2022-016095
情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
- 審判番号
- 2022-016095
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-200441外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年10月07日
- 審決日
- 2023年06月27日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】PayPay株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q) / P18 .575-Z (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、令和3年12月9日の出願であって、その手続の経緯の概略は、以下のとおりである。
同年 5月13日 :意見書、手続補正書の提出
同年 7月 1日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。)
同年10月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和4年10月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年10月7日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「【請求項1】利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す支払期限を含む請求書情報を受け付け、前記支払期限から特定される支払可能期間内において前記利用者による前記請求書に関する支払日時の指定、月々の支払日の指定、または直後に支払を実行する指定を受け付ける受付部と、前記請求書情報に基づく決済を、指定を受け付けられた前記支払日時、前記月々の支払日、または直後であって前記支払可能期間内に行う決済処理部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和4年5月13日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す請求書情報と、前記利用者による前記請求書に関する支払日時の指定、月々の支払日の指定、または直後に支払を実行する指定とを受け付ける受付部と、前記請求書情報に基づく決済を、指定を受け付けられた前記支払日時、前記月々の支払日、または直後に行う決済処理部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「受付部」が受け付ける「請求書情報」の内容について「(利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す)支払期限を含む」との事項を付加し、併せて、上記「受付部」が受け付ける「支払いを実行する指定」の内容について「前記支払期限から特定される支払可能期間内において(前記利用者による前記請求書に関する支払日時の指定、月々の支払日の指定、または直後に)」との事項を付加し、さらに、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「決済処理部」の内容について「(前記請求書情報に基づく決済を、指定を受け付けられた前記支払日時、前記月々の支払日、または直後)であって前記支払可能期間内(に行う)」との事項を付加する補正事項を含むものである。
上記補正事項は、願書に最初に添付した明細書の段落【0029】、【0030】の記載に基づくものであり、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正であるから、特許法第17条の2第3項に違反するものではなく、また、同第4項に違反するものでもない。
そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献2(特開2019-149011号公報)
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献である、特開2019-149011号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
「【0007】本発明の一態様によれば、その目的は、非加盟店に負担をかけず非加盟店でのカード払いを可能にする支払代行システム、支払代行方法、端末装置、及びプログラムを提供することにある。」
「【0015】図1に示すように、第1実施形態に係るシステムは、カード決済システム101、利用者端末102、非加盟店端末103、及び銀行システム104を含む。【0016】図1の例では、説明の都合上、カード決済システム101と、利用者端末102と、非加盟店端末103とがネットワーク50を介して接続されている。但し、第1実施形態においては、カード決済システム101と非加盟店端末103とは接続されていなくてもよい。ネットワーク50は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの有線及び/又は無線の通信網である。続きを表示(全18行)【0017】カード決済システム101は、例えば、サーバ装置、ワークステーション、メインフレームなどのコンピュータを1台又は複数台有するコンピュータシステムである。カード決済システム101は、銀行システム104と接続されている。カード決済システム101と銀行システム104とは、例えば、専用の通信回線、或いは、ネットワーク50のような通信網を利用して接続される。【0018】カード決済システム101は、クレジットカードのブランドとの加盟店契約がある加盟店としての機能(以下、加盟店機能)を有する。加盟店に設置される決済端末は、利用金額、及びクレジットカード番号などのカード情報をクレジットカード会社の決済システムに送信してカード決済を依頼する。加盟店機能は、このような決済端末の機能を含む。但し、ここでは、カード決済システム101がクレジットカード会社の決済システムとしての機能をさらに含み、カード決済を実行できる場合について説明する。【0019】また、カード決済システム101は、カード会員が利用するアプリケーションプログラム(以下、アプリ)を制御する。例えば、カード決済システム101は、アプリを利用してアクセスを試みるカード会員に対し、会員認証の結果に応じてアクセスを制限する。また、カード決済システム101は、ログインしたカード会員がアプリを介して利用できるサービスの制限やアプリの表示を制御する。【0020】なお、以下では、説明の都合上、アプリを介してカード決済システム101にアクセスする例を示すが、Webブラウザなどの他のアクセス手段を利用してカード決済システム101にアクセスできるようにしてもよい。この場合、アプリを介して提供される機能は、他のアクセス手段を介して提供される。また、アプリ及び他のアクセス手段の両方でカード決済システム101にアクセスできるようにしてもよい。【0021】利用者端末102は、例えば、スマートフォン、携帯電話、PC(Personal Computer)、タブレット端末などのコンピュータである。図1の例では、説明の都合上、利用者端末102をカード会員が利用する場合について説明する。利用者端末102には、カード決済システム101にアクセスするためのアプリがインストールされている。但し、他のアクセス手段を利用してカード決済システム101にアクセスする場合には、利用者端末102にアプリがインストールされなくてもよい。【0022】非加盟店端末103は、例えば、スマートフォン、携帯電話、PC(Personal Computer)、タブレット端末、サーバ装置、POS(Point Of Sales)システムなどのコンピュータである。図1の例では、説明の都合上、非加盟店端末103を非加盟店(スタッフや経営者など)が利用する場合について説明する。非加盟店端末103には、例えば、ディスプレイDSP及びプリンタPRTの少なくとも一方が接続される。【0023】銀行システム104は、銀行が管理するシステムである。銀行システム104は、例えば、振込や振替(引き落としを含む)などの機能を提供する。以下では、説明の都合上、カード決済システム101からの依頼手続に応じて、銀行システム104が振込などの処理を実行できることを前提とする。」
「【0040】[1-4.カード決済システムの機能]次に、図4を参照しながら、カード決済システム101の機能について説明する。図4は、第1実施形態に係るカード決済システムが有する機能の一例を示したブロック図である。なお、図4に示したカード決済システム101は、第1実施形態に係るカード決済システムの一例である。【0041】続きを表示(全11行)図4に示すように、カード決済システム101は、支払代行手段111、カード決済手段112、及び記憶手段113を有する。なお、支払代行手段111及びカード決済手段112の機能は、上述したプロセッサ71により実現されうる。記憶手段113の機能は、上述したメモリ72により実現されうる。【0042】支払代行手段111は、銀行振込機能111a、加盟店機能111b、及び確証チェック機能111cを有する。【0043】銀行振込機能111aは、銀行システム104にアクセスして、非加盟店の銀行口座に代金を振り込むための処理(以下、振込処理;例えば、図2のS2aを参照)を実行する。加盟店機能111bは、加盟店の決済システム(以下、加盟店システム)として動作し、カード会員のクレジットカードで代金及び手数料をカード決済するための処理(以下、カード決済処理;例えば、図2のS2bを参照)を実行する。【0044】確証チェック機能111cは、売買契約/役務提供契約61の確証を与える情報(例えば、後述する確証情報113b)をチェックする。確証チェック機能111cによりチェックOKと判定されたとき、上記の振込処理及びカード決済処理が実行される。」
「【0053】再び図4を参照する。確証情報113bは、売買契約/役務提供契約61の確証を与える情報である。確証情報113bとしては、例えば、カード会員が非加盟店で買い物をした際に非加盟店が発行する請求書などがある。後述するように、確証情報113bは、非加盟店が生成する情報であるが、カード会員の利用者端末102からカード決済システム101に提供される情報である。・・・途中省略・・・【0058】図6には、確証情報113bが請求書のイメージデータ(以下、請求書画像)である場合が例示されている。図6(A)に示すように、確証情報113b、請求先情報113d、及び支払先情報113cは、例えば、支払代行IDで紐付けられる。支払代行IDは、支払代行サービスの利用毎に付与される識別情報である。【0059】図6の例において、支払先情報113cは、代金の振込先となる非加盟店の口座名義人及び銀行口座についての情報を含んでいる。請求先情報113dは、代金の請求先となるカード会員のクレジットカード名義人及びカード番号についての情報を含んでいる。後述するように、これら支払先情報113c及び請求先情報113dは、カード会員の利用者端末102からカード決済システム101に提供される。【0060】図6(B)に示した請求書画像は、確証情報113bの一例であり、非加盟店についての情報(例えば、会社名、屋号、代表者名など)、請求金額、支払期限、支払内容(品目別の明細など)、振込先の口座情報などを含む。後述するように、請求書画像は、例えば、非加盟店が発行した請求書をカード会員が利用者端末102で撮像して生成され、カード決済システム101に送信される。」
「【0062】[1-5.利用者端末の機能]次に、図7を参照しながら、利用者端末102の機能について説明する。図7は、第1実施形態に係る利用者端末が有する機能の一例を示したブロック図である。なお、図7に示した利用者端末102は、第1実施形態に係る利用者端末の一例である。【0063】続きを表示(全20行)図7に示すように、利用者端末102は、記憶手段121、撮像手段122、制御手段123、表示手段124、及び入力手段125を有する。・・・途中省略・・・【0066】撮像手段122は、制御手段123による制御に応じて被写体を撮像し、被写体のイメージデータを生成する。例えば、撮像手段122は、非加盟店が発行した請求書を被写体とする請求書画像を撮像する。また、撮像手段122は、請求書や非加盟店端末103のディスプレイDSPに表示されているQRコードを撮像して、QRコードに含まれる情報を読み取る。なお、振込先についての情報を含むQRコードを非加盟店の店頭に掲示し、そのQRコードを利用者端末102で読み込む仕組みを採用してもよい。・・・途中省略・・・【0069】入力手段125を介して支払代行サービスの項目が選択されたとき、制御手段123は、図7(A)に示すような支払代行サービス用の入力画面を表示し、カード会員に入力を促す。なお、図7(A)の入力画面は一例であり、表示される項目の種類や入力欄の配置などは様々に変形可能である。【0070】図7(A)の例では、クレジットカードの名義人及び利用限度額(現在のご利用限度額)と共に、支払代行サービスで支払う代金(ご利用金額)、カード決済の方法(支払回数、リボ払、継続払)の入力欄が表示されている。【0071】リボルビング払いを利用する場合、カード会員は、「リボ払」の下にあるチェックボックスにチェックを入れる。毎月定期的に一定額の支払いを行う継続払いを利用する場合、カード会員は、「継続払」の下にあるチェックボックスにチェックを入れ、毎月の支払日を入力欄に入力する。例えば、家賃や月謝などの支払いに支払代行サービスを利用する場合、カード会員は「継続払」の欄に入力する。【0072】図7(A)の入力画面には、振込先の情報を入力する欄が表示されている。この例では、振込先についての入力欄として、銀行名、支店名、口座の種類(当座、普通)、口座番号、名義人の欄が表示されている。また、支払代行サービスによる振込の実行日(振込日)を指定する入力欄が表示されている。・・・途中省略・・・【0076】例えば、カード会員は、「撮影」ボタンを押下して撮像機能を呼び出し、請求書を撮像して請求書画像を生成する。請求書画像の生成が終わると、請求書画像のファイル名(図7(A)の例では「BL1000101.jpg」)が入力画面に表示される。なお、請求書画像のファイル形式は任意である。例えば、BMP形式やGIF形式などでもよい。「送信」ボタンが押下されると、制御手段123は、入力情報及び請求書画像をカード決済システム101に送信する。」
「【0085】[1-7.処理の流れ]次に、カード決済システム101及び利用者端末102が主に実行する処理の流れについて説明する。なお、ここでは、説明の都合上、非加盟店端末103を利用して非加盟店が請求書を発行することを前提に説明を進める。【0086】続きを表示(全50行)(全体的な処理シーケンス)まず、図9を参照しながら、カード決済システム101及び利用者端末102を含むシステムの全体的な処理シーケンスについて説明する。図9は、第1実施形態に係る支払代行方法を実現する際に、カード決済システム、非加盟店端末、及び利用者端末が実行する処理の流れを示したシーケンス図である。【0087】なお、図9の例では、利用者端末102でアプリ121aが既に起動し、カード決済システム101でカード会員の会員認証が成功していることを前提に説明を進める。【0088】(S101)カード会員と非加盟店との間で売買契約/役務提供契約61が結ばれると、非加盟店は、非加盟店端末103を利用して請求書を発行する。【0089】例えば、非加盟店端末103は、定型情報131aが示す請求書のフォーマットに、店舗情報131bが示す非加盟店についての情報(会社名など)やQRコードなどを記入した請求書をプリンタPRTで印刷する。ここでは、非加盟店の銀行口座についての口座情報を含むQRコードが請求書に印刷されることを前提に説明を進める。なお、QRコードは、例えば、非加盟店の店頭に掲示されていてもよい。【0090】(S102)カード会員がアプリ121aのポータル画面から支払代行サービスの項目を選択したとき、利用者端末102は、アプリ121aを介して、サービス利用契約62の有無を確認するための確認要求をカード決済システム101に送信する。【0091】(S103)カード決済システム101は、確認要求に応じて、ログイン時に特定したカード会員の情報(カード番号など)から、そのカード会員に対応する会員情報113aのレコードを特定する。そして、カード決済システム101は、特定したレコードの内容を基にサービス利用契約62の有無を確認する。この例では、サービス利用契約62があるため、カード決済システム101は、利用者端末102に対して「契約あり」と応答する。【0092】(S104)利用者端末102は、「契約あり」の応答に応じて、アプリ121aの表示画面を支払代行サービス用の入力画面(図7(A)を参照)に遷移する。そして、利用者端末102は、その入力画面に対する入力を受け付ける。ここで、カード会員により代金やカード決済の方法についての情報が入力される。【0093】(S105)「撮影」ボタンオブジェクトが押下されたとき、利用者端末102は、撮像機能(撮像手段122)を起動させ、売買契約/役務提供契約61の確証となる請求書の撮影を促すメッセージを表示する。カード会員による撮影操作の後、利用者端末102は、請求書画像を生成し、請求書画像のファイル名を入力画面に表示する。【0094】(S106)「読取」ボタンオブジェクトが押下されたとき、利用者端末102は、撮像機能(撮像手段122)を起動させ、QRコードの撮影を促すメッセージを表示する。カード会員による撮影操作の後、利用者端末102は、QRコードから非加盟店の口座情報などを読み取り、読み取った口座情報などを入力画面の入力欄に表示する。【0095】なお、口座情報などの振込先についての情報をカード会員が手入力する場合にはS106の処理を省略することができる。【0096】(S107)「送信」ボタンオブジェクトが押下されたとき、利用者端末102は、入力画面の入力欄に入力された情報及び請求書画像を含む支払要求をカード決済システム101に送信する。なお、クレジットカードの利用限度額を超える金額が入力されている場合や入力漏れがある場合、利用者端末102は、再入力を促すメッセージを表示してもよい。【0097】(S108)カード決済システム101は、利用者端末102から送信された支払要求を受け付け、支払要求から、支払代行サービスを利用してカード会員が支払う代金(以下、支払金額)、カード決済の方法、振込先についての情報、及び請求書画像などを抽出する。【0098】(S109)カード決済システム101は、支払金額がクレジットカードの利用限度額を超えていないかをチェックする。このとき、カード決済システム101は、振込先となる銀行口座の存在などを確認してもよい。カード決済システム101は、チェックOKの場合にS110以降の処理の開始を許可する。一方、チェックNGの場合、カード決済システム101は、エラーが生じた旨を利用者端末102に通知する。【0099】(S110)カード決済システム101は、支払要求に含まれる請求書画像に基づいて、売買契約/役務提供契約61の確証となる請求書のチェックを実行する。請求書のチェックは、例えば、カード決済システム101側の検証者が目視により行うか、カード決済システム101により自動的に行うか、或いは、両者を組み合わせて行う。【0100】例えば、カード決済システム101は、請求書画像から請求書に記載された支払金額及び振込先についての情報(口座番号など)を読み取り、支払要求に含まれる支払金額及び振込先についての情報と一致するかを判定する。【0101】両者が一致するとき、カード決済システム101は、チェックOKと判定する。両者が不一致の場合、カード決済システム101は、検証者が利用する端末の表示装置に請求書画像を表示し、目視によるチェックを促す。この場合、検証者からチェックOKである旨の入力があったとき、カード決済システム101は、チェックOKと判定する。【0102】カード決済システム101は、チェックOKの場合にS111以降の処理の開始を許可する。一方、チェックNGの場合、カード決済システム101は、エラーが生じた旨を利用者端末102に通知する。【0103】(S111)カード決済システム101は、支払金額に応じた手数料を計算し、計算した手数料と支払金額との合計額を計算する。手数料は、例えば、支払金額の所定割合(例えば、2~5%)に相当する金額に設定される。カード決済システム101は、カード会員のクレジットカードによるカード決済により合計額を徴収するための処理(カード決済処理)を実施する。なお、支払金額の引落は、指定の引落日に実行される。【0104】(S112)カード決済システム101は、支払要求に含まれる振込先についての情報に基づいて、支払金額を非加盟店の銀行口座に振り込むための処理(振込処理)を実行する。なお、振込日の指定がある場合、指定の振込日に支払金額が振り込まれる。一方、振込日の指定がない場合には、例えば、振込を実行可能な直近の日に支払金額が振り込まれる。【0105】なお、S111、S112の処理は順序を逆にしてもよい。上記のカード決済処理及び振込処理が完了すると、カード決済システム101は、今回の支払代行サービスの利用に対して支払代行IDを発行する。支払代行IDは、個々の売買契約/役務提供契約61を特定できるように支払代行サービスの利用毎に発行される。【0106】カード決済システム101は、今回発行した支払代行IDを含む完了通知を利用者端末102に送信し、非加盟店への支払が完了した旨を通知する。【0107】(S113)利用者端末102は、カード決済システム101から完了通知を受信すると、アプリ121aの表示画面に支払が完了した旨を表示する。また、利用者端末102は、完了通知に含まれる支払代行IDを表示画面に表示すると共に、支払代行IDを非加盟店に提示するように促すメッセージを表示する。【0108】カード会員は、利用者端末102の表示を非加盟店に提示し、支払が完了した旨及び支払代行IDを非加盟店に通知する。支払代行IDは、カード決済システム101で管理される。例えば、カード決済システム101は、支払代行IDを提示して情報の開示要求を受けたとき、カード決済処理及び振込処理の状況、及び、請求書画像を参照できるようにする。」
【図1】
[図:0001401389000001.jpg]
【図2】
[図:0001401389000002.jpg]
【図4】
[図:0001401389000003.jpg]
【図6】
[図:0001401389000004.jpg]
【図7】
[図:0001401389000005.jpg]
【図9】
[図:0001401389000006.jpg]
(イ)上記(ア)から、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「カード決済システム101、利用者端末102、非加盟店端末103、及び銀行システム104を含む支払代行システムにおけるカード決済システム101であって(【0007】、【0015】)、カード決済システム101は、サーバ装置、ワークステーション、メインフレームなどであり(【0017】)、支払代行手段111、カード決済手段112、及び記憶手段113を有し(【0041】)、前記支払代行手段111は、銀行振込機能111a、加盟店機能111b、及び確証チェック機能111cを有し(【0042】)、前記銀行振込機能111aは、銀行システム104にアクセスして、非加盟店の銀行口座に代金を振り込むための処理を実行するものであり(【0043】)、続きを表示(全11行)利用者端末102は、カード会員が利用する、例えば、スマートフォン、携帯電話、PC(Personal Computer)、タブレット端末などのコンピュータであって(【0021】)、記憶手段121、撮像手段122、制御手段123、表示手段124、及び入力手段125を有し(【0063】)、支払代行を実現するに際して(【0086】)、カード決済システム101は、利用者端末102から送信された支払要求を受け付け、支払要求から、支払代行サービスを利用してカード会員が支払う代金(以下、支払金額)、カード決済の方法、振込先についての情報、及び請求書画像などを抽出し(【0097】)、支払要求に含まれる振込先についての情報に基づいて、支払金額を非加盟店の銀行口座に振り込むための処理(振込処理)を実行し、振込日の指定がある場合、指定の振込日に支払金額が振り込まれ、振込日の指定がない場合には、振込を実行可能な直近の日に支払金額が振り込まれ(【0104】)、ここで、上記支払要求には、入力手段125を介して支払代行サービスの項目が選択されたときに表示される支払代行サービス用の入力画面の入力欄に入力された情報及び請求書画像を含み(【0069】、【0096】)、前記入力画面の入力欄には、毎月定期的に一定額の支払いを行う継続払いを利用する場合の毎月の支払日や支払代行サービスによる振込の実行日(振込日)などを指定することができ(【0071】、【0072】)、前記請求書画像は、非加盟店が発行した請求書をカード会員が利用者端末102で撮像して生成するものであって、非加盟店についての情報(例えば、会社名、屋号、代表者名など)、請求金額、支払期限、支払内容(品目別の明細など)、振込先の口座情報などを含んでいる(【0060】)、カード決済システム101。」
(3)対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)「利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す支払期限を含む請求書情報を受け付け、前記支払期限から特定される支払可能期間内において前記利用者による前記請求書に関する支払日時の指定、月々の支払日の指定、または直後に支払を実行する指定を受け付ける受付部」について
a 引用発明においては「請求書画像は、非加盟店が発行した請求書をカード会員が利用者端末102で撮像して生成するものであって、非加盟店についての情報(例えば、会社名、屋号、代表者名など)、請求金額、支払期限、支払内容(品目別の明細など)、振込先の口座情報などを含んでいる」ことを踏まえると、引用発明の「カード会員」、「利用者端末102」、「非加盟店が発行した請求書」、「請求書画像に含まれる、請求金額、支払い期限、振り込み先の口座情報などの「非加盟店についての情報」」は、それぞれ、本件補正発明の「利用者」、「利用者端末」、「請求書」、「請求書情報」に対応するものであるから、引用発明の「カード会員」の「利用者端末102」によって、「非加盟店が発行した請求書をカード会員が利用者端末102で撮像して生成」した「請求書画像」に含まれる「支払期限」を含む「非加盟店についての情報」は、本件補正発明の「利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す支払期限を含む請求書情報」に相当する。
b 引用発明においては、カード会員によって「前記入力画面の入力欄(利用者端末102の入力手段125を介して支払代行サービスの項目が選択されたときに表示される支払代行サービス用の入力画面の入力欄)には、毎月定期的に一定額の支払いを行う継続払いを利用する場合の毎月の支払日や支払代行サービスによる振込の実行日(振込日)などを指定することができ」ることを踏まえると、引用発明の「支払代行サービスによる振込の実行日(振込日)を指定すること」、「毎月定期的に一定額の支払いを行う継続払いを利用する場合の毎月の支払日を指定すること」は、それぞれ、本件補正発明の「利用者による前記請求書に関する支払日時の指定」、「(利用者による前記請求書に関する)月々の支払日の指定」に対応するものである。
また、「振込日の指定がない場合には、振込を実行可能な直近の日に支払金額が振り込まれ」るから、引用発明の「振込日の指定」をしないことは、本件補正発明の「直後に支払を実行する指定」に対応するものである。
c 引用発明の「カード決済システム101」は、「利用者端末102から送信された支払要求を受け付け」るのであるから、本件補正発明の「受付部」に対応する構成を備えていることは明らかである。
そして、引用発明においては、前記「支払要求には、入力手段125を介して支払代行サービスの項目が選択されたときに表示される支払代行サービス用の入力画面の入力欄に入力された情報及び請求書画像を含」んでいるから、上記a及びbで言及した事項を鑑みると、引用発明の「「カード会員」の「利用者端末102」によって、「非加盟店が発行した請求書をカード会員が利用者端末102で撮像して生成」した「請求書画像」に含まれる「支払期限」を含む「非加盟店についての情報」」並びに「支払代行サービス用の入力画面」で入力された「支払代行サービスによる振込の実行日(振込日)の指定」、「毎月定期的に一定額の支払いを行う継続払いを利用する場合の毎月の支払日の指定」及び「振込日の指定なし」を「支払要求」として受け付ける受付手段と、本件補正発明の「利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す支払期限を含む請求書情報を受け付け、前記支払期限から特定される支払可能期間内において前記利用者による前記請求書に関する支払日時の指定、月々の支払日の指定、または直後に支払を実行する指定を受け付ける受付部」とは、「利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す支払期限を含む請求書情報を受け付け、前記利用者による前記請求書に関する支払日の指定、または月々の支払日の指定、または直近に支払いの実行を受け付ける受付部」である点で共通している。
(イ)「前記請求書情報に基づく決済を、指定を受け付けられた前記支払日時、前記月々の支払日、または直後であって前記支払可能期間内に行う決済処理部」について
引用発明の「カード決済システム101」は、「利用者端末102から送信された支払要求を受け付け、支払要求から、支払代行サービスを利用してカード会員が支払う代金(以下、支払金額)、カード決済の方法、振込先についての情報、及び請求書画像などを抽出し、支払要求に含まれる振込先についての情報に基づいて、支払金額を非加盟店の銀行口座に振り込むための処理(振込処理)を実行し、振込日の指定がある場合、指定の振込日に支払金額が振り込まれる」との処理を、前記「カード決済システム101」が備える「支払代行手段111」の「銀行振込機能111a」により実行するのであるから、前記「支払代行手段111」は、本件補正発明の「決済処理部」に対応するものである。
そして、引用発明の「カード決済システム101」によって実行される「請求書画像などを抽出し、支払要求に含まれる振込先についての情報に基づいて、支払金額を非加盟店の銀行口座に振り込むための処理(振込処理)」は、本件補正発明の「前記請求書情報に基づく決済」に対応し、さらに、上記(ア)のbで言及したように、引用発明の「支払代行サービスによる振込の実行日(振込日)を指定すること」、「毎月定期的に一定額の支払いを行う継続払いを利用する場合の毎月の支払日」、「振込日の指定」をしないことは、それぞれ、本件補正発明の「利用者による前記請求書に関する支払日時の指定」、「(利用者による前記請求書に関する)月々の支払日の指定」、「直後に支払を実行する指定」に対応するものである。
してみると、引用発明の「支払代行サービスによる振込の実行日(振込日)」の指定、「毎月定期的に一定額の支払いを行う継続払いを利用する場合の毎月の支払日」の指定、「振込日の指定がない場合」において、それぞれ、指定された振込の実行日、毎月の支払日、振込を実行可能な直近の日に、「支払金額を非加盟店の銀行口座に振り込むための処理(振込処理)を実行する」「カード決済システム101」が備える「支払代行手段111」と、本件補正発明の「前記請求書情報に基づく決済を、指定を受け付けられた前記支払日時、前記月々の支払日、または直後であって前記支払可能期間内に行う決済処理部」とは、「前記請求書情報に基づく決済を、指定を受け付けられた前記支払日、前記月々の支払日、または直近に行う決済処理部」である点で共通している。
(ウ)「情報処理装置」について
引用発明の「カード決済システム101」は、支払代行を実現するための情報処理を実行する「サーバ装置、ワークステーション、メインフレーム」などであるから、「情報処理装置」と称することは任意である。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す支払期限を含む請求書情報を受け付け、前記利用者による前記請求書に関する支払日の指定、または月々の支払日の指定、または直近に支払いの実行を受け付ける受付部と、前記請求書情報に基づく決済を、指定を受け付けられた前記支払日、前記月々の支払日、または直近に行う決済処理部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。」
<相違点1>
「前記利用者による前記請求書に関する支払日の指定、または月々の支払日の指定、または直近に支払いの実行を受け付ける受付部」の指定において、本件補正発明では「前記支払期限から特定される支払可能期間内において」との事項が特定されているのに対し、引用発明ではそのような特定のない点。
<相違点2>
前記請求書情報に基づく決済について、本件補正発明では「前記支払可能期間内」に行うとの事項が特定されているのに対し、引用発明においては、そのような特定のない点。
<相違点3>
前記利用者による前記請求書に関して指定される「支払日」、及び、決済処理部により決済が行われる「支払日」が、本件補正発明では、「支払日時」であるのに対し、引用発明では「支払日」である点。
<相違点4>
受付部で受け付けられる「直近に支払いの実行」、及び、決済処理部により「直近」に行われる決済が、本件補正発明では、「直後に支払を実行する指定」であり、決済が「直後」に行われるのに対し、引用発明では、明示的な指定ではなく「振込日の指定がない場合」であり、決済の実行が「直後」ではなく「振込を実行可能な直近の日」である点。
(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
本願の明細書の段落【0030】には、「このとき、決済サーバ10は、利用者端末100から受け付けた支払日時の指定が支払可能期間でない場合(例:支払期限後の指定)には、その旨を利用者端末100に送信し、支払可能期間内で再指定するように促すこともできる。」と記載されており、本件補正発明の「支払可能期間」とは、支払期限より前の日時であることが例示されている。
引用発明には、支払日の指定に際して、請求書画像に含まれる「支払期限」を考慮することは記載されていないものの、支払期限内に支払いを行うことは一般の商慣行として常識であるから、「前記支払期限から特定される支払可能期間内において」支払日の指定を行うようにすることは当業者が容易に想到し得た事項である。
イ 相違点2について
上記相違点1の検討において、「前記支払期限から特定される支払可能期間内において」支払日の指定を行うことが容易に想到し得た事項であるから、支払日を「前記支払期限から特定される支払可能期間内」に指定すれば、決済が「前記支払可能期間内」に行われることは当然である。
ウ 相違点3について
振込等の決済は、通常、「日」を指定して行われ、「時間」まで指定して行うものではないから、相違点3に係る構成は、表現上の差異にすぎないものであり、実質的な相違点ではない。
エ 相違点4について
引用発明の「振込を実行可能な直近の日」は、支払要求があってから支払いの実行できる一番早い日という意味であるから、引用発明において、「振込を実行可能な直近の日」を支払要求があってから、「直後」とすること、「直近」或いは「直後」の指定を明示的に行うことは、当業者が適宜なし得た事項である。
オ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
カ したがって、本件補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年10月7日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~13に係る発明は、令和4年5月13日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない、又は、下記の引用文献2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2の記載事項及び引用発明は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「受付部」が受け付ける「請求書情報」の内容について「(利用者の利用者端末によって撮影された請求書が示す)支払期限を含む」との限定事項を削除し、併せて、上記「受付部」が受け付ける「支払いを実行する指定」の内容について「前記支払期限から特定される支払可能期間内において(前記利用者による前記請求書に関する支払日時の指定、月々の支払日の指定、または直後に)」との限定事項を削除したものである。さらに、本件補正発明から、「決済処理部」の内容について「(前記請求書情報に基づく決済を、指定を受け付けられた前記支払日時、前記月々の支払日、または直後)であって前記支払可能期間内(に行う)」との限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明との間には、前記第2の[理由]2(3)で言及した相違点1及び2は存在しないことになり、相違点3は実質的な相違点ではないので、本願発明と引用発明は、相違点4において、相違する。そして、相違点4については、前記第2の[理由]2(4)に示したとおりである。
よって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-016095