商標拒絶査定不服審判
2022-020329
マロヤカジコミ、マロヤカシコミ
- 審判番号
- 2022-020329
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-131231
- 請求日
- 2022年12月15日
- 審決日
- 2024年08月22日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ザ コカ・コーラ カンパニー
- 【請求人代理人】中田 和博
- 【請求人代理人】青木 博通
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W33)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-131231拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年10月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 3月 4日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月15日 :意見書の提出
令和4年 9月 2日付け:拒絶査定
令和4年12月15日 :審判請求書の提出
令和6年 2月13日付け:審尋
令和6年 6月17日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「まろやか仕込」の文字を標準文字で表してなり、第33類「アルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「まろやか仕込」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「まろやか」の文字は、「味などが、おだやかなさま」の意味を、「仕込」の文字は、「酒や味噌・醤油などの醸造で、原料を混ぜて桶などにつめること」の意味を有する親しまれた語であるから、本願商標は全体として、「まろやかな味わいに仕込んだ」ほどの意味合いを理解させる。そして、例えば、日本酒を取り扱う業界においては、どう仕込むかによって味わいが変化することが知られており、加えて、本願商標に係る指定商品を含む酒類を取り扱う業界においては、所定の製法を用いてまろやかな味わいに仕込んだ商品が取引されている実情があり、そのような酒類について、「まろやか仕込」の語を使用している例もある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「まろやかな味わいに仕込んだ商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を認識し得ないものとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1ないし別掲3に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)本願商標は、「味などが、おだやかなさま」を意味する「まろやか」と、「酒や味噌・醤油などの醸造で、原料を混ぜて桶などに詰める製造工程」を意味する「仕込」とを結合した点に独自性がある。
(2)別掲1は、味がまろやかであることを言うのみであり、製造工程に言及しない点で本願商標とは直接関係しないし、別掲2の用例は、「辛口仕込」、「淡麗仕込」、「淡麗仕込み」、「濃厚仕込」、「濃醇仕込」という、本願商標とは異なる語との結合例を示すものが4態様挙げられているにとどまる。また、別掲3(1)及び(2)は商品の品質を普通に表したものとは言い難く、商品の品質を表現したものとしてみることができるのは、別掲3(3)の用例1件のみであり、このような限られた例を以て、「味わい」と「製造工程」を表す語を結合してなる本願商標が恰も一般的な品質表示であるかのように判断するのは行きすぎである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「まろやか仕込」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中、「まろやか」の文字は「口あたりが柔らかいさま。味が穏やかなさま。」等の意味を、「仕込」の文字は「醸造業で、原料を混ぜて桶などに詰めること。また、その作業。」等の意味(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)を有する語として、広く一般に親しまれているものであるから、本願商標は、「まろやか」及び「仕込」の文字を結合してなるものと容易に看取できる。
そして、本願の指定商品を含む飲料を取り扱う分野では、味わいがまろやかであることをうたう商品が多数存在し、「まろやかな味わい」のように称されている(別掲1)。また、「○○仕込」若しくは「○○仕込み」(○○は、辛口、淡麗、濃厚等、商品の味わいを表す文字。)の文字が、味わいが○○になるように仕込むことを表す語として使用されている事実が見受けられる(別掲2)。さらに、これらの中には、味わいがまろやかになるように仕込むことを表す語として「まろやか仕込」若しくはこれに通ずる「まろやか仕込み」の文字が少なからず使用されている事実も見受けられるものである(別掲3)。
以上の内容を踏まえると、上記各意味合いを有する「まろやか」「仕込」の文字を結合したにすぎない本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「味わいがまろやかになるように仕込んだ商品」という商品の品質を表示したものと認識するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、前記5(1)及び(2)のとおり主張する。
しかしながら、本願の指定商品を含む飲料を取り扱う分野において、味わいがまろやかであることをうたう商品が多数存在し、「まろやかな味わい」のように称されていること(別掲1)、「○○仕込」若しくは「○○仕込み」(○○は、辛口、淡麗、濃厚等、商品の味わいを表す文字)の文字が、味わいが○○になるように仕込まれたことを表す語として使用されていること(別掲2)、そして、味わいがまろやかになるように仕込むことを表す語として「まろやか仕込」若しくはこれに通ずる「まろやか仕込み」の文字が使用されていること(別掲3)を合わせ鑑みると、「まろやか仕込」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「味わいがまろやかになるように仕込んだ商品」という商品の品質を表示したものと認識するにすぎないといわざるを得ない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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