2022-014123
変位計測装置
- 審判番号
- 2022-014123
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-216647外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年09月08日
- 審決日
- 2023年11月08日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】オムロン株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 分類
- P18 .575-Z (G01B) / P18 .121-Z (G01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成29年3月14日に出願した特願2017-48283号の一部を令和2年12月25日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
同年 6月30日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年 7月 5日 :原査定の謄本の送達)
同年 9月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和4年9月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年9月8日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 本件補正の内容
令和4年9月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、次の(1)に示す本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載を、後記の(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正することを含むものである。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】共焦点光学系を有するセンサヘッドと、複数の波長を有する照射光を発生させる投光部と、前記センサヘッドで受光される、前記照射光の反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光量に基づいて前記センサヘッドと前記反射光の反射位置との間の距離を算出する制御部とを含むコントローラと、前記センサヘッドと前記コントローラとの間において光を導く導光部と、を備え、前記制御部は、前記センサヘッドと前記反射位置との間の前記距離が規定距離範囲の中央部にあるかどうかを判定し、その判定結果に応じて、連続点灯または点滅の状態が異なる前記照射光を前記導光部を介して前記センサヘッド側へ伝達するように制御する、変位計測装置。」
(2) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】共焦点光学系を有するセンサヘッドと、複数の波長を有する照射光を発生させる投光部と、前記センサヘッドで受光される、前記照射光の反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光量に基づいて前記センサヘッドと前記反射光の反射位置との間の距離を算出する制御部とを含むコントローラと、前記センサヘッドと前記コントローラとの間において光を導く導光部と、を備え、前記制御部は、前記センサヘッドと前記反射位置との間の前記距離が規定距離範囲の中央部にあるかどうかを判定し、その判定結果に応じて、連続点灯または点滅の状態が異なる前記照射光を前記導光部を介して前記センサヘッド側へ伝達するように制御し、前記制御部は、前記点滅の状態において、前記投光部の出力のピーク値が、前記連続点灯の状態にある場合の前記投光部の出力よりも高くなるように、前記投光部を制御する、変位計測装置。」
2 本件補正の目的
本件補正のうち請求項1の補正は、本件補正前の請求項1の「制御部」について、「前記制御部は、前記点滅の状態において、前記投光部の出力のピーク値が、前記連続点灯の状態にある場合の前記投光部の出力よりも高くなるように、前記投光部を制御する」と限定をするものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
よって、本件補正のうち請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
3 独立特許要件についての当審の判断
本件補正のうち請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するから、本件補正後における請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討を行う。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。
(2) 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
ア 引用文献4に記載された事項及び引用発明の認定
(ア) 引用文献4に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された特開2015-59825号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。下線は合議体が付した。以下同様である。
a 段落【0020】~【0021】、【図1】
「【0020】[第1実施形態]次に、本発明の第1実施形態に係る三次元測定装置について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本施形態に係る三次元測定装置を構成するシステムの全体図である。この三次元測定装置は、三次元測定装置1の測定プローブとして本実施形態に係る非接触式の光学式プローブ17を装着する事により構成されている。この三次元測定装置には、三次元測定装置1を駆動制御すると共にこの三次元測定装置1から必要な測定座標値を取り込むための駆動制御装置2と、この駆動制御装置2を介してこの三次元測定装置1を手動操作するための操作盤3と、駆動制御装置2での測定手順を指示するパートプログラムを編集・実行すると共に、駆動制御装置2を介して取り込まれた測定座標値に幾何形状を当てはめるための計算を行ったり、パートプログラムを記録、送信したりする機能を備えたホストシステム4とから構成されている。【0021】三次元測定装置1は、次のように構成されている。即ち、除振台10の上には、定盤11がその上面をベース面として水平面と一致するように載置され、この定盤11の両側端から立設されたアーム支持体12a,12bの上端でX軸ガイド13を支持している。アーム支持体12aは、その下端がY軸駆動機構14によってY軸方向に駆動され、アーム支持体12bは、その下端がエアーベアリングによって定盤11上にY軸方向に移動可能に支持されている。X軸ガイド13は、垂直方向に延びるZ軸ガイド15をX軸方向に駆動する。Z軸ガイド15には、Z軸アーム16がZ軸ガイド15に沿って駆動されるように設けられ、Z軸アーム16の下端に非接触式の光学式プローブ17が装着されている。尚、光学式プローブ17は、水平面内で回転可能であっても良いし、当該水平面に対して垂直な面内で回転可能であっても良い。」
「【図1】[図:0001405393000001.jpg]」
b 段落【0022】~【0025】、【図2】
「【0022】図2は、本施形態に係る三次元測定装置の光学式プローブ17の構成を示す概略図、図3は同じく斜視図である。光学式プローブ17は、筐体171と、筐体171内に配置された照射光学系172と、ワークを撮像する撮像装置173と、撮像装置173の出力に応じて照射光学系172の発光量を調整する制御回路174とを備えて構成されている。【0023】照射光学系172は、所定の平面(照射面)S3に沿った照射光をワーク5に向けて照射する。照射光学系172は、レーザ光源1721及びビームエキスパンダ1723を備えて構成される。レーザ光源1721から発せられたレーザは、ビームエキスパンダ1723にて紙面に直交する方向に拡幅されて上記所定の平面S3に沿った照射光となる。なお、ビームエキスパンダ1723は、例えばロッドレンズ、又はシリンドリカルレンズである。尚、本明細書において「照射光」と言った場合には、照射光学系172から照射された後、ワーク5表面に到達する前の光を意味することとする。尚、本実施形態においては、点光源にシリンドリカルレンズ等を組合せて所定の平面に沿った照射光を発生させているが、LEDを直線状に並べ、フロスト等の光学系と組み合わせることによって直線状の光を作り出したもの等、他の方法を用いても良い。【0024】ワーク5の表面に投射された投射光は、所定の平面S3とワーク5表面との交点の集合からなる直線又は曲線に沿って直線状又は曲線状に広がる。換言すれば、所定の平面S3によってワーク5を切断した場合の切断面の輪郭に、投射光が投射される。本明細書において「投射光」と言った場合には、照射光がワーク5の表面に到達し、当該表面で反射された撮像可能な線状の光を意味することとする。【0025】撮像装置173は、投射光の波長を通過させるバンドパスフィルタ1731aとレンズ1731bとを備えた光学系1731及び当該光学系1731を介してワーク5の画像を撮像するCMOSセンサ1732を備え、上記照射面S3とは異なる位置からワーク5を撮像する。即ち、ワーク5表面に投射され、ワーク5表面の形状に沿って反射された投射光を、撮像装置173によって所定の角度から受光する。尚、バンドパスフィルタ1731aは、投射光以外のノイズ光を遮蔽し、投射光のみを透過させて、測定精度を向上させるという点で有効であるが、必須のものではなく、省略することも可能である。」
「【図2】[図:0001405393000002.jpg]」
c 段落【0026】、【図3】
「【0026】図3には、光学式プローブ17を用いて照射された照射光及び投射光が示されている。図3(a)に示す通り、照射光学系172によってワーク5に投射光Lを投射すると、ワーク5表面の凹凸形状に沿って投射光が変形し、ワーク5を照射面S3で切断した時の輪郭が照らし出される。撮像装置173は、図3(b)に示すように、上記所定の照射面S3とは異なる位置からワーク5を撮像し、当該位置から見た投射光Lの画像を、L′として取得する。」
「【図3】[図:0001405393000003.jpg]」
d 段落【0027】~【0028】、【図4】
「【0027】図4は、照射光学系172及び撮像装置173の光学式プローブ17内の配置を示す概略図である。なお、図4において、バンドパスフィルタ1731aは省略している。【0028】本実施の形態に係る光学式プローブ17にはシャインプルーフの原理が利用されており、図4に示すように、CMOSセンサ1732の撮像面を含む面(以下、「撮像面S1」と呼ぶ。)、レンズ1731bの主点を含む主平面S2、ワーク5に照射される照射光の照射面S3は、点Pに位置し、紙面に直交する1本の線で交わる。本実施形態においては、このような配置によって、CMOSセンサ1732の撮像面S1上全体が照射面S3に対して合焦状態となる。ここで、照射光学系172と撮像装置173との距離は既知であり、撮像面S1と照射面S3との角度も既知である。更に、投射光が投射されたワーク5の表面の位置と照射光学系172との距離は、ワーク5の表面において反射された投射光を受光した撮像素子の位置から特定される。従って、上記照射光学系172と撮像装置173との距離、撮像面S1と照射面S3との角度及び照射光が照射されたワーク5の表面の位置と照射光学系172との距離から、光学式プローブ17とワーク5の投射光が投射された部分との位置関係を演算可能である。更に、光学式プローブ17と定盤11との位置関係はX軸ガイド13、Y軸駆動機構14及びZ軸ガイド15等の内部に搭載されたエンコーダ等によって特定される。従って、定盤11上における、ワーク5の投射光が投射された部分の位置を演算可能である。」
「【図4】[図:0001405393000004.jpg]」
e 段落【0029】、【図5】
「【0029】図5は、本実施形態に係るCMOSイメージセンサ1732を示す模式図である。CMOSイメージセンサ1732は受光面に行列状に配置された複数の撮像素子を備えており、本実施形態においては照射光の広がる方向(図4における上記照射面S3と撮像面S1との交線が延びる方向)に、例えば1024個、これと直交する方向に、例えば1280個の撮像素子(CMOSセル)を有している。また、CMOSイメージセンサ1732は、ローリングシャッター機能を有している。ローリングシャッター機能とは、1つないし複数の行(または列)に配置されている撮像素子のみを同時に受光させ、この行単位(または列単位)の受光を列方向(または行方向)に順次行う方法である。例えば、図5においては、1列目に配置された撮像素子(太枠で強調されている撮像素子)の受光は、同時に行われる。この受光動作が終了すると、2列目、3列目と順次受光が行われる。」
「【図5】[図:0001405393000005.jpg]」
f 段落【0030】、【図6】
「【0030】図6は、CMOSイメージセンサ1732の撮像領域321及び観察領域322について説明するための模式図である。本実施形態に係る三次元測定装置においては、CMOSイメージセンサ1732中、主としてワーク5の撮像に使用される所定の領域を撮像領域321、撮像領域321を含むCMOSイメージセンサ1732の全領域を観察領域322とし、詳細な測定を行う場合には撮像領域321に配置された撮像素子のみを用いて三次元測定を行う。これにより、CMOSイメージセンサ1732のフレームレートを高くする事が可能である。尚、これら撮像領域321及び観察領域322はCMOSイメージセンサ1732の撮像面上の領域である。」
「【図6】[図:0001405393000006.jpg]」
g 段落【0031】~【0032】、【図7】
「【0031】図7は、本実施形態に係る光学式プローブ17の制御系統を表すブロック図である。制御回路174は、CPU1741と、CPU1741に接続されたプログラム記憶部1742、ワークメモリ1743、及び多値画像メモリ1744とを備えて構成されている。CMOSイメージセンサ1732で取得された画像情報は、多値画像メモリ1744に記憶される。CPU1741は、多値画像メモリ1744に記憶された画像情報を参照して、光量制御部1724を介して照射光学系172の光量を調整する。【0032】次に、この様に構成された三次元測定装置の動作について説明する。図4に示す通り、本実施形態においては撮像装置173が上記照射面S3とは異なる位置に配置されている。従って、ワーク5表面のある部分へ向かう照射光の方向と、当該部分において反射された投射光のうち、撮像装置173に向かう部分との方向とが異なっている。従って、例えば光学式プローブ17とワーク5との距離が近付き過ぎてしまったり、離れ過ぎてしまった場合、ワーク5表面に照射された投射光が撮像装置173の撮像範囲外となってしまい、撮像を行うことが出来ない。投射光が撮像装置173の撮像領域321内において受光されているかどうかをホストシステム4のディスプレイ上から確認する場合、オペレータはディスプレイ及び定盤11上のワーク5の両方を視認しなければならず、操作性の低下を招いてしまう。」
「【図7】[図:0001405393000007.jpg]」
h 段落【0033】~【0037】、【図8】
「【0033】図8は、本実施形態に係る三次元測定装置の動作を示すためのフローチャートである。本実施形態においては、投射光が撮像装置173の撮像領域321内において受光されているかどうかを、投射光の点滅状態によって示すことが可能である。即ち、本実施形態に係る三次元測定装置は、測定に際してワーク5に照射光を照射し、CMOSイメージセンサ1732の撮像面中、撮像領域321内において投射光が撮像されているか、例えば撮像領域321内に配置された撮像素子の受光量が閾値を上回っているか否かを確認し(ステップS101)、撮像領域321内に配置された撮像素子のうち、受光量が閾値を上回っている撮像素子が存在する場合には照射光学系172から照射される光を点灯させ(ステップS102)、撮像領域内321に配置された撮像素子のうち、受光量が閾値を上回っている撮像素子が存在しない場合には照射光学系172から照射される光を所定の周期で、オペレータが視認可能な光量(例えば0近傍の光量及び所定の光量)にて点滅させる(ステップS103)。なお、ステップS101では、撮像領域321内の全ての撮像素子のうち、受光量が閾値を上回っているものが占める割合によって判定しても良い。【0034】このような態様においては、光学式プローブ17とワーク5との距離が、撮像装置173によってワーク5表面に投射された投射光を撮像することが可能な距離範囲内である場合に投射光が点灯し、光学式プローブ17とワーク5との距離が、当該距離範囲を超えた場合には投射光が点滅する。従って、オペレータはワーク5表面に照射された投射光の状態を視認するだけで光学式プローブ17とワーク5との距離が適切であるか否かを確認することが可能であり、操作性にすぐれた三次元測定装置を提供することが可能である。また、光学式プローブ17とワーク5との距離が適切でない場合にはワーク5の形状を測定することが出来ない為、このようなタイミングで照射光学系172から照射される光を点滅させても測定には影響を及ぼすことが無い。【0035】尚、上記「点灯」とは、オペレータ等から見て照射光ないし投射光が連続的に発光している状態であり、上記「点滅」とは、オペレータ等から見て点滅している、と認められる状態である。従って、例えばPWM制御等によって照射光学系172が制御されている場合であっても、オペレータ等から見て連続的に発光していると判断可能である場合には、「点滅」では無く「点灯」しているものとする。【0036】また、本発明によれば光学式プローブ17にレーザポインタや他の照明光源を設ける必要が無いため、上述した発熱によって生じる種々の問題を抑制することが可能であり、また、部品点数の削減によって光学式プローブ17の小型化及び低コスト化を図ることも可能である。更に、測定不能な状況で照射光学系が点滅するので、消費電力も抑えられる。【0037】更に、本実施形態に係る方法はソフトウェアやファームウェア等によって安価に実現することが可能であり、既存の三次元測定装置に適用することも可能である。また、例えば本発明をソフトウェア等によって実現し、当該ソフトウェア等によって既存の装置に搭載された指示光発光部をOFFにする様に構成した場合、既存の装置を用いた場合にも上記熱による問題を回避しつつ操作性を向上させることが可能である。」
「【図8】[図:0001405393000008.jpg]」
(イ) 引用発明の認定
前記(ア)において摘記した事項を総合すると、引用文献4には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「 測定プローブとして非接触式の光学式プローブ17を装着する事により構成されている三次元測定装置1であって、(【0020】)三次元測定装置1を駆動制御すると共にこの三次元測定装置1から必要な測定座標値を取り込むための駆動制御装置2と、この駆動制御装置2を介してこの三次元測定装置1を手動操作するための操作盤3と、駆動制御装置2での測定手順を指示するパートプログラムを編集・実行すると共に、駆動制御装置2を介して取り込まれた測定座標値に幾何形状を当てはめるための計算を行ったり、パートプログラムを記録、送信したりする機能を備えたホストシステム4とから構成されており、(【0020】)光学式プローブ17は、筐体171と、筐体171内に配置された照射光学系172と、ワークを撮像する撮像装置173と、撮像装置173の出力に応じて照射光学系172の発光量を調整する制御回路174とを備えて構成されており、(【0022】)照射光学系172は、所定の平面(照射面)S3に沿った照射光をワーク5に向けて照射するものであり、レーザ光源1721及びビームエキスパンダ1723を備えて構成されており、(【0023】)ワーク5の表面に投射された投射光は、所定の平面S3とワーク5表面との交点の集合からなる直線又は曲線に沿って直線状又は曲線状に広がり、所定の平面S3によってワーク5を切断した場合の切断面の輪郭に、投射光が投射され、(【0024】)撮像装置173は、上記照射面S3とは異なる位置からワーク5を撮像するものであり、ワーク5表面に投射され、ワーク5表面の形状に沿って反射された投射光が、撮像装置173によって所定の角度から受光され、(【0025】)投射光が投射されたワーク5の表面の位置と照射光学系172との距離は、ワーク5の表面において反射された投射光を受光した撮像素子の位置から特定され、(【0028】)光学式プローブ17とワーク5との距離が、撮像装置173によってワーク5表面に投射された投射光を撮像することが可能な距離範囲内である場合に投射光が点灯し、光学式プローブ17とワーク5との距離が、当該距離範囲を超えた場合には投射光が点滅し、オペレータはワーク5表面に照射された投射光の状態を視認するだけで光学式プローブ17とワーク5との距離が適切であるか否かを確認することが可能であり、(【0034】)上記「点灯」とは、オペレータ等から見て照射光ないし投射光が連続的に発光している状態であり、上記「点滅」とは、オペレータ等から見て点滅している、と認められる状態である、(【0035】)三次元測定装置1。」
イ 引用文献5、6に記載された事項と周知技術1の認定
(ア) 引用文献5に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された特開2013-174594号公報(「引用文献5」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0018】図1は、本発明の一実施形態のクロマティック・レンジ・センサ(CRS)測定装置100のブロック図である。図1に示すように、CRS測定装置100は、光学要素120と、CPS電子機器部(以下、単に電子機器部)160とを含む。図1に示す実施形態では、電子機器部160は、信号演算器166と、記憶部168と、CPS波長検出器(以下、単に波長検出器)162及び広波長帯域光源164(白色光源とも呼ばれる)からなるサブシステム(光源+検出器)161とを含む。図1のCRS測定装置100は、同時に1つの測定点を測定するクロマティック・ポイント・センサ測定装置である。図1の光学要素120は光学ペンである。しかし、様々な実施形態では、クロマティック・ライン・センサといった、クロマティック・レンジ・センサの変形タイプを、ここに開示された装置及び方法に従って動作させるために構成してもよい。【0019】様々な実施形態において、波長検出器162は、分光計の検出器アレイ163を含む。検出器アレイ163は、波長検出器162の測定軸に沿って配列された複数のピクセルから構成されていてもよい。なお、それら複数のピクセルは、それぞれの波長光を受光して、出力スペクトルプロファイルのデータを供給する。続きを表示(全18行)【0020】電子機器部160は、光ファイバケーブル112を含む光路を通じて、光学要素120に連結されている。図1に示す実施形態には、上記光路についての任意選択による態様、または代替の態様を示す。例えば、その光路は、光ファイバセグメント112Bの接続子CONNECT-Dで接続された第1セグメント112A及び第2セグメント112Bと、第2セグメント112Bを電子機器部160に接続する連結器COUPLER-Oとを含む。光源164は、波長光のスペクトルプロファイル(入力光)を入力するために光ファイバケーブル112に接続されている。【0021】光学要素120は、入出力(I/O)用の光ファイバ・サブアセンブリ105と、筐体130と、光学系部分150とを含む。入出力用の光ファイバ・サブアセンブリ105は、入出力用の光ファイバ113と、光ファイバ接続子108とを備える。入出力用の光ファイバ113は、この光ファイバ113を包んでいる光ファイバケーブル112から延長されたものである。入出力用の光ファイバ113は、開口部195を通して出力ビームを出力すると共に、反射された測定信号光(反射光)を開口部195を通して受け取る。【0022】動作中、ファイバ端部からの放射光は、開口部195を通して、光学系部分150により合焦する。その光学系部分150は、クロマティック共焦点センサで既知のように、光軸方向の色分散を供給するレンズを含んでいる。この光軸方向の色分散とは、光軸OAに沿った焦点が光の波長に応じて異なった距離の位置に生じることを言う。より詳細に後述するように、測定動作中、ワーク170の表面位置(被測定面)190上で光の焦点が合う。光が表面位置190を反射すると、光学系部分150によって開口部195上で再び光の焦点が合う。光学系部分150によって提供される光軸方向の色分散により、1つの波長光のみが、測定距離「Z」に一致する焦点距離を有することになる。【0023】その測定距離Zは、光学要素120に関連する固定の基準位置RPから表面位置190までの距離を示す。表面位置190で最もよく焦点が合う波長光が、開口部195において最もよく焦点が合う波長光にもなるように、クロマティック・レンジ・センサ(CRS)が形成されている。最も良く焦点の合った波長が、主に開口部195を通過して光ファイバケーブル112の光ファイバ113のコアに入るように、開口部195は、反射光を空間的にフィルタリングしている。以下の詳細な記載にあるように、光ファイバケーブル112は、信号光を波長検出器162に伝搬する。この波長検出器162は、表面位置190までの測定距離Zに応じた波長で、かつ、主強度を有する波長を決定するために利用される。【0024】通常測定の動作中、広波長帯域光源164は、信号演算器166により制御され、光ファイバの経路を通じてCRS光学要素120に連結されている。この光ファイバの経路は、照明ファイバセグメント165I、2×1連結器COUPLER-E、CONNECT-E、および光ファイバケーブル112を含んでいる。上述したように、光は、長軸方向の色収差を生じさせる光学要素120を通じて進行する。開口部195を通って光ファイバケーブル112内に最も効率よく戻ってくる光の波長は、表面位置190上で焦点の合う波長である。次に、反射された波長依存性の光強度は、光ファイバの経路を通って、電子機器部160及び連結器COUPLER-Eまで戻って行く。その結果、光の約50%が、信号ファイバセグメント165Sを通って、波長検出器162に向けられるようになる。波長検出器162は、波長依存性の光強度を受け取り、その光強度を検出器アレイ163の測定軸に沿ってピクセルの配列に渡って分布する出力スペクトル強度プロファイル(単に出力スペクトルプロファイルとも呼ばれる。)に変換する。そして、波長検出器162は、検出器アレイ163から出力されるピクセルデータに基づいて対応する出力スペクトルプロファイルデータを供給するように動作する。【0025】プロファイルデータ(出力スペクトルプロファイルデータ)についてのサブピクセル分解能を有する距離表示座標(DIC:distance-indicating coordinate)が、信号演算器166によって計算される。そして、図4について後でさらに述べるように、計算されたDICが、距離校正のルックアップテーブル等を介して表面位置190までの測定距離Zを決める。距離校正のルックアップテーブル等は、記憶部168に記憶されている。距離表示座標(DIC)は、さらに後述する様々な方法(例えば、プロファイルデータのピーク領域に含まれるプロファイルデータの重心を決定する方法)によって、決定され得る。距離表示座標(DIC)が校正動作中に決定される場合は、そのDICを校正距離表示座標と呼ぶ。また、距離表示座標(DIC)がワーク表面の測定動作中に決定される場合は、そのDICを測定距離表示座標と呼ぶ。サブピクセルの距離表示座標の決定に使用されるプロファイルデータについては、後でさらに詳細に説明する。【0026】図1は、基本的骨格として、XYZ直交座標軸を含んでいる。Z方向は、光学要素120の光軸または距離の測定軸に平行するものとして定義されている。図1に示すように、動作中、ワーク170は、光学要素120の光軸OAに沿って配置される。一実施形態では、ワーク170は、移動ステージ175上に載置された状態で、位置合わせされる。有利なことには、ガイドベアリング175Bによって拘束されたZ軸方向に沿って、それ(ワーク170)が移動できて、その表面175AがXY平面に名目上平行な状態になるように、その移動ステージ175自体が位置合わせされ得るようになっている。CRS測定装置100の他の例示的な特徴および動作について、より詳細に後述する。」
「【図1】[図:0001405393000009.jpg]」
(イ) 引用文献6に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された特開2013-68523号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0018】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。(実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1に係る光学計測装置の構成を示す模式図である。図1に示す光学計測装置は、共焦点光学系を利用して計測対象物200の変位(計測対象物200までの距離の変化)を計測する共焦点計測装置100である。共焦点計測装置100で計測する計測対象物200には、たとえば液晶表示パネルのセルギャップなどがある。続きを表示(全34行)【0019】共焦点計測装置100は、共焦点の光学系を有するヘッド部10、光ファイバ11を介して光学的に接続されたコントローラ部20、コントローラ部20から出力される信号を表示するモニタ部30、後述するヘッド部10の個体情報を記憶した記憶部40を備えている。【0020】ヘッド部10は、回折レンズ1、回折レンズ1より計測対象物200側に配置された対物レンズ2を備えている。回折レンズ1の焦点距離は、回折レンズから対物レンズまでの距離と、対物レンズの焦点距離との差より大きくしてある。【0021】ここで、回折レンズ1は、後述する複数の波長の光を出射する光源(たとえば、白色光源)から出射する光に、光軸方向に沿って色収差を生じさせる光学素子である。回折レンズ1は、レンズの表面に、たとえばキノフォーム形状あるいはバイナリ形状(ステップ形状、階段形状)などの微細な起伏形状を周期的に形成するか、光の透過率を周期的に変更する振幅型のゾーンプレートを形成してある。なお、回折レンズ1の構成は、上記の記載の構成に限定されるものではない。【0022】対物レンズ2は、回折レンズ1で色収差を生じさせた光を計測対象物200に集光する光学素子である。なお、共焦点計測装置100は、複数の波長の光を出射する光源に、白色光源を用いる場合について以下に説明する。【0023】白色光源から出射する光は、光ファイバ11を介してヘッド部10に導かれている。光ファイバ11から出射する光を、回折レンズ1で有効に利用するには、光ファイバ11の開口数(NA:numerical aperture)と回折レンズ1の開口数とを一致させる必要がある。そのため、光ファイバ11と回折レンズ1との間に集光レンズ3を設けて、光ファイバ11の開口数と回折レンズ1の開口数とが一致するように調整している。【0024】光ファイバ11は、ヘッド部10からコントローラ部20までの光路であるとともに、ピンホールとしても機能している。つまり、対物レンズ2で集光した光のうち、計測対象物200で合焦する光は、光ファイバ11の開口部で合焦することになる。そのため、光ファイバ11は、計測対象物200で合焦しない波長の光を遮光し、計測対象物200で合焦する光を通過させるピンホールとして機能することになる。ヘッド部10からコントローラ部20までの光路に光ファイバ11を用いることで、ピンホールが不要となる。【0025】共焦点計測装置100は、ヘッド部10からコントローラ部20までの光路に光ファイバ11を用いるので、ヘッド部10をコントローラ部20に対してフレキシブルに移動することが可能になる。【0026】コントローラ部20は、白色光源である白色LED(Light Emitting Diode)21、分岐光ファイバ22、分光器23、撮像素子24、制御回路部25を備えている。白色光源として白色LED21を用いているが、白色光を出射することができる光源であれば他の光源であってもよい。【0027】分岐光ファイバ22は、光ファイバ11と接続する側に一本の光ファイバ22a、反対側に二本の光ファイバ22b、22cを有している。なお、光ファイバ22bは白色LED21に、光ファイバ22cは分光器23にそれぞれ接続してある。そのため、分岐光ファイバ22は、白色LED21から出射する光を光ファイバ11に導くとともに、光ファイバ11を介してヘッド部10から戻る光を分光器23に導くことができる。【0028】分光器23は、ヘッド部10から戻る光を反射する凹面ミラー23a、凹面ミラー23aで反射した光が入射する回折格子23b、回折格子23bから出射する光を集光する集光レンズ23cを有している。分光器23は、ヘッド部10から戻る光を波長ごとに分けることができれば、ツェルニターナ型、リトロー型などのいずれの構成であってもよい。【0029】撮像素子24は、分光器23から出射する光の強度を測定するラインCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)である。ここで、共焦点計測装置100では、分光器23および撮像素子24で、ヘッド部10から戻る光の強度を波長ごとに測定する測定部を構成している。なお、測定部は、ヘッド部10から戻る光の強度を波長ごとに測定することができれば、CCDなどの撮像素子24の単体で構成してもよい。また、撮像素子24は、2次元のCMOSや2次元のCCDであってもよい。【0030】制御回路部25は、白色LED21や撮像素子24などの動作を制御する分光制御回路部25aと、撮像素子24から出力された信号を処理する信号処理回路部25bとを有している。さらに、制御回路部25は、白色LED21や撮像素子24などの動作を調整するための信号や、後述するヘッド部10の個体情報を入力するための入力インターフェース25cと、モニタ部30と電気的に接続し、撮像素子24の信号を処理した結果を出力するための出力インターフェース25dとを有している。【0031】なお、コントローラ部20は、分光器23、撮像素子24および制御回路部25の分光制御回路部25aで、ヘッド部10で受光した光を電気信号に変換する光学ユニットを構成している。制御回路部25の信号処理回路部25bは、光学ユニットで変換した電気信号に対して演算を行ない、計測結果を出力する。【0032】モニタ部30は、撮像素子24が出力した信号を表示する。モニタ部30は、ヘッド部10から戻る光のスペクトル波形を描画し、計測対象物200の距離が、たとえば123.45μmであることを表示する。【0033】記憶部40は、製造されるヘッド部10のそれぞれの個体に対して関係付けられ、コントローラ部20で行なう演算に必要なヘッド部10の情報を個体情報として記憶する。ここで、計測対象物200の変位を計測する共焦点計測装置100の場合、ヘッド部10の個体情報は、後述する波長-距離補正係数である。」
「【図1】[図:0001405393000010.jpg]」
(ウ) 周知技術1の認定
前記(ア)及び(イ)に摘記した事項に例示されるように、次の事項は当業者にとって周知技術であったと認められる(以下「周知技術1」という)。
[周知技術1]
「 共焦点光学系を有するセンサヘッドと、複数の波長を有する照射光を発生させる投光部と、前記センサヘッドで受光される、前記照射光の反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光量に基づいて前記センサヘッドと前記反射光の反射位置との間の距離を算出する制御部とを含むコントローラと、前記センサヘッドと前記コントローラとの間において光を導く導光部と、を備えた、変位計測装置。」
ウ 引用文献8に記載された事項と技術常識1の認定
(ア) 引用文献8に記載された事項
当審において新たに引用する特開2012-208102号公報(以下「引用文献8」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0082】次に、図12は、本発明の実施の形態2に係る共焦点計測装置100の白色LEDと光ファイバとの結合部の構成を示す概略図である。図12に示す白色LED21と光ファイバ22bとの結合部は、保持筐体210、ファイバ留め具211を含んでいる。保持筐体210には、白色LED21を実装した基板21aをネジなどで固定してある。保持筐体210は、アルミ合金等の金属製であり、白色LED21を点灯したときに発生する熱を基板21a介して放熱しやすくなっている。なお、白色LED21は、発熱量を抑えるためにはパルス点灯が望ましいが、ノイズを抑えるためには連続点灯の方が望ましい。」
「【0088】次に、本発明の実施の形態2に係る共焦点計測装置100では、安定した測定結果を得るために白色LED21の発光強度を調整している。つまり、共焦点計測装置100は、白色LED21の発光強度が大きすぎると、撮像素子24の受光波形が飽和してしまうため正しいピークを得ることができず、逆に白色LED21の発光強度が小さすぎると、撮像素子24の受光波形がノイズに埋もれてしまうため正しいピークを得ることができない。【0089】また、白色LED21の分光スペクトルは、前述したように、波長に対して発光強度が変化して一定ではない。そのため、安定した測定結果を得るために白色LED21の発光強度を調整する必要がある。続きを表示(全14行)【0090】図14は、撮像素子24の受光波形と閾値の関係を示した図である。安定した測定結果を得るために、撮像素子24の受光波形のピークが第1閾値と第2閾値との間となるように白色LED21の発光強度を調整する。【0091】図15は、白色LED21の発光強度を調整する動作を説明するためのフローチャートである。まず、撮像素子24は、図14に示すような受光波形を取込む(ステップS151)。次に、図1に示す制御回路部25は、撮像素子24で取込んだ受光波形にピークが含まれているか否かを判断する(ステップS152)。制御回路部25は、撮像素子24で取込んだ受光波形にピークが含まれていないと判断した場合(ステップS152:NO)、白色LED21の発光強度が大きくなるように、投入電流を大きくしたり、発光パルス幅を広くしたりする(ステップS153)。【0092】制御回路部25は、撮像素子24で取込んだ受光波形にピークが含まれていると判断した場合(ステップS152:YES)、受光波形のピークが図14に示すような第1閾値以上であるか否かを判断する(ステップS154)。制御回路部25は、受光波形のピークが第1閾値以上でない(第1閾値より小さい)と判断した場合(ステップS154:NO)、処理をステップS153に進め、白色LED21の発光強度が大きくなるように、投入電流を大きくしたり、発光パルス幅を広くしたりする。【0093】制御回路部25は、受光波形のピークが第1閾値以上であると判断した場合(ステップS154:YES)、受光波形のピークが図14に示すような第2閾値より小さいか否かを判断する(ステップS155)。制御回路部25は、受光波形のピークが第2閾値より小さくない(第2閾値以上)と判断した場合(ステップS155:NO)、白色LED21の発光強度が小さくなるように、投入電流を小さくしたり、発光パルス幅を狭くしたりする(ステップS156)。【0094】制御回路部25は、受光波形のピークが第2閾値より小さいと判断した場合(ステップS155:YES)、処理を終了する。」
「【図1】[図:0001405393000011.jpg]」
「【図14】[図:0001405393000012.jpg]」
「【図15】[図:0001405393000013.jpg]」
(イ) 技術常識1の認定
前記(ア)に摘記した事項に例示されるように、次の事項は当業者にとって技術常識であったと認められる(以下「技術常識1」という)。
[技術常識1]
「光学的計測装置の光源の発光強度が小さくて受光信号がノイズに埋もれてしまうことのないように、光源の発光強度が大きくなるように制御すること。」
(3) 対比・判断
ア 対比
(ア) 対比分析
本件補正発明と引用発明を対比する。
a(a) 引用発明の「三次元測定装置1」は、「投射光が投射されたワーク5の表面の位置と照射光学系172との距離」が「特定」されるものである。
(b) ここで、「ワーク5」の表面形状については任意のものが想定されるから、「投射光が投射されたワーク5の表面の位置と照射光学系172との距離」は、「ワーク5の表面の位置」により変化することは明らかである。
(c) そして、「ワーク5の表面の位置」による距離の変化は、「照射光学系172」を基準としてみると「ワーク5の表面」の変位であるといえるから、引用発明の「三次元測定装置1」は、変位を計測する装置であるといえる。
(d) したがって、本件補正発明と引用発明は、「変位計測装置」の発明である点において一致する。
b(a) 引用発明の「光学式プローブ17」の「筐体171」は、本件補正発明の「センサヘッド」に相当する。
(b) ここで、引用発明においては、「照射光学系172と、ワークを撮像する撮像装置173」が「筐体171内に配置され」ているところ、「照射光学系172」は「照射光をワーク5に向けて照射するものであり」、「撮像装置173」においては「ワーク5表面に投射され、ワーク5表面の形状に沿って反射された投射光が、撮像装置173によって所定の角度から受光され」るから、「光学式プローブ17」の「筐体171」は、照射光学系及び受光光学系を有するものであるといえる。
(c) そうすると、本件補正発明の「共焦点光学系を有するセンサヘッド」と引用発明の照射光学系及び受光光学系を有する「光学式プローブ17」の「筐体171」は、「照射光を照射する照射光学系及び反射光を受光する受光光学系を有するセンサヘッド」である点において共通する。
(d) したがって、本件補正発明と引用発明は、「照射光を照射する照射光学系及び反射光を受光する受光光学系を有するセンサヘッドを備える」点において共通する。
c(a) 引用発明においては、「投射光が投射されたワーク5の表面の位置と照射光学系172との距離は、ワーク5の表面において反射された投射光を受光した撮像素子の位置から特定され」るところ、前記bの検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、「前記センサヘッドと前記反射光の反射位置との間の距離を算出」する点において共通する。
(b) 引用発明の「ホストシステム4」は、制御部を含むコントローラであることは自明であるところ、「駆動制御装置2を介して取り込まれた測定座標値に幾何形状を当てはめるための計算を行[う]」ものであるから、「投射光が投射されたワーク5の表面の位置と照射光学系172との距離」は、「ホストシステム4」において算出されているといえる。
(c) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記センサヘッドと前記反射光の反射位置との間の距離を算出する制御部を含むコントローラを備える」という点において共通する。
d(a) 本件補正発明の「規定距離範囲」とは、「変位計測装置の計測可能な距離の範囲として予め規定された範囲」を意味するところ(本願の明細書段落【0005】を参照)、引用発明の「撮像装置173によってワーク5表面に投射された投射光を撮像することが可能な距離範囲」は、本件補正発明の「規定距離範囲」に相当する。
(b) 引用発明においては、「光学式プローブ17とワーク5との距離が、撮像装置173によってワーク5表面に投射された投射光を撮像することが可能な距離範囲内である場合に投射光が点灯し、光学式プローブ17とワーク5との距離が、当該距離範囲を超えた場合には投射光が点滅」するから、規定距離範囲にあるかどうかを判定し、その判定結果に応じて、連続点灯または点滅の状態が異なる照射光となるように制御しているといえる。
(c) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記センサヘッドと前記反射位置との間の前記距離が規定距離範囲にあるかどうかを判定し、その判定結果に応じて、連続点灯または点滅の状態が異なる前記照射光となるように制御する」点において共通する。
(イ) 一致点及び相違点の認定
前記(ア)の対比分析の検討結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の一致点において一致し、以下の相違点において相違する。
a 一致点
「照射光を照射する照射光学系及び反射光を受光する受光光学系を有するセンサヘッドと、前記センサヘッドと前記反射光の反射位置との間の距離を算出する制御部を含むコントローラと、を備え、前記センサヘッドと前記反射位置との間の前記距離が規定距離範囲にあるかどうかを判定し、その判定結果に応じて、連続点灯または点滅の状態が異なる前記照射光となるように制御する、変位計測装置」である点。
b 相違点
本件補正発明においては、以下の構成A~Cを備えるのに対して、
引用発明においては、光学式プローブ17は共焦点光学系を有しておらず、導光部がなく、光学式プローブ17の制御回路174により照射光学系172の発光量が調整されており、点滅状態における投射光出力を点灯状態における投射光出力よりも高くしていない点。
<構成A>
「センサヘッド」は「共焦点光学系を有する」ものであり、
「コントローラ」は「複数の波長を有する照射光を発生させる投光部と、前記センサヘッドで受光される、前記照射光の反射光を受光する受光部と」を含み、
「前記センサヘッドと前記コントローラとの間において光を導く導光部と」を備え、
「制御部」における「前記センサヘッドと前記反射光の反射位置との間の距離を算出」が「前記受光部の受光量に基づいて」行われること
<構成B>
「前記センサヘッドと前記反射位置との間の前記距離が規定距離範囲にあるかどうか」の「判定」が「コントローラ」に含まれる「制御部」により行われ、
「前記センサヘッドと前記反射位置との間の前記距離が規定距離範囲の中央部にあるかどうか」の判定であり、
「その判定結果に応じて」行われる照射光の制御が、「連続点灯または点滅の状態が異なる前記照射光を前記導光部を介して前記センサヘッド側へ伝達するように制御」するものであること
<構成C>
「前記制御部は、前記点滅の状態において、前記投光部の出力のピーク値が、前記連続点灯の状態にある場合の前記投光部の出力よりも高くなるように、前記投光部を制御する」こと
イ 判断
前記相違点について検討する。
(ア) 構成Aについて
a 次の変位計測装置は、当業者にとって周知技術である(前記周知技術1を参照)。
「共焦点光学系を有するセンサヘッドと、複数の波長を有する照射光を発生させる投光部と、前記センサヘッドで受光される、前記照射光の反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光量に基づいて前記センサヘッドと前記反射光の反射位置との間の距離を算出する制御部とを含むコントローラと、前記センサヘッドと前記コントローラとの間において光を導く導光部と、を備えた、変位計測装置」
b 引用発明において、「投射光が投射されたワーク5の表面の位置と照射光学系172との距離」の計測のために前記周知技術1を適用して、共焦点変位計測装置として構成することにより、前記相違点に係る構成Aを備えるようにすることは、当業者にとって自明の設計変更にすぎない。
(イ) 構成Bについて
a 引用発明において、前記周知技術1を適用して、共焦点変位計測装置として構成した際、「光学式プローブ17とワーク5との距離が、撮像装置173によってワーク5表面に投射された投射光を撮像することが可能な距離範囲内である」か否かの判定を「コントローラ」に含まれる「制御部」において行うようにすることや、その判定結果に応じて、連続点灯又は点滅の状態が異なる照射光を「導光部を介してセンサヘッド側へ伝達するように」制御することは、共焦点変位計測装置の各構成要素の機能を考慮すると、自然に導かれる事項にすぎない。
b また、上記距離範囲内の「中央部」にあるか否かについて判定するように構成することは、測定精度を向上させるために当業者が適宜好適化した事項にすぎない。
c したがって、引用発明において、前記相違点に係る構成Bを備えるようにすることは、当業者にとって格別困難性はない。
(ウ) 構成Cについて
a 「光学的計測装置の光源の発光強度が小さくて受光信号がノイズに埋もれてしまうことのないように、光源の発光強度が大きくなるように制御すること」は、当業者にとって技術常識である(前記技術常識1を参照)。
b 引用発明において、点滅状態では発光している時間が断続的であり、連続点灯の場合と比べて受光信号の強度が低下してしまうことは明らかであるから、前記技術常識1をわきまえた当業者ならば、点滅状態における受光信号のS/N比を向上するために、点滅する投射光出力のピーク値が、連続点灯の投射光出力よりも高くなるように制御することは、自明な設計変更にすぎない。
c したがって、引用発明において、前記相違点に係る構成Cを備えるようにすることは、当業者にとって格別困難性はない。
(エ) 総合評価
前記(ア)~(ウ)に検討したとおり、前記相違点に係る本件補正発明の構成A~Cを備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、本件補正発明の奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明、周知技術1及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4) 請求人の主張について
ア 審判請求書の主張内容
請求人の主張は、概略次のとおりである。
(ア) 引用文献4について
引用文献4の図8および[0033]によれば、撮像領域内321に配置された撮像素子のうち、受光量が閾値を上回る撮像素子が存在しない場合に、照射光学系から照射される光を所定の周期で点滅させるから、引用文献4の発明では、点滅状態における受光量は、連続点灯状態にある場合の受光量よりも小さいと考えられる。
したがって、引用文献4は、点滅状態時の投光部の出力のピーク値を連続点灯の状態にある場合の投光部の出力よりも高くすることを開示も示唆もしておらず、当業者は、引用文献4の開示からは、点滅状態時の投光部の出力のピーク値を連続点灯の状態にある場合の投光部の出力よりも高くするということを容易に想到できない。
(イ) 引用文献5、6について
引用文献5、6は、いずれも共焦点光学系を有するセンサヘッドを備えた計測装置を開示するが、引用文献5、6のいずれも、センサヘッドと表面との間の距離が規定距離範囲の中央部にあるかどうかを判定し、その判定結果に応じて、光ビーム源を連続点灯と点滅とで切り替えることについて開示も示唆もしておらず、点滅状態時の投光部の出力のピーク値を連続点灯の状態にある場合の投光部の出力よりも高くすることも開示も示唆もしていない。
(ウ) 本件補正発明の奏する効果について
補正後の請求項1に係る発明は、「前記制御部は、前記点滅の状態において、前記投光部の出力のピーク値が、前記連続点灯の状態にある場合の前記投光部の出力よりも高くなるように、前記投光部を制御する」という技術的特徴を備えることにより、点滅状態でも受光部の受光量が大きくなり、受光部において受光波形を取得しやすくなるという効果を得ることができる(本願明細書の[0042])。この効果は、引用文献の各々およびそれらの組み合わせからは得ることができない顕著な効果である。
イ 請求人の主張に対する当審の判断
請求人の主張は、要するに前記相違点に係る構成についてのものであるところ、前記相違点については、前記(3)イ(イ)において説示したとおり、引用発明、周知技術1及び技術常識1に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。
また、請求人の主張する効果について検討しても、当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果であるとはいえない。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(5) 小括
以上検討のとおり、本件補正発明は、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
したがって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明について
本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~6に係る発明は、令和4年2月8日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は前記第2の1(1)に摘記した事項により特定されるとおりである。
2 拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由のうち、引用文献4を主たる引用文献とする、本願発明についての進歩性欠如の理由は、次のとおりである。
本願発明は、下記の引用文献4に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
3 引用文献に記載された事項
前記引用文献4には、第2の3(2)ア(イ)において認定したとおりの引用発明が記載されていると認められる。
また、周知技術1は、前記第2の3(2)イ(ウ)において認定したとおりである。
4 対比・判断
(1) 本願発明は、本件補正発明における「制御部」について、「前記制御部は、前記点滅の状態において、前記投光部の出力のピーク値が、前記連続点灯の状態にある場合の前記投光部の出力よりも高くなるように、前記投光部を制御する」との限定を省いたものである(前記第2の2(1)参照)。
(2) そうすると、前記第2の3(3)ア(ア)の対比分析における検討結果も踏まえて、本願発明と引用発明を対比すると、本願発明と引用発明の相違点は、次の相違点Aのとおりであり、両者はその余の点で一致する。
<相違点A>
本願発明においては、前記構成A及びBを備えるのに対して、
引用発明においては、光学式プローブ17は共焦点光学系を有しておらず、導光部がなく、光学式プローブ17の制御回路174により照射光学系172の発光量が調整されている点。
(3) 相違点についての判断
前記第2の3(3)イにおいて説示した判断を踏まえると、前記相違点Aに係る本願発明の構成は、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
そして、本願発明の奏する作用効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
第4 むすび
以上検討のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-014123