特許拒絶査定不服審判
2022-006021
着色画像描画装置
- 審判番号
- 2022-006021
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-217231外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年04月21日
- 審決日
- 2023年02月21日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (B60Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 行政事件訴訟法46条特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-217231号「着色画像描画装置」拒絶査定不服審判事件〔令和1年6月6日出願公開、特開2019-85076号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年11月10日の出願であって、令和3年8月20日付けで拒絶理由通知をされ、同年10月20日に意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたが、令和4年1月13日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対して、同年4月21日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたものである。
第2 令和4年4月21日の手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年4月21日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は補正箇所である。)。
「【請求項1】
少なくとも2つのランプユニットを備え、各ランプユニットが、可視光を発生する光源と、光源からの光を集める第1レンズと、前記第1レンズの出射光を所要形状の画像に形成するシェードと、形成された画像をランプ前方へ投射する第2レンズとを含み、
前記ランプユニットの前記光源、前記第1レンズ、前記シェードおよび前記第2レンズは、一対として設けられ、
各々の前記ランプユニットが、の前記光源と、前記第1レンズと、前記シェードと、および前記第2レンズと、を含み、
全ての前記ランプユニットの、前記光源と前記シェードとの間隔は同じに設けられ、
前記光源、第1レンズ、第2レンズの少なくとも一つが着色光を生成し、前記少なくとも2つのランプユニットが、それぞれ異なる色に着色された前記画像をランプ前方の略同じ位置で重ね合わせて、対象物に着色画像を描画することを特徴とする描画装置。」
2 補正の目的の適否
本件補正は、訂正前の請求項1に、「各々の前記ランプユニットが、の前記光源と、前記第1レンズと、前記シェードと、および前記第2レンズと、を含み、」との事項を追加することを含むものであるが、該事項は、補正前の請求項1における「各ランプユニットが、可視光を発生する光源と、光源からの光を集める第1レンズと、前記第1レンズの出射光を所要形状の画像に形成するシェードと、形成された画像をランプ前方へ投射する第2レンズとを含み」との事項をより一般化したものであるから、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものとは認められず、請求項の削除、誤記の訂正、あるいは明りょうでない記載の釈明の、いずれを目的としたものとも認められない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。
第3 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたもので、本願の請求項1~9に係る発明は、令和3年10月20日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】少なくとも2つのランプユニットを備え、各ランプユニットが、可視光を発生する光源と、光源からの光を集める第1レンズと、前記第1レンズの出射光を所要形状の画像に形成するシェードと、形成された画像をランプ前方へ投射する第2レンズとを含み、
前記ランプユニットの前記光源、前記第1レンズ、前記シェードおよび前記第2レンズは、一対として設けられ、
前記光源、第1レンズ、第2レンズの少なくとも一つが着色光を生成し、前記少なくとも2つのランプユニットが、それぞれ異なる色に着色された前記画像をランプ前方の略同じ位置で重ね合わせて、対象物に着色画像を描画することを特徴とする描画装置。」
第4 引用文献に記載された発明
1 引用文献2の記載事項
原査定の拒絶理由に引用された、特開2006-301363号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が図面とともに記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
(1)「【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の文字や図形等の照射像を照射面に照射する照明装置に関する。」
(2)「【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この種の照明装置において、利便性を高めて付加価値の向上等を図るためには、バリエーションに富んだ複数パターンの照射像を照射可能な構成とすることが望ましい。さらに、この種の照明装置において、より一層の付加価値の向上等を図るためには、照射像を輝度ムラのない均一照度で照射することが望ましい。
【0004】
本発明は、簡単な構成で、バリエーションに富んだ複数パターンの照射像を均一照度で照射することができる照明装置を提供することを目的とする。」
(3)「【0028】
次に、図7乃至図15は本発明の第2の実施形態に係わり、図7は照明装置の斜視図、図8は照明ユニットの要部断面図、図9は照明ユニットの分解斜視図、図10は遮光マスクの平面図、図11は各発光ダイオードの点灯回路の概略構成図、図12は各発光ダイオードの点灯タイミングの一例を示すタイミングチャート、図13は推移する照射像の一例を示す説明図、図14は遮光マスクに開口する透光部のパターンの一例を示す平面図、図15は推移する照射像の一例を示す説明図である。なお、本実施形態は、上述の第1の実施形態で採用したLED各12a~12eに代えて、比較的高出力な面実装型の発光ダイオード112a~112dを光源として採用した照明装置の一例について説明するものである。
【0029】
図7において、符号100は照明装置を示し、この照明装置100は、例えば、4個の光源ユニット(第1~第4の光源ユニット110a~110d)と、各光源ユニット110a~110dにそれぞれ冠設する4個のレンズ光学系ユニット(第1~第4のレンズ光学系ユニット120a~120d)とを有する。
【0030】
ここで、本実施形態において、第1~第4のレンズ光学系ユニット120a~120dは略同様の構成であるため、以下の説明において特に必要である場合を除き、これらを代表し、第1の光源ユニット110a及び第1のレンズ光学系ユニット120aの構成について説明する。なお、第2~第4の光源ユニット110b~110d及び第2~第4のレンズ光学系ユニット120b~120dの各構成のうち、第1の光源ユニット110a及び第1のレンズ光学系ユニット120aと同様の構成については、添字aを添字b~dに変更した同符号を付して、説明を省略する。
【0031】
図8,9に示すように、第1の光源ユニット110aは、第1のLED基板111aを有し、第1のLED基板111は、例えば、出射平面に片凸レンズが固設した表面実装型の第1の発光ダイオード(LED)112aを、半田付け等によって保持する。なお、第1のLED112aの発光効率を向上するため、第1のLED基板111aの裏面には、放熱フィン113aが固着している。
【0032】
ここで、図11に示すように、第1のLED112aは、第2~第4の光源ユニット110b~110dを構成する第2~第4のLED112b~112dとともに、それぞれ、スイッチ素子115a~115dと抵抗116a~116dとを介して、電源117に接続している。なお、本実施形態において、第1~第4のLED112a~112dは、それぞれ異なる発光色のLEDであることが望ましい。
・・・
【0034】
第1のレンズ光学系ユニット120aは、第1のレンズ筐体121aと、この第1のレンズ筐体121aに収容保持される第1のコリメーションレンズ122a、及び、第1のフライアイレンズ123aとを有する。さらに、第1のレンズ光学系ユニット120aは、レンズ筐体121aの内部で第1のフライアイレンズ123aの入射面に対向する第1の遮光マスク124aを有する。ここで、図7に示すように、本実施形態において、第1のレンズ筐体121aは、第2~第4のレンズ筐体121b~121dと共に、射出成形等によって一体形成されるものである。
・・・
【0036】
また、第1のレンズ筐体121aは、一側に開口する第1のレンズ挿入口133aを有し、この第1のレンズ挿入口133aに隣接する各側壁の内面に、第1のLED挿入口130a側から順に、互いに対向する第1のコリメーションレンズ保持溝135a、第1の遮光マスク保持溝136a、及び、第1のフライアイレンズ保持溝137aを有する。
【0037】
第1のコリメーションレンズ122aは、例えば、第1のコリメーションレンズ保持溝135aに挿入保持される平面略矩形形状の第1のレンズ基板141aの出射側に、第1のレンズ部142aが一体形成されたレンズ部材である。そして、第1のコリメーションレンズ122aは、第1のLED112aから入射する光を、第1のレンズ部142aで略平行光に変換して、第1のフライアイレンズ123a側に出射する。
【0038】
第1のフライアイレンズ123aは、第1のフライアイレンズ保持溝137aに挿入保持される平面略矩形形状の第1のレンズ基板143a上に、例えば下方に突出する入射面と上方に突出する出射面とを備えた複数(例えば、5×7個)の第1のレンズ部144aがマトリクス状に一体形成されたレンズ部材である。そして、第1のフライアイレンズ123aは、各第1のレンズ部144aに入射する光を互いに重畳させることにより、特定の照射領域を均一に照射する。
【0039】
ここで、第2~第4のフライアイレンズ123b~123dの各レンズ部144b~144dも同様に、各第1のレンズ部144aの照射領域と同一の照射領域に、入射光を重畳させて出射する設定となっている。その際、各レンズ筐体121a~121dは、各LED112a~112dからの光路を互い区画することにより、同一のレンズ部に異なるLEDからの出射光が入射することを禁止する。すなわち、第1~第4のレンズ筐体121a~121dは、光路制限手段としての機能を有する。
【0040】
第1の遮光マスク124aは、第1の遮光マスク保持溝136aに挿入保持される平面略矩形形状の第1の光透過性基板145aと、この第1の光透過性基板145aの出射面に形成される第1の遮光膜146aとを有する。第1の遮光マスク124aは第1のフライアイレンズ123aの入射面に近接して対向しており、第1の遮光膜146aには、第1のフライアイレンズ123aの各第1のレンズ部144aにそれぞれ対応する位置に、第1の透光部147aが開口している。図10(a)に示すように、各第1の透光部147aは、例えば、丸模様の中に斜線模様を組み合わせた、いわゆる、禁止マークを示すパターンとなっている。
【0041】
また、図10(b)に示すように、第2のフライアイレンズ123bの各第1のレンズ部144bにそれぞれ対応して開口する各第2の透光部147bは、例えば、煙草模様のパターンとなっている。また、図10(c)に示すように、第3のフライアイレンズ123cの各第3のレンズ部144cにそれぞれ対応して開口する各第3の透光部147cは、例えば、携帯電話模様のパターンとなっている。また、図10(d)に示すように、第4のフライアイレンズ123dの各第4のレンズ部144dにそれぞれ対応して開口する各第4の透光部147dは、例えば丸模様からなる、いわゆる、許可マークを示すパターンとなっている。」
(4)「【0049】
ここで、各遮光マスク124a~124dの各遮光膜146a~146dには、その他、各種パターンの透光部を形成することが可能である。例えば図14に示すように、各遮光膜146a~146dに、互いに方向が異なる菱形の透光部148a~148dを形成することにより、例えば、図15(a)~(d)に示すように、星状の照射像を表示することが可能である。この場合、特に、各LED112a~112dの発光色を、互いに異なる発光色に設定することにより、照射像が重なる各部で色の変化を生じさせることが可能である。」
(5)図7
[図:0001396907000001.jpg]
(6)図8
[図:0001396907000002.jpg]
(7)図9
[図:0001396907000003.jpg]
(8)図10
[図:0001396907000004.jpg]
2 引用文献2の記載によって認められること
(1)【0029】の記載によれば、照明装置100は、第1~第4の光源ユニット110a~110dと、各光源ユニット110a~110dにそれぞれ冠設する第1~第4のレンズ光学系ユニット120a~120dとを有することが認められる。
(2)【0030】~【0032】の記載によれば、第1~第4の光源ユニット110a~110dは、それぞれ第1~第4のLED112a~112dを有することが認められ、【0030】、【0034】及び【0040】の記載によれば、第1~第4のレンズ光学系ユニット120a~120dは、それぞれ第1~第4のコリメーションレンズ122a~122d、及び、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dと、それぞれ第1~第4のフライアイレンズ123a~123dの入射面に対向し、第1~第4の透光部147a~147dが開口する第1~第4の遮光マスク124a~124dを有することが認められ、【0030】及び【0037】の記載によれば、第1~第4のコリメーションレンズ122a~122dは、第1のLED112aから入射する光を略平行光に変換して、第1~第4のフライアイレンズ123a~123d側に出射することが認められる。
(3)【0030】、【0038】~【0040】の記載によれば、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dは、それぞれ複数の第1~第4のレンズ部144a~144dが形成されること、及び、第1~第4の遮光マスク124a~124dには、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dの各第1~第4のレンズ部144a~144dにそれぞれ対応する位置に、第1~第4の透光部147a~147dが開口することが認められ、【0041】、図8~10及び上記(2)も参照すると、第1~第4の透光部147a~147dは、それぞれ上記略平行光を所定のパターン形状にすること、及び、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dは、各第1~第4の透光部147a~147dを介して各第1~第4のレンズ部144a~144dに入射する光を互いに重畳させることにより、同一の照射領域に照射することが認められる。
3 引用発明
上記2を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「第1~第4の光源ユニット110a~110dと、各光源ユニット110a~110dにそれぞれ冠設する第1~第4のレンズ光学系ユニット120a~120dとを有し、
第1~第4の光源ユニット110a~110dは、それぞれ第1~第4のLED112a~112dを有し、
第1~第4のレンズ光学系ユニット120a~120dは、それぞれ第1~第4のコリメーションレンズ122a~122d、及び、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dと、それぞれ第1~第4のフライアイレンズ123a~123dの入射面に対向し、第1~第4の透光部147a~147dが開口する第1~第4の遮光マスク124a~124dを有し、
第1~第4のフライアイレンズ123a~123dは、それぞれ複数の第1~第4のレンズ部144a~144dが形成され、
第1~第4の遮光マスク124a~124dには、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dの各第1~第4のレンズ部144a~144dにそれぞれ対応する位置に、第1~第4の透光部147a~147dが開口し、
第1~第4のコリメーションレンズ122a~122dは、第1~第4のLED112a~112dから入射する光を略平行光に変換して、第1~第4のフライアイレンズ123a~123d側に出射し、
第1~第4の透光部147a~147dは、それぞれ上記略平行光を所定のパターン形状にし、
第1~第4のフライアイレンズ123a~123dは、各第1~第4の透光部147a~147dを介して各第1~第4のレンズ部144a~144dに入射する光を互いに重畳させることにより、同一の照射領域に照射する照明装置100。」
第5 対比・判断
1 対比
(1)本願発明と引用発明とを対比すると、後者の「第1の光源ユニット110a」及び「第1のレンズ光学系ユニット120a」~「第4の光源ユニット110d」及び「第4のレンズ光学系ユニット120d」のそれぞれは、その機能や構造からみて、前者の「ランプユニット」に相当し、以下同様に、「第1のLED112a」~「第4のLED112d」のそれぞれは「光源」に、「第1のコリメーションレンズ122a」~「第4のコリメーションレンズ122d」のそれぞれは「第1レンズ」に、「第1のフライアイレンズ123a」~「第4のフライアイレンズ123d」のそれぞれは「第2レンズ」に、「第1の透光部147a」~「第4の透光部147d」のそれぞれは「シェード」に、「照明装置100」は「描画装置」に、それぞれ相当する。
(2)上記(1)を踏まえると、後者の「第1~第4の光源ユニット110a~110dと、各光源ユニット110a~110dにそれぞれ冠設する第1~第4のレンズ光学系ユニット120a~120dとを有」することは、前者の「少なくとも2つのランプユニットを備え」ることに相当し、後者の「第1~第4のLED112a~112dから入射する光を略平行光に変換」することは、前者の「光源からの光を集める」ことに相当し、後者の「上記略並行光を所定のパターン形状に」することは、前者の「前記第1レンズの出射光を所要形状の画像に形成する」ことに相当する。
(3)後者の「第1~第4の光源ユニット110a~110d」は可視光を発生するものであり、後者の「第1~第4のコリメーションレンズ122a~122d」は第1~第4のLED112a~112dから入射する光を略平行光に変換するものであり、後者の「第1~第4の透光部147a~147d」は上記略平行光を所定のパターン形状にするものであり、
そして、上記(2)も踏まえると、後者の「第1~第4の光源ユニット110a~110dは、それぞれ第1~第4のLED112a~112dを有し、第1~第4のレンズ光学系ユニット120a~120dは、それぞれ第1~第4のコリメーションレンズ122a~122d、及び、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dと、それぞれ第1~第4のフライアイレンズ123a~123dの入射面に対向し、第1~第4の透光部147a~147dが開口する第1~第4の遮光マスク124a~124dを有」することは、前者の「各ランプユニットが、可視光を発生する光源と、光源からの光を集める第1レンズと、前記第1レンズの出射光を所要形状の画像に形成するシェードと、形成された画像をランプ前方へ投射する第2レンズとを含」むことに相当する。
(4)本願発明の「前記ランプユニットの前記光源、前記第1レンズ、前記シェードおよび前記第2レンズは、一対として設けられ」との事項において、該「一対」は「ひとそろい」という意味に解され、その意味は本願の明細書や図面の記載とも整合する。
そうすると、後者の「第1のLED112a」、「第1のコリメーションレンズ122a」、「第1のフライアイレンズ123a」、及び、「複数の第1の透光部147a」の1組~「第4のLED112d」、「第4のコリメーションレンズ122d」、「第4のフライアイレンズ123d」、及び、「複数の第4の透光部147d」の1組を有することは、前者の「前記ランプユニットの前記光源、前記第1レンズ、前記シェードおよび前記第2レンズは、一対として設けられ」ることに相当する。
(5)上記(1)~(3)を踏まえると、後者の「第1~第4のコリメーションレンズ122a~122dは、第1~第4のLED112a~112dから入射する光を略平行光に変換して、第1~第4のフライアイレンズ123a~123d側に出射し、第1~第4の透光部147a~147dは、それぞれ上記略平行光を所定のパターン形状にし、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dは、各第1~第4の透光部147a~147dを介して各第1~第4のレンズ部144a~144dに入射する光を互いに重畳させることにより、同一の照射領域に照射する」ことは、前者の「前記光源、第1レンズ、第2レンズの少なくとも一つが着色光を生成し、前記少なくとも2つのランプユニットが、それぞれ異なる色に着色された前記画像をランプ前方の略同じ位置で重ね合わせて、対象物に着色画像を描画する」ことと、「前記少なくとも2つのランプユニットが、前記画像をランプ前方の略同じ位置で重ね合わせて、対象物に画像を描画すること」という点で共通する。
そうすると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点1>
少なくとも2つのランプユニットを備え、各ランプユニットが、可視光を発生する光源と、光源からの光を集める第1レンズと、前記第1レンズの出射光を所要形状の画像に形成するシェードと、形成された画像をランプ前方へ投射する第2レンズとを含み、
前記ランプユニットの前記光源、前記第1レンズ、前記シェードおよび前記第2レンズは、一対として設けられ、
前記少なくとも2つのランプユニットが、前記画像をランプ前方の略同じ位置で重ね合わせて、対象物に画像を描画する描画装置。
<相違点1>
本願発明では、前記光源、第1レンズ、第2レンズの少なくとも一つが「着色光」を生成し、「それぞれ異なる色に着色された」前記画像をランプ前方の略同じ位置で重ね合わせて、対象物に「着色」画像を描画するのに対し、引用発明では、第1~第4のLED112a~112d、第1~第4のコリメーションレンズ122a~122d、第1~第4のフライアイレンズ123a~123dの少なくとも一つが着色光を生成するものであることが特定されておらず、その結果、対象物に着色画像を描画するか否かも不明である点。
2 相違点についての判断
引用文献2には、第1~第4のLED112a~112dの発光色を、互いに異なるものにすることが示唆されている(【0032】、【0049】参照。)から、引用発明において、第1~第4のLED112a~112dの発光色を、互いに異なるものにすることで、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、本願発明の効果は、引用文献2から当業者が予測し得る程度のものであり、格別のものとは認められない。
3 小括
以上によれば、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 予備的検討
本件補正は、上記「第2 2」で示したとおり、特許法第17条の2第5項各号のいずれも目的とするものではないが、念のため、本件補正は、全体としては、特許請求の範囲を減縮するものに該当すると認める場合について予備的に検討する。
その場合、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は、上記「第2 1(1)」に示されるとおりのものであり、実質的には、本願発明に、上記「全ての前記ランプユニットの、前記光源と前記シェードとの間隔は同じに設けられ」との事項を追加したものである。
そこで、引用文献1の【0030】、【0036】及び図7~9等を参照すると、引用発明において、第1~第4の透光部147a~147dが開口する第1~第4の遮光マスク124a~124dと第1~第4のLED112a~112dそれぞれとの間隔は同じであると認められ、本願補正発明において、本願発明に対して追加した上記事項は、引用発明との相違点となるものではないと認められるから、本願補正発明と引用発明とは、上記相違点1のみで相違し、その余の点で一致する。
してみると、本願補正発明は、上記第2で説示したのと同様に、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、仮に、本件補正が特許法第17条の2第5項第2号に該当すると認めても、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであるから、上記第2で示した補正の却下の決定の結論に誤りはない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論の通り審決する。
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2022-006021