商標拒絶査定不服審判
2021-010928
キョーワ、ケイ
- 審判番号
- 2021-010928
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-042912
- 請求日
- 2021年08月17日
- 審決日
- 2022年04月25日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】協和紙工株式会社
- 【請求人代理人】小笠原 宜紀
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 大森 友子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W16) / T18 .262-Z (W16) / T18 .263-Z (W16)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 42912拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は,令和2年4月17日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年1月18日付け:拒絶理由通知
令和3年2月24日 :意見書,手続補正書の提出
令和3年5月7日付け :拒絶査定
令和3年8月17日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,登録出願され,その後,指定商品については,上記1の手続補正書により,第16類「封ろう,印刷用インテル,活字,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ステープラ,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,装飾塗工用ブラシ,プラスチック製包装用袋,紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(「おもちゃ」を除く。),紙類,メモ用紙・ノート・ルーズリーフ・便せん・その他の文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下に掲げるとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2715614号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定商品 第16類「印刷物,書,絵画,軸,写真」
登録出願日 平成2年7月3日
設定登録日 平成8年8月30日
書換登録日 平成19年1月17日
(2)登録第5692558号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 別掲3のとおり
指定商品及び指定役務 第16類「衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ」並びに第9類,第10類,第12類,第20類,第25類,第39類,第43類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 平成26年2月18日
設定登録日 平成26年8月8日
(3)登録第5823756号(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 別掲4のとおり
指定商品及び指定役務 「電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む),録音済み又は録画済みのコンパクトディスク」を含む第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び第16類「厚紙,厚紙製のぼり,厚紙製旗,厚紙製荷札,厚紙製印刷物,厚紙製文房具,年鑑,封筒(文房具),紙挟み(文房具),書類挟み,事務用封筒,はがき,書籍,カレンダー,カタログ,雑誌(定期刊行物),新聞,ニューズレター,パンフレット,定期刊行物,設計図,ポスター,印刷物,出版物,説明書,写真」並びに第37類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
登録出願日 平成25年12月23日
設定登録日 平成28年2月5日
以下,引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,黒色の横長楕円形を背景に,黒色の縦長平行四辺形と黒色で縁取られた白色の三角形の頂点を湾曲させた図形(黒色の縁取り線は一部が太くなっている。)を組み合わせたものが配された図形(以下「本願図形部分」という。)の右側に,「Kyowa」の欧文字(以下「本願文字部分」という。)を横書きしてなるところ,本願図形部分は,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,本願図形部分は,特定の称呼及び観念は生じないものである。
また,「Kyowa」の文字は,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものであるから,本願文字部分は,その構成文字に相応して,「キョーワ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
そして,本願図形部分と本願文字部分(以下,これらをまとめて「両部分」という。)は,視覚上明確に分離して看取され得るものであって,観念的に関連性を有しているものではないし,一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえないもので,ほかに両部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
また, 本願図形部分又は本願文字部分が,本願の指定商品との関係において,当該商品の品質等を表すものともいえないし,ほかに両部分が単独では商品の出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見あたらないうえ,いずれかの部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべき事情も見いだせない。
そうすると,両部分は,それぞれが独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから,本願文字部分を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
したがって,本願商標は,その構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る本願文字部分の構成文字に相応して,「キョーワ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1
引用商標1は,別掲2のとおり,黒線で縁取られた白色の角丸四角形の内部に,黒色の太い直線と細い曲線を組み合わせたものを配した図形(以下「引用1図形部分」という。)の右側に,黒色の「KYOWA」の欧文字(以下「引用1文字部分」という。)を横書きしてなるところ,引用1図形部分は,上記アと同様に,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,引用1図形部分は,特定の称呼及び観念は生じないものである。
また,「KYOWA」の文字は,上記アと同様に,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものであるから,引用1文字部分は,その構成文字に相応して,「キョーワ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
そして,引用1図形部分と引用1文字部分(以下,これらをまとめて「引用1両部分」という。)は,視覚上明確に分離して看取され得るものであって,観念的に関連性を有しているものではないし,一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえないもので,そのほかに引用1両部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
また, 引用1図形部分又は引用1文字部分が,引用商標1の指定商品との関係において,当該商品の品質等を表すものともいえないし,ほかに引用1両部分が単独では商品の出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見あたらないうえ,いずれかの部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべき事情も見いだせない。
そうすると,引用1両部分は,それぞれが独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから,引用1文字部分を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
したがって,引用商標1は,その構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る引用1文字部分の構成文字に相応して,「キョーワ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
(イ)引用商標2について
引用商標2は,緑色の円図形の内部に,白抜きで表された直線と曲線と円図形を組み合わせたものを配した図形(以下「引用2図形部分」という。)の右側に,緑色の「Kyowa」の文字(以下「引用2文字部分」という。)を横書きし,引用2文字部分の上部には,黄色の曲線図形を背景に,灰色の「FOR YOUR SMILE」の文字を小さく横書きしてなる(以下,黄色の曲線図形と灰色の「FOR YOUR SMILE」の文字をあわせて「FOR部分」という。)ところ,引用2図形部分は,上記ア及びイ(ア)と同様に,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,引用2図形部分は,特定の称呼及び観念は生じないものである。
また,「Kyowa」の文字は,上記アのとおり,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを認識させることのない一種の造語としてと認識されるものであるから,引用2文字部分は,その構成文字に相応して,「キョーワ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
次に,FOR部分については,その構成中の黄色の曲線図形の上に,「FOR YOUR SMILE」の文字が重なるように表されていることから,外観上一体的に看取されるものであって,不可分一体のものとして認識されるものである。そして,「FOR YOUR SMILE」の文字部分中,「FOR」の文字は「・・・のために」等の,「YOUR」の文字は「君(あなた)の」の,「SMILE」の文字は「微笑。ほほえみ。」等の意味を有する英語(いずれも「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)であり,これらを結合した「FOR YOUR SMILE」の文字部分全体としては「あなたのほほえみのために」程度の意味合いを認識させるものである。したがって,FOR部分は,その構成文字に相応して「フォーユアスマイル」の称呼を生じ,「あなたのほほえみのために」の観念を生じるものである。
そして,引用2図形部分,引用2文字部分及びFOR部分(以下,これらをまとめて「引用2全部分」という。)は,FOR部分のみに背景図形があり,構成文字の大きさが他の部分と比較しておよそ25分の1程度であること,引用2全部分を構成する各部分が他の部分と結合していないことから,視覚上明確に分離して看取され得るものである。また,引用2全部分若しくは引用2図形部分,引用2文字部分及びFOR部分のいずれかの組み合わせが観念的に関連性を有しているものではないし,一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえない。
ほかに引用2全部分若しくは引用2図形部分と引用2文字部分及びFOR部分のいずれかの部分の組み合わせを常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
さらに,引用2図形部分,引用2文字部分又はFOR部分が,引用商標2の指定商品との関係において,当該商品の品質等を表すものともいえない上,このほかに引用2全部分がそれぞれ単独では商品の出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見あたらない。
また,引用2全部分のいずれかの部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべき事情も見いだせない。
そうすると,引用2全部分のそれぞれの部分が独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから,引用2文字部分を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
したがって,引用商標2は,その構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る引用2文字部分の構成文字に相応して,「キョーワ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
(ウ)引用商標3
引用商標3は,別掲3のとおり,青色の角丸四角形の内部に,白抜きで表された太い直線と細い曲線を組み合わせたものを配した図形(以下「引用3図形部分」という。)の右側に,黒色の「KYOWA」の欧文字(以下「引用3文字部分」という。)を横書きしてなるところ,その構成中の引用3図形部分が,引用1図形部分と色彩が異なるのみの,引用商標1と同一の商標であるといえるから,引用商標3は,上記(ア)と同様に,その構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る引用3文字部分の構成文字に相応して,「キョーワ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標の類比について
本願商標の要部の一つである本願文字部分と引用商標のそれぞれの要部の一つである引用1文字部分,引用2文字部分及び引用3文字部分とを比較すると,外観は,上記ア及びイのとおりであるから, それぞれの構成文字の書体において若干の差異はあるものの,いずれも「KYOWA」又は「Kyowa」の文字を表したものと容易に認識できる一般的な書体といえるものであって,文字のつづりを共通にするものであるから,両者は外観において類似するものである。
また,称呼においては,本願文字部分と引用1文字部分,引用2文字部分及び引用3文字部分とは,いずれも「キョーワ」の称呼を生じるから,両者は,称呼上,同一である。
さらに,観念においては,本願文字部分と引用1文字部分,引用2文字部分及び引用3文字部分とは,いずれも特定の観念を生じないから,両者は,観念上,比較することはできない。
以上によれば,本願文字部分と引用1文字部分,引用2文字部分及び引用3文字部分とは,観念上比較することはできないものの,外観が類似するものであって,称呼を同一とするものであるから,その外観,称呼及び観念が,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すれば,本願商標と引用商標は,商品の出所について誤認を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と,その需要者,用途等を共通にする同一又は類似の商品を含むものである。
オ 小括
本願商標と引用商標とは,相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は「「KYOWA」又は「Kyowa」の文字はありふれた氏又は名称である「協和」に通じる上,日常の商取引において名称を表す場合,必ずしも漢字のみに限らずローマ文字,英文字をもって表示する場合も決して少なくない実情にあるから, 「KYOWA」又は「Kyowa」の文字部分は商標の要部に該当しない」旨主張しているが,「協和」の文字がありふれた氏又は名称であることを裏付ける証拠の提出はないし,当審で職権をもって調査するも,「KYOWA」又は「Kyowa」の文字がありふれた氏又は名称であるというべき事情は見あたらない。
そして,「KYOWA」又は「Kyowa」の文字は,上記(1)ア及びイのとおり,特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものであって,単独では商品又は役務の出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見あたらない。
イ 請求人は「登録されることによる第三者の不利益との比較衡量においても,本願出願人はかかる結合した構成態様についての権利保護を望んでいるのであって,「Kyowa」の文字による禁止権の行使や後願排除効を期待しているわけではない。」旨を主張しているが,上記(1)アのとおり,本願商標の構成中,両部分のそれぞれが独立して商品及び役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり,本願文字部分と引用1文字部分,引用2文字部分及び引用3文字部分とは,前記(1)ウのとおり,商品の出所について誤認を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
ウ 請求人は「第三者にとっても,本願指定商品を取り扱う業界において,本願出願人が長年にわたって使用している,結合した構成態様の本願商標を何人も使用することができる,との判断に至るとすれば,取引秩序を乱すことになり,却って不利益を生じることは必定である。」旨主張しているが,これを裏付ける証拠の提出はなく,請求人の独自の主張といわざるを得ない。
エ したがって,請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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