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特許拒絶査定不服審判

2022-004347

遊技機

審判番号
2022-004347
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-020302外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年03月24日
審決日
2023年03月07日
公報発行日
2023年05月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 20302「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月27日出願公開、特開2020-127468〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 16項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成31年2月7日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

令和3年 6月 7日付け:拒絶理由通知書

同年 8月 2日 :意見書、手続補正書の提出

同年 9月24日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書

同年11月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 1月24日付け:令和3年11月30日の手続補正についての

補正却下の決定、拒絶査定(謄本送達日:同

年2月1日)

同年 3月24日 :審判請求書、手続補正書の提出

同年11月 2日付け:拒絶理由通知書

同年12月 5日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和4年12月5日付けで提出された手続補正書に記載された次のものである(符号A等は、分説のため当審で付した。)。

「【請求項1】
A 所定条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該
ゲームの停止結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生可能な遊
技機において、
続きを表示(全49行)
B 前記識別情報の仮停止表示を行った後に当該識別情報の再変動表示を行
う再変動演出を実行可能であり、
C 前記ゲームの開始から終了までの期間は、
C1 第1区間と、
C2 前記第1区間の後の区間であって第1演出が行われる区間である第2
区間と、
C3 前記第1区間の後の区間であって前記第1演出と異なる第2演出が行
われる区間である第3区間と、によって形成され得るものであり、
D1 前記第1区間は、リーチ状態となる前の区間であり、
D2 前記第2区間及び前記第3区間は前記リーチ状態となった後の区間で
あり、少なくとも当該第2区間には前記リーチ状態でない状態を含み、
E 前記第1区間と前記第2区間と前記第3区間のうち少なくとも一の区間
において前記再変動演出を実行可能であり、
E1 前記第1区間において実行される前記再変動演出では、第1仮停止態
様で前記識別情報の仮停止表示を行い、
E2 前記第2区間において実行される前記再変動演出では、前記第1仮停
止態様とは異なる第2仮停止態様で前記識別情報の仮停止表示を行い、
E3 前記第3区間において実行される前記再変動演出では、前記第1仮停
止態様及び前記第2仮停止態様とは異なる第3仮停止態様で前記識別情
報の仮停止表示を行い、
E4 前記第2区間では、前記リーチ状態となった後に前記第2仮停止態様
での仮停止表示を行い、その後に再変動表示を行って前記リーチ状態で
ない状態となり、
F 前記第1仮停止態様での仮停止表示の前と後と、前記第2仮停止態様で
の仮停止表示の後と、に前記特別結果となる期待度を示唆する特定演出を
実行可能であり、
F1 前記特定演出は、前記リーチ状態でない状態のときに実行される演出
であって、前記リーチ状態中には実行されない演出であり、
F2 前記第1仮停止態様での仮停止表示の後に行う前記特定演出が示唆す
る前記期待度は、前記第1仮停止態様での仮停止表示の前に行う前記特
定演出が示唆する前記期待度と同等又は前記第1仮停止態様での仮停止
表示の前に行う前記特定演出が示唆する前記期待度よりも高く、
F3 前記第2仮停止態様での仮停止表示の後に行う前記特定演出が示唆す
る前記期待度は、前記第1仮停止態様での仮停止表示の前又は後に行う
前記特定演出が示唆する前記期待度と同等又は前記第1仮停止態様での
仮停止表示の前又は後に行う前記特定演出が示唆する前記期待度よりも
高く、
F4 前記第1仮停止態様と前記第2仮停止態様は、仮停止表示する識別情
報が異なるとともに、前記ゲームの停止結果として表示される識別情報
には含まれず前記再変動演出の実行を示唆する再変動示唆図柄を表示す
る態様、又は仮停止表示しない識別情報を有する態様であり、
F5 前記第3仮停止態様は、前記第1仮停止態様とは仮停止表示する識別
情報が異なるとともに、前記再変動示唆図柄を表示しない態様であり、
かつ仮停止表示しない識別情報を有しない態様である
G ことを特徴とする遊技機。」

第3 当審における拒絶の理由

当審の拒絶の理由である、令和4年11月2日付け拒絶理由通知の理由は、概略、次のとおりのものである。

(1)本願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2019-13558号公報(以下「引用文献1」という。)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

(2)本願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 引用文献等

1 引用文献1の記載及び引用発明

(1)引用文献1の記載

当審の拒絶の理由で引用し、本件特許出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1(特開2019-13558号公報)には、以下の記載がある。

ア「【1153】

次に、図232のブロック図を参照しながら、第9実施形態に係るぱちんこ遊技機の各種機能について説明する。・・・」

イ「【1191】

次に、図236は、図233におけるステップ1300のサブルーチンに係る、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、第1主遊技始動口入球判定手段1111は、第1主遊技始動口2210の第1入球検出装置2211から第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1302でYesの場合、ステップ1304で、第1主遊技乱数取得判定実行手段1121は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131aを参照し、主遊技(特に第1主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1304でYesの場合、ステップ1306で、第1主遊技乱数取得判定実行手段1121は、第1主遊技内容決定乱数を取得する。

【1192】

なお、本実施例では、第1主遊技内容決定乱数として、当否を決定するための当否抽選乱数、当り時の図柄を決定するための図柄抽選乱数、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、これら3つの乱数は夫々更新周期・乱数範囲の異なる乱数生成手段から生成され、本タイミングで一連的に取得するようになっている。次に、ステップ1312で、第1主遊技図柄保留手段1131は、当該第1主遊技内容決定乱数を第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131aに記憶する。次に、ステップ1313で、情報送信制御手段1300は、第1主遊技乱数が取得された旨の情報(保留発生コマンド)を、サブメイン制御部2320へ送信するためのコマンド送信用バッファ1301にセットする。」

ウ「【1197】

次に、ステップ1414で、第1主遊技内容決定手段1141(第2主遊技内容決定手段1142)は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a(第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132a)に一時記憶されている、今回の図柄変動に係る第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)を読み出し、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段1131a(第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段1132a)から削除すると共に、当該一時記憶されている残りの情報をシフトする(保留消化処理)。次に、ステップ1403で、当否抽選手段1135は、各遊技状態に対応する第1主遊技用当否抽選テーブル1135b-1(第2主遊技用当否抽選テーブル1135b-3)を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否(本例では、大当り又は小当り)抽選を実行する。

・・・

【1199】

フローチャートの説明に戻ると、次に、ステップ1417で、特別遊技移行決定手段1135aは、当該主遊技図柄の当否抽選結果が当りか否かを判定する。ステップ1417でYesの場合、ステップ1418で、特別遊技移行決定手段1135aは、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)中の「当りフラグ」をオンにする。他方、ステップ1417でNoの場合には、ステップ1418をスキップする。

【1200】

次に、ステップ1416-1で、第1主遊技内容決定手段1141(第2主遊技内容決定手段1142)は、第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141a(第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142a)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、図柄抽選乱数)に基づいて主遊技図柄に関する停止図柄を決定し、これらを第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b(第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192b)に一時記憶する。

【1201】

ここで、図239(主遊技テーブル2)は、第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141a(第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142a)の一例である(特に、停止図柄決定用テーブルの一例)。本例に示されるように、第9実施形態においては、大当りに当選した場合、特別遊技時における最大実行ラウンド数の異なる複数の主遊技図柄候補(本例では、「1A、1B」=8R及び「7A、7B」=16R)の内から一の主遊技図柄が大当り図柄として決定されるよう構成されている。ここで、大当り図柄「1A、1B」は、後述するように、当該大当り図柄に係る特別遊技実行後には確率変動遊技状態へ移行しないこととなる態様である(以下、非確変大当り、と呼ぶことがある)一方、大当り図柄「7A、7B」は、後述するように、当該大当り図柄に係る特別遊技実行後には確率変動遊技状態へ移行することとなる態様である(以下、確変大当り、と呼ぶことがある)。

【1202】

次に、ステップ1416-3で、第1主遊技内容決定手段1141(第2主遊技内容決定手段1142)は、各遊技状態に対応する第1主遊技内容決定用抽選テーブル1141a(第2主遊技内容決定用抽選テーブル1142a)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第1主遊技内容決定乱数)(特に、変動態様抽選乱数)に基づいて主遊技図柄の変動態様を決定し、これらを第1主遊技図柄情報一時記憶手段1191b(第2主遊技図柄情報一時記憶手段1192b)に一時記憶して、ステップ1419に移行する。」

エ「【1208】

次に、図241は、図233におけるステップ1500のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1502で、条件判定手段1171は、第1主遊技図柄表示装置2130(第2主遊技図柄表示装置2230)の第1主遊技図柄表示部2131(第2主遊技図柄表示部2231)上に表示された主遊技図柄が停止したか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1504で、条件判定手段1171は、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)を参照し、当りフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1504でYesの場合、ステップ1505で、特別遊技内容決定手段1172は、当該所定態様に基づき、特別遊技内容参照テーブル1172aを参照することにより、当該特別遊技の内容(例えば、当り図柄に対応した最大ラウンド数や、各ラウンドにおける大入賞口の開閉態様)を特別遊技関連情報一時記憶手段1194にセットする。

【1209】

フローチャートの説明に戻ると、次に、ステップ1510で、特定遊技終了条件判定手段1181は、特別遊技の開始時における停止図柄が小当り図柄(本例では、「SA」図柄)でないか否かを判定する。ステップ1510でYesの場合、ステップ1552及びステップ1554で、特定遊技制御手段1180は、第1フラグ一時記憶手段1191a及び第2フラグ一時記憶手段1192a中の特定遊技フラグ(主遊技確変フラグ・主遊技時短フラグ・補助遊技時短フラグ)を一旦オフにすると共に、時短回数カウンタ1181aをリセット(時短回数カウンタ値=0)する。次に、ステップ1506及びステップ1508で、条件判定手段1171は、特別遊技関連情報一時記憶手段1194中の特別遊技移行許可フラグをオンにすると共に、第1フラグ一時記憶手段1191a(第2フラグ一時記憶手段1192a)中の当りフラグをオフにし、次の処理(ステップ1600の特別遊技制御処理)に移行する。尚、ステップ1502及びステップ1504でNoの場合にも、次の処理(ステップ1600の特別遊技制御処理)に移行する。尚、ステップ1510でNoの場合、ステップ1506に移行する。」

オ「【1220】

次に、図246は、図244におけるステップ5700のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップ5702で、装図表示内容決定手段2322aは、装図表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリアを参照し、図柄内容決定許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ5702でYesの場合、ステップ5704で、装図表示内容決定手段2322aは、装図表示関連情報一時記憶手段2322cのフラグエリア内の図柄内容決定許可フラグをオフにする。次に、ステップ5706で、装図表示内容決定手段2322aは、メイン側情報一時記憶手段2321a内に一時記憶された図柄情報(主遊技図柄に係る停止図柄・変動態様)に基づき、装飾図柄の停止図柄及び変動態様を決定し装図表示関連情報一時記憶手段2322cに一時記憶する。ここで、装飾図柄の停止図柄としては、主遊技図柄に係る停止図柄が大当り図柄(本例では、「1A、1B、7A、7B」)である場合には、3つの数字がそろっている図柄(ゾロ目)とし、ハズレ又は小当り(本例では、SA)の場合には、3つの数字がそろわない図柄とすることを例示することができる。また、装飾図柄の変動態様としては、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)に基づき、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等のリーチ変動態様を決定することを例示することができる。」

カ「【1258】

(第10実施形態)

尚、第9実施形態においては、擬似連続変動中の演出として予告演出を実行してはいるものの、当該予告演出は擬似連続変動とならない場合にも表示され得る演出であるため、当該予告演出とは別に、擬似連続変動となる可能性を示唆するような演出を実行することで、より効果的に、遊技の興趣性を高めることが可能である。そこで、そのような構成の一例を、第10実施形態とし、以下、第9実施形態との相違点についてのみ詳述する。・・・」

キ「【1265】

次に、図258(主演出テーブル6)は、第10実施形態における、主演出動作内容決定用抽選テーブル2322e―6(主演出内容決定用抽選テーブル、特に変動時間が70秒の場合)の一例である。第9実施形態との相違点は、擬似連続変動時において、装飾図柄の左列と右列が仮停止した後に、カットイン演出(通常カットイン演出、特殊カットイン演出)が実行されることと、擬似連発生時の装飾図柄の中列の仮停止図柄が擬似連図柄となっていることである。また、本例においては、変動時間が70秒の場合には擬似連続変動が2回実行されるように構成されている。尚、本例においては装飾図柄の中列に擬似連図柄が1回でも仮停止した場合には、その後にリーチ変動となることが確定するよう構成されている。また、カットイン演出が発生した後の中列の仮停止時には、必ず停止示唆演出が発生するよう構成されている。即ち、同一変動における2回目のカットイン演出発生時には、その後擬似連図柄が仮停止し、再度擬似連続変動が開始されることが確定的となるのである。・・・尚、本例においては擬似連続変動が実行されるのは2回まで、カットイン演出が実行されるのは2回までとしたがこれには限定されず、どちらも何回実行してもよく、前述した2回目のカットイン演出発生時にその後擬似連図柄が仮停止し、再度擬似連続変動が開始されることが確定的となる法則を3回目以降のカットイン演出にも適用してもよい。また、カットイン演出の発生タイミングは、装飾図柄の左列と右列が仮停止した後には限定されず、いずれの装飾図柄も仮停止していない、もしくは1列しか仮停止していない、もしくはリーチ状態を形成している仮停止である、等のタイミングでもよい。

【1266】

次に、図259は、第10実施形態における、カットイン演出イメージ図である。本イメージ図は、擬似連続変動時の主演出内容H-3の場合の装飾図柄の変動開始からリーチ報知演出が実行されるまでを例示している。まず、装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-1(予告演出1であるセリフ予告の1回目)が発生する。その後、装飾図柄が左列、右列の順に仮停止する。本タイミングにおいては、装飾図柄の左列と右列とは異なる図柄である。次に、カットイン演出が発生する。本タイミングにおいては、カットイン演出は通常カットイン演出となり、当該通常カットイン演出は、発生時において擬似連図柄が中列に仮停止するか否かが判別できない(仮停止が確定していない)カットイン演出であり、他方、後述する特殊カットイン演出は、発生した時点で擬似連図柄が中列に仮停止することが確定的となるカットイン演出である。次に、後述する停止示唆演出が実行され、中列に擬似連図柄が仮停止する。当該擬似連図柄が仮停止することにより、次の(1回目の)擬似連続変動が実行されることが確定することとなる。

【1267】

次に、再び装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-2(予告演出1であるセリフ予告の2回目)が発生する。その後、装飾図柄が左列、右列の順に仮停止する。本タイミングにおいては、装飾図柄の左列と右列とは同一の図柄である。次に、カットイン演出が発生する。本タイミングにおいては、カットイン演出は特殊カットイン演出となっている。次に、後述する停止示唆演出が実行され、中列に擬似連図柄が仮停止する。当該擬似連図柄が仮停止することにより、次の(2回目の)擬似連続変動が実行される(特殊カットイン演出が実行された時点で、擬似連確定)。

【1268】

次に、再び装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-3(予告演出1であるセリフ予告の3回目)が発生する。その後、装飾図柄が左列、右列の順に仮停止する。本タイミングにおいては、装飾図柄の左列と右列とは同一の図柄である。次に、カットイン演出が発生せずに、リーチ報知演出が実行され、以降はリーチ演出が実行されることとなる。

【1269】

尚、本例においては、擬似連続変動の回数を重ねる毎に予告演出がランクアップ(例えば、弱予告→中予告、中予告→強予告、等)するよう構成したが、ランクダウン(例えば、中予告→弱予告、強予告→中予告、等)しなければよく、同内容が連続してもよい(例えば、弱予告→弱予告、中予告→中予告、等)。また、擬似連続変動が発生した後にリーチ変動とならない演出態様が存在するよう構成した場合、当該リーチ変動とならない演出態様の時には、リーチ変動となる演出態様の時と比較して予告演出がランクアップし難いよう構成してもよい。」

ク「【1374】

次に、図295は、再変動における第1の図柄変動期間を示すイメージ図である。まず、装飾図柄(第1装飾図柄、第2装飾図柄)が「861」で停止表示している。次に、変動開始条件を充足したことに伴い、装飾図柄が図柄変動を開始する。次に、再変動が実行されることを示す非透過の「NEXT」図柄が表示された後、再度図柄変動が開始される。次に、リーチ状態を形成し、再度非透過の「NEXT」図柄が表示された後、再度図柄変動が開始される。次に、スーパーリーチ演出が実行された後、装飾図柄がリーチハズレ図柄である「676」で仮停止される。次に、装飾図柄(第1装飾図柄、第2装飾図柄ともに)の全ての図柄において再度図柄変動を開始し、第1装飾図柄と第2装飾図柄はそれぞれ3つの図柄がゾロ目の組み合わせ(ここでは「777」)にて同タイミングで表示され、確定停止する。・・・」

ケ 図259には、以下の図示がある。

「【図259】
[図:0001396865000001.jpg]
」

図259の右側の列の上から5番目の図によれば、リーチ報知演出では、同一の図柄である装飾図柄が左列、右列に仮停止し、両図柄の間に「REACH」との文字が表示されるのが看取できる。

コ 図295には、以下の図示がある。

「【図295】
[図:0001396865000002.jpg]
」

(2)引用発明

上記(1)によれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(符号a等は、本願発明の分説A等に対応させて当審で付した。また、関連する段落番号を併記した。)。

(引用発明)

a 第1主遊技始動口の第1入球検出装置から第1主遊技始動口入球情報を

受信したか否かを判定し、Yesの場合、第1主遊技内容決定乱数として

、当否を決定するための当否抽選乱数、当り時の図柄を決定するための図

柄抽選乱数、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための変動

態様抽選乱数を取得し(【1191】、【1192】)、当選抽選乱数に

基づき、主遊技図柄当否(大当り又は小当り)抽選を実行し、当該主遊技

図柄の当否抽選結果が当りか否かを判定し、Yesの場合、第1フラグ一

時記憶手段中の「当りフラグ」をオンにし(【1197】、【1199】

)、主遊技図柄当否抽選結果及び図柄抽選乱数に基づいて主遊技図柄に関

する停止図柄を決定し、大当りに当選した場合、特別遊技時における最大

実行ラウンド数の異なる複数の主遊技図柄候補から一の主遊技図柄が大当

り図柄として決定され(【1200】、【1201】)、主遊技図柄当否

抽選結果及び変動態様抽選乱数に基づいて主遊技図柄の変動態様を決定し

(【1202】)、主遊技図柄に係る停止図柄・変動態様に基づき、装飾

図柄の停止図柄及び変動態様を決定し、装飾図柄の停止図柄としては、主

遊技図柄に係る停止図柄が大当り図柄(「1A、1B、7A、7B」)で

ある場合には、3つの数字がそろっている図柄(ゾロ目)とし、装飾図柄

の変動態様としては、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)に基づきリ

ーチ変動態様を決定し(【1220】)、第1主遊技図柄表示部上に表示

された主遊技図柄が停止したか否かを判定し、Yesの場合、第1フラグ

一時記憶手段を参照して当りフラグがオンであるか否かを判定し、Yes

の場合、当該特別遊技の内容をセットし、特別遊技制御処理に移行するぱ

ちんこ遊技機(【1208】、【1209】、【1153】)であって、

b 擬似連続変動時において、装飾図柄の左列と右列が仮停止した後に、カ

ットイン演出が実行され、擬似連発生時の装飾図柄の中列の仮停止図柄が

擬似連図柄となっており(【1265】)、

c、d、e 装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-1(予告演出

1であるセリフ予告の1回目)が発生し、その後、異なる図柄である装飾

図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止し(

【1266】)、再び装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-2

(予告演出1であるセリフ予告の2回目)が発生し、その後、同一の図柄

である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が

仮停止し(【1267】)、

次に、再び装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-3(予告演

出1であるセリフ予告の3回目)が発生し、その後、同一の図柄である装

飾図柄が左列、右列の順に仮停止し(【1268】)、

次に、同一の図柄である装飾図柄が左列、右列に仮停止し、両図柄の間

に「REACH」との文字が表示されるリーチ報知演出が実行され、以降

はリーチ演出が実行され(【1268】、図259)、

f 擬似連続変動の回数を重ねる毎に予告演出がランクアップ(例えば、弱

予告→中予告、中予告→強予告、等)するよう構成したが、ランクダウン

(例えば、中予告→弱予告、強予告→中予告、等)しなければよく、同内

容が連続してもよい(例えば、弱予告→弱予告、中予告→中予告、等)(

【1269】)、

g ぱちんこ遊技機(【1153】)。

(3)引用文献1記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

上記(1)に摘記した【1374】の記載、図295の図示によれば、引用文献1には、遊技機に関し、次の事項が記載されているといえる。

(引用文献1記載事項)

装飾図柄が図柄変動を開始すると、次に、再変動が実行されることを示す「NEXT」図柄が表示され、次に、リーチ状態を形成し、再度「NEXT」図柄が表示された後、再度図柄変動が開始され、次に、スーパーリーチ演出が実行された後、装飾図柄がリーチハズレ図柄である「676」で仮停止され、次に、装飾図柄の全ての図柄において再度図柄変動を開始し、3つの図柄がゾロ目の組み合わせにて確定停止する点。

2 周知例

(1)周知例1の記載

本件特許出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-68566号公報(以下「周知例1」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、以下の記載がある。

ア「【0372】

図22のT1のタイミングにおいて第1始動口13(又は第2始動口14)に遊技球が入賞し、第1特別図柄表示器20(又は第2特別図柄表示器21)で特別図柄の変動表示が開始され、画像表示装置30の表示部300で演出図柄TZ1~TZ3の変動表示を伴う変動演出が実行(開始)されると共に、音声出力装置33から変動演出に応じた通常BGMが出力される。

・・・

【0375】

このとき、図23(c)に示すように、画像表示装置30の表示部300では演出図柄TZ2として第1特殊図柄(「NEXT」)が停止表示するかのように低速で変動表示される。この第1特殊図柄(「NEXT」)とは、演出図柄TZ2として停止表示されることで、擬似連予告が実行されることを報知する特殊図柄である。・・・

【0376】

なお、この擬似連予告とは、1回の始動口13、14への入賞(入球)に基づく大当たり判定に対して、あたかも複数回の演出図柄の変動表示が実行されたかのように見せるために、1回の始動口13,14への入賞(入球)に対して決定された特図変動時間内にて、全部の演出図柄TZ1~TZ3が仮停止した後に再度変動を開始する再変動表示を1回又は複数回実行する特殊な態様の演出図柄の変動表示のことである。

【0378】

このとき、図24(a)に示すように、画像表示装置30の表示部300では演出図柄TZ2として第1特殊図柄(「NEXT」)が停止表示されると共に、音声出力装置33から「継続!」との第1演出音が出力される。また、このとき、通常BGMは出力されたままである。・・・」

・・・

【0384】

このとき、図25(a)に示すように、画像表示装置30の表示部300では演出図柄TZ2として第1特殊図柄(「NEXT」)が停止表示されると共に、音声出力装置33から「継続!」との第1演出音が出力される。・・・

・・・

【0389】

このとき、図25(c)に示すように、画像表示装置30の表示部300では演出図柄TZ2として第2特殊図柄(「SP」)が停止表示するかのように低速で変動表示される。この第2特殊図柄(「SP」)とは、演出図柄TZ2として停止表示されることで、SPリーチが実行されることを報知する特殊図柄である。・・・

・・・

【0391】

このとき、図26(a)に示すように、画像表示装置30の表示部300では演出図柄TZ2として第2特殊図柄(「SP」)が停止表示されると共に、音声出力装置33から「チャンス!」との第1演出音が出力される。・・・

【0392】

そして、図26(b)に示すように、画像表示装置30の表示部300ではSPリーチに発展することを報知する文字画像G2が表示される。そして、味方キャラクタC2と敵キャラクタC3とが戦う演出を行うSPリーチが実行される(図26(c)参照)。・・・」

イ 図23~図26には、以下の図示がある。

「【図23】 【図24】 【図25】 【図26】
[図:0001396865000003.jpg]
」

(2)周知例1の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

上記(1)によれば、周知例1には、遊技機に関し、次の事項が記載されているといえる。

(周知例1記載事項)

特別図柄の変動表示が開始され、画像表示装置の表示部で演出図柄の変動表示を伴う変動演出が開始され、擬似連予告が実行されることを報知する第1特殊図柄(「NEXT」)が左列「2」と右列「4」の間の中列で仮停止した後に再度変動を開始し、第1特殊図柄(「NEXT」)が左列「2」と右列「2」の間の中列で仮停止した後に再度変動を開始し、SPリーチが実行されることを報知する第2特殊図柄(「SP」)が左列「2」と右列「2」の間の中列で仮停止した後、SPリーチが実行される点。

第5 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

1 本願発明の構成A、Gについて

引用発明の構成aの「第1主遊技始動口の第1入球検出装置から第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定し、Yes」であることは、本願発明の構成Aの「所定の条件」が「成立」したことに相当する。

ここで、「Yesの場合」、引用発明の構成aにおいて、第1主遊技内容決定乱数(当否抽選乱数、図柄抽選乱数、変動態様抽選乱数)を取得して、主遊技図柄に関する停止図柄、変動態様を決定し、これに基づき、装飾図柄の停止図柄及び変動態様を決定するところ、引用発明の構成aの「装飾図柄」は、本願発明の構成Aの「識別表示」に相当するから、引用発明の構成aの「第1主遊技始動口の第1入球検出装置から第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定し、Yes」である場合に、「装飾図柄」が決定された停止図柄及び変動態様に基づいて「変動」、「停止」することは、本願発明の構成Aにおける「所定条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲーム」に相当する。

さらに、引用発明の構成aにおいて、上記「Yesの場合」に、主遊技図柄に係る停止図柄・変動態様に基づき、「装飾図柄」の停止図柄及び変動態様を決定するところ、主遊技図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、装飾図柄の停止図柄として3つの数字がそろっている図柄(ゾロ目)とされるところ、「装飾図柄」において「3つの数字がそろっている図柄(ゾロ目)」が「停止」することは、本願発明の構成Aにおける「当該ゲームの停止結果が特別結果となった場合」に相当する。

そして、引用発明の構成aにおいて、「第1主遊技図柄表示部上に表示された主遊技図柄が停止したか否かを判定し、Yesの場合、」「当りフラグがオンであるか否かを判定し、Yesの場合、当該特別遊技の内容をセットし、特別遊技制御処理に移行する」ものであるところ、「装飾図柄の停止図柄」が「3つの数字がそろっている図柄(ゾロ目)と」された場合には、「主遊技図柄当否抽選結果」が「大当りに当選し」ており、「当りフラグ」がオンとされていることを踏まえると、引用発明の構成aの「装飾図柄」において「3つの数字がそろっている図柄(ゾロ目)」が「停止」すると、「特別遊技」制御処理に移行することとなり、このことは、本願発明の構成Aにおける「当該ゲームの停止結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生可能」であることに相当する。

引用発明の構成aの「ぱちんこ遊技機」は、本願発明の構成Aの「遊技機」に相当する。

以上によれば、引用発明は、本願発明の構成A、Gに相当する構成を備える。

2 本願発明の構成Bについて

引用発明の構成bの「擬似連続変動時」には、「装飾図柄の左列と右列が仮停止した後に、」「中列の仮停止図柄が擬似連図柄とな」るから、引用発明は、本願発明の構成Bのように「前記識別情報の仮停止表示を行った後に当該識別情報の再変動表示を行う再変動演出を実行可能」であることは明らかである。

そうすると、引用発明は、本願発明の構成Bに相当する構成を備える。

3 本願発明の構成Cについて

引用発明の構成c、d、eにおいて、「装飾図柄の全列が変動開始し」てから、「リーチ演出が実行され」るまでの期間は、本願発明の構成Cにおける「前記ゲームの開始から終了までの期間」に相当し、当該期間は、

引用発明の構成c、d、eにおける「装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-1(予告演出1であるセリフ予告の1回目)が発生し、その後、異なる図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止し、再び装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-2(予告演出1であるセリフ予告の2回目)が発生し、その後、同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止」する前までの区間(以下「c1区間」という。)、

上記c1区間の後に「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止し、次に、再び装飾図柄の全列が変動開始した後、予告演出1-3(予告演出1であるセリフ予告の3回目)が発生し、その後、同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止」するまでの区間(以下「c2区間」という。)、

上記c2区間の後に「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列に仮停止し、その間に「REACH」との文字が表示されたリーチ報知演出が実行され、以降はリーチ演出が実行され」る区間(以下「c3区間」)という。)によって形成されているといえるところ、

引用発明の「c2区間」における「予告演出1-3」、引用発明の「c3区間」における「リーチ演出」は、それぞれ本願発明の構成C2、C3における「第1演出」、「前記第1演出と異なる第2演出」に相当する。

そうすると、引用発明における「c1区間」、「c2区間」、「c3区間」は、本願発明の構成C~C3における「第1区間」、「第2区間」、「第3区間」に相当するから、引用発明は、本願発明の構成C~C3に相当する構成を備える。

4 本願発明の構成D1、D2について

引用発明の「c1区間」(第1区間)は、「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止」する前までの区間であるから、本願発明の構成D1における「前記第1区間」であり、「リーチ状態となる前の区間」に相当する。

引用発明の「c2区間」(第2区間)、「c3区間」(第3区間)は、それぞれ「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し」た後の区間、「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列に仮停止し、その間に「REACH」との文字が表示されたリーチ報知演出が実行され」た後の区間であり、引用発明の「c2区間」(第2区間)では、最初に「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し(リーチ状態)」た後、「予告演出1-3(予告演出1であるセリフ予告の3回目)が発生し、その後、同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止(リーチ状態)」するまでの間は、リーチ状態が形成されていない。

そうすると、引用発明は、本願発明の構成D1、D2に相当する構成を備える。

5 本願発明の構成Eについて

引用発明の「c1区間」(第1区間)において「異なる図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止」することは、本願発明の構成E1における「第1仮停止態様」に相当する。

引用発明の「c2区間」(第2区間)において「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止」することは、本願発明の構成E2における「前記第1仮停止態様とは異なる第2仮停止態様」に相当する。

引用発明の「c2区間」(第2区間)において「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し(リーチ状態)、次に、中列に擬似連図柄が仮停止し(第2仮停止態様での仮停止表示)、次に、再び装飾図柄の全列が変動開始(再変動表示)した後、予告演出1-3・・・が発生し、その後、同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止」することは、本願発明の構成E4(「前記第2区間では、前記リーチ状態となった後に前記第2仮停止態様での仮停止表示を行い、その後に再変動表示を行って前記リーチ状態でない状態となり、」)に相当する。

以上によれば、引用発明は、本願発明の構成E(「前記第1区間と前記第2区間と前記第3区間のうち少なくとも一の区間において前記再変動演出を実行可能であり、」)に相当する構成を備えていることは明らかである。

そうすると、引用発明は、本願発明の構成E、E1、E2、E4に相当する構成を備える。

6 本願発明の構成Fについて

(1)構成F

引用発明の「c1区間」(第1区間)における「予告演出1-1(予告演出1であるセリフ予告の1回目)」、「予告演出1-2(予告演出1であるセリフ予告の2回目)」は、それぞれ「異なる図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止」(第1仮停止態様での仮停止表示)する「前」と「後」になされ、

引用発明の「c2区間」(第2区間)における「予告演出1-3(予告演出1であるセリフ予告の3回目)」は、「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止」(第2仮停止態様での仮停止表示)した「後」になされるものであり、

上記「予告演出1-1」~「予告演出1-3」は、擬似連続変動の回数を重ねる毎に予告演出がランクアップするよう構成したものであるから、本願発明Fにおける「前記特別結果となる期待度を示唆する特定演出」に相当する。

そうすると、引用発明は、本願発明の構成F(「前記第1仮停止態様での仮停止表示の前と後と、前記第2仮停止態様での仮停止表示の後と、に前記特別結果となる期待度を示唆する特定演出を実行可能であり、」)に相当する構成を備える。

(2)構成F1

引用発明における「予告演出1-1」、「予告演出1-2」は、リーチ状態が形成される前の引用発明の「c1区間」においてなされるものであり、「予告演出1-3」は、引用発明の「c2区間」における、最初に「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し(リーチ状態)」た後、「その後、同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止(リーチ状態)」するまでの間になされるものであるから、引用発明は、本願発明の構成F1(「前記特定演出は、前記リーチ状態でない状態のときに実行される演出であって、前記リーチ状態中には実行されない演出であり、」)に相当する構成を備える。

(3)構成F2

引用発明における「予告演出1-2」、「予告演出1-1」は、それぞれ本願発明の構成F2における「前記第1仮停止態様での仮停止表示の後に行う前記特定演出」、「前記第1仮停止態様での仮停止表示の前に行う前記特定演出」に相当するところ、引用発明の構成fにおける「擬似連続変動の回数を重ねる毎に予告演出がランクアップ・・・するよう構成したが、ランクダウン・・・しなければよく、同内容が連続してもよい・・・」との構成を踏まえれば、引用発明は、本願発明の構成F2(「前記第1仮停止態様での仮停止表示の後に行う前記特定演出が示唆する前記期待度は、前記第1仮停止態様での仮停止表示の前に行う前記特定演出が示唆する前記期待度と同等又は前記第1仮停止態様での仮停止表示の前に行う前記特定演出が示唆する前記期待度よりも高く、」)に相当する構成を備える。

(4)構成F3

引用発明における「予告演出1-3」は、本願発明の構成F3における「前記第2仮停止態様での仮停止表示の後に行う前記特定演出」に相当するところ、引用発明の構成fにおける上記構成を踏まえれば、引用発明は、本願発明の構成F3(「前記第2仮停止態様での仮停止表示の後に行う前記特定演出が示唆する前記期待度は、前記第1仮停止態様での仮停止表示の前又は後に行う前記特定演出が示唆する前記期待度と同等又は前記第1仮停止態様での仮停止表示の前又は後に行う前記特定演出が示唆する前記期待度よりも高く」)に相当する構成を備える。

(5)構成F4

引用発明の「c1区間」(第1区間)における「異なる図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止」する態様(第1仮停止態様)と引用発明の「c2区間」(第2区間)における「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止」する態様(第2仮停止態様)とは、左列及び右列に仮停止する装飾図柄が同一であるか否かの点で異なるから、引用発明は、本願発明の構成F4における「前記第1仮停止態様と前記第2仮停止態様は、仮停止表示する識別情報が異なる」に相当する構成を備える。

引用発明の「c1区間」(第1区間)における「異なる図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止」する態様(第1仮停止態様)と引用発明の「c2区間」(第2区間)における「同一の図柄である装飾図柄が左列、右列の順に仮停止し、次に、中列に擬似連図柄が仮停止」する態様(第2仮停止態様)は、いずれも「中列に擬似連図柄が仮停止」するもので、当該「擬似連図柄」は、本願発明の構成F4における「前記ゲームの停止結果として表示される識別情報には含まれず前記再変動演出の実行を示唆する再変動示唆図柄」に相当するから、引用発明は、本願発明の構成F4における「前記第1仮停止態様と前記第2仮停止態様は、」「前記ゲームの停止結果として表示される識別情報には含まれず前記再変動演出の実行を示唆する再変動示唆図柄を表示する態様」「であ」ることに相当する構成を備える。

そうすると、引用発明は、本願発明の構成F4(「前記第1仮停止態様と前記第2仮停止態様は、仮停止表示する識別情報が異なるとともに、前記ゲームの停止結果として表示される識別情報には含まれず前記再変動演出の実行を示唆する再変動示唆図柄を表示する態様、又は仮停止表示しない識別情報を有する態様であり、」)に相当する構成を備える。

以上によれば、本願発明と引用発明は、以下の一致点及び相違点を有する。

(一致点)

A 所定条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該

ゲームの停止結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生可能な遊

技機において、

B 前記識別情報の仮停止表示を行った後に当該識別情報の再変動表示を行

う再変動演出を実行可能であり、

C 前記ゲームの開始から終了までの期間は、

C1 第1区間と、

C2 前記第1区間の後の区間であって第1演出が行われる区間である第2

区間と、

C3 前記第1区間の後の区間であって前記第1演出と異なる第2演出が行

われる区間である第3区間と、によって形成され得るものであり、

D1 前記第1区間は、リーチ状態となる前の区間であり、

D2 前記第2区間及び前記第3区間は前記リーチ状態となった後の区間で

あり、少なくとも当該第2区間には前記リーチ状態でない状態を含み、

E 前記第1区間と前記第2区間と前記第3区間のうち少なくとも一の区間

において前記再変動演出を実行可能であり、

E1 前記第1区間において実行される前記再変動演出では、第1仮停止態

様で前記識別情報の仮停止表示を行い、

E2 前記第2区間において実行される前記再変動演出では、前記第1仮停

止態様とは異なる第2仮停止態様で前記識別情報の仮停止表示を行い、

E4 前記第2区間では、前記リーチ状態となった後に前記第2仮停止態様

での仮停止表示を行い、その後に再変動表示を行って前記リーチ状態で

ない状態となり、

F 前記第1仮停止態様での仮停止表示の前と後と、前記第2仮停止態様で

の仮停止表示の後と、に前記特別結果となる期待度を示唆する特定演出を

実行可能であり、

F1 前記特定演出は、前記リーチ状態でない状態のときに実行される演出

であって、前記リーチ状態中には実行されない演出であり、

F2 前記第1仮停止態様での仮停止表示の後に行う前記特定演出が示唆す

る前記期待度は、前記第1仮停止態様での仮停止表示の前に行う前記特

定演出が示唆する前記期待度と同等又は前記第1仮停止態様での仮停止

表示の前に行う前記特定演出が示唆する前記期待度よりも高く、

F3 前記第2仮停止態様での仮停止表示の後に行う前記特定演出が示唆す

る前記期待度は、前記第1仮停止態様での仮停止表示の前又は後に行う

前記特定演出が示唆する前記期待度と同等又は前記第1仮停止態様での

仮停止表示の前又は後に行う前記特定演出が示唆する前記期待度よりも

高く、

F4 前記第1仮停止態様と前記第2仮停止態様は、仮停止表示する識別情

報が異なるとともに、前記ゲームの停止結果として表示される識別情報

には含まれず前記再変動演出の実行を示唆する再変動示唆図柄を表示す

る態様、又は仮停止表示しない識別情報を有する態様である

G 遊技機。

【相違点1】(構成E3、構成F5)

「第3区間」において、本願発明では、「再変動演出」がされ、「前記第1仮停止態様及び前記第2仮停止態様とは異なる第3仮停止態様で前記識別情報の仮停止表示を行」い、「前記第3仮停止態様は、前記第1仮停止態様とは仮停止表示する識別情報が異なるとともに、前記再変動示唆図柄を表示しない態様であり、かつ仮停止表示しない識別情報を有しない態様である」のに対し、

引用発明では、同一の図柄である装飾図柄が左列、右列に仮停止し、両図柄の間に「REACH」との文字が表示されるリーチ報知演出が実行され、以降はリーチ演出が実行されるものの、本願発明のような特定がない点。

第6 判断

上記相違点1について検討する。

(1)引用文献1の段落【1265】の「擬似連続変動が実行されるのは2回まで・・・としたがこれには限定されず・・・何回実行してもよ」いとの記載を踏まえれば、引用発明の「c3区間」(本願発明の「第3区間」に相当)において、擬似連続変動をもう一回以上実行するが記載されているといえる。

引用文献1記載事項(上記「第4」「1(3)」参照)において、装飾図柄が「676」で仮停止する態様(第3仮停止態様)は、最初の仮停止態様と異なり「NEXT」図柄が表示されず、かつ同図柄の「NEXT」は「次」を意味し、「再変動示唆図柄」といえることを踏まえると、引用文献1記載事項は、相違点1に係る構成を備えているといえる。

また、周知例1記載事項(同「2(2)」参照)において、SPリーチが実行されることを報知する第2特殊図柄(「SP」)が左列「2」と右列「2」の間の中列で仮停止する態様(第3仮停止態様)は、最初の仮停止態様と異なり、擬似連予告が実行されることを報知する第1特殊図柄(「NEXT」)が「再変動示唆図柄」といえることを踏まえると、周知例1記載事項は、相違点1に係る構成を備えているといえる。

遊技機における擬似連続変動の各回の仮停止態様をどのようなものとするかは興趣向上の観点から種々の態様を採用し得るものであるところ、相違点1に係る構成は、引用文献1及び周知例1の上記記載事項に示されるとおり、本願出願前に周知技術であったと認められるから、引用発明の「c3区間」(本願発明の「第3区間」に相当)において、擬似連続変動をもう一回以上実行するに当たり、上記周知技術を採用し、装飾図柄を「676」などのはずれ態様で仮停止させるようにしたり、SPリーチが実行されることを報知する「SP」図柄を仮停止させることで、相違点1に係る本願発明の構成とし、もって一層の興趣向上を図ることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(2)請求人の主張について

請求人は、審判請求書において、概略以下のとおり主張している。

ア 本願発明は、リーチ状態となった後の第2仮停止態様は、リーチ状態となる前の第1仮停止態様と、例えば左図柄と右図柄の組み合わせが異なるだけで中図柄の態様は同じである一方、リーチ状態となった後の第3仮停止態様は、第1仮停止態様と、例えば左図柄と右図柄の組み合わせが異なるだけでなく、中図柄の態様も異なるので、遊技者は、リーチ状態となった後に現在実行されている仮停止表示が第3仮停止態様での仮停止表示であるか否かを容易に把握でき、遊技の興趣が向上する、

イ 引用文献1の【1265】の記載によれば、両図柄の間に擬似連図柄を仮停止させる第3仮停止態様は記載されていると言えるが、両図柄の間にその他の図柄を仮停止させる第3仮停止態様は記載されているとはいえない、

ウ 当審より令和4年11月2日付けで通知した拒絶理由で引用した特開2017-131318号公報の引用文献からはリーチ状態となった後の第2仮停止態様と第3仮停止態様とで中図柄の態様を異ならせることは当業者といえども困難であるし、特許第6343335号公報の引用文献からは、リーチ状態となった後の第2仮停止態様と第3仮停止態様とで中図柄の態様を異ならせることは当業者といえども困難である。

請求人の上記主張について検討する。

請求人が上記イで主張するとおり、引用文献1には、左右の図柄の間に擬似連図柄以外の図柄を仮停止させる第3仮停止態様は記載されていないが、上記(1)で検討したとおり、リーチ状態となった後の第3仮停止態様において、装飾図柄を「676」などのはずれ態様で仮停止させたり、SPリーチが実行されることを報知する「SP」などの図柄を表示することは、それぞれ引用文献1記載事項、周知例1記載事項にも示されており、相違点1に係る構成は周知であると認められるから、上記いずれの主張も採用することができない。

第7 結論

以上のとおり、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-004347

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    共通の審決分類: 121・A63F
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    共通の審決分類: 121・A63F

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