2022-013503
防風パネル兼熱反射板
- 審判番号
- 2022-013503
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2021-014699外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1739917
- 請求日
- 2022年08月29日
- 審決日
- 2023年02月07日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ロゴスコーポレーション
- 【請求人代理人】大西 正夫
- 分類
- D18 .113-WY (C6-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 事案の概要
1 手続の経緯
本願は、令和3年(2021年)7月7日の意匠登録出願であって、令和4年(2022年)3月22日付けの拒絶理由の通知に対し、同年4月11日に意見書が提出されたが、同年7月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年8月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 本願意匠の願書及び添付図面の記載
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であって、本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「防風パネル兼熱反射板」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で、それ以外の部分を破線で表している。」としたものである(別紙第1参照)。
3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠
原査定の拒絶理由通知における拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当する、というものである。
上記の拒絶理由通知において引用された意匠(以下「引用意匠」という。)は、以下の意匠であって、その形状等を、以下のウェブページに記載されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。
「本願意匠の意匠登録を受けようとする部分と引用意匠のそれに対応する部分とを比較した場合、板の左右上端部近傍の位置に小円孔を設けた点において共通しており、当該特徴は顕著なものであるため、両部分は類似するものと認められます。<引用意匠>著者の氏名 Amazon.com, Inc.表題 キャンプグリーブ 大型風防板 8枚連結 長さ120cm 専用 手さげつき収納ケース Oリング付属 固定可能媒体のタイプ ONLINE掲載年月日 2019年1月20日検索日 2022年3月18日情報の情報源 インターネット情報のアドレス https://www.amazon.co.jp/dp/B07NPHWFCR?th=1に掲載された「風防板」の本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に対応する部分の意匠」
以下、本審決では、引用意匠において本願部分と対比、判断する部分、すなわち、本願部分に相当する部分を、「引用部分」という。
第2 当審の判断
1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠の意匠に係る物品は、「防風パネル兼熱反射板」であり、引用意匠の意匠に係る物品は、「風防板」であって一致しないものであるが、いずれも凹状に変形させたり、L字状に変形させたり、環状に変形させたりして、焚き火やカセットコンロ等の加熱装置を取り囲むように配置して防風パネルとして使用されるものであるから、本願意匠のものが、焚き火やカセットコンロ等の加熱装置の火から放出される熱を反射する熱反射板としても使用できるものであるとしても、本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品の主な用途及び機能は、共通するものであると認められる。
(2)本願部分と引用部分の用途及び機能の対比
本願部分は、焚き火やカセットコンロ等の加熱装置の後ろ側で吊り下げ支持し、焚き火やカセットコンロ等の加熱装置の火から放出される熱を反射する熱反射板として使用する際に利用される、防風パネル兼熱反射板上方側の左右角部に設けられた引っ掛け孔の部分である。
よって、本願部分の用途及び機能は、防風パネル兼熱反射板を吊り下げるための引っ掛け孔として用いられるものであって、ここに紐や鎖を通したり、紐や鎖の先端に設けられたフックを引っ掛けたりすることにより、防風パネル兼熱反射板を吊り下げ支持することができる機能を有する部分である。
一方、引用部分は、焚き火やカセットコンロ等の加熱装置を取り囲むように配置して風よけとして使用する際に利用される、風防板上方側の左右角部に設けられた、ガイロープを結ぶためのOリングを取り付ける孔の部分である。
よって、引用部分の用途及び機能は、ガイロープを結ぶOリングを取付けるための孔として用いられるものであって、ここに取り付けたOリングにガイロープを結ぶことにより、風防板を固定し、風防板の転倒を防止することができる機能を有する部分である。
したがって、本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)の用途及び機能は、異なるものである。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の対比
両部分は、いずれも略長方形板を複数枚連結した構成からなる防風パネル兼熱反射板、若しくは風防板の上方側左右角部に位置するから、両部分の位置は一致するが、本願部分は、紐や鎖を通すための大きな孔をその範囲とするものであり、引用部分はOリングを通すための小さな孔をその範囲とするものであるから、その大きさ及び範囲は異なるものである。
(4)両部分の形状等の対比
両部分の形状等を対比する(以下、対比のため、引用意匠も本願意匠の図面の向きに合わせることとする。)と、その形状等には、主として以下の共通点及び相違点が認められる。
ア 形状等の共通点
(共通点)両部分は、部分全体の形状等を、略縦長長方形板を複数枚連結した構成からなる防風パネル兼熱反射板若しくは風防板(以下「板状体」という。)における、板状体の上方側左右角部に、略小円孔(以下「円孔部」という。)を1つずつ形成したものである点が共通する。
イ 形状等の相違点
(相違点)本願部分の円孔部の直径と板状体の高さの比率が、約1:30であるのに対し、引用部分の同比率は、約1:75である点で、両意匠は相違する。
2 両意匠の類否判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の意匠に係る物品は、その主な用途及び機能が共通するものであるから類似する。
(2)両部分の用途及び機能の類否判断
両部分の用途及び機能は、上記1(2)に記載のとおり異なるものであるから類似しない。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の評価
両部分の位置は、一致するから同一であるといえる。
一方、両部分の大きさ及び範囲は、上記1(3)に記載のとおり異なるものであるが、その相違は、当該意匠の属する分野においてありふれた範囲内のものであるから、両部分の類否判断に影響を与える程のものではない。
(4)両部分の形状等の類否判断
ア 共通点の評価
(共通点)は部分全体の形状等に係るものであるが、これらは、両部分の形状等を概括的に捉えた場合の共通点にすぎないものであるから、この(共通点1)が部分意匠全体の美感に与える影響は小さい。
イ 相違点の評価
(相違点)の円孔部の直径と板状体の高さの比率については、本願部分が、紐や鎖といった断面の大きな物品を通すことができるように大きな孔を形成したとの印象を与えるのに対し、引用部分は、断面の小さなOリングを通すための小さな孔を形成したとの印象を与えるから、両部分の形状が略小円孔のものといった共通性があるとしても、この(相違点)が部分全体の美感に与える影響は一定程度ある。
ウ 両部分の形状等の類否判断
両部分の形状等における共通点及び相違点について、両部分全体として総合的に観察した場合、両部分は、円孔部の直径と板状体の高さの比率に係る相違点が、部分全体の美感に一定程度の影響を与えるのに対して、部分全体の形状等の共通点が部分全体の美感に与える影響は小さいものであるから、この共通点が部分全体の美感に与える影響は、上記相違点が与える影響を覆すには至らず、本願部分の形状等と引用部分の形状等は類似しないものである。
(5)小括
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品は、類似し、両部分の位置は、同一であり、両部分の大きさ及び範囲の相違も、両部分の類否判断に影響を与える程のものではない。
しかしながら、両部分の用途及び機能は、類似しないものであり、両部分の形状等においても類似しないものであるから、本願意匠は引用意匠と類似するということはできない。
第3 むすび
上記のとおりであって、本願意匠は、引用意匠に類似せず、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものである。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2022-013503