特許拒絶査定不服審判
2022-000979
容器蓋
- 審判番号
- 2022-000979
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-176684外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年01月21日
- 審決日
- 2023年03月28日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日本クロージャー株式会社
- 【請求人代理人】小野 尚純
- 【請求人代理人】奥貫 佐知子
- 【請求人代理人】小嶋 俊之
- 分類
- P18 .121-Z (B65D) / P18 .575-Z (B65D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-176684「容器蓋」拒絶査定不服審判事件〔平成31年4月4日出願公開、特開2019-51959〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年9月14日の出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和3年 6月25日付け:拒絶理由通知
令和3年 9月 2日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年10月29日付け:拒絶査定
令和4年 1月21日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和4年1月21日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)についての補正の却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1~4の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)
「【請求項1】
容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓、及び該中栓又は該口頸部に離脱自在に螺着される合成樹脂製外蓋を具備し、
該中栓は破断可能薄肉ラインによって規定された除去領域を有する閉塞壁を含み、該閉塞壁の該除去領域には上方に延出する円筒形被係止壁が形成されており、該被係止壁の外周面又は内周面には、周方向に間隔をおいて複数個のラチェット爪が配設されていると共に、該ラチェット爪よりも上方に位置する被係止突条、及び該ラチェット爪よりも上方であって且つ該被係止突条よりも下方に位置する補助被係止突条が配設され、該被係止壁は上下方向に見て該補助被係止突条よりも下方にて上下に仕切られて、該被係止壁の上端は開放されており、
該外蓋は天面壁と該天面壁の内面中央部から垂下する円筒形係止壁とを含み、該係止壁の内周面又は外周面には、周方向に間隔をおいて複数個のラチェット部が配設されていると共に、該ラチェット部よりも上方に位置する係止突条が配設されており、
該外蓋を螺着した状態においては、該外蓋の該係止突条は該中栓の該被係止突条よりも下方であって且つ該補助被係止突条よりも上方に位置し、
該外蓋が離脱される際には、該外蓋が開回転方向に回転され、最初に、該係止壁に配設された該ラチェット部が該被係止壁に配設された該ラチェット爪に係止して該破断可能薄肉ラインに応力が生成されて該破断可能薄肉ラインが破断され、しかる後に、該係止壁に配設されている該係止突条が該被係止壁に配設されている該被係止突条に係止しこれによって該除去領域が該外蓋と共に上昇され、
該外蓋が再螺着される際には、該外蓋に対して該除去領域が上方に変位されて、該外蓋の該係止壁に配設されている該係止突条が該中栓の該被係止壁に配設されている該補助被係止突条の下方に係止する容器蓋において、
該外蓋を螺着した状態においては、該係止壁に配設されている該係止突条は該被係止壁に配設されている該被係止突条に対して間隔をおいて下方に位置し、該係止突条は該被係止突条よりも該補助被係止突条に近接する、
ことを特徴とする容器蓋。
【請求項2】
該中栓の該閉塞壁の下面には、該破断可能薄肉ラインの半径方向内側において該閉塞壁の下面に接続された基端から半径方向外方に向かって下方に傾斜して延出し、延出端は半径方向において該破断可能薄肉ラインよりも外方に位置する環状シール片が形成されており、該外蓋が離脱される際には該シール片は弾性的に撓んで該閉塞壁における該除去領域以外のその他の部分より上方に移動し、該外蓋が再螺着される際には該シール片が該閉塞壁の該その他の部分の上面に当接して該除去領域の下方への移動が阻止される、請求項1記載の容器蓋。
【請求項3】
該係止壁の内周面又は外周面の上部には、周方向に間隔をおいて複数個のリブが配設されており、該係止壁に配設されている該係止突条が該被係止壁に配設されている該補助被係止突条の下方に係止すると、該被係止壁の外周面又は内周面の上部が該リブに当接乃至近接される、請求項1又は2記載の容器蓋。
【請求項4】
該係止壁に配設されている該係止突条が該被係止壁に配設されている該補助被係止突条の下方に係止すると、該被係止壁に配設されている該被係止突条が該リブの下端面に当接される、請求項3記載の容器蓋。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年9月2日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓、及び該中栓又は該口頸部に離脱自在に螺着される合成樹脂製外蓋を具備し、
該中栓は破断可能薄肉ラインによって規定された除去領域を有する閉塞壁を含み、該閉塞壁の該除去領域には上方に延出する円筒形被係止壁が形成されており、該被係止壁の外周面又は内周面には、周方向に間隔をおいて複数個のラチェット爪が配設されていると共に、該ラチェット爪よりも上方に位置する被係止突条、及び該ラチェット爪よりも上方であって且つ該被係止突条よりも下方に位置する補助被係止突条が配設され、
該外蓋は天面壁と該天面壁の内面中央部から垂下する円筒形係止壁とを含み、該係止壁の内周面又は外周面には、周方向に間隔をおいて複数個のラチェット部が配設されていると共に、該ラチェット部よりも上方に位置する係止突条が配設されており、
該外蓋を螺着した状態においては、該外蓋の該係止突条は該中栓の該被係止突条よりも下方であって且つ該補助被係止突条よりも上方に位置し、
該外蓋が離脱される際には、該外蓋が開回転方向に回転され、最初に、該係止壁に配設された該ラチェット部が該被係止壁に配設された該ラチェット爪に係止して該破断可能薄肉ラインに応力が生成されて該破断可能薄肉ラインが破断され、しかる後に、該係止壁に配設されている該係止突条が該被係止壁に配設されている該被係止突条に係止しこれによって該除去領域が該外蓋と共に上昇され、
該外蓋が再螺着される際には、該外蓋に対して該除去領域が上方に変位されて、該外蓋の該係止壁に配設されている該係止突条が該中栓の該被係止壁に配設されている該補助被係止突条の下方に係止する容器蓋において、
該外蓋を螺着した状態においては、該係止壁に配設されている該係止突条は該被係止壁に配設されている該被係止突条に対して間隔をおいて下方に位置し、該係止突条は該被係止突条よりも該補助被係止突条に近接する、
ことを特徴とする容器蓋。
【請求項2】
該中栓の該閉塞壁の下面には、該破断可能薄肉ラインの半径方向内側において該閉塞壁の下面に接続された基端から半径方向外方に向かって下方に傾斜して延出し、延出端は半径方向において該破断可能薄肉ラインよりも外方に位置する環状シール片が形成されており、該外蓋が離脱される際には該シール片は弾性的に撓んで該閉塞壁における該除去領域以外のその他の部分より上方に移動し、該外蓋が再螺着される際には該シール片が該閉塞壁の該その他の部分の上面に当接して該除去領域の下方への移動が阻止される、請求項1記載の容器蓋。
【請求項3】
該係止壁の内周面又は外周面の上部には、周方向に間隔をおいて複数個のリブが配設されており、該係止壁に配設されている該係止突条が該被係止壁に配設されている該補助被係止突条の下方に係止すると、該被係止壁の外周面又は内周面の上部が該リブに当接乃至近接される、請求項1又は2記載の容器蓋。
【請求項4】
該係止壁に配設されている該係止突条が該被係止壁に配設されている該補助被係止突条の下方に係止すると、該被係止壁に配設されている該被係止突条が該リブの下端面に当接される、請求項3記載の容器蓋。」
2 補正の適否
本件補正の「該被係止壁は上下方向に見て該補助被係止突条よりも下方にて上下に仕切られて、該被係止壁の上端は開放されており、」を加入する補正は、容器蓋について、本件補正前の請求項1に記載された被係止壁に関する特定がなかったものを限定するものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、この補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、この補正を含む本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された文献である、特開2017-137092号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓、及びこの中栓又は口頸部に装着される合成樹脂製外蓋を具備する容器蓋に関する。」
「【0003】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、中栓又は口頸部に再装着された外蓋を再度中栓又は口頸部から離脱せしめる際に、除去領域が外蓋から脱落してしまうことが可及的に防止される、新規且つ改良された容器蓋を提供することである。」
「【0007】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成することができる容器蓋として、容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓、及び該中栓又は該口頸部に装着される合成樹脂製外蓋を具備し、
該中栓は破断可能薄肉ラインによって規定された除去領域を有する閉塞壁を含み、該閉塞壁の該除去領域には上方に延出する円筒形被係止壁部が形成されており、該被係止壁部には被係止突条が配設され、
該外蓋は天面壁と該天面壁の内面中央部から垂下する円筒形係止片とを含み、該係止片には係止突条が配設されており、
該外蓋が該中栓又は該口頸部に装着される際には、該外蓋の該天面壁が該中栓の該閉塞壁を覆うと共に、該外蓋の該係止片に配設されている該係止突条が該中栓の該被係止壁部に形成されている該被係止突条の下方に係止され、
該中栓又は該口頸部から該外蓋が離脱される際には、該破断可能薄肉ラインが破断されて該除去領域が該閉塞壁のその他の部分から分離され該外蓋と共に該口頸部から離脱される容器蓋において、
該中栓の該被係止壁部における該被係止突条よりも下方の部位には、補助被係止突条が配設されており、
該中栓又は該口頸部から離脱された該外蓋が該中栓又は該口頸部に再装着される際には、該外蓋に対して該除去領域が上方に変位されて、該外蓋の該係止片に配設されている該係止突条が該中栓の該被係止壁部に配設されている該補助被係止突条の下方に係止する、
ことを特徴とする容器蓋が提供される。」
「【0012】
本発明に従って構成された容器蓋は、図1乃至図3に示す中栓2と図4及び図5に示す外蓋4とから構成されている。中栓2はポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形することができ、同様に外蓋4もポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形することができる。」
「【0013】
図1及び図2を参照して説明すると、中栓2は閉塞壁6を含む。この閉塞壁6は円環形状の破断可能薄肉ライン8によって規定された円形除去領域10を有する。・・・」
「【0014】
閉塞壁6の上面には、除去領域10の中央部において上方に延出する円筒形被係止壁部18も形成されている。被係止壁部18の上端には実質上水平な円形壁面20が設けられている。被係止壁部18の外周面の上端部には周方向に連続して延在する1個の被係止突条22が配設されている。被係止壁部18における被係止突条22よりも下方の部位には、補助被係止突条24が配設されていることが重要である。図示の実施形態においては、補助被係止突条24は被係止壁部18の外周面において周方向に連続して延在している。被係止壁部18の外周面における補助被係止突条24の下方には、被係合手段26が配設されている。図2に明確に図示する如く、図示の実施形態においては、被係合手段26は周方向に等角度間隔をおいて6個配設されている。被係合手段26の各々は被係止壁部18の外周面から半径方向外方に向かって鋭く切り立つ被係合面26aと、この被係合面26aの半径方向外方の延出端から図2において(即ち上方から見て)反時計方向に向かって直線状に延びる外周面26bと、この外周面26bの図2において反時計方向延出端から半径方向内方に弧状に曲げられた後に緩やかに傾斜して再び被係止壁部18の外周面に接続される逃げ面26cとを有している。被係止壁部18の内周面には軸線方向に延びるリブ27が周方向に等角度間隔を置いて4個形成されている。リブ27は、中栓2に外蓋4を装着する際に所定の治具と協働して外蓋4に対する中栓2の回転を規制することを可能とする。」
「【0016】
図4及び図5を参照して説明を続けると、外蓋4は天面壁38とこの天面壁38の内面中央部から垂下する円筒形係止片40と天面壁38の外周縁部から垂下する円筒形装着壁42とを含む。・・・天面壁38の内面には、半径方向に見て係止片40と装着壁42との間において下方に垂下する筒状液留め片48と、半径方向に見て液留め片48と係止片40との間において下方に垂下する筒状補助シール片50とが形成されている。・・・係止片40の内周面における軸線方向中間部には周方向に連続して延びる1個の係止突条58が配設されている。係止片40の内周面において係止突条58の下方には係合手段60が配設されている。図5に明確に図示する如く、図示の実施形態においては、係合手段60は周方向に等角度間隔をおいて6個配設されている。・・・」
「【0017】
上述したとおりの中栓2と外蓋4とは、中栓2に外蓋4を被嵌した状態で中栓2に対して外蓋4を上方から見て時計方向に回転し、中栓2の雄螺条16に外蓋4の雄螺条48を螺合せしめることによって相互に組み合わされる。・・・中栓2に対して外蓋4を上記方向に回転せしめて外蓋4が中栓2に対して降下する際には、外蓋4における係合手段60の傾斜面60bが中栓2における被係合手段26の逃げ面26c及び外周面26bを弾性的に乗り越え、中栓2に対する外蓋4の回転が被係合手段26と係合手段60との共働によって規制されることはない。外蓋4は、その突出片54に形成された停止面56が中栓2の被装着壁12の上面に当接するまで中栓2に対して回転せしめられる。」
「【0018】
図6を参照して説明を続けると、外蓋4の装着壁42に形成されている雌螺条52が中栓2に形成されている雄螺条16に螺合されて外蓋4が中栓2に装着されると、外蓋4の天面壁38が中栓2の閉塞壁6を覆うと共に、外蓋4の係止片40に配設されている係止突条58が中栓2の被係止壁部18に形成されている被係止突条22を弾性的に乗り越えてこれの下方に係止される。かかる状態においては、外蓋4の補助シール片50の外周面が中栓2の注出壁14の上端部の内周面に密着する。上記のとおりに組み合わされた容器蓋は、図6に示す容器の口頸部62に対して図6に示す状態まで強制的に下降せしめることによって容器の口頸部62に装着される。・・・」
「【0019】
容器の内容物を消費する際には、外蓋4のスカート壁44に指を掛けて、中栓2に装着されている外蓋4を上方から見て反時計方向に回転する。中栓2に対して外蓋4を上記方向に回転すると、外蓋4の装着壁42に形成されている雌螺条52と中栓2に形成されている雄螺条16との螺合が解除されて中栓2に対して外蓋4が上昇せしめられる。このとき、外蓋4の係止突条58が中栓2の被係止突条22に係止して中栓2に対する外蓋4の上昇が規制される。従って、外蓋4を更に中栓2に対して上記方向に回転せしめると、係止突条58及び被係止突条22を介して破断可能薄肉ライン8に上下方向の力が伝えられこれに集中し、かかる力によって破断可能薄肉ライン8が破断される。本実施形態においては更に、外蓋4に係合手段60が配設されていると共に中栓2に被係合手段26が配設されていることに起因して、外蓋4における係合手段60の係合面60aが中栓2における被係合手段26の係合面24aと係合して、中栓2に対する外蓋4の上記回転も規制される。そのため、係合手段60及び被係合手段26を介して破断可能薄肉ライン8に横方向の力も伝えられ、破断可能薄肉ライン8の破断が助長される。破断可能薄肉ライン8が破断して中栓2の閉塞壁6に開口が生成された後、外蓋4を中栓2に対して上記方向に更に回転せしめると、除去領域10が閉塞壁6のその他の部分から分離され外蓋4と共に除去領域10が中栓2に対して上昇する。除去領域10が閉塞壁6のその他の部分から除去される際にはシール片36は弾性的に撓んで上記その他の部分より上方に移動する。そして、外蓋4を中栓2に対して上記方向に更に回転せしめると、外蓋4と共に除去領域10が口頸部62から離脱される。しかる後においては中栓2の閉塞壁6に生成された開口を通して内容物を排出することができる。」
「【0020】
内容物の必要量の排出が終了した後においては、外蓋4を中栓2に被嵌し、次いで上方から見て時計方向に回転して外蓋4の装着壁42の内周面に形成されている雌螺条52を中栓2の被装着壁12の外周面に形成されている雄螺条16に螺合せしめて中栓2に対して外蓋4を降下させる。・・・従って本発明の容器蓋においては、中栓2から離脱された外蓋4が中栓2に再装着されると外蓋4に対して除去領域10が上方に変位されて、外蓋4の係止片40に配設されている係止突条58が中栓2の被係止壁部18に配設されている補助被係止突条24の下方に係止すると共に、中栓2の被係止壁部18に配設されている被係止突条22が外蓋4の係止片40に配設されている係止突条58よりも上方の位置にて係止片40と対向する。これによって外蓋4に対して除去領域10が傾動することが防止され、除去領域10が外蓋4から脱落することが可及的に防止される。」
「【0023】
・・・また、上記いずれの実施形態においても、中栓に配設される被係止突条は被係止壁部の外周面に形成されると共に外蓋に配設される係止突条及び係合手段は係止片の内周面に形成されていたが、これに代えて、被係止突条を被係止壁部の内周面に形成すると共に係止突条及び係合手段を係止片の外周面に形成するようにしてもよい。・・・」
「【図1】
[図:0001397686000001.jpg]
」
「【図4】
[図:0001397686000002.jpg]
」
「【図6】
[図:0001397686000003.jpg]
」
「【図7】
[図:0001397686000004.jpg]
」
(イ)上記記載からみて、引用文献1には、容器蓋について次の技術的事項が記載されている。
a 容器蓋は、容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓2、及びこの中栓2に装着される合成樹脂製外蓋4を具備するものである(【0001】)。ここで、中栓2の雄螺条16に外蓋4の雄螺条48を螺合せしめることによって相互に組み合わされる(【0017】)こと、及び、中栓2又は口頸部から離脱された外蓋4が該中栓2又は該口頸部に再装着される(【0007】)ことに照らしてみれば、段落【0001】の「装着」とは、螺合せしめることによって相互に組み合わせ、再装着可能なものであるといえる。
b 中栓2は破断可能薄肉ライン8によって規定された円形除去領域10を有する閉塞壁6を含んでいる(【0012】~【0013】、【0017】)。
c 円形除去領域10には上方に延出する円筒形被係止壁部18が形成されており、円筒形被係止壁部18の外周面には、等角度間隔をおいて6個の被係合手段26が配設されていること(【0014】)からすると、円筒形被係止壁部18の外周には、周方向に間隔をおいて複数個の被係合手段26があるといえる。
d 円筒形被係止壁部18の外周面の上端部には周方向に連続して延在する1個の被係止突条22があり、円筒形被係止壁部18の壁部における被係止突条22の下方の部位には、補助被係止突条24が配設されており、補助被係止突条24の下方には被係合手段26が配設されていること(【0014】)からすると、円筒形被係止壁部18の外周面には、被係合手段26よりも上方に位置する被係止突条22と、被係止突条22よりも下方に位置する補助被係止突条24が配設されているといえる。
e 該外蓋4は天面壁38と該天面壁38の内面中央部から垂下する円筒形係止片40とを含み、円筒形係止片40の内周面には、周方向に連続して伸びる1個の係止突条58が配設されており、係止突条の下方には周方向に等角度間隔をおいて6個の係合手段60が配設されていること(【0016】)からすると、円筒形係止片40の内周には、周方向に間隔をおいて複数個の係合手段60と、係合手段60よりも上方に位置する係止突条58が配設されているといえる。
f 外蓋4の装着壁42に形成されている雌螺条52が中栓2に形成されている雄螺条16に螺合されて外蓋4が中栓2に装着されると、外蓋4の係止片40の係止突条58は中栓2の被係止突条22よりも下方で被補助係止突条24よりも上方に位置し、図6に示す状態まで容器の口頸部62に装着されており(【0018】、図6)、この外蓋4を装着した状態は、外蓋4が中栓2に螺条を用いて装着したものであるといえる。
g 中栓2に対して外蓋4を反時計方向に回転すると、外蓋4の雌螺条52と中栓2の雄螺条16との螺合が解除されて外蓋4が上昇する。さらに反時計方向に回転すると破断可能薄肉ライン8に上下方向の力が伝えられ、破断可能薄肉ライン8が破断される。また、外蓋4の係合手段60と中栓2の被係合手段26が係合しており、この係合によって外蓋4の反時計方向の回転も規制された状態にあるため、係合手段60及び被係合手段26を介して破断可能薄肉ライン8に横方向の力も伝えられ、破断可能薄肉ライン8の破断が助長される。そして、破断可能薄肉ライン8が破断して上記方向に更に回転すると、除去領域10が外蓋4と共に上昇し、外蓋4は口頸部62から離脱される(【0019】)。ここで、係合手段60及び被係合手段26を介して破断可能薄肉ライン8に横方向の力が加わっていることからすれば、破断可能薄肉ライン8が破断する前に、係合手段60及び被係合手段26とが係止して、破断可能薄肉ライン8には応力が生成されているといえる。そうすると、外蓋4が口頸部62から離脱される際には、外蓋4が反時計方向に回転され、円筒形係止片40に配設された係合手段60が円筒形被係止壁部18に配設された被係合手段26に係止して破断可能薄肉ライン8に応力が生成され、破断可能薄肉ライン8が破断され、円筒形係止片40に配設されている係止突条58が円筒形被係止壁部18に配設されている被係止突条22に係止し、円形除去領域10が外蓋4と共に上昇する。
h 外蓋4を中栓2に被嵌し、閉方向に回転して中栓2に対して外蓋4を降下させ、中栓2から離脱された外蓋4が中栓2に再装着され、外蓋4に対して円形除去領域10が上方に変位されて、外蓋4の円筒形係止片40に配設されている係止突条58が中栓2の円筒形被係止壁部18に配設されている補助被係止突条24の下方に係止し(【0020】)、この外蓋4を再装着した状態は、外蓋4が中栓2に螺条を用いて再装着されたものであるといえる(【0018】、図6)。
(ウ)引用文献1に記載された発明
上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「容器の口頸部に装着される合成樹脂製の中栓2、及び中栓2に螺合せしめることによって相互に組み合わせ、再装着が可能な合成樹脂製の外蓋4とを具備し、
中栓2は破断可能薄肉ライン8によって規定された円形除去領域10を有する閉塞壁6を含み、円形除去領域10には上方に延出する円筒形被係止壁部18が形成されており、円筒形被係止壁部18の外周には、周方向に間隔をおいて複数個の被係合手段26があり、被係合手段26よりも上方に位置する被係止突条22と、被係止突条22よりも下方に位置する補助被係止突条24が配設され、
外蓋4は、天面壁38と該天面壁38の内面中央部から垂下する円筒形係止片40とを含み、円筒形係止片40の内周には、周方向に間隔をおいて複数の係合手段60と、係合手段60よりも上方に位置する係止突条58が配設されており、
外蓋4が中栓2に螺条を用いて装着した状態においては、外蓋4の係止突条58は中栓2の被係止突条22よりも下方で補助被係止突条24よりも上方に位置し、
外蓋4が口頸部62から離脱される際には、外蓋4が反時計方向に回転され、円筒形係止片40に配設された係合手段60が円筒形被係止壁部18に配設された被係合手段26に係止して破断可能薄肉ライン8に応力が生成され、破断可能薄肉ライン8が破断され、円筒形係止片40に配設されている係止突条58が円筒形被係止壁部18に配設されている被係止突条22に係止し、円形除去領域10が外蓋4と共に上昇され、
外蓋4が中栓2に螺条を用いて再装着される際には、外蓋4に対して円形除去領域10が上方に変位されて、外蓋4の円筒形係止片40に配設されている係止突条58が中栓2の円筒形被係止壁部18に配設されている補助被係止突条24の下方に係止する容器蓋。」
イ 引用文献2
(ア)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された文献である、特開2016-141408号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーキャップを備えた容器に関し、特に、容器本体の口筒部に装着された中栓と、中栓を被冠するオーバーキャップとを備えた容器に関するものである。」
「【0005】
本発明は、上記の問題を解決することを課題とし、容器本体の口筒部に装着された注出筒を有する中栓と、中栓を被冠するオーバーキャップとを備え、中栓の注出筒の口内径が小さい場合でも、オーバーキャップを回動するだけで栓体を破断して抜栓することができ、さらに、破断された栓体が容器内に落下するおそれがない容器を提供することを目的とする。」
「【0010】
また、筒状壁外周の栓体凸条と密封リング内周の吊り上げ凸条は、オーバーキャップ回動時の上昇量に見合う移動距離を隔ててセットされたことにより、オーバーキャップを回動して抜栓する際に、ボス部外周の外歯が筒状壁内周の内歯と衝当して栓体を破断する前に、吊り上げ凸条が栓体凸条に係合して栓体を無理に引き上げたり、吊り上げ凸条から栓体が脱落したりするのを防止することができる。・・・」
「【0014】
容器本体Aは、図1および図2に示すように、円筒状の口筒部1と、口筒部1の下端に連設され、横断面が角部を円弧とした略四角形に形成された肩部2および胴部3とを備えており、口筒部1には、上部外周に、係合突条4が形成されたとともに、その下方に環状のネックリング5が形成されている。」
「【0018】
図3(a)および図5(b)に示すように、注出筒15の上端15aには、注出筒15の内周から連続して形成された破断可能な薄肉の弱化部16を介して接続された円盤状の栓体17を備えている。・・・」
「【0019】
筒状壁19は、筒状壁外周19a上端の周方向に、栓体凸条20が形成されている。弱化部16は、詳細にみると、図5(b)に示すように、注出筒15の内周と栓体17の底面17aとで形成された内周角部16aと、注出筒15の上端15aと筒状壁19の下端との間に形成された外周下角部16bおよび外周上角部16cとから構成されている。・・・」
「【0031】
本実施例の容器を使用するにあたっては、まず、容器本体Aを立てた状態でオーバーキャップCを把持していずれかの方向へ回動させる。
オーバーキャップCを例えば、図1の上方からみて反時計方向に回動させると、オーバーキャップCの係止リブ32の係止部33は、傾斜壁7の係合凹部9から離脱し、傾斜壁7の表面に当接し始めることによって、外周壁26の辺部26aを変形させるとともに、オーバーキャップCをわずかに上昇させる。
この上昇量を考慮して、本実施例では、オーバーキャップCの裏面から垂設された密封リング29が上昇しても、吊り上げ凸条30は、直ぐに、筒状壁外周19aに形成された栓体凸条20と係合しないように、図3(a)に示すクリアランス(移動距離S)を設定している。
なお、オーバーキャップCを回動させたときの上昇量(移動距離S)は、係止リブ32の係止部33の形状を変更することにより適宜調整することができる。」
「【0032】
オーバーキャップCの回動により、密封リング29は、図3(a)に示す状態から、吊り上げ凸条30が栓体17の筒状壁外周19aを摺接しながら移動距離Sの間を上昇し始め、これと同時に、ボス部27も回動し始めることにより、ボス部外周27aに形成された外歯28が図8(a)に示す状態から、矢印方向へ回動して、図8(b)に示すように、栓体17の筒状壁内周19bに形成された内歯21と衝当する。
このように、クリアランスSが設定されていることにより、外歯28が内歯21と衝当する前に吊り上げ凸条30が栓体凸条20と係合して、栓体17を無理に引き上げたり、吊り上げ凸条30から栓体17が脱落したりすることを防止することができる。」
「【0034】
注出筒15から切り離された栓体17は、図7(b)に示すように、筒状壁外周19aに形成された栓体凸条20に密封リング内周29bに形成された吊り上げ凸条30が係合することにより、そのままオーバーキャップCの密封リング29内に保持される。
また、前述したように、注出筒15から切り離された栓体17は、筒状壁19が注出筒15の口内径よりも拡径されていることにより、万一、吊り上げ凸条30から脱落しても容器本体A内に落下するおそれがない。
同時に、オーバーキャップCが持ち上がると、容器本体Aのネックリング5の外縁と、オーバーキャップC内方の係止リブ32の内側壁32aとの係合が外れ、オーバーキャップCが容器本体Aから外れ、開蓋される。」
「【図3(a)】
[図:0001397686000005.jpg]
」
(イ)上記記載を総合すると、引用文献2には、次の事項が記載されているといえる。
a 引用文献2は、容器の蓋に関するものであり(【0001】)、容器本体の口筒部1に装着された注出筒15を有する中栓Bと、中栓Bを被冠するオーバーキャップCとを備え、破断された栓体17が容器内に落下するおそれがない容器を提供することを課題としたものである(【0005】)。
b 容器蓋はオーバーキャップCと中栓Bとを有し、中栓Bは弱化部16によって規定された栓体17を有する(【0010】、【0018】)。
c 栓体17には上方に延出する筒状壁19が形成されており、該筒状壁19には栓体凸条20が配設され、該オーバーキャップCには頂壁25から垂下する密封リング29が形成され、該密封リング29には吊り下げ凸条30が配設されている(【0018】、【0019】)。
d オーバーキャップCの裏面から垂設された密封リング29の吊り上げ凸条30と、筒状壁19に形成された栓体凸条20との間には、密封リング29の吊り上げ凸条30と筒状壁19の栓体凸条20と直ぐには係合しないように、クリアランスSが設けられている(【0031】、図3(a))。
e 容器蓋を開けるとき、オーバーキャップCの回動により、密封リング29は、図3(a)に示す状態から、吊り上げ凸条30が栓体17の筒状壁19を摺接しながら移動距離の間を上昇し始め、クリアランスSが設定されていることにより、外歯28が内歯21と衝当する前に吊り上げ凸条30が栓体凸条20と係合し、栓体17の脱落を防止する(【0032】)。
(ウ)引用文献2に記載された技術
上記(ア)、(イ)から、引用文献2には、次の技術(以下「引用文献2に記載された技術」という。)が記載されているといえる。
「オーバーキャップCと中栓Bとを有する容器蓋であり、中栓Bの栓体17には栓体凸条20が形成され、オーバーキャップCには吊り下げ凸条30が形成され、栓体凸条20と吊り下げ凸条30との間には、クリアランスSが設けられており、容器蓋を開けるとき、クリアランスSが設けられていることによって、オーバーキャップCの吊り下げ凸条30が栓体17の栓体凸条20に直ぐには係止せず、栓体17の壁を摺接しながら徐々に上昇し、外歯28が内歯21と衝当する前に吊り上げ凸条30が栓体凸条20と係合する容器蓋。」
ウ 引用文献3~6に記載された周知技術
(ア)引用文献3の記載事項
当審において新たに提示する文献である、特開2006-206187号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0033】
図1から図5は本発明スパウトの第一形態を使用した容器の一例を示し、該容器は、容器体Aと、スパウトBとを備えている。」
「【0035】
スパウトBは、本体部10と、パイプ11と、キャップ12を備えている。本体部10は前記容器体Aの口部2に外周を溶着固定する筒状をなし、合成樹脂等によりパイプ11と一体に形成される。また、本体部10の外周下部には口部2の密な溶着を可能ならしめるために、平面視紡錘形状の帯状の融着外面a1を突出形成しており、融着外面a1上方には一対のフランジ13を突設し、その更に上方外周に突条14及び螺条15を順次周設している。また、本体部10の上端の筒口16を周縁部を薄肉破断部17を介して連結した閉塞板18により閉塞している。・・・」
「【0038】
本発明では、閉塞板18とキャップ12との間に、キャップ12の螺脱方向の回動を防止するラチェット機構を設けている。従って、キャップ12を螺着する際は容易にその操作を行えるのに対し、螺脱時には閉塞板18がキャップ12と一体に螺脱方向に回動しようとし、その結果、薄肉破断部17が破断して前記筒口16が開口する如く構成している。」
「【0040】
また、本発明では、キャップ12の螺脱に際して、破断分離した閉塞板18をキャップ12内に係止する係止手段を設けても良い。この係止手段の一例として、前記円柱状凸部22の中央部に凹設した係合孔24内に、キャップ12の頂壁20より垂設した係合突部25を抜け出しが防止されるように係合させている。更にいえば、係合孔24の内周面に係止突条26を突周設し、キャップ12の頂壁20裏面より垂設した筒状の係合突部25外周に係合突条27を突周設して、前記係止突条26に乗り越え係合させる如く構成している。」
「【0043】
図6は本発明スパウトの第二形態を使用した容器を示し、該容器は、図1の容器に於いて、前記本体部10内の筒口16の上端から一定距離離れた下方位置に前記閉塞板18の周縁部を連結している。・・・
【0044】
図示例に於いて閉塞板18は中央部を隆起した形態をなし、具体的には、閉塞板18は周囲に筒状脚部18aを垂設した形態をなし、該筒状脚部下端部である閉塞板18の周縁部を薄肉破断部17を介して本体部10内周の上端から下降した位置に連結している。・・・
【0045】
・・・その他の構成は図1の形態と同様である。・・・」
「【図1】
[図:0001397686000006.jpg]
」
「【図6】
[図:0001397686000007.jpg]
」
(イ)引用文献4の記載事項
当審において新たに提示する文献である、特開2010-260584号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0024】
図1から図3は本発明容器の一例を示し、該容器1は、容器体Aと、スパウトBとを備えている。
【0025】
容器体Aとしては、例えばブロー成形容器,チューブ状容器,或いはガゼットタイプやスタンディングパウチ等の袋状の容器等が採用できる。そして、容器体Aの口部10に一体成形や融着等の方法により固定させることによりスパウトBを設ける。・・・
【0026】
スパウトBは、本体部B1と、パイプB2と、キャップB3とを備えている。本体部B1は前記容器体Aの口部10に外周を溶着固定する筒状をなし、合成樹脂等によりパイプB2と一体に形成される。また、本体部B1の外周下部には口部10の密な溶着を可能ならしめるために、凹凸面とした帯状の融着外面fを設けており、融着外面f上方には一対のフランジ20,21を突設し、その更に上方外周に突条22及び螺条23を順次周設している。・・・
【0027】
また、周縁部を薄肉破断部24を介して連結した閉塞板25により本体部B1の筒口26を閉塞している。この閉塞板25は中央部を隆起した形態をなし、本体部B1内の筒口26の上端から一定距離離れた下方位置に薄肉破断部24を介して周縁部を連結している。更に言えば、本体部B1の上部内面に、水平面から傾斜する傾斜面上に上面が位置するフランジ部27を突設し、フランジ部27の内周縁に閉塞板25の下端縁を一体に連結している。閉塞板25は、フランジ部27の内周縁上面、即ち、水平面から傾斜する傾斜面上に位置する下端面を備えた周壁部25aと、周壁部25aの上端縁より延設した頂壁部25bとを備えている。頂壁部25bの周縁部はテーパ状に形成している。」
「【0031】
本発明では、閉塞板25とキャップB3内との間に、キャップB3の螺脱方向の回動を防止するラチェット機構を設けている。従って、キャップB3を螺着する際は容易にその操作を行えるのに対し、螺脱時には閉塞板25がキャップB3と一体に螺脱方向に回動しようとし、その結果、薄肉破断部24が破断して前記筒口26が開口する如く構成している。」
「【0035】
また、本発明では、キャップB3の螺脱に際して、破断分離した閉塞板25をキャップB3内に係止する係止手段を設けても良い。この係止手段の一例として、前記円柱状凸部28内に、キャップB3より垂設した係合突部55を抜け出しを防止して係合させている。更にいえば、円柱状凸部28の内周面に係止突条30を突周設し、キャップB3の頂壁51裏面より垂設した筒状の係合突部55外周に係合突条56を突周設して、前記係止突条30に乗り越え係合させる如く構成している。」
「【0038】
図5及び図6は他の例を示し、図1の例に於いて形態の異なる薄肉破断部24を形成した例を示す。本例では周壁部25aの下端縁は水平であり、薄肉破断部24は、一部の下端部のみを縦幅の小さい幅狭部24aとし、その他の部分を縦幅の大きい幅広部24bとしたリング状の薄肉環状領域で構成している。幅狭部24aの上部は通常の肉厚の周壁部25aの一部が縦帯状に突出した状態で突出部31として設けられている。その他の構成は図1の例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。また、作用も図1の例と基本的に同様であるため説明を省略する。」
「【図1】
[図:0001397686000008.jpg]
」
「【図5】
[図:0001397686000009.jpg]
」
(ウ)引用文献5の記載事項
当審において新たに提示する文献である、特開2015-63342号公報(以下「引用文献5」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に例示説明する。
図1において、符号1は本発明に従う中栓付きキャップである。中栓付きキャップ1は、ともに合成樹脂製となる中栓20とキャップ30とで構成されるものであり、中栓20にキャップ30を螺着(ねじ止め)した後、内容物を収容した容器本体10に打栓にて取り付けられるものである。」
「【0018】
中栓20は、口部11の外周を取り囲む円筒状の周壁21を備え、周壁21の上端から径方向内側に向けて延在する上壁22、上壁22の内周縁から上方に向けて起立する環状壁23、環状壁23の上端から径方向内側に向けて延在する段部24、段部24の内周縁から上方に向けて起立する注出筒25が一体連結されている。注出筒25は、容器本体10に装着された際に収容空間Mからの内容物の注出経路を形成する。
【0019】
図1及び図2(a)に示すように、注出筒25は、円筒状となる基部25aと、基部25aの上方において径方向外側に湾曲するリップ25bを有する。図2(a)、(b)に示すように注出筒25の基部25aの径方向内側には、全周にわたって薄肉破断部27が連結され、薄肉破断部27を介して栓体26が一体連結されている。ここで、図2(b)に示すように、この例において薄肉破断部27は、栓体26側から注出筒25に向かって、上方に延び、薄肉破断部27の下面を表す輪郭線27aと、注出筒25の内周面を表す輪郭線25cとが角度θをなす形状となっている。
【0020】
図2(a)に示すように、栓体26は、注出筒25に沿って延在する円筒状の筒状壁26aと、筒状壁26aの下端部を閉じる底壁26bとを有する。底壁26bの径方向外側には、径方向外側に向かって徐々に肉厚が薄くなるフランジ部26cが形成され、当該フランジ部26cの先端に上記の薄肉破断部27が連結している。筒状壁26aの外周面には、第1歯部26dが設けられ、内周面には第1係合凸部26eが形成されている。また、栓体26の下面、すなわち、底壁26bの下面には、図4(b)に示すように、4箇所の凹部28によって十字状のリブ29が形成されている。」
「【0023】
キャップ30は、図1に示すように、注出筒25を含めて中栓20全体を取り囲む円筒状の外周壁31と、外周壁31の上端を閉鎖する頂壁32とを備えている。頂壁32には、環状壁23を取り囲んで垂下される外側筒状壁33を設けていて、外側筒状壁33の内周面には、雄ねじ部23aに対応する雌ねじ部33aを設けている。・・・
【0024】
またキャップ30は、外側筒状壁33の径方向内側に、頂壁32の内面32aから垂下する円筒状の封止壁35と、封止壁35のさらに径方向内側に位置し、頂壁32の内面32aから垂下する円筒状の突起部36とを有する。・・・封止壁35の内周面には、第1歯部26dとともにラチェット機構を構成する第2歯部35aを有する。突起部36の外周面には、第1係合凸部26eに係合する第2係合凸部36aが形成されている。図1に示すように、第1係合凸部26eと第2係合凸部36aとの間には、注出筒25の中心軸Cに沿う方向の隙間Gを有し、これにより、栓体26はキャップ30に対して注出筒25の中心軸Cに沿って所定範囲内での移動が可能となる。なお、この例において注出筒25の中心軸Cは、容器本体10、中栓20、キャップ30およびそれらを構成する各部分の中心軸に一致している。」
「【0026】
中栓20に対してキャップ30を螺着する際には、封止壁35が栓体26に対して矢印Dの向きに回転し、第1歯部26dと第2歯部35aは係合しないため栓体26は回転せず、容易に操作を行うことができる。一方、螺脱時には、封止壁35が栓体26に対して矢印Eの向きに回転し、第1歯部26dと第2歯部35aが係合して、キャップ30に与えられた力が栓体26を回転させる方向に働く。螺脱方向に所定量以上の力を加えると、薄肉破断部27が破断して、注出筒25が開口する。」
「【図1】
[図:0001397686000010.jpg]
」
「【図2】
(a)
[図:0001397686000011.jpg]
」
「【図4】
(b)
[図:0001397686000012.jpg]
」
「【図6】
[図:0001397686000013.jpg]
」
(エ)引用文献6の記載事項
当審において新たに提示する文献である、特開2015-67360号公報(以下「引用文献6」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に例示説明する。図1において、符号1は本発明に従う中栓付きキャップである。中栓付きキャップ1は、ともに合成樹脂製となる中栓20、キャップ30、および小蓋部50とで構成されるものであり、中栓20にキャップ30を螺着(ねじ止め)し、キャップ30に小蓋部50を装着した後、内容物を収容した容器本体10に打栓にて取り付けられるものである。・・・」
「【0017】
中栓20は、口部11の外周を取り囲む円筒状の周壁21、周壁21の上端から径方向内側に向けて延在する上壁22、上壁22の内周縁から上方に向けて起立する環状壁23、環状壁23の上端から径方向内側に向けて延在する段部24、および段部24の内周縁から上方に向けて起立する注出筒25を備える。注出筒25は、円筒状となる基部25aと、基部25aの上方において径方向外側に湾曲するリップ25bを有する。注出筒25は、容器本体10に装着された際に収容空間Mからの内容物の注出経路を形成する。
【0018】
また、図2に示すように注出筒25の基部25aの径方向内側には、全周にわたって薄肉破断部27が連結され、薄肉破断部27を介して栓体26が一体連結されている。栓体26は、注出筒25に沿って延在する円筒状の筒状壁26aと、筒状壁26aの下端部を閉じる底壁26bとを有する。また、栓体26は、筒状壁26aの下端部に、径方向外側に拡径した拡径部26fを有する。底壁26bの径方向外側には、拡径部26fを介して径方向外側に向けて徐々に肉厚が薄くなるフランジ部26cが形成され、当該フランジ部26cの先端に薄肉破断部27が連結されている。拡径部26fは、後述する封止壁35の内側に位置する。筒状壁26aの外周面には、縦方向に延びる凸部を筒状壁26aの周方向に沿って連続して設けた第1ローレット部26dが設けられ、内周面には第1係合凸部26eが設けられている。また、栓体26の下面、すなわち、底壁26bの下面には、図5(a)に示すように、4箇所の凹部28によって十字状のリブ29が形成されている。」
「【0022】
キャップ30は、図1に示すように、注出筒25を取り囲む円筒状の外周壁31と、外周壁31の上端を覆い、中央に開口部32aが形成された頂壁32とを備える。外周壁31の内周面には、中栓20の雄ねじ部23aに対応する雌ねじ部31aが設けられている。また、図4に示すように、外周壁31の外周面には、中心軸Cの延びる方向に延在し、滑り止めの役割を果たす多数の溝31bが形成されている。」
「【0027】
小蓋部50は、キャップ30に装着した状態で封止壁35の内側に配置される筒状側壁51と、筒状側壁51の上端を覆い、開口部32aを塞ぐ天壁52と、筒状側壁51の内側で天壁52の内面から垂下する円筒状の突起部53とを有する。天壁52の上面は、頂壁32の上面と同一平面上に位置し、ユーザは外部から小蓋部50を取外すことはできない。
【0028】
筒状側壁51の内周面には、第1ローレット部26dと係合する第2ローレット部51aを有する。第1ローレット部26dおよび第2ローレット部51aは、互いに係合可能であればそれぞれの凸部又は凹部の本数および形状は特に限定されるものではなく、適宜定めることができる。筒状側壁51の外周面には、径方向外側に突出する凸部51bが設けられ、上記キャップ30の係合部35bに係合する。また、筒状側壁51は、環状突出部35aの上面に液密に当接し、内容物がキャップ30と小蓋部50の間から外部に漏れることを防止する。ここで、小蓋部50は、係合部35bおよび環状突出部35aによって、キャップ30に固定保持されるため、キャップ30が螺着方向または螺脱方向に回転すると、それに対応して共に回転する。・・・
【0029】
突起部53の外周面には、第1係合凸部26eに係合する第2係合凸部53aが形成されている。図2に示すように、第1係合凸部26eと第2係合凸部53aとの間には、注出筒25の中心軸Cに沿う方向の隙間Gを有し、これにより、栓体26はキャップ30に対して注出筒25の中心軸Cに沿って所定範囲内での移動が可能となる。なお、図1に示す注出筒25の中心軸Cは、容器本体10、中栓20、キャップ30、小蓋部50およびそれらを構成する各部分の中心軸に一致している。」
「【0033】
また、キャップ30を緩み方向に回転させると、小蓋部50が同時に回転し、ローレット機構が作動して、つまり、第1ローレット部26dと第2ローレット部51aとが係合して筒状壁26aが回転方向の力を受け、薄肉破断部27に剪断力が作用して破断し、注出筒25が開口する。その際、中栓20から分離した栓体26は、キャップ30に保持される。また開栓後、栓体26は、キャップ30に対して注出筒25の中心軸Cに沿う方向の移動が可能となる。その可動範囲は、第1係合凸部26eと第2係合凸部53aとが係合する位置と、筒状壁26aの上端が天壁52の内面に当接する位置との間である。・・・」
「【図1】
[図:0001397686000014.jpg]
」
「【図2】
[図:0001397686000015.jpg]
」
「【図5】
(a)
[図:0001397686000016.jpg]
」
(オ)周知技術の認定
引用文献3の「薄肉破断部17」、引用文献4の「薄肉破断部24」、引用文献5の「薄肉破断部27」、引用文献6の「薄肉破断部27」は、本件補正発明の「破断可能薄肉ライン」に該当するものであり、引用文献3の「筒状脚部18a」、「円柱状凸部22」、引用文献4の「周壁部25a」、「円柱状凸部28」、引用文献5の「筒状壁26a」、「フランジ部26c」、引用文献6の「筒状壁26a」、「拡径部26f」は、本件補正発明の「円筒形被係止壁」に該当するものといえる。
引用文献3の「閉塞板18」、引用文献4の「頂壁部25b」、引用文献5の「底壁26b」、引用文献6の「底壁26b」は、「円筒形被係止壁」を閉塞する手段である。
また、引用文献3~6において、円筒形被係止壁を閉塞する手段により円筒形被係止壁を上下に仕切り、円筒形被係止壁の上端を開放している。
そうすると、上記(ア)~(エ)から、次の事項は、周知技術(以下「周知技術」という。)であるといえる。
「破断可能薄肉ラインによって規定された除去領域を有する閉塞壁を含み、閉塞壁の除去領域には上方に延出する円筒形被係止壁が形成されている、容器の口頸部に装着される中栓を具備する容器蓋において、円筒形被係止壁を閉塞する手段により円筒形被係止壁を上下に仕切り、円筒形被係止壁の上端を開放すること。」
(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明は、中栓から除去される除去領域が外蓋から脱落してしまうことが可及的に防止されることを課題とした容器蓋に係る技術であり、本件補正発明と、技術分野及び課題が共通する。
(イ)引用発明の「合成樹脂製の中栓2」、「破断可能薄肉ライン8」、「円形除去領域10」、「閉塞壁6」、「円筒形被係止壁部18」、「被係合手段26」、「被係止突条22」、「補助被係止突条24」は、それぞれ本件補正発明の「合成樹脂製中栓」、「破断可能薄肉ライン」、「除去領域」、「閉塞壁」、「円筒形被係止壁」、「ラチェット爪」、「被係止突条」、「補助被係止突条」に相当する。
(ウ)引用発明の「合成樹脂製の外蓋4」、「天面壁38」、「円筒形係止片40」、「係合手段60」、「係止突条58」は、それぞれ本件補正発明の「合成樹脂製外蓋」、「天面壁」、「円筒形係止壁」、「ラチェット部」、「係止突条」に相当する。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓、及び該中栓又は該口頸部に離脱自在に螺着される合成樹脂製外蓋を具備し、
該中栓は破断可能薄肉ラインによって規定された除去領域を有する閉塞壁を含み、該閉塞壁の該除去領域には上方に延出する円筒形被係止壁が形成されており、該被係止壁の外周面又は内周面には、周方向に間隔をおいて複数個のラチェット爪が配設されていると共に、該ラチェット爪よりも上方に位置する被係止突条、及び該ラチェット爪よりも上方であって且つ該被係止突条よりも下方に位置する補助被係止突条が配設され、
該外蓋は天面壁と該天面壁の内面中央部から垂下する円筒形係止壁とを含み、該係止壁の内周面又は外周面には、周方向に間隔をおいて複数個のラチェット部が配設されていると共に、該ラチェット部よりも上方に位置する係止突条が配設されており、
該外蓋を螺着した状態においては、該外蓋の該係止突条は該中栓の該被係止突条よりも下方であって且つ該補助被係止突条よりも上方に位置し、
該外蓋が離脱される際には、該外蓋が開回転方向に回転され、最初に、該係止壁に配設された該ラチェット部が該被係止壁に配設された該ラチェット爪に係止して該破断可能薄肉ラインに応力が生成されて該破断可能薄肉ラインが破断され、しかる後に、該係止壁に配設されている該係止突条が該被係止壁に配設されている該被係止突条に係止しこれによって該除去領域が該外蓋と共に上昇され、
該外蓋が再螺着される際には、該外蓋に対して該除去領域が上方に変位されて、該外蓋の該係止壁に配設されている該係止突条が該中栓の該被係止壁に配設されている該補助被係止突条の下方に係止する容器蓋。」
【相違点1】
本件補正発明は「該被係止壁は上下方向に見て該補助被係止突条よりも下方にて上下に仕切られて、該被係止壁の上端は開放されて」いるのに対し、引用発明は、円筒形被係止壁部18は上下方向に見て該補助被係止突条24よりも下方にて上下に仕切られておらず、円筒形被係止壁部18の上端は開放されていない点。
【相違点2】
本件補正発明は、「係止壁に配設されている該係止突条は該被係止壁に配設されている該被係止突条に対して間隔をおいて下方に位置し、該係止突条は該被係止突条よりも該補助被係止突条に近接する」のに対し、引用発明は、係止突条58は被係止壁部18に配設されている被係止突条22と補助被係止突条24の間に位置するが、被係止突条22に対しての間隔について及び補助被係止突条24に近接しているかについて特定されていない点。
(4)判断
以下、各相違点について検討する。
ア 相違点1について
引用発明と周知技術とは、容器の口頸部に装着される中栓を具備する容器蓋において、中栓が破断可能薄肉ラインによって規定された除去領域を有する点で共通するものであるから、引用発明における被係止壁として、周知技術の構成を採用して、被係止壁は上下方向に見て上下に仕切られて、被係止壁の上端は開放された構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
また、周知技術の円筒形被係止壁を閉塞する手段の機能からみれば、当該手段は、より破断可能薄肉ラインに近い部分に形成するものといえ、仕切る位置を、被係止壁が有する補助被係止凸条よりも下にすることは、当業者が引用発明に周知技術を適用する際に適宜なし得る設計変更の範囲のことであって、それによる格別な効果も認められない。
イ 相違点2について
引用文献2には、上記(2)イ(ウ)のとおり、オーバーキャップと中栓とを有する容器蓋であり、中栓の栓体には栓体凸条が形成され、オーバーキャップには吊り下げ凸条が形成され、栓体凸条と吊り下げ凸条との間には、クリアランスが設けられており、容器蓋を開けるとき、クリアランスが設けられていることによって、オーバーキャップの吊り下げ凸条が栓体の栓体凸条に、クリアランスの分だけ直ぐには係止せず、栓体の壁を摺接しながら徐々に上昇し、吊り上げ凸条が栓体凸条と係合する技術が記載されている。当該クリアランスは、係止突条が該被係止壁に配設されている該被係止突条に対して間隔をおいて下方に位置することにほかならない。
また、引用文献2の【0031】、【0032】、【0034】の記載から、引用文献2に記載された技術は、オーバーキャップCを回動させると、オーバーキャップCが上昇し、注出筒15から切り離された栓体17の栓体凸条20に吊り上げ凸条30が係合するものである。
そうすると、引用発明1と、引用文献2に記載された技術とは、いずれも中栓の一部が除去される容器の蓋である点で共通し、また、外蓋を回動させることで外蓋が上昇し、係止突条が被係止壁に配設されている被係止突条に係止するものであるから、引用発明における、係止突条と被係止突条との位置として、引用文献2に記載された、栓体凸条と吊り下げ凸条との間にクリアランスに設ける、つまり、係止突条は被係止突条に対して間隔をおいて下方に位置する事項を採用することは、当業者が容易になし得たことである。
そして、引用発明が「外蓋4が中栓2に螺条を用いて再装着される際には、外蓋4に対して円形除去領域10が上方に変位されて、外蓋4の円筒形係止片40に配設されている係止突条58が中栓2の円筒形被係止壁部18に配設されている補助被係止突条24の下方に係止する」ものであることからすると、外蓋4の再装着時に、確実に係止突条58が補助被係止突条24の下方に係止するよう、係止突条が補助被係止突条の近傍に設けることは自明である。
ウ 効果の予測性
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献2に記載された技術及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(5)小括
したがって、本件補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年9月2日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開2017-137092号公報
引用文献2:特開2016-141408号公報
3 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用文献2の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりのものである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「該被係止壁は上下方向に見て該補助被係止突条よりも下方にて上下に仕切られて、該被係止壁の上端は開放されており、」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明、引用文献2に記載された事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-000979