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特許拒絶査定不服審判

2022-001874

遊技機

審判番号
2022-001874
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-194647外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年02月08日
審決日
2023年01月04日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-WZ (A63F) / P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-194647「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月25日出願公開、特開2019- 63415〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本件に係る出願(以下「本願」という。)は、平成29年10月4日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

平成29年10月24日 :手続補正書の提出
令和 3年 4月28日付け:拒絶理由通知

同年 6月28日 :意見書、手続補正書の提出

同年11月19日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
同月30日 :原査定の謄本の送達
令和4年 2月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出

同年 9月27日 :拒絶理由通知(以下、通知した拒絶の理由を「当審拒絶理由」という。)

同年 11月 9日 :意見書(以下、単に「意見書」という。)、手続補正書の提出

2 本願発明

本願の請求項1に係る発明は、令和4年11月9日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載の事項により特定されるものであるところ、請求項1に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものであると認める。なお、記号AないしEについては、分説するため合議体が付し、記号が付された事項を以下「特定事項A」等という。

「A 遊技中に抽選契機が発生すると、遊技に関する所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 操作を受け付け可能に設けられた操作手段と、
C 所定の第1期間内に、異なる要素が出現しうる複数の演出を実行可能な事前演出実行手段と、
D 前記第1期間より後の第2期間における前記操作手段による操作の受け付け態様について、前記第1期間内に異なるタイミングで実行される複数の演出に対応した受け付け態様を表示させる切替手段と
E を備えた遊技機。」

3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由は、概略、次のとおりである。

(理由1)(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

(理由2)(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記

●理由1(新規性)及び理由2(進歩性)について

・請求項1

・引用文献等 引用例1.特許第6124427号広報(審決注:「・・・公報」の誤記)

4 引用例の記載、引用発明

当審拒絶理由で引用例1として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特許第6124427号公報(平成29年5月10日発行)には、遊技台(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は合議体が付した。以下同じ。

(1)「【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本発明を適用可能なパチンコ機100等の弾球遊技機(封入式のものも含む)について詳細に説明する。なおここにいう封入式のものとは、遊技機内に封入された遊技球を循環使用する封入式遊技機等のことをいう。
・・・略・・・
【0016】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図3参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、を備える。このチャンスボタン136は演出ボタンであって、操作手段の一例に相当する。また、チャンスボタン136は、可動手段の一例でもあり、図1に示すチャンスボタン136は初期位置にある。詳しくは後述するように、このチャンスボタン136は進退動作を実行可能なものである。さらに、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。」
(2)「【0133】
以上説明した特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図関連抽選処理を行う。特図関連抽選処理では、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)が行われ、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)が行われる。このように、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、同じタイミング(所定の契機で開始した主制御部タイマ割込処理における入賞判定処理S209)で第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214による特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、主制御部300で行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の結果報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の結果報知よりも優先して行われ、抽選が行われていない始動情報として、特図1の始動情報と特図2の始動情報のうちの特図1の始動情報のみが残っている状態で、特図2の始動情報が新たに記憶された場合には、新たに記憶された特図2の始動情報に基づく抽選の結果の報知が、既に記憶されていた特図1の始動情報に基づく抽選の結果の報知よりも先に行われる。特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が抽選手段(当否判定手段)の一例に相当する。」
(3)「【0521】
続いて、図33(a2)に示す第1装飾図柄表示装置208Lでは、ステージ名表示部ST2にストックされていた第2のボタン予告アイコンI11が消化されている様子が示されている。具体的には、第1装飾図柄表示装置208Lでは、第2のボタン予告アイコンI11が、ステージ名表示部ST2から飛び出して、疑似連図柄にぶつかる態様での表示が行われている。このとき、第2のボタン予告アイコンI11が疑似連図柄にぶつかった様子を示すエフェクト画像を表示することで、第2のボタン予告アイコンI11が消化されたことを演出している。
【0522】
すると、図33(a3)に示すように、装飾図柄表示装置208では、ボタン受付時間メーターMTとともにボタン画像136aが表示されて演出ボタン136の操作の受け付けが可能であることを報知し、遊技者に演出ボタン136の操作を促進している。これにより、演出ボタン136を操作することにより、疑似連予告が発生するか否かについて期待感を持たせるようにしている。なお、ステージ名表示部ST2では、ストックされている予告アイコンがなくなったため、ステージ名の表示を再開し、現在のステージである「海岸ステージ」の表示が行われている。また、演出ボタン136の操作が有効とされたため、チャンスボタンランプ138が赤色で発光し、遊技者にその旨を報知している。なお、ボタン画像136aが表示開始されるタイミングとチャンスボタンランプ138が赤色で発光するタイミングとが同じであってもよいし、ボタン画像136aが表示開始した後で、チャンスボタンランプ138が赤色に発光するようにしてもよいし、チャンスボタンランプ138が赤色に発光した後で、ボタン画像136aが表示開始してもよい。
続きを表示(全14行)
【0523】
そして、図33(a4)に示すタイミングで、遊技者により演出ボタン136が操作されると、図33(a5)に示すように、第1装飾図柄表示装置208Lでは、第1装飾図柄の中図柄に疑似連図柄が停止した後、「装飾2?疑似連図柄?装飾3」の装飾図柄の組合せで揺れ変動表示が行われ、疑似連が開始することを演出している様子が示されている。なお、演出ボタン136を操作したが、失敗の演出が行われる場合には、疑似連図柄が下方にスクロールアウトし、ハズレの装飾図柄の組合せが導出される。
【0524】
このように、この演出例では、第2のボタン予告アイコンI11は、操作手段に関する予告アイコンの一例ということができる。
【0525】
なお、この演出例では、複数の第2のボタン予告アイコンI11がストックされる場合があってもよく、それぞれ、同じ予告演出(例えば、疑似連予告等)を対象としたものであってもよいし、異なる予告(例えば、疑似連予告とカットイン予告等)を対象としたものであってもよい。そして、この演出例では、複数の第2のボタン予告アイコンI11がストックされた場合には、ストックされた数だけボタン演出が発生するように構成されているので、第2のボタン予告アイコンI11がストックされるほど、期待感を高揚させることができる場合がある。
【0526】
図33(b1)~同図(b7)は、ボタン予告アイコンがストックされる別の態様を示すとともに、ストックされたボタン予告アイコンが消化される別の態様について示している。
【0527】
図33(b1)に示す第1装飾図柄表示装置208Lでは、表示画面の下部に方形状の枠で囲まれたUI部が配置されている。図33(b1)に示されるUI部は、その中央に保留アイコン表示領域が形成されている。保留アイコン表示領域は、4つの枠によって仕切られ、各枠内に保留アイコンが1つずつ表示されるように構成されている。また、UI部の中央上部には、変動アイコン表示領域が形成されており、UI部が構成する枠上に載置される態様で変動アイコンが表示されている。なお、図33(b1)に示すタイミングでは、特図1の変動表示が1つ保留されているので、保留アイコン表示領域には、1つの保留アイコンh11が表示されている。なお、変動アイコンh0はデフォルトの表示態様となっているが、第1の保留アイコンh11は、先読み予告の対象である図柄変動表示の保留であり、その表示態様も先読み予告の表示態様(例えば、青色の丸印での表示態様)で表示されている。また、保留アイコン表示領域の右側には、説明表示部としてのチュートリアル表示部TT4が配置されており、保留アイコン表示領域の左側には、ステージ名表示部ST2が配置されている。チュートリアル表示部TT4及びステージ名表示部ST2の機能構成は、上述したチュートリアル表示部TT1及びステージ名表示部ST1と同様であるので、ここでの説明は省略する。なお、図33(b1)に示されるチュートリアル表示部TT4では、「予告アイコン消化で・・・」と表示されており、ステージ名表示部ST2では、現在のステージ名である「海岸ステージ」が表示されている。また、第1装飾図柄表示装置208Lでは、第1装飾図柄の変動表示も行われている。そして、図33(b1)に示す第1装飾図柄表示装置208Lでは、ボタン予告アイコンをストックするために必要なパーツの数を示す「+1」の表示のパーツアイコンp1が出現している。詳しくは後述するが、このパーツアイコンp1が出現すると、パーツアイコンp1が示す数のボタンメーター136mのパーツが貯まり、満タンになるとボタン予告アイコンが1つストックされるように構成されている。」
(4)「【図33】
[図:0001394793000001.jpg]
」

(5)上記(1)~(4)からみて、引用例1には、次の発明が記載されている。なお、a~eについては本願発明の特定事項A~Eに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号を併記した。

「a 第1特図始動口230又は第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、該始動情報に基づく抽選の結果報知を行う特図関連抽選処理を実行する抽選手段(【0133】)と、
b 遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136(【0016】)と、を備え、
c 第1装飾図柄表示装置208Lでパーツアイコンp1が出現すると、パーツアイコンp1が示す数のボタンメーター136mのパーツが貯まり、満タンになるとボタン予告アイコンが1つストックされ(【0527】、図33(b1)~(b7))、複数のボタン予告アイコンがストックされる場合があり、それぞれ、異なる予告(例えば、疑似連予告とカットイン予告等)を対象としたものであり(【0525】)、
d ステージ名表示部ST2にストックされていたボタン予告アイコンが消化され、ボタン画像136aが表示されて演出ボタン136の操作の受け付けが可能であることを報知し、ストックされている複数のボタン予告アイコンは、それぞれ、異なる予告(例えば、疑似連予告とカットイン予告等)を対象としたものである(【0521】、【0522】、【0525】、図33(a1)~(a5))、
e パチンコ機100(【0010】)。」(以下「引用発明」という。)

5 対比

本願発明と引用発明を対比する。

(1)特定事項Aについて

引用発明の「始動情報に基づく抽選」は、第1特図始動口230又は第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて取得された始動情報に基づく抽選であるから、本願発明の「遊技に関する所定の抽選」に相当する。

また、引用発明の「第1特図始動口230又は第2特図始動口232に遊技球が進入したこと」は、その契機に基づいて始動情報を取得し、抽選に用いるのであるから、本願発明の「遊技中に抽選契機が発生する」ことに相当する。

また、引用発明の「抽選手段」「を備え」ることは、第1特図始動口230又は第2特図始動口232に遊技球が進入したこと(遊技中に抽選契機が発生)に基づいて始動情報を取得し、該始動情報に基づく抽選(遊技に関する所定の抽選)の結果報知を行う特図関連抽選処理を実行するのであるから、本願発明の「抽選実行手段」「を備え」ることに相当する。

そうすると、引用発明のaは、本願発明の特定事項Aに相当する。

(2)特定事項Bについて

引用発明のbの「遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136」「を備え」ることは、本願発明の特定事項Bの「操作を受け付け可能に設けられた操作手段」「を備え」ることに相当する。

そうすると、引用発明のbは、本願発明の特定事項Bに相当する。

(3)特定事項Cについて

引用発明の「ボタン予告アイコンがストックされる」期間は、本願発明の「第1期間」に相当する。

また、引用発明の「ボタン予告アイコン」は、出現したパーツアイコンp1が示す数によりボタンメーター136mのパーツが貯まり、満タンになるとボタン予告アイコンが1つストックされるものであるが、ボタン予告アイコンが複数ストックされることがある。

そうすると、引用発明における「ボタン予告アイコンが複数ストックされること」は、本願発明の「複数の演出」に相当し、引用発明における「パーツアイコンp1」によりパーツを貯めて「ボタン予告アイコン」を複数ストックすることは、それぞれのストックで異なるプロセスを採りうるから、前記「パーツアイコンp1」又は「ボタン予告アイコン」は、本願発明の「異なる要素」に相当し、引用発明の「パーツアイコンp1」又は「ボタン予告アイコン」が表示される演出を実行することは、本願発明の「異なる要素が出現しうる複数の演出を実行可能」なことに相当するといえる。

してみると、引用発明は、本願発明の「C 所定の第1期間内に、異なる要素が出現しうる複数の演出を実行可能な事前演出実行手段」を備える。

(4)特定事項Dについて

引用発明の「ボタン予告アイコンが消化され」る期間は、本願発明の「前記第1期間より後の第2期間」に相当する。

また、引用発明の「ボタン画像136a」は、表示されることにより、演出ボタン136(操作手段)の操作の受け付けが可能であることを報知するから、本願発明の「操作手段による操作の受け付け態様」に相当する。

そして、引用発明のdにおいて、ボタン予告アイコンが消化され(第2期間)、ボタン画像136a(操作手段による受け付け態様)が表示されて演出ボタン136の操作の受け付けが可能であることを報知するものである。

そうすると、引用発明のdと、本願発明の特定事項Dとは、「前記第1期間より後の第2期間における前記操作手段による操作の受け付け態様」「を表示させる切替手段」「を備え」る点で一致する。

(5)特定事項Eについて

引用発明の「パチンコ機100」は、本願発明の「遊技機」に相当する。

そうすると、引用発明のeは、本願発明の特定事項Eに相当する。

(6)上記(1)~(5)からみて、本願発明と引用発明とは、

「A 遊技中に抽選契機が発生すると、遊技に関する所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
B 操作を受け付け可能に設けられた操作手段と、
C 所定の第1期間内に、異なる要素が出現しうる複数の演出を実行可能な事前演出実行手段と、
D’前記第1期間より後の第2期間における前記操作手段による操作の受け付け態様を表示させる切替手段と
E を備えた遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。

・相違点(特定事項D)

「受け付け態様」に関し、

本願発明では、「受け付け態様」が、「前記第1期間内に異なるタイミングで実行される複数の演出に対応し」ているのに対し、

引用発明では、ボタン画像136a(受け付け態様)が、ボタン予告アイコンがストックされる期間(第1期間)内に異なるタイミングで実行される複数の演出に対応しているかどうか明らかでない点。

6 判断

(1)上記相違点について検討する。

引用発明において、ボタン画像136a(受け付け態様)は、ストックされていたボタン予告アイコンが消化されるに伴って表示され、該ボタン予告アイコンは、ストックする期間(第1期間)内において異なるタイミングでストックされるといえる。

そして、本願発明は、表示される受け付け態様のその外観が、複数の演出の外観に対応することまでを特定するものではなく、受け付け態様が複数の演出に数的又は順序的に対応することを特定するものに過ぎないと解される。

そうすると、引用発明において、ボタン画像136a(受け付け態様)は、ボタン予告アイコンが消化される期間(第2期間)において、異なるタイミングでストックされた複数のボタン予告アイコン(複数の演出)のそれぞれに対応して表示されるものといえるから、引用発明の「ボタン画像136a」は、本願発明の「前記第1期間内に異なるタイミングで実行される複数の演出に対応した受け付け態様」に実質的に相当するといえる。

したがって、上記相違点は実質的な相違点ではない。

よって、本願発明は、引用発明と同一である。

(2)仮に上記相違点が実質的な相違点であるとしても、引用発明において、上記相違点に係る本願発明の特定事項となすことは、当業者が容易に想到し得たものである。

そして、本願発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果から、予測することができた程度のものである。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、意見書において、以下のとおり主張する。

「〔2〕本願発明と引用文献に記載された技術との対比
(1)相違点
・・・略・・・
引用文献1を精査したところ、引用発明においては、ボタン予告アイコンが消化される期間(第2期間)における操作の受け付け態様についてボタン画像136a(操作の受付態様)が表示されますが、このとき表示されるボタン画像136aの態様は、下向き矢印が付加された態様のみであり([0522]、図33等)、ボタン予告アイコンがストックされる期間(第1期間)に異なるタイミングで実行される複数の演出に対応した受け付け態様を表示させるものではありません。
これに対し、本願発明においては、第1期間より後の第2期間における操作の受け付け態様について、第1期間内に異なるタイミングで実行される複数の演出に対応した受け付け態様を表示させます。
したがって、本願発明は、引用発明とは構成が明らかに相違していますので、特許法第29条第1項第3号には該当しないと考えます。」

イ 請求人が意見書で「引用発明においては、・・・ボタン画像136aの態様は、下向き矢印が付加された態様のみであり・・・、ボタン予告アイコンがストックされる期間(第1期間)に異なるタイミングで実行される複数の演出に対応した受け付け態様を表示させるものではありません。」と主張していることからみて、請求人は、引用発明のボタン画像136aの外観の態様が、1種類であり、ボタン予告アイコンがストックされる期間(第1期間)に異なるタイミングで実行される複数の演出に対応した外観となっていないことを主張しているものと解される。

しかしながら、本願発明は、表示される受け付け態様のその外観が、複数の演出の外観に対応することまでを特定するものではなく、受け付け態様が複数の演出に数的又は順序的に対応することまでしか特定していないと解され、請求人の主張は本願発明で特定された事項に基づく主張であるとはいえないから、上記(1)及び(2)で示したように、引用例1には、本願発明の特定事項が実質的に開示されているといえるか、本願発明は、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

したがって、上記主張は採用できない。

7 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、同法同条第2項の規定により、特許を受けることができない

よって、結論のとおり審決する。

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2022-001874

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