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特許拒絶査定不服審判

2022-013927

遊技機

審判番号
2022-013927
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-017693外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年09月06日
審決日
2023年10月18日
公報発行日
2024年01月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-WZ (A63F) / P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-17693「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和1年8月8日出願公開、特開2019-130245〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 16項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成30年2月2日の出願であって、令和3年10月20日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月8日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年4月5日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年5月12日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年8月8日付け(送達日:同月16日)で、同年5月12日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年9月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、これに対し、当審において、令和5年5月10日付けで拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同月31日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年5月31日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載の事項により特定されるとおりのものであると認められ、合議体で分説し、AからFの符号を付与すると、次のとおりのものである。

「【請求項1】
A 遊技判定を実行する遊技判定手段と、
B 所定数の演出区間からなる変動演出を実行する変動演出制御手段と、
C 示唆演出を実行する示唆演出制御手段と、を備え、
D 前記示唆演出の態様により次の演出区間に移行するか否かとは異なる要素を示唆可能であり、
E 一の演出区間中において、前記示唆演出の態様について、当該示唆演出の開始時の態様から変化がない場合に、次の演出区間に移行する
F ことを特徴とする遊技機。」

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由は、以下のとおりのものである。

理由1

本件補正前の請求項1に係る発明は、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

理由2

本件補正前の請求項1に係る発明は、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記

引用文献1:特開2015-92998号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明等

1 引用文献1及び引用発明

(1) 引用文献1の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

当審拒絶理由に引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-92998号公報(平成27年5月18日公開。以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)

ア

「【技術分野】
【0001】
本発明は、所定回の擬似変動が実行される擬似連続変動演出を実行する遊技機に関する。」

イ

「【0012】
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。」

ウ

「【0256】
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。特図ゲーム処理を実行する遊技制御装置600は、特図制御手段を構成する。
【0257】
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A3101)。
【0258】
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図16にて後述する。」

エ

「【0326】
次に、遊技制御装置600は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(A4803)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A4804)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A4805)。その後、第2特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A4806、図22参照)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A4807)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
【0327】
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図20)における変動パターン設定処理(A4006)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。」

オ

「【0351】
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(B1006)、割込みを許可する(B1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。」

カ

「【0372】
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「変動パターンコマンド」を示す場合には、変動中処理を実行する(B1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。」

キ

「【0416】
〔先読み演出振分テーブル〕
図34は、本発明の第1の実施の形態の先読み演出振分テーブルの一例を示す図であり、(A)は大当り時先読み演出振分テーブル、(B)ははずれ時先読み演出振分テーブルを示す。
【0417】
(A)に示すように、先読み対象の変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、50%の割合で識別図柄の変動表示と保留表示とが連動する先読み演出が実行される。連動する先読み演出には、キャラクタAとキャラクタBのいずれかが登場し、さらに、キャラクタにかかわるアイテムの有無が設定される。本実施形態では、キャラクタAよりもキャラクタBが登場したほうが大当りの信頼度が高く、また、アイテムがあるほうが信頼度が高くなっている。なお、キャラクタAとキャラクタBの両方が登場する特別な先読み演出(例えば、大当り確定)を実行するようにしてもよい。
【0418】
一方、先読み対象の変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、(B)に示すように、連動する先読み演出が実行される割合は5%に限られる。したがって、連動する先読み演出が実行された時点で当該変動表示ゲームの期待度は非常に高くなるように設定されている。
【0419】
さらに、具体的な保留表示態様について説明する。図34に示したように、連動する先読み演出では、キャラクタとアイテムの有無によって4パターン設定される。本実施形態では、キャラクタを「犬」、アイテムを「骨」としている。図35は、本発明の第1の実施の形態の保留表示態様の一例を示す図である。」

ク

「【図34】
[図:0001405384000001.jpg]
」

ケ

「【図35】
[図:0001405384000002.jpg]
」

コ

「【0420】
通常の表示態様では、保留表示態様は丸型となっているが、連動する先読み演出では、キャラクタである「犬」の形状で保留表示がなされる。さらに、アイテムありの場合には、犬が骨をくわえた状態となっている。」

サ

「【0434】
続いて、主制御用マイコン710は、擬似連予告実行フラグがオンに設定された後(B1805)、又は、先読み演出態様記憶領域をクリアすると(B1811)、前半変動パターン番号に基づいて、擬似連回数を決定する(B1812)。つまり、前半変動パターン番号ごとの時間値に対応して実行可能な擬似連回数が予め設定されており、時間値内に実行可能な回数だけ擬似連が実行されることとなる。最後に、擬似連回数に対応する値を擬似連カウンタに設定し(B1813)、本処理を終了する。」

シ

「【0472】
<タイムチャート1>
まず、図40Aを参照しながら説明する。時刻0秒で変動が開始されると、5秒後(仮停止タイミング1)に識別図柄が仮停止する。このとき、仮停止する図柄は擬似連の継続を示す継続図柄となる。その後、再変動を開始する。この再変動を開始するタイミングで保留アイコンがキャラクタ(アイテムなし)に変化する。
【0473】
続きを表示(全17行)
前半変動パターン番号2の場合(擬似連1回)、最初の再変動の後、変動開始から10秒後(仮停止タイミング2)に変動を停止する。このとき、保留アイコンがキャラクタから通常に戻る。
【0474】
前半変動パターン番号3の場合(擬似連2回)、仮停止タイミング2で再び識別図柄が継続図柄で仮停止し、再変動を開始する。その後、変動開始から15秒後(仮停止タイミング3)に変動を停止する、又は、SPリーチに発展する。仮停止タイミング3で、保留アイコンがキャラクタから通常に戻る。
【0475】
前半変動パターン番号4の場合(擬似連3回)、仮停止タイミング3で再び識別図柄が継続図柄で仮停止し、再変動を開始する。その後、変動開始から20秒後(仮停止タイミング4)になると、保留アイコンがキャラクタから通常に戻り、SPリーチに発展する。
【0476】
前半変動パターン番号5の場合(擬似連4回)、仮停止タイミング4で再び識別図柄が継続図柄で仮停止し、再変動を開始する。その後、変動開始から25秒後(仮停止タイミング5)になると、保留アイコンがキャラクタから通常に戻り、SPリーチに発展する。
【0477】
前半変動パターン番号6の場合(先読み擬似連2回)、仮停止タイミング2で、チャンス図柄で識別図柄が仮停止し、保留アイコンが再変化する保留アイコン発展演出が実行され、その後、変動を停止する。
【0478】
前半変動パターン番号7の場合(先読み擬似連3回)、仮停止タイミング3で、チャンス図柄で識別図柄が仮停止し、保留アイコンが再変化する保留アイコン発展演出が実行され、その後、変動を停止する。
【0479】
以上のように、擬似連予告を実行することによって、仮停止タイミング1から仮停止タイミング2までの間、擬似連予告であるか、先読み擬似連予告であるかを遊技者が把握することができず、期待感を高めることができる。」

ス

「【図40A】
[図:0001405384000003.jpg]
」

(2)引用文献1の記載より認定できる事項

引用文献1の記載事項より、以下の事項が認定できる。

ア 認定事項ア

上記(1)シ及びスから、擬似連1回(【0473】)の場合は再変動を1回実施(【図40A】)し、擬似連2回(【0474】)の場合は再変動を2回実施(【図40A】)し、擬似連3回(【0475】)の場合は再変動を3回実施(【図40A】)し、擬似連4回(【0476】)の場合は再変動を4回実施(【図40A】)するものであるから、引用文献1に記載された遊技機1は、擬似連の回数と再変動の回数は一致し、擬似連の数に応じて再変動を実施する遊技機であると認められる(以下、認定事項アという。)

イ 認定事項イ

上記(1)スから、各擬似連のパターンにおいて、「保留アイコン変化」のタイミングで「再変動」が開始される、つまり、再変動を開始するタイミングで「保留アイコン変化」が行われる遊技機であると認められる。

上記(1)スから、各擬似連のパターンにおいて、「保留アイコン変化」後から「保留アイコン戻る」演出又は「保留アイコン再変化」まで保留アイコンは変化しない遊技機であると認められる。

上記(1)スから、前半変動パターン番号3~5において、一の再変動の終了タイミングで「保留アイコン戻る」が実施されない場合は次の再変動を実施する遊技機であると認められる。

以上から、前半変動パターン番号3~5において、再変動を開始するタイミングで「保留アイコン変化」が行われ、「保留アイコン変化」後から「保留アイコン戻る」まで保留アイコンは変化せず、一の再変動の終了タイミングで「保留アイコン戻る」が実施されない場合は次の再変動を実施する遊技機であると認められる(以下、「認定事項イ」という。)

(3) 引用発明

上記(1)のアからスに摘記した引用文献1の記載事項、及び、上記(2)ア及びイにおける認定事項ア及び認定事項イより、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。なお、aからfの符号は、本願発明の構成AからFに対応させて合議体にて付与した。

引用発明

「a 遊技制御装置600は、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視し(【0257】)、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う(【0258】)遊技機1(【0012】)であって、
b 遊技制御装置600は変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行い(【0326】)、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり(【0327】)、前半変動パターン番号ごとの時間値に対応して実行可能な擬似連回数が予め設定されており、時間値内に実行可能な回数だけ擬似連が実行され(【0434】)、擬似連の数に応じて再変動を実施し(認定事項ア)、主制御用マイコン710は遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信し(【0351】)、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行い(【0372】)、
cd 通常の表示態様では、保留表示態様は丸型となっているが、連動する先読み演出では、キャラクタである「犬」の形状で保留表示がなされ(【0420】)、先読み対象の変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、50%の割合で識別図柄の変動表示と保留表示とが連動する先読み演出が実行され、キャラクタAよりもキャラクタBが登場したほうが大当りの信頼度が高く、また、アイテムがあるほうが信頼度が高くなっており(【0417】)、先読み対象の変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、連動する先読み演出が実行される割合は5%に限られ、したがって、連動する先読み演出が実行された時点で変動表示ゲームの期待度は非常に高くなるように設定されており(【0418】)、
e 前半変動パターン番号3~5において、再変動を開始するタイミングで「保留アイコン変化」が行われ、「保留アイコン変化」後から「保留アイコン戻る」まで保留アイコンは変化せず、一の再変動の終了タイミングで「保留アイコン戻る」が実施されない場合は次の再変動を実施する(認定事項イ)、
f 遊技機1(【0012】)」

第5 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

ア 特定事項Aについて

引用発明の特定事項aの「遊技結果事前判定」は、本願発明の特定事項Aの「遊技判定」に相当することから、引用発明の特定事項aの「遊技結果事前判定」を行う「遊技制御装置600」は本願発明の特定事項Aにおける「遊技判定手段」に相当する。

したがって、引用発明の特定事項aは、本願発明の特定事項Aを備える。

イ 特定事項Bについて

引用発明の特定事項bは、前半変動パターン番号ごとに擬似連回数が予め設定されており、擬似連の数に応じて再変動を実施するものであるから、引用発明の特定事項bの一回の「擬似連」又は「再変動」は本願発明の特定事項Bの「演出区間」に相当し、引用発明の特定事項bの「予め設定され」た「擬似連回数」を実施する期間の演出は、本願発明の特定事項Bの「変動演出」に相当する。

引用発明の特定事項bの「主制御用マイコン710」は、「設定された変動パターンに対応した演出制御を行」うものであり、変動パターンは前半変動パターンと後半変動パターンとからなり、前半変動パターン番号ごとに擬似連回数が予め設定されていることから、「主制御用マイコン710」は予め設定された擬似連回数の演出制御を行うものであり、引用発明の特定事項bの「主制御用マイコン710」は本願発明の特定事項Bにおける「変動演出制御手段」に相当する。

したがって、引用発明の特定事項bは、本願発明の特定事項Bを備える。

ウ 特定事項Cについて

引用発明の特定事項cdの「先読み演出」は、「大当りの場合に」「50%の割合で」「実行され」、「はずれの場合に」「実行される割合は5%に限られ」「先読み演出が実行された時点で当該変動表示ゲームの期待度は非常に高くなるように設定され」、また「キャラクタAよりもキャラクタBが登場したほうが大当りの信頼度が高く、また、アイテムがあるほうが信頼度が高くなって」いることから、先読み演出が実行されるか否か、及び実行される先読み演出においてキャラクタAとBのいずれが登場するかによって、大当りの可能性を示唆するものといえ、本願発明の特定事項Cの「示唆演出」に相当することから、引用発明は本願発明の特定事項Cにおける「示唆演出制御手段」を有するものと認められる。

したがって、引用発明の特定事項cdは、本願発明の特定事項Cを備える。

エ 特定事項Dについて

引用発明の特定事項cdは、保留表示が連動する先読み演出(本願発明の特定事項Dの「示唆演出」に相当する。)が実行され、キャラクタAよりもキャラクタBが登場したほうが大当りの信頼度が高く、また、アイテムがあるほうが信頼度が高いものであるから、引用発明の特定事項cdの「大当りの信頼度」は、本願発明の特定事項Dの「次の演出区間に移行するか否かとは異なる要素」に相当する。そして、引用発明の特定事項cdは、大当りの信頼度の高さを先読み演出で実行するものであるから、先読み演出は大当たりの信頼度を示唆可能であると認められる。

したがって、引用発明の特定事項cdは、本願発明の特定事項Dを備える。

オ 特定事項Eについて

引用発明の特定事項eは、再変動を開始するタイミングで「保留アイコン変化」(本願発明の特定事項Eの「示唆演出」に相当する。)が行われ、「保留アイコン変化」後から「保留アイコン戻る」まで保留アイコンは変化しない(本願発明の特定事項Eの「前記示唆演出の態様について、当該示唆演出の開始時の態様から変化がない」に相当する。)ものである。加えて、引用発明の特定事項eは、一の再変動(本願発明の特定事項Eの「一の演出区間中」に相当する。)の終了タイミングで「保留アイコン戻る」が実施されない場合は、次の再変動を実施する(本願発明の特定事項Eの「次の演出区間に移行する」に相当する。)。よって、引用発明の特定事項eは本願発明の特定事項Eに相当する特定事項を備えると認められる。

したがって、引用発明の特定事項eは、本願発明の特定事項Eを備える。

カ 特定事項Fについて

引用発明の特定事項fの「遊技機」は本願発明の特定事項Fの「遊技機」に相当する。

したがって、引用発明の特定事項fは、本願発明の特定事項Fを備える。

第6 合議体の判断

1 一致点・相違点について

上記第5 ア~カからみて、本願発明と引用発明とは、全ての特定事項において一致し、相違する点はない。

したがって、本願発明は、引用発明であり、特定事項に差異は認められない。

また、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

2 請求人の主張について

請求人は、令和5年5月31日付け意見書において、以下のように主張している。(下線は、意見書の記載のとおり。)

「(4-2)本発明と引用文献に記載された発明との対比
引用文献1には、仮停止タイミング1で識別図柄が仮停止した後に、識別図柄が再変動するタイミングで保留アイコンが通常からキャラクタ(アイテムなし)に変化し、その後、SPリーチに発展するタイミングで保留アイコンがキャラクタから通常に戻る構成が開示されております。
しかしながら、引用文献1に記載された発明では、仮停止タイミング1で識別図柄が仮停止した後に、識別図柄が再変動するタイミングで、保留アイコンが、必ず、通常からキャラクタ(アイテムなし)に変化する構成となっております。
これによって、引用文献1に記載された発明では、仮停止タイミング1で識別図柄が仮停止した後に、識別図柄が再変動するタイミングで保留アイコンが変化しているにも関わらず、次回の擬似連が継続しているため、保留アイコンの変化の有無と擬似連の継続との関連性が不明確となり、保留アイコンが変化するか否かに対する注目が低下する恐れがあります。
これに対して、本発明では、示唆演出の開始時から現在までに、当該示唆演出の態様が一度も変化しない場合に限って、次の演出区間に移行する構成となっております。
これによって、本発明では、示唆演出の態様の変化の有無と演出区間の継続との関連性が明確となり、示唆演出の態様が変化するか否かに対する注目を向上することが可能となります。
以上のように、引用文献1には、本発明に係る「一の演出区間中において、示唆演出の態様について、当該示唆演出の開始時の態様から変化がない場合に、次の演出区間に移行する」構成が開示されておらず、これを示唆する記載もありません。」

しかしながら、引用発明における「保留アイコン変化」が本願発明における「示唆演出」に相当し、引用発明における一回の「擬似連」又は「再変動」が本願発明の「演出区間」に相当し、引用発明における「一の再変動」が本願発明における「一の演出区間中」に相当するものであるから、引用発明において、「保留アイコン変化」後に「保留アイコン戻る」とならず、保留アイコンの態様に変化がない場合に、次の再変動を実施する構成は、意見書で主張する本願発明の「示唆演出の開始時から現在までに、当該示唆演出の態様が一度も変化しない場合に限って、次の演出区間に移行する構成」に相当するものである。

また、引用発明は、「保留アイコン変化」後は「保留アイコン戻る」となるまで再変動を継続するものであるから、意見書で主張する「示唆演出の態様の変化の有無と演出区間の継続との関連性が明確となり、示唆演出の態様が変化するか否かに対する注目を向上することが可能とな」る効果を、引用発明における「保留アイコン変化」(本願発明における「示唆演出」に相当)の開始後において奏するものである。

したがって、請求人の主張は採用できない。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

また、本願発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-013927

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  • 2025-009763拒絶査定不服審判 / 2026-07-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F
  • 2025-014461拒絶査定不服審判 / 2026-07-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F

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