商標拒絶査定不服審判
2022-013632
ケイキョーワ、キョーワ、ケイ
- 審判番号
- 2022-013632
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-138943
- 請求日
- 2022年08月31日
- 審決日
- 2023年07月06日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社協和精工
- 【請求人代理人】小平 晋
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W07) / T18 .262-Z (W07) / T18 .263-Z (W07)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-138943拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年11月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 5月11日付け:拒絶理由通知書
令和4年 6月 1日 :意見書の提出
令和4年 6月23日付け:拒絶査定
令和4年 8月31日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第7類「機械用ブレーキ,機械用クラッチ」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5340701号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第6類「ステンレス製管継ぎ手,ステンレス製の滑車・ばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く。),ステンレス製パイプ」及び第7類「ポンプ」
登録出願日:平成22年 1月14日
設定登録日:平成22年 7月23日
(2)登録第5510775号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
指定商品:第12類「軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,制動装置」
登録出願日:平成24年 3月13日
設定登録日:平成24年 7月27日
(3)登録第5529477号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲4のとおり(立体商標)
指定商品:第12類「軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,制動装置」
登録出願日:平成24年 4月24日
設定登録日:平成24年10月19日
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、右側が円弧状にへこんでいる縦長長方形と、右中央に円状の空間部を有する円とを結合させた図形を表し、当該空間部に「KYOWA」の文字を横書きしてなるものである。
そして、その図形部分よりは、特定の称呼及び観念が生じるものとはいえず、また、「KYOWA」の文字についても、辞書類に掲載されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有する語として用いられているという事情も見当たらないことからすると、該文字は造語として認識されるというべきものである。
したがって、本願商標よりは、その構成中「KYOWA」の文字に相応した「キョーワ」の称呼が生じるといえ、また、特定の観念は生じないものである。
また、本願商標構成中の図形部分と文字部分とは重なり合うことなく配置されているうえ、図形部分と文字部分との間には観念的なつながりもなく、全体として特定の観念を生じるものでもない。
そうすると、本願商標構成中の図形部分と文字部分は、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、「KYOWA」の文字部分(以下「本願要部」という。)をもって取引の用に供されることもあるというべきである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、黒色の横長長方形内に、複数の欧文字を基礎にしたとおぼしき図形を白抜きで表し、その下に、「KYOWA」、「STAINLESS」及び「CO.,LTD.」の各文字を3段に書してなるものである。
そして、その構成中の図形部分は、それ単独ではどの欧文字を基礎としたものであるか判然としないものの、その構成態様から、その下に書された「KYOWA」の文字を連想させるものとみるのが相当であるから、引用商標1は、図形部分と文字部分とが関連性を有するまとまりのよい一体的なものとして把握し得るものである。
また、「KYOWA」の文字は辞書類に掲載されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有する語として用いられているという事情も見当たらないことからすると、当該文字よりは特定の観念は生じないものであるといえるところ、引用商標1の文字部分のうち「CO.,LTD.」の文字が、一般に法人の種類(株式会社)を表す際に用いられるものであることからすると、文字部分全体としては一連の法人名称を表示したと理解できるものである。
さらに、同「CO.,LTD.」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえず、あえて称呼されないことも少なくない。
そうすると、引用商標1よりは、その文字部分全体に相応した「キョーワステンレスカンパニーリミテッド」の称呼のほか、「キョーワステンレス」の称呼が生じるといえ、また、「「KYOWA STAINLESS株式会社」という法人の名称」の観念が生じるものといえる。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、別掲3のとおり、軸継手(ジョイント)とおぼしき図形を表し、その図形の下に同じ横幅で小さく「DEVELOP YOUR ORIGINALITY THROUGH UNIVERSAL JOINTS」と横書きし、また、それらの下に大きく「KYOWA」の文字を横書きしてなるものである。
そして、その構成中の上段の図形及び文字と、下段の「KYOWA」の文字とは、視覚上、分離して看取されるものであり、観念的につながりがあるものともいえず、それらが常に一体のものとして把握されるというべき特段の事情も見いだせない。
そうすると、引用商標2構成中の上段の図形及び文字部分と「KYOWA」の文字部分は、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、その構成中に大きく表された「KYOWA」の文字部分(以下「引用2要部」という。)をもって取引の用に供されることもあるというべきである。
したがって、引用商標2よりは引用2要部に相応する「キョーワ」の称呼も生じ、また、「KYOWA」の文字は辞書類に掲載されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有する語として用いられているという事情も見当たらないことからすると、引用2要部よりは特定の観念は生じないものである。
(ウ)引用商標3について
引用商標3は、別掲4のとおり、軸継手(ジョイント)の商品形状と考えられる立体的形状を表し、その前方下部に「KYOWA」の文字を配してなる立体商標である。
そして、引用商標3を構成する立体的形状は、その指定商品からすれば、商品の形状を普通に用いられる方法の範囲内で表したといえるものであって、自他商品の識別標識としての機能を有しない部分といえるものであるから、引用商標3において同機能を発揮し得る部分は「KYOWA」の文字部分のみといえる。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、引用商標3の構成中の「KYOWA」の文字部分(以下「引用3要部」という。)をもって取引の用に供されることもあるというべきである。
したがって、引用商標3よりは引用3要部に相応する「キョーワ」の称呼が生じ、また、「KYOWA」の文字は辞書類に掲載されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有する語として用いられているという事情も見当たらないことからすると、引用3要部よりは特定の観念は生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
(ア)本願商標と引用商標1の類否について
本願商標と引用商標1を比較にするに、引用商標1は、上記イ(ア)のとおり、その構成中の図形部分単独ではどの欧文字を基礎としたものであるか判然としないものであり、かつ、引用商標1全体で一体的なものとして把握し得るものであるから、引用商標1において、その構成中の図形部分を「KYOWA」の文字からなるものとして分離抽出し、その部分を本願要部と比較して商標の類否を判断することは許されないというべきである。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、全体としても、また、本願要部と引用商標1との対比においても、その外観が明確に区別できるものであり、称呼においても明りょうに聴別できるものであって、観念においても相紛れるものとはいえないから、互いに類似する商標であるということはできない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(イ)本願商標と引用商標2及び引用商標3の類否について
本願商標と引用商標2及び引用商標3を比較するに、外観においては、全体としては相違するものであるが、本願要部と引用2要部及び引用3要部とは、書体が相違するものの「KYOWA」の欧文字からなる点を共通にするものであって、近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「キョーワ」を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標2及び引用商標3とは、観念において比較することはできず、全体の外観においては相違があるものの、それらの要部の対比においては外観上近似した印象を与えるものであり、称呼も共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標2及び引用商標3は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標2及び引用商標3の指定商品の類否について
本願の指定商品中、第7類「機械用ブレーキ」は、引用商標2及び引用商標3の指定商品中、第12類「制動装置」と類似の商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標1とは非類似の商標であるから、その指定商品について比較するまでもなく、引用商標1との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
しかしながら、本願商標は、引用商標2及び引用商標3と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標2及び引用商標3の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標並びに引用商標2及び引用商標3について、いずれも全体としてまとまりよく一体的な印象を与えるものである旨主張する。
しかしながら、上記(1)ア並びにイ(イ)及び(ウ)のとおり、これらの商標は、その構成中の「KYOWA」の文字部分とそれ以外の部分とを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、それらの構成中の「KYOWA」の文字部分をもって取引の用に供されることもあるというべきである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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