特許拒絶査定不服審判
2025-001903
包装容器
- 審判番号
- 2025-001903
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-055323
- 請求日
- 2025年02月07日
- 審決日
- 2026年06月30日
- 公報発行日
- 2026年09月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】大日本印刷株式会社
- 【請求人代理人】芝 哲央
- 【請求人代理人】林 一好
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 薫
- 審判官 宮地 匡人
- 審判官 金丸 治之
- 分類
- P18 .121-Z (B65D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-55323号「包装容器」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年10月12日出願公開、特開2022-152522号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年3月29日の出願であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。
令和6年 8月 1日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月24日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年11月 1日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(令和6年11月12日 :原査定の謄本の送達)
令和7年 2月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和7年2月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定[補正の却下の決定の結論]
令和7年2月7日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。なお、下線部は補正箇所を示す。
「 【請求項1】
第1縁と、前記第1縁と対向する第2縁と、前記第1縁及び前記第2縁と交差する2つの側部と、を有する包装容器であって、
前記包装容器は、基材層と、シール性を有するシーラント層と、を備えた積層フィルムを有し、
2つの前記側部と交差する方向に延在し、前記第1縁寄りの位置に配置される第1面ファスナーと、
2つの前記側部と交差する方向に延在し、前記第1面ファスナーと同じ側の面に配置される第2面ファスナーと、
を備え、
前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーは、双方のファスナー面がフック状係合素子のみを有する面ファスナーであり、
前記第1面ファスナーと前記第2面ファスナーとは、同一構成の面ファスナーテープであり、
前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーの少なくとも一方は、前記基材層の容器外方側に取り付けられている包装容器。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和6年9月24日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】
第1縁と、前記第1縁と対向する第2縁と、前記第1縁及び前記第2縁と交差する2つの側部と、を有する包装容器であって、
前記包装容器は、基材層と、シール性を有するシーラント層と、を備えた積層フィルムを有し、
2つの前記側部と交差する方向に延在し、前記第1縁寄りの位置に配置される第1面ファスナーと、
2つの前記側部と交差する方向に延在し、前記第1面ファスナーと同じ側の面に配置される第2面ファスナーと、
を備え、
前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーは、双方のファスナー面がフック状係合素子を含む面ファスナーであり、
前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーの少なくとも一方は、前記基材層の容器外方側に取り付けられている包装容器。」
2 補正の適否
本件補正における請求項1に係る補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「第1面ファスナー」及び「第2面ファスナー」について、その「双方のファスナー面」が「フック状係合素子のみを有する」こと、及び当該「第1面ファスナー」及び「第2面ファスナー」が「同一構成の面ファスナーテープであ」ること、という限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)の【請求項1】に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載及び引用発明
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載
原査定において、引用文献1として引用された特開2005-280838号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。(下線は当審で付した。また、「・・・」は文章の省略を表す。以下同様。)
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面側上端に折曲可能な封止用フラップを設けたバッグ本体の片面側上部に把持部を配設し、該バッグ本体の他方片面側上部の封止用ラップの折曲対応位置と封止用ラップとの当接部に封止手段を設けた事を特徴とする手提げバッグ。」
「【0002】
従来から、手提げバッグは、運搬や包装または保管等のために使用されており、バッグ本体に持ち運びするための把持部を設けると共に、バッグ本体の開口部において内容物が外部に露出したり、こぼれ落ちたりしないようにするための封止部を備えたものが汎用されている。」
「【発明が解決しようとする課題】
・・・
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてこれらを解消する為に成されたものであり、内容物が容易に露出したりこぼれ落ちたりせず、容易且つ安全に内容物を出し入れできる安価な手提げバッグを提供する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の手提げバッグは、片面側上端に折曲可能な封止用フラップを設けたバッグ本体の片面側上部に把持部を配設し、該バッグ本体の他方片面側上部の封止用フラップの折曲対応位置と封止用フラップとの当接部に封止手段を設けた事を特徴とするものである。」
「【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の手提げバッグを、図面に示す一実施形態に基づきこれを詳細に説明する。
図1は本発明の手提げバッグの一実施形態を示す前方側斜視図であり、図2は本発明の手提げバッグの一実施形態を示す後方側斜視図であり、図3は本発明の手提げバッグの一実施形態を示す断面による説明図であり、図4は本発明の手提げバッグの封止用フラップを二重構造にした場合の一実施形態を示す断面による説明図であり、図5は本発明の手提げバッグに内容物を入れる場合の一実施形態を示す説明図であり、図6は本発明の手提げバッグを持ち運びする場合の一実施形態を示す説明図であり、図7乃至図12は本発明の手提げバッグにおける封止手段が接着用糊部材である場合の一実施形態を示す説明図であり、図13及び図14は本発明の手提げバッグにおける封止手段がボタンホックである場合の一実施形態を示す説明図であり、図15は本発明の手提げバッグにおける封止手段が面ファスナーである場合の一実施形態を示す説明図であり、図16及び図17は本発明の手提げバッグにおける封止手段がスライド式ファスナーである場合の一実施形態を示す説明図であり、図18及び図19は本発明の手提げバッグにおける封止手段がジップロックである場合の一実施形態を示す説明図であり、図20本発明の手提げバッグの製造工程を示す説明図であり、図21は本発明の二重の封止用フラップを備えた手提げバッグの製造工程を示す説明図であり、図22及び図23は従来技術を示す参考図である。
【0021】
すなわち、本発明の手提げバッグ1aは、図1乃至図3の一実施形態で示したように、基本的に表面体21aと裏面体22aとを有し、その片面側上端に折曲可能な封止用フラップ3aを設けたバッグ本体2aの片面側上部に把持部4aを配設し、該バッグ本体2aの他方片面側上部の封止用フラップ3aの折曲対応位置と封止用フラップ3aとの当接部24aに封止手段5aを設けて構成し、図5に示すように封止用フラップ3aを開けて容易に内容物を出し入れでき、また、内容物を収容封止した後、図6に示したように、把持部4aを把持して容易且つ安全に持ち運びできるようにしたものである。
【0022】
また、前記バッグ本体2aは、各図面では、熱可塑性であるポリエチレンやポリプロピレン等のような合成樹脂製フィルムを採用し、前記表面体21aと前記裏面体22aの少なくとも左右両側の縁部26aを夫々熱溶着した正面視矩形に形成したものを一実施形態として例示している。
【0023】
前記封止用フラップ3aは、前述したようにバッグ本体2aの片面側上端に折曲可能に延設されたものであるが、前記バッグ本体2aと同様に合成樹脂製フィルムを採用して舌状に形成した場合を例示しており、この封止用フラップ3aを図4に示したように二重構造にする事により、封止用フラップ3aで開口部を封止する場合やその折曲部の強度を向上させる事ができ、この構造を手提げバッグ1aの用途や目的に応じて採用する事ができる。
【0024】
前記把持部4aは、前記バッグ本体2aと同様に合成樹脂製フィルムを採用して帯状に形成されたものを例示しており、該把持部4aをバッグ本体2aの片面側上部に容易且つ強固に熱溶着させる事ができ、内容物を収容させたバッグ本体2aを安全に保持できるようにしている。
【0025】
尚、前記バッグ本体2aや封止用フラップ3a及び把持部4aは、前述した実施形態では合成樹脂製フィルムを使用したものについて説明したが、これに限らず、例えば表面を不織布にして裏面を合成樹脂とするものや、表面を発泡ポリエチレンシートにして裏面をアルミ蒸着フィルムにしたもの等のように、紙や織生地、合成樹脂や不織布或いは発泡ポリエチレンシートやアルミ蒸着フィルム等の材質を表裏面に任意に組み合わせて使用した単一シート或いは重合状シートにして用いる事もできる。」
「【0034】
更に、図15乃至図17に示した実施形態のものは、封止手段5aとしてファスナー類を採用したものであり、図15に示したものは、一対の面ファスナー53a(ベルベット式ファスナー)を封止用フラップ3aと該封止用フラップ3aの折曲対応位置23aの夫々に対を成して設け、使用寿命に優れた状態を維持しながら開口部25aを開封可能にしたものであり、このような面ファスナー53aは、特に開封頻度の高い手提げバッグ1aの使用に適したものである。」
「【0037】
尚、上記した各実施形態で示したように、封止手段5aとして、接着用糊部材51a、ボタンホック52a、面ファスナー53a、スライド式ファスナー54a、ジップロック55a等を採用したものを例示したが、前記折曲対応位置23aと前記封止用フラップ3aとが当接する前記当接部24aにおいて両者間の開口部25aを封止できるものであればこれに限らずどのようなものであっても良く、また、手提げバッグ1aの使用目的や用途に適応して、異種の封止手段5aを任意に組み合せて使用する事もできる。」
「【図1】
[図:0001438878000001.jpg]
【図2】
[図:0001438878000002.jpg]
」
「【図15】
[図:0001438878000003.jpg]
」
(イ)引用文献1の記載から記載されているに等しいと認められる事項
a 上記(ア)の【0021】の「本発明の手提げバッグ1aは、図1乃至図3の一実施形態で示したように、基本的に表面体21aと裏面体22aとを有し、その片面側上端に折曲可能な封止用フラップ3aを設けたバッグ本体2aの片面側上部に把持部4aを配設し、該バッグ本体2aの他方片面側上部の封止用フラップ3aの折曲対応位置と封止用フラップ3aとの当接部24aに封止手段5aを設けて構成し」という記載並びに図1及び図2より、片面側上端に折曲可能に設けた封止用フラップ3aに「封止用フラップ先端」が存在し、手提げバッグ1aの下端に「手提げバッグ下端」が存在することは明らかである。
b 上記(ア)の【0034】の「図15に示したものは、一対の面ファスナー53a(ベルベット式ファスナー)を封止用フラップ3aと該封止用フラップ3aの折曲対応位置23aの夫々に対を成して設け」という記載及び図15より、「一対の面ファスナー53a」は表面体21a及び裏面体22aの幅方向全体に設けられていることは明らかである。
(ウ)引用文献1に記載された発明
上記(ア)及び(イ)より、特に上記(ア)の【0034】、図15に記載された、封止手段5aとして一対の面ファスナー53aを採用したものを参照すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「 表面体21aと裏面体22aとを有し、その片面側上端に折曲可能な封止用フラップ3aを設けたバッグ本体2aの片面側上部に把持部4aを配設し、(上記(ア)【0021】)
封止用フラップ3aに封止用フラップ先端及び手提げバッグ1aの下端に手提げバッグ下端を有する手提げバッグ1aであって、(上記(イ)a)
該バッグ本体2aの他方片面側上部の封止用フラップ3aの折曲対応位置と封止用フラップ3aとの当接部24aに封止手段5aを設けて構成し、(上記(ア)【0021】)
前記バッグ本体2aは、熱可塑性であるポリエチレンやポリプロピレン等のような合成樹脂製フィルムを採用し、前記表面体21aと前記裏面体22aの少なくとも左右両側の縁部26aを夫々熱溶着した正面視矩形に形成し、(上記(ア)【0022】)
封止手段5aとしての一対の面ファスナー53aを、封止用フラップ3aの折曲対応位置の裏面体22aの幅方向全体と封止用フラップ3aとの当接部24aの表面体21aの幅方向全体に設けた、(上記(ア)【0034】、上記(イ)b)
手提げバッグ1a。」
イ 引用文献2
(ア)引用文献2の記載
原査定において、引用文献2として引用された特表2021-504258号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。
「【請求項1】
再閉鎖可能包装体であって、
内部容積と前記内部容積へのアクセスを提供する開口部とを画定するパウチであって、可撓性材料と、前記開口部に隣接して配置され、破断されて前記パウチの最初の開放を可能にするように適合されたシール領域と、を含むパウチと、
前記パウチに接続された自己嵌合締結具と、を含み、前記自己嵌合締結具は、第1及び第2の締結部材を含み、前記第1及び第2の締結部材のそれぞれが、
長さ、幅、及び厚さを有する裏材と、
裏材から垂直に突出した、レールセグメントの列及びポストの列とを含み、前記レールセグメントの列とポストの列は交互になっており、
前記レールセグメントのそれぞれは、前記裏材に付着したベース部と、前記裏材から遠位のキャップ部とを有し、前記キャップ部は、前記ベース部の幅よりも大きいキャップ幅を有し、前記キャップ部は、対向する側部で前記ベース部に張り出し、前記ベース部は、前記ベース部の前記幅よりも大きい長さを有し、前記ポストのそれぞれは、前記レールセグメントの高さ以下の高さと、前記レールセグメントの前記長さとは異なる長さとを有し、
前記自己嵌合締結具は、開放構成及び閉鎖構成を更に有し、前記開放構成では、前記自己嵌合締結具は、前記シール領域が破断された後に前記開口部を通じた前記パウチの前記内部容積へのアクセスを可能にするように適合されており、前記閉鎖構成では、前記自己嵌合締結具は、前記開口部を通じた前記パウチの前記内部容積へのアクセスを防止するように適合されている、再閉鎖可能包装体。」
「【0031】
締結具1は、例えば、自己嵌合締結具として有用である。本明細書で使用する場合、自己嵌合は、締結が同じタイプの締結要素(例えば、締結ヘッド)を相互係合することによって達成される締結具を指す。いくつかの実施形態では、自己嵌合は、締結が同一形状の締結要素を相互係合することによって達成される締結具を指す。いくつかの実施形態では、自己嵌合は、例えば、図1A及び2Aを参照して、締結具の長さ(L)又は幅(W)のいずれかに平行な軸に沿って折り畳まれた構成にあるときに、締結具がそれ自体と係合できることを指す。それぞれが例えば図2A及び2Bに示される構造を有する2つの締結部材(例えば、第1及び第2の締結部材(1、5))は、図2Cに示すように、自己嵌合の係合で共に締結されていてもよい。・・・」
「【0054】
図5~10は、再閉鎖可能包装体の100の一実施形態の様々な図である。再閉鎖可能包装体100は、内部容積122と、内部容積へのアクセスを提供する開口部124と、を画定するパウチ120を含む。パウチ120は、開口部124に隣接して配置された上側シール領域140を更に含み、このシール領域は、破断してパウチの最初の開放を可能にするように適合される。再閉鎖可能包装体100は、パウチ120に接続された自己嵌合締結具150を更に含む。自己嵌合締結具150は、任意の好適な締結具、例えば、図1A~C及び2A~Cの締結具1を含むことができる。・・・」
「【図2A】
[図:0001438878000004.jpg]
」
「【図2C】
[図:0001438878000005.jpg]
」
「【図5】
[図:0001438878000006.jpg]
」
(イ)引用文献2記載事項
上記(ア)より、引用文献2には以下の技術事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。
「自己嵌合締結具を設けた再閉鎖可能包装体であって、自己嵌合締結具は、第1及び第2の締結部材を含み、前記第1及び第2の締結部材のそれぞれが、長さ、幅、及び厚さを有する裏材と、裏材から垂直に突出した、レールセグメントの列及びポストの列とを含み、前記レールセグメントのそれぞれは、前記裏材に付着したベース部と、前記裏材から遠位のキャップ部とを有し、前記キャップ部は、前記ベース部の幅よりも大きいキャップ幅を有し、前記キャップ部は、対向する側部で前記ベース部に張り出し、前記ベース部は、前記ベース部の前記幅よりも大きい長さを有するものであること。」
ウ 周知技術について
(ア)引用文献6の記載
本審決で、周知技術を示す引用文献6として引用する特開平11-147543号公報には、以下の記載がある。
「【請求項1】 少なくとも基材層とシーラント層との積層体からなる柔軟な包装材料を用い、前面パネル、後面パネル、および上下パネルからなり、前記上下パネルは、前記シーラント層を外側にして2つ折りして、前記前面パネルと後面パネルとの間に、それぞれのシーラント層が面合わせ状態となるように、その端部同士を揃えて挟持させて、上下ならびに側部を所定の巾にヒートシールして得られる包装袋に内容物を収納したことを特徴とする包装袋を用いた包装体。」
(イ)引用文献7の記載
本審決で、周知技術を示す引用文献7として引用する特開平11-208683号公報には、以下の記載がある。
「【請求項1】 粒状または顆粒状の内容物を包装するための袋であって、前記袋の少なくとも一辺のシール形状が15~30mmの間隔をおいて、内容物側に第一のシール線、縁部側に第二のシール線を設けた包装袋であって、前記第一のシール線および第二のシール線には、シール部と非シール部とを配し、前記第一のシール線の非シール部の外側に位置する第二のシール線には、連続したシール部または7mm 以下の非シール部の不連続シール部を形成し、かつ、第一のシール線のシール部の外側に位置する第二のシール線は、非シール部とするかまたは10mm以上の非シール部を有する不連続シール部を形成したことを特徴とする包装袋。」
「【0014】本発明の包装袋を構成する材質は、従来包装袋として用いられている袋材質のいずれの材質であってもよい。例えば、ポリエチレン等の単体フィルムからなるもの、または、少なくとも基材層とシーラント層とを含む2層以上の層からなる積層材料であってもよい。」
(ウ)引用文献8の記載
本審決で、周知技術を示す引用文献8として引用する特開2018-7644号公報には、以下の記載がある。
「【請求項1】
開口部を有する袋本体と、
鉤部および前記鉤部が係合可能な係合部を有し、互いに係合可能な一対の面ファスナーと、を備え、
前記面ファスナーの一方は、前記袋本体の一方の面に、前記袋本体の内部から前記開口部に向けた方向に対して直交する当該袋本体の幅方向に沿って、当該袋本体の幅方向の一端側から他端側までの領域に設けられ、
前記面ファスナーの他方は、前記袋本体の他方の面に前記開口部の縁に沿って当該袋本体の幅方向の一端側から他端側まで設けられている
ことを特徴とする袋。」
「【0022】
[第一実施形態]
<袋の構成>
図1は、本発明の第一実施形態の袋の平面を示す。図2は、袋の断面を示す。
図1,2に示すように、袋1は、袋本体10と、一対の面ファスナー20とを備えている。
【0023】
(袋本体の構成)
袋本体10は、例えばフィルムである基材フィルム11が2枚重ね合わされ、重なり合う幅方向の両縁に一対のサイドシール部12が設けられている。また、袋本体10は、基材フィルム11が重なり合う底部(図1の紙面における下側)に、折り線により内方に織り込まれた底面部13を有し、ガゼット形状となっている。そして、基材フィルム11と底面部13との重なり合う両縁に、それぞれボトムシール部14が形成されている。
袋本体10は、底面部13と反対側の縁が、果実X(図3参照)が挿入される開口部15の縁となり、内部に果実Xを収納する収納空間16を区画形成している。そして、袋本体10の開口部15の外側縁に沿って、一対の面ファスナー20が取り付けられている。
また、袋本体10は、降雨でも濡れてしまわない撥水処理したものや、メッシュ状などの通気性を有した構成が、収納する果実の損傷を防止する上で好ましい。
なお、2枚の基材フィルム11により製袋されたものに限らず、例えば1枚の基材フィルムが折り返されて重ね合わされ、重なり合う周縁部分を接合して製袋するなどしてもよい。このように、三方製袋法や四方製袋法、ピロー式製袋法、回転ドラム式製袋方法など、各種製袋方法にて形成したものでも適用できる。
【0024】
そして、基材フィルム11としては、例えば、合成樹脂フィルム、織布や不織布などの布地、紙、紙と合成樹脂フィルムとの複合シートなど、可撓性を有した各種シートが利用できる。特に、基材フィルム11自体に、撥水性や通気性などが付与されたものを用いたり、紙に撥水処理を施したものを用いることで、製袋後に撥水処理や通気性のための処理などが不要となるので好ましい。
ここで、基材フィルム11を合成樹脂製のフィルムとすることで、ヒートシールするなどにより製袋でき、製造が容易にできる他、緩衝目的の中空部分を設けたり、防虫や除虫剤などを含有させたフィルムとしたり、伸縮性を付与するなどが容易にできる。
さらに、基材フィルム11を布地とすることで、通気性を付与することが容易にできる。
そして、袋本体10は、一方の面10A側に合成樹脂フィルム、他方の面10B側に布地を用いるなど、異なる材質のものを組み合わせてもよい。
・・・
【0026】
(面ファスナーの構成)
面ファスナー20は、微細な鉤部を複数有する帯状の鉤面ファスナー21と、鉤部が係合可能な環状の係合部が複数設けられた帯状の環面ファスナー22と、の一対を備えている。このような面ファスナー20としては、例えば3M社製のフック「NC-2050」およびループ「NC-2830」などが利用できる。
一方の鉤面ファスナー21は、袋本体10の一方の外面である一方の面10A側に、開口部15の縁に沿って取り付けられている。他方の環面ファスナー22は、袋本体10の他方の外面である他方の面10B側に、開口部15の縁に沿って取り付けられている。
なお、鉤面ファスナー21および環面ファスナー22は、袋本体10の一方の面10Aおよび他方の面10Bが逆に設けられていてもよい。」
「【図1】
[図:0001438878000007.jpg]
【図2】
[図:0001438878000008.jpg]
」
(エ)引用文献9の記載
本審決で、周知技術を示す引用文献9として引用する特開2011-152947号公報には、以下の記載がある。
「【請求項1】
合成樹脂シートからなる包装袋の開口部に沿って2枚のキノコ型面ファスナーが互いに係合するように取り付けられた包装袋において、該2枚の面ファスナーがともに開口部の一端から他端に伸びる2列以上のキノコ型係合素子列を有しており、各キノコ型係合素子がステム部(S)とその上部に広がる傘部(M)からなり、かつ係合素子列方向に直交する方向(Q方向)に傘部(M)はステム部(S)からはみ出して拡がっているが、係合素子列方向(P方向)には傘部(M)は拡がりを有しておらずにステム部(S)から傘部先端部までほぼ同一の幅を有していることを特徴とする包装袋。」
「【0018】
本発明を構成する面ファスナーは、熱可塑性樹脂からなる基板とその上に存在する同樹脂からなる多数の係合素子から構成される。基板の厚さとしては、概ね0.1~0.5mm、特に0.2~0.4mmが好まく、幅としては3~15mm、特に4~8mmが好ましい。尚、基板の厚さは幅方向に凹凸があっても良い。ステムの直立性を向上するために、ステム部域の基板厚さ(表面に係合素子列が存在している基板部分の厚さ)は、ステム列が存在していない基板部分、すなわち隣り合うステム列の間の部分やステム列の外側に存在する耳部の基板厚さより、やや厚くする方が好ましい。
【0019】
係合素子は、いずれも、基板からほぼ垂直に基板上に列をなして立設されており、各係合素子は、根元部(基板)から延びたステム部(S)とその上記に係合素子列方向(P方向)から見た場合に上部が傘のように両翼に広がっている傘部(M)からなる。
本発明において、各キノコ型係合素子は、ステム部(S)とその上部に広がる傘部(M)からなり、かつ係合素子列方向に直交する方向(Q方向)に傘部(M)はステム部(S)からはみ出して拡がっているが、係合素子列方向(P方向)には傘部(M)は拡がりを有しておらずにステム部(S)から傘部先端部に至るまでほぼ同一の幅(W)を有している。このような係合素子形状を有していることにより、袋内に食品を出し入れする際に、面ファスナー部に食品が入り込むことを防ぎ、係合能が低下することを防ぐことができるとともに、水切り能や蒸気の抜けが良くなる。
【0020】
そして、本発明において、表面シートの内側に取り付ける面ファスナーと裏面シートの内側に取り付ける面ファスナーは同一形状のものが使用でき、かつ一方の面ファスナーの係合素子列が、他方の面ファスナーの隣り合う係合素子列の間に嵌入するように、係合素子列の間隔(隣り合う係合素子列との距離)の半分の距離を上下方向にずらして、両面ファスナーをシート内側に取り付ける。
面ファスナーをシートに取り付ける方法としては、熱融着、すなわち面ファスナーをシート表面に載せ、シート面から熱を加えて圧着する方法が一般的であるが、接着剤や粘着剤を用いて面ファスナーをシート面に取り付ける方法でもよい。」
「【図1】
[図:0001438878000009.jpg]
【図2】
[図:0001438878000010.jpg]
」
(カ)周知技術の認定
a 周知技術1
上記(ア)及び(イ)より、以下の技術事項は周知技術(以下「周知技術1」という。)である。
「包装袋において、基材層とシーラント層とを備えた積層体を用いること。」
b 周知技術2
上記ア(ア)の【0022】の「また、前記バッグ本体2aは、各図面では、熱可塑性であるポリエチレンやポリプロピレン等のような合成樹脂製フィルムを採用し、前記表面体21aと前記裏面体22aの少なくとも左右両側の縁部26aを夫々熱溶着した正面視矩形に形成したものを一実施形態として例示している。」という記載、【0034】の「図15に示したものは、一対の面ファスナー53a(ベルベット式ファスナー)を封止用フラップ3aと該封止用フラップ3aの折曲対応位置23aの夫々に対を成して設け」という記載、及び【図15】の記載、並びに、上記(ウ)より、以下の技術事項は周知技術(以下「周知技術2」という。)である。
「シールすることによって作成した袋容器において袋容器の外面側に面ファスナーを取り付けること」
c 周知技術3
上記(エ)より、以下の技術事項は周知技術(以下「周知技術3」という。)である。
「包装袋に使用する面ファスナーにおいて、ファスナー面がフック状係合素子のみを有する面ファスナーとし、一対の面ファスナーの両方が同一構成とすること。」
(3)本件補正発明と引用発明との対比・判断
ア 対比
引用発明の「表面体21aと裏面体22aとを有し、その片面側上端に折曲可能な封止用フラップ3aを設けたバッグ本体2aの片面側上部に把持部4aを配設し、封止用フラップ3aに封止用フラップ先端及び手提げバッグ1aの下端に手提げバッグ下端を有」し、「前記表面体21aと前記裏面体22aの少なくとも左右両側の縁部26aを夫々熱溶着した正面視矩形に形成」「する手提げバッグ1a」については、「従来から、手提げバッグは、内容物の運搬や包装または保管等のために使用されて」(引用文献1の【0002】)いるものであることから、当該「手提げバッグ1a」は、本件補正発明の「包装容器」に相当し、引用発明の「封止用フラップ先端」及び「手提げバッグ下端」は、本件補正発明の「第1縁」及び「前記第1縁と対向する第2縁」に相当するとともに、引用発明の「左右両側の縁部26a」は、本件補正発明の「前記第1縁及び前記第2縁と交差する2つの側部」に相当するから、本件補正発明の「第1縁と、前記第1縁と対向する第2縁と、前記第1縁及び前記第2縁と交差する2つの側部と、を有する包装容器」に相当する。
引用発明の「封止用フラップ3aに封止用フラップ先端」「を有」し、「該バッグ本体2aの他方片面側上部の封止用フラップ3aの折曲対応位置と封止用フラップ3aとの当接部24aに封止手段5aを設けて構成し、」「封止手段5aとしての一対の面ファスナー53aを、封止用フラップ3aの折曲対応位置の裏面体22aの幅方向全体と封止用フラップ3aとの当接部24aの表面体21aの幅方向全体に設け」ることは、引用発明の「一対の面ファスナー53a」は、本件補正発明の「第1面ファスナー」及び「第2面ファスナー」に相当し、引用発明の「裏面体22aの幅方向全体」及び「表面体21aの幅方向全体」に「設け」ることは、本件補正発明の「2つの前記側部と交差する方向に延在」することに相当し、引用発明の「封止手段5a(面ファスナー53a)」を設ける「該バッグ本体2aの他方片面側上部の封止用フラップ3aの折曲対応位置」が、「封止用フラップ3a」の「封止用フラップ先端」に寄った位置であることは明らかであるとともに、同様に、引用発明の「封止手段5a(面ファスナー53a)」を設ける「封止用フラップ3aとの当接部24a」は、「該バッグ本体2aの他方片面側上部の封止用フラップ3aの折曲対応位置」と同じ側の面であることは明らかであるから、本件補正発明の「2つの前記側部と交差する方向に延在し、前記第1縁寄りの位置に配置される第1面ファスナーと、2つの前記側部と交差する方向に延在し、前記第1面ファスナーと同じ側の面に配置される第2面ファスナーと、を備え」ることに相当する。また、本件補正発明の「前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーの少なくとも一方は、前記基材層の容器外方側に取り付けられている」ことは、引用発明の「封止手段5a(面ファスナー53a)」を設ける「封止用フラップ3aとの当接部24a」は、「手提げバッグ1a」の外方側であることは明らかであるから、「前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーの少なくとも一方は、容器外方側に取り付けられている」限りにおいて一致する。
そうすると、本件補正発明と引用発明とは、
「 第1縁と、前記第1縁と対向する第2縁と、前記第1縁及び前記第2縁と交差する2つの側部と、を有する包装容器であって、
2つの前記側部と交差する方向に延在し、前記第1縁寄りの位置に配置される第1面ファスナーと、
2つの前記側部と交差する方向に延在し、前記第1面ファスナーと同じ側の面に配置される第2面ファスナーと、
を備え、
前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーの少なくとも一方は、容器外方側に取り付けられている包装容器。」
で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
本件補正発明では、「前記包装容器は、基材層と、シール性を有するシーラント層と、を備えた積層フィルムを有」するのに対し、引用発明は、「前記バッグ本体2aは、熱可塑性であるポリエチレンやポリプロピレン等のような合成樹脂製フィルムを採用し」ている点。
<相違点2>
本件補正発明では、「前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーは、双方のファスナー面がフック状係合素子のみを有する面ファスナーであり、前記第1面ファスナーと前記第2面ファスナーとは、同一構成の面ファスナーテープであ」るのに対し、引用発明では、当該構成を有しない点。
<相違点3>
「前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーの少なくとも一方は、容器外方側に取り付けられてい」ることについて、本件補正発明では、「前記基材層の容器外方側に取り付けられてい」るのに対し、引用発明では、当該構成は有しない点。
イ 判断
以下、各相違点について、検討する。
<相違点1>及び<相違点3>について
引用発明は、「前記バッグ本体2aは、熱可塑性であるポリエチレンやポリプロピレン等のような合成樹脂製フィルムを採用し、前記表面体21aと前記裏面体22aの少なくとも左右両側の縁部26aを夫々熱溶着した正面視矩形に形成」するものであるから、「バッグ本体2a」の材質としては、「熱溶着」し得る限りにおいて、当業者であれば適宜選択し得たことといえる。そして上記(2)ウ(カ)aで、周知技術1として示したとおり「包装袋において、基材層とシーラント層とを含む積層体を用いること」は周知の技術である。そうすると、引用発明の「手提げバッグ1a」の「バッグ本体2a」に周知技術1を適用して、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
また、上記(2)ウ(カ)bで、周知技術2として示したとおり「シールすることによって作成した袋容器において袋容器の外面側に面ファスナーを取り付けること」についても周知の技術である。そうすると、周知技術1の積層体を採用した引用発明の「前記表面体21aと前記裏面体22aの少なくとも左右両側の縁部26aを夫々熱溶着した正面視矩形に形成し、」た「バッグ本体2a」に対して「封止手段5aとしての一対の面ファスナー53aを、封止用フラップ3aの折曲対応位置の裏面体22aの幅方向全体と封止用フラップ3aとの当接部24aの表面体21aの幅方向全体に設け」るにあたり、上記周知技術2を適用した場合、「面ファスナー53a」の少なくとも一方は、基材層の容器外方側に取り付けられる構成となることは明らかであるから、引用発明の「バッグ本体2a」に上記周知技術1及び2を適用し、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
<相違点2について>
引用発明は、「封止手段5aとしての一対の面ファスナー53aを、」「設けた」ものであるが、引用文献1の【0037】に「封止手段5aとして、・・・前記折曲対応位置23aと前記封止用フラップ3aとが当接する前記当接部24aにおいて両者間の開口部25aを封止できるものであればこれに限らずどのようなものであっても良く、また、手提げバッグ1aの使用目的や用途に適応して、異種の封止手段5aを任意に組み合せて使用する事もできる。」と記載されているとおり、「封止手段5a」として様々な態様のものが採用し得るものである。ここで、上記(2)ウ(カ)cで、周知技術3として示したとおり「包装袋に使用する面ファスナーにおいて、ファスナー面がフック状係合素子のみを有する面ファスナーとし、一対の面ファスナーの両方が同一構成とすること」は周知の技術であるから、引用発明の「手提げバッグ1a」の「封止手段5a」として、周知技術3を適用し、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
ウ 効果について
これらの相違点1~3を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、各周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ 小括
よって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術1~3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
以上により、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正発明は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~7に係る発明は、令和6年9月24日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(2)の【請求項1】として記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願発明は上記第2[理由]2(2)アの引用文献1及び引用文献2に記載された発明並びに周知技術に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許受けることができない、というものである。
3 引用文献及び周知技術
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用文献2記載事項並びに周知技術は、上記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比
本願発明は、上記第2の[理由]2で検討した本件補正発明において、「前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーは、双方のファスナー面がフック状係合素子のみを有する面ファスナーであ」ると限定された構成について「前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーは、双方のファスナー面がフック状係合素子を含む面ファスナーであ」るとし、本件補正発明を特定するために必要な事項である「前記第1面ファスナーと前記第2面ファスナーとは、同一構成の面ファスナーテープであり、」という限定事項を削除したものである。
ここで、本願発明と上記第2の[理由]2(2)ア(ウ)に記載した引用発明とを対比すると、上記第2の[理由]2(3)の「ア 対比」で示した<相違点1>及び<相違点3>に加えて、以下の<相違点2’>で相違する。
<相違点2’>
本願発明では、「前記第1面ファスナー及び前記第2面ファスナーは、双方のファスナー面がフック状係合素子を含む面ファスナーであ」るのに対し、引用発明では、当該構成を有しない点。
5 判断
<相違点1>及び<相違点3>についての判断は、上記第2の[理由]2(3)の「イ 判断」で示したとおりである。
<相違点2’>について検討する。
引用発明は、上記第2の[理由]2(2)ア(ア)で示した引用文献1の【0034】の「・・・封止手段5aとしてファスナー類を採用したものであり、・・・使用寿命に優れた状態を維持しながら開口部25aを開封可能にした・・・」との記載から、再閉鎖可能であるものといえるから、引用発明と上記第2の[理由]2(2)イ(イ)で示した引用文献2記載事項とは再閉鎖可能包装体という共通の技術分野に属するものであり、引用発明に引用文献2記載事項を適用する動機付けは十分に存在するものである。そして、引用文献2記載事項の「第1及び第2の締結部材を含」む「自己嵌合締結具」及び「前記裏材に付着したベース部と、前記裏材から遠位のキャップ部とを有し、前記キャップ部は、前記ベース部の幅よりも大きいキャップ幅を有し、前記キャップ部は、対向する側部で前記ベース部に張り出し、前記ベース部は、前記ベース部の前記幅よりも大きい長さを有する」「レールセグメント」は、その構成及び機能から判断して、本願発明の「面ファスナー」及び「フック状係合素子」に相当することは明らかであるから、引用発明の「手提げバッグ1a」の「封止手段5a」として、引用文献2記載事項における「第1及び第2の締結部材を含」む「自己嵌合締結具」を採用し、相違点2’に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
以上より、本願発明は、引用文献1及び引用文献2記載事項並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明、すなわち本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2025-001903