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特許拒絶査定不服審判

2022-016326

マッサージ機

審判番号
2022-016326
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-013930外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年10月12日
審決日
2024年01月11日
公報発行日
2024年03月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A61H)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022- 13930「マッサージ機」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 4月12日出願公開、特開2022- 58808〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成27年 1月31日(優先権主張 平成26年10月24日)の出願である特願2015-18015号の一部を令和 1年 5月15日に新たな特許出願とした特願2019-91776号の一部を令和 3年 2月 4日に新たな特許出願とした特願2021-16252号の一部を令和 4年 2月 1日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。

令和 4年 3月18日提出:手続補正書
令和 4年 4月19日付け:拒絶理由通知
令和 4年 6月 2日提出:意見書及び手続補正書
令和 4年 7月 5日付け:拒絶査定
令和 4年10月12日提出:審判請求書
令和 5年 3月 2日付け:拒絶理由通知
令和 5年 5月 8日提出:意見書及び手続補正書
令和 5年 6月28日付け:拒絶理由通知
令和 5年 9月27日提出:意見書及び手続補正書

第2 本願発明

本願の各請求項に係る発明は、令和 5年 9月27日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】
左右で対をなす施療子を有するマッサージ機構が、身長方向に沿って複数設けられたマッサージ機において、
使用者の上半身を支持する背凭れ部と、使用者が着座する座部と、を有し、
前記マッサージ機構は、前記背凭れ部に設けられる第1マッサージ機構と、前記座部に設けられる第2マッサージ機構と、で構成されており、
続きを表示(全24行)
前記第1及び第2マッサージ機構の動作を制御する制御手段を更に有し、
前記第1マッサージ機構は、
先端に施療子が取り付けられた第1アームと、
前記第1アームが取り付けられた第1駆動軸と、
前記第1駆動軸を駆動してマッサージを行わせる第1駆動機構と、
前記第1マッサージ機構を前記背凭れ部に沿って移動させるための第1モータと、を有し、
前記第1アームは、前記第1駆動軸を起点として前方に向かって一方向に伸びており、
前記第2マッサージ機構は、
先端に左右方向に複数の施療子が取り付けられた第2アームと、
第2駆動軸と、
前記第2駆動軸を駆動してマッサージを行わせる第2駆動機構と、
前記第2駆動軸の軸心に対して偏心した偏心部材と、
前記第2アームが前記第2駆動軸回りに回転するのを規制する連結部と、
前記第2駆動機構を支持する支持フレームと、
前記第2マッサージ機構を前記座部に沿って移動させるための第2モータと、で構成されており、
前記第2アームは、
前記偏心部材を介して前記第2駆動軸に対して取り付けられ、
前記連結部によって前記第2駆動軸回りの回転が規制され、かつ、前記偏心部材の回転に伴って前記施療子を使用者に対して進退させ、
前記第2駆動軸を起点として二股に分かれた形状をなしており、
前記制御手段は、前記第1マッサージ機構で使用者の上半身をマッサージしながら、前記第2マッサージ機構で使用者の臀部をマッサージしつつ、前記第1マッサージ機構と前記第2マッサージ機構とを互いに接近する方向に移動させることを特徴とするマッサージ機。」

第3 拒絶の理由

令和 5年 6月28日付けで当審が通知した拒絶理由のうち理由2は、概略、次の理由を含むものである。

理由2.本願発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載の事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1.特開2014-8289号公報

引用文献2.特開2006-26305号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1について

(1)引用文献1には、図面と共に以下の事項が記載されている(なお、下線部は当審で付与したものである。以下同様。)。

ア 「【0037】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機を前記図1ないし図14に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、着座した被施療者を支える椅子状とされ、施療子としての揉み玉51とその駆動機構部60を有して、背もたれ部13の内部で上下方向に移動可能とされる施療機構としての複数のメカユニット50、60を備える構成である。
【0038】
この本実施形態に係るマッサージ機1の全体の構造は、床面上に載置されてマッサージ機全体を安定的に支持する基台部11と、この基台部11の上方で被施療者の臀部を支える座部12と、この座部12の後側で被施療者の背中を支える背もたれ部13と、座部12の左右両側で被施療者の肘や前腕部を支える肘掛部14と、座部12の前側で被施療者の脚を支える脚支持部15と、揉み玉51及び駆動機構部70を有して背もたれ部内部で上下動可能とされるメカユニット50、60と、マッサージ動作に係る各種操作入力を受付けるリモコン30と、駆動機構部70の傾動及び上下移動を制御すると共に、揉み玉51をはじめとする施療機構によるマッサージ動作を操作入力や記録情報等の内容に基づいて制御する制御部40とを備える構成である。」
イ 「【0040】
前記背もたれ部13は、人の背中形状に合せた表面形状とされて前記基台部11及び座部12に対し傾斜角度を調整可能として配設され、その内部に、マッサージを実行する施療機構を備える構成である。
背もたれ部13内部には、施療子としての左右一対の揉み玉51(61)とこれを動作させる駆動機構部70が一体となったメカユニット50、60と、このメカユニット50、60を背もたれ部13上下方向に移動可能に支持しつつ、背もたれ部の各部を内部から支える枠状の背もたれ部フレーム13aと、前記エアポンプ80による空気の給排で動作する背中用エアセル83及び腰用エアセル84とがそれぞれ配設される構成である。このうちメカユニット50、60、背中用エアセル83、及び腰用エアセル84が、それぞれマッサージを実行する施療機構をなす。」
ウ 「【0043】
前記メカユニット50、60のうち、上側のメカユニット50は、揉み、叩き等の刺激を被施療者に与える施療子としての左右一対の揉み玉51と、これら揉み玉51をそれぞれ突出状態で支持する左右一対の揉み玉支持アーム52と、この揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、背もたれ部上下方向に直交する軸線を中心として駆動機構部70を傾動可能に支持するベース部53とを備える構成である。
また、下側のメカユニット60は、上側同様に、揉み玉61と、揉み玉支持アーム62と、駆動機構部70と、ベース部63とを備える構成であり、詳細な説明を省略する。
【0044】
前記駆動機構部70は、制御部40の制御に基づいて揉み玉51に揉み動作を行わせるための駆動力を発生させる揉みモータ72と、制御部40の制御に基づいて揉み玉51(61)に叩き動作を行わせるための駆動力を発生させる叩きモータ74と、各モータからの運動を揉み玉支持アーム52(62)を介して揉み玉51(61)に伝達する揉み機構及び叩き機構(図示を省略)とを備える、公知のマッサージ機に用いられるものと同様の機構であり、詳細な説明を省略する。
【0045】
前記ベース部53は、駆動機構部70を傾動可能に支持するものであり、この他、制御部40の制御に基づいて、メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ57と、駆動機構部70を傾動させて揉み玉51を被施療者に対し進退させ、施療の強さを調整する進退モータ58とを備える構成である。同様に、下側のメカユニット60のベース部63も、駆動機構部70を傾動可能に支持するものであり、昇降モータ67と、進退モータ68とを備える構成である。」
エ 「【0073】
施療動作については、制御部40で二つのメカユニット50、60を協動状態として同時に作動させ、それぞれ揉み玉51、61にマッサージに係る動きを行わせて、これら揉み玉51、61の押圧する身体背部の所定箇所に刺激を与える動作が主となる。
【0074】
例えば、制御部40で二つのメカユニット50、60を共に上昇移動させながら、進行方向前方側、すなわち上側のメカユニット50における揉み玉51が被施療者の身体背面部の通過領域に対し予備的施療動作として、「さすり」の動作、すなわち、駆動機構部70で生じさせる揉み玉51の揉み動作のうち被施療者側へ突出する動きの成分のみを、駆動機構部70の逆方向(後退側)への同程度の傾動動作でキャンセルして、揉み玉51から被施療者の身体に強い押圧力を加えずに揉み玉を身体表面に沿わせて上下や左右へ動かす施療動作、を実行し、続いて、進行方向後方側、すなわち下側のメカユニット60における揉み玉61が予備的施療動作のなされた同じ箇所に、主施療動作としての揉み動作を実行するような施療を行わせることができる(図5参照)。」
オ 「【0076】
こうした施療は、上方向だけでなく、下方向についても同様に適用でき、その場合、制御部40で二つのメカユニット50、60を共に下降移動させながら、進行方向前方側、すなわち下側のメカユニット60における揉み玉61が被施療者の身体背面部の通過領域に対し予備的施療動作としてのさすり動作を実行し、進行方向後方側、すなわち上側のメカユニット50における揉み玉51が予備的施療動作のなされた同じ箇所に、主施療動作としての揉み動作を実行するような施療を行わせることとなる。」
カ 「【0078】
この他、二つのメカユニット50、60を協動状態として同時に作動させる施療の別の例として、制御部40が、あらかじめ設定された施療基準位置(例えば、心臓付近)を中心として、上側のメカユニット50を上昇移動させ、上向きに移動する揉み玉51を心臓から離隔させ、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行していくと共に、下側のメカユニット60を下降移動させ、下向きに移動する揉み玉61を心臓から離隔させ、被施療者の身体背面部における通過領域に対し、前記同様の連続する施療動作を実行する施療を行わせることもできる(図6参照)。」
キ 「【0081】
また、これとは逆に、制御部40が、あらかじめ設定された施療基準位置としての心臓に向けて、下側のメカユニット60を上昇移動させて心臓に近付けつつ、上向きに移動する揉み玉61が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行すると共に、上側のメカユニット50を下降移動させて心臓に近付けつつ、下向きに移動する揉み玉51が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行する施療を行わせることもできる(図7参照)。」
ク 「【0111】
また、前記実施形態に係るマッサージ機においては、上下の各メカユニット50、60における各駆動機構部70から揉み玉51、61にそれぞれ動きを伝える揉み玉支持アーム52、62には、揉み玉51、61を一つずつ取付ける構成としているが、これに限らず、図16に示すように、揉み玉支持アーム59、69を駆動機構部70側のアーム基端部から二方向に分岐突出する形状とすると共に、揉み玉支持アーム59、69の突出した各先端部にそれぞれ揉み玉51、61を取付けるようにして、一つの揉み玉支持アームに揉み玉を二つ配設する構成とすることもでき、駆動機構部70で一体に駆動される支持アーム59、69上の二つの揉み玉がそれぞれ身体に接して施療を行う状態が、上下のメカユニット50、60でそれぞれ実現することで、身体のより多くの箇所に、上下のメカユニット50、60の協動による効率的な施療を行うことができる。
【0112】
また、前記実施形態に係るマッサージ機において、上下の各メカユニット50、60は、背もたれ部13に内蔵されたガイドフレーム20の存在する上下方向の範囲内で移動可能とされる構成としているが、これに限らず、メカユニットが座部にも移動して、被施療者の臀部から大腿部にかけての部位も施療を行える構成とすることもできる。例えば、座部内にガイドレールが配設され、背もたれ部と座部との角度が、背もたれ部のガイドレールと座部のガイドレールが適切に連続してメカユニットが背もたれ部と座部のガイドレール間をスムーズに移行できる角度範囲にある場合に、メカユニットを背もたれ部から座部、又はその逆に移動させるようにしてもよい。
【0113】
この場合、メカユニットは、そのベース部の側端部において、背もたれ部の場合と同様、座部のガイドレールで走行移動可能に支持され、ガイドレールに沿って身体縦方向に移動することとなる。これにより、被施療者の背中から臀部、大腿部にかけての広い領域を施療子としての揉み玉で連続的にマッサージできる。また、座部を含むメカユニットの移動可能範囲で、複数のメカユニットの動作を協動させることで、被施療者の臀部から大腿部にかけての部位についても、臀部や腰部、背中の場合と同様に、それぞれの揉み玉を個別に用いた場合では実現できない特別なマッサージを行うことができる。」
ケ 「【0134】
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機を前記図20ないし図22に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、前記第1の実施形態同様、背もたれ部13の内部で身体縦方向に移動可能とされる複数のメカユニット50、60を備える一方、異なる点として、一方のメカユニットの施療子として、揉み玉に代えて、被施療者の身体を押圧する押圧面の面積を大きくして形成される押圧板65が配設される構成を有するものである。
【0135】
前記メカユニット50、60のうち、下側のメカユニット60は、被施療者を押圧可能な施療子としての左右一対の押圧板65と、この押圧板65を突出状態で支持する左右一対の支持アーム66と、この支持アーム66を介して押圧板65をあらかじめ設定された移動の動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、背もたれ部上下方向に直交する軸線を中心として駆動機構部70を傾動可能に支持するベース部63とを備える構成である。
【0136】
なお、上側のメカユニット50は、前記第1の実施形態と同様に、施療子としての左右一対の揉み玉51と、揉み玉支持アーム52と、駆動機構部70と、ベース部53とを備える構成であり、詳細な説明を省略する。」
コ 「【図1】
[図:0001407284000001.jpg]
」
サ 「【図2】
[図:0001407284000002.jpg]
」
シ 「【図3】
[図:0001407284000003.jpg]
」
ス 「【図7】
[図:0001407284000004.jpg]
」
セ 「【図16】
[図:0001407284000005.jpg]
」
ソ 「【図22】
[図:0001407284000006.jpg]
」

(2)上記(1)の記載及び図示内容から、引用文献1には次の事項が記載されている。

ア 段落【0037】、【0038】(上記(1)ア)の記載及び段落【0040】(上記(1)イ)の記載から、引用文献1には、マッサージ機1が、左右一対の揉み玉51、61を有して、背もたれ部13の内部で上下方向に移動可能とされる複数のメカユニット50、60を備えることが記載されている。

イ 段落【0038】(上記(1)ア)の記載及び図2(上記(1)サ)から、マッサージ機1は、メカユニット50、60の駆動機構部70の傾動及び上下移動を制御すると共に、施療機構によるマッサージ動作を制御する制御部40を有している。

ウ 段落【0043】~【0045】(上記(1)ウ)の記載から、メカユニット50は、揉み玉51を突出状態で支持する揉み玉支持アーム52と、この揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ57と、を有している。また、図1(上記(1)コ)及び図7(上記(1)ス)から、揉み玉支持アーム52は、前方に向かって一方向に伸びていることが看て取れる。

エ 段落【0043】(上記(1)ウ)には、下側のメカユニット60は、上側のメカユニット50と同様の構成を有していることが記載されていることから、メカユニット60は、揉み玉61を突出状態で支持する揉み玉支持アーム62と、この揉み玉支持アーム62を介して揉み玉61を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、駆動機構部70を支持するベース部63と、メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ67と、で構成されている。また、揉み玉支持アーム62は、揉み玉61を被施療者に対して揉み、叩き等のマッサージ動作を行わせるものである。

オ 段落【0045】(上記(1)ウ)の記載から、揉み玉61を被施療者に対して進退させるように構成されており、上記のとおり、揉み玉支持アーム62は揉み玉61を支持するものなので、揉み玉支持アーム62は、揉み玉61を被施療者に対して進退させるように取り付けられている。

カ 段落【0081】(上記(1)キ)の記載から、制御部40は、下側のメカユニット60を上昇移動させて、上向きに移動する揉み玉61が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行すると共に、上側のメカユニット50を下降移動させて、下向きに移動する揉み玉51が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行する施療を行う。

(3)上記(1)の記載及び(2)の事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「左右一対の揉み玉51、61を有して、背もたれ部13の内部で上下方向に移動可能とされる複数のメカユニット50、60を備えるマッサージ機1において、
被施療者の背中を支える背もたれ部13と、被施療者の臀部を支える座部12と、を有し、
前記メカユニット50、60の駆動機構部70の傾動及び上下移動を制御すると共に、施療機構によるマッサージ動作を制御する制御部40を更に有し、
前記メカユニット50は、
続きを表示(全16行)
揉み玉51を突出状態で支持する揉み玉支持アーム52と、
この揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、
メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ57と、を有し、
前記揉み玉支持アーム52は、前方に向かって一方向に伸びており、
前記メカユニット60は、
揉み玉61を突出状態で支持する揉み玉支持アーム62と、
この揉み玉支持アーム62を介して揉み玉61を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、
前記駆動機構部70を支持するベース部63と、
メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ67と、で構成されており、
前記揉み玉支持アーム62は、
前記揉み玉61を被施療者に対して揉み、叩き等のマッサージ動作を行わせ、
前記制御部40は、メカユニット60を上昇移動させて、上向きに移動する揉み玉61が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行すると共に、メカユニット50を下降移動させて、下向きに移動する揉み玉51が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行する施療を行うマッサージ機1。」

2 引用文献2について

(1)引用文献2には、図面と共に以下の事項が記載されている。

ア 「【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1~図4は、本発明の第1実施形態を示している。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態にかかるマッサージ装置1は、揉み玉2と、この揉み玉2を支持する支持アーム3と、この支持アーム3を駆動することで前記揉み玉2を動かして使用者の患部にマッサージを施すマッサージ駆動部4とを有している。前記支持アーム3は左右一対に配置されて、支持アーム3の両端部にそれぞれ揉み玉2,2が備えられている。前記マッサージ駆動部4を駆動させることにより、該支持アーム3が駆動されて、揉み玉2が左右方向に近接離反したり、前後方向に出退したりして、使用者の患部に対して揉み動作やたたき動作を行うことができるようになっている。」
イ 「【0012】
詳しくは、本マッサージ装置1は、装置全体を支持する支持フレーム6を有しており、この支持フレーム6上に前述のマッサージ駆動部4が設けられるものとなっている。
支持フレーム6の左右両側には、所定の間隔をおいて一対の支持ブラケット7,7が突設されている。この一対の支持ブラケット7,7間には、左右方向を向く第1回転軸8が、その両端を軸受け9,9を介して回転自在に支承されている。
この第1回転軸8の軸方向中途部には、この回転軸8に対して傾斜したカム面(図示せず)を有する左右一対のカム部材10,10が設けられている。このカム部材10は、キー等を介して第1回転軸8に相対回転不能に固定されており、その外周面にカム面が形成されている。左右のカム部材10の各カム面は、互いに逆向きに傾斜するように配置されている。
続きを表示(全18行)
【0013】
前記カム面に、リング形状を有するボス部材11の内壁がベアリングを介して摺動自在に嵌り込むことで、ボス部材11はカム部材10に相対回転自在に外嵌するようになっている。
このボス部材11から上下方向に、2又形状の支持アーム3が斜めに傾斜した状態で設けられている。支持アーム3の一方側のアーム3aはボス部材11から前上がりとなっており、他方側のアーム3bはボス部材11から前下がりとなっている。かかる支持アーム3の両先端部(上下先端部)には、患部を押圧する揉み玉2,2がそれぞれ取り付けられている。
【0014】
該揉み玉2は略円柱状に形成されていて、その軸芯方向が水平になるように左右支持アーム3の対向面側にそれぞれ取り付けられている。加えて、揉み玉2の外周中央部に沿うようにプラスチック等で形成された環状体12が嵌め込まれており、この環状体12が使用者の患部(例えば背中)に対して個別に当接し、マッサージを行う。
図1や図2からわかるように、本マッサージ装置1は左右一対に設けられた支持アーム3,3の上下先端部に揉み玉2,2が設けられた、4つ玉式マッサージ装置である。
ボス部材11の下部には、ピン形状の係合部材13が下方突出状態で設けられており、一方、支持フレーム6側には左右方向に長く且つ上方に開放された溝14を有する筒形状の振れ止め部材15が設けられている。前記係合部材13は振れ止め部材15の溝14に上方から挿入されて、振れ止め部材15に係合している。
【0015】
支持フレーム6の正面ほぼ中央部には減速機16Aが立設されており、この減速機16Aに第1回転軸8の軸方向中央部が貫通している。減速機16Aは、ギヤケースと、ギヤケース内で第1回転軸8を回転自在に支持するベアリングと、第1回転軸8に固定されたウォームホイールとこのウォームホイールに噛合するウォームギアとからなるギヤ機構(図示せず)とを有し、前記減速機16Aの上方に取り付けられた正逆転自在な電動モータ17Aの出力軸が前記ウォームギアに接続されている。
従って、電動モータ17Aを作動させると、減速機16Aを介して第1回転軸8が回転する。第1回転軸8が回転すると、カム部材10とそれに外嵌するボス部材11とが回転しようとするが、ボス部材11の係合部材13が振れ止め部材15に入り込んでいるためその回動が規制され、ボス部材11は第1回転軸8に連れ回り不能となる。そのため、当該ボス部材11は第1回転軸8と一体回転するカム部材10のカム面に沿って左右方向に揺動し、左右一対の支持アーム3も同様に揺動する。これによって、それぞれの支持アーム3に取り付けられている2つの揉み玉2,2が互いに逆方向に揺動する。
【0016】
この動作からわかるように、前記振れ止め部材15の溝14の幅は、揉み玉2が離反状態から近接状態に至るまで係合部材13の移動する範囲と対応するものとなっている。
前記揉み玉2の揺動態様は、左右支持アーム3の上先端部に取り付けた揉み玉2,2同士が互いに接近したときに、下先端部に取り付けた揉み玉2,2同士が離反し、逆に、上先端部に取り付けた揉み玉2,2同士が離反したときに、下先端部に取り付けた揉み玉2,2同士が接近するといった「うねり動作」となる。
これによって、左右に対応する各2つの揉み玉2,2の間で人体を挟みつけるような揉みマッサージが行われるようになっている。」
ウ 「【図1】
[図:0001407284000007.jpg]
」
エ 「【図2】
[図:0001407284000008.jpg]
」

(2)上記(1)の記載及び図示内容から、引用文献2には次の事項が記載されている。

ア 段落【0010】(上記(1)ア)及び【0012】~【0014】(上記(1)イ)の記載から、マッサージ装置1は、先端部に揉み玉2が設けられた支持アーム3と、第1回転軸8と、揉み玉2を動かして使用者の患部にマッサージを施すマッサージ駆動部4と、前記第1回転軸8に対して傾斜したカム面を有するカム部材10と、マッサージ駆動部4が設けられる支持フレーム6と、を含むものである。

また、段落【0015】(上記(1)イ)には、第1回転軸8が回転すると、支持アーム3が揺動し、これによって、支持アーム3に取り付けられている揉み玉2が揺動することが記載されていることを踏まえれば、揉み玉2を動かして使用者の患部にマッサージを施すマッサージ駆動部4は、第1回転軸8を回転させてマッサージを施すものである。

イ 段落【0012】~【0015】(上記(1)イ)には、ボス部材11に設けられた係合部材13が、支持フレーム6に設けられた振れ止め部材15に係合することで、ボス部材11が第1回転軸8に連れ回り不能となることが記載されている。そして、支持アーム3はボス部材11に設けられることが記載されているので、マッサージ装置1は、支持アーム3が第1回転軸8に連れ回り不能となる係合部材13及び該係合部材13が係合する振れ止め部材15を備えるものである。

ウ 段落【0012】~【0013】(上記(1)イ)には、カム部材10に、ボス部材11を外嵌し、ボス部材11から上下方向に、2又形状の支持アーム3が設けられることが記載されており、図1及び2を合わせて見れば、支持アーム3は、カム部材10を介して第1回転軸8に対して取り付けられ、前記第1回転軸8を起点として2又形状をなすものである。

エ 段落【0015】~【0016】(上記(1)イ)の記載並びに上記イ及びウの事項を踏まえると、支持アーム3は、係合部材13及び振れ止め部材15によって第1回転軸8に連れ回り不能となり、かつ、カム部材10の回転に伴って揉み玉2を揺動させるものである。

3 引用文献3(特開2008-295889号公報)について

引用文献3には、図面と共に以下の事項が記載されている。

ア 「【0062】
さらに、図7に示すように本発明の揉み玉4aにおいて、前記並設する輪体部41a・41aを前記揉み玉支持部311aを介して幅方向に分離させたものとしてもよい。すなわち、アーム状の揉み玉支持部311aの先端両側に前記各輪体部41a・41aがそれぞれ配設されている。このような揉み玉支持部311aに対する各輪体部41aの取付方は、左右の輪体部41a・41aの中間を支持するものであるので、揉み玉4aにおける支持の安定を向上させるものとなる。」
イ 「【図7】
[図:0001407284000009.jpg]
」

第5 対比・判断

1 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「左右一対の揉み玉51、61」、「メカユニット50、60」及び「マッサージ機1」は、本願発明の「左右で対をなす施療子」、「マッサージ機構」及び「マッサージ機」にそれぞれ相当する。そして、引用発明の「背もたれ部13の内部で上下方向に移動可能とされる複数のメカユニット50、60を備える」ことは、本願発明の「マッサージ機構が、身長方向に沿って複数設けられた」ことに相当する。

また、引用文献1の図1及び図3(上記第4の1(1)コ及びシ)から、メカユニット50が上側、メカユニット60が下側に配設されていることが見て取れるので、引用発明の「背もたれ部13の内部」で「メカユニット50、60を備える」ことと、本願発明の「マッサージ機構は、前記背凭れ部に設けられる第1マッサージ機構と、前記座部に設けられる第2マッサージ機構と、で構成され」ることとは、「マッサージ機構は、背凭れ部に設けられる第1マッサージ機構と、第1マッサージ機構の下側に設けられる第2マッサージ機構と、で構成され」る限りで一致する。

(2)引用発明の「被施療者の背中を支える背もたれ部13」及び「被施療者の臀部を支える座部12」は、本願発明の「使用者の上半身を支持する背凭れ部」及び「使用者が着座する座部」にそれぞれ相当する。

(3)引用発明の「メカユニット50、60の駆動機構部70の傾動及び上下移動を制御すると共に、施療機構によるマッサージ動作を制御する制御部40」は、本願発明の「第1及び第2マッサージ機構の動作を制御する制御手段」に相当する。

(4)引用発明の「揉み玉支持アーム52」は、引用文献1の図7(上記第4の1(1)ス)から、先端に揉み玉51が取り付けられていることが看て取れるので、引用発明の「揉み玉51を突出状態で支持する揉み玉支持アーム52」は、本願発明の「先端に施療子が取り付けられた第1アーム」に相当する。

(5)引用発明の「この揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70」と、本願発明の「前記第1アームが取り付けられた第1駆動軸」「を駆動してマッサージを行わせる第1駆動機構」とは、「マッサージを行わせる第1駆動機構」の限りで一致する。

(6)引用発明の「メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ57」は、引用文献1の段落【0043】~【0045】、図2及び3(上記第4の1(1)ウ、サ及びシ)の記載からみて、上側のメカユニット50を昇降させるためのものであるので、本願発明の「第1マッサージ機構を前記背凭れ部に沿って移動させるための第1モータ」に相当する。

(7)引用発明の「揉み玉支持アーム52は、前方に向かって一方向に伸びて」いることと、本願発明の「第1アームは、前記第1駆動軸を起点として前方に向かって一方向に伸びて」いることとは、「第1アームは、前方に向かって一方向に伸びて」いる限りで一致する。

(8)引用発明の「揉み玉支持アーム62」は、引用文献1の図7(上記第4の1(1)ス)から、先端に揉み玉61が取り付けられていることが看て取れるので、引用発明の「揉み玉61を突出状態で支持する揉み玉支持アーム62」と、本願発明の「先端に左右方向に複数の施療子が取り付けられた第2アーム」とは、「先端に施療子が取り付けられた第2アーム」の限りで一致する。

(9)引用発明の「この揉み玉支持アーム62を介して揉み玉61を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70」と、本願発明の「第2駆動軸」「を駆動してマッサージを行わせる第2駆動機構」とは、「マッサージを行わせる第2駆動機構」の限りで一致する。そして、引用発明の「前記駆動機構部70を支持するベース部63」は、本願発明の「前記第2駆動機構を支持する支持フレーム」に相当する。

(10)引用発明の「メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ67」は、引用文献1の段落【0043】~【0045】、図2及び3(上記第4の1(1)ウ、サ及びシ)の記載からみて、下側のメカユニット60を昇降させるためのものであるので、当該「昇降モータ67」と、本願発明の「第2マッサージ機構を前記座部に沿って移動させるための第2モータ」とは、「第2マッサージ機構を移動させるための第2モータ」の限りで一致する。

(11)引用発明の「揉み玉支持アーム62は、前記揉み玉61を被施療者に対して揉み、叩き等のマッサージ動作を行わせ」ることと、本願発明の「第2アームは、前記偏心部材を介して前記第2駆動軸に対して取り付けられ、前記連結部によって前記第2駆動軸回りの回転が規制され、かつ、前記偏心部材の回転に伴って前記施療子を使用者に対して進退させ、前記第2駆動軸を起点として二股に分かれた形状をなして」いることとは、「第2アームは、前記施療子を使用者に対してマッサージさせ」ることの限りで一致する。

(12)引用発明の「制御部40は、メカユニット60を上昇移動させて、上向きに移動する揉み玉61が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行すると共に、メカユニット50を下降移動させて、下向きに移動する揉み玉51が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行する施療を行う」ことと、本願発明の「制御手段は、前記第1マッサージ機構で使用者の上半身をマッサージしながら、前記第2マッサージ機構で使用者の臀部をマッサージしつつ、前記第1マッサージ機構と前記第2マッサージ機構とを互いに接近する方向に移動させる」こととは、「制御手段は、前記第1マッサージ機構で使用者をマッサージしながら、前記第2マッサージ機構で使用者をマッサージしつつ、前記第1マッサージ機構と前記第2マッサージ機構とを互いに接近する方向に移動させる」限りで一致する。

2 一致点及び相違点

したがって、本願発明と引用発明とは、

「左右で対をなす施療子を有するマッサージ機構が、身長方向に沿って複数設けられたマッサージ機において、
使用者の上半身を支持する背凭れ部と、使用者が着座する座部と、を有し、
前記マッサージ機構は、背凭れ部に設けられる第1マッサージ機構と、第1マッサージ機構の下側に設けられる第2マッサージ機構と、で構成されており、
前記第1及び第2マッサージ機構の動作を制御する制御手段を更に有し、
続きを表示(全17行)
前記第1マッサージ機構は、
先端に施療子が取り付けられた第1アームと、
マッサージを行わせる第1駆動機構と、
前記第1マッサージ機構を前記背凭れ部に沿って移動させるための第1モータと、を有し、
前記第1アームは、前方に向かって一方向に伸びており、
前記第2マッサージ機構は、
先端に施療子が取り付けられた第2アームと、
マッサージを行わせる第2駆動機構と、
前記第2駆動機構を支持する支持フレームと、
前記第2マッサージ機構を移動させるための第2モータと、で構成されており、
前記第2アームは、
前記施療子を使用者に対してマッサージさせ、
前記制御手段は、前記第1マッサージ機構で使用者をマッサージしながら、前記第2マッサージ機構で使用者をマッサージしつつ、前記第1マッサージ機構と前記第2マッサージ機構とを互いに接近する方向に移動させるマッサージ機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

(1)相違点1

第1マッサージ機構に関し、本願発明は、「第1アームが取り付けられた第1駆動軸」と、「前記第1駆動軸を駆動して」マッサージを行わせる第1駆動機構と、を有し、第1アームは、「前記第1駆動軸を起点として」前方に向かって一方向に伸びるのに対し、引用発明は、揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70を有している点。

(2)相違点2

第2マッサージ機構に関し、本願発明は、「先端に左右方向に複数の施療子が取り付けられた」第2アームと、「第2駆動軸」と、「前記第2駆動軸を駆動して」マッサージを行わせる第2駆動機構と、「前記第2駆動軸の軸心に対して偏心した偏心部材」と、「第2アームが前記第2駆動軸回りに回転するのを規制する連結部」と、を含み、前記第2アームは、「前記偏心部材を介して前記第2駆動軸に対して取り付けられ、前記連結部によって前記第2駆動軸回りの回転が規制され、かつ、前記偏心部材の回転に伴って」前記施療子を使用者に対して「進退させ」、「前記第2駆動軸を起点として二股に分かれた形状をなして」いるのに対し、引用発明は、そのように特定されていない点。

(3)相違点3

本願発明は、第2マッサージ機構が、「座部に設けられる」ものであり、第2マッサージ機構を「前記座部に沿って移動させるための」第2モータを含むものであって、制御手段が、第1マッサージ機構で使用者の「上半身」をマッサージしながら、第2マッサージ機構で使用者の「臀部」をマッサージしつつ、前記第1マッサージ機構と前記第2マッサージ機構とを互いに接近する方向に移動させるのに対し、引用発明は、メカユニット60を上昇移動させて、上向きに移動する揉み玉61が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行すると共に、メカユニット50を下降移動させて、下向きに移動する揉み玉51が、被施療者の身体背面部における通過領域に対し連続する施療動作を実行する施療を行うものである点。

3 判断

上記各相違点について検討する。

(1)相違点1について

マッサージ装置において、施療子が取り付けられたアームに駆動軸が取り付けられ、該駆動軸を駆動してマッサージを行わせることは、例を挙げるまでもなく周知の技術であることに鑑みれば、引用発明におけるメカユニット50を上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

(2)相違点2について

引用文献2には、上記第4の2(1)の記載事項及び(2)の事項を総合すると、

「マッサージ装置1が、先端部に揉み玉2が設けられた支持アーム3と、第1回転軸8と、前記第1回転軸8を回転させてマッサージを施すマッサージ駆動部4と、前記第1回転軸8に対して傾斜したカム面を有するカム部材10と、前記支持アーム3が前記第1回転軸8に連れ回り不能となる係合部材13及び該係合部材13が係合する振れ止め部材15と、前記マッサージ駆動部4が設けられる支持フレーム6と、で構成されており、
前記支持アーム3は、前記カム部材10を介して前記第1回転軸8に対して取り付けられ、前記係合部材13及び振れ止め部材15によって前記第1回転軸8に連れ回り不能となり、かつ、前記カム部材10の回転に伴って前記揉み玉2を揺動させ、前記第1回転軸8を起点として2又形状をなしている点。」(以下「引用文献2に記載の技術事項」という。)

が記載されている。

そして、引用文献2に記載の技術事項における「マッサージ装置1」は、本願発明の「マッサージ機」に相当し、以下同様に「揉み玉2」は「施療子」に、「支持アーム3」は「第2アーム」に、「第1回転軸8」は「第2駆動軸」に、「第1回転軸8を回転させてマッサージを施すマッサージ駆動部4」は「第2駆動軸を駆動してマッサージを行わせる第2駆動機構」に、「第1回転軸8に対して傾斜したカム面を有するカム部材10」は「第2駆動軸の軸心に対して偏心した偏心部材」に、「支持アーム3が前記第1回転軸8に連れ回り不能となる係合部材13及び該係合部材13が係合する振れ止め部材15」は「第2アームが前記第2駆動軸回りに回転するのを規制する連結部」に、「支持フレーム6」は「支持フレーム」に、「2又形状」は「二股に分かれた形状」に、それぞれ相当するので、上記引用文献2に記載の技術事項は、

「マッサージ機が、先端に施療子が設けられた第2アームと、第2駆動軸と、前記第2駆動軸を駆動してマッサージを行わせる第2駆動機構と、前記第2駆動軸の軸心に対して偏心した偏心部材と、前記第2アームが前記第2駆動軸回りに回転するのを規制する連結部と、前記第2駆動機構を支持する支持フレームと、で構成されており、
前記第2アームは、前記偏心部材を介して前記第2駆動軸に対して取り付けられ、前記回転するのを規制する部材によって前記第2駆動軸回りの回転が規制され、かつ、前記偏心部材の回転に伴って前記施療子を揺動させ、前記第2駆動軸を起点として二股に分かれた形状をなしている点。」

と言い換えることができる。

ここで、引用文献1の段落【0111】及び図16(上記第4の1(1)ク及びセ)には、揉み玉支持アームをアーム基端側から二方向に分岐突出する形状とすると共に、分岐突出した各先端部にそれぞれ揉み玉を取り付けることが記載されており、また、同文献の段落【0134】~【0136】及び図22(上記第4の1(1)ケ及びソ)には、上下のメカユニットにおけるマッサージ機構を異なるものとすることが示唆されている。

そして、引用文献1の上記記載及び示唆を踏まえれば、引用発明において、メカユニット60におけるマッサージ機構を、揉み玉支持アームをアーム基端側から二方向に分岐突出するものとすることは、当業者が容易に想到し得たことであり、その具体的構成として引用文献2に記載の技術事項を採用する程度のことは当業者が容易になし得ることである。そして、そのようにすることで、第2アームが、第2駆動軸回りに回転するのを規制する連結部によって第2駆動軸回りの回転が規制されるため、施療子を使用者に対して「進退させ」るものとなる。その際、第2アームへの施療子の取り付け態様をどのようにするかは、当業者が適宜選択し得る事項であり、第2アームの先端に「左右方向に複数の」施療子を取り付けることは、単なる設計的事項にすぎない(なお、アームの先端に左右方向に複数の施療子を取り付ける態様は、引用文献3(上記第4の3に摘記した段落【0062】及び図7を参照。)に開示されるように周知の技術でもある。)。

(3)相違点3について

引用文献1の段落【0112】~【0113】(上記第4の1(1)ク)には、メカユニットが座部にも移動することで、被施療者の背中から臀部、大腿部にかけてマッサージすることが記載されている。そして、当該記載事項に鑑みると、引用発明において、メカユニット60が座部にも移動する構成、すなわち座部に設け、座部に沿って移動する構成とし、移動メカユニット50で被施療者の上半身をマッサージしながら、メカユニット60で被施療者の臀部をマッサージしつつ、メカユニット50とメカユニット60とを互いに接近する方向に移動させるようにすることは、当業者が容易になし得ることである。

(4)そして、本願発明の作用効果も、引用発明、引用文献2に記載の技術事項及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものであって、格別のものとはいえない。

(5)よって、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載の技術事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載の技術事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-016326

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