商標拒絶査定不服審判
2022-009536
ラポルト、ラポート、ラポール、ラップポルト、ラップポート
- 審判番号
- 2022-009536
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-123020
- 請求日
- 2022年06月03日
- 審決日
- 2023年02月28日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】合同会社ラムタフ
- 【請求人代理人】高橋 淳
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .261-Z (W3541) / T18 .262-Z (W3541) / T18 .263-Z (W3541) / T18 .264-Z (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-123020拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「Rapport」の欧文字を横書きしてなり、第35類及び第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年9月19日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年6月25日付けで拒絶理由の通知がされ、同年7月22日に意見書が提出され、本願の指定役務については、意見書と同日付けの手続補正書により、別掲1のとおりの役務に補正されたが、同4年2月22日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年6月3日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 引用商標1
登録第5693681号商標(以下「引用商標1」という。)は、「RAPPORT」の欧文字を横書きしてなり、平成26年3月13日に登録出願、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,商品の販売促進又は役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の提供,ホテルの事業の管理」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年8月15日に設定登録されたものである。
2 引用商標2
登録第5693682号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成26年3月13日に登録出願、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,商品の販売促進又は役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の提供,ホテルの事業の管理」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年8月15日に設定登録されたものである。
3 引用商標3
登録第6058373号商標(以下「引用商標3」という。)は、「Rapport」の欧文字を上段に、「ラポア」の片仮名を下段に、上下二段に横書きしてなり、平成29年10月18日に登録出願、第41類「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映,健康・教養に関するセミナー・ワークショップの企画・運営又は開催」を指定役務として、同30年7月6日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、「引用商標」という。
第3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標及び引用商標の要部は、「ラポール」の称呼及び「関係」の観念を共通にし、外観においても類似するものであるから、本願商標と引用商標は互いに類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、「Rapport」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、「関係」の意味を有する英語(「新英和中辞典」研究社)ではあるものの、我が国において広く一般に親しまれた語ではなく、また、本願の指定役務との関係において、取引者、需要者に役務の質等を表すものとして認識させる特別の事情もないことから、特定の語義を有しない一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当である。そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国で広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼するのが一般的といえるところ、本願商標は、その構成文字に相応して英語風に発音した「ラポート」の称呼が生ずるというのが相当である。
したがって、本願商標は、「ラポート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、「RAPPORT」の欧文字を横書きしてなるところ、上記(1)のとおり、当該文字に相応して「ラポート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、上段に眼鏡様の図形(以下「眼鏡様図形」という。)と、その下に「RAPPORT」の欧文字を横書きしてなるところ、当該図形及び「RAPPORT」の欧文字とは、重なり合うことなく間隔を空けて配置されていることから、引用商標2は、視覚上、眼鏡様図形と「RAPPORT」の欧文字部分とに、分離して看取されるものである。
そして、眼鏡様図形は、直ちに特定の意味合いを表すものとして認識されるものではないことから、特定の称呼及び観念を生じないものであり、また、「RAPPORT」の欧文字は、上記(1)のとおり、「ラポート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものであるところ、眼鏡様図形と「RAPPORT」の欧文字部分との間には、意味上のつながりがあるとはいえないものであり、また、いずれかが引用商標2の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないとみるべき特別な事情も認められないものである。
そうすると、引用商標2は、眼鏡様図形と「RAPPORT」の欧文字部分とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないものであり、両者が独立して出所識別機能を有する要部となり得るものである。
してみれば、引用商標2は、その構成中の「RAPPORT」の欧文字部分を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標2は、「ラポート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標3について
引用商標3は、「Rapport」の欧文字を上段に、「ラポア」の片仮名を下段に、上下二段に横書きしてなるところ、下段の「ラポア」の片仮名は、上段の「Rapport」の欧文字から生じる自然な称呼と解することはできず、読みを特定したものと無理なく認識できるともいい難いものである。
そうすると、引用商標3は、上段及び下段の各文字から、それぞれ称呼を生じるとみるのが相当であるから、上段の「Rapport」の欧文字に相応して「ラポート」の称呼及び下段の「ラポア」の片仮名に相応して「ラポア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標1及び引用商標2の類否について
まず、外観については、本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、眼鏡様図形の有無や文字の書体、大文字と小文字の相違等があるものの、本願商標の「Rapport」と引用商標1の「RAPPORT」及び引用商標2の要部である「RAPPORT」の欧文字部分とを比較すると、その全ての構成文字のつづりを同じくすることからすれば、取引者、需要者は、文字の書体等の相違にかかわらず、いずれも「RAPPORT」の欧文字であるものと容易に認識するとみるのが相当であるから、両者は、外観において類似するものである。
そして、称呼については、本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、「ラポート」の称呼を同一にするものであり、また観念については、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、観念において比較することはできず、全体の外観においては眼鏡様図形の有無等の相違等があるものの、本願商標と引用商標1及び引用商標2の要部との対比においては類似するものであり、また、両者は称呼を同一にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1及び引用商標2は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
イ 本願商標と引用商標3の類否について
まず、外観については、本願商標と引用商標3とは、文字の書体、片仮名の有無等の相違があるものの、本願商標と引用商標3における「Rapport」の欧文字部分とを比較すると、その全ての構成文字のつづりを同じくし、語頭のみを大文字で表していることを共通にすることからすれば、両者は、外観において類似するものである。
そして、称呼については、本願商標と引用商標3とは、「ラポート」の称呼を共通にするものであり、また観念については、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標3とは、観念において比較することはできず、全体の外観においては相違するものの、本願商標と引用商標3の「Rapport」の欧文字部分とは類似するものであり、また、両者は称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標3は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
ア 本願の指定役務と引用商標1及び引用商標2の指定役務との類否について
引用商標1及び引用商標2の指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,商品の販売促進又は役務の提供促進に関する助言及び指導又は情報の提供」は、事業に係る経営の診断又は経営に助言を与えること、一般需要者の嗜好や動向を調査すること、商品の販売に関する情報を提供すること及び商品販売や役務提供の促進に関する助言を与えること等を内容とするものであり、これらは他人の依頼により、その他人の事業の業績を伸ばし、安定した事業経営が行えるようにすること等を目的とするものであり、経営コンサルタント等が他人の事業のために行う事業支援を内容とする役務といえるものである。
また、「ホテルの事業の管理」は、他人の依頼により、その他人の事業(ホテル業)の業績を伸ばしたり、安定した事業経営が行えるようにしたりすること等のために事業を管理することを目的とするものであり、経営コンサルタント等が他人の事業のために行う事業支援を内容とする役務である。
そして、本願の指定役務中、第35類「スポーツインストラクターに関する事業の管理」は、他人の依頼により、その他人の事業(スポーツインストラクター業)の業績を伸ばしたり、安定した事業経営が行えるようにしたりすること等のために事業を管理することを目的とするものであり、経営コンサルタント等が他人の事業のために行う事業支援を内容とする役務である。
そうすると、本願の上記指定役務と、引用商標1及び引用商標2の上記指定役務とは、事業支援という役務の内容を共通にするものであり、また、それらは共通する事業者により提供されるものであるから、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の提供に係る役務であると出所の誤認混同が生じるおそれがあり、両者は類似する役務と認められる。
イ 本願の指定役務と引用商標3の指定役務との類否について
本願の指定役務中、第41類「インターネットによる動画の提供,フィットネスに関する動画の制作,ヨガに関する動画の制作」は、他人の依頼により動画をインターネットで提供することや、他人のためにフィットネスやヨガに関する動画を制作することを目的とするものであり、映像や動画の制作会社等が他人の依頼に基づいて行う役務である。
そして、引用商標3の指定役務中、「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」は、他人の依頼により映像や動画を上映することや、他人のために映像や動画を制作等することを目的とするものであり、映像や動画の制作会社等が他人の依頼に基づいて行う役務である。
そうすると、本願の上記指定役務と、引用商標3の上記指定役務とは、「動画の制作」等といった役務の内容を共通にするものであり、また、それらは共通する事業者により提供されるものであるから、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の提供に係る役務であると出所の誤認混同が生じるおそれがあり、両者は類似する役務と認められる。
ウ まとめ
したがって、本願の指定役務と引用商標の指定役務は類似するものである。
(5)小括
上記(1)ないし(4)によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願の指定役務である「スポーツインストラクターに関する事業の管理」は、インストラクターの養成を行い、美容と健康に興味のある受講者や入門者に対し、職業としてフィットネスやヨガのインストラクターとしての知見を授与し、インストラクターとして就業可能とすべく他者への指導に当たらせる機会を提供することを内容とする役務であり、需要者としても提供される役務の内容に注目して取引に入ることから、役務の混同が生ずるおそれはない旨主張する。
しかしながら、請求人の主張する役務の内容は、フィットネスやヨガの知見を教授してインストラクターの養成を行うものである一方、第35類「スポーツインストラクターに関する事業の管理」は、他人の依頼により、その他人の事業の業績を伸ばしたり、安定した事業経営が行えるようにしたりすること等のために事業を管理することを目的とするものであり、経営コンサルタント等が他人の事業のために行う事業支援を内容とする役務であることは、上記1(4)アのとおりであるから、請求人の主張する役務とは、その本質的な内容を全く異にするものである。
(2)請求人は、フィットネスに関する需要者がサービスや知識を享受する際には、その内容が重要であり、内容やテーマの異なるサービスの享受に関し、オンライン上でヨガなどの健康に関する情報や知識、体験を受けることと、その他情報や動画の視聴は全くその役務を異にするから、本願の指定役務と引用商標3の指定役務は、類似の役務には該当しない旨主張する。
しかしながら、上記1(4)イのとおり、本願の指定役務中、第41類「インターネットによる動画の提供,フィットネスに関する動画の制作,ヨガに関する動画の制作」及び引用商標3の第41類「音響・映像・静止画及び動画の制作並びに演奏又は上映」は、いずれも、他人の依頼により映像や動画を上映又は提供することや、他人のために映像や動画を制作等することを目的とし、それらは「動画の制作」等といった役務の内容を共通にするものであり、また、共通する事業者により提供されるものであるから、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の提供に係る役務であると出所の誤認混同が生じるおそれがあり、両者は類似する役務と認められるものである。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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