商標拒絶査定不服審判
2022-009042
オービス、オビス、オバイス
- 審判番号
- 2022-009042
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-049321
- 請求日
- 2022年06月13日
- 審決日
- 2023年01月27日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】中川 遼
- 【請求人代理人】林 栄二
- 【請求人代理人】木村 一弘
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .261-WY (W09) / T18 .262-WY (W09) / T18 .263-WY (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-49321拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年4月8日に出願されたものであり、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年9月15日付け:拒絶理由通知書
令和3年11月10日 :意見書の提出
令和4年3月8日付け :拒絶査定
令和4年6月13日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ovice」の文字を標準文字で表してなり、第9類「コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,電子計算機用プログラム,データ処理装置,コンピュータ周辺機器,セキュリティートークン(暗号化装置),携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,電子出版物,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,録音済み又は録画済みのコンパクトディスク,記録済みCD-ROM」を指定商品として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の7件であり(以下、まとめて「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1882106号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:昭和58年6月3日
設定登録日:昭和61年8月28日
指定商品 :第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品(指定商品の書換登録 平成18年12月13日)
(2)登録第4377375号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成8年12月5日
設定登録日:平成12年4月21日
指定商品 :第16類「印刷物」
(3)登録第4412307号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成6年12月20日
設定登録日:平成12年8月25日
指定商品 :第9類「エレベータかご内室用映像表示装置,エレベータかご内室用音響装置」
(4)登録第5071508号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:ORBIS(標準文字)
登録出願日:平成18年9月13日
設定登録日:平成19年8月17日
指定商品 :第9類「病院環境内におけるワークフロー全体を管理するためのコンピュータソフトウェア及びコンピュータハードウェア」
(5)登録第5853080号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成 :AUVIS(標準文字)
登録出願日 :平成27年11月12日
設定登録日 :平成28年5月27日
指定商品及び指定役務:第9類、第37類、第42類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(6)登録第6268015号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:OVIS(標準文字)
登録出願日:令和元年6月26日
設定登録日:令和2年7月9日
指定商品 :第9類「スマートホン用アプリケーションソフトウエア,蓄電池,腕時計型携帯情報端末」
(7)国際登録第1049121号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成 :別掲4のとおり
国際商標登録出願日:2010年(平成22年)9月1日
設定登録日 :2013年(平成25年)8月2日
指定商品 :第9類「Lasers not for medical use.」
4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、上記2のとおり、「ovice」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その文字は辞書類に載録された既成の語ではなく、本願の指定商品を取り扱う分野において、特定の称呼及び特定の意味合いを有する語として使用されている事実もないものである。
そして、既成の語ではなく欧文字のつづりからなる商標は、ローマ字読み又は英語における発音に倣って称呼することが一般的であるところ、本願商標については、ローマ字読みに倣って称呼される場合には、「オビセ」の称呼を生じ、また、英語における発音に倣って称呼される場合には、例えば、「advice」を「アドバイス」、「device」を「デバイス」とそれぞれ発音することからすると「オバイス」の称呼を生じるとみるのが自然である。
そうすると、本願商標は、「オバイス」又は「オビセ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1及び引用商標2は、別掲1及び別掲2のとおり、「オービス」の片仮名及び「ORVIS」の欧文字を上下二段に書してなるところ、構成中の「ORVIS」の文字は、辞書類に載録された既成の語ではなく、それらの指定商品を取り扱う分野において、特定の意味合いを有する語として使用されている事実もないものである。また、上段に書された「オービス」の片仮名は、下段の「ORVIS」の欧文字の読みを表したものと容易に認識されるものである。
そうすると、引用商標1及び引用商標2は、「オービス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標3は、別掲3のとおり、「オービス」の片仮名及び「AUVIS」の欧文字を上下二段に書してなるところ、構成中の「AUVIS」の文字は、辞書類に載録された既成の語ではなく、指定商品を取り扱う分野において、特定の意味合いを有する語として使用されている事実もないものである。また、上段に書された「オービス」の片仮名は、下段の「AUVIS」の欧文字の読みを表したものと容易に認識されるものである。
そうすると、引用商標3は、「オービス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
ウ 引用商標4は、上記3(4)のとおり、「ORBIS」の欧文字を、引用商標5は、上記3(5)のとおり、「AUVIS」の欧文字を、それぞれ標準文字で表してなるところ、それらの文字は、いずれも辞書類に載録された既成の語ではなく、また、各指定商品を取り扱う分野において、特定の称呼及び特定の意味合いを有する語として使用されている事実もないものである。
そして、上記(1)と同様に、既成の語ではなく欧文字のつづりからなる商標は、ローマ字読み又は英語における発音に倣って称呼することが一般的であるから、引用商標4及び引用商標5は、共に「オービス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
エ 引用商標6は、上記3(6)のとおり、「OVIS」の欧文字を標準文字で表してなり、引用商標7は別掲4のとおり、「OBIS」の欧文字を横書きしてなるところ、それらの文字は、いずれも辞書類に載録された既成の語ではなく、また、各指定商品を取り扱う分野において、特定の称呼及び特定の意味合いを有する語として使用されている事実もないものである。
そして、上記(1)と同様に、既成の語ではなく欧文字のつづりからなる商標は、ローマ字読み又は英語における発音に倣って称呼することが一般的であるから、引用商標6及び引用商標7は、それぞれの構成文字に相応して、共に「オビス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものと認められる。
(3)本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標とを比較すると、外観について、両商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、その全体の構成において、いずれも欧文字部分のつづりを異にすることから、本願商標と引用商標とは、明確に区別できるものであって、外観上、相紛れるおそれはない。
そして、称呼について、本願商標から生じる「オバイス」又は「オビセ」の称呼と引用商標1から引用商標5より生じる「オービス」及び引用商標6及び引用商標7から生じる「オビス」の称呼とを比較すると、両者は、語頭の「オ」の音又は中間の「ビ」の音を共通にするとしても、それ以外の音に差異を有するものであって、全体が3音又は4音という短い音構成である両称呼において、この差異が称呼全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼すると語感が相違することから、本願商標及び引用商標は、称呼上、相紛れるおそれはない。
また、観念については、本願商標及び引用商標からは特定の観念を生じないため、比較できない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、両商標は、これを同一又は類似の商品に使用しても、商品の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務の類否を検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
さらに、本願商標と引用商標とが、指定商品について商品の出所につき誤認混同を生ずるというべき取引の実情が存するという理由及び証拠は見いだせない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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