2022-002649
遊技機
- 審判番号
- 2022-002649
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-127231外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年02月22日
- 審決日
- 2023年01月10日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社三洋物産
- 【請求人代理人】弁理士法人トレスペクト
- 【請求人代理人】工藤 洋平
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯の概要
本願は、平成29年6月29日の出願であって、令和3年4月22日に手続補正書が提出され、同年5月28日付けで拒絶の理由が通知されたところ、同年11月18日付け(謄本送達日:同月24日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和4年2月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和4年2月22日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年2月22日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、令和3年4月22日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】遊技球を遊技者の操作に基づいて発射することが可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、続きを表示(全15行)その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別を遊技者が識別可能な報知情報を報知する報知手段と、前記特典遊技が実行されることとなる前記識別情報の動的表示を仮停止させることが可能な手段と、前記仮停止される期間に前記特定入球手段へ遊技球を入球させることが可能となるように遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報を報知可能な手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機。」を、
審判請求時に提出された手続補正書(令和4年2月22日付け)の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】遊技球を遊技者の操作に基づいて発射することが可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、続きを表示(全16行)その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別を遊技者が識別可能な報知情報を報知する報知手段と、前記特典遊技が実行されることとなる前記識別情報の動的表示を仮停止させることが可能な手段と、前記仮停止される期間に前記特定入球手段へ遊技球を入球させることが可能となるように遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報を報知可能な手段と、を有するものであり、前記遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報は、所定の図柄で構成されており、前記所定の図柄を所定の順序で可変させて表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機。」にする補正を含むものである(下線は、補正箇所を明示するために当審判合議体にて付した。)。
2 補正の適否
2-1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報」に関して、「前記遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報は、所定の図柄で構成されており、前記所定の図柄を所定の順序で可変させて表示させることが可能にされている」と限定するものを含むものである。
そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書」という。)の段落【2374】、図237、図238の記載に基づくものであり、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
2-2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A等は、分説するため当審判合議体にて付した。)。
「【請求項1】A 遊技球を遊技者の操作に基づいて発射することが可能な発射手段と、B その発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、C その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、続きを表示(全17行)D その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、E その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、F その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、G 前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、H 前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、I その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、J その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、K その特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、L 前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別を遊技者が識別可能な報知情報を報知する報知手段と、M 前記特典遊技が実行されることとなる前記識別情報の動的表示を仮停止させることが可能な手段と、N 前記仮停止される期間に前記特定入球手段へ遊技球を入球させることが可能となるように遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報を報知可能な手段と、を有するものであり、O 前記遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報は、所定の図柄で構成されており、前記所定の図柄を所定の順序で可変させて表示させることが可能にされているP ことを特徴とする遊技機。」
(2)引用発明
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-63857号公報(平成28年4月28日公開)(以下「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア「【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。」
イ「【0022】
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。」
ウ「【0069】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。」
エ「【0074】
この実施例では、遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技領域10の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠51の左側を流下する第1流下経路またはセンター飾り枠51の右側を流下する第2流下経路のいずれかを流下するようになっており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は第1流下経路を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は第2流下経路を流下する。
【0075】
また、第1流下経路を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bに入賞可能であり、第2流下経路を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能または入賞が困難とされる。また、通過ゲート41を通過不能または通過困難である。」
オ「【0078】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。」
カ「【0080】
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。」
キ「【0084】
また、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口用扉711が、所定の上限時間(例えば、1.6秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となる。
・・・
【0086】
小当り遊技状態において、第2大入賞口712に入賞した遊技球が検出有効期間内に第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口712に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第4カウントスイッチ24Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球の第4カウントスイッチ24Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。」
ク「【0090】
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器20による普図ゲームの変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
」
ケ「【0097】
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。」
コ「【0114】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備えて構成される。・・・
【0117】
乱数回路104は、これらの乱数値MR1~MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば、図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1~MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
【0118】
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」~「65536」の範囲の値をとる。当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「第1大当り(5ラウンド大当り)」、「第2大当り(15ラウンド大当り)」、「第3大当り(実質0ラウンド大当り)」、「第4大当り(15ラウンド大当り)」のいずれかに決定するため、及び変動表示結果を「小当り」とする場合における小当り種別を「第1小当り(小当り後に5ラウンド大当り)」、「第2小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」、「第3小当り(小当り後に実質0ラウンド大当り)」、「第4小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」~「300」の範囲の値をとる。
【0119】
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」~「251」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」~「997」の範囲の値をとる。
・・・
【0121】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図4などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。」
サ「【0150】
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0151】
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。」
シ「【0205】
図15は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。先ず、CPU103は、第1始動入賞口または第2始動入賞口のどちらに遊技球が入賞したかや、各遊技用乱数値MR1~MR4の抽出及び記憶を行う始動入賞処理を実行する(S300-)。尚、始動入賞処理においては、CPU103は、遊技球が入賞した始動入賞口に応じて、図9(A)、(B)に示す始動入賞指定コマンド等を演出制御基板12に対して送信するための送信設定を実行する。
・・・
【0215】
小当り開放前処理(S308)特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、第2大入賞口712を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド82を駆動して第2大入賞口712を開放状態にする。また、タイマによって小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。尚、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
・・・
【0217】
小当り終了処理(S310)特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行わせるための制御を行う。そして、小当り開放中処理で第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立している場合は、該第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出に基づき、V入賞大当りを設定する処理を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当り開放中処理で第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立していない場合は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。」
ス「【0245】
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「-」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別に応じて、種別毎に異なる大当り図柄となる所定の大当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる、大当り記号とは異なる小当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。このように、大当り図柄を複数種類の大当り記号のうちから決定することで、遊技者に大当りであるかを特別図柄によって特定しにくくすることができる。」
セ「【0276】
S802の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出表示装置5における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定する処理などを含んでいる。」
ソ「【0288】
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。」
タ「【0308】
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。」
チ「【0312】
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を変動表示中演出処理(S803)に対応した値にする(S286)。」
ツ「【0315】
図29には、ナビ演出態様の一例が示されている。ナビ演出では、図29(A)に示すように演出図柄の変動表示が停止している状態から、演出図柄の変動表示が開始されると、演出図柄の変動表示が開始されてから所定のタイミングで演出表示装置5の表示画面にキャラクタが出現する(図29(B)参照)。そして、キャラクタにより「アタッカーが開くよ!急いで右打ちを開始して!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、小当りとなって第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知(ナビ)される。
【0316】
次いで、小当り図柄の停止が近づくと「もうすぐ開くよ!3,2,1・・・」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され(図29(D)参照)、小当り図柄が停止されると、「アタッカーオープン!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知される(図29(E)参照)。
【0317】
そして、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されると、演出表示装置5の表示画面に「V」の文字が表示され、V入賞が発生したことが報知される。次いで、大当り遊技状態への移行に伴い、演出表示装置5の表示画面に「大当り!」なる文字が表示され、V入賞大当りが開始されることが報知される(図29(G)参照)。」
テ「
[図:0001394832000001.jpg]
」
ト「
[図:0001394832000002.jpg]
」
ナ 引用発明
上記ア~トに摘記した引用例1に記載された事項より、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める(記号a等は、本件補正発明の記号A等に対応させて当審判合議体にて付した。)。
「a 遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられ(【0069】)、b 遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技領域10の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠51の左側を流下する第1流下経路またはセンター飾り枠51の右側を流下する第2流下経路のいずれかを流下するようになっており(【0074】)、第1流下経路を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bに入賞可能であり、第2流下経路を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されており(【0075】)、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始され、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始され(【0078】)、c、k 遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU103が各種の判定や決定を行い(【0114】、【0121】)、遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶し(【0150】)、遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値に達するまで記憶し(【0151】)、特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「第1大当り(5ラウンド大当り)」、「第2大当り(15ラウンド大当り)」、「第3大当り(実質0ラウンド大当り)」、「第4大当り(15ラウンド大当り)」のいずれかに決定するため、及び変動表示結果を「小当り」とする場合における小当り種別を「第1小当り(小当り後に5ラウンド大当り)」、「第2小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」、「第3小当り(小当り後に実質0ラウンド大当り)」、「第4小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり(【0118】)、変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり(【0119】)、d、f 特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される演出表示装置5が設けられ(【0022】)、CPU103は、大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別に応じて、種別毎に異なる大当り図柄となる所定の大当り記号を特別図柄の停止図柄に決定し、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる、大当り記号とは異なる小当り記号を特別図柄の停止図柄に決定し(【0245】)、特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出表示装置5における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定し(【0276】)、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し(【0288】)、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択し(【0308】)、e 演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示し(【0312】)、g、h CPU103が実行する特別図柄プロセス処理の小当り開放前処理では、第2大入賞口712を開放する制御を行い小当り遊技を開始し(【0205】、【0215】)、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口用扉711が、所定の上限時間(例えば、1.6秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を開放状態とし、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となり(【0084】)、小当り終了処理では、小当り開放中処理で第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立している場合は、該第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出に基づき、V入賞大当りを設定する処理を行う(【0217】)パチンコ遊技機1(【0017】)において、i、j CPU103は、小当り遊技状態において、第2大入賞口712に入賞した遊技球が検出有効期間内に第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となり遊技状態を大当り遊技状態に制御し(【0086】)、m 特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行し、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告し(【0097】)、n、o 演出図柄の変動表示が停止している状態から、演出図柄の変動表示が開始されると、演出図柄の変動表示が開始されてから所定のタイミングで演出表示装置5の表示画面にキャラクタが出現し、キャラクタにより「アタッカーが開くよ!急いで右打ちを開始して!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、小当りとなって第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知(ナビ)され(【0315】)、小当り図柄の停止が近づくと「もうすぐ開くよ!3,2,1・・・」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、小当り図柄が停止されると、「アタッカーオープン!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知され(【0316】)、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されると、演出表示装置5の表示画面に「V」の文字が表示され、V入賞が発生したことが報知され、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されると、演出表示装置5の表示画面に「V」の文字が表示され、V入賞が発生したことが報知される(【0317】)p パチンコ遊技機1(【0017】)。」
(3)引用例2
原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-140367号公報(平成28年8月8日公開)(以下「引用例2」という。)には、以下の事項が記載されている。
ア「【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機を複数混在させたような遊技を提供する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技の遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選が大当りとなると大入賞口(後述の第1大入賞口21)が開放を繰り返す特別遊技が開始される。一方、第1の当否抽選または第2の当否抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口(後述の第2大入賞口22)の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。第2大入賞口22へ入球した遊技球が第2大入賞口22内の「Vゾーン」と呼ばれる特定領域に入球すると、「小当り」から「大当り」へと昇格し、第1大入賞口21が開放される特別遊技が実行される。そのため、小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。」
イ「【0014】
本実施例では、小当りの種類として、小当り発展大当りとなって特別遊技が実行された後に時短状態が継続する「時短付き小当り」と、特別遊技が実行された後に時短状態が終了する「時短なし小当り」の大きく二種類が設けられる。時短付き小当りから大当りへと発展する場合、その後の時短状態においてさらなる「小当り発展大当り」を発生させることによる大当りの連続が期待できる。その一方、時短なし小当りから大当りへと発展する場合には、その後に時短状態が終了するため、大当りの連続を期待しにくいという特徴を有する。したがって、小当りの種類によっては、「小当り発展大当り」となることが遊技者にとって相対的に不利な状況を招くことになると言える。」
ウ「【0068】
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
【0069】
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」~「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」~「4」が大当りに対応し、「5」~「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。」
エ「【0072】
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」~「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0~49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50~99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100~149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150~199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200~255」に対応付けられる。種類「5」~「7」は、時短付きの小当りであることを示し、種類「8」~「9」は、時短なしの小当りであることを示す。
・・・
【0074】
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。」
オ「【0096】
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第2大入賞口22を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第2大入賞口22を開放させることにより小当り遊技を実行する。」
カ「【0196】
図24は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、第2大入賞口22を開放させ(S820)、入球許容期間の開始タイミングであれば(S822のY)、抑制弁501を開放させ(S824)、入球許容期間を経過するまで開放を継続させ(S826のN)、入球許容期間の終了タイミングであれば(S826のY)、抑制弁を閉鎖させる(S828)。入球許容期間の開始タイミングでなければ(S822のN)、S824~S828をスキップする。所定の開放時間が経過するまで第2大入賞口22の開放を継続させ(S830のN)、開放時間を経過した場合(S830のY)、第2大入賞口22を閉鎖し(S832)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S834のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻る(S836)。設定回数分の開閉が終了しており(S834のY)、特定領域に入球していれば(S840のY)、特別遊技制御手段260は小当りVが確定したことを設定し(S842)、特定領域に入球していなければ(S840のN)、S842をスキップし、小当り遊技を終了する(S844)。」
キ「【0199】
小当り変動演出では、変動表示される装飾図柄61の図柄種類によって「時短付き小当り」となる期待度(以下、時短突入期待度ともいう)の高さが示唆される。また、小当り種類を示唆するための図柄種類として、大当りとなることを示すために用いられる図柄種類とは異なる特殊図柄が用いられる。例えば、特殊図柄として、大当りとなることを示すための「0」~「9」の数字の図柄ではなく、「A」「B」「C」などの文字の図柄を用いる。図柄「A」は、「時短付き小当り」となることを示唆する図柄として用いられ、図柄「C」は、「時短なし小当り」となることを示唆する図柄として用いられる。図柄「B」は、小当りとなることを示すものの「時短付き小当り」となる確率が50%程度であることを示唆する図柄として用いられる。
【0200】
小当り変動演出の第1演出期間では、変動表示される装飾図柄61の図柄種類として上述の特殊図柄が含まれていないか、含まれていたとしても高速で変動表示されているために特殊図柄が含まれていることを特定できないような態様で装飾図柄61が変動表示される。一方、第2演出期間では、上述の特殊図柄が低速で変動表示されるか、装飾図柄61の3つの図柄の組合せのうちの少なくとも一つが特殊図柄で停止しているように表示された後、特殊図柄を含む組合せにて装飾図柄61が停止表示される。その結果、第1演出期間では、特殊図柄の種類により小当り種類を判別することが困難もしくは不可能である一方、第2演出期間では、特殊図柄の種類により小当り種類を判別することが容易もしくは可能となる。」
ク「【0202】
図柄態様決定手段301は、当否判定結果が小当りとなる場合に、その小当りの種類に応じて小当り変動演出にて変動表示される特殊図柄の種類を決定する。図柄態様決定手段301は、「時短付き小当り」となる場合、装飾図柄61の停止図柄に特殊図柄「A」または「B」が含まれるようにする。この停止図柄の組合せは、「AAA」や「BBB」のように3つの図柄が揃っていてもよいし、「1A2」や「B7B」のように数字の図柄が含まれていてもよい。一方、当否判定結果が「時短なし小当り」となる場合、装飾図柄61の停止図柄の組合せとして特殊図柄「B」または「C」が含まれるようにする。」
ケ「【0210】
(変形例1)
図26は、変形例における小当り遊技の流れを示すフローチャートである。本変形例においても、「時短付き小当り」となる期待度の高さが判別困難もしくは判別不能となる第1演出期間と、「時短付き小当り」となる期待度の高さが判別容易もしくは判別可能となる第2演出期間とを含む演出表示がなされる。一方、本変形例では、1回の小当り変動期間内に疑似的に複数回の図柄変動が実行されたかのように見せる擬似連続変動演出を用いて小当り種類を示唆する点で、上述の実施例と相違する。本変形例では、1回の小当り変動期間内に4回の擬似停止表示と1回の停止表示を含み、計5回の停止タイミングにて図柄が停止表示されるように見せる。ここでの「擬似停止表示」とは、図柄の変動表示が外観上停止しているように見える形で微動する仮停止態様にて装飾図柄を表示させることをいう。」
コ「【図7】
[図:0001394832000003.jpg]
」
サ 引用例2の記載事項1
折りたたみ中(クリックで表示)
上記ア~ク及びコに摘記した引用例2に記載された事項より、引用例2には、以下の事項(以下「引用例2の記載事項1」という。)が記載されているものと認める。
「遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選が大当りとなると大入賞口(後述の第1大入賞口21)が開放を繰り返す特別遊技が開始され、第1の当否抽選または第2の当否抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口(後述の第2大入賞口22)の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行され、小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別され、第2大入賞口22へ入球した遊技球が第2大入賞口22内の「Vゾーン」と呼ばれる特定領域に入球すると、「小当り」から「大当り」へと昇格し、第1大入賞口21が開放される特別遊技が実行され(【0011】)、特定領域に入球していれば、特別遊技制御手段260は小当りVが確定したことを設定し(【0196】)、小当り遊技は、小当り遊技制御手段265が実行し(【0096】)、小当りの種類として、小当り発展大当りとなって特別遊技が実行された後に時短状態が継続する「時短付き小当り」と、特別遊技が実行された後に時短状態が終了する「時短なし小当り」の大きく二種類が設けられ(【0014】)、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行し(【0068】)、特別図柄の種類「5」~「9」が小当りに対応付けられており、種類「5」は図柄抽選値の範囲「0~49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50~99」に対応付けられ、種類「7」は図柄抽選値の範囲「100~149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150~199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200~255」に対応付けられ、種類「5」~「7」は、時短付きの小当りであることを示し、種類「8」~「9」は、時短なしの小当りであることを示し(【0072】)、各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられており(【0069】)、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に図柄変動を表示させ(【0074】)、特殊図柄として、「A」「B」「C」などの文字の図柄を用い、図柄「A」は、「時短付き小当り」となることを示唆する図柄として用いられ、図柄「C」は、「時短なし小当り」となることを示唆する図柄として用いられ、図柄「B」は、小当りとなることを示すものの「時短付き小当り」となる確率が50%程度であることを示唆する図柄として用いられ(【0199】)、「時短付き小当り」となる場合、装飾図柄61の停止図柄に特殊図柄「A」または「B」が含まれるようにし、「時短なし小当り」となる場合、装飾図柄61の停止図柄の組合せとして特殊図柄「B」または「C」が含まれるようにし(【0202】)、小当り変動演出の第1演出期間では、変動表示される装飾図柄61の図柄種類として特殊図柄が含まれていないか、含まれていたとしても高速で変動表示されているために特殊図柄が含まれていることを特定できないような態様で装飾図柄61が変動表示され、第2演出期間では、上述の特殊図柄が低速で変動表示されるか、装飾図柄61の3つの図柄の組合せのうちの少なくとも一つが特殊図柄で停止しているように表示された後、特殊図柄を含む組合せにて装飾図柄61が停止表示され、特殊図柄の種類により小当り種類を判別することが容易もしくは可能となる(【0200】)ぱちんこ遊技機(【0011】)。」
シ 引用例2の記載事項2
折りたたみ中(クリックで表示)
上記ア及びケに摘記した引用例2に記載された事項より、引用例2には、以下の事項(以下「引用例2の記載事項2」という。)が記載されているものと認める。
「1回の小当り変動期間内に疑似的に複数回の図柄変動が実行されたかのように見せる擬似連続変動演出を用いて小当り種類を示唆し、1回の小当り変動期間内に4回の擬似停止表示と1回の停止表示を含み、計5回の停止タイミングにて図柄が停止表示されるように見せる(【0210】)ぱちんこ遊技機(【0011】)。」
(4)周知技術
ア 周知例1
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-172号公報(平成27年1月5日公開)(以下「周知例1」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【実施例】【0015】図1は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して構成した遊技機1の装置構成図の一例であって、図2は、本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は、1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。」
(イ)「【0552】図30(c)は、後述するように、「右打ち演出1」において表示する「右打ち画像1」を示す図である。この「右打ち画像1」は、カウントダウン演出の終了前2秒間、すなわち、第2ラウンドのショート開放の終了時(2F)から第3ラウンドの開始時(3E)まで継続して表示される。この図30(c)の「右打ち画像1」の例では、「右打ち」の装飾文字画像を大きく表示するとともに、複数の右方向矢印画像を右方向に移動表示する。」
(ウ)「【0653】このように、遊技機1は、大入賞口16への入球が不可能または困難なショート開放と、遊技球の入球が容易なロング開放との両方を行うラウンド遊技において、ラウンド遊技中、「右打ち」を指示しない所定演出と、大入賞口16に遊技球を到達させる「右打ち」を指示する「右打ち演出」とを、ショート開放による開放動作と、ロング開放による開放動作の切替時に切り替える。これにより、遊技機1は、遊技者に対して、多くの遊技球が可能な適切なタイミングで「右打ち」を指示するため、大入賞口16への多くの無駄な遊技球の入賞を抑制することが可能となる。」
(エ)「【図30】[図:0001394832000004.jpg]」
(オ)周知例1の記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
上記(ア)~(エ)に摘記した周知例1に記載された事項より、周知例1には次の事項(以下「周知例1の記載事項」という。)が記載されているものと認める。
「大入賞口16への入球が不可能または困難なショート開放と、遊技球の入球が容易なロング開放との両方を行うラウンド遊技において、ラウンド遊技中、「右打ち」を指示しない所定演出と、大入賞口16に遊技球を到達させる「右打ち」を指示する「右打ち演出」とを、ショート開放による開放動作と、ロング開放による開放動作の切替時に切り替え、「右打ち演出1」において表示する「右打ち画像1」は、第2ラウンドのショート開放の終了時から第3ラウンドの開始時まで継続して表示され、「右打ち」の装飾文字画像を大きく表示するとともに、複数の右方向矢印画像を右方向に移動表示する遊技機1。」
イ 周知例2
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-177877号公報(平成27年10月8日公開)(以下「周知例2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【発明を実施するための形態】【0018】<遊技機の構成>図1を用いて、まず、遊技機100の構成について説明する。図1は、本実施形態の遊技機100の正面図である。遊技機100は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。」
(イ)「【0054】更に、操作ハンドル205の第1指掛け部237aには、本発明の要部を構成する右打ちボタン250が設けられている。右打ちボタン250は、円形状に形成され、遊技者が操作ハンドル205を回動した状態であっても容易に操作可能なように、第1指掛け部237aの外周面において上方に突出するように設けられている。右打ちボタン250は、所定の条件下で遊技者がオン操作すると、遊技者の操作ハンドル205の回動量に拘らず、遊技球の発射強度を所定の打ち出し強さに設定して、発射された遊技球を遊技領域106の右側に向けて発射するいわゆる「右打ち」ができるようになっている。また更に、右打ちボタン250には、後述する所定の条件下で右打ちボタン250を発光させる右打ちボタン発光用LED622(図6参照)が設けられている。」
(ウ)「【0224】電チュー115が作動状態になると、所定のオープニング時間経過後、電チュー115は0.2秒のショート開放を1回行い、その後、所定のインターバル時間経過後、5.5秒のロング開放を行う。そしてロング開放を終えると、所定のエンディング時間経過後、電チュー115は作動状態を終了する。電チュー115の作動状態が終了すると、ほぼ同時に右打ちボタン有効信号がオフになり、それと共に点灯していた電チュー発光用LED620は消灯する。」
(エ)「【0294】(17)また、画像表示装置131にて行われる右打ちボタン操作開始演出は、電チュー115がロング開放する所定時間T1(遊技球が発射された時点から電チュー115に入賞するまでの時間)前になった時点で「右打ちボタン操作!」の文字を表示するようにしたが、これは限定することなく、例えば、電チュー115がロング開放する所定時間T1前より更に3秒前に「3」「2」「1」「0」というカウントダウン表示をし、その後「右打ちボタン操作!」の文字を表示するようにしてもよい。同様に、右打ちボタン操作開始演出が終了するときも、3秒前に「3」「2」「1」「0」というカウントダウン表示をし、その後右打ちボタン操作終了演出が切り替わって表示され、「右打ちボタン操作停止!」の文字が表示されるようにしてもよい。また、この場合、カウントダウン表示に合わせて、音声出力装置132からの音声にて「3」「2」「1」「0」と出力してもよいし、更にそれに合わせて、演出用照明装置134により光を点滅制御するようにしてもよい。」
(オ)周知例2の記載事項
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上記(ア)~(エ)に摘記した周知例2に記載された事項より、周知例2には次の事項(以下「周知例2の記載事項」という。)が記載されているものと認める。
「操作ハンドル205の第1指掛け部237aには、本発明の要部を構成する右打ちボタン250が設けられ、右打ちボタン250は、所定の条件下で遊技者がオン操作すると、遊技者の操作ハンドル205の回動量に拘らず、遊技球の発射強度を所定の打ち出し強さに設定して、発射された遊技球を遊技領域106の右側に向けて発射するいわゆる「右打ち」ができるようになっており、電チュー115が作動状態になると、所定のオープニング時間経過後、電チュー115は0.2秒のショート開放を1回行い、その後、所定のインターバル時間経過後、5.5秒のロング開放を行い、画像表示装置131にて行われる右打ちボタン操作開始演出として、電チュー115がロング開放する所定時間T1前より更に3秒前に「3」「2」「1」「0」というカウントダウン表示をし、その後「右打ちボタン操作!」の文字を表示するようにする遊技機100。」
ウ 周知技術
上記ア(オ)の周知例1の記載事項における「複数の右方向矢印画像」及びイ(オ)の周知例2の記載事項における「カウントダウン表示」の「「「3」「2」「1」「0」」で表示される数字は、それぞれ「所定の図柄」であるといえ、周知例1の記載事項における「複数の右方向矢印画像を右方向に移動表示する」こと、及び、周知例2の記載事項における「「3」「2」「1」「0」というカウントダウン表示」は、「所定の順序で可変させて表示させる」ことであるといえる。
また、周知例1の記載事項では、「右打ち画像1」は、第2ラウンドのショート開放の終了時から第3ラウンドの開始時まで継続して表示され、周知例2の記載事項では、電チュー115がロング開放する所定時間T1前より更に3秒前に「3」「2」「1」「0」というカウントダウン表示をしているから、いずれも、遊技者に入賞装置が開放する前に右打ちの操作のための演出をおこなっているといえる。
よって、周知例1の記載事項及び周知例2の記載事項を総合すると、
「遊技者に入賞装置が開放する前に右打ち操作を示す演出として、図柄を所定の順序で可変させて表示させる遊技機。」は本願出願前に遊技機の分野で周知(以下「周知技術」という。)であると認められる。
(5)対比
本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
ア 構成Aについて
引用発明の構成aの「遊技球を遊技領域10に向けて」「遊技者等によって操作され」て「発射する」こと、「発射手段」は、それぞれ本件補正発明の「遊技球を遊技者の操作に基づいて発射すること」、「発射手段」に相当する。
よって、引用発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する構成を有する。
イ 構成Bについて
引用発明の構成bの「遊技領域10に打ち出された遊技球」、「普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6B」は、それぞれ本件補正発明の「その発射手段により発射された遊技球」、「入球可能な入球手段」に相当する。
よって、引用発明の構成bは、本件補正発明の構成Bに相当する構成を有する。
ウ 構成Cについて
引用発明の構成c、kの「遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値に達するまで記憶し、遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値に達するまで記憶し」「特図表示結果判定用の乱数値MR1」により「特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かを決定する」こと、「遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU103」は、それぞれ本件補正発明の「その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行すること」、「判定手段」に相当する。
よって、引用発明の構成c、kは、本件補正発明の構成Cに相当する構成を有する。
エ 構成Dについて
引用発明の構成d、f、kの「CPU103」が「大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別に応じて、種別毎に異なる大当り図柄となる所定の大当り記号を特別図柄の停止図柄に決定し、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる、大当り記号とは異なる小当り記号を特別図柄の停止図柄に決定し」「特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定し」「演出制御用CPU120」が「表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じ」て「決定し」た「演出図柄」、「演出表示装置5」は、それぞれ本件補正発明の「その判定手段による判定結果を示すための識別情報」、「表示手段」に相当する。
よって、引用発明の構成d、f、kは、本件補正発明の構成Dに相当する構成を有する。
オ 構成Eについて
引用発明の構成eの「演出表示装置5が」「所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込」まれた「画像データに応じた信号」「に応じた画像を表示」すること、「表示制御部123」は、それぞれ本件補正発明の「その表示手段に前記識別情報を動的表示させる」こと、「動的表示手段」に相当する。
よって、引用発明の構成eは、本件補正発明の構成Eに相当する構成を有する。
カ 構成Fについて
引用発明の構成d、fの「CPU103」が「決定し」た「特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定し」「変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択」すること、「演出制御用CPU120」は、それぞれ本件補正発明の「前記識別情報の動的表示態様を決定する」こと、「動的表示態様決定手段」に相当する。
よって、引用発明の構成d、fは、本件補正発明の構成Fに相当する構成を有する。
キ 構成Gについて
引用発明の構成g、hの「特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」とな」る場合、「第2大入賞口712を開放する制御を行」う「小当り遊技」、「CPU103」、「パチンコ遊技機1」は、それぞれ本件補正発明の「特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合」、「遊技者に有利となる特典遊技」、「特典遊技実行手段」、「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の構成g、hは、本件補正発明の構成Gに相当する構成を有する。
ク 構成Hについて
引用発明の構成g、hの「所定の上限時間(例えば、1.6秒間)が経過するまでの期間」、「第2大入賞口用扉711が、所定の上限時間(例えば、1.6秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を開放状態と」なる「第2特別可変入賞球装置7B」は、それぞれ本件補正発明の「前記特典遊技が実行されている期間」、「遊技球が入球可能となる特定入球手段」に相当する。
よって、引用発明の構成g、hは、本件補正発明の構成Hに相当する構成を有する。
ケ 構成Iについて
引用発明の構成i、jの「第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過する」ことができる部分は、本件補正発明の「特定領域」に相当する。
よって、引用発明の構成i、jは、本件補正発明の構成Iに相当する構成を有する。
コ 構成Jについて
引用発明の構成i、jの「第2大入賞口712に入賞した遊技球が検出有効期間内に第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過する」場合、「遊技状態を大当り遊技状態に制御」すること、「CPU103」は、それぞれ本件補正発明の「その特定領域に遊技球が入球した場合」、「遊技者に有利な特典を付与する」こと、「特典付与手段」に相当する。
よって、引用発明の構成i、jは、本件補正発明の構成Jに相当する構成を有する。
サ 構成Kについて
引用発明の構成c、kの「変動表示結果を「小当り」とする場合における小当り種別を「第1小当り(小当り後に5ラウンド大当り)」、「第2小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」、「第3小当り(小当り後に実質0ラウンド大当り)」、「第4小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」のいずれかに決定する」こと、「CPU103」は、それぞれ本件補正発明の「前記特典の種別を決定する」こと、「特典種別決定手段」に相当する。
よって、引用発明の構成c、kは、本件補正発明の構成Kに相当する構成を有する。
シ 構成Nについて
引用発明の構成n、oの「キャラクタにより「アタッカーが開くよ!急いで右打ちを開始して!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、小当りとなって第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知(ナビ)され」「小当り図柄の停止が近づくと「もうすぐ開くよ!3,2,1・・・」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され」ること、「演出表示装置5」は、それぞれ本件補正発明の「前記特定入球手段へ遊技球を入球させることが可能となるように遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報」、「報知可能な手段」に相当する。
そして、引用発明の構成n、oの「小当り図柄の停止が近づ」いている時と、本件補正発明の「前記仮停止される期間」とは、(識別情報の動的表示)が「停止される前」である点で共通する。
そうすると、引用発明のn、oと本件補正発明の構成Nとは「(識別情報の動的表示が)停止される前に前記特定入球手段へ遊技球を入球させることが可能となるように遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報を報知可能な手段と、を有する」点で共通する。
ス 構成Pについて
引用発明の構成pの「パチンコ遊技機1」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の構成pは、本件補正発明の構成Pに相当する。
上記ア~スによれば、本件補正発明と引用発明は、以下の一致点及び相違点を有する。
<一致点>
「A 遊技球を遊技者の操作に基づいて発射することが可能な発射手段と、B その発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、C その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、D その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、続きを表示(全13行)E その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、F その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、G 前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、H 前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、I その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、J その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、K その特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、N’(識別情報の動的表示が)停止される前に前記特定入球手段へ遊技球を入球させることが可能となるように遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報を報知可能な手段と、を有するものであるP 遊技機。」
<相違点1>(構成L)
本件補正発明では「その特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別を遊技者が識別可能な報知情報を報知する報知手段」を有するのに対して、
引用発明では、「CPU103が」「変動表示結果を「小当り」とする場合における小当り種別を「第1小当り(小当り後に5ラウンド大当り)」、「第2小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」、「第3小当り(小当り後に実質0ラウンド大当り)」、「第4小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」のいずれかに決定」しているものの、小当りの種別を遊技者が識別可能に報知情報を報知していない点。
<相違点2>(構成M)
本件補正発明では「前記特典遊技が実行されることとなる前記識別情報の動的表示を仮停止させることが可能な手段」を有するのに対して、
引用発明では、変動表示結果が小当りの場合に、演出図柄の変動表示を仮停止させていない点。
<相違点3>(構成N)
本件補正発明では、「前記仮停止される期間に前記特定入球手段へ遊技球を入球させることが可能となるように遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報を報知可能」であるのに対し、
引用発明では、「小当り図柄の停止が近づ」いている時に、「キャラクタにより「アタッカーが開くよ!急いで右打ちを開始して!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、小当りとなって第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知(ナビ)され」「「もうすぐ開くよ!3,2,1・・・」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され」ており、メッセージの表示が、仮停止されている期間ではない点。
<相違点4>(構成O)
本件補正発明では、「前記遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報は、所定の図柄で構成されており、前記所定の図柄を所定の順序で可変させて表示させることが可能にされている」のに対して、
引用発明では、「演出表示装置5の表示画面にキャラクタが出現し、キャラクタにより「アタッカーが開くよ!急いで右打ちを開始して!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、小当りとなって第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知(ナビ)され、小当り図柄の停止が近づくと「もうすぐ開くよ!3,2,1・・・」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され」ているものの、所定の図柄を所定の順序で可変させて表示させていない点。
(6)判断
ア 相違点1について
引用例2の記載事項1の「特別遊技制御手段260」、「小当りの種類」、「第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227」、「装飾図柄61」、「装飾図柄61が停止表示され」る場合、「特殊図柄「A」」又は「「C」」、「演出表示装置60」は、それぞれ本件補正発明の「特典付与手段」、「特典の種別」、「特典種別決定手段」、「識別情報」、「停止表示される場合」、「前記特典の種別を遊技者が識別可能な報知情報」、「報知手段」に相当する。
そして、引用発明及び引用例2の記載事項1は、ともに複数種類の小当り遊技を実行する遊技機であり、ともに小当り遊技機により遊技の興趣を向上させるという共通の課題が内在していることは明らかであるから、引用発明の小当り図柄に、引用例2の記載事項1を適用して、小当りの種類に対応付けた特殊図柄とし、小当りの種類を遊技者が識別可能として、相違点1に係る本件補正発明とすることは当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点2及び3について
相違点2及び3は密接に関連しているため併せて検討する。
引用例2の記載事項2の「図柄変動」、「図柄」、「擬似停止表示」は、それぞれ本件補正発明の「前記特典遊技が実行されることとなる前記識別情報」、「動的表示」、「仮停止」に相当する。
また、引用例2の記載事項2では、「図柄変動」を「擬似停止表示」していることから、「擬似停止表示」を可能な手段を備えていることは明らかである。
そして、引用発明及び引用例2の記載事項2は、ともに複数種類の小当り遊技を実行する遊技機であり、ともに小当り遊技機により遊技の興趣を向上させるという共通の課題が内在していることは明らかであるから、引用発明において、変動表示結果が小当りとなる変動表示として、引用例2の記載事項2を適用し、小当り図柄の停止前に、擬似停止表示を行うようにすることは当業者が容易になし得たことであり、小当り図柄の停止前に、擬似停止表示を行うようにした場合に、擬似停止表示を行う小当り変動期間内に、キャラクタにより「アタッカーが開くよ!急いで右打ちを開始して!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、小当り図柄の停止が近づくと「もうすぐ開くよ!3,2,1・・・」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示されることは明らかであるから、引用発明において、変動表示結果が小当りとなる変動表示として、引用例2の記載事項2を適用することによって、相違点2及び3に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
ウ 相違点4について
上記(4)ウで示した周知技術の「遊技者に入賞装置が開放する前に右打ち操作を示す演出」、「図柄」、「所定の順序で可変させて表示させる」ことは、それぞれ本件補正発明の「前記遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報」、「所定の図柄」、「前記所定の図柄を所定の順序で可変させて表示させること」に相当する。
そして、引用発明及び周知技術は、ともに遊技者に右打ち操作を入賞装置が開放する前に指示する遊技機であり、ともに遊技者に右打ち操作の指示を分かりやすく行うという共通の課題が内在していることは明らかであるから、引用発明に上記周知技術を適用し、小当りとなって第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知(ナビ)され、小当り図柄の停止が近づくと「もうすぐ開くよ!3,2,1・・・」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示されることに加えて、右打ち操作を遊技者に示す演出として、図柄を所定の順序で可変させて表示させて、相違点4に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
エ 本件補正発明の奏する効果について
そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果、引用例2の記載事項1及び2の奏する効果並びに上記周知技術の奏する効果から、当業者が予測することができた程度のものである。
(7)請求人の主張について
請求人は、令和4年2月22日付けの審判請求書において、次の点について主に主張をする(下線は当審判合議体で付した。)。
「(7)本願発明と引用文献2および3との対比本願発明における請求項1に係る発明では、「前記遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報は、所定の図柄で構成されており、前記所定の図柄を所定の順序で可変させて表示させることが可能にされている」という特徴的構成を有しています。上記特徴的構成を有することにより、請求項1に係る発明では、所定の図柄が所定の順序で可変されることで、遊技球を発射させるタイミングを所定の図柄の可変具合を目安として調節することができ、また、所定の図柄を所定の順序で可変させることで、日本語等が分からない外国人であっても、図柄の態様を見極めることで発射させるタイミングを識別することができ、遊技球を発射させずに遊技者が不利となってしまう不具合を抑制できるという特有の効果も有するものです。引用文献2には、遊技球を発射させるタイミングを報知するためにアタッカーが開放するタイミングを文字で報知する構成が記載されていますが、図柄として表示されている矢印図柄は可変させずに表示を維持させる構成が記載されているのみであり、日本語が分からない遊技者は、矢印のみを頼りにただ表示されたタイミングで発射するのみしかできず、遊技球を無駄に発射してしまう虞があるものです。一方、本願発明では、上記した特徴的構成からも明らかなように、所定の図柄が所定の順序で可変されることで、図柄の可変具合によって遊技球を発射させるタイミングを計ることができ、遊技者が効率の良いタイミングを図柄の可変具合で識別したり、覚えたりすることで、遊技球を無駄に消費してしまう不具合を抑制できるという引用文献2および3からは奏することのできない特有の効果を有するものです。よって、本願発明は、引用文献2および3から容易に想到できるものでないことは明らかであるので、上記、拒絶理由の理由2でご指摘された特許法第29条第2項に該当するものでないことは明らかです。」
そこで、請求人の上記主張について検討する。
上記(4)ウで示したとおり「遊技者に入賞装置が開放する前に右打ち操作を 遊技者に示す演出として、図柄を所定の順序で可変させて表示させる遊技機。」は遊技機の分野において周知技術である。
そして、(6)ウで説示したとおり、当該周知技術を適用して、本件補正発明の相違点4に係る発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことであるから、請求人の上記主張を採用することはできない。
(8)まとめ
以上のように、本件補正発明は、当業者が、引用発明、引用例2の記載事項1及び2並びに上記周知技術から容易に発明できたものである。
したがって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年4月22日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】遊技球を遊技者の操作に基づいて発射することが可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、続きを表示(全15行)その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別を遊技者が識別可能な報知情報を報知する報知手段と、前記特典遊技が実行されることとなる前記識別情報の動的表示を仮停止させることが可能な手段と、前記仮停止される期間に前記特定入球手段へ遊技球を入球させることが可能となるように遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報を報知可能な手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由(令和3年5月28日付け)
原査定の拒絶の理由は、次の理由を含んでいる。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記(引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由2(進歩性)について
<引用文献等一覧>
2.特開2016-63857号公報
3.特開2016-140367号公報
3 引用例2に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2016-63857号公報(上記引用例1)の記載事項及び引用発明の認定については、前記「第2 2 2-2(2)引用発明」に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明(上記第2〔理由〕1)は、本件補正発明(上記第2〔理由〕2の2-2(1))から、上記「第2〔理由〕2の2-1」において検討したとおり、本件補正発明において、「遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報」に関して、「前記遊技者に遊技球を発射させることを示すための情報は、所定の図柄で構成されており、前記所定の図柄を所定の順序で可変させて表示させることが可能にされている」という限定を省いたものであり、本願発明は、上記相違点4に係る構成を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、上記「第2〔理由〕2の2-2(5)対比」において示したように、上記相違点1~3で相違するから、本願発明も上記第2〔理由〕2の2-2(6)のア及びイにおいて検討したとおりであり、当業者が、引用発明、引用例2に記載事項1及び2に基づいて、容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-002649