商標拒絶査定不服審判
2022-008521
ケンロ、ケンロー
- 審判番号
- 2022-008521
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-038091
- 請求日
- 2022年06月06日
- 審決日
- 2023年06月13日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社Flatt Security
- 【請求人代理人】青木 孝博
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .261-WY (W4142) / T18 .262-WY (W4142) / T18 .263-WY (W4142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-38091拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標
本願商標は、「KENRO」の欧文字を標準文字で表してなり、第41類「コンピュータセキュリティに関する知識の教授,オンラインによる通信教育,オンラインによる訓練セミナーの提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,オンラインによる画像・映像及び音声の提供,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏」及び第42類「コンピュータセキュリティに関する電子計算機プログラムの設計・作成,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,オンラインによるコンピュータセキュリティの学習用コンピュータプログラムの提供,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として、令和3年3月30日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年1月11日付けで拒絶理由の通知がされ、同年2月18日付けで意見書が提出されたが、同年3月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年6月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続している。
(1)登録第5840995号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「健老」(標準文字)
登録出願日:平成27年10月10日
設定登録日:平成28年4月15日
指定商品及び指定役務:第16類、第41類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(2)登録第5840996号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「賢老」(標準文字)
登録出願日:平成27年10月10日
設定登録日:平成28年4月15日
指定商品及び指定役務:第16類、第41類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「KENRO」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に載録のない文字であり、また、特定の意味合いを有するものとして認識されているといった事情は見いだせないものである。そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、本願商標は、その構成文字に相応して「ケンロ」又は「ケンロー」の称呼が生じる。また、「ケンロ」又は「ケンロー」と発音される日本語は、「険路」、「賢路」、「堅牢」、「賢郎」等、多岐にわたる(広辞苑第七版)ことをも考慮すれば、本願商標から特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、「健老」の漢字を標準文字で表してなるところ、該文字は辞書等に載録されているものではなく、また特定の意味合いを有するものとして認識されているといった事情も見いだせないものの、引用商標1を構成する「健」及び「老」の漢字は、我が国において広く一般に知られた漢字であって、その組合せから「健康な老人」ほどの意味合いを想起させるものである。そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「ケンロウ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものの、「健康な老人」ほどの一定の意味合いを想起させるものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、「賢老」の漢字を標準文字で表してなるところ、該文字は辞書等に載録されているものではなく、また特定の意味合いを有するものとして認識されているといった事情も見いだせないものの、引用商標2を構成する「賢」及び「老」の漢字は、我が国において広く一般に知られた漢字であって、その組み合わせから「賢い老人」ほどの意味合いを想起させるものである。そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して「ケンロウ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものの、「賢い老人」ほどの一定の意味合いを想起させるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否を検討するに、外観においては、本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、上記(1)及び(2)ア及びイのとおり、明らかに相違するものである。
次に、称呼においては、本願商標から生じる「ケンロー」の称呼と引用商標から生じる「ケンロウ」の称呼とは、語尾の長音と「ウ」の音という差異はあるものの、引用商標の「ウ」の音は、直前の音の母音「o」に続けて発音されることにより、長音と非常に近似した音となることから、両称呼をそれぞれ一連に発音した場合には、その語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがある類似のものである。他方で、本願商標から生じる「ケンロ」の称呼と、引用商標から生じる「ケンロウ」の称呼とは、語尾の「ウ」の音の有無において差異を有し、3音又は4音と極めて短い音構成において、当該差異が全体の称呼に与える影響は決して小さいとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼すれば、語調、語感が相違し、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本願商標は、特定の観念が生じないのに対し、引用商標1は、「健康な老人」ほどの意味合いを、引用商標2は、「賢い老人」ほどの意味合いを想起させるものであるから、本願商標と引用商標の観念が紛れるおそれはない。
以上よりすると、本願商標と引用商標は、称呼において類似する場合があるとしても、本願商標の他の称呼においては明瞭に聴別できるものである上、外観において明らかに相違し、観念においても紛れるおそれはないから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
本願商標と引用商標は、上記(3)のとおり、非類似の商標であるから、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務が類似するものであるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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