商標拒絶査定不服審判
2022-013894
エムデイエス
- 審判番号
- 2022-013894
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-104405
- 請求日
- 2022年09月06日
- 審決日
- 2023年06月05日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社三宅デザイン事務所
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .261-Z (W25) / T18 .262-Z (W25) / T18 .263-Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-104405拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第25類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として、令和3年8月23日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年1月21日付けで拒絶の理由が通知され、同年2月16日付けで意見書が提出されたが、同年6月1日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年9月6日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6326283号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、令和2年1月29日に登録出願、第25類「ダンスシューズ,バレエシューズ(ダンスシューズ),バレエ靴(ダンスシューズ),被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服」を指定商品として、同年12月8日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標と引用商標は観念において比較することができないとしても、本願商標と引用商標の構成中「MDS」の欧文字は外観において近似し、「エムデイエス」の称呼を同一にする類似の商標であり、本願の指定商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似の商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、やや図案化された「MDS」の欧文字を横書きしてなるから、その構成文字に相応して「エムデイエス」の称呼が生じ、当該欧文字は、特定の意味合いを想起させる語でないことから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲3のとおり、薄緑色で書された「MDS」の欧文字(以下「引用MDS」という。)とその下に薄緑色で書された「Majest Dance Shoes」の欧文字(以下「Majest Dance Shoes」という。)を2段に横書きしてなるところ、「引用MDS」と「Majest Dance Shoes」は、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものであり、「引用MDS」は、「Majest Dance Shoes」に比べて、大きく、太字で顕著に表されていることから、特に、看者の注意を引く部分であるといえる。
また、「引用MDS」と「Majest Dance Shoes」より生じる「エムデイエスマジェストダンスシューズ」の称呼は、やや長いものである。
さらに、「引用MDS」は、「Majest Dance Shoes」の頭字語である「M」、「D」及び「S」を結合したものと認識する場合があるとしても、「MDS」の欧文字は、特定の意味合いを想起させる語でなく、「Majest Dance Shoes」も特定の意味合いを想起させる語でないことから、「引用MDS」と「Majest Dance Shoes」との間に観念的な関連性は見いだせない。
そうすると、引用商標は、本願商標との類否を判断するに当たって、引用商標の構成中、顕著に表された「引用MDS」を要部として抽出し、これのみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その構成中の「引用MDS」に相応した「エムデイエス」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「Majest Dance Shoes」の有無に明らかな差異があることから、これらは外観において相違するものの、本願商標と引用商標の要部である「引用MDS」とは、「MDS」のつづりを共通にすることから、これらは、外観において類似するものである、
また、本願商標より生じる「エムデイエス」の称呼と引用商標の要部である「引用MDS」より生じる「エムデイエス」の称呼は同一であることから、両商標は、称呼を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念が生じないため、観念において比較し得ないものの、外観において類似し、称呼を共通にする相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標に係る指定商品の類否について
本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は請求人の会社の英語表記「MIYAKE DESIGN STUDIO」の頭文字3文字からなるものであることは容易に理解されるものであるから、本願商標は、請求人の会社の英語表記あるいはその頭文字という観念が生じる旨主張する。
しかしながら、請求人における本願商標の採択意図が上記の事情のとおりであったとしても、本願商標が、請求人の会社の英語表記の頭文字3文字からなるものと判断しなければならない特段の事情は見いだせず、また、上記1(1)のとおり、「MDS」の欧文字は特定の意味合いを想起させる語でないことから、特定の観念を生じないと判断するのが相当である。
(2)請求人は、引用商標は上段と下段の各欧文字が全体としてまとまりよく一体的に表されていることから、その構成全体をもって一体不可分の商標と認識されるものであり、本願商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても非類似である旨主張する。
しかしながら、上記1(2)のとおり、「引用MDS」と「Majest Dance Shoes」は、重なることなく配置され、それぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえず、「引用MDS」は、大きく、太字で顕著に表されていることから、特に、看者の注意を引く部分であるといえ、引用商標より生じる「エムデイエスマジェストダンスシューズ」の称呼は、やや長いものであり、さらに、「引用MDS」と「Majest Dance Shoes」との間に観念的な関連性は見いだせないことから、引用商標の構成中の「引用MDS」を要部として抽出し、この部分のみを本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
(3)請求人は、過去の審決例及び登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであるから、これらの事例の存在が、上記判断を左右するものではない。
(4)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張も、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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