2022-010899
車両測位技術
- 審判番号
- 2022-010899
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-014149外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年07月13日
- 審決日
- 2023年04月20日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】テスラ,インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
- 分類
- P18 .561-Z (G01S) / P18 .55 -Z (G01S)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第44条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和3年2月1日に出願した特許法44条1項の規定による外国語書面出願であって、平成30年4月5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年(平成29年)6月1日、米国)に出願された特願2018-553435号の分割出願であるところ、本願の出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。
同年 9月 8日付け:拒絶理由通知書
(同月15日 :原査定の謄本の送達)
同年 7月13日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和4年7月13日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年7月13日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和4年7月13日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正を含むものであり、この補正により、以下に示す<本件補正後の特許請求の範囲>に補正された。
<本件補正後の特許請求の範囲>
「 【請求項1】車両の位置およびポーズを決定する方法であって、衛星からの信号に基づいて、第1の移動している車両クライアントの第1の生の測位データを決定する工程と、前記第1の移動している車両クライアントの第1のポーズデータを決定する工程と、続きを表示(全55行)第2の車両クライアントが、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータに基づいて、前記第1の移動している車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定するように、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータを、ハードウェアサーバを介して、前記第1の移動している車両クライアントから前記第2の車両クライアントに対して送信する工程と、を含む方法。【請求項2】前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントの位置および方向を含み、かつ、前記第1の移動している車両クライアント上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、請求項1に記載の方法。【請求項3】前記第1の移動している車両クライアントの前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像は、格納された画像のセットと比較される、請求項2に記載の方法。【請求項4】地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。【請求項5】前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントを前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項4に記載の方法。【請求項6】前記第1の生の測位データに基づいて、生の測位測定値を決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。【請求項7】前記第1の位置ベクトルを決定する工程は、前記第1の位置ベクトルを決定するために、リアルタイムキネマティック技術を実行することを含む、請求項1に記載の方法。【請求項8】車両のセットを使用して、セットのうちの前記車両の位置およびポーズを決定するためのシステムであって、ハードウェアサーバを備え、前記ハードウェアサーバは、第1の移動している車両クライアントから、第1の生の測位データおよび第1のポーズデータを受信し、第2の車両クライアントが、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータに基づいて、前記第1の移動している車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定するように、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータを、前記第1の移動している車両クライアントから前記第2の車両クライアントに送信するように構成され、前記第1の生の測位データは、衛星からの信号に基づいて取得される、システム。【請求項9】前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントの位置および方向を含み、かつ、前記第1の移動している車両クライアント上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、請求項8に記載のシステム。【請求項10】前記第1の移動している車両クライアントの前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像を、格納された画像のセットと比較するように構成された第1の移動している車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項9に記載のシステム。【請求項11】前記第1の移動している車両クライアントプロセッサは、地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証するようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。【請求項12】前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントを前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項11に記載のシステム。【請求項13】前記第1の生の測位データに基づいて、生の測位測定値を決定するように構成された第1の移動している車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項8に記載のシステム。【請求項14】前記第1の位置ベクトルを決定するようにリアルタイムキネマティック技術を実行することによって、前記第1の位置ベクトルを決定するように構成された第1の移動している車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項8に記載のシステム。【請求項15】車両の位置およびポーズを決定するための装置であって、プロセッサおよびメモリを含む車両を備え、前記プロセッサは前記メモリと通信し、前記メモリは、命令のセットを格納し、前記命令のセットが前記プロセッサを介して実行されるときに前記プロセッサに対して、前記車両を地図に視覚-位置特定させ、前記地図に基づいて、移動している車両のポーズデータを生成させ、生の測位測定値を生成させ、前記ポーズデータおよび前記生の測位測定値をハードウェアサーバに送信させ、前記ポーズデータは、前記移動している車両の位置および方向を含み、かつ、前記車両が移動している間、前記車両上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、装置。【請求項16】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、前記車両の前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像を格納された画像のセットと比較することにより、前記車両を地図に視覚-位置特定させる、請求項15に記載の装置。【請求項17】前記画像センサは、アナログカメラまたはデジタルカメラの一部である、請求項15に記載の装置。【請求項18】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、前記地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証させる、請求項16に記載の装置。【請求項19】前記地図に基づいた前記ポーズデータは、前記車両を前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項18に記載の装置。【請求項20】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、前記衛星からの信号に基づいて、生の測位測定値を決定させる、請求項15に記載の装置。【請求項21】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、有線または無線ネットワークに接続された送受信機を使用して、前記ハードウェアサーバに対して、前記ポーズデータおよび前記生の測位測定値を送信させる、請求項15に記載の装置。」
2 本件補正の適否(翻訳文新規事項の追加の有無)について
本件補正が、令和3年3月24日に提出された外国語書面の翻訳文(以下、単に「翻訳文」という。)に記載された事項の範囲内においてしたものであるかについて以下検討する。
(1) ポーズデータに関する本件補正後の特許請求の範囲の記載
ア 本件補正においては、後記(3)において判断するとおり、ポーズデータに含まれる内容が新規事項を含むものであるかどうかが問題となるところ、ポーズデータに関して、本件補正後の特許請求の範囲には以下の(ア)から(エ)の記載がある。
(ア) 請求項1
「前記第1の移動している車両クライアントの第1のポーズデータを決定する工程と、第2の車両クライアントが、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータに基づいて、前記第1の移動している車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定するように、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータを、ハードウェアサーバを介して、前記第1の移動している車両クライアントから前記第2の車両クライアントに対して送信する工程と」との記載
(イ) 請求項8
「第1の移動している車両クライアントから、第1の生の測位データおよび第1のポーズデータを受信し、第2の車両クライアントが、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータに基づいて、前記第1の移動している車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定するように、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータを、前記第1の移動している車両クライアントから前記第2の車両クライアントに送信するように構成され」との記載
(ウ) 請求項2及び請求項9
「前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントの位置および方向を含み」との記載
(エ) 請求項15
「前記地図に基づいて、移動している車両のポーズデータを生成させ、…(中略)…前記ポーズデータおよび前記生の測位測定値をハードウェアサーバに送信させ、前記ポーズデータは、前記移動している車両の位置および方向を含み」との記載
イ 前記アで摘記した請求項の記載から、請求項1の記載を引用する請求項2、及び、請求項8の記載を引用する請求項9は、「ポーズデータ」に関し、以下の事項を特定しているものと認められる。
「前記第1の移動している車両クライアントの第1のポーズデータを決定」し、
「第2の車両クライアントが、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータに基づいて、前記第1の移動している車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定」し、
「前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータを、ハードウェアサーバを介して、前記第1の移動している車両クライアントから前記第2の車両クライアントに対して送信」する際の、
「第1のポーズデータ」が、「前記第1の移動している車両クライアントの位置および方向を含[む]」こと
ウ 同様に、請求項15は、「ポーズデータ」に関し、以下の事項を特定しているものと認められる。
「前記地図に基づいて、移動している車両のポーズデータを生成」し、「前記ポーズデータおよび前記生の測位測定値をハードウェアサーバに送信」する際の「ポーズデータ」が、「前記移動している車両の位置および方向を含[む]」こと
(2) ポーズデータに関する翻訳文の記載
前記1において摘記した本件補正後の特許請求の範囲に記載された請求項1-21に係る発明は、いずれも車両のポーズデータを決定することを発明特定事項としており、このポーズデータが翻訳文においては「地図ポーズ」又は「地図ポーズデータ」という語句を用いて表現されていることからみて、翻訳文の【0078】-【0086】及び【図5】で説明される実施形態に対応するものであると解されるところ、当該実施形態について、翻訳文には以下のように記載されている。下線は、当合議体が付したものである。
「 【0078】図5は、本開示による地図相対位置特定用の移動基準局のセットとして車両のセットを使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。方法500は、システム100を介して実行される複数のブロック502~514を含む。【0079】任意であるブロック502において、車両102などの第1の車両が、プロセッサ104を介してなど第1の車両が移動していることを確認する。しかしながら、本明細書で開示されるように、確認は逆であってもよく、すなわち第1の車両が静止していることに留意されたい。このような確認は、機械的、電気的またはデジタル的に起こり得る。例えば、機械的には、このような決定は、パークモードに設定されていないトランスミッションを有するか、解放されたイグニッションキーを有さないか、パークブレーキが作動していないか、ホイールが回転しているか、または駆動軸が回転している第1の車両、あるいは他の何らかの機械的な方法に基づくことができる。同様に、電気的には、このような決定は、第1の車両の閉じている回路に基づくことができ、開いている回路は静止している第1の車両に関連するか、またはその逆である。例えば、回路は、第1の車両の電動モータ、第1の車両の内燃機関、第1の車両のブレーキシステム、第1の車両のステアリングシステム、第1の車両のエアバッグシステム、または回路を有する第1の車両の任意の他のシステムに含まれ得る。同様に、デジタル的には、このような決定は、プロセッサ104上で実行されるモジュール、オブジェクト、ライブラリ、アプリケーション、オペレーティングシステムなどのソフトウェアコンポーネントに基づくことができ、プロセッサ104は、第1の車両が移動していることを、ハードウェアまたはソフトウェアあるいは両方の組み合わせの第1の車両のコンポーネントセットを計算またはポーリングする要求/応答を介して決定することができる。続きを表示(全18行)【0080】ブロック504において、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、第1の車両が、画像センサを介するなどカメラ112から受信した入力を介してなど、地図に視覚-位置特定されているか否かを判定する。例えば、第1の車両が移動しているとき、ランドマーク、彫刻、モニュメント、建物、他の車両、歩行者、公園/自然、スタジアム、街灯、道路標識、道路の曲がり角、車道、水道栓、陸橋、橋梁、車線マーク、車線幅、車線形状、マネキン、店頭、駐車場、あるいは経度、緯度、または高度を介してなど正確な位置を知るための他の視覚的基準点などの様々な物体を描写する2Dまたは3Dの、静止画または映像の入力を受信するためにカメラ112に電力が供給される。この地図ポーズは、視覚ベースの位置特定のために地図ポーズが正確であり得るという点で、有用であり得る。入力は、入力を物体のセットを含む画像のセットと比較するためにプロセッサ104に送られ、これはリアルタイムであってもよい。画像のセットは、2Dまたは3Dの静止画または映像を含むことができ、メモリ106を介してなどローカルに格納されてもよく、ネットワーク118を介してサーバ114と通信する送受信機108aを介してなど遠隔に格納されてもよい。プロセッサ104が、入力と画像のセットのメンバとの間のピクセルパターンを介してなど視覚的一致を識別する場合、プロセッサ104は、メンバから抽出するか、あるいは地図が2D、3Dまたはその他の任意のタイプであれ、地図上の測位に関してメンバに対応するX軸、Y軸、Z軸などの座標のセットに対して、アレイ、ハッシュなどのデータ構造を照会する。データ構造は、メモリ106を介してなどローカルに格納されてもよく、またはネットワーク118を介してサーバ114と通信する送受信機108aを介してなど遠隔に格納されてもよい。プロセッサ104が座標のセットを受信すると、プロセッサ104は、地図に対して座標のセットを検証して、地理的座標のセットが地図上に存在することを確認することができ、これはメモリ106を介してなど、ローカルに格納されてもよく、ネットワーク118を介してサーバ114と通信する送受信機108aを介してなど、遠隔に格納されてもよい。このような検証は、送受信機108aを介して基準局116に照会するか、または送受信機108bを介して衛星126に照会する車両を介して補強することができる。車両が移動しており、プロセッサ104が入力を画像のセットと比較しているため、プロセッサ104は、マルチコアプロセッサであってもよいし、または並列処理などのマルチプロセッシング環境のコンポーネントであってもよく、第1の車両に局所的に、あるいは他の車両またはコンピューティングシステムと共に分散していてもよい。このように、一致が識別された場合、ブロック506が実行される。あるいは、一致が識別されない場合、ブロック508が実行される。【0081】ブロック506において、第1の車両は、送受信機108aを介してなど、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値をサーバ114などのサーバに送信する。例えば、図2bのモジュール124は、このような送信を容易にすることができる。送信は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線方式を介した送信を含むことができる。第1の地図ポーズは、ブロック504のように、第1の車両が地図に視覚-位置特定されていることに基づいている。例えば、プロセッサ104は、第1の車両を地図上に配置する地図座標のセットを含むように第1の地図ポーズを生成することができる。生の測位測定値は、ネットワーク118上で送受信機108aを介してなど、基準局116と通信する第1の車両と、送受信機108bを介してなど衛星126とに基づくことができる。例えば、プロセッサ104は、生の測位座標のセットを含むように生の測位測定値を生成することができる。【0082】ブロック508において、サーバは、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値を、車両120などの第2の車両に送信する。送信は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線方式を介した送信を含むことができる。サーバは、ネットワーク118を介してなど、第1の車両および第2の車両からの測位データを受信するサーバを介して決定されたとき、第1の車両から特定の距離内に位置する第2の車両に基づいて、車両間を識別し、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値を第2の車両に送信することができる。特定の距離は、基準のセットに基づいて局所的に、またはダウンロードされた更新を介してなど、静的にプログラムされるか、または動的に更新可能であり得る。【0083】ブロック510において、第2の車両は、図2bのモジュール124を介してなど、RTK技術を介してなど、当業者に既知のように、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値に基づいて、第1の車両に対する第1の位置ベクトルを、プロセッサ104を介してなど、決定する。これにより、第2の車両は、ランドマークまたは正確な位置が既知である任意の他の構造物などの、画像のセットのメンバからのオフセットを決定することができる。例えば、第1の車両または第2の車両の各車両は、その車両がエリア内の他の自動車に関する集合データをサーバから受信した後に、自身の地図ポーズへの更新を決定する。例えば、地図ポーズおよび生の測位測定値を決定することに関して、相対ベクトルを計算するために、第1の車両および第2の車両の両方からのデータのそれぞれのセット対が使用される。【0084】ブロック512において、第2の車両は、プロセッサ104を介してなど、第2の車両からデータのセットを受信することに基づいて、第2の車両に対するこのベクトルを計算する第3の車両に基づくなどして第3の車両に対して第2の位置ベクトルを決定する。第2の位置ベクトルは、当業者に既知のように、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値に基づいて、または図2bのモジュール124を介してなど、RTK技術を介してなど、任意の他の方法で決定されてもよい。例えば、第2の車両は、サーバを介して、エリア内の他の車両に関する生の測位データおよび地図ポーズデータを受信し、次に、第1の地図ポーズは、サーバによって放送された集合位置データに基づいて、相対位置ベクトルを決定することができる結果として更新される。【0085】ブロック514において、第2の車両は、第2の地図ポーズが第1の地図ポーズよりも正確であるように、第2の位置ベクトルを組み込むことに基づいて、プロセッサ104を介してなど第1の地図ポーズを更新して第2の地図ポーズを形成する。この更新は、図2bのモジュール124を介してなど、RTK技術を介してなど、当業者に既知のように、任意の方法であってもよい。【0086】ブロック504は、第1の車両が動いているか静止しているかにかかわらず、すなわち第1の車両が地図に位置特定されているか否かにかかわらず、第1の車両が移動していても静止していても、実行することができることに留意されたい。この位置特定は、メモリ106に格納された英数字値、画像などの、閾値を介して決定することができる。例えば、複数の車両の各車両について、閾値を満たすことに基づいてこの位置特定が決定されると、車両の各々は、それぞれの地図ポーズおよび測位測定値をサーバに送信し、次いでサーバは車両からのこれらの測定値を累積する。サーバがこれらの測定値を累積すると、サーバは、それらの車両が元の複数の車両の一部であるか否かにかかわらず、所定のエリア内で互いに近接する複数の車両にこれらの測定値を放送する。これらの測定値を受信した各車両は、これらの測定値を使用して、他のすべての車に対する相対的な位置を計算し、その単一の結果を使用して自身の地図ポーズを更新する。したがって、プロセス500は、図5に現在示されているように連続していなくてもよい(例えば、車が他の1台の車から測位情報を受信した後、その地図ポーズを更新してから第2の車から情報を受信し、その地図ポーズを再び更新する)。むしろ、車両は複数の測定値を同時に受信することができ、この集合データのすべてに基づいてその地図ポーズを更新する。」
「【図5】[図:0001402339000001.jpg]」
(3) 翻訳文新規事項の判断
ア 前記(2)のとおり、翻訳文の【0081】には、第1の車両が、生の測位測定値と一緒にサーバに送信する第1の地図ポーズが、第1の車両を地図上に配置する地図座標のセットを含むように生成されることが記載されており、【0083】には、RTK技術を介してなど、第1の地図ポーズ及び生の測位測定値に基づいて、第1の車両に対する第1の位置ベクトルを決定することが記載されているところ、この「第1の車両を地図上に配置する地図座標のセット」は、車両の位置を示すものと理解されるものの、車両の方向を示すものとは認められない。
また、請求項2、9及び15に記載されている、ポーズデータが、移動している車両の方向を含むことは、翻訳文の【0078】-【0086】には、それを示唆する記載も含めて、何も記載されていない。
さらに、翻訳文の他の箇所にも、ポーズデータが、移動している車両クライアントの方向を含むことは、記載も示唆もされていない。
イ また、請求項1-21に係る発明に対応する実施形態である翻訳文の【0078】-【0086】及び【図5】で説明される実施形態は、【0083】に記載されているようにRTK技術を介してなどにより、第1の地図ポーズ及び生の測位測定値に基づいて、第1の車両に対する第1の位置ベクトルを決定するものであるところ(なお、第1の位置ベクトルを決定することは請求項1-14でも特定されている。)、RTK技術が、既知点(基地局20)及び未知点(情報処理装置10)において搬送波位相(なお、翻訳文の【0070】には、生の測位測定値には搬送波位相などRTK技術のための様々な測定値を含むものであることが記載されている。)を測定し、既知点から未知点に、既知点で測定した搬送波位相及び既知点の位置の情報を送信し、未知点において、既知点から送信された情報と、未知点で測定した搬送波位相とを用いて、未知点の位置を測位するものであることは、例えば、国際公開第2017/047233号の[0022]及び[図1B]に記載されているように、技術常識である。
前記技術常識に鑑みると、生の測位測定値(搬送波位相)と一緒にハードウェアサーバや第2の車両クライアントに送信される、第1の位置ベクトルを決定するために必要な情報は、既知点に相当する第1の車両の位置の情報と既知点で測定した搬送波位相であり、第1の車両の方向の情報は、RTK技術を用いて測位を行う際に、必要のない情報であることは明らかであるし、RTK技術に限らず第1の位置ベクトルを決定する際に既知点の方向を用いないことは技術常識である。
よって、RTK技術などの測位技術に関する技術常識を考慮しても、ポーズデータが移動している車両クライアントの方向を含むことが、当業者にとって自明な事項であるとは認められない。
ウ したがって、本件補正後の請求項2、9及び15に記載された前記(1)イ及びウの事項は、翻訳文には記載がなく、翻訳文の記載から自明でもないから、かかる事項を含む本件補正は、翻訳文の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるとはいえない。
(4) 請求人の主張について
ア 請求人の主張
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請求人は、審判請求の理由において、概略以下の主張をしている。
請求項2、9、15の「第1のポーズデータ」は、明細書【0080】に記載されているとおり、地理的座標を含んでいる。また、明細書【0080】の例は、経度、緯度、高度、及び、X軸、Y軸、Z軸を含んでいる。さらに、請求項2,9,15に関連して、明細書第0080段落の前段には、「ブロック504において、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、第1の車両が、画像センサを介するなどカメラ112から受信した入力を介してなど、地図に視覚-位置特定されているか否かを判定する。」と記載され、ブロック504は、以下の記載事項によって補足されて説明されている。明細書【0080】の後段「例えば、第1の車両が移動しているとき、ランドマーク、彫刻、モニュメント、建物、他の車両、歩行者、公園/自然、スタジアム、街灯、道路標識、道路の曲がり角、車道、水道栓、陸橋、橋梁、車線マーク、車線幅、車線形状、マネキン、店頭、駐車場、あるいは経度、緯度又は高度を介してなど正確な位置を知るための他の視覚的基準点などの様々な物体を描写する2D又は3Dの、静止画又は映像の入力を受信するためにカメラ112に電力が供給される。この地図ポーズは、視覚ベースの位置特定のために地図ポーズが正確であり得るという点で、有用であり得る。入力は、入力を物体のセットを含む画像のセットと比較するためにプロセッサ104に送られ、これはリアルタイムであってもよい。画像のセットは、2D又は3Dの静止画又は映像を含むことができ、メモリ106を介してなどローカルに格納されてもよく、ネットワーク118を介してサーバ114と通信する送受信機108aを介してなど遠隔に格納されてもよい。プロセッサ104が、入力と画像のセットのメンバとの間のピクセルパターンを介してなど視覚的一致を識別する場合、プロセッサ104は、画像のセットのメンバから抽出するか、あるいは地図が2D、3D又はその他の任意のタイプであれ、地図上の測位に関して画像のセットのメンバに対応するX軸、Y軸、Z軸などの座標のセットに対して、アレイ、ハッシュなどのデータ構造を照会する。…このように、一致が識別された場合、ブロック506が実行される。あるいは、一致が識別されない場合、ブロック508が実行される。」、明細書第0081段落「第1の地図ポーズは、ブロック504のように、第1の車両が地図に視覚-位置特定されていることに基づいている。例えば、プロセッサ104は、第1の車両を地図上に配置する地図座標のセットを含むように第1の地図ポーズを生成することができる。」。すなわち、ブロック504の判定をするために地理的座標を使用する明細書第0080段落の記載の工程では、入力(画像センサから取り込まれた画像)と、画像のセットのメンバとを比較し、第1の車両が、地図に視覚-位置特定されているか否かを判定し、その結果として、ブロック506(第1の地図ポーズ及び生の測位測定値を第1の車両からサーバへ送信する。)へと進む。よって、請求項2,9,15の記載のとおり、第1のポーズデータは、画像センサから取り込まれた画像によって(最終的に)決定されることが当業者によって理解され得る。
したがって、請求項2,9,15に係る発明は、明細書中の記載事項に基づくものであり、拒絶査定の「理由1(1)イ」に係る当該拒絶理由が解消されたものと思料する。
イ 請求人の主張に対する見解
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請求人の前記主張では、ポーズデータが車両の方向を含むことについて何らの釈明も行われておらず、採用できない。
なお、明細書【0080】には、カメラ112で、移動している車両の周囲の画像を取得することが記載されているところ、カメラ112が車両に固定されている場合、その画像をもとに、移動している車両の方向を特定することが可能であるとも考えられなくもないが、仮に、カメラ112で得られた情報に、車両の方向に関する情報が含まれるとしても、当該情報は、【図5】のブロック504において、「第1の車両は地図に視覚-位置特定されているか?」の判定に用いられていることは考えられるものの、前記(3)で検討した測位技術に関する技術常識を考慮すれば、生の測位測定値や、車両の位置の情報とともに、車両の方向に関する情報が、ハードウェアサーバや第2の車両クライアントに送信され、第1の位置ベクトルを決定するのに用いられるものとは解されない。
よって、請求人の前記主張は認められず、前記(3)の結論を左右するものでない。
(4) 翻訳文新規事項のむすび
以上検討のとおり、本件補正は、翻訳文に記載された事項の範囲内においてしたものであるとはいえないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
(5) 本件補正の適否についてのまとめ
前記(4)において検討したとおり、本件補正は、特許法17条の2第3項に規定する要件に違反するものであり、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 翻訳文新規事項の追加についての当審の判断
1 原査定前補正の補正内容
本件補正は、前記第2に示したとおり却下されたところ、令和3年12月13日にされた手続補正(以下「原査定前2次補正」という。)は、特許請求の範囲の補正を含むものであり、この補正により、次の(1)に示す、令和3年3月24日にされた手続補正(以下「原査定前1次補正」という。)により補正された特許請求の範囲が、次の(2)に示す、原査定前2次補正後の特許請求の範囲に補正された。下線は、合議体が付したものである。
(1) 原査定前1次補正後の特許請求の範囲
「 【請求項1】車両の衛星位置およびポーズを更新する方法であって、第1の車両クライアントで、第1の衛星位置および第1の車両ポーズ情報を受信する工程と、第2の車両クライアントが、前記第1の衛星位置および前記第1の車両ポーズ情報に基づいて、前記第1の車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定するように、前記第1の衛星位置および前記第1の車両ポーズ情報を、前記第1の車両クライアントから前記第2の車両クライアントに対して送信する工程と、を含む方法。続きを表示(全55行)【請求項2】前記第1の車両ポーズ情報は、前記第1の車両クライアントの位置および方向を含み、かつ、前記第1の車両クライアント上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、請求項1に記載の方法。【請求項3】前記第1の車両クライアントの前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像は、格納された画像のセットと比較される、請求項2に記載の方法。【請求項4】地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。【請求項5】前記第1の車両ポーズ情報は、前記第1の車両クライアントを前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項4に記載の方法。【請求項6】前記受信された第1の衛星位置に基づいて、生の測位測定値を決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。【請求項7】前記第1の位置ベクトルを決定する工程は、前記第1の位置ベクトルを決定するために、リアルタイムキネマティック技術を実行することを含む、請求項1に記載の方法。【請求項8】車両のセットを使用して、セットのうちの前記車両の衛星位置およびポーズを更新するためのシステムであって、ハードウェアサーバを備え、前記ハードウェアサーバは、第1の車両クライアントから、第1の衛星位置および第1の車両ポーズ情報を受信し、第2の車両クライアントが、前記第1の衛星位置および前記第1の車両ポーズ情報に基づいて、前記第1の車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定するように、前記第1の衛星位置および前記第1の車両ポーズ情報を、前記第1の車両クライアントから前記第2の車両クライアントに送信するように構成された、システム。【請求項9】前記第1の車両ポーズ情報は、前記第1の車両クライアントの位置および方向を含み、かつ、前記第1の車両クライアント上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、請求項8に記載のシステム。【請求項10】前記第1の車両クライアントの前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像を、格納された画像のセットと比較するように構成された第1の車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項9に記載のシステム。【請求項11】前記第1の車両クライアントプロセッサは、地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証するようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。【請求項12】前記第1の車両ポーズ情報は、前記第1の車両クライアントを前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項11に記載のシステム。【請求項13】前記受信された第1の衛星位置に基づいて、生の測位測定値を決定するように構成された第1の車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項8に記載のシステム。【請求項14】前記第1の位置ベクトルを決定するようにリアルタイムキネマティック技術を実行することによって、前記第1の位置ベクトルを決定するように構成された第1の車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項8に記載のシステム。【請求項15】車両の衛星位置およびポーズを更新するための装置であって、プロセッサおよびメモリを含む車両を備え、前記プロセッサは前記メモリと通信し、前記メモリは、命令のセットを格納し、前記命令のセットが前記プロセッサを介して実行されるときに前記プロセッサに対して、前記車両を地図に視覚-位置特定させ、前記地図に基づいてポーズを生成させ、生の測位測定値を生成させ、前記ポーズおよび前記生の測位測定値をハードウェアサーバに送信させる、装置。【請求項16】前記ポーズは、前記車両の位置および方向を含み、かつ、前記車両上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、請求項15に記載の装置。【請求項17】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、前記車両の前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像を格納された画像のセットと比較することにより、前記車両を地図に視覚-位置特定させる、請求項16に記載の装置。【請求項18】前記画像センサは、アナログカメラまたはデジタルカメラの一部である、請求項16に記載の装置。【請求項19】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、前記地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証させる、請求項17に記載の装置。【請求項20】前記地図に基づいた前記ポーズは、前記車両を前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項19に記載の装置。【請求項21】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、受信された衛星位置に基づいて、生の測位測定値を決定させる、請求項15に記載の装置。【請求項22】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、有線または無線ネットワークに接続された送受信機を使用して、前記ハードウェアサーバに対して、前記ポーズおよび前記生の測位測定値を送信させる、請求項15に記載の装置。」
(2) 原査定前2次補正後の特許請求の範囲
「 【請求項1】車両の位置およびポーズを決定する方法であって、衛星からの信号に基づいて、第1の移動している車両クライアントの第1の生の測位データを決定する工程と、前記第1の移動している車両クライアントの第1のポーズデータを決定する工程と、続きを表示(全55行)第2の車両クライアントが、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータに基づいて、前記第1の移動している車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定するように、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータを、前記第1の移動している車両クライアントから前記第2の車両クライアントに対して送信する工程と、を含む方法。【請求項2】前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントの位置および方向を含み、かつ、前記第1の移動している車両クライアント上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、請求項1に記載の方法。【請求項3】前記第1の移動している車両クライアントの前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像は、格納された画像のセットと比較される、請求項2に記載の方法。【請求項4】地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。【請求項5】前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントを前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項4に記載の方法。【請求項6】前記第1の生の測位データに基づいて、生の測位測定値を決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。【請求項7】前記第1の位置ベクトルを決定する工程は、前記第1の位置ベクトルを決定するために、リアルタイムキネマティック技術を実行することを含む、請求項1に記載の方法。【請求項8】車両のセットを使用して、セットのうちの前記車両の位置およびポーズを決定するためのシステムであって、ハードウェアサーバを備え、前記ハードウェアサーバは、第1の移動している車両クライアントから、第1の生の測位データおよび第1のポーズデータを受信し、第2の車両クライアントが、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータに基づいて、前記第1の移動している車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定するように、前記第1の生の測位データおよび前記第1のポーズデータを、前記第1の移動している車両クライアントから前記第2の車両クライアントに送信するように構成され、前記第1の生の測位データは、衛星からの信号に基づいて取得される、システム。【請求項9】前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントの位置および方向を含み、かつ、前記第1の移動している車両クライアント上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、請求項8に記載のシステム。【請求項10】前記第1の移動している車両クライアントの前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像を、格納された画像のセットと比較するように構成された第1の移動している車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項9に記載のシステム。【請求項11】前記第1の移動している車両クライアントプロセッサは、地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証するようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。【請求項12】前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントを前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項11に記載のシステム。【請求項13】前記第1の生の測位データに基づいて、生の測位測定値を決定するように構成された第1の移動している車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項8に記載のシステム。【請求項14】前記第1の位置ベクトルを決定するようにリアルタイムキネマティック技術を実行することによって、前記第1の位置ベクトルを決定するように構成された第1の移動している車両クライアントプロセッサをさらに備える、請求項8に記載のシステム。【請求項15】車両の位置およびポーズを決定するための装置であって、プロセッサおよびメモリを含む車両を備え、前記プロセッサは前記メモリと通信し、前記メモリは、命令のセットを格納し、前記命令のセットが前記プロセッサを介して実行されるときに前記プロセッサに対して、前記車両を地図に視覚-位置特定させ、前記地図に基づいて、移動している車両のポーズデータを生成させ、生の測位測定値を生成させ、前記ポーズデータおよび前記生の測位測定値をハードウェアサーバに送信させ、前記ポーズデータは、前記移動している車両の位置および方向を含み、かつ、前記車両が移動している間、前記車両上の画像センサから画像を取り込むことによって決定される、装置。【請求項16】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、前記車両の前記ポーズを示す地理的座標のセットを取得するために、前記取り込まれた画像を格納された画像のセットと比較することにより、前記車両を地図に視覚-位置特定させる、請求項15に記載の装置。【請求項17】前記画像センサは、アナログカメラまたはデジタルカメラの一部である、請求項15に記載の装置。【請求項18】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、前記地図上における前記地理的座標のセットの存在を検証させる、請求項16に記載の装置。【請求項19】前記地図に基づいた前記ポーズデータは、前記車両を前記地図上に配置する地図座標のセットを含む、請求項18に記載の装置。【請求項20】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、前記衛星からの信号に基づいて、生の測位測定値を決定させる、請求項15に記載の装置。【請求項21】前記命令のセットは、さらに前記プロセッサに対して、有線または無線ネットワークに接続された送受信機を使用して、前記ハードウェアサーバに対して、前記ポーズデータおよび前記生の測位測定値を送信させる、請求項15に記載の装置。」
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
(新規事項)原査定前2次補正は、下記の点で外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
記
原査定前2次補正後の請求項2、9には、「前記第1のポーズデータは、前記第1の移動している車両クライアントの位置および方向を含み」と記載されており、原査定前2次補正後の請求項15には、「前記ポーズデータは、前記移動している車両の位置および方向を含み」と記載されているが、翻訳文には、ポーズデータが、車両の方向を含むことは記載されていない。
3 当審の判断
原査定前1次補正により、請求項2、9及び16において追加された第1の車両ポーズ情報又はポーズが、第1の車両クライアントの方向又は車両の方向を含むという事項は、原査定前2次補正後も、請求項2、9及び15において第1のポーズデータ又はポーズデータが、第1の移動している車両クライアントの方向又は車両の方向を含むという事項として含まれており、さらに、これらの事項は、前記第2の2(1)で検討したように本件補正後の請求項2、9及び15においても同様に含まれている。
そうすると、前記第2の2において示した理由と同様の理由により、原査定前1次補正及び原査定前2次補正は、いずれも翻訳文に記載された事項の範囲内においてしたものであるとはいえず、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
第4 むすび
以上のとおり、原査定前2次補正は、翻訳文に記載された事項の範囲内においてしたものであるとはいえないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-010899