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特許拒絶査定不服審判

2022-013425

写真撮影遊戯機

審判番号
2022-013425
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-171946
請求日
2022年08月26日
審決日
2023年06月19日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社セガ
  • 【請求人代理人】弁理士法人インターブレイン
  • 【請求人】加賀デバイス株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人インターブレイン
審判長/審判官
  • 審判長 波多江 進
  • 審判官 野村 伸雄
  • 審判官 瀬川 勝久
分類
P18 .121-Z (G03B) / P18 .575-Z (G03B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2016-171946「写真撮影遊戯機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月 8日出願公開、特開2018- 36598〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成28年9月2日の出願であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 令和 2年 7月28日付け:拒絶理由通知書 同年 9月29日 :意見書、手続補正書の提出 令和 3年 1月28日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 同年 5月 6日 :意見書、手続補正書の提出 令和 4年 5月31日付け:令和3年5月6日の手続補正についての補 正の却下の決定、拒絶査定(以下「原査定 」という。) (同年 6月 7日 :原査定の謄本の送達) 同年 8月26日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和4年8月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年8月26日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「カメラと、 正面筐体と、 正面パネルと、前記正面パネルの一方に配置されている第1側面パネルと、前記正面パネルの他方に配置されている第2側面パネルと、を含む背面筐体と、を備え、 前記第1側面パネルおよび第2側面パネルは、いずれもクロマキー合成色と同一または類似の色である第1色領域と、前記第1色以外の色の領域である他色領域とを含み、 前記カメラは、前記第1側面パネル、前記第2側面パネルおよび床面それぞれの一部を撮像範囲内に含むように設置され、 前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルは、更に、 前記カメラのレンズ主点からの投影面であって、前記カメラの画角により規定される前記投影面内に含まれる前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルの領域が前記第1色領域となるような形状を有する前記第1色領域を含んでおり、 前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルにおいて、前記第1色領域は、前記正面パネルおよび前記背面筐体の床面パネルと接する側に配置され、天井から床方向に進むに従い、その領域が大きくなるような形状を有する、写真撮影遊戯機。」 (2) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載 本件補正前の、令和2年9月29日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「カメラと、 正面筐体と、 正面パネルと、前記正面パネルの一方に配置されている第1側面パネルと、前記正面パネルの他方に配置されている第2側面パネルとを備える背面筐体であって、 前記第1側面パネルは、クロマキー合成色と同一または類似の色である第1色領域と、前記第1色以外の色の領域である他色領域とを含み、 前記第2側面パネルは、クロマキー合成色と同一または類似の色である第1色領域と、前記第1色以外の色の領域である他色領域とを含む、前記背面筐体と、を備え、 前記第1側面パネルは、 前記カメラのレンズ主点からの投影面であって、前記カメラの画角により規定される前記投影面内に含まれる前記第1側面パネルの領域が前記第1色領域となるような形状を有する前記第1色領域を含んでおり、 前記第2側面パネルは、 前記カメラのレンズ主点からの投影面であって、前記カメラの画角により規定される前記投影面内に含まれる前記第2側面パネルの領域が前記第1色領域となるような形状を有する前記第1色領域を含んでおり、 前記第1側面パネル及び前記第2側面パネルにおいて、前記第1色領域は、前記正面パネルおよび前記背面筐体の床面パネルと接する側に配置され、天井から床方向に進むに従い、その領域が大きくなるような形状を有する、写真撮影遊戯機。」 2 本件補正の適否 本件補正のうち請求項1についての補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「カメラ」について、「前記カメラは、前記第1側面パネル、前記第2側面パネルおよび床面それぞれの一部を撮像範囲内に含むように設置され」との限定を含むものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。 (1) 本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2) 引用文献の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1について (ア)引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-229702号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(下線は、当審で付した。以下同じ。)。 「【0027】 図1に示すように、写真シール作成装置1は、主に、撮影ユニット11、編集部12、および事後接客部13から構成される。撮影ユニット11と編集部12が接した状態で設置され、編集部12と事後接客部13が接した状態で設置される。 【0028】 撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置され、撮影部21と背景部22の間に形成される空間である撮影空間において撮影作業が行われる。」 「【0030】 背景部22は、正面を向いて撮影作業を行っている利用者の背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Aとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52A、および、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Bとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52B(図2)から構成される。」 「【0050】 [撮影部の構成] 図4は、撮影部21の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成される。 【0051】 正面パネル41は撮影空間A1で撮影作業を行う利用者の正面に位置し、側面パネル42Aと側面パネル42Bは、それぞれ、撮影空間A1で撮影作業を行う利用者の左側、右側に位置する。側面パネル42Aの上方には連結部23Aが固定され、側面パネル42Bの上方には連結部23Bが固定される。 【0052】 正面パネル41のほぼ中央には撮影・表示ユニット81が設けられる。撮影・表示ユニット81は、カメラ91、カメラストロボ92、およびタッチパネルモニタ93から構成される。」 「【0063】 ここで、カメラ91の上下方向の駆動について説明する。 【0064】 撮影処理においては、カメラ91の上下方向の位置が、被写体としての利用者を、利用者から見て前方正面から撮影する位置と、利用者から見て前方斜め上から撮影する位置とになるように、カメラ91を上下方向に駆動させて撮影が行われる。 【0065】 以下、適宜、利用者を前方正面から撮影する位置にあるカメラ91を下カメラといい、利用者を前方斜め上から撮影する位置にあるカメラ91を上カメラという。」 「【0080】 また、背面パネル51の下側で、撮影空間A1において側面パネル52Aおよび側面パネル52Bに挟まれる部分には、床104が設けられている。床104は、図9に示されるように、背面パネル51側に近いほど高くなるように、写真シール作成装置1が設置される設置面に対して、例えば7°等の傾斜が設けられている。」 「【0083】 図10には、撮影空間A1において、上カメラの状態のカメラ91によって撮影される被写体(利用者)111が示されている。被写体の全身を撮影しようとする場合、上カメラによる撮影によれば、下カメラによる撮影と比較して、顔が大きく写るので、顔が強調された撮影画像を得ることができる。また、下カメラにより得られる全身画像より、上カメラにより得られる全身画像の方が、画像における被写体の割合を高めることができる。このように、上カメラによる撮影は、被写体の全身画像を得るのに好適とされている。」 「【0090】 [クロマキー用シートについて] また、本実施の形態においては、背景部22の撮影空間A1側に、背景に利用する巻き取り式の背景カーテンや、クロマキー用のカーテンとして使用する昇降式カーテンを設けず、背景部22を構成する背面パネル51、側面パネル52A,52B、および床104の表面にクロマキー用のシートが貼付される。 【0091】 図11は、背景部22の撮影空間A1側に貼付されるクロマキー用シートについて説明する図である。 【0092】 図11に示されるように、背面パネル51にはクロマキー用シート121Aが貼付され、側面パネル52Bの下部にはクロマキー用シート121Bが貼付され、床104の斜面部分にはクロマキー用シート121Cが貼付される。クロマキー用シート121A乃至121Cは、緑色のクロマキー用シートであり、これにより、いわゆるグリーンバック合成が行われる。なお、図示はしないが、側面パネル52Aの下部にもクロマキー用シート121Bと同様のクロマキー用シート121C’が貼付される。なお、図11に示されるように、クロマキー用シート121Bは、側面パネル52Bの下部のみに貼付されるものとしたが、側面パネル52Bにおいてクロマキー用シート121Bが貼付される部分は、カメラ91の画角に入る部分より広ければよく、例えば側面パネル52Bの全面であってもよい。また、側面パネル52Aに貼付されるクロマキー用シート121C’についても同様である。」 「【0196】 [上カメラ全身撮影処理の説明] 次に、図25のフローチャートを参照して、図19のステップS56の処理に対応する上カメラ全身撮影処理について説明する。 【0197】 ステップS111において、クロマキー処理部317は、カメラ91により取り込まれた取り込み画像(ライブビュー画像)の背景領域を抜き出す。」 「【図1】 [図:0001401310000001.jpg] 」 「【図4】 [図:0001401310000002.jpg] 」 「【図11】 [図:0001401310000003.jpg] 」 (イ) 引用文献1から読み取れる事項の認定 【0092】を参照しつつ、図11をみると、側面パネル52Bの下部のクロマキー用シート121B及び側面パネル52Aの下部のクロマキー用シート121C’は、背面パネル51及び床104と接していることが、把握できる。 (ウ) 引用発明の認定 前記(ア)に摘記した引用文献1の記載事項及び前記(イ)で認定した引用文献1から読み取れる事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(以下、引用発明の認定に用いた箇所の段落番号等を参考までに括弧内に付した。)。 「撮影ユニット11、編集部12、および事後接客部13から構成され、(【0027】) 撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成され、(【0028】) 撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成され、(【0050】) 正面パネル41のほぼ中央には撮影・表示ユニット81が設けられ、撮影・表示ユニット81は、カメラ91、カメラストロボ92、およびタッチパネルモニタ93から構成され、(【0052】) 背景部22は、正面を向いて撮影作業を行っている利用者の背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Aとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52A、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Bとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52B、および背面パネル51の下側で、撮影空間A1において側面パネル52Aおよび側面パネル52Bに挟まれる部分に設けられている床104から構成され、(【0030】、【0080】及び【0090】) 背面パネル51にはクロマキー用シート121Aが貼付され、側面パネル52Bの下部にはクロマキー用シート121Bが貼付され、床104の斜面部分にはクロマキー用シート121Cが貼付され、側面パネル52Aの下部にもクロマキー用シート121Bと同様のクロマキー用シート121C’が貼付され、側面パネル52Bにおいてクロマキー用シート121Bが貼付される部分は、カメラ91の画角に入る部分より広ければよく、側面パネル52Aに貼付されるクロマキー用シート121C’についても同様であり、(【0092】) 側面パネル52Bの下部のクロマキー用シート121B及び側面パネル52Aの下部のクロマキー用シート121C’は、背面パネル51及び床104と接しており、(前記(イ)で認定した事項) 被写体を前方斜め上から撮影する位置にあるカメラ91によって被写体の全身を撮影し、クロマキー処理部317は、カメラ91により取り込まれた取り込み画像の背景領域を抜き出す(【0065】、【0083】、【0196】及び【0197】) 写真シール作成装置1。(【0027】)」 イ 周知技術について (ア)引用文献2~4の記載事項 a 引用文献2の記載事項 本審決において新たに引用される、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-178449号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 「【0272】 図33Aは、カメラ91により取り込まれたライブビュー原画像701を示している。ライブビュー原画像701は、図33Bに示されるように、見かけ上、カメラ91の上下位置が、上カメラ位置よりさらに上の位置で撮影されたような(ライブビュー原画像701の下側を歪ませた)台形画像に変換される。 【0273】 ここで、台形画像への変換は、カメラ91の焦点距離(レンズと撮像素子との距離)と、被写体(利用者)と撮像素子の撮像面とのなす角度の変化(すなわち、ライブビュー原画像701に対してつける見かけ上の前傾角度)とを用いて、ライブビュー原画像701を射影変換することにより行われる。射影変換は、2次元平面における矩形を任意の四辺形に変形するときに用いられる幾何学的手法である。 【0274】 このようにして得られた台形画像711は、トリミング枠711TRによってトリミングされる。これにより、図33Cに示される、見かけ上前傾角度(例えば+15°)がつけられたトリミング画像721が得られる。この場合、トリミング画像721(台形画像711)は、カメラ91の実際の前傾角度33°に、見かけ上の前傾角度15°を加えた48°の前傾角度で撮影されたような画像となる。」 「【0280】 この場合、図34Aに示される、カメラ91により取り込まれたライブビュー原画像701は、図34Bに示されるように、見かけ上、カメラ91の上下位置が、上カメラ位置より下の位置で撮影されたような(ライブビュー原画像701の上側を歪ませた)台形画像に変換される。 【0281】 このようにして得られた台形画像761は、トリミング枠761TRによってトリミングされる。これにより、図34Cに示される、見かけ上前傾角度(例えば-15°)がつけられたトリミング画像771が得られる。なお、この場合、トリミング画像771(台形画像761)は、カメラ91の実際の前傾角度33°から、見かけ上の前傾角度15°を減じた18°の前傾角度で撮影されたような画像となる。」 「【図33】 [図:0001401310000004.jpg] 」 「【図34】 [図:0001401310000005.jpg] 」 b 引用文献3の記載事項 本審決において新たに引用される、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-38561号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。 「【0073】 側面パネル22Bは、所定の高さを境界として領域22B-1と領域22B-2に分けられる。側面パネル22B全体の上方略1/3の領域である領域22B-1の色は黒色であり、下方略2/3の領域である領域22B-2の色は例えば鮮やかな緑色である。鮮やかな緑色は、カメラ101により撮影した画像から利用者の領域を抽出するクロマキー処理に用いられる色である。鮮やかな緑色に代えて、他の色で着色されるようにしてもよい。 【0074】 側面パネル22Bの領域22B-1だけでなく、側面パネル21B、天井部23の連結部23B、背面部材23D、カーテン121も内側は黒色となる。一方、側面パネル22Bの領域22B-2だけでなく、背面パネル22A、床材25は鮮やかな緑色となる。 【0075】 図12は、図10の左側に形成される出入口G2近傍の構成を示す図である。 【0076】 図12に示すように、連結部23Cには、出入口G1と同様に、ビニル素材のカーテン122が出入口G2の下方の一部を除く部分を覆うように取り付けられる。 【0077】 側面パネル22Cは、所定の高さを境界として領域22C-1と領域22C-2に分けられる。側面パネル22C全体の上方略1/3の領域である領域22C-1の色は黒色であり、下方略2/3の領域である領域22C-2の色は例えば鮮やかな緑色である。 【0078】 側面パネル22Cの領域22C-1だけでなく、側面パネル21C、天井部23の連結部23B、カーテン122も内側は黒色となる。なお、この黒色であるが、黒色に準ずる色であればよい。つまり、階調を例えば0~255で表現すると、125~255までを黒色に準ずる色とする。 【0079】 クロマキー処理によって利用者の領域を抽出する場合、鮮やかな緑色などの特殊な色の領域が、クロマキー処理の対象となる画像に写っている必要がある。クロマキー処理においては、特殊な色の領域以外の領域が、利用者の領域として抽出される。 【0080】 一方、撮影空間A1の内側全体をそのような特殊な色で着色した場合、撮影時に様々な方向からフラッシュ光を照射するようになされていることから、撮影空間A1の内側で反射したフラッシュ光が利用者を照射することにより、撮影した画像において、特殊な色が利用者の領域の色に混ざり込むことがある。 【0081】 従って、そのような混色を防ぐという観点からは、光を吸収する黒色の領域ができるだけ広い方が好ましい。 【0082】 クロマキー処理の対象となる画像において、側面パネル22B、側面パネル22Cのうち、その撮影範囲に含まれない領域である領域22B-1、22C-1を黒色の領域としておくことにより、特に、利用者の顔部分に対する色の混ざり込みを防ぐことが可能になる。領域22B-1と領域22B-2の境界、領域22C-1と領域22C-2の境界は、一般的な身長の女性の首付近の高さに設定される。 【0083】 上述したように、写真シール作成装置1においては、アップ撮影、上から全身撮影、および正面全身撮影の3種類の撮影があるが、領域22B-1、22C-1は、いずれの撮影によって撮影された画像にも写り込まない領域である。 【0084】 また、顔に近い位置を黒色の領域とし、フラッシュ光の反射を防ぐことにより、顔の立体感が強調された画像を撮影することが可能になる。」 「【0198】 図30は、上から全身撮影時のトリミングの例を示す図である。 【0199】 図30の画像P22は、カメラ101により撮影された動画の1フレーム全体の画像である。画像P22は縦長の画像であり、上から見下ろすように撮影した、撮影空間A1にいる2人の利用者の全身が写っている。2人の利用者の後ろには背面パネル22Aが写り、足元には床材25が大きく写っている。また、2人の利用者の横には、黒色の領域である領域22B-1と領域22C-1を含む形で、側面パネル22Bと側面パネル22Cが写っている。画像P22においては、カメラ101に向かって右側に立つ利用者H1が左側に写り、左側に立つ利用者H2が右側に写る。」 「 [図:0001401310000006.jpg] 」 「 [図:0001401310000007.jpg] 」 c 引用文献4の記載事項 本審決において新たに引用される、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-114793号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。 「【0121】 図14Bに示す画像は全身画像である。全身画像の撮影時、カメラ101により撮影された静止画が例えばそのまま用いられ、図14Bに示すような、利用者の全身が写るアップ画像が取得される。」 「【図14】 [図:0001401310000008.jpg] 」 (イ) 周知技術の認定 前記(ア)に摘記した引用文献2~4の記載事項から、次の技術事項は本願出願時の周知技術(以下単に「周知技術」という。)であると認められる。 「写真シール作成装置に関する技術において、被写体の全身を前方斜め上から撮影する際に、第1の側面パネル、第2の側面パネル及び床のそれぞれの一部を撮像範囲内に含むようにすること、並びに、第1の側面パネル及び第2の側面パネルの撮影領域は、天井側より床側の領域が広くなること。」 (3) 対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 ア 対比分析 (ア) 引用発明の「カメラ91」は、本件補正発明の「カメラ」に、 引用発明の「『正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成され』る『撮影部21』」は、本件補正発明の「正面筐体」に、 引用発明の「背面パネル51」は、本件補正発明の「正面パネル」に、 引用発明の「背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Aとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52A、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Bとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52B」は、本件補正発明の「前記正面パネルの一方に配置されている第1側面パネルと、前記正面パネルの他方に配置されている第2側面パネル」に、 引用発明の「『正面を向いて撮影作業を行っている利用者の背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Aとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52A、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Bとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52B、および背面パネル51の下側で、撮影空間A1において側面パネル52Aおよび側面パネル52Bに挟まれる部分に設けられている床104から構成され』る『背景部22』」は、本件補正発明の「背面筐体」に、 引用発明の「背面パネル51の下側で、撮影空間A1において側面パネル52Aおよび側面パネル52Bに挟まれる部分に設けられている床104」は、本件補正発明の「床面」及び「床面パネル」に、 引用発明の「写真シール作成装置1」は、本件補正発明の「写真撮影遊戯機」に、 それぞれ相当する。 (イ) 本件補正発明の「前記第1側面パネルおよび第2側面パネルは、いずれもクロマキー合成色と同一または類似の色である第1色領域と、前記第1色以外の色の領域である他色領域とを含み」の構成について a 引用発明は、「側面パネル52Bの下部にはクロマキー用シート121Bが貼付され、」「側面パネル52Aの下部にもクロマキー用シート121Bと同様のクロマキー用シート121C’が貼付され[る]」ものであり、側面パネル52B、52Aのクロマキー用シート121B、121C’が貼付された領域が、本件補正発明の「第1色領域」に相当する。 b また、引用発明の側面パネル52B、52Aのクロマキー用シート121B、121C’が貼付されていない領域が、本件補正発明の「第1色以外の色の領域である他色領域」に相当する。 c そうすると、引用発明は「前記第1側面パネルおよび第2側面パネルは、いずれもクロマキー合成色と同一または類似の色である第1色領域と、前記第1色以外の色の領域である他色領域とを含み」との構成を備えているといえる。 (ウ) 本件補正発明の「前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルは、更に、前記カメラのレンズ主点からの投影面であって、前記カメラの画角により規定される前記投影面内に含まれる前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルの領域が前記第1色領域となるような形状を有する前記第1色領域を含んでおり」の構成ついて a 引用発明の「側面パネル52B」及び「側面パネル52A」の「カメラ91の画角に入る部分」は、本件補正発明の「前記カメラのレンズ主点からの投影面であって、前記カメラの画角により規定される前記投影面内に含まれる前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルの領域」に相当する。 b 引用発明は「側面パネル52Bにおいてクロマキー用シート121Bが貼付される部分は、カメラ91の画角に入る部分より広ければよ」いものである。また、引用発明は「側面パネル52Aに貼付されるクロマキー用シート121C’についても同様であ」ることから、側面パネル52Aにおいてクロマキー用シート121C’が貼付される部分も、カメラ91の画角に入る部分より広ければよいものである。 c そうすると、引用発明は上記構成を備えているといえる。 (エ) 本件補正発明の「前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルにおいて、前記第1色領域は、前記正面パネルおよび前記背面筐体の床面パネルと接する側に配置され」の構成について 引用発明の写真シール作成装置1の「背面パネル51にはクロマキー用シート121Aが貼付され、側面パネル52Bの下部にはクロマキー用シート121Bが貼付され、床104の斜面部分にはクロマキー用シート121Cが貼付され、側面パネル52Aの下部にもクロマキー用シート121Bと同様のクロマキー用シート121C’が貼付され、側面パネル52Bの下部のクロマキー用シート121B及び側面パネル52Aの下部のクロマキー用シート121C’は、背面パネル51及び床104と接して」いる。 そうすると、引用発明は上記構成を備えているといえる。 イ 一致点及び相違点 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 (ア) 一致点 【一致点】 「カメラと、 正面筐体と、 正面パネルと、前記正面パネルの一方に配置されている第1側面パネルと、前記正面パネルの他方に配置されている第2側面パネルと、を含む背面筐体と、を備え、 前記第1側面パネルおよび第2側面パネルは、いずれもクロマキー合成色と同一または類似の色である第1色領域と、前記第1色以外の色の領域である他色領域とを含み、 前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルは、更に、 前記カメラのレンズ主点からの投影面であって、前記カメラの画角により規定される前記投影面内に含まれる前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルの領域が前記第1色領域となるような形状を有する前記第1色領域を含んでおり、 前記第1側面パネルおよび前記第2側面パネルにおいて、前記第1色領域は、前記正面パネルおよび前記背面筐体の床面パネルと接する側に配置される、写真撮影遊戯機。」 (イ) 相違点 【相違点1】 カメラについて、本件補正発明では、「前記第1側面パネル、前記第2側面パネルおよび床面それぞれの一部を撮像範囲内に含むように設置され」ているのに対し、引用発明では、そのようなものか明らかでない点。 【相違点2】 第1側面パネルおよび第2側面パネルについて、本件補正発明では、「前記第1色領域は、」「天井から床方向に進むに従い、その領域が大きくなるような形状を有する」のに対し、引用発明では、側面パネル52Bにおいてクロマキー用シート121Bが貼付される部分は、カメラ91の画角に入る部分より広ければよいものであり、また、側面パネル52Aの下部にもクロマキー用シート121Bと同様のクロマキー用シート121C’が貼付されているものの、クロマキー用シート121Bとクロマキー用シート121C’が「天井から床方向に進むに従い、その領域が大きくなるような形状を有する」ものか明らかでない点。 (4) 判断 以下、上記相違点について検討する。 ア 相違点1及び2について (ア) 引用発明の写真シール作成装置1は、被写体を前方斜め上から撮影する位置にあるカメラ91によって被写体の全身を撮影するものであり、側面パネル52Bの下部、側面パネル52Aの下部及び床104の斜面部分にはクロマキー用シートが貼付されているものである。 (イ) また、写真シール作成装置に関する技術において、被写体の全身を前方斜め上から撮影する際に、第1の側面パネル、第2の側面パネル及び床のそれぞれの一部を撮像範囲内に含むようにすること、並びに、第1の側面パネル及び第2の側面パネルの撮影領域は、天井側より床側の領域が広くなることは、前記(2)イ(イ)で認定したとおり、周知技術である。 (ウ) そして、上記(ア)の引用発明の写真シール作成装置1は、側面パネル52Bの下部、側面パネル52Aの下部、及び床104の斜面部分にクロマキー用シートが貼付されていることから、当該クロマキー用シートが貼付されている領域を撮影範囲とすることが想定されているといえ、上記(イ)の周知技術を採用することの示唆があるといえる。 そうすると、引用発明に上記周知技術を採用し、被写体を前方斜め上から撮影する位置にあるカメラ91によって被写体の全身を撮影する際に、側面パネル42A、側面パネル42Bおよび床104のそれぞれの一部を撮像範囲内に含み、第1の側面パネル及び第2の側面パネルの撮影領域が天井側より床側の領域が広くなるように設置し、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得た事項である。 (エ) ここで、引用発明は、被写体の全身を撮影する際にクロマキー処理を行うものであり、側面パネル52Aのクロマキー用シート121C’及び側面パネル52Bのクロマキー用シート121Bはカメラ91の画角に入る部分より広ければよいものであるから、引用発明に上記周知技術を採用した構成においては、第1の側面パネル52A、52Bに対して、天井側より床側の領域が広い撮像領域より広くなるようにクロマキー用シートを121C’、121Bを貼付けることとなる。 そして、クロマキー処理を行うために、撮像領域外の不要な部分までわざわざクロマキー用シートを設ける必要はないことは自明のことであり、引用発明においても、クロマキー用シート121C’及び121Bが側面パネル52A、52Bの下部に設けられ、全面に設けられてはいないことから、クロマキー処理に必要な部分にのみクロマキー用シートを設けることが示唆されているといえる。 そうすると、引用発明に上記周知技術を採用した際にも、クロマキー用シート121C’、121Bの形状を側面パネル42A及び側面パネル42Bの撮像領域に対応するような形状として、天井から床方向に進むに従い、その領域が大きくなるような形状を有するものとなし、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得た事項である。 イ そして、相違点1及び2を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 ウ したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5) 審判請求人の主張について ア 審判請求人の主張 審判請求人は、令和4年8月26日に提出された審判請求書において、 本願クロマキー構成は、撮像範囲をカバーできるようにクロマキー領域を設定する必要があるという条件を満たしつつ、クロマキー色の被写体への映り込みを抑制するために考えられた構成であり、引用文献1は、「クロマキー色の映り込みによる画質劣化」という課題の認識はなく、したがって引用発明は全面貼付けではなく部分的に貼付けるとの技術思想もなく、また、図26に示すように側面パネルの一方が映るような撮像範囲を暗黙の前提としており、2つの側面パネルと床面を撮像範囲に含めるという前提もないので、敢えて本願クロマキー構成を採用する意味はない旨主張している。 イ 審判請求人の主張についての検討 上記主張について、以下検討する。 引用文献1のクロマキー用シートは、カメラ91の画角に入る部分より広ければよいことから、画角に入る部分を想定して、適切な大きさにすればよく、クロマキー色の被写体への映り込みを抑制することを考慮していないとしても、クロマキー処理を行うために、撮像領域外の不要な部分までわざわざクロマキー用シートを設ける必要はないことは自明のことであり、実際、引用発明は、側面パネル52A及び側面パネル52Bの上部にはクロマキー用シートが存在しないものであることからみても、例えば、クロマキー用シートのコストを考慮してクロマキー処理が必要な部分にのみクロマキー用シートを設けることは、当業者が容易に想到し得たことであるとの結論に変わりはない。さらに、写真シール作成装置において、クロマキー色の緑色の側面パネルに反射したフラッシュ光が利用者を照射することで、利用者の顔部分に色の混ざり込みが起こることは、一般的に知られた課題にすぎない(必要ならば、前記引用文献3の【0073】~【0084】を参照されたい。)。 加えて、引用文献1の図26及び図27は、背景領域(背面、側面、および床面)の色値の境界に基づいて、コーナーポイントを検知することを説明するための図であり、引用文献1の写真シール作成装置1が、2つの側面パネルと床面を撮像範囲に含めることができないことを示すものではない。 以上から、審判請求人の上記主張は、採用することができない。 3 本件補正の却下の決定についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和4年8月26日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~6に係る発明は、令和2年9月29日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の請求項1に係る発明に対する拒絶の理由の概略は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった前記引用文献1に記載された発明に基いて、本願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 3 引用文献の記載事項及び引用発明の認定 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項並びに引用発明及び周知技術の認定は、前記第2の[理由]2(2)で記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、実質的に、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「カメラ」に係る限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由2]2(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-013425

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