特許拒絶査定不服審判
2022-011031
軌道を測定するためのシステムおよび方法
- 審判番号
- 2022-011031
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-500871
- 請求日
- 2022年07月14日
- 審決日
- 2023年04月06日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
- 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
- 【請求人代理人】前川 純一
- 【請求人代理人】上島 類
- 審判長/審判官
- 審判長 中塚 直樹
- 審判官 濱野 隆
- 審判官 濱本 禎広
- 分類
- P18 .575-Z (G01B) / P18 .121-Z (G01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-500871号「軌道を測定するためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年1月18日国際公開、WO2018/010827、令和元年8月8日国内公表、特表2019-522203号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)6月14日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張 2016年7月11日 オーストリア)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
平成31年 1月10日 :翻訳文の提出
令和 3年 7月 2日付け:拒絶理由通知書
同年10月 8日 :意見書、手続補正書の提出
令和 4年 3月 9日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月16日 :原査定の謄本の送達)
同年 7月14日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年 9月16日 :前置報告書
同年12月14日 :上申書の提出
第2 令和4年7月14日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年7月14日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 本件補正の内容
令和4年7月14日にされた特許請求の範囲についての補正(以下「本件補正」という。)は、次の(1)に示す本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載を、後記の(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正するものである。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前の請求項1
「 【請求項1】
軌道(3)を測定するためのシステムあって、
当該システムは、前記軌道(3)の長手方向(8)において、2つの外側測定装置(9,10)と、前記外側測定装置の間に配置されている中央測定装置(13)とを備えており、
幾何学形状的な軌道パラメータを検出するために、各測定装置(9,10,13)が前記軌道(3)に対して特定の位置を有している、システムにおいて、
一方の前記外側測定装置(9)は、撮影領域(19)を有するカメラ(12)を備えており、
前記撮影領域(19)内に、光源として構成された、他方の前記外側測定装置(10)の測定対象物(11)と、シャドーイング対象物として構成された、前記中央測定装置(13)の測定対象物(14)とが配置されており、前記シャドーイング対象物は、前記カメラ(12)の反対側の前記光源の一部に影を付け、
前記カメラ(12)は、パターン識別のための評価装置(18)と接続されている
ことを特徴とする、軌道(3)を測定するためのシステム。」
(2) 本件補正後の請求項1
「 【請求項1】
軌道(3)を測定するためのシステムあって、
当該システムは、前記軌道(3)の長手方向(8)において、2つの外側測定装置(9,10)と、前記外側測定装置の間に配置されている中央測定装置(13)とを備えており、
幾何学形状的な軌道パラメータを検出するために、各測定装置(9,10,13)が前記軌道(3)に対して特定の位置を有している、システムにおいて、
一方の前記外側測定装置(9)は、撮影領域(19)を有するカメラ(12)を備えており、
前記撮影領域(19)内に、光源として構成された、他方の前記外側測定装置(10)の測定対象物(11)と、シャドーイング対象物として構成された、前記中央測定装置(13)の測定対象物(14)とが配置されており、前記シャドーイング対象物は、前記カメラ(12)の反対側の前記光源の一部に影を付け、少なくとも1つの測定対象物(11,14)は三角形のパターン(30)を有しており、
前記カメラ(12)は、パターン識別のための評価装置(18)と接続されている
ことを特徴とする、軌道(3)を測定するためのシステム。」
2 本件補正の目的
本件補正は、本件補正前の請求項1の発明特定事項である「測定対象物(11)」及び「測定対象物(14)」について、「少なくとも1つの測定対象物(11,14)は三角形のパターン(30)を有して[いる]」と限定したものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
よって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
3 独立特許要件についての当審の判断
本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するから、本件補正後における請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討を行う。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。
(2) 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
ア 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定
(ア) 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された文献である特開昭58-91203号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。下線は合議体が付した。以下同様である。
a 2頁左下欄5行~同頁右下欄4行
「本発明は鉄道用工事機械に関し、例えば軌道の幾何学的欠陥を検出して、工事を進めながらその欠陥を自動的に補正できる少なくとも1つの工具の変位調整を行う少なくとも1つの機構を備えた軌道変位装置を装備した充填機すなわち道床砂利かき出し、ふるい分け機械の一種である。
この機械の検出装置には、公知の充填機のように少なくとも一連の3つの探触子が備えてあって、これらの各々はレール上に一定の間隔で存在する3つの点上に配置され、そのうちの点光源付き発光器が最初に来て、次に少なくとも2つの平行する縁部を有する光線の1部を濾光するスクリーンとスクリーンの2つの縁部と垂直の方向に一定の間隔で存在する少なくとも2つの光電部材を有する受光器とがこの順序で並び、2つの縁部と垂直の方向にスクリーンが変位すると照射に差違が生じることにより点光源が形成する基準平面に対するスクリーンの縁部の対称軸と、受光器の2つの光電部材の対称軸との距離を示す調整機構を制御する差動信号が発生する。」
b 4頁左下欄1行~同頁右下欄7行
「第1図に示された鉄道用工事機は充填、地ならし、仕上げなどの作業を行う機械で、その台車1は2つの車軸2と3によりレール上にのっており、レール4の1つが見られる。
この機械は、レール4を持ち上げる工具6と駆動用ジャッキとを備えた軌道変位用装置5と、1対の工具9が上下可動の台枠10にとりつけられた道床充填装置8とを装備したタイプのもので、これら2つの装置は2つの車軸2と3との間にとりつけられている。工事機の移動や工具などの作動に必要なエネルギーは中央動力源11により供給される。工具を調整制御する操作台は工具の見渡せる中央操作室12の中にあり、運転台は前方の運転室13の中に設けてあり、工事機の作動中に前進する方向は矢印fによって示されている。
ここで大略を説明すると、機械を前進させながら軌道変位装置5によって2本のレールを直線状又はカーブ状に付設する一方、充填装置6によって下のバラストを充填することにより枕木の基礎を補強するが、この充填装置による作業は枕木の数だけ前進することによってその都度行われる。
地ならしのために行われる軌道変位は、直線やカーブの欠陥を検出する装置に制御されて自動的に行われるが、この装置は例えばレール4を水平にするための持ち上げ工具6を動かすジャッキに注油するサーボバルブといったような変位用工具調整機構である。」
c 4頁右下欄8行~5頁左上欄2行
「実施例に示された軌道水準の検出装置は、第1図と第2図における第1実施態様に見られる。この検出装置には、車輪14、15、16のついた3つの探触子が備えてあって、これらは2本の各レールに離れて存在する3つの探触点A、B及びC上に夫々並んで配設されている。これらの探触子には点光源付の発光器17と、軌道平面と垂直の方向に一定の間隔で平行して並んだ2つの境界用の縁部19、20を設け、発光器からの光線の1部をさえぎるスクリーン18であって、ここでは長方形の透明なマスクと、同じ大きさと同じ電気特性を有する2つの光導電セル22と23を備え、ここではスクリーン18の2つの縁部と垂直の方向に一定の間隔で、かつ直線状に並び、長方形である受光器21とが設けられている。」
d 5頁左上欄3~11行
「発光器、スクリーン、受光器といったこれらの部材の幾何学的構成は、これらの部材の大きさと、探触点A、B、C夫々の間隔との関係で決定され、これによって、スクリーン18の2つの縁部19、20は輪郭のついたその影を受光器に映し、2つの映像は夫々2つの光導電セル22、23の夫々に投映されるが、この時2つの縁部の対称軸X1は発光器17の点光源と2つの光導電セルの対称軸X2とにより形成された基準平面P内にある。」
e 5頁左上欄12行~同頁右上欄9行
「2つの光導電セル22と23の照射面の総和は1つの光導電セルの全面と等しい。なぜなら、スクリーン18の投映像は各光導電セルの半分だけを影にしているからであり、スクリーン18がその両縁部と垂直の方向上下に変位する時はこの総和は一定であり、また第4図および第5図でさらに細分化された範囲内ではスクリーンの投映像の高さは一定である。他方、2つの光導電セル22と23の照射面はこの位置においては差がない。
というのは点光源と2つの対称軸のレール4からの3つの距離が等しければ2つの光導電セルの照射面は等しいからであり、このことはレール4の3つの探触点A、B、Cが直線状に並んでいることを示している。結局、この幾何学的構成から、同条件では2つの光導電セル22、23の照射面の差は、スクリーン18と直角を成す、レール4上の探触点Bが直線ACに対して直線ずれしている大きさに比例するということになる。」
f 5頁右上欄10行~同頁右下欄2行
「この効果を利用して、2つの光導電セル22、23が発した信号から、持ち上げ工具6を作動させる油圧式ジャッキのサーボバルブ25の制御信号を発生させる。2つの光導電セルはこのために処理回路26、27とに夫々接続して、照射面S1とS2およびその照射強度Eに比例する連続電圧信号uとdとを送る。この場合u=K・S1Eでありd=K・S2Eである。これら2つの処理回路は2つの信号uとdとの値の差(u-d)に比例する出力信号を送る加算器28と、同じ値のuとdとの和(u+d)に比例する出力信号Sを送る第2の加算器29とに接続されている。この第2の加算器29と2つの処理回路とにより2つの光導電セル22と23の照射強度の変化を検出する回路が構成されるため、照射面の和は一定である。加算器28の出力側は持ち上げ工具6の作動用ジャッキ7の注油サーボバルブ25に接続されているが、第2の加算器29の出力側は、1方の入力側がこの第2加算器(比較器)に接続し、もう1方の入力側が基準照射度S0を示す基準信号の発生器41に接続する比較器30を備えた発光器17の制卸回路に接続されている。この比較器30の出力信号は2つの光導電セルの照射Sの過剰S>S0又は不足S<S0を示し、発光器17の点光源用電気供給調整器42に向い、比較器30は発生器に接続している。サーボバルブの制御信号u-dは2つの光導電セルの照射面S1とS2の差に比例する。それは2つの光導電セルの照射度が発生器41の示す所定値と等しい不変値のままだからである。
この値を不変とすることができるのは発光器17の制御回路があるからである。他方、照射面の差S1-S2はB点において検出される非直線性に比例し、制御回路はその非直線性のみに比例する。」
g 5頁右下欄3行~6頁左上欄2行
「制御信号u-dの使用条件は採用される幾何学的構成と、使用される光導電セルの大きさとによって決まる。これらの条件は第4図および第5図に示されている。
第4図には、I-VIIと記された7つの位置が示されていて、これらは受光器の2つの光導電セル22と23上に投映されるスクリーン18の影部分の推移に沿って選択され、第5図にはこの推移に応じて制御端末信号u+dが変化することが示されている。
これら2つの図面から、次の2つのことが分る。
影24の変位の巾を利用して検出された幾何学的欠陥に比例する信号が供給されるが、その変位の巾は1つの光導電セルの長さに等しい行程l1上で位置III~Vまでに亘り、また投映された影の全変位を利用してゼロの均衡に対する影の位置を示す信号を供給するが、この変位は位置IからVIIまで、即ち光導電セルと光導電セルの距離の2倍だけ増大した光導電セルの長さの合計と等しい行程l2に亘っている。」
h 第1、2図
「
[図:0001401256000001.jpg]
」
i 第4、5図
「
[図:0001401256000002.jpg]
」
(イ) 引用発明の認定
前記(ア)において摘記した事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「充填、地ならし、仕上げなどの作業を行う機械である鉄道用工事機であって、(摘記事項b)
例えば軌道の幾何学的欠陥を検出して、工事を進めながらその欠陥を自動的に補正できる少なくとも1つの工具の変位調整を行う少なくとも1つの機構を備えた軌道変位装置を装備した充填機すなわち道床砂利かき出し、ふるい分け機械の一種であり、
この機械の検出装置には、少なくとも一連の3つの探触子が備えてあって、これらの各々はレール上に一定の間隔で存在する3つの点上に配置され、そのうちの点光源付き発光器が最初に来て、次に少なくとも2つの平行する縁部を有する光線の1部を濾光するスクリーンとスクリーンの2つの縁部と垂直の方向に一定の間隔で存在する少なくとも2つの光電部材を有する受光器とがこの順序で並び、2つの縁部と垂直の方向にスクリーンが変位すると照射に差違が生じることにより点光源が形成する基準平面に対するスクリーンの縁部の対称軸と、受光器の2つの光電部材の対称軸との距離を示す調整機構を制御する差動信号が発生するものであり、(摘記事項a)
この機械は、レール4を持ち上げる工具6と駆動用ジャッキとを備えた軌道変位用装置5と、1対の工具9が上下可動の台枠10にとりつけられた道床充填装置8とを装備したタイプのもので、これら2つの装置は2つの車軸2と3との間にとりつけられており、
機械を前進させながら軌道変位装置5によって2本のレールを直線状又はカーブ状に付設する一方、充填装置6によって下のバラストを充填することにより枕木の基礎を補強するが、この充填装置による作業は枕木の数だけ前進することによってその都度行われるものであり、
地ならしのために行われる軌道変位は、直線やカーブの欠陥を検出する装置に制御されて自動的に行われ、(摘記事項b)
軌道水準の検出装置は、車輪14、15、16のついた3つの探触子が備えてあって、これらは2本の各レールに離れて存在する3つの探触点A、B及びC上に夫々並んで配設されており、
これらの探触子には点光源付の発光器17と、
軌道平面と垂直の方向に一定の間隔で平行して並んだ2つの境界用の縁部19、20を設け、発光器からの光線の1部をさえぎるスクリーン18であって、ここでは長方形の透明なマスクと、
同じ大きさと同じ電気特性を有する2つの光導電セル22と23を備え、スクリーン18の2つの縁部と垂直の方向に一定の間隔で、かつ直線状に並び、長方形である受光器21とが設けられており、(摘記事項c)
発光器、スクリーン、受光器といったこれらの部材の幾何学的構成は、これらの部材の大きさと、探触点A、B、C夫々の間隔との関係で決定され、これによって、スクリーン18の2つの縁部19、20は輪郭のついたその影を受光器に映し、2つの映像は夫々2つの光導電セル22、23の夫々に投映されるが、この時2つの縁部の対称軸X1は発光器17の点光源と2つの光導電セルの対称軸X2とにより形成された基準平面P内にあり、(摘記事項d)
2つの光導電セル22と23の照射面の総和は1つの光導電セルの全面と等しく、スクリーン18がその両縁部と垂直の方向に上下に変位する時はこの総和は一定であり、
点光源と2つの対称軸のレール4からの3つの距離が等しければ2つの光導電セルの照射面は等しいから、2つの光導電セル22と23の照射面はこの位置においては差がなく、このことはレール4の3つの探触点A、B、Cが直線状に並んでいることを示しており、
2つの光導電セル22、23の照射面の差は、スクリーン18と直角を成す、レール4上の探触点Bが直線ACに対して直線ずれしている大きさに比例するということになる、(摘記事項e)
鉄道用工事機。」
イ 引用文献6に記載された事項と技術常識1の認定
(ア) 引用文献6に記載された事項
当審において新たに引用する文献である古川敦「鉄道軌道のメンテナンス」SE(セイフティ エンジニアリング)、178号、2015年3月、総合安全工学研究所(以下「引用文献6」という。)には、次の事項が記載されている。
a 4頁左欄1行~同頁右欄7行
「1.はじめに
鉄道軌道※1は、車両からの力を直接受け止め、軌道より下部の構造物に伝える役割を持っている。
軌道の多くは図1のバラスト軌道と呼ばれる、砕石(バラスト)上にまくらぎを敷き詰め、これにレールを締結した構造をしている。
バラスト層は緩衝材および吸音材として優れた機能を有しているが、車両からの荷重を受けて徐々に形を変えていく。このため、バラスト上に敷設されたレールの位置も徐々に変化する。これが進展すると列車の乗り心地が悪化し、場合によっては脱線に至る。このように、軌道は強度面のみならず形状の面からも、その状態を評価し、定期的な保守を行う必要があるという、一般の土木構造物とは異なる特徴をもつ。
本稿ではこのようなレール位置の変化(軌道変位)のメンテナンスについて紹介する。」
b 4頁の脚注
「※1
軌道
軌道は「線路」と呼ばれることが多いが、レール、レール締結装置、まくらぎ、道床など道床から上の構造物の総称であり、線路とは別の概念である。
なお、「線路」とは軌道に加えて橋りょう、トンネルや架線など車両の走行に必要な全ての施設を包含した概念である。」
c 4頁の図1
「
[図:0001401256000003.jpg]
」
d 4頁右欄8行~6頁左欄3行
「2.軌道変位の管理
(1)軌道変位の種類
軌道の形状のうち、波長数m~100mのレールの曲がりを軌道変位(軌道狂い、または軌道不整ともいう)という。軌道変位は一般に図2に示す5項目について測定・評価されている。また、JRのうち貨物列車が走行する線区では、後述する複合変位も管理されている。
○1 高低変位
レールの上下方向の変位を「高低変位」という(図2(1))。高低変位は車両の上下振動およびピッチングの原因となる。車両の振動の種類を図3に示す。
○2 通り変位
レールの左右方向の変位を「通り変位」という(図2(2))。通り変位は車両の左右振動に影響する。また、通り変位が大きくなると車両のローリングを誘発し、最悪の場合は脱線につながる。従って、走行安全上重要な項目の一つである。
○3 軌間変位
左右のレール間隔(軌間)の設計値からの差を「軌間変位」という(図2(3))。曲線中にスラック※2が設定されている場合は、所定のスラックからの差をいう。軌間が広がりすぎると、車輪が左右レールの間に落下し、脱線することがある。これも走行安全上重要な項目である。
○4 水準変位
2本のレールの高さの差を「水準変位」という(図2(4))。曲線中にカント※2が設定されている場合は、所定のカントからの差をいう。水準変位は通り変位と同じく、車両のローリングを誘発する。また、次に述べる平面性変位も水準と関係がある。
○5 平面性変位
一定距離を隔てた2点の水準変位の差を「平面性変位」という(図2(5))。ほとんどの鉄道車両の台車は車軸2本、車輪4つで構成されているが、平面性変位は車輪が接するレール上の4点からなる面のねじれを表わす。
平面性変位が大きいと、ねじれた床の上に4本足の机を置いたときのように、車輪のうちの一つが浮き上がる。これがひどくなると、車輪がレールを乗り越えて脱線することがあるので、走行安全上最も重要な項目である。
なお、直線と円曲線の間に設けられる緩和曲線では、カントの変化によってそもそも平面性変位が0とならない。従って、緩和曲線区間は特に平面性変位の管理が重要となる。
○6 複合変位
前述のように、通り変位と水準変位は車両のローリングを誘発する。これが軌道側に連続して存在し、かつ車両のローリング固有振動数に一致した波長であると、共振によってローリングが極めて大きくなり脱線に至ることがある。1963年11月に発生した鶴見事故はこの典型で、走行中の貨車が脱線、これに隣接線を走行していた旅客列車が衝突、脱線、さらにもう1本の旅客列車が衝突し、死者161人、重軽傷者120名という国鉄史上最大の列車事故となった※3。事故の原因は、貨車のローリングを誘起する波長の通り変位と水準変位が同じ区間に存在したことと、当時の一部の貨車が、ローリングが大きくなりやすい構造をしていたことであり、対策の一つとして複合変位が導入された。これは、通り変位と水準変位が同じ場所に連続して存在することを防止するためのもので、以下の式で定義される。
複合変位=|通り変位-1.5×水準変位|
水準変位の前に-1.5の係数がかかっているのは、当時の貨車は水準変位により敏感に反応することと、通りと水準の符号が逆向きの場合にローリングが増幅されることを考慮したものである。また、車両の共振を防止するため、連続する波数に応じた波高(振幅)の管理値が定められている(表1)。なお、複合変位は絶対値で定義されており、表1における波数の数え方は、同表横の丸数字のとおりである。」
(当審注:「○1」等、「○数字」の記載は丸の中に算用数字を含む記号を表す。)
e 5頁の脚注
「※2
スラック、カント
一般に曲線中では、鉄道車両の走行を円滑にするためにレールの間隔を広
げる。これをスラックという。
同様に、客室で感じる遠心力を打ち消すために曲線外側のレールを高くする。このときの内外レールの高さの差をカントという。」
f 4頁の図2
「
[図:0001401256000004.jpg]
」
g 5頁の図3
「
[図:0001401256000005.jpg]
」
h 8頁右欄13行~9頁左欄22行
「3.軌道変位の整備
バラスト軌道の整備(軌道変位の振幅を小さくする作業)には、一般に図9に示すマルチプルタイタンパ(以下、マルタイ)と呼ばれる重機械が用いられる。マルタイは軌道検測車と同じく車内に基準弦を持っており、この弦の両端と中間の測定輪の相対変位により軌道変位を測定する。中間の測定輪付近にはバラストに振動を与えるタンピングユニットと、レールを持ち上げ、左右に移動するリフティング・ライニングユニットがあり、これらによってまくらぎ下のバラストをつき固めながら、レールの上下・左右位置を整正する。
中間の測定輪※5は中央よりもやや後側に設けられている。これはつき固めによるレール、まくらぎの移動が前部測定輪の位置に影響しないようにするためである。このようなマルタイに設けられた基準弦によって軌道変位を整正する方法を、相対基準による軌道変位整正と呼ぶ。この方法は、図8と同様に周波数特性を持ち、波長が長く(周波数が低く)なるほど軌道変位の整備効果が低くなる。すなわち相対基準による方法では、高速域での車両動揺を抑制できないことになる。
これに対し、測量などで実際の軌道形状を知り、レールの移動量をあらかじめ算出してマルタイに与えて施工することを、絶対基準による軌道変位整正と呼ぶ。この方法は、あらかじめレールの移動量を算出するステップが必要となるが、相対基準による方法よりも長い波長の軌道変位を整正することができることから、新幹線や在来線の高速線区で広く用いられている。」
i 9頁の脚注
「※5
中間の測定輪
マルタイは前部測定輪が保守前の軌道上に、後部測定輪が保守後の軌道上にあることを前提に制御システムが構成されている。」
j 9頁の図9
「
[図:0001401256000006.jpg]
」
(イ) 技術常識1の認定
前記(ア)に摘記した事項に例示されるように、次の事項は当業者にとって技術常識であったと認められる(以下「技術常識1」という)。
[技術常識1]
「軌道変位は一般に、高低変位(レールの上下方向の変位)、通り変位(レールの左右方向の変位)、軌間変位(左右のレール間隔(軌間)の設計値からの差)、水準変位(2本のレールの高さの差)、平面性変位(一定距離を隔てた2点の水準変位の差)の5項目について測定・評価されること。」
ウ 引用文献3、7に記載された事項と周知技術1の認定
(ア) 引用文献3に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された文献である特開2002-35834号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る芯ずれ量測定装置の概略構成を多段圧延機に設置した状態で示す平面図である。本実施形態において、多段圧延機は3ロール方式のサイザースタンドミル(12段・圧延ロール径φ365~φ447mm)とされている。図1に示すように、本実施形態の芯ずれ量測定装置は、撮像装置として、2次元CCDカメラ1を備えており、該カメラ1には、ズーミング機構を有するレンズ2と、該レンズ2のズーミングを調整するレンズコントローラ3とが付設されている。また、信号処理装置として、カメラ1で撮像した映像を処理する画像処理装置4と、通り芯や圧延ロール6エッジ部のプロフィール等を表示する表示器5とを備えている。また、カメラ1の校正用治具7、8を備えている。さらに、カメラ1で、測定対象たる圧延ロール6を暗く、孔型を明るく、そのコントラストを鮮明に撮像するべく、照明装置9を備えている。
【0028】ここで、本実施形態に係るCCDカメラ1及び画像処理装置4は、分解能を高めて測定精度を向上させるべく、共に100万画素(1000×1000)以上の分解能とし、測定データをデジタル化している。
【0029】図2に示すように、照明装置9は、圧延ロール6のエッジ部全体を均一に照射するべく、圧延ロール6の孔型を覆い得る大きさを有する拡散板91と、該拡散板91の背後に環状に配置された複数の小型光源92aとを備えている。本実施形態では、小型光源92aとして40Wの白色電球を使用しているが、これに限らずハロゲンランプ等種々の光源を使用することが可能である。ただし、蛍光灯は商用電源の場合に60Hzのチラツキが生じるため好ましくなく、高周波電源にする必要がある。また、本実施形態では、拡散板91を形成する材料としてABSの白濁樹脂を使用しているが、テフロン等の白色系統で光が透過散乱するものである限り、種々の材料から形成することが可能である。また、拡散板91は、背景となる圧延ロール6のエッジ部を遮蔽し得るため、測定対象となる圧延ロール6のエッジ部を誤認識することがない。さらに、照明装置9は、軸部94を備えており、該軸部94に沿って光源92a及び拡散板91を摺動させることにより、光源92a及び拡散板91の位置を調整することができる。したがって、圧延ロール6の表面状態や径に応じた適切な照明が可能となっている。図3は、以上に述べた拡散板91の効果を概念図として表わしたものである。
【0030】また、照明装置9は、拡散板91の前方に位置し、光を遮蔽する黒色系の遮蔽板95を備えている。斯かる遮蔽板95により、測定対象である圧延ロール6への照明の回り込みに起因する測定誤差や、光量過多によるハレーション現象を防止することができる。なお、斯かる遮蔽板95は圧延ロール6のサイズに応じて適切な寸法とすることが望ましい。図4は、以上に述べた遮蔽板95の効果を概念図として表わしたものである。
【0031】さらに、照明装置9の中央部先端には、拡散板91と同様の材質から形成された校正窓93が組み込まれており、背後から光源92bによって照明されている。
【0032】以下、上記構成を有する芯ずれ量測定装置を用いた芯ずれ量の測定方法について説明する。
【0033】(1)手順1:カメラの位置決め
まず、芯出しの基準となる圧延機のパスラインと、カメラ1の光軸とが一致するようにカメラ1の位置を調整する。具体的には、まず、カメラ1をパスライン搬出側に設置し、最後段スタンド(#12)及び最前段スタンド(#1)のそれぞれに、図5に示すカメラ1の校正用治具7、8を設置する。ここで、校正用治具7、8は、スタンドの内壁に取り付けられ、治具7、8の基準円Cの中心を通る直線が、芯出しの基準であるパスラインになるように予め位置決めしておく。次に、カメラ1で校正用治具7、8のいずれか一方を撮像し、その撮像画を画像処理装置4に記憶させた後、レンズ2のズームを変更(倍率が略同一になるように)して他方の治具8、7を撮像する。この際、両治具7、8についての各撮像画像の重なり具合を確認しつつ、両画像が完全に一致するように、カメラ1の位置や方向を調整する。以上の手順により、パスラインと光軸とを略一致させることができる。なお、カメラ1の位置や方向の調整は、カメラ1を移動ステージや回転ステージ(図示せず)等の上に設置することにより、精度良く調整することが可能である。また、校正用治具7、8を撮像する際の照明方法については、外部照明によって治具7、8を直接照明する方法の他、治具7、8に照明を内蔵する方法等、種々の形態とすることが可能である。
【0034】(2)手順2:校正
次に、圧延ロール6の芯ずれ量を実寸法として算出できるように校正作業を行う。具体的には、まず、照明装置9を測定対象となる圧延ロール6の背後に挿入した後、光源92a、92bを点灯させる。次に、レンズ2のズームを変更し、測定対象となる圧延ロール6設置位置での視野の調整を行う。なお、レンズ2のズーム変更は、レンズコントローラ3の所定スイッチをマニュアル操作することによって行っても良いし、レンズコントローラ3をプリセット機能を有するものとし、測定する圧延ロール6の番号を入力することで自動的にズーミングが完了するという簡便な方法でもよい。照明装置9の点灯及びレンズ2のズーム変更後、カメラ1によって圧延ロール6を撮像する際、同時に撮像される校正窓93の画像を画像処理装置4によって抽出する。次に、抽出された校正窓93の径と、予め製作時に決定しておいた実寸径(本実施形態ではφ100mm)とを比較し、実寸法への補正率(重み)を算出する。なお、校正窓93が傾いていても校正誤差が小さくなるように、前記校正窓93の径の算出方法としては、撮像画像上での最大径を選択する方法が好ましい。
【0035】(3)手順3:芯の位置演算
次に、各スタンド毎の圧延ロール6の芯ずれ量を算出するべく芯の位置を演算する。具体的には、まず、光源92aから出射した光を拡散板91を介し均一な配光状態で圧延ロール6に照射して撮像する。次に、画像処理装置4によって、前記圧延ロール6の撮像画像に2値化等の処理を施し、ロールエッジのプロフィールを抽出する。ここで、抽出されたロールエッジのプロフィール画像は、図6に示すように、各圧延ロール6の隙間に対応する箇所が途切れた円形状となるため、さらに円弧補間処理を施す。この際用いる画像処理方法としては、前記プロフィール画像の膨張・収縮を繰り返して繋がった円にしたり、角度座標で微分処理して隙間部を検出し、画像データを隙間直近で除外して途切れた部分を円近似する等、種々の方法が適用可能である。次に、補間されて繋がった一つの円形状になったプロフィール画像に対し、芯の位置を演算する。斯かる芯演算の方法についても、プロフィール画像を形成する全点の平均座標(重心)を芯の位置として演算する等、種々の方法を適用することができる。」
「【図1】
[図:0001401256000007.jpg]
」
「【図2】
[図:0001401256000008.jpg]
」
「【図3】
[図:0001401256000009.jpg]
」
「【図6】
[図:0001401256000010.jpg]
」
(イ) 引用文献7に記載された事項
当審において新たに引用する文献である特開2016-11106号公報(以下「引用文献7」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、前方と後方とで軌道走行可能な2つの外側測定台車とこれらの外側測定台車間に配置された中央で軌道走行可能な1つの測定台車とを有する、特に保線機械用の、軌道を測定するための装置に関する。」
「【0019】
本発明の補修用の構成の場合(図3)、軌道内で走行可能な2つの外側測定台車15,21が、複数の位置エンコーダ14,20、すなわち複数の位置標示灯又は複数の反射器ストリップを支持する。中央のカメラ測定台車22が、光軸34上に配置された2つのカメラ16,17を支持する。この場合、一方のカメラ16が、後方の測定台車14へ指向されていて、他方のカメラ17が、前方の測定台車21へ指向されている。当該カメラ用の位置標示灯14,20が、処理すべき最も小さい軌道半径のときでも目視可能であるように、画像角度範囲(対物レンズの焦点距離)が選択される。
【0020】
同時に、軌道の高さが測定される(図4)。当該概略図は、本発明の装置の側面図である。
【0021】
図5は、複数の位置標示灯の可能な配置を示す。これらの位置標示灯は、高出力LEDとして構成され得る。この場合、容易に評価可能にするため、且つ、画像解析時の妥当性チェックのため、当該LEDは、多色に且つ色を切り替え可能に構成され得る。例えば、LED23が、赤色/緑色に発光し、LED27が、緑色/赤色に発光し、中央のLED26が、白色/黄色に発光し、LED24及び25が、黄色/白色に発光し得る。」
「【0032】
図8は、図7による位置標示灯32,33を1つに統合された画像28,29で示す。このとき、当該双方の位置標示灯32,33は、それらの外側の測定台車で支配的な横断勾配に起因して、カメラ軸に対して角度αA及びαBだけ傾いている。当該実際の傾きを算出するため、座標系が、測定されるカメラの傾きαKによって回転される。したがって、後方の測定台車の絶対傾きαA及び前方の測定台車の絶対傾きαBが、当該カメラの傾きを測定することによって算出され得る。」
「【図3】
[図:0001401256000011.jpg]
」
「【図4】
[図:0001401256000012.jpg]
」
「【図5】
[図:0001401256000013.jpg]
」
「【図8】
[図:0001401256000014.jpg]
」
(ウ) 周知技術1の認定
前記(ア)及び(イ)に摘記した事項に例示されるように、次の事項は当業者にとって周知技術であったと認められる(以下「周知技術1」という)。
[周知技術1]
「特定形状のパターンを二次元カメラで撮像することにより当該パターンの位置ずれや傾きを検出すること。」
エ 引用文献8に記載された事項と周知技術2の認定
(ア) 引用文献8に記載された事項
当審において新たに引用する文献である特開2016-90401号公報(以下「引用文献8」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0033】
本実施形態において外観検査の対象としているワイヤーハーネスWは、例えば、車両の電気機器同士を接続する配線部材であり、車両に設けられた配線経路に沿って組み付けられる。この種のワイヤーハーネスWは、電線等の配線が適宜分岐、結束されている。各配線の結束には、例えば粘着テープ等が使用される。また、ワイヤーハーネスWには、ワイヤーハーネスWを車両に組み付ける際に使用する固定部材が取付けられている。また、ワイヤーハーネスWの端末部位には、コネクタが取付けられている。
【0034】
外観検査装置1は、図2に示すように、三次元計測手段10と、撮像手段15と、パーソナルコンピュータ20とを備えている。本発明の実施形態に係る外観検査装置1は、組立図板40上に配設されたワイヤーハーネスWの外観を、三次元計測手段10及び撮像手段15を用いて検査するものである。外観検査装置1は、例えば、ワイヤーハーネスWの重ね合わせアース端子の嵌合やクリップのバンドカットなどを含む外観を検査する。また、本実施形態においては、外観検査装置1は、ワイヤーハーネスWの所定の位置の寸法の検査も行う。この外観検査装置1は、ワイヤーハーネスWの組立の製造ライン上に配置されているため、ワイヤーハーネスWが配設された組立図板40を他の検査台等に乗せ換えることなく、外観検査を行うことができる。」
「【0056】
外観検査システム100は、外観検査装置1と、走査位置検出体45とを備えている。走査位置検出体45は、組立図板40の上方に配置されている。具体的には、図3及び図4に示すように、走査位置検出体45は組立図板40のフレームに取り付けられており、組立図板40及びコンベア50と一体に移動する。走査位置検出体45は、組立図板40のフレームから上方に伸び、その途中で、組立図板40の面と平行な方向に櫛歯状に伸びるように形成されている。走査位置検出体45の櫛歯は、組立図板40の長手方向に対して、0°超90°以下の角度の方向に伸びている。本実施形態において、櫛歯の角度は、45°とされている。なお、櫛歯の角度が大きい場合、組立図板40の縦方向の測定精度が向上する。また、櫛歯の角度が小さいと、櫛歯の本数が少なくても櫛歯の位置を検出することが可能である。」
「【0060】
図11は、組立図板40(走査位置検出体45)の移動量の情報を二次元画像から取得する方法を示す概略説明図である。図11において、四角の一マスが二次元画像の一つの画素を表している。図11に示すように、A列の画素において3、8、12行目の画素に走査位置検出体が位置している。
そして、図11の下図に示すように、一画素分だけ組立図板40が左方向に移動すると、走査位置検出体45の位置が左に移動し、A列の4、9、13行目の画素に走査位置検出体45が位置している。
【0061】
このように、組立図板40の位置に応じて、走査位置検出体45が二次元画像の画素上のどの位置にあるかを把握することにより、組立図板40上のどの位置の画像を取得しているかの情報を取得することができる。
【0062】
なお、走査位置検出体45の形状は、上述した走査位置検出体45に限られるものではない。
図12は、走査位置検出体の変形例である走査位置検出体145を示す図である。櫛歯の間隔が、一定の間隔ではなく、異なる間隔で設けられている。この場合測定した二次元画像において、図12に示すように、B列では1か所、C列では4か所、D列では3か所、走査位置検出体145が位置している。走査位置検出体145が移動すると、二次元画像上における走査位置検出体145が検出される位置も変化し、この変化に応じて測定対象物の移動量を取得することができる。例えば、各列において検出される走査位置検出体145の点の数から例えば、ある原点の位置を決定し、この原点の位置からの距離として、位置の情報を取得することもできる。」
「【図4】
[図:0001401256000015.jpg]
」
「【図11】
[図:0001401256000016.jpg]
」
「【図12】
[図:0001401256000017.jpg]
」
(イ) 周知技術2の認定
前記(ア)に摘記した事項に例示されるように、次の事項は当業者にとって周知技術であったと認められる(以下「周知技術2」という)。
[周知技術2]
「傾斜した辺を有する形状を撮影した画像の特定ラインに注目し、傾斜した辺と特定ラインとの交点を識別し、識別された点に基づいて横方向の移動量を求めること。」
(3) 対比・判断
ア 対比
(ア) 対比分析
本件補正発明と引用発明を対比する。
a 引用発明の「充填、地ならし、仕上げなどの作業を行う機械である鉄道用工事機」は、「軌道の幾何学的欠陥を検出」するものであるから、軌道を測定するためのシステムを備えているといえる。
よって、本件補正発明と引用発明は、「軌道を測定するためのシステム」の発明であるという点で一致する。
b 引用発明の「検出装置」には、「少なくとも一連の3つの探触子が備えてあって、これらの各々はレール上に一定の間隔で存在する3つの点上に配置され」ているから、「3つの探触子」は、軌道(レール)の長手方向に配置されているといえる。
これらの探触子では、「点光源付き発光器」(探触点A)が最初に来て、次に「スクリーン」(探触点B)と「受光器」(探触点C)とがこの順序で並ぶように配置されているから、引用発明の「探触点C」及び「探触点A」に「配設」された「探触子」は、本件補正発明の「2つの外側測定装置(9,10)」に相当し、引用発明の「探触点B」に「配設」された「探触子」は、本件補正発明の「前記外側測定装置の間に配置されている中央測定装置(13)」に相当する。
よって、本件補正発明と引用発明は、「当該システムは、前記軌道の長手方向において、2つの外側測定装置と、前記外側測定装置の間に配置されている中央測定装置とを備えて」いる点で一致する。
c 引用発明の「3つの探触子」の「各々はレール上に一定の間隔で存在する3つの点上に配置され」ており、「発光器、スクリーン、受光器といったこれらの部材の幾何学的構成は、これらの部材の大きさと、探触点A、B、C夫々の間隔との関係で決定され、これによって、スクリーン18の2つの縁部19、20は輪郭のついたその影を受光器に映し、2つの映像は夫々2つの光導電セル22、23の夫々に投映される」ようにしてあり、「2つの光導電セル22と23の照射面」の「差」がないときは、「レール4の3つの探触点A、B、Cが直線状に並んでいることを示しており」、「2つの光導電セル22、23の照射面」の「差」があるときは、「レール4上の探触点Bが直線ACに対して直線ずれしている」ことになるから、レール4の直線性を示す幾何学形状的な軌道パラメータを検出するために、各探触子がレール4に対して特定の位置を有するように配設されているといえる。
よって、本件補正発明と引用発明は、「幾何学形状的な軌道パラメータを検出するために、各測定装置が前記軌道に対して特定の位置を有している、システム」であるという点で一致する。
d(a) 引用発明の「探触点C」に「配設」された「探触子」は、本件補正発明の「一方の前記外側測定装置(9)」に相当するところ、この探触子には「2つの光導電セル22と23を備え」た「受光器21」が設けられているから、「一方の前記外側測定装置(9)は、撮影領域(19)を有するカメラ(12)を備えて」いる本件補正発明と引用発明は、「一方の前記外側測定装置は、受光手段を備えて」いる点で共通する。
(b) 引用発明の「探触点A」に「配設」された「探触子」は、本件補正発明の「他方の前記外側測定装置(10)」に相当するところ、この探触子に設けられた「点光源付の発光器17」は、本件補正発明の「光源として構成された、他方の前記外側測定装置(10)の測定対象物(11)」に相当する。
(c) 引用発明の「探触点B」に「配設」された「探触子」は、本件補正発明の「前記中央測定装置(13)」に相当するところ、この探触子に設けられた「スクリーン18」は、本件補正発明の「前記中央測定装置(13)の測定対象物(14)」に相当する。
(d) 引用発明の「発光器からの光線の1部をさえぎるスクリーン18」は、その「2つの縁部19、20」が「輪郭のついたその影を受光器に映[す]」から、受光器21の反対側の発光器17の一部に影を付けるシャドーイング対象物として構成されたものであるといえる。
(e) 以上を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、「一方の前記外側測定装置は、受光手段を備えており、光源として構成された、他方の前記外側測定装置の測定対象物と、シャドーイング対象物として構成された、前記中央測定装置の測定対象物とが配置されており、前記シャドーイング対象物は、前記受光手段の反対側の前記光源の一部に影を付け」るものであるという点で共通する。
(イ) 一致点及び相違点の認定
前記(ア)の対比分析の検討結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の一致点において一致し、以下の相違点において相違する。
a 一致点
「 軌道を測定するためのシステムあって、
当該システムは、前記軌道の長手方向において、2つの外側測定装置と、前記外側測定装置の間に配置されている中央測定装置とを備えており、
幾何学形状的な軌道パラメータを検出するために、各測定装置が前記軌道に対して特定の位置を有している、システムにおいて、
一方の前記外側測定装置は、受光手段を備えており、
光源として構成された、他方の前記外側測定装置の測定対象物と、シャドーイング対象物として構成された、前記中央測定装置の測定対象物とが配置されており、前記シャドーイング対象物は、前記受光手段の反対側の前記光源の一部に影を付ける、
軌道を測定するためのシステム。」
b 相違点
本件補正発明においては、受光手段が「撮影領域(19)を有するカメラ(12)」であり、「前記撮影領域(19)内に」「測定対象物(11)」(光源)と「測定対象物(14)」(シャドーイング対象物)が配置されており、「少なくとも1つの測定対象物(11,14)は三角形のパターン(30)を有しており、前記カメラ(12)は、パターン識別のための評価装置(18)と接続されている」のに対して、
引用発明においては、受光手段が「2つの光導電セル22と23を備え」た「受光器21」であり、「スクリーン18の2つの縁部と垂直の方向に一定の間隔で、かつ直線状に並び、長方形である」受光領域を有しているものの、「2つの光導電セル22と23の照射面」の「差」により「レール4上の探触点Bが直線ACに対して直線ずれしている大きさ」を検知しており、特定形状のパターンをカメラで撮影してパターン認識を行っていない点。
イ 判断
前記相違点について検討する。
(ア) 特定形状のパターンをカメラで撮影する点について
a 「軌道変位は一般に、高低変位(レールの上下方向の変位)、通り変位(レールの左右方向の変位)、軌間変位(左右のレール間隔(軌間)の設計値からの差)、水準変位(2本のレールの高さの差)、平面性変位(一定距離を隔てた2点の水準変位の差)の5項目について測定・評価されること」は当業者にとって技術常識である(前記技術常識1を参照)。
b 引用発明では、「レール4上の探触点Bが直線ACに対して直線ずれしている大きさ」を「軌道の幾何学的欠陥」として「検出」しており、少なくともレールの上下方向の変位である高低変位を検出しているといえるところ、引用発明において、高低変位の他に、例えば、水準変位(2本のレールの高さの差)や、平面性変位(一定距離を隔てた2点の水準変位の差)も測定項目とするように構成することは、前記技術常識1をわきまえた当業者であれば、格別の困難性はないというべきである。
c そして、引用発明において、水準変位(2本のレールの高さの差)や、平面性変位(一定距離を隔てた2点の水準変位の差)も測定項目とした場合には、上下方向の変位だけでなく、傾きを検知する必要があることは自明であり、また特定形状のパターンを二次元カメラで撮像することにより当該パターンの位置ずれや傾きを検出することは周知技術であるから(前記周知技術1を参照)、受光器21の代わりに二次元カメラを用いて、発光器17とスクリーン18を撮影領域内に配置して撮影することにより、スクリーン18の影を二次元の映像として検出することは、当業者にとって自明な設計変更にすぎない。
また、カメラをパターン識別のための評価装置(画像処理装置)に接続することは、当業者にとって自明な設計事項である。
(イ) 三角形のパターンを有する点について
a 引用発明において、通り変位(レールの左右方向の変位)や軌間変位(左右のレール間隔(軌間)の設計値からの差)を測定項目とするように構成することは、前記技術常識1をわきまえた当業者であれば、格別の困難性はないというべきであり、その場合に、横方向の移動量を求めるために前記周知技術2を採用することも、当業者が容易に想到し得たものである。
またその際に、傾斜した辺を有する形状の典型例である「三角形のパターン」を選択することは、当業者にとって適宜なし得た設計事項にすぎない。
b なお、本件補正発明の「少なくとも1つの測定対象物(11,14)」が有する「三角形のパターン(30)」を「パターン識別」することについて、本願明細書の段落【0062】~【0066】及び図面の【図9】、【図10】には次の記載がある。
「【0062】
特徴的なパターン30が三角形32を有している場合(図9、図10)、容易な評価が実現される。三角形32の側面は、システムの中立的な位置において水平に配向されている。三角形32の上方および下方にはさらに、水平な線33が配置されており、これによって、パターン30の傾きが検出される。
【0063】
パターン30の検出は、図9および図10に基づいて説明される。ここでは、カメラ12によって検出された撮影画像23の縁部が破線で示されている。撮影画像23の中央に、中央評価ライン31が配置されている。中央評価ラインの左側および右側に、別の評価ライン34が設けられている。評価ライン31、34は、パターン識別のために使用される。これは、相応する画像評価ソフトウェアによって、このような評価ライン31、34と、三角形32の縁および線33との交点が探されることによって行われる。識別された点35は、図9および図10において、小さい正方形によって示されている。
【0064】
このような表示は、さらなる画像評価だけにではなく、操作員によるシステムの調整にも用いられる。このために、コンピューターは、操作ユニットおよびモニターと接続されている。さらにコンピューター内には、パターン識別ソフトウェアおよび画像評価ソフトウェアの他に、別のプログラムも実装されている。例えば、測定点16の求められた位置座標は、装置制御のために処理され、データメモリ内に、記録およびドキュメント化のために格納される。
【0065】
識別された点35に基づいて、三角形32の高さ36が求められ、パターン30の存在する横方向の位置に対する特徴的な量として格納される。相応する評価スキームは、パターン識別ソフトウェアおよび画像評価ソフトウェア内で実行される。ひし形または不等辺四辺形等の他の形状も、この評価方法に対して適している。
【0066】
パターン30の位置変化を確認するために、更新された撮影画像23(図10)において、新たにパターン識別および画像評価が行われる。パターン30の傾きは、平行な線30に沿って識別された点35に基づいて示される。これによって、三角形32の検出された高さ36も、傾いていない三角形32に相当する値に再計算される。このような値は、パターン30の更新された横方向の位置を表す。」
「【図9】
[図:0001401256000018.jpg]
」
「【図10】
[図:0001401256000019.jpg]
」
c 前記bにおいて摘記した記載から、本件補正発明において、「少なくとも1つの測定対象物(11,14)」が有する「三角形のパターン(30)」を「パターン識別」するということは、要するに、カメラ12によって検出された撮影画像23に設けられた評価ライン31、34と、三角形32の縁及び線33との交点35を識別し、識別された点35に基づいて、三角形32の高さ36やパターン30の傾きを検出して、パターン30の横方向の位置を求めることであると理解できる。
d しかしながら、このような手法は、パターンの形状が三角形であること自体を利用したものではなく、三角形の斜辺部に特に着目したものであるから、「傾斜した辺を有する形状を撮影した画像の特定ラインに注目し、傾斜した辺と特定ラインとの交点を識別し、識別された点に基づいて横方向の移動量を求めること。」という前記周知技術2の手法と実質的に同様なものにすぎない。
(ウ) 総合評価
前記(ア)及び(イ)の検討結果を総合すると、引用発明において、前記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、本件補正発明の奏する効果としては、引用発明、技術常識1及び周知技術1、2から当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明、技術常識1及び周知技術1、2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 請求人の主張について
(ア) 審判請求書の主張内容
引用文献1を参照すると、影24を作るスクリーン18は、長方形形状を有している(第2図を参照)。これに対して本願発明では、少なくとも1つの測定対象物が三角形のパターンを有している。シャドーイング対象物を三角形にすることは、引用文献1には開示も示唆もされていない。
本願発明では、三角形という特徴的な幾何学形状のパターンを設けることによって、パターンの結像が、パターンの位置変化の際に特徴的に変化するようになり、例えばカメラの不所望な旋回運動を迅速に識別可能となるという、引用文献1に記載の発明が奏することのできない格別な効果を得ることができる。このような効果は、出願時の技術水準から当業者が予測することができたものではない。
(イ) 令和4年12月14日に提出された上申書の主張内容
引用文献4(特開平8-14943号公報)における三角形のパターンは、「光を透過させない光遮蔽膜11a」(段落0007を参照)であり、引用文献5(特開昭61-234304号公報)における三角形のパターンは、「光束の一部を遮る可動片4」(第3頁右下欄第11-14行を参照)であるから、これらは光源からの光を遮るか反射することを意図しているものである。これに対して、本願発明における三角形のパターンは、金属薄板部分として形成されている測定対象物内に打ち抜かれたものであり、前方測定対象物の光源からの光が、このパターンを通過することを意図している(本願明細書の段落0058を参照)点で相違している。
(ウ) 請求人の主張に対する当審の判断
まず、前記(ア)の主張について検討すると、前記イ(イ)において説示したとおり、引用発明において、周知技術2を採用して、「スクリーン18」が傾斜した辺を有する形状の典型例である「三角形のパターン」を有するように構成し、「スクリーン18」の横方向の位置を検出することは、当業者にとって適宜なし得た設計事項にすぎない。
次に、前記(イ)の主張について検討すると、三角形のパターンを遮光部材、反射部材、透過部材のいずれとして構成するかは、当業者が適宜なし得た設計事項にすぎず、透過部材として構成しても格別の意義は認められない。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。
エ 小括
以上検討のとおり、本件補正発明は、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
したがって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明の認定
本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~13に係る発明は、令和3年10月8日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は前記第2の1(1)に摘記した事項により特定されるとおりである。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての進歩性欠如の理由は、次のとおりである。
本願発明は、下記の引用文献1、3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1:特開昭58-91203号公報
引用文献3:特開2002-35834号公報
3 引用文献に記載された事項
上記引用文献1には、第2の3(2)ア(イ)において認定したとおりの引用発明が記載されていると認められる。
また、技術常識1及び周知技術1は、前記第2の3(2)イ(イ)、ウ(ウ)において認定したとおりである。
4 対比・判断
(1) 本願発明は、本件補正発明における「少なくとも1つの測定対象物(11,14)は三角形のパターン(30)を有して[いる]」との限定を省いたものである(前記第2の2参照)。
(2) そうすると、前記第2の3(3)ア(ア)の対比分析における検討結果も踏まえて、本願発明と引用発明を対比すると、本願発明と引用発明の相違点は、次の相違点のとおりであり、両者はその余の点で一致する。
<相違点>
本願発明においては、受光手段が「撮影領域(19)を有するカメラ(12)」であり、「前記撮影領域(19)内に」「測定対象物(11)」(光源)と「測定対象物(14)」(シャドーイング対象物)が配置されており、「前記カメラ(12)は、パターン識別のための評価装置(18)と接続されている」のに対して、
引用発明においては、受光手段が「2つの光導電セル22と23を備え」た「受光器21」であり、「スクリーン18の2つの縁部と垂直の方向に一定の間隔で、かつ直線状に並び、長方形である」受光領域を有しているものの、「2つの光導電セル22と23の照射面」の「差」により「レール4上の探触点Bが直線ACに対して直線ずれしている大きさ」を検知しており、カメラで撮影してパターン認識を行っていない点。
(3) 相違点についての判断
前記第2の3(3)イにおいて説示した判断を踏まえると、前記相違点に係る本願発明の構成は、引用発明、技術常識1及び周知技術1に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
そして、本願発明の奏する作用効果としては、引用発明、技術常識1及び周知技術1からは予測困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、、本願発明は、引用発明、技術常識1及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
第4 むすび
以上検討のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-011031