商標拒絶査定不服審判
2022-013592
デンシカルテシステムウイズ、デンシカルテシステム、デンシカルテ、カルテシステム、ウイズ
- 審判番号
- 2022-013592
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-018719
- 請求日
- 2022年08月30日
- 審決日
- 2023年06月01日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】メディア株式会社
- 【請求人代理人】友野 英三
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W093538414244) / T18 .262-Z (W093538414244) / T18 .263-Z (W093538414244)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-18719拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年2月17日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年12月16日付け:拒絶理由通知書
令和4年 1月31日付け:意見書
令和4年 5月19日付け:拒絶査定
令和4年 8月30日付け:審判請求書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第44類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第1872185号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「with」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなる商標
登録出願日:昭和59年 6月14日
設定登録日:昭和61年 6月27日
最新更新登録日:平成28年 6月28日
指定商品:第16類「雑誌」(指定商品の書換登録日:平成18年 4月12日)
2 登録第5171279号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成19年 5月18日
設定登録日:平成20年10月 3日
更新登録日:平成30年 7月10日
指定役務:第35類、第39類、第40類、第43類、第44類及び第45類に属する別掲4のとおりの役務
なお、指定役務は、商標登録の取消し審判により、第43類「全指定役務」について取り消すべき旨の審決がされ、平成25年7月19日にその確定審決の登録がなされた。
3 登録第5214649号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「WITH」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなる商標
登録出願日:平成19年 7月17日
設定登録日:平成21年 3月19日
更新登録日:平成31年 3月19日
指定役務:第44類「健康管理・医療に関する相談及び情報の提供,医業,健康診断,栄養の指導」
4 登録第5237332号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「WITH」(標準文字)
登録出願日:平成20年 8月20日
設定登録日:平成21年 6月12日
更新登録日:令和 元年 6月18日
指定役務:第35類「経営の診断又は経営に関する助言,企業の組織・人事・労務管理及び求人活動に関する指導及び助言,企業の経営・事業の管理及び運営・組織・人事・労務・総務に関する情報の提供,市場調査」
5 登録第5816493号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
登録出願日:平成27年 4月17日
設定登録日:平成27年12月25日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
6 登録第6031247号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:「with」(標準文字)
登録出願日:平成29年 4月25日
設定登録日:平成30年 3月30日
指定商品:第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
7 登録第6059045号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:「WITH」及び「ウィズ」の文字を普通に用いられる方法で二段書きしてなる商標
登録出願日:平成29年10月12日
設定登録日:平成30年 7月 6日
指定商品:第5類「薬剤,液状のサプリメント,ゼリー状のサプリメント,サプリメント」、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」
以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」という。
第4 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標及び引用商標から、それぞれ「ウィズ」、「With」、「with」又は「WITH」の文字部分を抽出した上で、本願商標は引用商標と同一又は類似であって、その指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、灰色で「電子カルテシステム」の文字を、その右側に大きくオレンジ色で「With」の文字を配し、そのうち「it」の文字の上部にごく小さくオレンジ色で「ウィズ」の文字を表してなるものであり、前記「ウィズ」の文字は、「With」の文字の読みを表したものと容易に認識されるものである。
本願商標の構成中「電子カルテシステム」の文字は、「患者と医療機関のための医療通信システムのこと」(「情報技術用語大事典第1版」株式会社オーム社)ほどの意味合いで、一般的に使用されているところ、当該文字は、その指定役務中、第44類「健康管理に関する指導及び助言,薬局における助言,医療補助,遠隔医療」との関係においては、役務の提供の方法又は役務の質を表したものと理解、認識されるとみるのが相当であって、それ自体、自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものといえる。
そうすると、本願商標は、その指定役務中、第44類「健康管理に関する指導及び助言,薬局における助言,医療補助,遠隔医療」との関係においては、その構成中、右側にオレンジ色で大きく表され、出所識別標識としての機能を果たす「With」の文字が強く印象付けられるものである。
してみれば、本願商標は、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「With」の文字を分離、抽出し、他人の商標と比較することが許されるものである。
したがって、本願商標は、その構成中の「With」の文字に相応して、「ウィズ」の称呼をも生じ、「~と一緒に」(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)ほどの観念を生じるものである。
(2)引用商標2及び3について
ア 引用商標2について
引用商標2は、別掲3のとおり、青色及び緑色で表された花をモチーフにしたと思われる図形を上段に、青色で「With」の文字を下段に配してなるものである。
そして、引用商標2を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ要部として自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そうすると、引用商標2は、その構成中の要部の一つである「With」の文字に相応して、「ウィズ」の称呼を生じ、上記(1)と同様に「~と一緒に」ほどの観念を生じるものである。
イ 引用商標3について
引用商標3は、「WITH」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものであるところ、その構成文字に相応して、「ウィズ」の称呼を生じ、上記(1)と同様に「~と一緒に」ほどの観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標2及び3との類否について
本願商標と引用商標2及び3とは、それぞれ上記(1)並びに上記(2)ア及びイのとおりの構成からなるところ、本願商標の構成中「With」の文字部分と、引用商標2の要部である「With」の文字部分及び引用商標3の「WITH」の文字とを比較すると、外観においては、つづりを同一にするものであって、色彩や書体等が異なるものの、これらの外観上の相違は、格別異なった印象を与えるとはいえないものである。
また、本願商標と引用商標2及び3からは、いずれも「ウィズ」の称呼及び「~と一緒に」ほどの観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。
してみれば、本願商標の要部と、引用商標2の文字部分及び引用商標3は、外観において相違するものの、その相違は格別異なった印象を与えず、「ウィズ」の称呼及び「~と一緒に」ほどの観念を共通にするものであるから、これらを総合して全体的に考察すると、本願商標と引用商標2及び3は類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定役務と引用商標2及び3の指定役務との類否について
本願商標の指定役務中、第44類「健康管理に関する指導及び助言,薬局における助言,医療補助,遠隔医療」は、引用商標2の指定役務中、第44類「調剤,栄養の指導」及び引用商標3の指定役務、第44類「健康管理・医療に関する相談及び情報の提供,医業,健康診断,栄養の指導」と同一又は類似の役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標2及び3と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標2及び3の指定役務と同一又は類似の役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、面積比の点で本願商標の主要構成部分(全体面積の略三分の二を占める部分)は「電子カルテシステム」の部分であることは明白であり、かかる主要部分の存在をあたかもないかのように認定するのは不自然であり、需要者、取引者の通常の認定と乖離したものである。また、「電子的カルテシステム」、「ウィズ」、「With」の、本願商標を構成する3つの部分の結合が、「患者さんに寄り添う電子的カルテシステム」との、これまでに存在しなかった新たな価値・意味合いを生み出すものであることから、これらの3要素は有機的繋がりをもった組み合わせであって、どれかを分離して認識するということは、通常の認識に比して敢えて不自然な認定を導くものである旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標構成中の「電子カルテシステム」の文字部分は、その指定役務中、第44類「健康管理に関する指導及び助言,薬局における助言,医療補助,遠隔医療」との関係においては、それ自体、自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものといえるものであり、本願商標に接する需要者は、その構成中、色彩を施し、かつ、大きく表された「With」の文字部分に着目して、当該文字から生じる「ウィズ」の称呼をもって取引にあたることも決して少なくないとみるのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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