコード」は、「MM30」のオプションに添付されるものであり、価格や注文コードも示されていないことから、乙第1号証の製品カタログにおいて「MM30」から独立して取引の対象となる商品として扱われていないことが明らかである。 よって、製品カタログの写し(乙1)は、請求に係る指定商品である「電線及びケーブル」及び「電気通信機械器具」のいずれかについて使用商標3又は使用商標4を使用したことを示すものではない。 ウ 使用商標5について 上記1(2)、1(4)及び1(9)によれば、要証期間内の商標権者のウェブページ(乙2、乙4、乙15)に使用商標5が表示されていたものと推認される。 しかし、乙第2号証に掲載されている「MM30」は、上記イに示したとおり、請求に係る指定商品である「電線及びケーブル」と「電気通信機械器具」のいずれにも該当しないことが明らかである。 また、乙第4号証及び乙第15号証に掲載されているCASARLの製品のうち、「LEDライト」は照明用器具であり、「ACアダプター」は照明用器具又は配電用機械器具であるから、「電線及びケーブル」及び「電気通信機械器具」のいずれにも該当しない。また、乙第15号証には、「CASARL」の製品である商品が21件ある旨が示されていることから、「LEDライト」及び「ACアダプター」以外のCASARLの製品も存在しているものの、上記1(3)イによれば、「LEDライト」及び「ACアダプター」以外のCASARLの製品が「電線及びケーブル」及び「電気通信機械器具」のいずれにも該当しないことは、明らかである。 よって、要証期間内の商標権者のウェブページ(乙2、乙4、乙15)は、請求に係る指定商品である「電線及びケーブル」及び「電気通信機械器具」のいずれかについて使用商標5を使用したことを示すものではない。 エ 使用商標7について 上記1(5)及び1(8)によれば、出荷案内書兼受領書の写し及び販売部控え(乙6、乙14)のうち、2020年7月1日付けのもの(乙14)において、使用商標7とメインコードとサブコードが取引の対象とされている旨が示されている。 しかしながら、この使用商標7は、販売元ではなく宛先を示す欄に表示されていることから、メインコードとサブコードの販売元としての商標権者による商標の使用を示すものでなく、「電線及びケーブル」についての使用商標7の使用を示すものとはいえない。 よって、出荷案内書兼受領書の写し及び販売部控え(乙6、乙14)は、請求に係る指定商品である「電線及びケーブル」及び「電気通信機械器具」のいずれかについて使用商標7を使用したことを示すものではない。 オ 以上のとおり、イないしエにおいて検討したものを含め、提出された全ての証拠をみても、使用商標3、使用商標4、使用商標5及び使用商標7のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて使用されたことを示すものは見当たらない。 (3)小括 以上のとおり、使用商標1、使用商標2及び使用商標6は、いずれも、本件商標と同一の商標(本件商標と社会通念上同一の商標を含む。以下、同様。)ではない。また、使用商標3、使用商標4、使用商標5及び使用商標7は、本件商標と同一の商標に該当するといえるものの、いずれも、請求に係る指定商品について使用されたとはいえない。 3 被請求人の主張について (1)被請求人は、カタログ(乙1、乙3)表題の「ATOM」と本件商標「アトム」とが社会通念上同一の商標である旨主張している。 しかし、上記2(1)アに示したとおり、カタログ表題の使用商標1に含まれる「ATOM」は、「ATOM」のみが分離独立して需要者に把握されるものではないことから、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一の商標に該当しない。 (2)被請求人は、「MM30」を構成する「サブコード」、「センサー用メインコード」、「スイッチ用メインコード」が第9類「電線及びケーブル」に属する「電線」、「電気用ケーブル」に含まれている旨主張している。 しかし、上記2(2)のとおり、「MM30」は、電動式扉自動開閉装置であって「電線及びケーブル」でなく、また、「MM30」の「サブコード」、「センサー用メインコード1個セット用」、「センサー用メインコード2個セット用」及び「スイッチ用メインコード」は、「MM30」のオプションに添付されるものであって、製品カタログにおいてもウェブページにおいても「MM30」から独立して取引の対象となる商品として扱われていないことから、「電線及びケーブル」に該当するとはいえない。 (3)被請求人は、照明器具である「CASARL」の本体が「LEDライト」及び「プラグ」と「ジャック」によって構成されている旨、「ACアダプター」に電力供給コードとして「電線」が使用されている旨、オプション製品の「コードクリップ」はコードが製品に附属していることを前提とする旨を主張している。 しかし、電力供給のためのプラグ、ジャック、コード等が付随することとしても照明用器具や配電用機械器具は「電線及びケーブル」ではない。また、「CASARL製品」の「コードクリップ」は、「電化製品を置いた際のケーブル」のためのものであって、コードが製品に附属していることを前提とするものともいえない。 (4)被請求人は、乙第9号証ないし乙第13号証により、本件商標と社会通念上同一の商標が「内覧会」等で展示商品に付されていたことを証明する旨主張している。 しかし、乙第9号証ないし乙第11号証、乙第13号証は、いずれも商標の使用事実を示すものでない。 なお、乙第12号証には、「65th アトムブランド 誕生」という文字を含む図形中に「アトムブランド」の文字が表示されているものの、この図形は、「2019」年の「春の新作発表会」の「フロアガイド」のページに示されているものであって、提出された証拠において、請求に係る指定商品が確認できないことから、「アトム」を請求に係る指定商品について商標として使用したものとはいえないものである。 したがって、被請求人の上記主張は、採用することができない。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人が提出した証拠は、いずれも、本件商標と社会通念上同一の商標を請求に係る指定商品について使用したことを示すものではないことから、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について、本件商標を使用していることを証明するものではない。したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品についての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできない。 また、請求に係る指定商品について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、「結論掲記の商品」について、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-300759

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