特許拒絶査定不服審判
2022-002072
バイオベースポリエチレンテレフタレートパッケージング及びその製造方法
- 審判番号
- 2022-002072
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-009140外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年02月10日
- 審決日
- 2023年06月13日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ザ コカ・コーラ カンパニー
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】大貫 敏史
- 【請求人代理人】江口 昭彦
- 【請求人代理人】内藤 和彦
- 分類
- P18 .121-Z (B65D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-9140「バイオベースポリエチレンテレフタレートパッケージング及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和2年5月14日出願公開、特開2020-73398〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
本願は、2010年(平成22年)2月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年(平成21年)10月12日アメリカ合衆国(US) 2009年(平成21年)3月3日アメリカ合衆国(US) )を国際出願日とする出願である特願2011-552959号(以下、「原出願」という)の一部を、平成27年7月22日に分割して新たな特許出願とした特願2015-144893号の一部を、平成29年5月15日に分割して特許出願した特願2017-96693号の一部を、令和2年1月23日に特許出願した特願2020-9140号に係るものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年 1月24日 :手続補正書提出
令和 3年 2月10日付け:拒絶理由通知
令和 3年 8月23日 :意見書及び手続補正書提出
令和 3年10月 4日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和 4年 2月10日 :審判請求書提出
令和 4年 3月30日 :審判請求書の手続補正書(方式)提出
令和 4年 3月31日 :手続補足書提出
第2 本願発明について
本願の請求項1に係る発明は、令和3年8月23日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に記載されている発明(以下「本願発明」という。)は、以下に記載されているとおりのものである。
【請求項1】
バイオベースポリエチレンテレフタレート(PET)飲料用ボトルであって、
前記バイオベースPETが、農業廃棄物ストリームに由来するモノエチレングリコール(MEG)及び石油に由来するテレフタル酸(TA)を含む、バイオベースPET飲料用ボトル。
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
記
引用文献1:特開2007-197654号公報
第4 引用文献の記載事項等
1 引用文献1の記載事項
引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、理解の便宜の為に当審が付した。
・「【特許請求の範囲】
【請求項1】
主たる繰り返し単位がジカルボン酸単位及びジオール単位であるポリエステルにおいて、該ポリエステルの原料であるジカルボン酸及びジオールの少なくとも一方がバイオマス資源から得られたものであって、該ポリエステルの還元粘度(ηsp/c)が0.5以上であることを特徴とするバイオマス資源由来ポリエステル。
【請求項2】
ポリエステルの分子内に共有結合されている官能基に含まれる窒素原子を除いたポリエステル中の窒素原子含有量が、該ポリエステルに対して質量比で0.01ppm以上1000ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル。
【請求項3】
バイオマス資源が植物資源であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル。
・・・
【請求項10】
請求項1~9に記載のいずれか1項に記載のポリエステルを成形してなる成形体。」
・「【背景技術】
【0002】
従来ポリエステルは、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル、ポリ炭酸エステルのいずれのポリエステルも石油由来の原料を重縮合することにより製造されている。しかし、近年環境問題が重視されてきており、化石燃料枯渇問題、大気中の二酸化炭素増加という地球規模での環境負荷の問題に対する対策が必要となっている。これに対しポリエステルの原料として植物から誘導された原料を用いることにより、これらの原料が毎年再生可能な原料であるため原料供給が化石燃料枯渇とは無関係になり、植物の育成により二酸化炭素が吸収されるため二酸化炭素削減に大きく貢献することができる。
【0003】
コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸は、グルコースから発酵法を用いて製造する方法が各種知られている(特許文献1、非特許文献1、2参照)。しかしながら、これらの製法によれば、発酵法により得られたジカルボン酸は有機酸塩として得られるため、不純物としてアンモニアや金属カチオンが不純物として混入する。これは、発酵により一旦ジカルボン酸を有機酸塩として得た後に中和、抽出、晶析等の工程を経て目的とするジカルボン酸を製造するプロセスである為、ジカルボン酸中には、バイオマス資源に含まれる窒素元素の他、発酵菌由来の窒素元素やアンモニアならびに金属カチオン等の多くの不純物が混入するからである。
【0004】
ジオールの1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、エチレングリコールなどは直接植物由来の原料から発酵法により得る方法と、相当するジカルボン酸を発酵法により製造した後、これを還元触媒により水添して得る方法がある(非特許文献3)。」
・「【発明の効果】
【0011】
本発明は、ポリエステルの主たる繰り返し単位を構成するジカルボン酸及びジオールの少なくともいずれかがバイオマス資源から得られたものであり、ポリエステルの分子内に共有結合されている官能基に含まれる窒素を除いたポリエステル中の窒素原子含有量が全ポリエステル質量に対して窒素原子換算として0.01ppm以上1000ppm以下であることを特徴とするポリエステルを提供する。
【0012】
本発明は環境問題、化石資源の問題等の解決に貢献し、実用的な物性を有する樹脂を提供することが出来、産業上の利用価値は極めて大である。また、バイオマス資源から製造される本発明のポリエステルは、驚くべきことに同一構造の石油由来の原料から製造したポリエステルとくらべ生分解性が良好であるため、特定の窒素原子含有量とすることにより、生分解性に優れ、着色が少なく、機械的物性に優れた様々な用途展開可能な高分子量ポリエステルを提供することができる。
また、現在の大気圏の地球環境下で植生した天然材料から発酵等の手法により入手した、いわゆるジオールまたはジカルボン酸をポリエステルのモノマーとして使用するために、原料が非常に安価に入手できる。植物原料生産が各地に分散して多様化できるので、原料供給が非常に安定していること、および大気圏の地球環境下において為されるために、二酸化炭素の吸収および放出の物質収支の較差が比較的均衡している。しかも環境に非常に優しい、安全なポリエステルと認識できる。このような本発明のポリエステルは、材料の物性、構造および機能において評価できるばかりでなく、化石燃料由来のポリエステルには全く期待できない、リサイクルを含めた循環型社会の実現性を潜在的に保有する利点を有する。これは、従来型の化石燃料依存型の指向とは異なる、あらたな視点のポリエステル製造プロセスを提供するものであるから、新たな第2ステージのプラスチックという、全く新たな視点から、プラスチック材料の利用および発展に著しく寄与するものである。本発明のポリエステルは、土壌投棄をやめて仮に焼却処分しても、有害物、悪臭を発生することが少ない。」
・「【0015】
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸及びイソフタル酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。この内、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。本件明細書に開示の芳香族ジカルボン酸を使用した場合にも、例えばジメチルテレフタレートと1,4-ブタンジオールのポリエステルのように任意の芳香族ジカルボン酸を使用することにより所望の芳香族ポリエステルが製造できる。」
・「【0017】
これらのジカルボン酸は単独でも2種以上混合して使用することもできる。
本発明において、これらのジカルボン酸は、バイオマス資源から誘導されるものが好ましい。
本発明でいうバイオマス資源とは、植物の光合成作用で太陽の光エネルギーがデンプンやセルロースなどの形に変換されて蓄えられたもの、植物体を食べて成育する動物の体や、植物体や動物体を加工してできる製品等が含まれる。この中でも、より好ましいバイオマス資源としては、例えば、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣、水産物残渣、家畜排泄物、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。この中でも木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣等の植物資源が好ましく、より好ましくは、木材、稲わら、籾殻、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、芋、油脂、古紙、製紙残渣であり、最も好ましくはとうもろこし、さとうきび、キャッサバ、サゴヤシである。これらのバイオマス資源は、一般に、窒素原子やNa、K、Mg、Ca等の多くのアルカリ金属、アルカリ土類金属を含有する。」
・「【0036】
ジオール
本発明においてジオール単位とは、芳香族ジオール及び/又は脂肪族ジオールから誘導されるものであり、公知の化合物を用いることができるが、脂肪族ジオールを使用するのが好ましい。
脂肪族ジオールとは、2個のOH基を有する脂肪族及び脂環式化合物であれば特に制限はされないが、炭素数の下限値が2以上であり、上限値が通常10以下、好ましくは6以下の脂肪族ジオールが挙げられる。これらの中では、より融点の高いポリマーが得られる理由から偶数のジオール又はそれらの混合物が好ましい。
【0037】
脂肪族ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、1,4-ブタンジオール及び1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。 この内、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-プロピレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールが好ましく、その中でも、エチレングリコール及び1,4-ブタンジオールが好ましく、更には、1,4-ブタンジオ-ルが特に好ましい。本発明においては、1,4-ブタンジオールを主成分として使用する場合のその含有量は、特には限定されないが、全ジオール単位に対して、通常50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。」
・「【0040】
本発明において、これらのジオールは、バイオマス資源から誘導されたものを用いてもよい。具体的には、ジオール化合物はグルコース等の炭素源から発酵法により直接製造してもよいし、発酵法により得られたジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、環状エーテルを化学反応によりジオール化合物に変換しても良い。 例えば、発酵法により得られたコハク酸、コハク酸無水物、コハク酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸エステル、テトラヒドロフラン、γ-ブチロラクトン等から化学合成により1,4-ブタンジオールを製造しても良いし、発酵法により得られた1,3-ブタジエンから1,4-ブタンジオールを製造してもよい。この中でもコハク酸を還元触媒により水添して1,4-ブタンジオールを得る方法が効率的で好ましい。」
・「【0042】
更に、バイオマス資源から公知の有機化学触媒反応の組み合わせによりジオール化合物を製造する方法も積極的に用いられる。例えば、バイオマス資源としてペントースを利用する場合には公知の脱水反応、触媒反応の組み合わせで容易にブタンジオール等のジオールを製造できる。 バイオマス資源由来から誘導されたジオールには、バイオマス資源由来、発酵処理ならびに酸による中和工程を含む精製処理に起因して不純物として窒素原子が含まれてくる場合がある。この場合、具体的には、アミノ酸、蛋白質、アンモニア、尿素、発酵菌由来の窒素原子が含まれてくる。」
・「【0114】
さらに重要なことは、本発明のポリエステルを嗜好品、飲料のような食品のボトル、容器、食品包装材などに使用した場合に、窒素原子を多量に含むポリエステルは、味覚、不快感、毒性などの影響に対する信頼も考慮していなければならない。グリーンプラとしての信頼性を確保することは、環境への影響ばかりでなく、人体、動植物への食品としての影響も高度に配慮したものでなければならない。勿論窒素原子を含む化合物は、微量では、人体への毒性として作用するようなものではないが、味覚、悪臭、不快感、といような(当審注:「というような」の誤記である。)感覚に影響することも懸念されるので、消費者に対する信頼を最大限に配慮しなければならない。本発明のポリエステルは、材料学的な挙動の解析ばかりでなく、その製造から、成形、流通および成形品の安全、生分解、回収、焼却というようなあらゆる場合を想定して、消費者にその信頼性を担保するために工夫された材料である。そのような諸事情を考慮すれば、ポリエステルの、重合、成形、成形品の使用、生分解、および焼却などのそのような総合的な事情を勘案すれば、窒素原子含有量の許容できる最高は1000ppm程度といえる。」
・「【0134】
本発明に係るポリエステルおよびその組成物は、汎用プラスチックに適用される各種成形法に供することが出来る。例えば、圧縮成形(圧縮成形、積層成形、スタンパブル成形)、射出成形、押し出し成形や共押し出し成形(インフレ法やTダイ法によるフィルム成形、ラミネート成形、シート成形、パイプ成形、電線/ケーブル成形、異形材の成形)、中空成形(各種ブロー成形)、カレンダー成形、発泡成形(溶融発泡成形、固相発泡成形)、固体成形(一軸延伸成形、二軸延伸成形、ロール圧延成形、延伸配向不織布成形、熱成形[真空成形、圧空成形]、塑性加工)、粉末成形(回転成形)、各種不織布成形(乾式法、接着法、絡合法、スパンボンド法、等)等が挙げられる。
【0135】
また、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、各種合目的的二次加工を施すことも可能である。二次加工の例としては、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング、等)等が挙げられる。
このような成形法により、単層フィルム、多層フィルム、延伸フィルム、収縮フィルム、ラミネートフィルム、単層シート、多層シート、延伸シート、パイプ、電線/ケーブル、モノフィラメント、マルチフィラメント、各種不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、延伸テープやバンド、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体などの各種成形品が得られる。また得られる成形品は、ショッピングバッグ、ゴミ袋、農業用フィルム等の各種フィルム、化粧品容器、洗剤容器、食品容器、漂白剤容器等の各種容器類、釣り糸、漁網、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱、緩衝材、医療材料、電気機器材料、家電筐体、自動車材料などの用途への使用が期待される。」
2 引用発明
上記の引用文献1の記載事項において、特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3を引用する請求項10の具体的な形態として段落【0114】には、ポリエステルの飲料用ボトルが記載されている。そして、バイオマス資源として段落【0017】の記載を踏まえれば、以下の発明が記載されているといえる。
<引用発明>
「主たる繰り返し単位がジカルボン酸単位及びジオール単位であるポリエステルにおいて、該ポリエステルの原料であるジカルボン酸及びジオールの少なくとも一方がバイオマス資源から得られたものであって、当該バイオマス資源が、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣等の植物資源であり、該ポリエステルの還元粘度(ηsp/c)が0.5以上で、ポリエステルの分子内に共有結合されている官能基に含まれる窒素原子を除いたポリエステル中の窒素原子含有量が、該ポリエステルに対して質量比で0.01ppm以上1000ppm以下である、ポリエステルから成形された飲料用ボトル。」
第5 当審の判断
1 対比
引用発明の「ポリエステルの原料であるジカルボン酸及びジオールの少なくとも一方がバイオマス資源から得られた」「ポリエステルから成形された飲料用ボトル」は、本願発明の「バイオベースPET飲料用ボトル」と、「バイオベースポリエステル飲料用ボトル」の限りで一致する。
そうすると、本願発明と引用発明とは、
「バイオベースポリエステル飲料用ボトル。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点>
バイオベースポリエステル飲料用ボトルに関し、本願発明の素材である、バイオベースポリエステルが、「農業廃棄物ストリームに由来するモノエチレングリコール(MEG)及び石油に由来するテレフタル酸(TA)を含む」「バイオベースPET」であるのに対し、引用発明は、この点を特定しない点
2 判断
以下、上記相違点について検討する。
飲料用ボトル用のポリエステルとしては、本件優先日当時、いわゆるPETボトルのPET(ポリエチレンテレフタレート)、すなわちエチレングリコールとテレフタル酸を重合したポリマーが周知の樹脂材料である。そして、引用文献1には、エチレングリコールとテレフタル酸をバイオマス資源から製造し得ることが記載されている。
引用発明は、ポリエステルのモノマー成分であるジオール成分及びジカルボン酸のうちの少なくとも一方がバイオベースのものであるところ、引用発明において、ジオール成分をバイオベースとし、ジカルボン酸を石油由来とすることは、ジオール成分のみをバイオベースとしジカルボン酸を石油由来としたもの、ジオール成分を石油由来としジカルボン酸のみをバイオベースとしたもの、そして、ジオール成分及びジカルボン酸成分の両方をバイオベースとしたものの、3択のなかの一つを選択することに過ぎず、飲料用ボトル用の樹脂材料として、PET(ポリエチレンテレフタレート)が広く用いられていることからして、ジオール成分をバイオマス資源から製造したエチレングリコール、ジカルボン酸を石油由来のテレフタル酸とすることは、当業者が適宜行い得たことである。その際、バイオマス資源の由来について、多数の例示の中から、その一つを選択することに動機を必要とするものではなく、農業廃棄物ストリームに由来するバイオマス資源とすることは、当業者において容易である。
そして、その選択の相違により、本願発明が期待するバイオベースを利用したことによる効果以外の効果上の差異があることについて、本願明細書には何ら記載がないから、格別な効果があるということはできない。
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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