特許拒絶査定不服審判
2025-012295
景品取得ゲーム装置
- 審判番号
- 2025-012295
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2023-016481
- 請求日
- 2025年08月06日
- 審決日
- 2025年10月15日
- 公報発行日
- 2025年12月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社セガ
- 【請求人代理人】山田 彰彦
- 審判長/審判官
- 審判長 川俣 洋史
- 審判官 門 良成
- 審判官 山本 一
- 分類
- P18 .121-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 行政事件訴訟法46条特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2023-16481「景品取得ゲーム装置」拒絶査定不服審判事件〔令和6年8月19日出願公開、特開2024-111774〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年2月6日を出願日とする出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和6年 8月 1日 :手続補正書の提出
同年 9月27日付け:拒絶理由通知書
同年11月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和7年 1月10日 :拒絶理由通知
同年 2月25日 :意見書、手続補正書の提出
同年 4月28日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年 5月13日 :原査定の謄本の送達)
同年 8月 6日 :審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和7年2月25日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「 【請求項1】
景品を収容する収納空間内で左右に隣り合う左側の第1プレイエリア及び右側の第2プレイエリアに跨って左右方向に延在する固定レールと、
前記第1プレイエリアにおいて、前記固定レールに直交して左右方向に沿って移動自在に前記固定レールに支持された第1移動レールと、
前後方向に沿って移動自在に前記第1移動レールに支持された第1景品取得部と、
前記第1移動レールに取付けられ、第1プレイエリアの右端位置を検知する第1センサーと、
前記第1センサーを作動させる第1作動部であって、左右方向に沿って移動自在に前記固定レールに支持された第1作動部と、
前記第2プレイエリアにおいて、前記固定レールに直交して左右方向に沿って移動自在に前記固定レールに支持された第2移動レールと、
前後方向に沿って移動自在に前記第2移動レールに支持された第2景品取得部と、
前記第2移動レールに取付けられ、第2プレイエリアの左端位置を検知する第2センサーと、
前記第2センサーを作動させる第2作動部であって、左右方向に沿って移動自在に前記固定レールに支持された第2作動部と、
収納空間内で景品を展示するための展示部と、
を備え、
前記展示部は、前記固定レールの左右方向の中央から左側に第1展示部と、前記中央から右側に第2展示部を有し、
前記固定レールは、前記中央から右側での移動後の位置において前記第1作動部を支持すると共に、移動後の当該第1作動部よりも右側での移動後の位置において前記第2作動部を支持することにより、前記第1プレイエリアの右端位置を前記中央よりも右側に変更可能にし、前記中央から左側での移動後の位置において前記第2作動部を支持すると共に、移動後の当該第2作動部よりも左側での移動後の位置において前記第1作動部を支持することにより、前記第2プレイエリアの左端位置を前記中央よりも左側に変更可能にする、
ことを特徴とする景品取得ゲーム装置。」
第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、以下の理由を含むものである。
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1~4に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
1.特開2002-239208号公報
2.特開昭52-108226号公報(周知技術を示す文献)
3.特開平11-239669号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2006-122510号公報(周知技術を示す文献)
第4 当審の判断
1 引用文献、引用発明
(1)引用文献1
前記第3の原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に発行された特開2002-239208号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同じ。)。
ア 「【0007】そこで、小型景品専用のクレーンゲーム機、或いは大型景品専用のクレーンゲーム機を造ることも考えられるが、遊技場においてクレーンゲーム機を設置することが可能な面積には限りがある。このため、小型景品及び大型景品のいずれを載置しても、有効に景品載置面を利用することが可能なクレーンゲーム機が望まれている。
【0008】本発明の目的は、景品載置面を有効に利用することができるクレーンゲーム機を提供することである。」
イ 「【0023】
【発明の実施の形態】[第1実施例]図1は、本発明の第1実施例の外観を示す斜視図である。図示のクレーンゲーム機は、直方体のハウジング1を備え、その上部の正面と左右側面には透明なガラス2が嵌め込まれて内部が見えるようになっている。ハウジング1の内部には、ガラス2の下端とほぼ同じ高さに景品載置面としてのテーブル3が設置され、その上に景品4を載置している。テーブル3の上方には、クレーン5が吊下げられ、このクレーン5から下方に2本の鉤爪6が延びている。ハウジング1の上部には、クレーン駆動機構及び移動領域可変手段をとして、クレーン5を移動するためのクレーン移動機構7が設けられている。クレーン移動機構7は、図2に示すように、各クレーン5a,5bの移動可能な範囲を任意に定めることができるようになっている。クレーン5は、ハウジング1の上部に収納された駆動機構により上下方向(以下「Z軸方向」という)に駆動されると共に、その上下動と同期して鉤爪6を開閉する。なお、このクレーンゲーム機は、2人のプレーヤが同時にゲームを行えるように構成されている。」
ウ 「【0026】テーブル3の盤面には、クレーン5の鉤爪6で把持した景品4を排出するための開口15が設けられている。また、開口15の下方には、景品4を景品払出口16まで案内する通路が形成されている。更に、テーブル3の盤面には、仕切り板17が載置されている。この仕切り板17は、盤面上の任意の位置に移動可能に構成されている。従って、各クレーン5a,5bが移動可能な範囲に応じて任意の位置に載置することができる。
【0027】図2は、2人のプレーヤが同時にゲームを行うことを可能とし、且つ小型景品4aを載置する場合のクレーン移動機構7を示す。このクレーン移動機構7は、クレーン5を図に示すX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の3方向に移動させるものである。実施例のクレーンゲーム機は、2人のプレーヤが左右で同時にゲームを行えるようにするため、左右に同じ機能を有する。以下、2つの機能を「1P」及び「2P」と表わすことで、それらを識別する。このクレーン移動機構7では、各クレーン5a,5bがX軸方向において移動可能な範囲を任意に定めることができる。
【0028】クレーン移動機構7は、X軸用スライドシャフト18、Y軸用スライドシャフト19、移動体の一例であるY軸ユニット42,52,72,82、Z軸ユニット60,90、クレーン5をX軸方向へ移動させるためのX軸用リバーシブルモータ26,36,54,84、駆動プーリ22,32、1P用タイミングホイール24、2P用従動プーリ34、タイミングベルト20,30,56,86、各種マイクロスイッチ46,48,76,78、及び各種リミッタ101~104により構成される。
【0029】1P側のX軸用タイミングベルト20は、X軸用駆動プーリ22とタイミングホイール24とに掛け回されている。X軸用駆動プーリ22は、X軸用リバーシブルモータ26によって回転駆動され、1P側のX軸用タイミングベルト20を移動させる。2P側のX軸用タイミングベルト30も同時にX軸用駆動プーリ32と2P用従動プーリ34とに掛け回されている。X軸用駆動プーリ32は、X軸用リバーシブルモータ36によって回転駆動され、X軸用タイミングベルト30を移動させる。
【0030】ここで、1P用タイミングホイール24は、2P側のX軸用駆動プーリ32を軸支し、且つX軸用リバーシブルモータ36から突出した軸と同一の軸に軸支されているが、このタイミングホイール24は空回りするようになっている。すなわち、2P側のX軸用リバーシブルモータ36の駆動力は、1P用タイミングホイール24に伝達されない構造となっている。また、各種マイクロスイッチ46,48,76,78及びリミッタ101~104は、Y軸ユニット42,52,72,82及びZ軸ユニット60,90が移動可能なの範囲を制限するために設けられている。
【0031】1P用Y軸ユニット40には、1P側のY軸用リバーシブルモータ42、滑り軸受け44、X軸初期位置検知用マイクロスイッチ46、及びX軸限界位置検知用マイクロスイッチ48が取り付けられている。滑り軸受け44に設けられた孔にX軸用スライドシャフト18aが移動自在に嵌合している。1P用Y軸ユニット40は、連結具108(後述の図5)を介して1P側のX軸用タイミングベルト20と連結し、X軸用スライドシャフト18aに沿ってX軸方向において移動可能になっている。この1P用Y軸ユニット40には、Y軸用スライドシャフト19aが結合している。また、Y軸用リバーシブルモータ42の駆動プーリ(図示せず)には、Y軸用タイミングベルト50が掛け回されている。
【0032】Y軸用スライドシャフト19aの他端は、ハウジング1の裏面側に位置する1P用Y軸ユニット52に固定されている。また、1P用Y軸ユニット52に取り付けられた従動プーリ(図示せず)には、Y軸用タイミングベルト50が掛け回されている。この1P用Y軸ユニット52は、X軸用リバーシブルモータ54の駆動により移動するX軸用タイミングベルト56と連結し、X軸用スライドシャフト18bに沿ってX軸方向の位置が他方の1P用Y軸ユニット40と同じになるように移動する。
【0033】Y軸用タイミングベルト50と連結具60を介して上面において連結した1P用Z軸ユニット62の内部には、クレーン5aをZ軸方向へ移動するための機構(図示せず)が設けられている。1P用Z軸ユニット62の上部には、孔が設けられ、この孔にY軸用スライドシャフト19aが移動自在に嵌っており、1P用Z軸ユニット62は、Y軸用スライドシャフト19aに沿って移動可能となっている。また、1P用Z軸ユニット62の側面には、Y軸検知用リミッタ64が取り付けられると共に、その下部からクレーン5aを吊り下げる伸縮パイプ66が下方へ伸びている。すなわち、1P用Y軸ユニット40は、伸縮パイプ66、1P用Z軸ユニット62、及びY軸用スライドシャフト19aを介してクレーン5aと連結している。また、Y軸方向における1P用Z軸ユニット62の移動可能な範囲を定めるためのマイクロスイッチ65a,65bが設けられている。
【0034】2P用Y軸ユニット70には、1P用Y軸ユニット40と同様に、Y軸用リバーシブルモータ72、2P滑り軸受け74、X軸初期位置検知用マイクロスイッチ76、及びX軸限界位置検知用マイクロスイッチ78が取り付けられている。2P滑り軸受け74には孔が設けられた孔にX軸用スライドシャフト18aが移動自在に嵌合している。2P用Y軸ユニット70は、連結具109(後述の図5)を介してX軸用タイミングベルト30と連結し、X軸用スライドシャフト18aに沿って移動可能になっている。この2P用Y軸ユニット70には、Y軸用スライドシャフト19bが結合している。また、Y軸用リバーシブルモータ72の駆動プーリ(図示せず)には、Y軸用タイミングベルト80が掛け回されている。
【0035】Y軸用スライドシャフト19bの他端は、ハウジング1の裏面側に位置する2P用Y軸ユニット82に固定されている。また、2P用Y軸ユニット82に取り付けられた従動プーリ(図示せず)には、Y軸用タイミングベルト80が掛け回されている。この2P用Y軸ユニット82は、X軸用リバーシブルモータ84の駆動により移動するX軸用タイミングベルト86と連結し、X軸用スライドシャフト18bに沿ってX軸方向の位置が他方の2P用Y軸ユニット70と同じになるように移動する。
【0036】Y軸用タイミングベルト80と連結具90を介して上面において連結した2P用Z軸ユニット92の内部には、クレーン5bをZ軸方向へ移動するための機構(図示せず)が設けられている。2P用Z軸ユニット92の上部に設けられた孔にY軸用スライドシャフト19bが移動自在に嵌合しており、2P用Z軸ユニット92は、Y軸用スライドシャフト19bに沿って移動可能となっている。また、2P用Z軸ユニット92の側面には、Y軸検知用リミッタ94が取り付けられると共に、その下部からクレーン5bを吊り下げる伸縮パイプ96が下方へ伸びている。すなわち、2P用Y軸ユニット70は、伸縮パイプ96、2P用Z軸ユニット92、及びY軸用スライドシャフト19bを介してクレーン5bと連結している。また、Y軸方向における2P用Z軸ユニット92の移動可能な範囲を定めるためのマイクロスイッチ95a,95bが設けられている。
【0037】ハウジング1の内面には、4つのリミッタ101~104が取り付けられている。これらのリミッタのZ軸方向の位置は、1P側のX軸初期位置検知用マイクロスイッチ46、X軸限界位置検知用マイクロスイッチ48、2P側のX軸初期位置検知用マイクロスイッチ76、及びX軸限界位置検知用マイクロスイッチ78の位置と同じである。また、これらのリミッタは、上記マイクロスイッチをオンすることが可能である。
【0038】1P側のX軸初期位置検知用リミッタ101及びX軸限界位置検知用リミッタ102は、1P用Y軸ユニット40のX軸方向の移動可能な範囲を制限する。すなわち、1P用Y軸ユニット40は、X軸初期位置検知用リミッタ101とX軸限界位置検知用リミッタ102との間をX軸方向へ移動可能である。2P側のX軸初期位置検知用リミッタ103及びX軸限界位置検知用リミッタ104は、2P用Y軸ユニット70のX軸方向の移動可能な範囲を制限する。すなわち、2P用Y軸ユニット70は、X軸初期位置検知用リミッタ103とX軸限界位置検知用リミッタ104との間をX軸方向へ移動可能である。後述のように、これらのリミッタの位置を適宜変更することにより、X軸方向における各クレーン5a,5bの移動可能な領域の範囲を変更することができる。
【0039】マイクロスイッチ65a,65bは、1P用Z軸ユニット62のY軸方向の移動可能な範囲を制限する。マイクロスイッチ95a,95bは、2P用Z軸ユニット92のY軸方向の移動可能な範囲を制限する。ここで、実施例では、上記のZ軸用ユニット62,92の移動可能な範囲を制限する各マイクロスイッチの位置を変更することはできない。
【0040】図3は、2人のプレーヤが同時にゲームを行うことを可能とし、且つ1P側に大型景品4b、2P側に小型景品4aを載置する場合のクレーン移動機構7を示す。
【0041】図3に示す1P側のX軸限界位置検知用リミッタ102、及び2P側のX軸限界位置検知用リミッタ104が取り付けられた位置は、図2の位置から矢印の方向へ移動している。具体的には、1P側のX軸限界位置検知用リミッタ102は、X軸初期位置検知用リミッタ101から遠ざかる方向へ移動している。また、2P側のX軸限界位置検知用リミッタ104は、X軸初期位置検知用リミッタ103に近づく方向へ移動している。すなわち、1P用Y軸ユニット40が移動可能な範囲は、図2の場合と比較して大きくなり、クレーンの移動可能な領域が広がっている。他方、2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲は、図2の場合と比較して小さくなり、クレーンの移動可能な領域が狭くなっている。これにより、2P側のテーブル3に載置された小型景品4aの数と同数の大型景品4bを1P側のテーブル3に載置することが可能となる。なお、後述の図5(2)に示すように、1P側のX軸初期位置検知用リミッタ101及びX軸限界位置検知用リミッタ102として、幅の広いものを用いるようにしてもよい。」
エ 「【0043】図4に示す1P側のX軸限界位置検知用リミッタ102、及び2P側のX軸限界位置検知用リミッタ104は、取り外されている。また、1P側のX軸初期位置検知用リミッタ101が取り付けられた位置は、図3の場合と同様であるが、2P側のX軸限界位置検知用リミッタ104は、図の矢印の方向へ移動している。このX軸限界位置検知用リミッタ104は、1P用Y軸ユニット40のX軸方向の移動可能な範囲を制限する役割を果たす。更に、2P用Y軸ユニット70は、Y軸用リバーシブルモータ72の近傍へ移動し、2P用Z軸ユニット92からは伸縮パイプが取り外されている。このクレーン移動機構7では、本来2人のプレーヤが同時にゲームを行うことが可能な広さのテーブル3を備えたクレーンゲーム機において、1人のプレーヤのみがゲームを行うことができるので、従来と比較してより大型の景品4を載置することができる。なお、1P用Y軸ユニット40と滑り軸受け44との間には、適当な空間がX軸方向に設けられ、1P用Y軸ユニット40は、2P用従動プーリ34を跨いでX軸方向へ移動可能になっている。」
オ 「【0056】初めに、CPU114は、コインが挿入されているか否かを判別する(ST1)。この判別が“YES”のときは、照光式X軸用押しボタンスイッチ9からの入力があるか否かを判別する(ST2)。この判別が“YES”のときは、X軸用リバーシブルモータ26,36,54,84を起動する(ST3)。続いて、CPU114は、照光式X軸用押しボタンスイッチ9からの入力が解除されたか否かを判別する(ST4)。この判別が“YES”のときは、ST6の処理に移り、“NO”のときは、ST5の処理に移る。ST5の処理では、CPU114は、X軸限界検知用マイクロスイッチからの入力があるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST6の処理に移り、“NO”のときは、ST4の処理に移る。ST6の処理では、CPU114は、X軸用リバーシブルモータ26,36,54,84を停止させる。ここで、X軸用リバーシブルモータ26,36,54,84の起動中において、照光式X軸用押しボタンスイッチ9の入力が解除される前に、X軸限界位置検知用リミッタ102,104に当接することによりX軸限界検知用マイクロスイッチ48,78からの入力があるとき(オンしたとき)、X軸用リバーシブルモータ26,36,54,84が停止する。従って、X軸限界位置検知用リミッタの取付け位置を任意に変更することにより、X軸方向のクレーン5の移動可能な範囲を任意に定めることができる。」
カ 「【0086】実施例では、2P側のX軸用タイミングベルト30は、X軸用駆動プーリ32に掛け回されている。このため、2P用Y軸ユニット70は、この2P側のX軸用駆動プーリ32が取り付けられた位置を超えて1P側のY軸ユニットに近づく方向へ移動することができないが、これに限られるものではない。すなわち、X軸方向における2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲を、1P用Y軸ユニット40と同様に大きくできるようにしてもよい。」
キ 「【図1】
[図:0001429946000001.jpg]
」
ク 「【図2】
[図:0001429946000002.jpg]
」
ケ 「【図3】
[図:0001429946000003.jpg]
」
コ 「【図5】
[図:0001429946000004.jpg]
」
サ 前記ク【図2】、ケ【図3】より、2P用従動プーリ34は、X軸用駆動プーリ22とX軸用駆動プーリ32の間に位置することが看取できる。
シ 前記ウ【0029】の「2P側のX軸用タイミングベルト30も同時にX軸用駆動プーリ32と2P用従動プーリ34とに掛け回されている。」との記載、及び前記コ【図5】から、「2P側のX軸用タイミングベルト30」は、「X軸用駆動プーリ32」を基準として、「2P用従動プーリ34」と反対側には位置しないと認められる。
そうすると、「2P用Y軸ユニット70」は「X軸用駆動プーリ32」の位置を超えて「1P側のY軸ユニット40」から遠ざかる方向へ移動することができないといえる。
ス 前記ウ【0041】の「1P側のX軸限界位置検知用リミッタ102は、X軸初期位置検知用リミッタ101から遠ざかる方向へ移動している。・・・1P用Y軸ユニット40が移動可能な範囲は、図2の場合と比較して大きくなり、クレーンの移動可能な領域が広がっている。」との記載から、「1P側のX軸限界位置検知用リミッタ102」を「X軸初期位置検知用リミッタ101から遠ざかる方向へ移動」することにより、「1P用Y軸ユニット40」が移動可能な範囲を大きくしていると認められる。
セ 前記カ【0086】の「X軸方向における2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲を、1P用Y軸ユニット40と同様に大きくできるようにしてもよい。」との記載において、「1P用Y軸ユニット40と同様」の方法とは、前記シ及びスをふまえると、「2P用Y軸ユニット70」は「X軸用駆動プーリ32」の位置を超えて「1P側のY軸ユニット」から遠ざかる方向へ移動することができないのであるから、「2P側のX軸限界位置検知用リミッタ104」を「X軸初期位置検知用リミッタ103から遠ざかる方向へ移動」することにより、「2P用Y軸ユニット70」が移動可能な範囲を大きくするほかないといえる。
ソ 前記カ【0086】の「2P用Y軸ユニット70は、この2P側のX軸用駆動プーリ32が取り付けられた位置を超えて1P側のY軸ユニットに近づく方向へ移動することができないが、これに限られるものではない。」との記載は、「すなわち」との記載により、「X軸方向における2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲を、1P用Y軸ユニット40と同様に大きくできるようにしてもよい。」との記載と同じ事項を意味すると解されるところ、前記サ~スをふまえると、前記カ【0086】の「2P側のX軸用タイミングベルト30は、X軸用駆動プーリ32に掛け回されている。このため、2P用Y軸ユニット70は、この2P側のX軸用駆動プーリ32が取り付けられた位置を超えて1P側のY軸ユニットに近づく方向へ移動することができないが、これに限られるものではない。」との記載は、「2P側のX軸用タイミングベルト30は、2P用従動プーリ34に掛け回されている。このため、2P用Y軸ユニット70は、この2P側の2P用従動プーリ34が取り付けられた位置を超えて1P側のY軸ユニットに近づく方向へ移動することができないが、これに限られるものではない。」の誤記であると認められる。
そうすると、前記セをふまえると、「2P側のX軸限界位置検知用リミッタ104」を「X軸初期位置検知用リミッタ103から遠ざかる方向へ移動」することにより、「2P用Y軸ユニット70」が移動可能な範囲を大きくする場合には、「2P用従動プーリ34」の位置をX軸方向左側へ移動させていると解される。
タ 前記ク【図2】から、1P用Y軸ユニット40はX軸方向に沿って左側、2P用Y軸ユニット70はX軸方向に沿って右側に位置することが看取できる。
チ 前記ク【図2】から、1P側のX軸初期位置検知用リミッタ101はX軸方向の左端、2P側のX軸初期位置検知用リミッタ103はX軸方向の右端に位置することが看取できる。
ツ 前記ケ【図5】(1)及び(3)から、「2人用、小型景品」の場合には、X軸用スライドシャフト18aのX軸方向中点を基準として、X軸限界位置検知用リミッタ102は左側に、X軸限界位置検知用リミッタ104は右側に位置し、「2人用、1P側大型景品、2P側小型景品(オフセット時)」の場合には、X軸用スライドシャフト18aのX軸方向中点を基準として、X軸限界位置検知用リミッタ102は右側に、X軸限界位置検知用リミッタ104はX軸限界位置検知用リミッタ102より右側に位置することが看取できる。
ことが看取できる。
テ 前記ア~ツから、引用文献1には下記の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「直方体のハウジング1を備え、ハウジング1の内部には、景品載置面としてのテーブル3が設置され、その上に景品4を載置しているクレーンゲーム機であって(【0023】)、
テーブル3の上方には、クレーン5が吊下げられ、このクレーン5から下方に2本の鉤爪6が延びており(【0023】)、
ハウジング1の上部には、クレーン駆動機構及び移動領域可変手段として、クレーン5を移動するためのクレーン移動機構7が設けられており(【0023】)、
テーブル3の盤面には、クレーン5の鉤爪6で把持した景品4を排出するための開口15が設けられており(【0026】)、
クレーン移動機構7は、X軸用スライドシャフト18、Y軸用スライドシャフト19、移動体の一例であるY軸ユニット、Z軸ユニット、クレーン5をX軸方向へ移動させるためのX軸用リバーシブルモータ、駆動プーリ、1P用タイミングホイール24、2P用従動プーリ34、タイミングベルト、各種マイクロスイッチ、及び各種リミッタにより構成され(【0028】)、
1P側のX軸用タイミングベルト20は、X軸用駆動プーリ22とタイミングホイール24とに掛け回されており、X軸用駆動プーリ22は、X軸用リバーシブルモータ26によって回転駆動され、1P側のX軸用タイミングベルト20を移動させ(【0029】)、
2P側のX軸用タイミングベルト30もX軸用駆動プーリ32と2P用従動プーリ34とに掛け回されており、X軸用駆動プーリ32は、X軸用リバーシブルモータ36によって回転駆動され、X軸用タイミングベルト30を移動させ(【0029】)、
1P用タイミングホイール24は、2P側のX軸用駆動プーリ32を軸支し、且つX軸用リバーシブルモータ36から突出した軸と同一の軸に軸支されているが、このタイミングホイール24は空回りするようになっており(【0030】)、
1P用Y軸ユニット40はX軸方向に沿って左側、2P用Y軸ユニット70はX軸方向に沿って右側に位置し(前記タ)、
1P用Y軸ユニット40には、X軸限界位置検知用マイクロスイッチ48が取り付けられており、X軸用スライドシャフト18aに沿ってX軸方向において移動可能になっており、Y軸用スライドシャフト19aが結合しており(【0031】)、
1P用Z軸ユニット62は、Y軸用スライドシャフト19aに沿って移動可能となっており、下部からクレーン5aを吊り下げる伸縮パイプ66が下方へ伸びており(【0033】)、
2P用Y軸ユニット70には、X軸限界位置検知用マイクロスイッチ78が取り付けられており、X軸用スライドシャフト18aに沿って移動可能になっており、Y軸用スライドシャフト19bが結合しており(【0034】)、
2P用Z軸ユニット92は、Y軸用スライドシャフト19bに沿って移動可能となっており、下部からクレーン5bを吊り下げる伸縮パイプ96が下方へ伸びており(【0036】)、
ハウジング1の内面には、マイクロスイッチをオンすることが可能である4つのリミッタ101~104が取り付けられており(【0037】)、
1P側のX軸初期位置検知用リミッタ101及びX軸限界位置検知用リミッタ102は、1P用Y軸ユニット40のX軸方向の移動可能な範囲を制限し(【0038】)、
2P側のX軸初期位置検知用リミッタ103及びX軸限界位置検知用リミッタ104は、2P用Y軸ユニット70のX軸方向の移動可能な範囲を制限し(【0038】)、
これらのリミッタの位置を適宜変更することにより、X軸方向における各クレーン5a,5bの移動可能な領域の範囲を変更することができ(【0038】)、
1P側のX軸初期位置検知用リミッタ101はX軸方向の左端、2P側のX軸初期位置検知用リミッタ103はX軸方向の右端に位置し(前記チ)、
1P側のX軸限界位置検知用リミッタ102は、X軸初期位置検知用リミッタ101から遠ざかる方向へ移動し、2P側のX軸限界位置検知用リミッタ104は、X軸初期位置検知用リミッタ103に近づく方向へ移動することで、1P用Y軸ユニット40が移動可能な範囲は大きくなり、クレーンの移動可能な領域が広がり(【0041】)、
2P側のX軸限界位置検知用リミッタ104をX軸初期位置検知用リミッタ103から遠ざかる方向へ移動することにより、2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲を大きくし(前記セ)、
「2人用、小型景品」の場合には、X軸用スライドシャフト18aのX軸方向中点を基準として、X軸限界位置検知用リミッタ102は左側に、X軸限界位置検知用リミッタ104は右側に位置し、「2人用、1P側大型景品、2P側小型景品(オフセット時)」の場合には、X軸用スライドシャフト18aのX軸方向中点を基準として、X軸限界位置検知用リミッタ102は右側に、X軸限界位置検知用リミッタ104はX軸限界位置検知用リミッタ102より右側に位置し(前記ツ)、
X軸用リバーシブルモータ26,36の起動中において、X軸限界位置検知用リミッタ102,104に当接することによりX軸限界検知用マイクロスイッチ48,78からの入力があるとき(オンしたとき)、X軸用リバーシブルモータ26,36が停止する(【0056】)、
クレーンゲーム機。」
(2)引用文献2
前記第3の原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に発行された特開昭52-108226号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「まずクレーン部から説明すれば第1図において、1はこの発明によるクレーン遊戯装置のケースであり、2a、2bは硬貨投入口、3a、3bは押圧スイツチ、4a、4bは景品取り出し口である。ケース1の上面および側面には内部を透視できるようにガラス板5a、5bが装着されている。
次にケース1内の構造について述べる。第2図はケース1内の構造を一層明瞭に示すものである。まずケース1内の両側面に2本の前後進用レール6a、6bを配設する。これらのレール6a、6bに沿つて前後進する箱形のクレーン本体7を設ける。クレーン本体7は1対のスプロケツト8a、8b間に張設されたチエーン9に一端が固定され、これを回動することによつて駆動される。10は前後進駆動用のモータである。
クレーン本体7の内部に前記前後進用レール6a、6bと直交する方向に一対の左右進用レール11a、11bを配設する。箱形をなした12は、これらのレール11a、11bに沿つて駆動される左右方向可動体である。この可動体12もまた1対のスプロケツト13a、13b間に張設されたチエーン14に一端が固定され、これを回動させることによつて駆動されるものである。15は左右駆動用モータを示す。
左右方向可動体12の中には、上下駆動用モータ16が設けられ、このモータ16の回転に応動するローラ17およびこのローラ17に巻回され下端にバケツト18を備えたチエーン19が取り着けられている。なお、第2図において20、21はリミツトスイツチ22、23はストツパを示すものである。」(1頁右下欄16行~2頁右上欄6行)
イ 「まず第1図の硬貨投入口2a、2bから遊戯者が硬貨を投入すると、第3図の硬貨検出部30が作動し、検出信号を制御信号発生部31に送る。制御信号発生部31はこれにより直ちに「前進信号」を前後駆動制御部32に供給する。この信号のある状態において、遊戯者が前進用の押圧スイツチ3aを押すと、前後進駆動用モータ10が回転してクレーン本体7が前後進用レール6a、6bに案内されて前進する。
押圧スイッチ3aの押圧が解除されると、前後進駆動用モータ10が消勢されることによりクレーン本体7がその位置に停止し、同時に前後駆動制御部32は制御信号発生部31に「前進終了信号」を送出する。なお押圧スイツチ3aをいつまでも押し続けていると、クレーン本体7は後端側のストツパ22に衝突し、リミツトスイツチ20(第2図においては見えない側)が作動してその位置に停止するとともに、前後駆動制御部32より「前進終了信号」を制御信号発生部31に送る。」(2頁右下欄10行~3頁左上欄8行)
ウ 第2図
「
[図:0001429946000005.jpg]
」
エ 前記ウの第2図から、前後進用レール6aにストツパ22が配設され、左右方向可動体12にリミツトスイツチ20が配設されることが看取できる。
オ 前記ア、イから、引用文献2には下記の事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。
「ケース1内の両側面に2本の前後進用レール6a、6bを配設し、これらのレール6a、6bに沿つて前後進する箱形のクレーン本体7を設け、
クレーン本体7の内部に前記前後進用レール6a、6bと直交する方向に一対の左右進用レール11a、11bを配設し、
左右方向可動体12は、レール11a、11bに沿つて駆動され、
左右方向可動体12の中には、バケツト18を備えたチエーン19が取り着けられており、
前後進用レール6aにストツパ22が配設され、左右方向可動体12にリミツトスイツチ20が配設され、
クレーン本体7は後端側のストツパ22に衝突し、リミツトスイツチ20が作動してその位置に停止するとともに、前後駆動制御部32より「前進終了信号」を制御信号発生部31に送る、
クレーン遊戯装置。」
(3)引用文献4
前記第3の原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に発行された特開2006-122510号公報には、次の事項が記載されている。
「【0024】
横方向移動手段32と奥行方向移動手段33は、把持部7を該当の方向に移動させるためのガイド機構(横移動用固定レール,縦移動用可動レール等)と駆動源(モータ等)、及びアーム7aにより把持された景品3と景品収容部2の壁面部分との接触を回避するための移動限界位置検出センサ(光センサ,リミットスイッチ,磁気センサ等の位置又は距離検出用のセンサ)などから構成される。上下方向移動手段34は、把持部7を釣支する伸縮可能な支持部6を有する支持機構、支持部6を伸縮させて把持部7を上下方向に移動させるための駆動源(モータ等)、及び下方向の移動限界位置検出するための移動限界位置検出センサ(光センサ,リミットスイッチ,磁気センサ等の位置又は距離検出用のセンサ)などから構成される。」
(4)周知技術
前記引用文献2技術事項から、以下の技術(以下「周知技術」という。)は本願出願時には周知の技術であったと認められる。
「クレーン遊戯装置において、
ケース内の両側面に配設されたレールにリミットスイッチの相手側部材(ストッパ)を設け、
該レールに直交する方向に配設されたレール側にリミットスイッチを設けること」
(5)技術常識
前記(3)【0024】の「上下方向移動手段34は、把持部7を釣支する伸縮可能な支持部6を有する支持機構、支持部6を伸縮させて把持部7を上下方向に移動させるための駆動源(モータ等)、及び下方向の移動限界位置検出するための移動限界位置検出センサ(光センサ,リミットスイッチ,磁気センサ等の位置又は距離検出用のセンサ)などから構成される。」との記載にもあるように、「リミットスイッチ」を「センサ」と称することは技術常識(以下「技術常識」という。)である。
2 対比
本願発明と引用発明1を対比する。
(1)後者の「クレーンゲーム機」、「景品」は、前者の「景品取得ゲーム装置」、「景品」に相当する。
(2)後者の「テーブル3」は、「景品載置面」であるから、後者の「ハウジング1」及び「テーブル3」により形成される空間は、前者の「景品を収容する収納空間」に相当する。
(3)後者の「1P用Y軸ユニット40」は、「X軸用スライドシャフト18aに沿ってX軸方向において移動可能になっており、Y軸用スライドシャフト19aが結合して」いるものであって、後者の「1P用Z軸ユニット62」は、「Y軸用スライドシャフト19aに沿って移動可能となっており、下部からクレーン5aを吊り下げる伸縮パイプ66が下方へ伸びて」いるものであるから、後者の「1P用Y軸ユニット40」が「X軸方向に沿って左側」に位置することをふまえると、後者の「ハウジング1」及び「テーブル3」により形成される空間のうち、「1P用Y軸ユニット40が移動可能な範囲」は、前者の「左側の第1プレイエリア」に相当する。
(4)後者の「2P用Y軸ユニット70」は、「X軸用スライドシャフト18aに沿って移動可能になっており、Y軸用スライドシャフト19bが結合して」いるものであって、後者の「2P用Z軸ユニット92」は、「Y軸用スライドシャフト19bに沿って移動可能となっており、下部からクレーン5bを吊り下げる伸縮パイプ96が下方へ伸びて」いるものであるから、後者の「2P用Y軸ユニット70」が「X軸方向に沿って右側」に位置することをふまえると、後者の「ハウジング1」及び「テーブル3」により形成される空間のうち、「2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲」は、前者の「右側の第2プレイエリア」に相当する。
(5)後者の「X軸用スライドシャフト18a」は、「1P用Y軸ユニット40」及び「2P用Y軸ユニット70」が移動可能であることから、前者の「固定レール」に相当し、前記(2)~(4)をふまえると、両者は「景品を収容する収納空間内で左右に隣り合う左側の第1プレイエリア及び右側の第2プレイエリアに跨って左右方向に延在する」ものである点で一致する。
(6)後者の「Y軸用スライドシャフト19a」は、「X軸用スライドシャフト18aに沿ってX軸方向において移動可能」な「1P用Y軸ユニット40」に結合されていることから、前記(3)、(5)をふまえると、前者の「前記第1プレイエリアにおいて、前記固定レールに直交して左右方向に沿って移動自在に前記固定レールに支持された第1移動レール」に相当する。
(7)後者の「Y軸用スライドシャフト19b」は、「X軸用スライドシャフト18aに沿って移動可能」な「2P用Y軸ユニット70」に結合されていることから、前記(4)、(5)をふまえると、前者の「前記第2プレイエリアにおいて、前記固定レールに直交して左右方向に沿って移動自在に前記固定レールに支持された第2移動レール」に相当する。
(8)後者の「クレーン5a」は、「1P用Z軸ユニット62」に吊り下げられており、後者の「1P用Z軸ユニット62」が「Y軸用スライドシャフト19aに沿って移動可能となって」いることから、前記(6)をふまえると、前者の「前後方向に沿って移動自在に前記第1移動レールに支持された第1景品取得部」に相当する。
(9)後者の「クレーン5b」は、「2P用Z軸ユニット92」に吊り下げられており、後者の「2P用Z軸ユニット92」が「Y軸用スライドシャフト19bに沿って移動可能となって」いることから、前記(7)をふまえると、前者の「前後方向に沿って移動自在に前記第2移動レールに支持された第2景品取得部」に相当する。
(10)後者の「X軸限界位置検知用マイクロスイッチ48」は、「1P用Y軸ユニット40」に取り付けられており、「マイクロスイッチをオンすることが可能である」「X軸限界位置検知用リミッタ102」が「1P用Y軸ユニット40のX軸方向の移動可能な範囲を制限」し、「X軸初期位置検知用リミッタ101から遠ざかる方向へ移動」することで、「1P用Y軸ユニット40が移動可能な範囲は大きく」なることから、前記(6)をふまえると「Y軸用スライドシャフト19a」に間接的に取り付けられているといえる。
さらに、後者の「X軸初期位置検知用リミッタ101」がX軸方向の左端に位置すること、前記技術常識、及び前記(3)、(6)をふまえると、後者の「X軸限界位置検知用マイクロスイッチ48」は、前者の「前記第1移動レールに取付けられ、第1プレイエリアの右端位置を検知する第1センサー」に相当する。
(11)後者の「X軸限界位置検知用マイクロスイッチ78」は、「2P用Y軸ユニット70」に取り付けられており、「マイクロスイッチをオンすることが可能である」「X軸限界位置検知用リミッタ104」が「2P用Y軸ユニット70のX軸方向の移動可能な範囲を制限」し、「X軸初期位置検知用リミッタ103から遠ざかる方向へ移動」することで、「2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲は大きく」なることから、前記(7)をふまえると「Y軸用スライドシャフト19b」に間接的に取り付けられているといえる。
さらに、後者の「X軸初期位置検知用リミッタ103」がX軸方向の右端に位置すること、前記技術常識、及び前記(4)、(7)をふまえると、後者の「X軸限界位置検知用マイクロスイッチ78」は、前者の「前記第2移動レールに取付けられ、第2プレイエリアの左端位置を検知する第2センサー」に相当する。
(12)後者の「X軸限界位置検知用リミッタ102」は、「マイクロスイッチをオンすることが可能で」あって、「ハウジング1の内面」に取り付けられ、「X軸初期位置検知用リミッタ101から遠ざかる方向へ移動」することで、「1P用Y軸ユニット40が移動可能な範囲は大きくなり、クレーンの移動可能な領域が広が」るものであって、少なくともX軸方向に移動するものであるといえるから、前記(10)をふまえると、前者の「前記第1センサーを作動させる第1作動部」に相当し、両者は「左右方向に沿って移動自在に支持された」ものである点で一致する。
(13)後者の「X軸限界位置検知用リミッタ104」は、「マイクロスイッチをオンすることが可能で」あって、「ハウジング1の内面」に取り付けられ、「X軸初期位置検知用リミッタ103から遠ざかる方向へ移動」することで、「2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲を大きく」するものであって、少なくともX軸方向に移動するものであるといえるから、前記(11)をふまえると、前者の「前記第2センサーを作動させる第2作動部」に相当し、両者は「左右方向に沿って移動自在に支持された」ものである点で一致する。
(14)後者の「テーブル3」は、「景品載置面」であるから、前記(2)をふまえると、前者の「収納空間内で景品を展示するための展示部」に相当する。
(15)後者の「テーブル3」は、「ハウジング1」の内部に設置されているところ、「ハウジング1」には「クレーン移動機構7」も設けられており、「クレーン移動機構7」は「X軸用スライドシャフト18a」を有するものであることから、「X軸用スライドシャフト18a」のX軸方向の中点を基準として左右に「テーブル3」の領域が位置しているといえる。
そうすると、前記(14)をふまえると、後者の「テーブル3」と、前者の「収納空間内で景品を展示するための展示部」は、「前記固定レールの左右方向の中央から左側に第1展示部と、前記中央から右側に第2展示部を有」するものである点で一致する。
(16)後者の「X軸限界位置検知用リミッタ102」は、「2人用、1P側大型景品、2P側小型景品(オフセット時)」の場合には、X軸用スライドシャフト18aのX軸方向中点を基準として右側に位置し、後者の「X軸限界位置検知用リミッタ104」は、「2人用、1P側大型景品、2P側小型景品(オフセット時)」の場合には、「X軸限界位置検知用リミッタ102」より右側に位置することから、前記(3)、(10)、(12)、(13)、(15)をふまえると、前者の「景品取得ゲーム装置」と、後者の「クレーンゲーム機」は、「前記中央から右側での移動後の位置において前記第1作動部を支持すると共に、移動後の当該第1作動部よりも右側での移動後の位置において前記第2作動部を支持することにより、前記第1プレイエリアの右端位置を前記中央よりも右側に変更可能に」するものである点で一致する。
(17)後者の「X軸限界位置検知用リミッタ104」は、「X軸初期位置検知用リミッタ103から遠ざかる方向へ移動することにより、2P用Y軸ユニット70が移動可能な範囲を大きく」するものであるから、その場合、X軸用スライドシャフト18aのX軸方向中点を基準として左側に位置させ、後者の「X軸限界位置検知用リミッタ102」を「X軸限界位置検知用リミッタ104」より左側に位置させているといえる。
そうすると、前記(3)、(11)~(13)、(15)をふまえると、前者の「景品取得ゲーム装置」と、後者の「クレーンゲーム機」は、「前記中央から左側での移動後の位置において前記第2作動部を支持すると共に、移動後の当該第2作動部よりも左側での移動後の位置において前記第1作動部を支持することにより、前記第2プレイエリアの左端位置を前記中央よりも左側に変更可能にする」ものである点で一致する。
(18)後者の「クレーンゲーム機」は、「直方体のハウジング1」を備え、ハウジング1の内部には、景品載置面としての「テーブル3」が設置され、「ハウジング1」には、「クレーン移動機構7」が設けられており、「クレーン移動機構7」は、「X軸用スライドシャフト18、Y軸用スライドシャフト19、移動体の一例であるY軸ユニット、Z軸ユニット、クレーン5をX軸方向へ移動させるためのX軸用リバーシブルモータ、駆動プーリ、1P用タイミングホイール24、2P用従動プーリ34、タイミングベルト、各種マイクロスイッチ、及び各種リミッタにより構成され」ていることから、前記(1)~(17)をふまえると、前者の「景品取得ゲーム装置」と、後者の「クレーンゲーム機」は、「「固定レール」、「第1移動レール」、「第1景品取得部」、「第1センサー」、「第1作動部」、「第2移動レール」、「第2景品取得部」、「第2センサー」、「第2作動部」、「展示部」を備える」ものである点で一致する。
(19)そうすると、本願発明と引用発明1は、
[一致点]
「景品を収容する収納空間内で左右に隣り合う左側の第1プレイエリア及び右側の第2プレイエリアに跨って左右方向に延在する固定レールと、
前記第1プレイエリアにおいて、前記固定レールに直交して左右方向に沿って移動自在に前記固定レールに支持された第1移動レールと、
前後方向に沿って移動自在に前記第1移動レールに支持された第1景品取得部と、
前記第1移動レールに取付けられ、第1プレイエリアの右端位置を検知する第1センサーと、
前記第1センサーを作動させる第1作動部であって、左右方向に沿って移動自在に支持された第1作動部と、
前記第2プレイエリアにおいて、前記固定レールに直交して左右方向に沿って移動自在に支持された第2移動レールと、
前後方向に沿って移動自在に前記第2移動レールに支持された第2景品取得部と、
前記第2移動レールに取付けられ、第2プレイエリアの左端位置を検知する第2センサーと、
前記第2センサーを作動させる第2作動部であって、左右方向に沿って移動自在に前記固定レールに支持された第2作動部と、
収納空間内で景品を展示するための展示部と、
を備え、
前記展示部は、前記固定レールの左右方向の中央から左側に第1展示部と、前記中央から右側に第2展示部を有し、
前記中央から右側での移動後の位置において前記第1作動部を支持すると共に、移動後の当該第1作動部よりも右側での移動後の位置において前記第2作動部を支持することにより、前記第1プレイエリアの右端位置を前記中央よりも右側に変更可能にし、前記中央から左側での移動後の位置において前記第2作動部を支持すると共に、移動後の当該第2作動部よりも左側での移動後の位置において前記第1作動部を支持することにより、前記第2プレイエリアの左端位置を前記中央よりも左側に変更可能にする、
景品取得ゲーム装置。」
で一致し、以下の点で相違する。
[相違点]
本願発明は、「固定レール」が「第1作動部」及び「第2作動部」を支持するのに対し、引用発明1の「X軸限界位置検知用リミッタ102」及び「X軸限界位置検知用リミッタ104」は「ハウジング1の内面」に取り付けられている点。
3 判断
(1)相違点について
ア 前記1(4)のとおり、
「クレーン遊戯装置において、
移動限界位置検出用センサを固定レールに設け、景品取得部を横方向に移動する移動レールに受光センサを設けること。」
は周知技術である。
イ そして、引用発明1も前記周知技術もクレーン遊戯装置に関する技術分野に属するものであって、センサの設置に関する技術で共通するから、引用発明1に前記周知技術を適用する動機があるといえる。
そうすると、引用発明1に前記周知技術を適用することで、「X軸限界位置検知用リミッタ102」及び「X軸限界位置検知用リミッタ104」を「X軸用スライドシャフト18a」に設け、前記相違点に係る構成とすることは、当業者が適宜設計し得る事項である。
ウ また、本願発明の効果も、引用発明1、及び周知技術から、当業者が予測し得る程度のものといえる。
(2)令和7年8月6日に提出された審判請求書の主張について
ア 審判請求人の主張の概要
審判請求人は、令和7年8月6日に提出された審判請求書の3.において、概略次の主張をしている。
(ア)「(2-1)令和7年1月10日付けの拒絶理由通知書における引用文献1の段落[0086]に記載された内容に対する認定には誤りがある
・・・
これは、つまり、引用文献1の「実施例」に記載された「クレーンゲーム機」全体のサイズを「X軸方向」の右側へ拡張することによって、図中にてハッチングされた「拡大エリア」を確保し、「2P用Y軸ユニット70」の2P側での「移動可能な範囲」を、「1P用Y軸ユニット40」の「移動可能な範囲」と同等の大きさにできるようにしてもよい、と説明されていることが理解できます。
参考図B
[図:0001429946000006.jpg]
このように、2P側の「右端位置」のみに着目し、2P側の「左端位置」については全く着目していないことは、段落[0086]において、「X軸用駆動プーリ32」のみについて具体的に説明しているが、参考図A及びBに示すような「2P用従動プーリ34」が取り付けられた位置(本願発明1の「第2プレイエリア」の「左端位置」に相当)について、何ら説明していないことからも裏付けられます。
すなわち、引用発明1においては、段落[0086]に示すように「2P用Y軸ユニット70」の2P側での「移動可能な範囲」を大きくできること自体については認識があったとしても、2P側の「右端位置」を「X軸方向」の右側へ変更することのみに着目していることからすれば、2P側の「左端位置」(つまり、「2P用従動プーリ34」が取り付けられた位置)を「X軸方向」の左側へ変更することによって、「2P用Y軸ユニット70」の2P側での「移動可能な範囲」を大きくすることまでは全く認識しておらず、想定外であると共に、範囲が限られた「収納空間内」において左側の「第1プレイエリア」(1P側)を右側の「第2プレイエリア」(2P側)よりも小さくすることも、想定外であることは明白であります。
そうすると、本願発明1の構成のうち、少なくとも「前記固定レールは、 ~( 省 略 )~、前記中央から左側での移動後の位置において前記第2作動部を支持すると共に、移動後の当該第2作動部よりも左側での移動後の位置において前記第1作動部を支持することにより、前記第2プレイエリアの左端位置を前記中央よりも左側に変更可能にする」という構成は、引用発明1に比して大きな差異があると言わざるを得ません。」
(イ)「(2-2)令和7年4月28日付けの拒絶査定における引用文献1の段落[0086]に記載された内容に対する認定にも誤りがある
・・・
しかしながら、そもそも段落[0086]では、「2P用従動プーリ34」については全く触れておらず、2P側の「左端位置」には全く着目していない。既に述べた通り、段落[0086]には「X軸用駆動プーリ32」についての具体的な説明だけが存在していることからすれば、2P側の「右端位置」のみに着目していることが明白であります。それにも関わらず、「1P用Y軸ユニット40」が「2P用従動プーリ34」を跨いで「X軸方向」の右側へ移動できるからと言って、段落[0086]では「2P用Y軸ユニット70」と「2P用従動プーリ34」との関係に全く触れていないのであるから、「2P用Y軸ユニット70を中央よりも1P用Y軸ユニット側まで移動可能なように範囲を大きくすることが示唆されている」はずがなく、むしろ何ら示唆がないことは明白です。よって、上記の認定には明らかな誤りがあります。
・・・
しかしながら、段落[0023]~段落[0080]に記載された「実施例」では、『「2P用Y軸ユニット70」が「X軸用駆動プーリ32」を超えて右側へ移動することはそもそもできない』からこそ、段落[0086]に記載された変形例では、上記の参考図Bに示す構成に「できるようにする」ことが記載されているに他なりません。
そのため、『「2P用Y軸ユニット70」が「X軸用駆動プーリ32」を超えて右側へ移動することはそもそもできない』からと言って、「2P用Y軸ユニット70」が2P側の「右端位置」を跨いで往復移動できないと解釈するのが自然である、との認定は明らかに誤りであって、むしろ、段落[0086]には、「X軸用駆動プーリ32」についての具体的な説明だけが存在していて、2P側の「右端位置」のみに着目していることが明白であることからすれば、上記の参考図Bに示すように、「2P用Y軸ユニット70」が2P側の「右端位置」を跨いで往復移動できるように構成することこそが、段落[0086]の記載内容に対する自然な解釈です。
・・・
しかしながら、このように「当該移動可能な範囲の拡大を、2P用Y軸ユニット70における右端位置を更に右側へ拡大すると解釈するとことも、当業者にとって自然な解釈ではない」とするならば、段落[0086]において、わざわざ「X軸用駆動プーリ32」について具体的に説明する必要がないし、2P側の「右端位置」のみに着目する必要すらない。段落[0086]においては、「X軸用駆動プーリ32」ではなく、「2P用従動プーリ34」のみについて具体的に説明して、2P側の「左端位置」のみに着目すれば足りるはずです。
・・・
しかしながら、このように「2P用Y軸ユニット70を中央よりも1P用Y軸ユニット側まで移動可能なように範囲を大きくすることを含むものである」と当業者が解釈できるためには、段落[0086]において、「X軸用駆動プーリ32」ではなく、「2P用従動プーリ34」のみについて具体的な説明が存在しているはずです。ところが、段落[0086]では、その存在は全く無いのであるから、それを「含む」ことまで当業者が解釈できるはずがありません。そもそも段落[0086]では、あえて「X軸用駆動プーリ32」について具体的に説明していることからすれば、上記の参考図Bに示すように、「2P用Y軸ユニット70」が2P側の「右端位置」を跨いで往復移動できるように構成することこそが、段落[0086]の記載内容に対する当業者の自然な解釈です。
以上のことから明らかのように、この拒絶査定においては、引用発明1を認定する際に、本願の明細書から得た知識を前提にして事後的に分析し、本願発明1に無理矢理に近づけて引用発明1を認定していると言わざるを得ません。つまり、本願発明1に引きずられた結果、引用発明1を誤って認定していることは明白であります。」
イ 審判請求人の主張についての見解
(ア)引用発明1のクレーンゲーム機は、直方体のハウジング1を有し、このハウジング1の外には景品を載置することはできないと認められる。
そして、引用発明1において、参考図Bを実現するためには、ハウジング1の範囲を超えてクレーン5を移動させる制御を実行するか、ハウジング1自体を大きくするような制御を実行する必要があるところ、前記1(1)ア【0007】に「遊技場においてクレーンゲーム機を設置することが可能な面積には限りがある。」と記載されているように、クレーンゲーム機を設置することが可能な面積には限りがあるという前提、及びハウジング1の外には景品を載置することはできないことからすると、上記の制御を実行することが想定されていないことは明らかである。
そうすると、前記1(1)ス~ソのとおり、【0086】の「2P側のX軸用タイミングベルト30は、X軸用駆動プーリ32に掛け回されている。このため、2P用Y軸ユニット70は、この2P側のX軸用駆動プーリ32が取り付けられた位置を超えて1P側のY軸ユニットに近づく方向へ移動することができないが、これに限られるものではない。」との記載は、「2P側のX軸用タイミングベルト30は、2P用従動プーリ34に掛け回されている。このため、2P用Y軸ユニット70は、この2P側の2P用従動プーリ34が取り付けられた位置を超えて1P側のY軸ユニットに近づく方向へ移動することができないが、これに限られるものではない。」の誤記であると認められる。
(イ)よって、審判請求人の前記アの主張は、前記1の引用発明の認定、及び前記2、3の判断を左右するものでなく採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明1、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
したがって、結論のとおり審決する。
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2025-012295