商標拒絶査定不服審判
2021-015791
ケイカンクーアイスアリーナ、カンクーアイスアリーナ、ケイ、カンクー、アイスアリーナ
- 審判番号
- 2021-015791
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-027239
- 請求日
- 2021年11月17日
- 審決日
- 2023年05月12日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一般社団法人関空アイスアリーナ
- 【請求人代理人】福地 武雄
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .261-Z (W242541) / T18 .262-Z (W242541) / T18 .263-Z (W242541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-27239拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第24類「ブランケット」、第25類「手袋」及び第41類「アイススケート場の提供,スポーツの興行及びスポーツイベントの企画・運営又は開催に関する情報の提供,コンサート・イベント・演劇・スポーツなどのチケットの予約の手配及びチケットの予約可能情報の提供」を指定商品及び指定役務として、令和2年3月12日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年12月11日付けで拒絶理由の通知(以下「拒絶理由通知」という。)がされ、同3年1月22日付け意見書(以下「意見書」という。)が提出されたが、同年7月30日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年11月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、以下の旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、その構成中、強い印象を与える態様で書され、かつ、関西エアポート株式会社が運営する「関西国際空港」の略称として広く一般に知られている「関空」の文字が、商品及び役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり、本願商標と著名商標「関空」の文字とは、両者の全体の外観において差異を有するとしても、本願商標の要部たる「関空」と著名商標「関空」とは、そのつづりを同じくし、「カンクウ」の称呼及び「関西国際空港」の観念を共通にするため、本願商標と著名商標「関空」は、類似性の程度が極めて高いというべきである。
そうすると、出願人が本願商標をその指定商品及び指定役務について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品又は役務があたかも関西エアポート株式会社及びその関連会社と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品又は役務であるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
第3 当審においてした審尋
当審において、令和4年7月29日付け審尋により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、拒絶理由通知の理由2で提示したとおり、本願商標は登録第3136892号商標(以下「引用商標」という。)と類似の商標であり、本願の指定商品及び指定役務中の第41類「アイススケート場の提供」は、引用商標の指定役務中の第41類「運動施設の提供」と類似する役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、これに対し何ら回答をしていない。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、水色の縁取りをした白色の線で、欧文字「K」のような軌跡を描いた図形(以下「K図形」という。)とK図形の下に、水色の縁取りをした白色の線で、2段に書した「関空アイスアリーナ」の文字及び「KANKU ICE ARENA」の欧文字を配してなるところ、K図形と「関空アイスアリーナ」の文字及び「KANKU ICE ARENA」の欧文字は、いずれも重なることなく間隔を空けて配置されているから、それぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものである。
そして、本願商標の構成中のK図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、これよりは、特定の称呼及び観念は生じない。
また、本願商標の構成中の「関空アイスアリーナ」の文字は、「関空」の漢字と「アイスアリーナ」の片仮名を結合したものと、「KANKU ICE ARENA」の欧文字は、「関空アイスアリーナ」の文字を欧文字で表記したものと理解されるところ、その構成中の「アイスアリーナ」の片仮名及び「ICE ARENA」の欧文字は、「氷上スポーツ用の(屋内)競技場。」(「コンサイスカタカナ語辞典 第5版」発行者:株式会社三省堂)の意味を有し、別掲2のとおり、「アイスアリーナ」の片仮名及び「ICE ARENA」又は「Ice Arena」の欧文字を使用して、アイススケートリンクが提供されている実情があることからすると、本願商標の構成中の「アイスアリーナ」の片仮名及び「ICE ARENA」の欧文字は、本願の指定商品及び指定役務中の「アイススケート場の提供」との関係においては、役務の提供の場所と把握され、出所識別標識としての機能を発揮し得ないものである。
他方、本願商標の構成中の「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字は、「関西国際空港の略。」(「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)の意味を有するものの、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、商品の品質等及び役務の質等を表すものとして判断すべき事情はなく、商品及び役務の出所識別標識としての機能を発揮し得るものであり、本願商標の構成中の「関空アイスアリーナ」の文字及び「KANKU ICE ARENA」の欧文字から生じる「カンクウアイスアリーナ」の称呼は、やや冗長である。
そうすると、本願商標は、引用商標との類否を判断するに当たって、本願商標の構成中、「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体から「カンクウアイスアリーナ」の称呼が生じるほか、その構成中の「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字に相応して、「カンクウ」の称呼を生じ、「関西国際空港の略。」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、「関空」の漢字を縦書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願、「運動施設の提供」を含む第41類に属する別掲3に記載のとおりの役務を指定役務として、同8年3月29日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
そして、引用商標は、その構成文字に相応して「カンクウ」の称呼を生じ、「関西国際空港の略。」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、K図形の有無、「アイスアリーナ」の片仮名及び「ICE ARENA」の欧文字の有無等の明らかな差異があるから、外観において相違するが、本願商標の要部である「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字と引用商標とを比較すると、本願商標の構成中の「関空」の漢字と引用商標は、色彩及び書体が相違するとしても、いずれも「関空」の漢字を書したものと看取され、本願商標の構成中の「KANKU」の欧文字は、「関空」の漢字を欧文字で表記したにすぎないものであるから、本願商標の要部である「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字と引用商標は、外観上、類似するものである。
また、本願商標の要部である「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字に相応して生じる「カンクウ」の称呼と引用商標「関空」に相応して生じる「カンクウ」の称呼は同一である。
さらに、観念においては、本願商標の要部である「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字より生じる「関西国際空港の略。」の観念と引用商標「関空」より生じる「関西国際空港の略。」の観念は同一である。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を同一にするから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標に係る指定役務との類否について
本願の指定商品及び指定役務中の第41類「アイススケート場の提供」は、引用商標に係る指定役務中の第41類「運動施設の提供」と類似する役務である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品及び指定役務中の第41類「アイススケート場の提供」は、引用商標に係る指定役務中の第41類「運動施設の提供」と類似する役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、意見書において、本願商標と引用商標とは、「カンクウ」という称呼の一部が共通するものであっても、外観、称呼、観念すべてにおいて非類似であり、相紛れるおそれはないものであり、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、両商標は、これを同一又は類似の役務に使用しても、役務の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきである旨主張する。
しかしながら、上記1(3)のとおり、本願商標の要部である「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字と引用商標とを比較すると、本願商標の構成中の「関空」の漢字と引用商標は、色彩及び書体が相違するとしても、いずれも「関空」の漢字を書したものと看取され、本願商標の構成中の「KANKU」の欧文字は、「関空」の漢字を欧文字で表記したにすぎないから、本願商標の要部である「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字と引用商標は、外観上、類似するものであり、本願商標の要部である「関空」の漢字及び「KANKU」の欧文字と引用商標「関空」は、「カンクウ」の称呼及び「関西国際空港の略。」の観念を同一にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を同一にするから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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