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特許拒絶査定不服審判

2022-018290

身分証明書表示システム、携帯端末、サーバ、端末側身分証明書表示プログラム、サーバ側身分証明書表示プログラム、及び身分証明書表示方法

審判番号
2022-018290
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-135846外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年11月14日
審決日
2023年05月09日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G06F) / P18 .575-Z (G06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-135846「身分証明書表示システム、携帯端末、サーバ、端末側身分証明書表示プログラム、サーバ側身分証明書表示プログラム、及び身分証明書表示方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 1月23日出願公開、特開2020- 13384〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 10項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成30年7月19日の出願であって、令和4年2月28日付けで拒絶理由が通知され、これに対して令和4年4月26日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、令和4年8月12日付けで拒絶査定がなされた(以下、「原査定」という。)。これに対して、令和4年11月14日に審判請求がなされると同時に手続補正がなされ、令和4年12月14日に前置報告がなされたものである。

第2 令和4年11月14日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和4年11月14日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について(補正の内容)

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「【請求項1】
携帯端末に身分証明書を表示させる身分証明書表示システムであって、
個人識別情報をサーバへ送信し、前記サーバから個人識別情報に対応する身分情報を取得する身分情報取得部、
前記サーバから前記個人識別情報に対応する多次元コード情報を取得する多次元コード取得部、並びに、
続きを表示(全11行)
前記身分情報、及び前記多次元コード情報にもとづく多次元コードを含む身分証明書において前記多次元コードを1秒、5秒、10秒、1分、数分毎のタイミングで刻々と変化させて表示する身分証明書表示部、
を有する携帯端末と、
前記携帯端末から送信されてきた前記個人識別情報にもとづき認証処理を行う個人認証処理部、
前記個人認証処理部による認証結果が認証成功である場合、前記個人識別情報に対応する前記身分情報を前記携帯端末に送信する身分情報送信部、及び、
前記個人識別情報に対応する前記多次元コード情報を一定のタイミング毎に生成して、前記携帯端末に送信する多次元コード生成部、
を有するサーバと、を備えた
ことを特徴とする身分証明書表示システム。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の、令和4年4月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
携帯端末に身分証明書を表示させる身分証明書表示システムであって、
個人識別情報をサーバへ送信し、前記サーバから個人識別情報に対応する身分情報を取得する身分情報取得部、
前記サーバから前記個人識別情報に対応する多次元コード情報を取得する多次元コード取得部、並びに、
続きを表示(全11行)
前記身分情報、及び前記多次元コード情報にもとづく多次元コードを含む身分証明書において前記多次元コードを刻々と変化させて表示する身分証明書表示部、
を有する携帯端末と、
前記携帯端末から送信されてきた前記個人識別情報にもとづき認証処理を行う個人認証処理部、
前記個人認証処理部による認証結果が認証成功である場合、前記個人識別情報に対応する前記身分情報を前記携帯端末に送信する身分情報送信部、及び、
前記個人識別情報に対応する前記多次元コード情報を一定のタイミング毎に生成して、前記携帯端末に送信する多次元コード生成部、
を有するサーバと、を備えた
ことを特徴とする身分証明書表示システム。」

2 補正の適否

本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明の「刻々と変化させて表示する」について、「1秒、5秒、10秒、1分、数分毎のタイミングで刻々と変化させて表示する」として、具体的な時間を限定したものである。

そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。したがって、請求項1についての本件補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か(特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否か)を検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献、引用発明

ア 引用文献1

(ア)引用文献1の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

本願の出願日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、原査定の理由において引用された、特開2013-250818号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加した。以下、同じ。)

A 「【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。なお、以下では、ポイントサービスを提供するポイントシステムに本発明を適用した場合について説明する。すなわち、本発明の実施形態に係る識別情報管理システムを、ポイントサービスを提供するポイントシステムにおいて実現した場合について説明する。
【0032】
続きを表示(全14行)
図1は、本発明の実施形態に係るポイントシステム(識別情報管理システム)の全体構成の一例を示す。図1に示すように、ポイントシステム1はポイント管理サーバ10、データベース15、ユーザ端末20、及び店舗端末30を含む。
【0033】
ポイントシステム1は、店舗の利用者(ユーザ)に対してポイントサービスを提供するためのシステムである。ポイントサービスでは、商品を購入したユーザやサービスを利用したユーザにポイントが付与される。ユーザはポイントに基づいて様々な特典が受けることができる。例えば、次回以降の商品購入時やサービス利用時にユーザはポイントを利用することができる。例えば、1ポイント=1円として、代金の全部又は一部にポイントを充当することができる。
【0034】
ポイント管理サーバ10は例えばサーバコンピュータ(情報処理装置)である。図2はポイント管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す。図2に示すように、ポイント管理サーバ10は制御部11、記憶部12、光ディスクドライブ部13、及び通信部14を含む。
【0035】
制御部11は例えば1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部12に記憶されたオペレーティングシステム又はプログラムに従って処理を実行する。記憶部12は主記憶部及び補助記憶部を含む。例えば、主記憶部はRAMであり、補助記憶部はハードディスク又はソリッドステートドライブ等である。
・・・中略・・・
【0038】
通信部14は通信ネットワーク2を介してデータ通信を行うためのものである。プログラム及びデータは通信ネットワーク2を介して記憶部12に供給されるようにしてもよい。」
B 「【0040】
ユーザ端末20は、ユーザによって使用される携帯型の情報処理装置である。例えば、ユーザ端末20は携帯電話(スマートフォンを含む)又は携帯情報端末である。図3はユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示し、図4はユーザ端末20の外観の一例を示す。
【0041】
図3に示すように、ユーザ端末20は制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、音声入力部25、撮影部26、動き検出部27、表示部28、及び音声出力部29を含む。制御部21は例えば1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部22に記憶されたオペレーティングシステム又はプログラムに従って情報処理を実行する。記憶部22は主記憶部及び補助記憶部を含む。主記憶部は例えばRAMであり、補助記憶部は例えばハードディスク又はソリッドステートドライブである。
【0042】
通信部23は通信ネットワーク2を介して他の装置とデータ通信を行うためのものである。ユーザ端末20とポイント管理サーバ10との間では通信ネットワーク2を介して相互にデータ通信が可能である。」
C 「【0056】
上記のようなポイントサービスを利用するためにユーザが行うべき手続きについて説明する。まず、ユーザはポイントサービスを利用するためのユーザ登録の手続きを行う。例えば、ユーザは、ポイント管理サーバ10によって提供されるユーザ登録用のウェブページにユーザ端末20からアクセスする。そして、ユーザ端末20の表示部28に表示されるユーザ登録画面において、ユーザは自らの情報(例えば名前、パスワード、住所、及びメールアドレス等)を入力する。
【0057】
ユーザ登録画面において入力された情報はポイント管理サーバ10に送信され、データベース15に記憶される。この際、ユーザを一意に識別するためのユーザIDが生成され、ユーザ登録画面において入力された情報はこのユーザIDに関連づけて記憶される。なお、ユーザIDはユーザが指定できるようにしてもよい。
続きを表示(全26行)
【0058】
図5はデータベース15に記憶されるユーザテーブルの一例を示す。ユーザテーブルは、ユーザ登録画面において入力された情報をユーザIDに関連づけて記憶するためのテーブルであり、ポイントサービスを利用するユーザの一覧を示す。例えば、ユーザテーブルは「ユーザID」、「パスワード」、「ユーザ名」、及び「メールアドレス」フィールドを含む。
【0059】
「ユーザID」フィールドには、ユーザを一意に識別するためのユーザIDが登録される。「パスワード」フィールドには、ユーザによって指定されたパスワードが登録される。「ユーザ名」及び「メールアドレス」フィールドにはユーザの名前及びメールアドレスが登録される。
・・・中略・・・
【0061】
会員証プログラムのダウンロードが完了したら、ユーザはユーザ端末20において会員証プログラムを起動する。会員証プログラムの初回起動時にはログイン画面が表示される。図6はログイン画面の一例を示す。ログイン画面40は、ユーザIDを入力するための入力欄42と、パスワードを入力するための入力欄44と、を含む。ユーザはユーザID及びパスワードを入力欄42,44に入力し、ログインボタン46をクリックする。
【0062】
ログインボタン46がクリックされると、入力欄42,44に入力されたユーザID及びパスワードがポイント管理サーバ10に送信され、ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であるか否かが判定される。ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であると判定された場合には、会員証IDが新たに発行され、ログイン画面40で入力されたユーザIDと、新たに発行された会員証IDと、が関連づけてデータベース15に登録される。
・・・中略・・・
【0065】
会員証IDが新たに発行されると、該会員証IDがユーザ端末20の記憶部22に保存され、会員証画面がユーザ端末20の表示部28に表示される。図8は会員証画面の一例を示す。会員証画面50にはポイント残高52が表示される。また、会員証画面50には会員証ID54A及びバーコード画像54Bが表示される。会員証ID54Aは新たに発行された会員証IDであり、バーコード画像54Bは会員証ID54Aを示すバーコードである。
【0066】
店舗における商品購入時又はサービス利用時にユーザは会員証画面50を提示する。この場合、会員証画面50のバーコード画像54Bが店舗端末30によって読み取られ、ポイントの付与や利用が行われる。
【0067】
ここで、会員証画面50のバーコード画像54Bが店舗端末30によって読み取られた場合にポイントシステム1で実行される処理の一例について説明する。図9は該処理の一例を示す。
【0068】
図9に示すように、まず、店舗端末30の制御部はポイント残高の照会をポイント管理サーバ10に要求する(S101)。この場合、ユーザが提示した会員証画面50のバーコード画像54Bが示す会員証IDがポイント管理サーバ10に送信される。
【0069】
上記の要求がポイント管理サーバ10において受け付けられた場合、制御部11(認証処理実行手段)は、店舗端末30から受信された会員証IDの認証処理を実行する。すなわち、制御部11は会員証テーブルにアクセスし、店舗端末30から受信された会員証IDが正当であるか否かを判定する(S102)。具体的には、制御部11は、店舗端末30から受信された会員証IDが会員証テーブルに登録されているか否かを判定する。
【0070】
会員証IDが正当でない場合、制御部11は、会員証IDが正当でない旨を店舗端末30に通知する(S104)。一方、会員証IDが正当である場合、制御部11は該会員証IDのポイント残高を会員証テーブルから取得し(S103)、該ポイント残高を店舗端末30に通知する(S104)。」
D 「【0083】
図10は、ポイントシステム1(識別情報管理システム)で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。図10に示すように、ポイントシステム1は識別情報記憶部60、検出部62、第1送信部64、第1受信部66、更新部68、第2送信部70、第2受信部72、及び表示制御部74を含む。
【0084】
例えば、識別情報記憶部60はデータベース15によって実現される。また例えば、検出部62、第1送信部64、第2受信部72、及び表示制御部74はユーザ端末20の制御部21によって実現され、第1受信部66、更新部68、及び第2送信部70はポイント管理サーバ10の制御部11によって実現される。
【0085】
識別情報記憶部60について説明する。識別情報記憶部60はユーザに関する識別情報を記憶する。例えば、識別情報記憶部60は、図7に示したような会員証テーブルを記憶する。この場合、会員証テーブルに登録されている会員証IDが上記の「識別情報」に相当する。
【0086】
検出部62、第1送信部64、第1受信部66、及び更新部68について説明する。ここでは、検出部62及び更新部68について先に説明した後で、第1送信部64及び第1受信部66について説明する。
【0087】
検出部62は、識別コード画像がユーザ端末20の表示部28に表示されている間に、該識別コード画像が他人によって取得されたおそれがあることを示す所定の事象を検出する。」
E 「【0088】
例えば、検出部62は上記「所定の事象」を下記の[A]~[E]のうちのいずれか一つに基づいて検出する。
[A]識別コード画像がユーザ端末20の表示部28に表示されている間に経過した時間[B]識別コード画像がユーザ端末20の表示部28に表示されている間における撮影部26の撮影画像
[C]識別コード画像がユーザ端末20の表示部28に表示されている間において音声入力部25から入力された音声
続きを表示(全18行)
[D]識別コード画像がユーザ端末20の表示部28に表示されている間における画面キャプチャの実行の有無
[E]識別コード画像がユーザ端末20の表示部28に表示されている間における動き検出部27の検出結果
【0089】
更新部68は、検出部62の検出結果に基づいて、識別情報記憶部60に記憶される識別情報を更新する。上記「所定の事象」が検出部62によって検出された場合に、更新部68は新たな識別情報を生成し、ユーザの識別情報を現在の識別情報から新たな識別情報に更新する。
【0090】
なお、「識別コード画像」は識別情報を示す画像であり、例えば、一次元バーコード又は二次元バーコード等が「識別コード画像」に相当する。以上に説明した例の場合であれば、会員証IDが「識別情報」に相当し、会員証画面50に表示されるバーコード画像54Bが「識別コード画像」に相当する。
【0091】
検出部62及び更新部68の動作について詳細に説明する。以下、検出部62及び更新部68の動作の具体例として五つの例A~Eについて説明する。
【0092】
[例A]例えば、検出部62は「バーコード画像54Bがユーザ端末20の表示部28に表示されている間に経過した時間」に基づいて「所定の事象」を検出する。
【0093】
[例A-1]例えば、検出部62は、「バーコード画像54Bがユーザ端末20の表示部28に表示されている状態が基準時間にわたって継続したこと」を「所定の事象」として検出する。上記の状態が基準時間にわたって継続した場合に更新部68は会員証IDを更新する。
【0094】
バーコード画像54Bが表示部28に表示されている状態が比較的長い時間にわたって継続された場合には、その間にバーコード画像54Bが他人によって取得された可能性を無視できない。この点、上記のような検出部62及び更新部68によれば、バーコード画像54Bが表示されている状態が比較的長い時間にわたって継続された場合に会員証IDが更新されるようになる。すなわち、バーコード画像54Bが他人に取得されたおそれがある場合に会員証IDが更新されるようになる。」
F 「【0128】
図11は、会員証画面50が表示部28に表示されている間にユーザ端末20で所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される処理の一例を示すフロー図である。ユーザ端末20の制御部21がプログラムに従って図11に示す処理を実行することによって、制御部21が検出部62及び第1送信部64として機能するようになる。なお、図11に示す処理は先述の[例A-1],[例B-1],[例C],[例D]に対応している。
【0129】
会員証画面50が表示部28に表示されている場合、図11に示すように、制御部21は変数taに1を加算する(S201)。
【0130】
変数taは、会員証画面50が表示されている間に経過した時間を計測するために用いられる。変数taは、会員証画面50の表示が開始された際に零に初期化される。上述したように、本処理は所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行され、かつ、本処理が実行されるごとに変数taに1が加算されるため、変数taは上記の経過時間を所定時間(例えば1/60秒)単位で示す。
【0131】
その後、制御部21(検出部62)は変数taが基準値TA以上であるか否かを判定する(S202)。
【0132】
変数taが基準値TA以上であると判定された場合とは、会員証画面50が表示されている間に経過した時間(ta)が基準時間(TA)以上になった場合である。この場合、制御部21は会員証IDを更新すると決定する。すなわち、制御部21は変数taを零にリセットし(S206)、さらに、制御部21(第1送信部64)は会員証IDの更新をポイント管理サーバ10に要求する(S207)。この場合、制御部21は現在の会員証IDをポイント管理サーバ10に送信する。」
G 「【0167】
以上に説明したように、図11~図13のステップS207,S306,S407では会員証IDの更新がポイント管理サーバ10に要求される。図14は、該要求をポイント管理サーバ10が受け付けた場合にポイント管理サーバ10で実行される処理の一例を示す。
【0168】
図14に示すように、ポイント管理サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20から受信された会員証IDが正当であるか否かを判定する(S501)。すなわち、制御部11は、ユーザ端末20から受信された会員証IDが会員証テーブルに登録されているか否かを判定する。
続きを表示(全22行)
【0169】
会員証IDが会員証テーブルに登録されていないと判定された場合、制御部11は、ユーザ端末20から受信された会員証IDが正当でないと判定し、その旨を示すエラーメッセージデータをユーザ端末20に返信する(S505)。エラーメッセージデータを受信したユーザ端末20ではエラーメッセージが表示部28に表示される。
【0170】
一方、会員証IDが会員証テーブルに登録されていると判定された場合、制御部11は、ユーザ端末20から受信された会員証IDが正当であると判定する。この場合、制御部11は、予め定められた生成規則に基づいて、新しい会員証IDを生成する(S502)。
【0171】
なお、新しい会員証IDを生成するための生成規則は、既存の他の会員証IDと同じ会員証IDが新たな会員証IDとして生成されることがないように定められている。例えば、ユーザ端末20から受信された会員証IDに関連付けられたユーザIDと、現在の日時と、に基づいて、新たな会員証IDが生成される。
【0172】
新しい会員証IDが生成された後、制御部11(更新部68)は会員証テーブルにアクセスし、ユーザ端末20から受信された会員証IDを、ステップS502で生成された新しい会員証IDに更新する(S503)。
【0173】
例えば、ユーザ端末20から受信された会員証IDが「0123456789」であり、ステップS502で生成された新しい会員証IDが「6789012345」である場合を想定する。この場合、図7に示す会員証テーブルにおいて、会員証ID「0123456789」が「6789012345」に更新される。すなわち、会員証テーブルの内容が図7に示す内容から図15に示す内容に変わる。
【0174】
会員証IDが更新された場合、制御部11(第2送信部70)は、更新後の会員証IDを示すバーコード画像54Bをユーザ端末20の表示部28に表示するためのデータをユーザ端末20に送信する(S504)。
【0175】
例えば、制御部11は、更新後の会員証IDを示すバーコード画像54Bを生成し、該バーコード画像54Bを含む会員証画面50のデータ(例えばHTMLデータ)をユーザ端末20に送信する。この場合、ユーザ端末20の制御部21(表示制御部74)は、ポイント管理サーバ10から受信されたデータに基づいて、会員証画面50を表示部28に表示する。
【0176】
または、制御部11は、更新後の会員証IDを示すバーコード画像54Bを生成し、該バーコード画像54Bのデータをユーザ端末20に送信するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末20の制御部21(表示制御部74)は、ポイント管理サーバ10から受信されたデータに基づいて、バーコード画像54Bを含む会員証画面50を表示部28に表示する。
【0177】
あるいは、制御部11は、更新後の会員証IDを示すデータをユーザ端末20に送信するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末20の制御部21(表示制御部74)は、ポイント管理サーバ10から受信されたデータに基づいて、バーコード画像54Bを生成し、該バーコード画像54Bを含む会員証画面50を表示部28に表示する。」
H 「【0184】
なお、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0185】
[1]例えば、検出部62はポイント管理サーバ10の制御部11によって実現されるようにしてもよい。図16は、検出部62がポイント管理サーバ10の制御部11によって実現される場合のポイントシステム1の機能ブロック図を示す。
【0186】
図16に示す機能ブロック図では、第1送信部64A、第2受信部72、及び表示制御部74がユーザ端末20に含まれている。また、第1受信部66A、検出部62、更新部68、及び第2送信部70がポイント管理サーバ10に含まれている。検出部62、更新部68、第2送信部70、第2受信部72、及び表示制御部74の動作は基本的に図10と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0187】
第1送信部64Aは、上記「所定の事象」を検出部62が検出するために必要なデータをポイント管理サーバ10に送信し、第1受信部66Aは該データを受信する。この場合、検出部62は、第1受信部66Aによって受信されたデータに基づいて、上記「所定の事象」を検出する。
【0188】
例えば、先述の[例A-1]の場合、バーコード画像54Bが表示部28に表示されている間において経過した時間を示すデータが第1送信部64Aによって送信される。また、このデータに基づいて、検出部62は、バーコード画像54Bが表示されている状態が基準時間にわたって継続したか否かを判定する。そして、上記の経過時間が基準時間に達したと判定された場合に、会員証IDを更新すると決定され、更新部68は会員証IDを更新する。」
I 「【0203】
[3]例えば、本発明は、ポイントサービスを提供するポイントシステム1以外のシステムにも適用することが可能である。本発明は、識別情報を示すバーコード画像がユーザ端末の表示部に表示されるようなシステムに適用することが可能である。」
J 「【図1】
[図:0001400318000001.jpg]
」
K 「【図5】
[図:0001400318000002.jpg]
」
L 「【図10】
[図:0001400318000003.jpg]
」
M 「【図11】
[図:0001400318000004.jpg]
」
N 「【図14】
[図:0001400318000005.jpg]
」
O 「【図16】
[図:0001400318000006.jpg]
」

(イ)引用発明

A 上記(ア)Dの段落【0083】の「図10は、ポイントシステム1(識別情報管理システム)で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。」との記載と、上記(ア)Hの段落【0184】~【0186】の「なお、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。・・・例えば、検出部62はポイント管理サーバ10の制御部11によって実現されるようにしてもよい。図16は、検出部62がポイント管理サーバ10の制御部11によって実現される場合のポイントシステム1の機能ブロック図を示す。・・・図16に示す機能ブロック図では、第1送信部64A、第2受信部72、及び表示制御部74がユーザ端末20に含まれている。また、第1受信部66A、検出部62、更新部68、及び第2送信部70がポイント管理サーバ10に含まれている。検出部62、更新部68、第2送信部70、第2受信部72、及び表示制御部74の動作は基本的に図10と同様であるため、ここでは説明を省略する。」との記載からすると、図10の実施例は、図16に示されるように、“検出部62はポイント管理サーバ10の制御部11によって実現されるようにしてもよい”ものであるところ、以下では、図16に示される実施例から引用発明を認定することとし、図10の実施例と図16の実施例に共通する部分であるために、図10の実施例についての説明のみ記載されていて、図16の実施例についての説明が省略されている部分については、図10の実施例の記載を用いて引用発明を認定することとする。

B 上記(ア)Aの段落【0032】には、“ポイント管理サーバ10、データベース15、ユーザ端末20、及び店舗端末30を含む識別情報管理システム”が記載されている。

C 上記(ア)Aの段落【0034】には、「ポイント管理サーバ10は制御部11、記憶部12、光ディスクドライブ部13、及び通信部14を含」むことが記載されている。

D 上記(ア)Aの段落【0035】には、「制御部11は例えば1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部12に記憶されたオペレーティングシステム又はプログラムに従って処理を実行する」ことが、また、上記(ア)Dの段落【0084】には、図10の実施例に関して、「第1受信部66、更新部68、及び第2送信部70はポイント管理サーバ10の制御部11によって実現される」ことが記載されている。さらに、上記(ア)Hの【0185】には、図16の実施例に関して、“検出部62をポイント管理サーバ10の制御部11によって実現されるようにしてもよい”ことが記載されており、その場合、段落【0186】に記載されているように、「ポイント管理サーバ10」には、「第1受信部66A、検出部62、更新部68、及び第2送信部70が」「含まれている」ものである。

したがって、引用文献1には図16の実施例として、“制御部11は1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部12に記憶されたオペレーティングシステム又はプログラムに従って処理を実行するものであり、第1受信部66A、検出部62、更新部68、及び第2送信部70を実現するものであ”ることが記載されているといえる。

E 上記(ア)Dの段落【0087】には、「検出部62は、識別コード画像がユーザ端末20の表示部28に表示されている間に、該識別コード画像が他人によって取得されたおそれがあることを示す所定の事象を検出する」ことが記載されている。

F 上記(ア)Eの段落【0089】には、「更新部68は、検出部62の検出結果に基づいて、識別情報記憶部60に記憶される識別情報を更新する」ことが記載されている。

G 上記(ア)Aの段落【0038】には、「通信部14は通信ネットワーク2を介してデータ通信を行うためのものである」ことが記載されている。

H 上記(ア)Bの段落【0040】には、「ユーザ端末20は、ユーザによって使用される携帯型の情報処理装置である」ことが、また、段落【0041】には、「ユーザ端末20は制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、音声入力部25、撮影部26、動き検出部27、表示部28、及び音声出力部29を含む」ことが記載されている。

したがって、引用文献1には、“ユーザ端末20は、ユーザによって使用される携帯型の情報処理装置であって、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、音声入力部25、撮影部26、動き検出部27、表示部28、及び音声出力部29を含”むことが記載されている。

I 上記(ア)Bの段落【0041】には、「制御部21は例えば1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部22に記憶されたオペレーティングシステム又はプログラムに従って情報処理を実行する」ことが、さらに、上記(ア)Dの段落【0084】には、図10の実施例に関して「検出部62、第1送信部64、第2受信部72、及び表示制御部74はユーザ端末20の制御部21によって実現され」ることが記載されている。さらに、上記(ア)Hの段落【0185】、【0186】には、図16の実施例に関して、“ユーザ端末20には、第1送信部64A、第2受信部72、及び表示制御部74が含まれる”ことが記載されている。

してみると、引用文献1には図16の実施例に関して、“制御部21は1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部22に記憶されたオペレーティングシステム又はプログラムに従って情報処理を実行するものであり、第1送信部64A、第2受信部72、及び表示制御部74を実現するものであ”ることが記載されている。

J 上記(ア)Bの段落【0042】には、「通信部23は通信ネットワーク2を介して他の装置とデータ通信を行うためのものである」ことが記載されている。

K 上記(ア)Dの段落【0084】には、“データベース15は、識別情報記憶部60を実現するものであ”ることが記載されている。

また、上記(ア)Dの段落【0056】ないし【0058】及び図5(上記(ア)K)には、“データベース15には、ユーザ登録の際に、ユーザIDに関連づけて「パスワード」、「ユーザ名」、及び「メールアドレス」を記憶するためのユーザテーブルが記憶される”ことが記載されている。

L 上記(ア)Cの段落【0066】ないし【0069】には、“ユーザが会員証画面50を店舗端末30に提示すると、店舗端末30の制御部は、ユーザが提示した会員証画面50のバーコード画像54Bが示す会員証IDをポイント管理サーバ10に送信し、ポイント管理サーバ10の制御部11(認証処理実行手段)は、店舗端末30から受信された会員証IDの認証処理を実行するものであ”ることが記載されている。

M 上記(ア)Cの段落【0061】ないし【0065】及び【0090】には、“ユーザが、ユーザ端末20において会員証プログラムを起動し、ログイン画面40の入力欄42、44にユーザID及びパスワードを入力しログインボタン46をクリックすると、入力欄42、44に入力されたユーザID及びパスワードがポイント管理サーバ10に送信され、ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であるか否かが判定され、ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であると判定された場合には、会員証IDが新たに発行され、ログイン画面40で入力されたユーザIDと、新たに発行された会員証IDと、が関連づけてデータベース15に登録され、さらに、会員証IDが新たに発行されると、該会員証IDがユーザ端末20の記憶部22に保存され、ユーザ端末20の表示部28には、会員証画面50としてポイント残高52、新たに発行された会員証IDである会員証ID54A、会員証ID54Aを示す二次元バーコードであるバーコード画像54Bが表示されるものである”ことが記載されている。

N 上記(ア)Hの段落【0188】には、図16の実施例のものに関して、“バーコード画像54Bが表示部28に表示されている間において経過した時間を示すデータが第1送信部64Aによって送信され、このデータに基づいて、検出部62は、バーコード画像54Bが表示されている状態が基準時間にわたって継続したか否かを判定し、そして、上記の経過時間が基準時間に達したと判定された場合に、会員証IDを更新すると決定し、更新部68、すなわち制御部11が会員証IDを更新する”ことが記載されている。

そして、上記(ア)Gの段落【0170】ないし【0177】には、「検出部62」が「ユーザ端末20」側に設けられる図10の実施例において、制御部11が会員証IDを生成し、更新部68が会員証IDを更新する処理に関して、“制御部11は、予め定められた生成規則に基づいて、新しい会員証IDを生成し(S502)、制御部11(更新部68)は会員証テーブルにアクセスし、ステップS502で生成された新しい会員証IDに更新し(S503)、制御部11は、更新後の会員証IDを示すバーコード画像54Bのデータをユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20の制御部21(表示制御部74)は、ポイント管理サーバ10から受信されたデータに基づいて、バーコード画像54Bを含む会員証画面50を表示部28に表示する”ことが記載されている。ここで、図10の実施例のものと図16の実施例のものでは、「検出部62」が「ユーザ端末20」側にあるか「ポイント管理サーバ10」にあるかの違いしかないことから、図16の実施例のものにおいても、制御部11及び更新部68による「バーコード画像54B」の生成及び更新に関しては同様の処理がなされるものと認められる。

してみると、引用文献1には図16の実施例に関して、“バーコード画像54Bが表示部28に表示されている間において経過した時間を示すデータが第1送信部64Aによって送信され、このデータに基づいて、検出部62は、バーコード画像54Bが表示されている状態が基準時間にわたって継続したか否かを判定し、そして、上記の経過時間が基準時間に達したと判定された場合に、会員証IDを更新すると決定し、制御部11は、予め定められた生成規則に基づいて、新しい会員証IDを生成し(S502)、制御部11(更新部68)は会員証テーブルにアクセスし、ステップS502で生成された新しい会員証IDに更新し(S503)、制御部11は、更新後の会員証IDを示すバーコード画像54Bのデータをユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20の制御部21(表示制御部74)は、ポイント管理サーバ10から受信されたデータに基づいて、バーコード画像54Bを含む会員証画面50を表示部28に表示する”ことが記載されているといえる。

O 上記(ア)Iの段落【0203】には、“識別情報を示すバーコード画像がユーザ端末の表示部に表示されるようなシステムに適用することが可能である”ことが記載されている。

P 以上、上記AないしOにおいて検討した事項から、特に図16の実施例のものに注目すると、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「ポイント管理サーバ10、データベース15、ユーザ端末20、及び店舗端末30を含む識別情報管理システムにおいて、
ポイント管理サーバ10は制御部11、記憶部12、光ディスクドライブ部13、及び通信部14を含み、
制御部11は1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部12に記憶されたオペレーティングシステム又はプログラムに従って処理を実行するものであり、第1受信部66A、検出部62、更新部68、及び第2送信部70を実現するものであって、
検出部62は、識別コード画像がユーザ端末20の表示部28に表示されている間に、該識別コード画像が他人によって取得されたおそれがあることを示す所定の事象を検出するものであって、
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更新部68は、検出部62の検出結果に基づいて、識別情報記憶部60に記憶される識別情報を更新するものであって、
通信部14は、通信ネットワーク2を介してデータ通信を行うためのものであって、
ユーザ端末20は、ユーザによって使用される携帯型の情報処理装置であって、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、音声入力部25、撮影部26、動き検出部27、表示部28、及び音声出力部29を含み、
制御部21は1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部22に記憶されたオペレーティングシステム又はプログラムに従って情報処理を実行するものであり、第1送信部64A、第2受信部72、及び表示制御部74を実現するものであって、
通信部23は通信ネットワーク2を介して他の装置とデータ通信を行うためのものであって、
データベース15は、識別情報記憶部60を実現するものであって、また、ユーザ登録の際に、ユーザIDに関連づけて「パスワード」、「ユーザ名」、及び「メールアドレス」を記憶するためのユーザテーブルが記憶されるものであり、
ユーザが会員証画面50を店舗端末30に提示すると、店舗端末30の制御部は、ユーザが提示した会員証画面50のバーコード画像54Bが示す会員証IDをポイント管理サーバ10に送信し、ポイント管理サーバ10の制御部11(認証処理実行手段)は、店舗端末30から受信された会員証IDの認証処理を実行するものであって、
ユーザが、ユーザ端末20において会員証プログラムを起動し、ログイン画面40の入力欄42、44にユーザID及びパスワードを入力しログインボタン46をクリックすると、入力欄42、44に入力されたユーザID及びパスワードがポイント管理サーバ10に送信され、ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であるか否かが判定され、ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であると判定された場合には、会員証IDが新たに発行され、ログイン画面40で入力されたユーザIDと、新たに発行された会員証IDと、が関連づけてデータベース15に登録され、さらに、会員証IDが新たに発行されると、該会員証IDがユーザ端末20の記憶部22に保存され、ユーザ端末20の表示部28には、会員証画面50としてポイント残高52、新たに発行された会員証IDである会員証ID54A、会員証ID54Aを示す二次元バーコードであるバーコード画像54Bが表示されるものであって、
バーコード画像54Bが表示部28に表示されている間において経過した時間を示すデータが第1送信部64Aによって送信され、このデータに基づいて、検出部62は、バーコード画像54Bが表示されている状態が基準時間にわたって継続したか否かを判定し、そして、上記の経過時間が基準時間に達したと判定された場合に、会員証IDを更新すると決定し、制御部11は、予め定められた生成規則に基づいて、新しい会員証IDを生成し(S502)、制御部11(更新部68)は会員証テーブルにアクセスし、ステップS502で生成された新しい会員証IDに更新し(S503)、制御部11は、更新後の会員証IDを示すバーコード画像54Bのデータをユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20の制御部21(表示制御部74)は、ポイント管理サーバ10から受信されたデータに基づいて、バーコード画像54Bを含む会員証画面50を表示部28に表示するものであって、
識別情報を示すバーコード画像がユーザ端末の表示部に表示されるようなシステムに適用することが可能である、
識別情報管理システム。」

イ 引用文献2

(ア)引用文献2の記載事項

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本願の出願日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、原査定の理由において引用された、特許第6263764号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

A 「【0039】
<実施形態1>
実施形態1では、企業の社員(従業員)が、自社の社員食堂を利用するがごとくに、街中の飲食店を利用する場合を例に説明する。
【0040】
尚、実施形態では、食に関する福利厚生サービス、つまり、飲食店の利用を例に説明しているが、本発明は、他の福利厚生サービスにかかる店舗、例えば、スポーツジム、病院、宿泊施設などの利用においても適用でき、物を提供する店舗、例えば、スーパー、コンビニなどでの物の購入においても適用できる。更には、自動販売機からの物の購入においても適用できる。また、実施形態では企業が社員に提供する福利厚生サービスを例に説明するが、企業に限らず、営利非営利、法人格の有無を問わず、複数人で構成される団体(グループ)であればよく、この団体が構成員に対して所定のサービスを提供する場合に、本発明は適用できる。この団体とは、企業の他、例えば、組合、地方公共団体、財団、学校法人などでも良い。また、所定のポイントカードを発行、又は、管理している団体であっても良く、この場合、ポイントカードの所有者が団体の構成員に相当する。」
B 「【0053】
社員ログイン画面3110の例を、図16(a)に示す。社員ログイン画面3110には、ログイン情報3111の入力領域が表示されている。実施形態では、ログイン情報3111として、社員IDとパスワードとを入力する。社員200は、社員IDとパスワードとを入力し、ログインボタン3112を押下する。
【0054】
ログインすると、社員端末装置3000に、バーコード画像3001が表示された社員証明画面3120が表示される。社員証明画面3120の例を、図16(b)に示す。社員証明画面3120には、バーコード画像3001、及び、社員情報3121が表示されている。実施形態では、社員情報3121として、社員が所属する企業名と社員IDとが表示される。尚、社員証明画面3120を消す場合、社員200は、ログアウトボタン3122を押下する。」
C 「【0163】
ログイン情報3111を受信した管理サーバ装置1000の制御部1100は、メンバー情報記憶部1800に記憶されているメンバー情報テーブル1810を参照して、社員証明画面3120を表示するための表示データを作成する。詳細には、制御部1100は、受信した社員IDが社員ID1811として設定されているレコードに、受信したパスワードがパスワード1814として設定されている場合に、まず、バーコード画像3001を作成する。サーバのアドレス(管理サーバ装置1000内の支払処理を行うためのアプリケーションのアドレス)が「http://shashokusystem.com/discount/index」、社員ID等の情報を暗号化した文字列が「9da6ff4bc8c5abaa6b349a49eef153ac」である場合、制御部1100は、「http://shashokusystem.com/discount/index?key=9da6ff4bc8c5abaa6b349a49eef153ac」を符号化してバーコード画像3001を作成する。そして、登録企業情報テーブル1540(図6参照)を参照して企業名を読み出し、社員証明画面3120を表示するための表示データを作成する。そして、制御部1100は、作成した表示データを、社員端末装置3000に送信する。
【0164】
社員証明画面3120の表示データを受信した社員端末装置3000の社員証明情報表示部3300は、社員証明画面3120を表示する。」
D 「【図16】
[図:0001400318000007.jpg]
」

ウ 引用文献3

(ア)引用文献3の記載事項

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本願の出願日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、原査定の理由において引用された、特開2006-124148号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

A 「【0019】
バーコード管理部31は、所定のタイミング(例えば、1分間隔)で新たなバーコードを生成し、当該生成したバーコードを情報保管装置2に送信する。なお、バーコードは、情報保管装置2を識別するための情報保管装置IDを示すものである。すなわち、バーコード管理部31は、情報保管装置IDを所定のタイミングで変更し、変更後の情報保管装置IDのバーコードを生成する。また、バーコード管理部31は、後述する認証テーブル341のバーコード欄に生成したバーコードを設定する。」
B 「【0032】
図5はバーコード変更処理の処理フローである。管理サーバ3のバーコード管理部31および情報保管装置2のバーコード表示部21は、所定のタイミング(所定の時間間隔)で図5に示す処理を繰り返し行うものとする。
【0033】
まず、管理サーバ3のバーコード管理部31は、所定の方法により新たにバーコードを生成する(S51)。なお、バーコード管理部31は、前回のバーコード変更処理で生成したバーコードとは異なるバーコードを新たに生成するものとする。また、バーコードは、情報保管装置2を識別するための情報保管装置IDを示すものである。
【0034】
そして、バーコード管理部31は、生成したバーコードを記憶部34の認証テーブル341(図3参照)に記憶する(S52)。すなわち、バーコード管理部31は、認証テーブル341のバーコード301の欄に生成したバーコードを上書きし、更新する。そして、バーコード管理部31は、ネットワーク5を介して、生成したバーコードを含むバーコード変更指示を情報保管装置2に送信する(S53)。なお、バーコード管理部31は、所定の時間が経過した後、S51に戻りバーコードを生成する。
情報保管装置2のバーコード表示部21は、ネットワーク5を介して、所定のタイミングで管理サーバ3からバーコード変更指示を受け付ける。そして、バーコード表示部21は、バーコード変更指示に含まれるバーコードを情報保管装置2の出力装置905に表示する(S54)。すなわち、いままで出力装置904に表示されていたバーコードとは異なるバーコードが表示されることとなる。」
C 「【0061】
また、本実施形態では、所定のタイミングで情報保管装置2の出力装置に表示されるバーコード(情報保管装置ID)は次々に変更される。これにより、あらかじめ不正に取得したバーコードをコピーして、情報保管装置2にアクセスすることを防止することができる。」

エ 引用文献4

引用文献4の記載事項

本願の出願日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、前置報告において引用された、特開2007-47957号公報(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

A 「【発明の効果】
【0005】
本発明の認証システムにおいては、クレジットカード様カードのディスプレーに表示される二次元バーコード内の内容を認証に用いるので、スキミング等が不可能であり、安全である。さらに、本発明の認証システムにおいては、クレジットカード様カードに表示される二次元バーコードが所定時間毎に変更されるので、たとえ、その二次元バーコードが盗み撮りされたとしても、その二次元バーコードは過去のものとなっており、無効であり、盗用が不可能である。」
B 「【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の態様によるクレジットカード様カードおよびそれを用いた認証システムについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の態様によるクレジットカード様カードの平面図、図2は、図1に示したクレジットカード様カードの内部構成を示すブロック図である。
図1に示されているように、本クレジットカード様カード10は、その表面にディスプレー12を備えている。このディスプレー12は、バックライトが不要なものが望ましく、例えば、有機ELで形成されたいわゆる電子ペーパーディスプレーで構成されていることが好ましい。このディスプレー12のサイズは、縦10~15mm程度、横10~15mm程度であることが好ましい。その表示ドットは、例えば26×26が採用される。このディスプレー12には、所定時間毎に変更される二次元バーコードが表示される。
【0007】
この二次元バーコードの内容は、後に説明する認証サーバのURLと、認証の際に使用される携帯電話等の携帯端末の製品番号、企業番号等からなる固有ID、および複数の認証データを持つ認証情報とからなる。上記固有IDは、16~32桁の文字(後に説明する暗号化前)からなり、各認証データは、16~32桁の数字(後に説明する暗号化前)からなる。以下の説明では、簡単のため、固有IDが3桁の文字「ABC」であり、認証データが第1および第2認証データの2組の数字で、各認証データが3桁の数字であり、クレジットカード様カード10に最初に設定(記憶)される基本第1認証データが「001」で、基本第2認証データが「345」であるとして説明する。以上がディスプレー12に表示されるとすると、二次元バーコード14の内容は、となる。 本クレジットカード様カード10の表面には、上記ディスプレー12の他、通常のクレジットカードが備えているクレジットカード番号等が表示されていてもよい。
【0008】
次に、上記クレジットカード様カード10のディスプレー12に二次元バーコード14を表示するために必要な内部構成(回路構成)について以下説明する。
上記クレジットカード様カード10は、認証情報作成手段20を備えている。この認証情報作成手段20は、認証データ作成手段22および固有ID記憶手段24を備えている。上記認証データ作成手段22は、上記基本第1および基本第2認証データ「001」および「345」記憶しており、上記第1認証データと第2認証データに所定の係数(ここでは、「1」とする)を加える加算機能を備え、所定時間毎(例えば、5秒毎)に異なった認証データを作成するものである。具体的には、上記認証データ作成手段22には、タイマー26が接続されており、このタイマー26は、所定の時間毎(例えば、5秒毎)に認証データ作成指示信号を発生し、それを認証データ作成手段22に出力する。認証データ作成手段22は、認証データ作成指示信号を受けると、「001」である基本第1認証データと「345」である基本第2認証データにそれぞれ「1」を加算し、「002」である第1認証データと「346」である第2認証データを作成し、それを出力する。また、この認証データ作成手段22は、新たに作成された第1および第2認証データで前回のものを更新して記憶する機能も有しており、認証データ作成指示信号を受け取る毎に上記係数を前回作成した認証データに加算するものである。以上の認証データ作成手段22等は、マイコン(マイクロチップ)等で構成することができる。以下の手段も同様である。」
C 「【図1】
[図:0001400318000008.jpg]
」

オ 引用文献5

引用文献5の記載事項

本願の出願日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2015-219709号公報(以下、「引用文献5」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

A 「【0076】
また、図11のように個人に割り当てられた媒体Caに情報コード100を付し、その情報コード100にて、個人画像及びその個人が属する種別のデザインを表す例としては、学生証、社員証、免許証、住民基本台帳カードなどの身分証明書なども挙げられる。例えば、社員証に適用した場合、各個人に譲渡又は貸与される社員証の情報コード100内において、空き領域110に個人(当該社員証の対象者)の顔画像を表し、位置検出パターン104の中央の矩形領域を、例えばその個人の職制を示すデザイン(例えば、部長であれば、金色、課長であれば茶色等)によって表してもよい。或いは、運転免許証などに適用した場合、各個人に譲渡又は貸与される運転免許証の情報コード100内において、空き領域110に個人(当該社員証の対象者)の顔画像を表し、位置検出パターン104の中央の矩形領域を、例えばその個人の免許証種別を示すデザイン(例えば、原付限定であれば赤色、大型特殊可能であれば金色等)によって表してもよい。」
B 「【図11】
[図:0001400318000009.jpg]
」

カ 引用文献6

引用文献6の記載事項

本願の出願日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2006-228015号公報(以下、「引用文献6」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

A 「【0010】
HPデータ取得部103は、管理サーバーYから送信されるホームページデータをデータ送受信装置106を介して取得する。管理サーバーYから送信されるホームページデータには、所属証明装置Xの使用者に関する氏名、顔写真データ等の属性情報を表示する後述する学生証画面があり、このホームページデータを取得する場合にHPデータ取得部103は属性情報所得手段として機能する。
HPデータ記憶部104はHPデータ取得部103が取得したホームページデータを記憶する。HPデータ記憶部104も学生証画面を示すホームページデータを記憶する場合には、属性情報記憶手段として機能する。
HPデータ表示部105はHPデータ記憶部104が記憶するホームページデータを携帯電話の画面20に表示させる。HPデータ表示部105と画面20は学生証画面を示すホームページデータを表示する場合には、属性情報表示手段として機能する。
図3に属性情報を表示する学生証画面1000を示す。図に示すように学生証画面1000には、属性情報として、顔写真データ1001、氏名1002、生年月日1003、学生番号1004、発行年月日1005、有効年月日1006が示され、さらに、学校の管理者の証明1007が表示される。また、画面上には学校への連絡ための選択ボタン1008が表示され、このボタンを選択することで自動的に学校の事務局へ携帯電話として電話がかかるようになっている。さらに、学校での購買部で買い物をする際の決済に利用されるバーコード1009も表示されている。」
B 「【図3】
[図:0001400318000010.jpg]
」

(3)引用発明との対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「ユーザ端末20」は、「ユーザによって使用される携帯型の情報処理装置であ」るから、本件補正発明の「携帯端末」に相当する。

また、引用発明の「識別情報管理システム」では、「ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であると判定された場合」、「ユーザ端末20の表示部28」に「会員証画面50が表示」され、さらに、「店舗端末30」において「会員証画面50」を提示することで、「会員証IDの認証処理を実行」し、正当な会員であるか否かを判定するものであり、「会員証画面50」は、会員であることの証明書の機能を有するものといえる。一方、本件補正発明の「身分証明書」は、身分を証明する証明書といえる。

してみると、引用発明の「会員証画面50」と、本件補正発明の「身分証明書」とは、後記の点で相違するものの、“証明書”の点では共通し、さらに、引用発明の「識別情報管理システム」は、「会員証画面50」を表示するものであるから、“証明書を表示するシステム”といえる。また、本件補正発明の「身分証明書表示システム」も、「身分証明書」を表示するものであるから、“証明書を表示するシステム”といえる。

したがって、上記のとおり、引用発明と本件補正発明は、証明書を表示するシステムで共通するから、引用発明の「識別情報管理システム」と、本件補正発明の「携帯端末に身分証明書を表示させる身分証明書表示システム」とは、後記の点で相違するものの、“携帯端末に証明書を表示させる証明書表示システム”の点では共通する。

イ 引用発明の「ポイント管理サーバ10」は、「識別情報管理システム」を構成し「ユーザ端末20」と送受信を行うものである。一方、本件補正発明の「サーバ」も、「身分証明書表示システム」を構成し「携帯端末」と送受信を行うものであるから、引用発明の「ポイント管理サーバ10」と、本件補正発明の「サーバ」とは、“サーバ”であることで共通する。

また、引用発明の「ユーザID及びパスワード」は、「ユーザ登録の際」に記憶され、ログインの際に入力し正当であるかの判定に用いられるものであり、個人を識別する情報といえる。また、本願の段落【0022】には、「個人識別情報としては、所定の識別番号(ID)とパスワードなどを用いることができる。」と記載されている。したがって、引用発明の「ユーザID及びパスワード」は、本件補正発明の「個人識別情報」に相当する。

さらに、引用発明の「会員証ID」は、「ユーザID」と「関連づけてデータベース15に登録され」るものであって、「ユーザID」に対応する対応情報といえる。

してみると、引用発明の「会員証ID」と、本件補正発明の「個人識別情報に対応する身分情報」とは、後記の点で相違するものの、“個人識別情報に対応する対応情報”の点では共通する。

そして、引用発明は「ユーザが、ユーザ端末20において会員証プログラムを起動し、ログイン画面40の入力欄42、44にユーザID及びパスワードを入力しログインボタン46をクリックすると、入力欄42、44に入力されたユーザID及びパスワードがポイント管理サーバ10に送信され、・・・、会員証IDが新たに発行され、・・・、該会員証IDがユーザ端末20の記憶部22に保存され」るものであって、ここで、「ユーザ端末20」は、「会員証ID」を「記憶部22に保存」するためには、「ポイント管理サーバ10」から「会員証ID」を取得しているものと認められる。また、「ユーザID及びパスワード」の「ポイント管理サーバ10」への「送信」、及び、この「会員証ID」の「ポイント管理サーバ10」からの取得を、引用発明の「ユーザ端末20」の「通信部23」及び「制御部21」が行っていることは明らかである。

してみると、引用発明の「通信部23」及び「制御部21」と、本件補正発明の「個人識別情報をサーバへ送信し、前記サーバから個人識別情報に対応する身分情報を取得する身分情報取得部」とは、後記の点で相違するものの、“個人識別情報をサーバへ送信し、前記サーバから個人識別情報に対応する対応情報を取得する対応情報取得部”の点では共通する。

ウ 引用発明の「バーコード画像54B」は、「二次元バーコードである」から、本件補正発明の「多次元コード」に相当し、また、引用発明の「バーコード画像54Bのデータ」は、本件補正発明の「多次元コード情報」に相当する。

引用発明の「ユーザ端末20」は、ログインの際には、「表示部28」に、新たに発行された「会員証ID54Aを示す二次元バーコードであるバーコード画像54Bが表示さ」せるものである。また、会員証IDが更新された際には、「ユーザ端末20」の「制御部21(表示制御部74)」は、「ポイント管理サーバ10から受信された」「バーコード画像54B」の「データに基づいて、バーコード画像54Bを含む会員証画面50を表示部28に表示する」ものである。

そして、通常、ログインの際と会員証IDを更新された際で、「ユーザ端末20」におけるバーコード画像54B」の生成の仕方自体は共通するものであるから、「ユーザ端末20」の「制御部21(表示制御部74)」は、いずれの際にも、「ポイント管理サーバ10」から「バーコード画像54Bのデータ」を受信して、受信した「バーコード画像54Bのデータ」に基づいて「バーコード画像54B」を生成しているものと認められる。

してみると、引用発明の「ユーザ端末20」の「制御部21(表示制御部74)」は、本件補正発明の「前記サーバから前記個人識別情報に対応する多次元コード情報を取得する多次元コード取得部」に相当する。

エ 引用発明の「ユーザ端末20」の「制御部21(表示制御部74)」は、「基準時間」が継続される毎に、「ポイント管理サーバ10」の「制御部11」から「更新後の会員証IDを示すバーコード画像54B」のデータを受信し、「受信されたデータに基づいて、バーコード画像54Bを含む会員証画面50を表示部28に表示する」ものであり、また、「会員証画面50」には、「会員証ID54A」も含まれるものである。

してみると、引用発明の「ユーザ端末20」の「表示部28」は、会員証ID、及びバーコード画像54Bのデータにもとづくバーコード画像54Bを含む会員証においてバーコード画像54Bを一定のタイミングで刻々と変化させて表示しているといえる。

したがって、引用発明の「ユーザ端末20」の「表示部28」と、本件補正発明の「前記身分情報、及び前記多次元コード情報にもとづく多次元コードを含む身分証明書において前記多次元コードを1秒、5秒、10秒、1分、数分毎のタイミングで刻々と変化させて表示する身分証明書表示部」とは、後記の点で相違するものの、“前記対応情報、及び前記多次元コード情報にもとづく多次元コードを含む証明書において前記多次元コードを一定のタイミングで刻々と変化させて表示する証明書表示部”の点では共通する。

オ 引用発明の「ポイント管理サーバ10」には、「ユーザ端末20」の「ログイン画面40」の「入力欄42、44に入力されたユーザID及びパスワード」が送信され、「ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であるか否か」を「判定」するものであって、また、この判定を「ポイント管理サーバ10」の「制御部11」が行っているものと認められる。

してみると、上記イの点も踏まえると、引用発明の「ポイント管理サーバ10」の「制御部11」は、本件補正発明の「前記携帯端末から送信されてきた前記個人識別情報にもとづき認証処理を行う個人認証処理部」に相当する。

カ また、引用発明の「ポイント管理サーバ10」は、「ユーザID及びパスワードの組み合わせが正当であると判定された場合には、会員証ID」を「新たに発行」し、「ユーザ端末20」に送信するものであって、また、この処理を「ポイント管理サーバ10」の「制御部11」及び「通信部23」が行っているものと認められる。

してみると、上記イ、オの点も踏まえると、引用発明の「ポイント管理サーバ10」の「制御部11」及び「通信部23」と、本件補正発明の「前記個人認証処理部による認証結果が認証成功である場合、前記個人識別情報に対応する前記身分情報を前記携帯端末に送信する身分情報送信部」とは、後記の点で相違するものの、“前記個人認証処理部による認証結果が認証成功である場合、前記個人識別情報に対応する前記対応情報を前記携帯端末に送信する対応情報送信部”の点で共通する。

キ 引用発明の「ポイント管理サーバ10」の「検出部62」は、バーコード画像54Bが表示されている状態が基準時間にわたって継続したか否かを判定し、上記の経過時間が基準時間に達したと判定された場合、すなわち、「基準時間」毎に、会員証IDを更新すると決定し、「制御部11」は、予め定められた生成規則に基づいて、新しい会員証IDを生成し(S502)、「制御部11(更新部68)」は会員証テーブルにアクセスし、ステップS502で生成された新しい会員証IDに更新し(S503)、「制御部11」は、更新後の会員証IDを示すバーコード画像54Bのデータをユーザ端末20に送信するものであるから、上記ウ、エの点も踏まえると、引用発明の「ポイント管理サーバ10」の「検出部62」、及び「制御部11」は、本件補正発明の「前記個人識別情報に対応する前記多次元コード情報を一定のタイミング毎に生成して、前記携帯端末に送信する多次元コード生成部」に相当する。

したがって、本件補正発明と引用発明とを対比すると、両者は、以下の点で一致し、また、相違している。

<一致点>

「携帯端末に証明書を表示させる証明書表示システムであって、
個人識別情報をサーバへ送信し、前記サーバから個人識別情報に対応する対応情報を取得する対応情報取得部、
前記サーバから前記個人識別情報に対応する多次元コード情報を取得する多次元コード取得部、並びに、
前記対応情報、及び前記多次元コード情報にもとづく多次元コードを含む証明書において前記多次元コードを一定のタイミングで刻々と変化させて表示する証明書表示部、
を有する携帯端末と、
前記携帯端末から送信されてきた前記個人識別情報にもとづき認証処理を行う個人認証処理部、
前記個人認証処理部による認証結果が認証成功である場合、前記個人識別情報に対応する前記対応情報を前記携帯端末に送信する対応情報送信部、及び、
前記個人識別情報に対応する前記多次元コード情報を一定のタイミング毎に生成して、前記携帯端末に送信する多次元コード生成部、
を有するサーバと、を備えた
証明書表示システム。」

<相違点1>

本件補正発明では、「多次元コード」を含む「証明書」が、「身分証明書」であって、「対応情報」が「身分情報」であるのに対して、引用発明では、「証明書」が「会員証」であって、「対応情報」が「会員証ID」である点。

<相違点2>

「身分証明書表示部」の「一定のタイミング」が、本件補正発明では、「1秒、5秒、10秒、1分、数分毎のタイミング」であるのに対して、引用発明では、「基準時間」毎である点。

(4)判断

上記各相違点について検討する。

<相違点1>について

引用発明は、「識別情報を示すバーコード画像がユーザ端末の表示部に表示されるようなシステムに適用することが可能なもの」であるから、引用発明は、識別情報を示すバーコードを含む会員証以外の証明書の画像を端末に表示するシステムに転用可能なものと認められる。

そして、引用文献2、6(上記(2)イ、カ)の記載を参照。)に記載されるように、識別情報を示すバーコードを含む証明書を端末に表示するシステムとして、社員証や学生証などの身分証明書を表示するシステムは、周知なものであって、また、社員証や学生証などの身分証明書おいては、識別情報に加え、氏名、組織名などの身分情報が一緒に表示されるものである(必要であれば、引用文献2、5、6(上記(2)イ、オ、カ)等参照)。

してみれば、引用発明の「識別情報管理システム」を識別情報を示すバーコード画像を含む身分証明書の画像を表示するシステムに転用し、その際、氏名、組織名等の身分情報も併せて表示するようにすることで、上記相違点1の構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである。

<相違点2>について

引用発明においては、「基準時間」が具体的にどの程度の時間であるかは明記されていないが、引用文献1における、図10に記載される「検出部62」が「ユーザ端末20」に設けられる実施例においては、「基準時間」を1/60秒ごとにカウントされる「変数ta」の積算値を基に判断することが記載されており(上記(2)アF参照)、「基準時間」が1時間を超えるような長い時間ではなく、せいぜい数分毎、数十分毎を想定しているものと考えられ、引用文献1における図10に記載される「検出部62」が「ポイント管理サーバ10」に設けられる引用発明に対応するものにおいても、「基準時間」は同程度の時間を想定しているものと考えられる。

してみると、引用発明において「基準時間」を数分とすることで、上記相違点2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

また、引用文献3、4(上記(2)ウ、エ)に記載されるように、表示されているコードが他人によって取得されないように、コードの表示を一定のタイミングで変化させる時間を5秒、1分程度とすることは周知技術に過ぎない。

したがって、引用発明における「基準時間」に該周知の技術を適用して、5秒、1分とすることも、当業者が容易に想到し得たことである。

したがって、本件補正発明は、引用発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

よって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

(5)結語

以上検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

令和4年11月14日付けの手続補正(本件補正)は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし9に係る発明は、令和4年4月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は上記第2の1(2)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由の概要

(進歩性)この出願の請求項1-9に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物A-Fに記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

A 特開2013-250818号公報

B 特許第6263764号公報

C 特開2006-124148号公報

D 特表2016-536702号公報

E 米国特許出願公開第2015/0046336号明細書

F 米国特許出願公開第2012/0203697号明細書

3 引用文献、引用発明

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献Aの記載事項、引用発明、引用文献B、Cの記載事項、及び引用文献4-6の記載事項は、上記「第2.」

の[理由]の「2.(2)」に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は、上記第2の2で検討した本件補正発明の発明特定事項である具体的な時間に関して限定した「1秒、5秒、10秒、1分、数分毎のタイミングで」を省いたものである。

そうすると、本願発明と引用発明は、上記相違点1で相違し、相違点1は、上記第2の2(4)で相違点1について説示したのと同様の理由で当業者が容易になし得たことである。

したがって、本願発明は、引用発明、及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は引用文献Aに記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-018290

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