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特許拒絶査定不服審判

2022-008847

表示装置

審判番号
2022-008847
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-198374外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年06月08日
審決日
2023年08月30日
公報発行日
2024年02月22日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G09F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-198374「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月19日出願公開、特開2018- 63429〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 8項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成29年10月12日の特許出願(パリ条約による優先権主張、2016年10月14日、韓国)であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和3年 8月16日付け :拒絶理由通知書
同年11月24日 :意見書及び手続補正書の提出
令和4年 1月31日付け :拒絶査定

(同年 2月 8日 :拒絶査定の謄本の送達)

同年 6月 8日 :審判請求書及び手続補正書の提出

令和5年 3月 9日付け :拒絶理由通知書

同年 6月14日 :意見書及び手続補正書の提出

第2 本願発明について

本願の請求項1~8に係る発明は、令和5年6月14日に提出された手続補正書により補正された請求項1~8に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1の記載は以下のとおりである。

以下、本願の請求項1に係る発明を「本願発明」という。

「【請求項1】
基板と、
表示領域の外郭に位置し、コーナー部がラウンド状である遮光部材と、
前記基板上に位置する複数の画素と、
続きを表示(全19行)
前記複数の画素それぞれに位置し、横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む画素電極とを含み、
前記複数の画素は、
前記遮光部材と重複する第1画素と、
前記第1画素と隣接した第2画素とを含み、
前記複数の画素それぞれは、
第1色を表示する第1副画素と、
第2色を表示する第2副画素と、
第3色を表示する第3副画素とを含み、
前記第1副画素、前記第2副画素、および前記第3副画素は、第1方向に沿って配列されており、
前記第2画素は、前記第1画素と前記第1方向に隣接して前記基板の周縁から前記第1画素よりさらに遠く位置し、
前記第1副画素、前記第2副画素、および前記第3副画素それぞれに前記画素電極が位置し、
前記第1画素の第1副画素が前記遮光部材と重畳し、
前記第1画素の第2副画素及び第3副画素が前記遮光部材と重畳せず、
前記第1画素の第2副画素に位置する微細枝部の間の間隔および第3副画素に位置する微細枝部の間の間隔は、前記第1画素の第1副画素に位置する微細枝部の間の間隔より広く、
前記第1画素の第2副画素及び第3副画素に位置する微細枝部の面積は、前記第1画素の第1副画素に位置する微細枝部の面積より小さい、表示装置。」

第3 当審において通知した拒絶の理由

当審において令和5年3月9日付けで通知した拒絶の理由のうち、本願の請求項1に係る発明についての理由1の概要は、次のとおりである。

理由1(進歩性)

本願の令和4年6月8日付け手続補正により補正された請求項1に係る発明は、下記の引用文献に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

記

引用文献1:特開2016-85448号公報
引用文献2:特開2003-186017号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:国際公開第2009/084162号(周知技術を示す文献)

第4 当審の判断

当審においては、以下に詳述するとおり、本願発明は当業者が容易に発明をすることができたものであると判断した。

1 引用発明及び周知技術の認定

(1) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定

折りたたみ中(クリックで表示)

ア 引用文献1の記載事項

前記引用文献1(特開2016-85448号公報)には、以下の記載がある。(下線は当合議体による。以下同様である。)

(ア) 【0001】~【0006】

「【0001】
本発明は、表示区域が円形に近似する表示パネルに関する。
…(中略)…
【0003】
続きを表示(全13行)
また、よくある表示装置の多くは方形の構造を有する。近年、美観やデザイン性が求められており、表示パネルも幾種類もの多様な外形のデザインが登場している。例えば、円形、三角形、菱形等の自由な形状の構造がある。腕時計等にも表示装置を搭載するように発展しているため、現在のポピュラーな円形の腕時計の形態に近付けるためには、円形の表示パネルが必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の表示パネル技術では、即ち、任意の形状に切断する方式によってパネルを弧形の縁端を切断するが、表示区中では画素ユニットがアレイ状に規則的に配列され、所定の弧形の縁端箇所には画素ユニットがアレイ状に配列されるために、のこぎりの歯状の縁端が形成され、目的としている弧形の縁端には全く近付かず、消費者の需要に応えられていない。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に到った。
【0006】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、自由形状式表示パネルを提供することを主目的とする。換言すれば、縁端画素区に位置される縁端画素ユニットが対応される縁端画素ブラックマトリクスの縁端開口部区域或いは電極稼働区域の面積が、中央画素区に位置される中央画素ユニットが対応される中央画素ブラックマトリクスの中央開口部区域ないしは電極の稼働区域の面積より小さく設計され、これにより自由形状式表示パネルの非表示区域に位置されるブラックマトリクスに隣接する縁端画素ユニットのカラー及び形状が理想的ではなかったという問題を改善させる。」

(イ) 【0022】、【図2】(a)

「【0022】
図2(a)に示すように、本実施形態の自由形状式表示パネルは表示区域AA及び非表示区域Bを有する。非表示区域Bは表示区域AAを包囲させ、表示区域AAは中央画素区Pc及び縁端画素区Pbを有し、縁端画素区Pbは中央画素区Pcと非表示区域Bとの間に設置される。また、本実施形態の自由形状式表示パネルは、第一ブラックマトリクス221が非表示区域B内に位置されると共に第一基板21に位置され、第二ブラックマトリクス222が表示区域AA内に位置されると共に第一基板21に位置され、第二ブラックマトリクス222が第一ブラックマトリクス221に包囲される第一基板21と、第一基板21に対向する一側に位置される第二基板11と、第一基板21と第二基板11との間に位置される表示媒体層5と、第二基板11に設置される複数の第一電極121を有すると共に中央画素区Pcに位置される複数の中央画素ユニットと、第二基板11に設置される複数の第二電極122を有すると共に縁端画素区Pbに位置される複数の縁端画素ユニットと、第一基板21に設置されると共に第一電極121が第二電極122に対応して設置される共通電極26とを備える。」
「【図2】(a)
[図:0001406205000001.jpg]
」

(ウ) 【0025】、【図2】(b)、【図3】

「【0025】
図2(b)は本発明の他の好ましい実施形態に係る自由形状式表示パネルの断面概念図である。本実施形態の表示パネルの構造は前述の図2(a)に示す実施形態と同じであるが、本実施形態に係る表示パネルは第一電極121及び第二電極122を備え、図2(a)に示す共通電極26を備えていない。このため、本実施形態で製造される表示パネルはIPS方式(IPS)表示パネル或いはFFS方式(FFS)表示パネルである。この場合、図3は第一電極121及び第二電極122の上面図を示し、それぞれ櫛歯電極である。第一電極121及び第二電極122がスリット121a及びスリット122aの櫛歯電極を備え、スリット(122a、122b)が広さaを有するため、第一電極121及び第二電極122の稼働区域は第一電極121及び第二電極122の縁端から距離を空ける広さaに形成される区域と定義される。また、図3は本実施形態で適用される第一電極121及び第二電極122の内の何れか1つの態様を例示するのみである。しかしながら、本発明の他の実施形態では、第一電極121及び第二電極122の構造は図3に示す構造に制限されず、例えば、第一電極121及び第二電極122がのこぎりの歯状の縁端或いは波状の縁端を有し、もしくは第一電極121及び第二電極122が米字型の電極等であってもよい。」
「【図2】(b)
[図:0001406205000002.jpg]
」
「【図3】
[図:0001406205000003.jpg]
」

(エ) 【0026】~【0030】、【図4】、【図5】

「【0026】
以下、図2(a)及び図2(b)に示す自由形状式表示パネルの縁端画素ユニットの設計の詳細を説明する。
<比較例1>
【0027】
続きを表示(全11行)
図4は本発明の比較例1の自由形状式表示パネルを示す部分の概念図である。画素ユニットの断面線で示す区域は光出力面積である。なお、本比較例に係る自由形状式表示パネルは、第一中央サブ画素ユニット231と、第二中央サブ画素ユニット232と、第三中央サブ画素ユニット233とをそれぞれ備え、且つ第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233は第一電極121にそれぞれ対応される(図2(a)及び図2(b)参照)。図4の俯瞰図によると、中央画素ユニット23aが第一ブラックマトリクス221に隣接しない。複数の縁端画素ユニット23bは第一縁端サブ画素ユニット234と、第二縁端サブ画素ユニット235と、第三縁端サブ画素ユニット236とをそれぞれ含み、且つ第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は第二電極122にそれぞれ対応される(図2(a)及び図2(b)参照)。図4の俯瞰図によると、縁端画素ユニット23bが非表示区域の第一ブラックマトリクス221に隣接する。本比較例に係る自由形状式表示パネルが図2(b)及び図3に示す構造を有する場合、中央画素ユニット及び縁端画素ユニットの概念図は図5(a)及び図5(b)に図示する。本比較例に係る自由形状式表示パネルが図2(a)に示す構造を有する場合、中央画素ユニット及び縁端画素ユニットの概念図は図5(c)及び図5(d)に図示する。図5(a)及び図5(c)に示すように、各中央画素ユニット23aにおける第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233は第一方向Xに沿って配列され、且つ第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233が第一電極121に対応される(図2(a)及び図2(b)参照)。なお、図5(b)及び図5(d)に示すように、各縁端画素ユニット23bにおいて第四サブ画素の第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は第一方向Xに沿って配列され、且つ第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は第二電極122に対応される(図2(a)及び図2(b)参照)。
【0028】
このほか、図4乃至図5Dの俯瞰図によると、第二ブラックマトリクス222は中央画素ブラックマトリクス223及び縁端画素ブラックマトリクス224を備える。中央画素ブラックマトリクス223は中央画素ユニット23aの間隔を空けるのに用いられ、これにより、複数の中央開口部区域24aがこれら前記第一電極121をそれぞれ露出させる(図2(a)及び図2(b)参照)。縁端画素ブラックマトリクス224は縁端画素ユニット23bの間隔を空けるのに用いられ、これにより、複数の縁端開口部区域24bがこれら前記第二電極122をそれぞれ露出させる(図2(a)及び図2(b)参照)。第一縁端サブ画素ユニット234は第一ブラックマトリクス221に隣接すると共に基板縁端21aに近接され、第二縁端サブ画素ユニット235は第一縁端サブ画素ユニット234と第三縁端サブ画素ユニット236との間に位置される。また、第一中央サブ画素ユニット231及び第一縁端サブ画素ユニット234は第一カラーをそれぞれ表示させ、第二中央サブ画素ユニット232及び第二縁端サブ画素ユニット235は第二カラーをそれぞれ表示させ、第三中央サブ画素ユニット233及び第三縁端サブ画素ユニット236は第三カラーをそれぞれ表示させ、且つ第一カラー、第二カラー及び第三カラーは異なるカラーである。第一中央サブ画素ユニット231、第一縁端サブ画素ユニット234、第二中央サブ画素ユニット232、第二縁端サブ画素ユニット235、第三中央サブ画素ユニット233及び第三縁端サブ画素ユニット236が表示されるカラーは図2及び図3に示すカラーフィルタ層250により決定される。また、カラーには特別な制限がなく、例えば第一カラーが赤色、第二カラーが緑色、第三カラーが青色でもよく、本発明はこれに限定されない。
【0029】
このほか、図5(a)乃至図5(d)に示すように、中央画素ユニットの第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233、或いは縁端画素ユニットの第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は、第一電極121及び第二電極122の構造が共に同じであり、且つ同じ稼働区域の面積を有する。また、中央画素ブラックマトリクス223或いは縁端画素ブラックマトリクス224に形成される中央開口部区域24a及び縁端開口部区域24bも同じ開口面積を有し、故に中央画素ユニット23a及び縁端画素ユニット23bの光出力面積は同じである。なお、いわゆる「中央画素ユニット23の光出力面積」とは、それが対応される中央画素ブラックマトリクス223の中央開口部区域24aで露出する第一電極121の稼働区域の面積と中央画素ブラックマトリクス223の開口率との乗積である。いわゆる「縁端画素ユニット23bの光出力面積」とは、それが対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bで露出する第二電極122の稼働区域の面積と縁端画素ブラックマトリクス224の開口率との乗積である。いわゆる中央画素ブラックマトリクス223/縁端画素ブラックマトリクス224の開口率は中央画素ユニット23a/縁端画素ユニット23bの区域の面積と中央画素ブラックマトリクス223/縁端画素ブラックマトリクス224の中央開口部区域24a/縁端開口部区域24bとの比率値であり、中央画素ユニット23a/縁端画素ユニット23bの区域の面積及びサイズはそれが対応される中央画素ブラックマトリクス223/縁端画素ブラックマトリクス224の隣接する2つの中央開口部区域24a/縁端開口部区域24bの隣接する2つの側辺の間の中心線により定義される。以下では、中央画素ブラックマトリクス223/縁端画素ブラックマトリクス224の中心線と略称する。
【0030】
しかしながら、図4に示すように、本比較例に係る自由形状式表示パネルであり、理想的には表示区域が図4に示す弧状趨勢線3を有する。但し、本比較例に係る縁端画素ユニット23b及び中央画素ユニット23aが同じ構造を有するため、縁端画素ユニット23bが配列された後では図4に示す弧状趨勢線3が得られず、表示区域が自由形状構造を有する目的を真の意味では達成できない。このため、本発明の下述の実施形態では縁端画素ユニット23bの設計を改変することで、表示区域が自由形状構造を有する目的を真の意味で達成させる。」
「【図4】
[図:0001406205000004.jpg]
」
「【図5】
[図:0001406205000005.jpg]
[図:0001406205000006.jpg]
[図:0001406205000007.jpg]
[図:0001406205000008.jpg]
」

(オ) 【0031】~【0032】、【図6】~【図8】

「【0031】
図6は本発明の第1実施形態及び第2実施形態の自由形状式表示パネルを説明する部分の概念図である。画素ユニットの断面線により示す区域は光出力面積である。縁端画素ユニットの構造以外の他の構造は比較例1と同じである。第1実施形態に係る自由形状式表示パネルが図2(b)及び図3に示す構造を有する場合、その縁端画素ユニットの概念図は図7(a)乃至図7(c)に図示する。第2実施形態に係る自由形状式表示パネルが図2(a)に示す構造を有する場合、その縁端画素ユニットの概念図は図8(a)乃至図8(c)に図示する。第1実施形態及び第2実施形態と比較例1の中央画素ユニットの構造は同じであるため、再述は省略する。
【0032】
図7(a)及び図8(a)に示すように、縁端画素ユニットを図6に示す弧状趨勢線3により近づけるため、第二電極122の外形を改変させずに、即ち、第一電極121及び第二電極122の構造が同じであるが、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率を選択的に改変させる。より具体的には、一部の縁端画素ユニット23bにおける第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの開口面積を、第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233が対応される中央画素ブラックマトリクス223の中央開口部区域24aの開口面積よりよりもそれぞれ小さく設計させる(図5(a)及び図5(c)参照)。即ち、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率が中央画素ブラックマトリクス223の開口率より小さくなり、一部の縁端画素ユニット23b及び中央画素ユニット23aの光出力面積が相異する。」
「【図6】
[図:0001406205000009.jpg]
」
「【図7】
[図:0001406205000010.jpg]
」
「【図8】
[図:0001406205000011.jpg]
」

(カ) 【0040】~【0041】、【図15】~【図17】

「【0040】
図15は本発明の第7実施形態及び第8実施形態の自由形状式表示パネルの部分の概念図である。画素ユニットの断面線で示す区域は光出力面積であり、縁端画素ユニットの構造以外、他の構造は比較例1と同じである。第7実施形態に係る自由形状式表示パネルが図2(b)及び図3に示す構造を有する場合、第一電極121及び第二電極122の縁端画素ユニットの概念図は図16(a)乃至図16(b)に図示する。第8実施形態に係る自由形状式表示パネルが図2(a)に示す構造を有する場合、第一電極121及び第二電極122の縁端画素ユニットの概念図は図17(a)乃至図17(b)に図示する。第7実施形態及び第8実施形態と比較例1の中央画素ユニットの構造は同じであり、再述は省略する。
【0041】
図16(a)及び図17(a)に示すように、第二電極122の第二方向Y上のサイズを改変させずに第一方向X上のサイズのみを改変させる。例えば、図16(a)に示すように、第二電極122の櫛歯電極棒状部の数量を減少させるか、或いは、図17(a)に示すように、第二電極122の第一方向Xの広さを減少させる。この場合、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の縁端開口部区域24bで露出する第二電極122の稼働区域の面積が実質的に同じになる目的を達成させるため、部分的な縁端画素ユニット23bにおける第一縁端サブ画素ユニット234が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積を前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積より小さく設計させ、且つ前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積が第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積よりも小さくなる。このほか、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの開口面積は第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233が対応される中央画素ブラックマトリクス223の中央開口部区域24aの開口の面積よりそれぞれ小さい(図5(a)及び図5(c)参照)。これにより、部分的な縁端画素ユニット23b及び中央画素ユニット23aの光出力面積が相異する。」
「【図15】
[図:0001406205000012.jpg]
」
「【図16】
[図:0001406205000013.jpg]
」
「【図17】
[図:0001406205000014.jpg]
」

(キ) 【0043】~【0045】、【図18】~【図20】

「【0043】
図18は本発明の第9実施形態及び第10実施形態の自由形状式表示パネルの部分の概念図である。画素ユニットの断面線で示す区域は光出力面積であり、縁端画素ユニットの構造以外、他の構造は比較例1と同じである。第9実施形態に係る自由形状式表示パネルが図2(b)及び図3に示す構造を有する場合、その縁端画素ユニットの概念図は図19に図示する。第10実施形態に係る自由形状式表示パネルが図2(a)に示す構造を有する場合、その縁端画素ユニットの概念図は図20に図示する。第9実施形態及び第10実施形態と比較例1の中央画素ユニットの構造は同じであり、再述は省略する。
【0044】
図18乃至図20に示すように、第9実施形態及び第10実施形態では、縁端画素ユニット23bが配列された後に図18に示す弧状趨勢線3が得られるように、部分的な縁端画素ユニット23bにおける第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bを第一側辺242及び第一側辺242に対応する第二側辺243をそれぞれ備えるように設計させ、且つ第一側辺242と第二側辺243との間に第一側辺242及び第二側辺243に相互に交叉する傾斜辺241を有する。同一の縁端画素ユニット23bにおける第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の第一基板21の基板縁端21aとの距離が最も近い傾斜辺241と第一方向Xとがそれぞれ同じ狭角を呈し、且つ前記狭角は90度より小さい。即ち、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の縁端開口部区域24bは台形を呈し、前記傾斜辺241は第一ブラックマトリクス221に隣接する。好ましくは、第一縁端サブ画素ユニット234が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積が前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積より小さく設計され、前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積が第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積より小さい。且つ、より好ましくは、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は第一基板21の基板縁端21aに距離が最も近い傾斜辺241と連接されて直線になる。
【0045】
このほか、第二電極122の第一方向X及び第二方向Y上のサイズをさらに改変させる。例えば、図19に示すように、第二電極122の櫛歯電極棒状部の数量及び第二電極122の第二方向Y上のサイズを減少させるか、或いは図20に示すように、第二電極122の第一方向X及び第二方向Y上の広さを減少させることで、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の光出力面積が実質的に同じになる。また、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの開口面積は第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233が対応される中央画素ブラックマトリクス223の中央開口部区域24aの開口面積よりそれぞれ小さい(図5(a)及び図5(c)参照)。」
「【図18】
[図:0001406205000015.jpg]
」
「【図19】
[図:0001406205000016.jpg]
」
「【図20】
[図:0001406205000017.jpg]
」

イ 引用文献1の記載から認定した事項

(ア) 認定事項1

a 図15に関して、段落【0040】に「縁端画素ユニットの構造以外、他の構造は比較例1と同じである。」との記載があるところ、「比較例1」については、段落【0027】に「第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233は第一電極121にそれぞれ対応される(図2(a)及び図2(b)参照)。」及び「第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は第二電極122にそれぞれ対応される(図2(a)及び図2(b)参照)。」との記載があるから、図15における中央画素ユニットと縁端画素ユニットの配置については図2を参照することになる。

b ここで、段落【0022】には、「図2(a)に示すように(中略)表示区域AAは中央画素区Pc及び縁端画素区Pbを有し、縁端画素区Pbは中央画素区Pcと非表示区域Bとの間に設置される。」並びに「第二基板11に設置される複数の第一電極121を有すると共に中央画素区Pcに位置される複数の中央画素ユニット」及び「第二基板11に設置される複数の第二電極122を有すると共に縁端画素区Pbに位置される複数の縁端画素ユニット」との記載がある。

c 以上を踏まえると、図15において、第二基板11の周縁部からみると、非表示区域B、縁端画素区Pb、中央画素区Pcの順で離れて位置しており、中央画素区Pcと縁端画素区Pbの境界では、中央画素区Pcにある中央画素ユニットは、縁端画素区Pbにある縁端画素ユニットに隣接しているといえる。そして、これは図15の第一方向Xに沿ってみても妥当することである。

d したがって、引用文献1の記載から、次の認定事項1が読み取れる。

<認定事項1>

「前記第一方向Xに沿ってみると、中央画素ユニット23aは、縁端画素ユニット23bに隣接しており、前記第二基板11の周縁から前記縁端画素ユニット23bよりさらに離れた位置にあること。」

(イ) 認定事項2

a 図15には「弧状趨勢線3」が点線で示されているところ、段落【0040】には、図15の弧状趨勢線3と縁端画素ユニットの関係についての記載はない。

b ここで、「弧状趨勢線3」については、段落【0030】に「図4に示すように、本比較例に係る自由形状式表示パネルであり、理想的には表示区域が図4に示す弧状趨勢線3を有する。」との記載があるから、図15の弧状趨勢線3についても、自由形状式表示パネルとして理想的な表示区域を示したものであると認められる。

c また、段落【0032】には「図7(a)及び図8(a)に示すように、縁端画素ユニットを図6に示す弧状趨勢線3により近づけるため、第二電極122の外形を改変させずに、即ち、第一電極121及び第二電極122の構造が同じであるが、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率を選択的に改変させる。」との記載があるから、縁端画素ユニットを弧状趨勢線3により近づけるため、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率を選択的に改変させることが開示されている。

d そして、段落【0041】には、「第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の縁端開口部区域24bで露出する第二電極122の稼働区域の面積が実質的に同じになる目的を達成させるため、部分的な縁端画素ユニット23bにおける第一縁端サブ画素ユニット234が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積を前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積より小さく設計させ、且つ前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積が第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積よりも小さくなる。」との記載があるところ、縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積の大小は、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率を変更することにより調整されることは明らかであるから、図15においても、縁端画素ユニットを弧状趨勢線3により近づけるため、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率を選択的に改変させていると認められる。

e したがって、引用文献1の記載から、次の認定事項2が読み取れる。

<認定事項2>

「縁端画素ユニット23bを、自由形状式表示パネルとして理想的な表示区域を示した弧状趨勢線3により近づけるために、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率が選択的に改変されるものであること。」

(ウ) 認定事項3

引用文献1の段落【0027】~【0030】、図4の記載は「比較例1」に関するものであるが、図6、図15及び図18に示される各実施形態の説明において、縁端画素ユニットの構造以外、他の構造は比較例1と同じであることが明示されており、前記各実施形態間においても、縁端画素ユニットの構造以外、他の構造は同じものであることは、明らかである。

ウ 引用発明の認定

前記アにおいて摘記した引用文献1の記載事項及び前記イの認定事項1~3を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明]

「表示区域が円形に近似する、自由形状式表示パネルであって(【0001】、【0006】)
表示区域AA及び非表示区域Bを有し、
非表示区域Bは表示区域AAを包囲させ、
表示区域AAは中央画素区Pc及び縁端画素区Pbを有し、
続きを表示(全24行)
縁端画素区Pbは中央画素区Pcと非表示区域Bとの間に設置され、
第一ブラックマトリクス221が非表示区域B内に位置されると共に第一基板21に位置され、
第二ブラックマトリクス222が表示区域AA内に位置されると共に第一基板21に位置され、
第二ブラックマトリクス222が第一ブラックマトリクス221に包囲される第一基板21と、
第一基板21に対向する一側に位置される第二基板11と、
第一基板21と第二基板11との間に位置される表示媒体層5と、(【0022】)
第二基板11に設置される複数の第一電極121を有すると共に中央画素区Pcに位置される複数の中央画素ユニット23aと、
第二基板11に設置される複数の第二電極122を有すると共に縁端画素区Pbに位置される複数の縁端画素ユニット23bと、を備え、(【0022】、【0027】、認定事項3)
第二ブラックマトリクス222は、中央画素ブラックマトリクス223及び縁端画素ブラックマトリクス224を備え、(【0028】、認定事項3)
縁端画素ユニット23bを、自由形状式表示パネルとして理想的な表示区域を示した弧状趨勢線3により近づけるために、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率が選択的に改変されるものであり、(前記認定事項2)
第一電極121及び第二電極122は、それぞれ櫛歯電極であり、(【0025】)
中央画素ユニット23aが第一ブラックマトリクス221に隣接せず、縁端画素ユニット23bが非表示区域の第一ブラックマトリクス221に隣接し、(【0027】、認定事項3)
中央画素ユニット23aは、第一電極121にそれぞれ対応される第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233を備え、(【0027】、認定事項3)
縁端画素ユニット23bは、第二電極122にそれぞれ対応される第一縁端サブ画素ユニット234と、第二縁端サブ画素ユニット235と、第三縁端サブ画素ユニット236をそれぞれ含み、(【0027】、認定事項3)
第一中央サブ画素ユニット231及び第一縁端サブ画素ユニット234は第一カラーをそれぞれ表示させ、第二中央サブ画素ユニット232及び第二縁端サブ画素ユニット235は第二カラーをそれぞれ表示させ、第三中央サブ画素ユニット233及び第三縁端サブ画素ユニット236は第三カラーをそれぞれ表示させ、且つ第一カラー、第二カラー及び第三カラーは異なるカラーであり、(【0028】、認定事項3)
第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232、第三中央サブ画素ユニット233、及び第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235、第三縁端サブ画素ユニット236はそれぞれ第一方向Xに沿って配列されており、(【0027】、認定事項3)
第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233が第一電極121に対応され、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は第二電極122に対応され、(【0027】、認定事項3)
前記第一方向Xに沿ってみると、中央画素ユニット23aは、縁端画素ユニット23bに隣接しており、前記第二基板の周縁から前記縁端画素ユニット23bよりさらに離れた位置にあり、(前記認定事項1)
第二電極122の第二方向Y上のサイズを改変させずに第二電極122の櫛歯電極棒状部の数量を減少させ、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の縁端開口部区域24bで露出する第二電極122の稼働区域の面積が実質的に同じになる目的を達成させるため、部分的な縁端画素ユニット23bにおける第一縁端サブ画素ユニット234が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積を前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積より小さく設計させ、且つ前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積が第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積よりも小さくなるようにした、(【0041】)
自由形状式表示パネル。(【0006】)」

(2) 引用文献2、3の記載事項及び周知技術の認定

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ア 引用文献2の記載事項

前記引用文献2(特開2003-186017号公報)には、以下のような記載がある。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関する。」
「【0007】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置は、より広い視野角を実現することが望まれている。また、高輝度の液晶表示装置が望まれている。さらに、高視野角及び高輝度の両方を備えた液晶表示装置が望まれている。本発明の目的は、広視野角及び/又は高輝度を実現する液晶表示装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれば、一対の基板と、一対の基板の間に挟まれ、基板間の電圧無印加時に液晶分子が基板に対して垂直配向し、基板間の電圧の印加によって基板に略平行となるように液晶分子が複数の方位に倒れる液晶層とを有する液晶表示装置が提供される。液晶層は、電圧印加時、画面右方位を0度としたときに反時計周りに角度を定義して、0~180度方位に液晶分子が傾く領域の割合と、180~360度方位に液晶分子が傾く領域の割合とが異なる。0~180度方位に液晶分子が傾く領域の割合と、180~360度方位に液晶分子が傾く領域の割合とを異ならせて適正な割合にすることにより、画面を上方位又は下方位から見ても適切な表示が可能になる。」

「【0029】図1(B)は画素の左右中央に一本上下にITO電極のパターンを設け、上下比率を変えた例を示す。画素領域103は、4つの領域141~144に分割される。このITO電極パターンから櫛歯状のITO電極を上側領域141,142では上方位に、下側領域143,144では下方位に向けて設定した。櫛歯状のITO電極の伸ばし方としては、画素の上側では腕を上に伸ばしたように設定した。一方、画素の下側では両腕を左右に広げつつ下げたように設定した。ここで、上側の領域141,142の比率を全体の3割に設定した。」

「【0032】図7、図9を参照して、すのこ状の電極のより正確なレイアウトを説明する。図7は図6(A)に対応し、図9は図1(B)に対応する。」

「【0035】図9の下部は、TFTのドレイン電極とITO電極のコンタクト領域901の拡大図を示している。すのこ状の電極903の端は開いていることが重要であり、極力ドレイン電極との間にスリット状の部位を形成するように設計した。すのこ状の電極902は、コンタクト領域901に接続される。」

「【図1】
[図:0001406205000018.jpg]
」
「【図9】
[図:0001406205000019.jpg]
」

イ 引用文献3の記載事項

前記引用文献3(国際公開第2009/084162号)には、以下のような記載がある。

「[0001] 本発明は、液晶表示装置に関し、特に、画素内に複数の配向分割領域を有する垂直配向型の液晶表示装置に関する。」

「[0032] (実施形態1)
図1は、本発明による実施形態1の液晶表示装置100の1つの画素の構造を模式的に示す平面図であり、図2は、液晶表示装置100の図1におけるA-A’線に沿った模式的な断面図である。」
「[0040] 図1に示すように、画素電極30は、方位角0°-180°方向に延びる幹部30aと、方位角90°-270°方向に延びる幹部30bと、方位角45°-225°方向(第1方向)に延びる複数の枝部30c(第1枝部)と、方位角135°-315°方向(第2方向)に延びる複数の枝部30d(第2枝部)とを有している。
[0041] 幹部30aは、画素10の中央付近に位置する幹部30aと幹部30bとの交差部から方位角0°方向に延びる幹部30aa、及び方位角180°方向に延びる幹部30abからなり、幹部30bは、交差部から方位角90°方向に延びる幹部30ba、及び方位角270°方向に延びる幹部30bbからなる。
[0042] 枝部30cは、幹部30aaまたは30baから方位角45°方向に延びる複数の枝部30ca、及び幹部30abまたは30bbから方位角225°方向に延びる複数の枝部30cbからなり、枝部30dは、幹部30abまたは30baから方位角135°方向に延びる複数の枝部30da、及び幹部30aaまたは30bbから方位角315°方向に延びる複数の枝部30dbからなる。」
「[図1]
[図:0001406205000020.jpg]
」

ウ 周知技術の認定

前記ア、イにおいて摘記した各引用文献の記載に例示されるように、次の事項は、本願の優先日以前に周知技術であったと認められる(以下「周知技術」という。)。

[周知技術]

「液晶表示装置の画素電極であって、複数の画素それぞれに位置し、横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む画素電極」

2 対比・判断について

(1) 対比

本願発明と引用発明を対比する。

ア 引用発明の「第二基板11」は、本願発明の「基板」に相当する。

イ(ア) 引用発明の「表示区域AA」は、本願発明の「表示領域」に相当する。

(イ) 引用発明において、「表示区域AA内に位置される」「第二ブラックマトリクス222」は、「非表示区域B内に位置される」「第一ブラックマトリクス221」に「包囲される」ものであり、「中央画素ユニット23aが第一ブラックマトリクス221に隣接せず、縁端画素ユニット23bが非表示区域の第一ブラックマトリクス221に隣接」するものである。

したがって、引用発明における「第二ブラックマトリクス222」が備える「中央画素ブラックマトリクス223及び縁端画素ブラックマトリクス224」のうち、「縁端画素ブラックマトリクス224」が、「非表示区域B内に位置される」「第一ブラックマトリクス221」に「包囲」されていることは明らかであり、「縁端画素ブラックマトリクス224」は、表示区域AAの外郭に位置しているといえる。

(ウ) よって、本願発明の「表示領域の外郭に位置し、コーナー部がラウンド状である遮光部材」と、引用発明の「縁端画素ブラックマトリクス224」は、「表示領域の外郭に位置」する「遮光部材」である点で共通する。

ウ 引用発明の「第二基板11に設置される複数の第一電極121を有すると共に中央画素区Pcに位置される複数の中央画素ユニット23aと、第二基板11に設置される複数の第二電極122を有すると共に縁端画素区Pbに位置される複数の縁端画素ユニット23b」は、本願発明の「前記基板上に位置する複数の画素」に相当する。

エ 前記ウを踏まえると、引用発明の「複数の第一電極121」及び「複数の第二電極122」は、本願発明の「前記複数の画素それぞれに位置し、横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む画素電極」と、「前記複数の画素それぞれに位置」する「画素電極」である点で共通する。

オ(ア) 引用発明においては、「縁端画素ユニット23bを、自由形状式表示パネルとして理想的な表示区域を示した弧状趨勢線3により近づけるために、縁端画素ブラックマトリクス224の開口率が選択的に改変されるもの」であるところ、「第二電極122の第二方向Y上のサイズを改変させずに第二電極122の櫛歯電極棒状部の数量を減少させ、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の縁端開口部区域24bで露出する第二電極122の稼働区域の面積が実質的に同じになる目的を達成させるため」、「縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積」が「第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236」の順で大きくなるようにしている。

(イ) そうすると、引用発明の「縁端画素ユニット23b」においては、「縁端画素ブラックマトリクス224」と「第二電極122」が重複する領域が存在することは明らかであるから、引用発明の「縁端画素ユニット23b」は、本願発明の「前記複数の画素」に含まれる「前記遮光部材と重複する第1画素」に相当する。

(ウ) 引用発明においては、「前記第一方向Xに沿ってみると、中央画素ユニット23aは、縁端画素ユニット23bに隣接して」いるから、前記(イ)及びウを踏まえると、引用発明の「中央画素ユニット23a」は、本願発明の「前記複数の画素」に含まれる「前記第1画素と隣接した第2画素」に相当する。

(エ) 前記(イ)及び(ウ)を踏まえると、本願発明と引用発明は、「前記複数の画素は、前記遮光部材と重複する第1画素と、前記第1画素と隣接した第2画素とを含[む]」点で一致する。

カ(ア) 引用発明において、「中央画素ユニット23aは、第一電極121にそれぞれ対応される第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233を備え、縁端画素ユニット23bは、第二電極122にそれぞれ対応される第一縁端サブ画素ユニット234と、第二縁端サブ画素ユニット235と、第三縁端サブ画素ユニット236をそれぞれ含[む]」ところ、次の引用発明の欄に記載した引用発明の各構成は、それぞれ、対応する本願発明の欄に記載した次の本願発明の構成に相当する。

<引用発明> <本願発明>

「中央画素ユニット23a」の 「第1副画素」

「第一中央サブ画素ユニット231」

及び

「縁端画素ユニット23b」の

「第一縁端サブ画素ユニット234」

「中央画素ユニット23a」の 「第2副画素」

「第二中央サブ画素ユニット232」

及び

「縁端画素ユニット23b」の

「第二縁端サブ画素ユニット235」

「中央画素ユニット23a」の 「第3副画素」

「第三中央サブ画素ユニット233」

及び

「縁端画素ユニット23b」の

「第三縁端サブ画素ユニット236」

(イ) 引用発明において、「第一中央サブ画素ユニット231及び第一縁端サブ画素ユニット234は第一カラーをそれぞれ表示させ、第二中央サブ画素ユニット232及び第二縁端サブ画素ユニット235は第二カラーをそれぞれ表示させ、第三中央サブ画素ユニット233及び第三縁端サブ画素ユニット236は第三カラーをそれぞれ表示させ」るところ、「第一カラー、第二カラー及び第三カラーは異なるカラー」であるから、次の引用発明の欄に記載した引用発明の各構成は、それぞれ、対応する本願発明の欄に記載した次の本願発明の構成に相当する。

<引用発明> <本願発明>

「第一カラーをそれぞれ表示させ」る 「第1色を表示する第1副画素」

「第一中央サブ画素ユニット231及び
第一縁端サブ画素ユニット234」

「第二カラーをそれぞれ表示させ」る 「第2色を表示する第2副画素」

「第二中央サブ画素ユニット232及び
第二縁端サブ画素ユニット235」

「第三カラーをそれぞれ表示させ」る 「第3色を表示する第1副画素」

「第三中央サブ画素ユニット233及び
第三縁端サブ画素ユニット236」

(ウ) したがって、本願発明と引用発明は、「前記複数の画素それぞれは、第1色を表示する第1副画素と、第2色を表示する第2副画素と、第3色を表示する第3副画素とを含[む]」点で一致する。

キ 引用発明の「第一方向X」は、本願発明の「第1方向」に相当するところ、前記カを踏まえると、引用発明において「第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232、第三中央サブ画素ユニット233、及び第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235、第三縁端サブ画素ユニット236はそれぞれ第一方向Xに沿って配列されて」いることは、本願発明において「前記第1副画素、前記第2副画素、および前記第3副画素は、第1方向に沿って配列されて」いることに相当する。

ク 前記オ及びキを踏まえると、引用発明において「前記第一方向Xに沿ってみると、中央画素ユニット23aは、縁端画素ユニット23bに隣接しており、前記第二基板の周縁から前記縁端画素ユニット23bよりさらに離れた位置」にあることは、本願発明において「前記第2画素は、前記第1画素と前記第1方向に隣接して前記基板の周縁から前記第1画素よりさらに遠く位置し」ていることに相当する。

ケ 前記エ及びカを踏まえると、引用発明において「第一中央サブ画素ユニット231、第二中央サブ画素ユニット232及び第三中央サブ画素ユニット233が第一電極121に対応され、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は第二電極122に対応され」ていることは、本願発明において「前記第1副画素、前記第2副画素、および前記第3副画素それぞれに前記画素電極が位置し」ていることに相当する。

コ(ア) 引用発明においては「部分的な縁端画素ユニット23bにおける第一縁端サブ画素ユニット234が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積を前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積より小さく設計させ[て]」いるところ、前記オを踏まえると、少なくとも「第一縁端サブ画素ユニット234」に対して「縁端画素ブラックマトリクス224」が、その一部を覆うように重畳していることは明らかである。

(イ) 前記(ア)、イ及びカを踏まえると、本願発明と引用発明は「前記第1画素の第1副画素が前記遮光部材と重畳し」ている点で共通する。

サ(ア) 引用発明は「第二電極122の第二方向Y上のサイズを改変させずに第二電極122の櫛歯電極棒状部の数量を減少させ、第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の縁端開口部区域24bで露出する第二電極122の稼働区域の面積が実質的に同じになる目的を達成させるため、部分的な縁端画素ユニット23bにおける第一縁端サブ画素ユニット234が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積を前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積より小さく設計させ、且つ前記第二縁端サブ画素ユニット235が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積が第三縁端サブ画素ユニット236が対応される縁端画素ブラックマトリクス224の縁端開口部区域24bの面積よりも小さくなるようにした」ものであるから、開口面積の相対的な大小に応じて電極122の数量を増減させており、相対的に開口面積の大きなサブ画素ユニットでは、電極122の占有する面積は小さくなり、相対的に開口面積の小さなサブ画素ユニットでは、電極122の占有する面積は大きくなる(図16を参照)。

したがって、相対的に開口面積の大きな「第二縁端サブ画素ユニット235」及び「第三縁端サブ画素ユニット236」における「第二電極122」の面積が、相対的に開口面積の小さな「第一縁端サブ画素ユニット234」における「第二電極122」の面積よりも小さくされていることは、明らかである。

(イ) 前記(ア)、エ及びカを踏まえると、本願発明と引用発明は、「前記第1画素の第2副画素及び第3副画素に位置する画素電極の面積は、前記第1画素の第1副画素に位置する画素電極の面積より小さい」点で共通する。

シ 引用発明の「自由形状式表示パネル」は、表示装置に用いられるものであることは明らかである。

したがって、本願発明と引用発明は、「表示装置」の発明である点で一致する。

ス 上記ア~シの対比内容をまとめると、本願発明と引用発明は、次の一致点で一致し、以下の相違点1~4で相違する。

[一致点]

「基板と、
表示領域の外郭に位置する遮光部材と、
前記基板上に位置する複数の画素と、
前記複数の画素それぞれに位置する画素電極とを含み、
続きを表示(全16行)
前記複数の画素は、
前記遮光部材と重複する第1画素と、
前記第1画素と隣接した第2画素とを含み、
前記複数の画素それぞれは、
第1色を表示する第1副画素と、
第2色を表示する第2副画素と、
第3色を表示する第3副画素とを含み、
前記第1副画素、前記第2副画素、および前記第3副画素は、第1方向に沿って配列されており、
前記第2画素は、前記第1画素と前記第1方向に隣接して前記基板の周縁から前記第1画素よりさらに遠く位置し、
前記第1副画素、前記第2副画素、および前記第3副画素それぞれに前記画素電極が位置し、
前記第1画素の第1副画素が前記遮光部材と重畳し、
前記第1画素の第2副画素及び第3副画素に位置する画素電極の面積は、前記第1画素の第1副画素に位置する画素電極の面積より小さい、表示装置。」

[相違点1]

表示領域の外郭に位置する遮光部材について、

本願発明は、「コーナー部がラウンド状である」のに対して、

引用発明の「縁端画素ブラックマトリクス224」は、「縁端画素ユニット23bを、自由形状式表示パネルとして理想的な表示区域を示した弧状趨勢線3により近づけるため」のものである点。

[相違点2]

第1画素の副画素と遮光部材との位置関係について、

本願発明においては「前記第1画素の第2副画素及び第3副画素が前記遮光部材と重畳せず」との限定があるのに対して、引用発明においては、そのような限定はなく、

複数の画素それぞれに位置する画素電極について、

本願発明は「横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む」ものであって、「前記第1画素の第2副画素に位置する微細枝部の間の間隔および第3副画素に位置する微細枝部の間の間隔は、前記第1画素の第1副画素に位置する微細枝部の間の間隔より広く、前記第1画素の第2副画素及び第3副画素に位置する微細枝部の面積は、前記第1画素の第1副画素に位置する微細枝部の面積より小さい」とされているのに対して、

引用発明の「第一電極121」及び「第二電極122」は「櫛歯電極棒状部」を含む「櫛歯電極」であり、「第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の縁端開口部区域24bで露出する第二電極122の稼働区域の面積が実質的に同じになる目的を達成させるため」に「第二電極122の第二方向Y上のサイズを改変させずに第二電極122の櫛歯電極棒状部の数量を減少させ[る]」ものである点。

(2) 判断

ア 相違点1について

引用発明の「縁端画素ブラックマトリクス224」は、縁端画素ユニット23bを、「表示区域が円形に近似」された「自由形状式表示パネルとして理想的な表示区域を示した弧状趨勢線3」により近づけるものであるところ、「表示区域が円形に近似」されるためには、「縁端画素ブラックマトリクス224」は、「コーナー部がラウンド状」になっているといえる。したがって、前記相違点1は、実質的な相違点ではない。

仮に「縁端画素ブラックマトリクス224」の「コーナー部がラウンド状」ではないとしても、「表示区域が円形に近似」された「自由形状式表示パネルとして理想的な表示区域を示した弧状趨勢線3」により近づけるために設けられるものである以上、その形状をラウンド状にすることは、当業者が通常検討すべき設計事項の範囲内のものである。

イ 相違点2について

(ア) 第1画素の副画素と遮光部材との位置関係について

a 前記引用文献1の【図18】を部分的に拡大して次に示す。

「【図18】(当合議体による部分拡大図)
[図:0001406205000021.jpg]
」

b 前記拡大図面の最下段についてみると、左端部の第一縁端サブ画素ユニット234は、その一部が縁端画素ブラックマトリクス224によって覆われているが、当該第一縁端サブ画素ユニット234の上辺の一部及び右上角部が覆われずに残されていることを鑑みると、その右に隣接する第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236は縁端画素ブラックマトリクス224によって覆われていないことが明らかに読み取れる。

c 前記bで指摘した前記拡大図面に示されている構成は、前記相違点2に係る「前記第1画素の第2副画素及び第3副画素が前記遮光部材と重畳せず」という本願発明の構成に相当するものであって、引用発明に当該構成を利用できることも明らかといえる。

d また、そもそもサブ画素ユニットのうちのいくつがブラックマトリクスによって覆われるかといったことは、自由形状式表示パネルとして理想的な表示区域を示した弧状趨勢線3の形状や画素のサイズなどによって決定されるべき事項であって、弧状趨勢線3の形状や画素のサイズがいかなるものであったとしても、ブラックマトリクスによって覆われるサブ画素ユニットを一つのみとしたことにより、何らかの技術的効果を奏するものでもないのであるから、設計事項の範囲を越えるものではない。

(イ) 複数の画素それぞれに位置する画素電極について

a 前記引用文献1の段落【0025】には、「第一電極121及び第二電極122が米字型の電極等であってもよい。」と記載されており、これは本願発明の「横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む画素電極」に相当する。

b 仮に前記「米字型の電極」が本願発明の「横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む画素電極」に相当するものではないとしても、前記1(2)ウで認定したように「液晶表示装置の画素電極であって、複数の画素それぞれに位置し、横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む画素電極」は周知技術であり、これを引用発明の画素電極に採用し、画素電極の面積に微細枝部の面積が含まれるようにすることに何ら困難性は認められない。

c そうすると、引用発明の画素電極(第一電極121及び第二電極122)として、本願発明のごとく、「横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む」ようにし、「第1画素」の「副画素」に位置する「微細枝部の面積」について、「第2副画素及び第3副画素」に係る面積が、「第1副画素」に係る面積よりも小さいように構成することは、当業者が適宜なし得た設計変更にすぎないというべきである。

(ウ) 第1画素の副画素に位置する微細枝部の間隔について

a 引用発明は「第一縁端サブ画素ユニット234、第二縁端サブ画素ユニット235及び第三縁端サブ画素ユニット236の縁端開口部区域24bで露出する第二電極122の稼働区域の面積が実質的に同じになる目的を達成させるため」に「第二電極122の第二方向Y上のサイズを改変させずに第二電極122の櫛歯電極棒状部の数量を減少させ[る]」ものとなっており、「櫛歯電極棒状部」の間隔を変更するものではない。

b しかしながら、櫛歯電極棒状部の数量を減少させる際に、どの棒状部を減少させるか(例えば三本並んだ棒状部の真ん中を除くか、端のものを除くか)、また残った棒状部の間隔を均等に調整するか否か、といったことは当業者が適宜選択すべき設計事項であって、棒状部の間隔は当該選択に応じて変化するものにすぎない。これは電極構造を「横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む画素電極」とした場合も同様である。

c なお、そもそも電極面積を調整する手法として、電極の幅、長さ、間隔に着目することは、当業者が当然に考慮すべき技術常識である。

d したがって、引用発明の画素電極(第一電極121及び第二電極122)について、本願発明のごとく、「横幹部、縦幹部、および複数の微細枝部を含む」ようにし、「第1画素」の「副画素」に位置する「微細枝部の間の間隔」について、「第2副画素」及び「第3副画素」に係る間隔が、「第1副画素」に係る間隔よりも広くなるように構成することは、当業者が適宜なし得た設計変更にすぎないというべきである。

ウ 総合評価

上記ア及びイにおいて検討したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、上記相違点1及び2に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって格別の困難性はない。

そして、相違点1及び相違点2を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難で、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。

したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。

3 請求人の主張について

(1) 請求人の主張の概要

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令和5年6月14日に提出した意見書の「(4-1-1)本願請求項1に係る発明と引用文献1に記載された発明との対比」において、請求人は概略次の主張をしている。

ア 本願発明の技術的特徴について

本願発明は、有機発光表示装置の発明であり、以下の技術的特徴を有する。

「前記第1画素の第1副画素が前記遮光部材と重畳し、
前記第1画素の第2副画素及び第3副画素が前記遮光部材と重畳せず、
前記第1画素の第2副画素に位置する微細枝部の間の間隔および第3副画素に位置する微細枝部の間の間隔は、前記第1画素の第1副画素に位置する微細枝部の間の間隔より広く、
前記第1画素の第2副画素及び第3副画素に位置する微細枝部の面積は、前記第1画素の第1副画素に位置する微細枝部の面積より小さい」

イ 本願発明の容易想到性について

引用発明は、上記技術的特徴を有していない点で本願発明とは相違する。

引用文献1のみならず引用文献2,3には、本願発明の上記技術的特徴についての開示も示唆も無く、引用文献1に記載の発明に引用文献2または3に記載の構成を適用しても当業者が本願発明に容易に想到するとはいえない。

また、本願発明の電極構造において、微細枝部間の間隔が狭い(面積が大きい)ほど、当該副画素の輝度は高くなるので、(遮光部材と重畳しない)第1画素の第2、3副画素に位置する微細枝部の間の間隔を、(遮光部材と重畳する)第1画素の第1副画素に位置する微細枝部の間の間隔より広く形成することによって、遮光部材と重畳する第1画素の第1副画素の輝度を高め、第1画素でカラーシフトが発生することを防止することができる有利な効果を奏する。

したがって、残った棒の間隔(面積)を均等に調整するか否かによって遮光部材と重畳する画素におけるカラーシフトが防止されるので、これを当業者が当然考慮すべき技術常識と判断することは不当であり、本願発明は、引用文献1~3に係る発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2) 検討

前記(1)の請求人の主張について検討する。

まず、本願発明は、「表示装置」の発明であって、有機発光表示装置の発明であることは請求項1において特定されておらず、本願の発明の詳細な説明の段落【0050】には「…本実施例による表示装置は、液晶表示装置や有機発光表示装置であってもよい。」と明記されていることも考慮すると、本願発明の「表示装置」を「有機発光表示装置」に限定して解釈するのは適当ではないから、請求人の「本願発明は、有機発光表示装置の発明であり」という主張は請求項の記載に基づかないものである。

また、前記2において説示したとおり、請求人の主張する本願発明の技術的特徴は、前記引用発明に含まれるか、前記引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものにすぎず、格別のものであるとはいえない。

さらに、請求人は、本願発明は「カラーシフトが発生することを防止することができる」という有利な効果を奏する旨主張するが、引用発明は各サブ画素ユニットで露出する第二電極の稼働区域の面積が実質的に同じになる目的を達成させるものであるから、引用発明も当該効果を奏することは、明らかである。

したがって、請求人の前記(1)の主張は、採用することはできない。

第5 むすび

以上検討のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-008847

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