特許拒絶査定不服審判
2022-007770
燃焼サイクルプロセス
- 審判番号
- 2022-007770
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-081990外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年05月24日
- 審決日
- 2023年01月11日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .113-Z (F02B) / P18 .121-Z (F02B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-81990「燃焼サイクルプロセス」拒絶査定不服審判事件〔令和2年9月3日出願公開、特開2020-139506〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)4月17日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年4月17日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2017-505708の一部を令和2年5月7日に新たに特許出願したものであって、令和3年2月15日付け(発送日:同年2月22日)で拒絶理由が通知され、令和3年8月23日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年1月20日付け(発送日:同年1月24日)で拒絶査定がされ、これに対して、令和4年5月24日に拒絶査定不服審判が請求され、それと同時に手続補正書が提出されたものである
。
第2 令和4年5月24日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和4年5月24日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正前(令和3年8月23日付けの手続補正書)の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
2ストローク燃焼サイクルまたはガスタービンを介して、仕事を生成するためのプロセスであって、
酸化剤を圧縮し、
圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し、
圧縮された前記酸化剤に対して、とりわけ燃料である還元剤を混合し、混合物を熱を使用して着火させ、
着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成することを可能にし、
燃焼させて膨脹させた前記混合物と、圧縮した前記酸化剤と、の間において熱交換を行い、
燃焼させて膨脹させた前記混合物を排気する、
ことを特徴とするプロセス。」
(2)そして、本件補正により、上述の本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおり補正された(下線は、請求人が補正箇所を示すために付したものである。)。
「【請求項1】
2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセスであって、
酸化剤を圧縮し、
圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し、
前記酸化剤に対して還元剤を混合し、混合物を熱を使用して着火させ、
着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成することを可能にし、
燃焼させて膨脹させた前記混合物と、圧縮した前記酸化剤と、の間において熱交換を行い、
燃焼させて膨脹させた前記混合物を排気する、プロセスであって、
燃焼させた前記混合物のエネルギーを使用することにより、前記酸化剤を圧縮するために使用される、
ことを特徴とするプロセス。」
2 本件補正の適否
(1)本件補正の内容
本件補正のうち、「2ストローク燃焼サイクルまたはガスタービン」を「2ストローク燃焼サイクル」とする補正、「燃焼させた前記混合物のエネルギーを使用することにより、前記酸化剤を圧縮するために使用される」事項を追加する補正(以下「補正事項1」という。)は、
請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「2ストローク燃焼サイクルまたはガスタービンを介して、仕事を生成するためのプロセス」について、
「2ストローク燃焼サイクルまたはガスタービン」を「2ストローク燃焼サイクル」に限定し、さらに、
「プロセス」を「燃焼させた前記混合物のエネルギーを使用することにより、前記酸化剤を圧縮するために使用される」ものであることに限定するものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明との産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、本件補正のうち、「圧縮された前記酸化剤に対して、とりわけ燃料である還元剤を混合し」を「前記酸化剤に対して還元剤を混合し」とする補正(以下「補正事項2」という。)は、
令和3年2月15日付け拒絶理由において不明確とされた「とりわけ」なる用語が用いられた記載を明確にする補正であるから、特許法第17条の2第5項第4号の不明瞭な記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、補正事項1は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的としたものであるから、補正事項1を含む本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下、検討する。
本件補正発明は、前記「第2 [理由] 1(2)」に本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1として記載したとおりのものである。
ここで、本件補正発明は
「2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセス」として、
「酸化剤を圧縮し、
圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し、
前記酸化剤に対して還元剤を混合し、混合物を熱を使用して着火させ、
着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成することを可能にし、
燃焼させて膨脹させた前記混合物と、圧縮した前記酸化剤と、の間において熱交換を行い、
燃焼させて膨脹させた前記混合物を排気する、プロセスであって、
燃焼させた前記混合物のエネルギーを使用することにより、前記酸化剤を圧縮するために使用される、
こと」
を特定しているが、
当該特定は、その記載から、
「2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセス」における順序として、「圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し」た後で「着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成する」ことも特定するとして対比及び判断を行った。
(2)引用文献
ア 引用文献1
本願の出願前に頒布された実願昭60-22571号(実開昭61-140125号)のマイクロフィルム(以下「引用文献1」という。)には、「2サイクル排気熱回収機関」に関して、次の事項が記載されている(下線は、当審にて付与した。)。
(ア)第7頁第15行~第8頁第8行
「第1図に本機関の構成を、部分断面図と、ブロック図で示す。1は主機であり、通常の往復運動式機関の構成を成している。即ち、シリンダライナ11を形成するシリンダブロック、ピストン12、コネクティングロッド13、クランクシャフト14によりシリンダライナ11内をピストン12が往復運動する構造となっている。21は、シリンダヘッドであり、排気マニホルド(熱交換器ケーシングを兼ねる)30、高圧空気マニホルド40を備えるとともに、排気及び高圧空気導管との連通開閉を制御する排気弁24、給気弁22、および両弁を駆動するカム軸25、23を備えている。29は、シリンダ内へ燃料を噴射する燃料噴射弁である。」
(イ)第8頁第9行~第9頁第9行
「50は往復式の圧縮機であり、通常広く用いられている型式のものであり、吸入弁、吐出弁等詳細は省略してある。圧縮機50は、図記せる如く、クランク52、コネクティングロッド53によりピストン51をシリンダ54内に往復運動させることによって、空気の圧縮を行う。圧縮機50は、図においては、主機1の主軸14から、ベルト等の伝達手段15を介して、圧縮機クランク軸52が回転されるように示されている。圧縮機50の駆動は、図示によらず、主機クランク軸14と一体の軸による駆動、歯車チェーン等他の伝達手段による駆動、または主機クランク軸14と、継手を介して、同軸状に圧縮機クランク軸52を配設駆動する構造によってもよい。圧縮機50の駆動は、主機1の排出容量と圧縮機50の吐出容量に依存するとともに、機関のレイアウトによっても自由に選択さるべきものである。
49はタービン過給機であり、41、42、43、44、46は主機給気側の導管、31、33は、主機排気側の導管である。また、32は排気タービン、45は遠心式の低圧圧縮機である。」
(ウ)第9頁第10~13行
「42は熱交換器を示しており、主機1の排気マニホルド30に設けられ、排気ガスと主機1に供給される圧縮機50からの高圧空気との間の熱交換を行なう。」
(エ)第9頁第18行~第10頁第17行
「第1図は、主機1のピストン12が上死点位置にある状態を示し、給気弁22が開放直後の状態にある。作動ガスである空気は、導管46より吸入され、過給機49の圧縮機45で、低圧加圧され、往復型圧縮機50へ導管44を介し導入される。この際、過給機49による空気加圧度は、導入大気に対し、通常大気圧~10kg/cm2abs.程度である。過給機49は主機1の排気流量が小さい場合は、ほとんど加圧能力を持たない。しかし、通常の過給機関で使用されている吐出圧よりは、高い吐出圧で使用してよい。
次に往復型圧縮機50は導入された低圧空気をピストン51の圧縮作用により、加圧し、高圧空気を吐出する。この際の空気圧は、機関の使用により適宜設定されてよいが、主機1内での燃焼等を考慮すれば、30~60kg/cm2abs.が適当である。この際加圧空気の温度は、圧縮により、300~600℃程度に上昇する。この加圧空気は、導管43、42、41を通り、給気用マニホルド40へ供給される。」
(オ)第10頁第18行~第11頁第4行
「導管は、42の部分で排気マニホルド30内を通るが、ここで排気熱により加熱される構造を成しており、導管42、41、40の間で加圧空気はさらに圧力・温度を高めることとなる。なお、給気及び排気マニホルド40、30、さらに各導管43、41は外部への熱放散を防ぐ為、断熱されている。」
(カ)第11頁第13行~第12頁第1行
「主機シリンダ11内で燃焼・膨張を終えた作動ガスは、カム25の回動にともなう排気弁24の開放と、ピストン12の上昇により、排気マニホルド30へ排出される。排出ガスは、マニホルド30内で前述の如く、給気への熱放出後、導管31を経て、過給機40のタービン32へ導かれ、圧縮機45を駆動する。タービン32で膨張を終えた排気ガスは導管(排気管)33を通り大気へ放出される。」
(キ)第12頁第2行~第14頁第4行
「次に、第2図をもとに、主機1内での作動行程を説明する。第2図の(イ)は、排気行程を示す。なお、クランク14は右回転である。排気弁24は開放位置にあり、クランク14の回転により、ピストン12が上昇し既燃ガスをシリンダから排出する。(ロ)はピストン12が上死点近傍まで上昇し、排気弁を閉じた状態を示す。吸気弁22が開放され高圧空気が、この時点よりシリンダ11内へ噴出し始める。(図中の矢印は空気ガス、噴霧の流れを示す。)(ハ)は、クランクが更に右回転し、噴射ノズル29から、燃料が噴射され始めた状態を示す。吸気弁22の開放は続いており、高圧空気はシリンダ11内へ流入し続けている。高圧空気は、前述の圧縮機50で加圧されたもので、主機シリンダ11内で膨張を始めるが、既に圧縮機50で圧縮仕事を伴なっている為、主機1で膨張し、ピストン12に作用しても有効仕事とはならない。しかし、前述したように排気マニホルド30内で、排気ガスのエネルギーを回収し、空気それ自身が昇圧、加熱されたエネルギーは、主機クランク14を介して、有効な仕事として取り出せる。このように、上死点以降、シリンダ11内へ噴射されピストン12の下降行程で、ピストン12を介し、回転軸に作用する高圧空気のなす余剰仕事によって、排気熱は、有効仕事に回収される。
(ニ)は、給排気弁22、23とも閉じられ、噴射燃料が燃焼し、燃焼ガスが膨脹すると共にピストン12が下降する過程である。この行程により機関は、仕事(回転力)を発生する。なお、燃焼は、高圧給気のシリンダ内噴射により十分な空気流動が得られているので、燃料と空気の混合は本来良好であり、燃料の噴射とともに迅速に完結する。この際、給気弁あるいは導入路に空気に旋回運動を与える事も容易である。又、噴射された燃料は、自己着火により、燃焼を開始するが、前述の如く、空気の圧縮および排気熱の回収により空気は燃料の着火温度以上の温度となっているので問題ない。(ニ)の行程の終端(下死点)にて膨張は終結し、(イ)の排気行程へ移り、サイクルが繰り返される。
以上のように、ピストンの上昇、下降の2行程にて、1サイクルは完了する。」
(ク)第14頁第5行~第15頁第14行
「第3図、(イ)、(ロ)は、各々、主機1および往復式圧縮機50のPV線図を示す。
(イ)に示す主機1のPV線図は、従来の往復式内燃機関のように圧縮行程を持たない為、a→bの間は、既燃ガスの排気のみ行う。従って、この間で圧力上昇はなく、圧力はほぼ大気圧P0に近い値なる。点bで排気弁が閉じ給気弁が開くと、高圧空気がシリンダ内へ流入し、圧力は上昇する。尚、Vcは上死点時のスキマ容積、Vhはピストンの行程容積である。点cにおいて、シリンダ11内は給気圧P1に達する。さらに点dまでは、燃焼が開始されず、給気の流入が続く。c~d間は、給気圧P1で等圧の為、ピストン下降分だけ給気は流入する。点dにて、給気弁22が閉じ燃焼が開始される。燃焼過程は、点d→e→f間であり、燃料発熱量Qfがシリンダ11内へ供給される。図では、d→e間を等容、e→f間を等圧で示しているがこの過程は、燃料の噴射等で変化させ得る。f→g間は、断熱膨張の行程である。従来機関ではf→g間の容積比、即ち、膨張比が、機関圧縮比によってほぼ決定されるのでまた、過度に高い圧縮比は、最高圧力を高める為、制約を受け易い。しかし、本件の場合、最高圧(図ではP2)は、給気圧により制御し得るため、比較的大きな膨張比、即ち、Vhを大きくし、(Vh+Vc)/Vcを大きくする事が可能となり、熱効率を高める事が出来る。
点gにおいて、膨張行程が完了し、排気弁24の下方によって、既燃ガスのブローダウンが生じ、点aへ戻りサイクルが完結する。」
上記記載事項を総合し、本件補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。
[引用発明1]
「ピストンの上昇、下降の2工程にて完了する、燃焼過程を含む1サイクルを介して、仕事を取り出すためのプロセスであって、
空気を、タービン過給機49の低圧圧縮機45及び往復型圧縮機50によって圧縮し、
圧縮された前記空気を主機シリンダ11内に供給して、圧縮された前記空気を用いて仕事を取り出し、
前記空気に対して燃料を噴射し、前記燃料と前記空気は混合し、前記燃料を自己着火させ、
前記燃料が燃焼した燃焼ガスを膨脹させ、これにより仕事を発生させることを可能にし、
燃焼・膨脹を終えた作動ガスが排気マニホルド30へ排出され、前記排気マニホルド30へ排出された排出ガスと、高圧空気と、の間において熱交換を行い、
前記排出ガスは前記タービン過給機49のタービン32へ導かれ、前記タービン32で膨張を終えた排気ガスを排気する、プロセスであって、
燃焼・膨脹を終えた前記作動ガスが前記排気マニホルド30へ排出された前記排出ガスが前記タービン32へ導かれ、前記低圧圧縮機45を駆動することにより、前記空気を圧縮するために使用される、
ことを特徴とするプロセス。」
(3)対比・判断
本件補正発明と引用発明1とを対比すると、後者の「ピストンの上昇、下降の2工程にて完了する、燃焼過程を含む1サイクル」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、前者の「2ストローク燃焼サイクル」に相当し、以下同様に、「空気」は「酸化剤」に、「燃料」は「還元剤」に、「高圧空気」は「圧縮した前記酸化剤」に、それぞれ相当する。
また、後者の主機シリンダ11内は空間が区画されているから、後者の「圧縮された前記空気を主機シリンダ11内に供給して」なる事項は、前者の「圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して」なる事項に相当する。
また、引用文献1の前記「第2[理由]2(2)ア(キ)」には「燃焼は、高圧給気のシリンダ内噴射により十分な空気流動が得られているので、燃料と空気の混合は本来良好であり、燃料の噴射とともに迅速に完結する。」と記載され、さらに、「噴射された燃料は、自己着火により、燃焼を開始する」と記載されている。
ここで、一般的な自己着火においては、燃料のみではなく、空気と燃料の混合物が高温の熱により着火するとの技術常識からみて、引用文献1の前記「第2[理由]2(2)ア(キ)」からみて、後者は、燃料と空気の混合物が高温の熱により着火しているといえる。
してみると、後者の「前記燃料を自己着火させ」なる事項は、前者の「混合物を熱を使用して着火させ」なる事項に相当する。同様に、後者の「燃焼ガス」は、燃料と空気の混合物が自己着火して燃焼を開始することで生成されるものであるから、前者の「着火させた前記混合物」に相当する。さらに、後者の「作動ガス」、「排出ガス」及び「排気ガス」は、いずれも、燃料と空気の混合物の燃焼により膨張し生じる「ガス」であるとの技術常識から、前者の「燃焼させて膨脹させた前記混合物」及び「燃焼させた前記混合物」に相当する。
また、引用文献1の前記「第2[理由]2(2)ア」の「(エ)」及び「(カ)」から、前記排出ガスは前記タービン32へ導かれ、低圧圧縮機45を駆動するものであり、これは、排出ガスのエネルギーを使用することにより低圧圧縮機45が駆動されているといえる。
してみると、後者の「燃焼・膨脹を終えた前記作動ガスが前記排出ガスとして前記タービン32へ導かれ、前記低圧圧縮機45を駆動することにより、前記空気を圧縮するために使用される」なる事項は、前者の「燃焼させた前記混合物のエネルギーを使用することにより、前記酸化剤を圧縮するために使用される」なる事項に相当する。
したがって、両者は、
「2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセスであって、
酸化剤を圧縮し、
圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し、
前記酸化剤に対して還元剤を混合し、混合物を熱を使用して着火させ、
着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成することを可能にし、
燃焼させて膨脹させた前記混合物と、圧縮した前記酸化剤と、の間において熱交換を行い、
燃焼させて膨脹させた前記混合物を排気する、プロセスであって、
燃焼させた前記混合物のエネルギーを使用することにより、前記酸化剤を圧縮するために使用される、
ことを特徴とするプロセス。」
である点で一致する。
しかしながら、本件補正発明は、「2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセス」における順序として、「圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し」た後で「着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成する」ことも特定するのであるから、これを踏まえると、次の[相違点]で相違する。
[相違点]
本件補正発明は、
「圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し」た後で「着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成する」
という順序で行われるのに対し、
引用発明1は、
「圧縮された空気を主機シリンダ11内に供給して、圧縮された空気を用いて仕事を取り出した後で、燃焼ガスを膨脹させ、これにより仕事を発生させる」事項
に関し、文言として明確に特定されていない点。
上記相違点について検討する。
前記「第2[理由]2(2)(キ)」の特に「(ハ)は、クランクが更に右回転し、噴射ノズル29から、燃料が噴射され始めた状態を示す。吸気弁22の開放は続いており、高圧空気はシリンダ11内へ流入し続けている。高圧空気は、前述の圧縮機50で加圧されたもので、主機シリンダ11内で膨張を始めるが、既に圧縮機50で圧縮仕事を伴なっている為、主機1で膨張し、ピストン12に作用しても有効仕事とはならない。しかし、前述したように排気マニホルド30内で、排気ガスのエネルギーを回収し、空気それ自身が昇圧、加熱されたエネルギーは、主機クランク14を介して、有効な仕事として取り出せる。このように、上死点以降、シリンダ11内へ噴射されピストン12の下降行程で、ピストン12を介し、回転軸に作用する高圧空気のなす余剰仕事によって、排気熱は、有効仕事に回収される。」なる記載から、
上死点以降、排気マニホルド30内で排気ガスのエネルギーを回収した高圧空気が、ピストン12を介し回転軸に仕事を作用する、すなわち、上死点以降、高圧空気により仕事が発生していることが記載されているといえる。
また、上記「(キ)」の特に「(ニ)は、給排気弁22、23とも閉じられ、噴射燃料が燃焼し、燃焼ガスが膨脹すると共にピストン12が下降する過程である。この行程により機関は、仕事(回転力)を発生する。」なる記載から、
噴射燃料が燃焼し、燃焼ガスが膨脹しピストン12が下降する過程において、機関は仕事を発生することが記載されているといえるし、技術常識からみて、当該燃焼ガスが膨脹しピストン12が下降する過程における仕事は、燃焼ガスの膨脹により生成されているといえる。
また、前記「第2[理由]2(2)(ク)」の特に「Vcは上死点時のスキマ容積、Vhはピストンの行程容積である。点cにおいて、シリンダ11内は給気圧P1に達する。さらに点dまでは、燃焼が開始されず、給気の流入が続く。c~d間は、給気圧P1で等圧の為、ピストン下降分だけ給気は流入する。点dにて、給気弁22が閉じ燃焼が開始される。燃焼過程は、点d→e→f間であり、燃料発熱量Qfがシリンダ11内へ供給される。図では、d→e間を等容、e→f間を等圧で示しているがこの過程は、燃料の噴射等で変化させ得る。f→g間は、断熱膨張の行程である。」なる記載から、
上死点時の点cから点dまでは、燃焼が開始されず、給気が流入しており、点dにて給気弁22が閉じる、すなわち給気の流入が終了すること、当該点dにて燃焼が開始され、その後断熱膨張の行程が行われること、が記載されているといえる。
してみると、上死点時の点cから上死点以降の点dまでの過程において、排気ガスのエネルギーを回収した高圧空気の流入により仕事が発生しており、点d以降の、燃焼ガスが膨脹しピストン12が下降する過程において、燃焼ガスの膨脹により仕事が生成されているといえる。
そうすると、引用発明1も
「圧縮された空気を主機シリンダ11内に供給して、圧縮された空気を用いて仕事を取り出した後で、燃焼ガスを膨脹させ、これにより仕事を発生させる」
ものであるといえる。
よって、本件補正発明は引用発明1である。
また、仮に、引用文献1には、
「圧縮された空気を主機シリンダ11内に供給して、圧縮された空気を用いて仕事を取り出した後で、燃焼ガスを膨脹させ、これにより仕事を発生させる」事項
に関し、文言として明記されていないから、本件補正発明は引用発明1であるとはいえないとしても、
前記「第2[理由]2(2)」の「(キ)」及び「(ク)」の上記記載から、
引用発明1において、
「圧縮された空気を主機シリンダ11内に供給して、圧縮された空気を用いて仕事を取り出した後で、燃焼ガスを膨脹させ、これにより仕事を発生させる」
ように構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本件補正発明は、全体としてみても、引用発明1から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。
よって、本件補正発明は、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)請求人の主張について
ア 請求人の主張の内容
請求人は審判請求書において次のように主張している。
(ア)主張1
「本願請求項1に係る発明は、図4および本願明細書段落[0056]に記載されているように、4つのステージを有する燃焼サイクルであり、そのうちの2つのステージにおいて、圧縮された酸化剤により仕事を生じさせること、および燃焼により仕事を生じさせることが、2つのストロークのうちの1つの間に生じ、他の2つのステージにおいて、排出および圧縮ステージの少なくとも一部が、2つのストロークのうちの他の1つの間に生じる。
本願明細書段落[0056]、[0058]、[0107]、[0108]、および図4に記載されているように、圧縮された酸化剤は燃焼チャンバへと供給され、例えばシリンダ内のピストンの移動またはタービンの第1のステージを駆動することにより、圧縮された酸化剤を用いて、仕事が生成されます。酸化剤は圧縮されており、仕事を生成するために使用されるので、比較的大量の酸化剤が燃焼チャンバへと供給され、それはディーゼルエンジン、オットーサイクルエンジン、および引用文献1のエンジンよりもはるかに多い。この比較的多くの量を燃焼チャンバへと供給した後に、燃料が、非常に高圧且つ非常に高温の圧縮された酸化剤へと射出され、自発的に着火する混合物を生成する。すなわち第1のストロークは、初期的に圧縮空気を用いて、それに続いて圧縮空気および燃焼により仕事を生成する。」
(イ)主張2
「高温下においては、本願図4に示されたように、爆発の範囲は非常に広い。本願発明によるサイクルにおいては、圧縮された酸化剤は、(直前のサイクルの)膨張して燃焼した混合物を用いて高温に加熱され、したがって、比較的少量の燃料が自動着火して、温度および圧力を燃焼サイクルの所望の高温および高圧へと増大させるために十分であり、すなわちこれは本願図5のP-V線図におけるピーク圧力である。
すなわち、本願発明によるサイクルおよびエンジンを駆動するために、比較的少量の燃料が必要とされ、比較的大量の酸化剤とその結果生じる燃焼ガスは、比較的大量の燃焼熱を吸収し、したがってその熱は、圧縮された酸化剤の加熱に使用されることが可能であり、散逸によって浪費される熱の量を、理想的には(ほぼ)ゼロにまで減らすことが可能である。」
イ 請求人の主張についての検討
(ア)主張1についての検討
本願発明には、
「ステージ」なる事項、
「比較的大量の酸化剤」なる事項、
「初期的に圧縮空気を用いて、それに続いて圧縮空気および燃焼により仕事を生成する」事項は、
いずれも特定されておらず、請求人の主張1は採用できない。
なお、仮に、本願発明について主張1に関する事項が特定されたとしても、以下に述べるとおり、請求人の主張1は採用できない。
前記「第2[理由]2(3)」において検討したとおり、前記「第2[理由]2(2)」の「(キ)」及び「(ク)」の記載からみて、引用発明1において、上死点時の点cから点dまでの、排気ガスのエネルギーを回収した高圧空気の流入により仕事が発生しており、点d以降の、燃焼ガスが膨脹しピストン12が下降する過程において、燃焼ガスの膨脹により仕事が生成されているといえる。
すなわち、引用発明1において、圧縮された空気により仕事を生じさせること、および燃焼により仕事を生じさせることが、上死点以降のピストン12が下降する過程において生じているといえる。
一方、前記「第2[理由]2(2)(キ)」の特に「排気弁24は開放位置にあり、クランク14の回転により、ピストン12が上昇し既燃ガスをシリンダから排出する。(ロ)はピストン12が上死点近傍まで上昇し、排気弁を閉じた状態を示す。吸気弁22が開放され高圧空気が、この時点よりシリンダ11内へ噴出し始める。」なる記載から、
ピストン12が上昇し既燃ガスをシリンダから排出し、その後ピストン12が上死点近傍まで上昇すると高圧空気がシリンダ11内へ噴出し始めることが記載されているといえる。
また、前記「第2[理由]2(2)(ク)」の特に「a→bの間は、既燃ガスの排気のみ行う。従って、この間で圧力上昇はなく、圧力はほぼ大気圧P0に近い値なる。点bで排気弁が閉じ給気弁が開くと、高圧空気がシリンダ内へ流入し、圧力は上昇する。尚、Vcは上死点時のスキマ容積、Vhはピストンの行程容積である。点cにおいて、シリンダ11内は給気圧P1に達する。」なる記載から、
ピストン12が上昇するa→bの間、既燃ガスの排気が行われ、点bで高圧空気がシリンダ内へ流入し、その後、点cにおいて上死点に達することが記載されているといえる。ここで、点bから点cまでの期間においてピストン12が上昇を続けており容積Vは減少しているから、当該期間において流入した高圧空気が圧縮されていることは自明である。
してみると、引用発明1において、ピストン12が上昇する間、既燃ガスがシリンダから排出され、その後、高圧空気が圧縮されることが記載されているといえる。
これらからみて、
引用発明1における「ピストンの上昇、下降の2工程にて完了する、燃焼過程を含む1サイクル」は、圧縮された空気により仕事を生じさせる過程、燃焼により仕事を生じさせる過程、既燃ガスがシリンダから排出される過程、空気が圧縮される過程を有する燃焼サイクルであり、
そのうちの圧縮された空気により仕事を生じさせる過程及び燃焼により仕事を生じさせる過程が、2つのストロークのうちのピストン12が下降するストロークの間に生じ、
既燃ガスがシリンダから排出される過程及び空気が圧縮される過程が、2つのストロークのうちのピストン12が上昇するストロークの間に生じている
といえる。
また、請求人は「酸化剤は圧縮されており、仕事を生成するために使用されるので、比較的大量の酸化剤が燃焼チャンバへと供給され、それはディーゼルエンジン、オットーサイクルエンジン、および引用文献1のエンジンよりもはるかに多い。この比較的多くの量を燃焼チャンバへと供給した後に、燃料が、非常に高圧且つ非常に高温の圧縮された酸化剤へと射出され、自発的に着火する混合物を生成する。すなわち第1のストロークは、初期的に圧縮空気を用いて、それに続いて圧縮空気および燃焼により仕事を生成する。」と主張する。
しかしながら、引用発明1においても、空気は圧縮されており、仕事を生成するために使用されている。
そうすると、引用発明1においても、空気が圧縮されない場合と比較して大量の空気が燃焼チャンバへと供給されるといえる。
「初期的に圧縮空気を用いて、それに続いて圧縮空気および燃焼により仕事を生成する」事項については、前記「第2[理由]2(3)」における判断のとおりである。
また、「はるかに多い」、「比較的大量の」なる用語を用いて上記特定を行ったとしても、当該用語では、どの程度の量であるのか、何と比較した量であるのか具体的でなく、不明確である。
よって、仮に、本願発明について主張1に関する事項が特定されたとしても、請求人の主張1は採用できない。
(イ)主張2についての検討
本願発明には、「比較的少量の燃料」なる事項は特定されておらず、請求人の主張2は採用できない。
なお、仮に、本願発明について主張2に関する事項が特定されたとしても、以下に述べるとおり、請求人の主張2は採用できない。
引用発明1においても、圧縮された空気は、燃焼・膨脹を終えた作動ガスが排出された排出ガスを用いて高温に加熱されている。
そうすると、引用発明1においても、空気が、圧縮、加熱されない場合と比較して少量の燃料が自己着火して、温度および圧力を所望の高温および高圧へと増大させるために十分であるように構成されているといえる。
また、「比較的少量の」なる用語を用いて上記特定をしたとしても、当該用語では、どの程度の量であるのか具体的でなく、不明確である。
よって、仮に、本願発明について主張2に関する事項が特定されたとしても、請求人の主張2は採用できない。
(5)まとめ
以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用発明1であるか、又は、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号、又は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。
3 むすび
上記のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~15に係る発明は、令和3年8月23日付けの手続補正書により補正がされた特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、前記「第2 [理由] 1(1)」に補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
ここで、本願発明1は
「2ストローク燃焼サイクルまたはガスタービンを介して、仕事を生成するためのプロセス」として、
「酸化剤を圧縮し、
圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し、
圧縮された前記酸化剤に対して、とりわけ燃料である還元剤を混合し、混合物を熱を使用して着火させ、
着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成することを可能にし、
燃焼させて膨脹させた前記混合物と、圧縮した前記酸化剤と、の間において熱交換を行い、
燃焼させて膨脹させた前記混合物を排気する」
を特定しているが、
当該特定は、その記載から、
「2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセス」における順序として、「圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し」た後で「着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成する」ことも特定するとして対比及び判断を行った。
2 原査定の拒絶理由の概要
原査定の拒絶理由の概要は以下のとおりである。
1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由1(新規性)について
・請求項 1~3、9、10
・引用文献等 1
●理由2(特許法第29条第2項)について
・請求項 1~3
・引用文献等 1
・請求項 4~6
・引用文献等 1及び2
・請求項 7~12
・引用文献等 1~3
・請求項 13~15
・引用文献等 1~4
<引用文献等一覧>
1.実願昭60-022571号(実開昭61-140125号)
のマイクロフィルム
2.特開2002-147262号公報
3.特開2006-316718号公報
4.特開2007-239553号公報(周知技術を示す文献)
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(実願昭60-022571号(実開昭61-140125号)のマイクロフィルム)の記載事項及び引用発明1は、前記「第2[理由]2(2)」に記載したとおりである。
4 対比・判断
(1)本願発明1について
本願発明1と引用発明1とを対比すると、前記「第2[理由]2(3)」に記載したとおりの相当関係を有する。
してみると、後者の「ピストンの上昇、下降の2工程にて完了する、燃焼過程を含む1サイクルを介して、仕事を取り出すためのプロセス」と、前者の「2ストローク燃焼サイクルまたはガスタービンを介して、仕事を生成するためのプロセス」とは、「2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセス」である点に限り一致する。
また、後者の「前記空気に対して燃料を噴射し」なる事項について、燃料を噴射する際に主機シリンダ11内に供給されている空気は、圧縮されたものであるから、後者の「前記空気に対して燃料を噴射し、前記燃料と前記空気は混合し」なる事項は、前者の「圧縮された前記酸化剤に対して、とりわけ燃料である還元剤を混合し」なる事項に相当する。
したがって、両者は、
「2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセスであって、
酸化剤を圧縮し、
圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し、
圧縮された前記酸化剤に対して、とりわけ燃料である還元剤を混合し、混合物を熱を使用して着火させ、
着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成することを可能にし、
燃焼させて膨脹させた前記混合物と、圧縮した前記酸化剤と、の間において熱交換を行い、
燃焼させて膨脹させた前記混合物を排気する、
ことを特徴とするプロセス。」
である点で一致する。
しかしながら、本願発明1は、「2ストローク燃焼サイクルを介して、仕事を生成するためのプロセス」における順序として、「圧縮された前記酸化剤を燃焼チャンバに供給して、圧縮された前記酸化剤を用いて仕事を発生し」た後で「着火させた前記混合物を膨脹させ、これにより仕事を生成する」ことも特定するものであるから、これを踏まえると、前記「第2[理由]2(3)」における[相違点]と同じ[相違点]で相違する。
そして、当該相違点については、前記「第2[理由]2(3)」において判断したとおりである。
したがって、本願発明1は引用発明1であるか、又は、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることはできない、または、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-007770