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特許異議申立

2021-700835

直流電源装置及びこれを搭載した空気調和機

審判番号
2021-700835
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-189638
登録番号
6873207
請求日
2021年08月27日
審決日
2022年06月17日
公報発行日
2022年09月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
  • 【異議申立人】角田 朗
  • 【異議申立人】井澤 幹
審判長/審判官
  • 審判長 田中 秀人
  • 審判官 山澤 宏
  • 審判官 山崎 慎一
分類
P1651.121-YAA(H02M) / P1651.536-YAA(H02M) / P1651.537-YAA(H02M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第9項、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6873207号発明「直流電源装置及びこれを搭載した空気調和機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6873207号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2-5〕について訂正することを認める。 特許第6873207号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6873207号の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成27年9月7日に出願された特願2015-175308号の一部を、新たな特許出願として令和1年10月16日に特許出願され、令和3年4月22日にその特許権の設定登録がなされ、同年5月19日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対して2件の特許異議の申立てがなされたものであり、以後の本件に係る手続の概要は以下のとおりである。 令和 3年 8月27日付け 特許異議申立人 角田 朗による請求項 1ないし5に係る特許に対する特許異議 の申立て 令和 3年 9月15日付け 特許異議申立人 井澤 幹による請求項 1ないし5に係る特許に対する特許異議 の申立て 令和 4年 1月21日付け 取消理由通知 令和 4年 3月24日 特許権者による訂正請求書の提出 令和 4年 5月19日 特許異議申立人 角田 朗による意見書 の提出 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和4年3月24日にされた訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、特許第6873207号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2ないし5について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は、以下の訂正事項のとおりである(なお、下線は訂正部分を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項2に 「前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長く、 前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号のパルス幅は、前記リアクトルに流れる電流と電圧との力率が85%以上となるように変調される、」 と記載されているのを、 「前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長く、 前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返し、 前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号のパルス幅は、前記リアクトルに流れる電流と電圧との力率が85%以上となるように変調される、」に訂正する。 請求項2を引用する請求項4、5についても同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3に 「前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長く、 前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号は、3ショット以上である、」 と記載されているのを、 「前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長く、 前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返し、 前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号は、3ショット以上である、」に訂正する。 請求項3を引用する請求項4、5についても同様に訂正する。 2 訂正要件についての判断 (1)一群の請求項について 訂正前の請求項2、4、5について、請求項4、5は、請求項2を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正される請求項2に連動して請求項4、5も訂正されるものであるから、本件訂正前の請求項2、4、5は、一群の請求項である。また、訂正前の請求項3、4、5について、請求項4、5は、請求項3を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正される請求項3に連動して請求項4、5も訂正されるものであるから、本件訂正前の請求項3、4、5は、一群の請求項である。そうすると、共通する請求項4、5を有することから、一群の請求項が組み合わされて、訂正前の請求項2ないし5に対応する訂正後の請求項2ないし5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (ア)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項2の「制御回路」の具体的な制御の内容に関して、「前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返し」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、本件特許の願書に添付した明細書(以下、単に「本件特許明細書」という。)の段落【0053】には、「前記に述べた制御を制御回路16に備えれば、2つのMOSFET(Q1、Q2)のうち、リアクトル12と、ダイオードD1またはダイオードD2とを通して交流電源110を短絡する側のMOSFET(Q1、Q2)がオフしてから所定時間経過後に直流出力電源の平滑コンデンサ13に流れる側のMOSFET(Q1、Q2)をオンし、リアクトル12がダイオードD1またはダイオードD2を通して交流電源を短絡する側のMOSFET(Q1、Q2)をオンする所定時間前に平滑コンデンサ13に流れる側のMOSFET(Q1、Q2)を、オフする動作を交流電源110の半周期の期間内に複数回繰返すことができる。」と記載されている。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 さらに、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (イ)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の請求項3の「制御回路」の具体的な制御の内容に関して、「前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返し」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、本件特許明細書の段落【0053】には、「前記に述べた制御を制御回路16に備えれば、2つのMOSFET(Q1、Q2)のうち、リアクトル12と、ダイオードD1またはダイオードD2とを通して交流電源110を短絡する側のMOSFET(Q1、Q2)がオフしてから所定時間経過後に直流出力電源の平滑コンデンサ13に流れる側のMOSFET(Q1、Q2)をオンし、リアクトル12がダイオードD1またはダイオードD2を通して交流電源を短絡する側のMOSFET(Q1、Q2)をオンする所定時間前に平滑コンデンサ13に流れる側のMOSFET(Q1、Q2)を、オフする動作を交流電源110の半周期の期間内に複数回繰返すことができる。」と記載されている。 したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 さらに、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 3 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するから、訂正後の請求項〔2-5〕について訂正することを認める。 第3 特許異議の申立について 1 本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1ないし5に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明5」という。)は、令和4年3月24日付け訂正請求書に添付の訂正特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFETおよび前記正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオードを有するブリッジ整流回路と、 交流電源の一端と前記第1、第2のMOSFETの直列接続点との間に接続されたリアクトルと、 前記直流出力電源の正極端子と負極端子の間に接続された平滑コンデンサと、 前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を複数回繰り返すように前記第1、第2のMOSFETをオン/オフさせる制御回路と、 を備え、 前記交流電源の他端が前記第1、第2のダイオードの直列接続点に接続され、 各前記第1、第2のMOSFETは、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間に比べて、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間が短く、 前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長く、 前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す、 ことを特徴とする直流電源装置。 【請求項2】 直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFETおよび前記正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオードを有するブリッジ整流回路と、 交流電源の一端と前記第1、第2のMOSFETの直列接続点との間に接続されたリアクトルと、 前記直流出力電源の正極端子と負極端子の間に接続された平滑コンデンサと、 前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を複数回繰り返すように前記第1、第2のMOSFETをオン/オフさせる制御回路と、 を備え、 前記交流電源の他端が前記第1、第2のダイオードの直列接続点に接続され、 各前記第1、第2のMOSFETは、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間に比べて、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間が短く、 前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長く、 前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返し、 前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号のパルス幅は、前記リアクトルに流れる電流と電圧との力率が85%以上となるように変調される、 ことを特徴とする直流電源装置。 【請求項3】 直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFETおよび前記正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオードを有するブリッジ整流回路と、 交流電源の一端と前記第1、第2のMOSFETの直列接続点との間に接続されたリアクトルと、 前記直流出力電源の正極端子と負極端子の間に接続された平滑コンデンサと、 前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を複数回繰り返すように前記第1、第2のMOSFETをオン/オフさせる制御回路と、 を備え、 前記交流電源の他端が前記第1、第2のダイオードの直列接続点に接続され、 各前記第1、第2のMOSFETは、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間に比べて、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間が短く、 前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長く、 前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返し、 前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号は、3ショット以上である、 ことを特徴とする直流電源装置。 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、 前記第1、第2のMOSFETは、スーパージャンクション構造を有し、該スーパージャンクション構造におけるp型半導体層に、重金属が拡散されているか、または重粒子の粒子線が照射されている、 ことを特徴とする直流電源装置。 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の直流電源装置を備えることを特徴とする空気調和機。」 2 取消理由通知に記載した取消理由について (1)取消理由の概要 訂正前の請求項1ないし5係る発明についての特許に対して、令和4年1月21日付けで通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 ア 理由1(特許法第29条第2項) 本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、下記の引用文献1ないし3に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1ないし5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 引用文献1:米国特許出願公開第2015/0180330号明細書(異議申立人(角田 朗)の甲第1号証) 引用文献2:国際公開第2010/024433号(異議申立人(角田 朗)の甲第3号証) 引用文献3:特開2009-4668号公報 イ 理由2(特許法第36条第6項第1号) 本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 記 請求項2、3には「前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す」ことが記載されておらず、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求するものである。 (2)引用文献の記載事項、引用発明 ア 引用文献1 (ア)引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。また、当審訳は特許異議申立人(角田 朗)による翻訳文を参考にした。以下、同様。)。 A 「[0021] Referring initially to FIGS. 1-6, FIG. 1 shows a bridgeless totem pole power factor correction (PFC) converter or conversion system 2 receiving single-phase AC input power from an AC source 4 and providing a DC output Vo to power a load 6. The system 2 includes a controller 8 implementing adaptive zero voltage switching control using selective freewheeling switch on-time adjustment in providing first and second switching control signals 10 and 12 to operate an upper first switch circuit SW1 including transistor Q1 with a body diode D1 and a drain-source capacitance C1, and a second switching circuit SW2 including transistor Q2, body diode D2 and capacitor C2. The transistors Q1 and Q2 are connected in a totem pole circuit with Q1 coupled between a positive DC output terminal or node 5a (VDC+) and a first internal node 3 (VDSHL), and with the second transistor Q2 coupled between the node 3 and a second (negative) DC output node 5b. An inductor L is coupled between a first AC input node 4a and the internal node 3, and a return circuit is provided including a first diode D3 with an anode coupled with a second AC input node 4b and a cathode coupled with the first DC output node 5a, along with a second diode D4 having an anode coupled with the lower DC output node 5b (VDC-) and a cathode coupled with the second AC input node 4b. (当審訳:まず図1-6を参照すると、図1は、ブリッジレストーテムポール力率改善(PFC)コンバータ又は変換システム2を示し、システム2は、AC電源4からの単相AC入力電力を受け取り、負荷6に電力供給するためのDC出力Voを提供する。システム2はコントローラ8を含み、コントローラ8は、ボディダイオードD1及びドレイン-ソース静電容量C1と共にトランジスタQ1を含む上部第1のスイッチ回路SW1と、トランジスタQ2、ボディダイオードD2、及びコンデンサC2を含む第2のスイッチ回路SW2とを動作させるために、第1及び第2のスイッチング制御信号10及び12を提供する際に、選択的なフリーホイーリングスイッチ・オン時間調整を用いるアダプティブゼロ電圧スイッチング制御を実装する。トランジスタQ1及びトランジスタQ2は、Q1が、正のDC出力端子又はノード5a(VDC+)と第1の内部ノード3(VDSHL)との間に結合され、及び、第2のトランジスタQ2が、ノード3と第2の(負の)DC出力ノード5bとの間に結合された状態で、トーテムポール回路において接続される。インダクタLが、第1のAC入力ノード4aと内部ノード3との間に結合され、リターン回路が、第2のAC入力ノード4bに結合されるアノードと第1のDC出力ノード5aに結合されるカソードを備える第1のダイオードD3、及び下部DC出力ノード(VDC-)に結合されるアノードと第2のAC入力ノード4bに結合されるカソードとを有する第2のダイオードD4を含んで提供される。) [0022] FIG. 2 illustrates another embodiment of the bridgeless totem pole PFC converter system 2 in which the return circuit includes transistors QAC1 and QAC2 replacing the diodes D3 and D4 of FIG. 1, respectively, where the return circuit transistor components QAC1 and QAC2 are operated according to switching control signals 14 and 16, respectively, from the controller 8 in the embodiment of FIG. 2. In this regard, the totem pole switches Q1 and Q2 are operated according to higher frequency switching control signals 10 and 12, with the return circuit transistors QAC1 and QAC2 in the embodiment of FIG. 2 operated by switching control signals 12 and 14 alternating every half cycle of the AC input power. Any suitable form of totem pole switches Q1 and Q2 can be used in various embodiments. In one non-limiting example, gallium nitride (GaN) N-channel MOSFET transistors are used, although other embodiments are possible using silicon-based MOSFET transistors for the totem pole switches Q1 and Q2. In addition, where provided, the return circuit switches QAC1 and QAC2 can be any suitable form of semiconductor switches, such as silicon-based N-channel MOSFETs as shown in FIG. 2. In this example, moreover, the controller 8 provides an active high gate control signal 10 (Vg1) to the gate of Q1 and a gate control signal 12 (Vg2) to the gate of Q2, and provides alternating gate control signals 14 and 16 (Vg_ac1 and Vg_ac2) to operate the switches QAC1 and QAC2 of the return circuit in FIG. 2. (当審訳:図2は、ブリッジレスのトーテムポールPFCコンバータシステム2の別の実施形態を示し、この実施形態では、リターン回路が、図1のダイオードD3及びD4の代わりにトランジスタQAC1及びQAC2を含むものであって、リターン回路トランジスタ構成要素QAC1及びQAC2は、それぞれ、図2の実施形態におけるコントローラ8からの、スイッチング制御信号14及び16に従って動作される。少なくとも1つの例において、トーテムポールスイッチQ1及びQ2は、高周波数スイッチング制御信号10及び12に従って動作され、図2の実施形態におけるリターン回路トランジスタQAC1及びQAC2は、AC入力電力の半サイクル毎に交互となるスイッチング制御信号14及び16により動作される。少なくとも1つの例において、窒化ガリウム(GaN)NチャネルMOSFETトランジスタが用いられるが、トーテムポールスイッチQ1及びQ2にシリコンベースのMOSFETトランジスタを用いるその他の実施形態が可能である。また、提供される場合には、リターン回路スイッチQAC1及びQAC2は、図2に示すようなシリコンベースのNチャネルMOSFETなど、任意の適切な形態の半導体スイッチであり得る。また、コントローラ8は、アクティブハイゲート制御信号10(Vg1)をQ1のゲートに、及び、ゲート制御信号12(Vg2)をQ2のゲートに提供し、並びに、図2におけるリターン回路のスイッチQAC1及びQAC2を動作させるために、交互にゲート制御信号14及び16(Vg_ac1及びVg_ac2)を提供する。) [0023] As seen in FIGS. 1 and 2, the controller 8 receives various measurement or feedback signals including the voltage VDSHL at the intermediate node 3 joining the totem pole switches Q1 and Q2, along with positive and negative voltage signals VDC+ and VDC- representing the voltages at the nodes 5a and 5b, as well as one or more feedback signals indicating the AC voltage provided by the source 4 across the nodes or terminals 4a and 4b. In this manner, the controller 8 can regulate the DC output voltage Vo across an output capacitance CO at the output nodes 5a and 5b by the switching operation of Q1 and Q2, and can also ascertain the drain-source voltages across Q1 and Q2 for intelligent switching control to facilitate zero voltage switching as described further below. Moreover, the controller 8 uses the AC input voltage feedback to determine the input polarity for selective switching of any included return circuit transistors QAC1 and QAC2 (e.g., FIG. 2 and FIG. 14 below) and for designating a given one of the totem pole switches Q1 and Q2 as an active or main switch and the other as a freewheeling or synchronous switch in each AC input half cycle according to the input voltage polarity. (当審訳:図1及び図2に示すように、コントローラ8は、AC電源4を介して又は端子4a、4bによって提供されたAC電圧を表す1つ又は複数のフィードバック信号と同様に、ノード5a及び5bの電圧を表す正及び負電圧信号VDC+及びVDC-に加えて、トーテムポールスイッチQ1及びQ2が結合する中間ノード3における電圧VDSHLLの測定又はフィードバック信号を受信する。このようにして、以下でさらに説明するように、コントローラ8は、Q1及びQ2のスイッチング動作により、出力ノード5a及び5bにおける出力容量COの両端のDC出力電圧Voを調整することができ、また、インテリジェント・スイッチング制御ためのQ1及びQ2のドレイン-ソース電圧が、以下に詳述するゼロ電圧スイッチングを容易にすることを確かめることができる。さらに、コントローラ8は、AC入力電圧のフィードバックを使用して、リターン回路に含まれているトランジスタQAC1及びQAC2(例えば、以下の図2及び図14)いずれかの選択的スイッチングための入力極性を決定する、また、入力電圧の極性に応じた各交流半サイクルで、トーテムポールスイッチQ1及びQ2のうちの一方をアクティブあるいはメインのスイッチとして、他方をフリーホイーリング又は同期スイッチとして決定する。) [0024] Referring also to FIGS. 3-6, the controller 8 designates the lower totem pole switch Q2 as the active switch and the upper totem pole switch Q1 as the freewheeling switch for positive AC input cycles (e.g., when the voltage across input nodes 4a and 4b is positive), and designates the upper switch Q1 as the active switch and the lower switch Q2 as the freewheeling switch for negative AC input polarities. FIGS. 3-6 illustrate different totem pole switching conditions and corresponding current flow paths for positive and negative AC input cycles for the case shown in FIG. 1 in which the return circuit includes diodes D3 and D4. It will be appreciated that similar switching conditions and flow paths will be found for embodiments using transistors in the return circuit (e.g., FIGS. 2 and 14). (当審訳:図3-6も参照すると、コントローラ8は、正のAC入力サイクル(例えば、入力ノード4a、4b間の電圧が正である場合)において、下のトーテムポールスイッチQ2をアクティブスイッチとして、上のトーテムポールスイッチQ1をフリーホイーリングスイッチとして指定し、また、負のAC入力サイクルにおいては、上のスイッチQ1をアクティブスイッチとして、下のスイッチQ2をフリーホイーリングスイッチとして指定する。図3-6、リターン回路がダイオードD3及びD4を含む図1に示される場合の、正と負のAC入力サイクルに応じた、トーテムポールのスイッチング状態と対応する電流経路を示している。同様のスイッチング状態及び電流経路は、リターン回路がトランジスタを用いて実施形態で見出されることが理解される(例えば、図2及び図14)。) [0025] FIG. 3 shows an example current path 18 (shown in dotted line in the figure) with the totem pole switch Q1 off and Q2 on for a positive polarity half cycle of the AC input source 4, where Q2 is designated as the active switch and Q1 is the freewheeling switch. In this case, the inductor current IL flows through the inductor L from the first AC input node 4a to the first internal node 3 (e.g.,left to right in the figure) and then through the actuated active transistor Q2 to the second DC output node 5b. The current continues to flow along the illustrated path 18 through the lower return circuit diode D4 and then to the second AC input node or terminal 4b. The operation with the active switch Q2 in the on or conductive state of FIG. 3 increases the current IL through the inductor L. This is followed by the switching state shown in FIG. 4, also for a positive AC input voltage. In FIG. 4, the freewheeling totem pole switch Q1 is turned on and the lower active switch Q2 is turned off, with the current in this case flowing from the inductor L to the internal node 3 and then through the freewheeling switch Q1 to the upper or first DC output node 5a. This current flow charges the output capacitor CO and returns from the lower or second DC output node 5b through the return circuit diode D4 to the negative AC input terminal 4b as shown in FIG. 4. (当審訳:図3は、AC入力電源4の正極半サイクルの間、トーテムポールスイッチQ1がオフ及びQ2がオンである状態の、(図において実線により示される)例示的な電流経路18を示し、Q2はアクティブスイッチとして指定され、Q1はフリーホイーリングスイッチとして指定されている。この場合、インダクタ電流ILが、インダクタLを介して第1のAC入力ノード4aから第1の内部ノード3へ(例えば、図において左から右へ)、その後、作動されたアクティブトランジスタQ2を介して第2のDC出力ノード5bへ流れる。電流は、図示した経路18に沿って下部リターン回路ダイオードD4を介し、その後、第2のAC入力ノード又は端子4bへ流れ続ける。図3のオン又は導通状態におけるアクティブスイッチQ2を用いる動作は、インダクタLを介する電流ILを増加させる。この後、正のAC入力電圧の間の、図4に示すスイッチング状態が後に続く。図4において、フリーホイーリングトーテムポールスイッチQ1がオンにされ、下部のアクティブスイッチQ2がオフにされ、この場合の電流は、インダクタLから内部ノード3へ、その後、フリーホイーリングトーテムポールスイッチQ1を介して上部又は第1のDC出力ノード5aへ流れる。この電流フローは、出力コンデンサCOを充電し、及び、図4に示すように、下部又は第2のDC出力ノード5bからリターン回路ダイオードD4を介して負のAC入力端子4bへ戻る。) B 「[0038] Referring also to FIGS. 8-10, FIG. 8 provides a waveform diagram 50 illustrating transition mode operation of the PFC converter 2 with constant active switch on-time control for a positive AC input half cycle. In this example, the absolute AC input voltage waveform 52 (|Vac|*K) is generally sinusoidal through the illustrated positive half cycle as is the corresponding AC input current 54, with the inductor current IL shown as curve 56. FIG. 8 further illustrates selective actuation of the active switch (e.g., Q2 in FIG. 1 is active for positive AC input half cycles), with the gate-source switching signal curve 57 representing the gate-source voltage Vgs of the active switch Q2 for a constant on-time of Ta, as well as selective actuation of the freewheeling switch (Q1 in this example) via gate-source voltage waveform 58. As seen in FIG. 8, moreover, the freewheeling switch on-time Tb changes over the course of the AC input positive half cycle, generally in proportion to the absolute value of the AC input voltage 52 based on the Volt×Second relationship in the above equation (1), whereas the active switch on-time Ta is generally constant in this example. (当審訳:図8-10も参照すると、図8は、正のAC入力半サイクルの間の一定のアクティブスイッチ・オン時間制御でのPFCコンバータ2の遷移モード動作の波形図50を示す。少なくとも1つの例において、絶対値AC入力電圧波形52(|Vac|*K)は、対応するAC入力電流54と同様に、図示する正の半サイクルを通して概ね正弦波であり、インダクタ電流ILが曲線56として示されている。図8はさらに、アクティブスイッチ(正のAC入力半サイクルの間アクティブである、図1におけるQ2など)の選択的な作動と、ゲート-ソース電圧波形58による、フリーホイーリングスイッチ(この実施例におけるQ1)の選択的な作動とを示し、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57が、Taの一定のオン時間の間のアクティブスイッチQ2のゲート-ソース電圧Vgsを表す。また、図8に示すように、フリーホイーリングスイッチ・オン時間Tbは、次式Tb_n=(|Vac|×Ta)/(Vo-|Vac|)において、ボルト×秒関係に基づいてAC入力電圧52の絶対値に概ね比例して、AC入力正の半サイクルの間にわたって変化し、アクティブスイッチ・オン時間Taはこの実施例において概ね一定である。)」 C 「[0042] As seen at 59e in FIG. 10, this causes the sampled drain-source voltage of the active switch to be closer to zero in the subsequent cycle “n+1”. For this cycle, the controller 8 again determines that the active switch drain-source voltage is negative, and accordingly reduces the nominal freewheeling switch on-time by subtracting Δt2 for the next cycle “n+2”, thereby driving the active switch drain-source voltage to approximately zero as seen at 59f in FIG. 10. Moreover, the illustrated embodiment of the controller 8 advantageously delays turning the active switch on until the active switch drain-source voltage is greater than or equal to zero (e.g., at 44 in FIG. 7), as illustrated by the positive or zero switch Vds voltage starting of the new cycles indicated in FIG. 10 for switching cycles “n+1” and “n+2”. This operation provides the additional benefit of facilitating zero current switching in addition to zero voltage switching, which in turn facilitates reduction of electromagnetic interference (EMI) and minimizes active FET's conduction loss. Thus, the control method 20 of FIG. 7 and operation of the controller 8 advantageously regulate the switching operation so as to move operation from either direction toward the optimal zero voltage switching condition. In this manner, both conduction losses and switching losses are mitigated in a dynamic manner independent of system component parameters and other operating conditions, thereby facilitating high efficiency operation, with the Volt×Second nominal freewheeling switch on-time determination (32 in FIG. 7) facilitating unity power factor operation of the system 2. (当審訳:図10における59eに示すように、これにより、アクティブスイッチのサンプリングされたドレイン-ソース電圧が、後続のサイクル「n+1」において一層ゼロに近くなる。このサイクルの間、コントローラ8は再び、アクティブスイッチドレイン-ソース電圧が負であると判定し、従って、次のサイクル「n+2」のためにΔt2を減算することにより公称フリーホイーリングスイッチ・オン時間を減少させ、これにより、図10における59fに示すように、アクティブスイッチドレイン-ソース電圧がほぼゼロになる。また、コントローラ8のこの例示的な実施形態は、スイッチングサイクル「n+1」及び「n+2」に対して図10に示される新たなサイクルの正又はゼロスイッチVds電圧起動により示すように、アクティブスイッチドレイン-ソース電圧がゼロよりも大きく又はゼロと等しくなるまで(図7における44など)、アクティブスイッチをオンにするのを有利に遅延させる。この動作は、ゼロ動作スイッチングに加えてゼロ電流スイッチングを促進させる付加的な利点を提供し、これは、電磁干渉(EMI)の低減を促進し、また、アクティブFETの伝導損失を最小化する。従って、図7の制御方法20及びコントローラ8の動作は、いずれの方向からも最適なゼロ電圧スイッチング条件に向かって動作が移るように、スイッチング動作を有利に調整する。このように、伝導損失とスイッチング損失との両方が、システム構成要素パラメータ及びその他の動作条件とは無関係に、動的に軽減され、これにより、システム2の力率1動作を促進するボルト×秒公称フリーホイーリングスイッチ・オン時間決定(図7における32)を用いて、高効率動作が促進される。)」 D 「FIG.1 [図:0001388378000001.jpg] 」 E 「FIG.3 [図:0001388378000002.jpg] 」 F 「FIG.4 [図:0001388378000003.jpg] 」 G 「FIG.7 [図:0001388378000004.jpg] 」 H 「FIG.8 [図:0001388378000005.jpg] 」 I 「FIG.9 [図:0001388378000006.jpg] 」 J 「FIG.10 [図:0001388378000007.jpg] 」 K 上記Aの段落[0021]には、“AC電源4からの単相AC入力電力を受け取り、負荷6に電力供給するためのDC出力Voを提供するシステム2”が記載されている。 L 上記Aの段落[0021]及びFIG.1(上記D)には、“システム2には、正の出力ノード5aと負の出力ノード5bとの間に直列接続されたトランジスタQ1とトランジスタQ2、及び正の出力ノード5aと負の出力ノード5bの間に直列接続されたダイオードD3とダイオードD4を有する回路と、AC電源4の一端であるAC入力ノード4aとトランジスタQ1及びトランジスタQ2の接続点である内部ノード3との間に接続されたインダクタLと、正の出力ノード5aと負の出力ノード5bの間に接続された出力コンデンサCOと、コントローラ8、を含”むことが記載されている。 M FIG.1(上記D)より、“AC電源4の他端であるAC入力ノード4bがダイオードD3とD4の直列接続点に接続され”ることが看取できる。 N 上記Bの段落[0024]、[0025] 、FIG.3(上記E)、及びFIG.4(上記F)には、“コントローラ8が、AC電源4の正のAC入力電圧の間で、トランジスタQ1をオフ及びトランジスタQ2をオンとすることで、インダクタ電流ILが、インダクタLを介してAC電源4の一端であるAC入力ノード4aから内部ノード3へ、その後、作動されたトランジスタQ2を介して負のDC出力ノード5bへ流れ、さらに、ダイオードD4を介し、その後、AC電源4の他端であるAC入力ノード4bへ流れ、インダクタLを介する電流ILを増加させ、さらに、この後、正のAC入力電圧の間に、トランジスタQ1をオンにし、トランジスタQ2をオフにすることで、電流が、インダクタLから内部ノード3へ、その後、トランジスタQ1を介して正のDC出力ノード5aへ流れ、出力コンデンサCOを充電し、負のDC出力ノード5bからダイオードD4を介してAC電源4の他端であるAC入力ノード4bへ戻るものであ”ることが記載されている。 O また、上記Bの段落[0038]には、“図8(FIG.8)のトランジスタQ1のゲート-ソース電圧波形58のTbがオン時間を表し、トランジスタQ2に関するゲート-ソーススイッチング信号曲線57のTaがオン時間を表す”ことが記載されている。 してみると、FIG.8(上記H)より、“正のAC入力電圧の間に、トランジスタQ1をオフ及びトランジスタQ2をオンとすることと、トランジスタQ1をオン及びトランジスタQ2をオフにすることとを、交互に複数回繰り返”すことが看取できる。 P 同様に、FIG.8(上記H)―FIG.10(上記J)によれば、“トランジスタQ1のオン/オフを表すゲート-ソース電圧波形58、及びトランジスタQ2のオン/オフを表すゲート-ソーススイッチング信号曲線57においては、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57がオフし、さらに所定時間経過後に、ゲート-ソース電圧波形58がオンし、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57をオンする所定時間前にゲート-ソース電圧波形58がオフする動作を、正のAC入力電圧の間に複数回繰り返す”ことが看取できる。 (イ)上記AないしPの記載内容(特に、下線部を参照)からすると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「AC電源4からの単相AC入力電力を受け取り、負荷6に電力供給するためのDC出力Voを提供するシステム2であって、 正の出力ノード5aと負の出力ノード5bとの間に直列接続されたトランジスタQ1とトランジスタQ2、及び正の出力ノード5aと負の出力ノード5bの間に直列接続されたダイオードD3とダイオードD4を有する回路と、 AC電源4の一端であるAC入力ノード4aとトランジスタQ1及びトランジスタQ2の接続点である内部ノード3との間に接続されたインダクタLと、 正の出力ノード5aと負の出力ノード5bの間に接続された出力コンデンサCOと、 コントローラ8、 を含み、 AC電源4の他端であるAC入力ノード4bがダイオードD3とD4の直列接続点に接続され、 コントローラ8が、AC電源4の正のAC入力電圧の間で、トランジスタQ1をオフ及びトランジスタQ2をオンとすることで、インダクタ電流ILが、インダクタLを介してAC電源4の一端であるAC入力ノード4aから内部ノード3へ、その後、作動されたトランジスタQ2を介して負のDC出力ノード5bへ流れ、さらに、ダイオードD4を介し、その後、AC電源4の他端であるAC入力ノード4bへ流れ、インダクタLを介する電流ILを増加させ、さらに、この後、正のAC入力電圧の間に、トランジスタQ1をオンにし、トランジスタQ2をオフにすることで、電流が、インダクタLから内部ノード3へ、その後、トランジスタQ1を介して正のDC出力ノード5aへ流れ、出力コンデンサ容量COを充電し、負のDC出力ノード5bからダイオードD4を介してAC電源4の他端であるAC入力ノード4bへ戻るものであり、 正のAC入力電圧の間に、トランジスタQ1をオフ及びトランジスタQ2をオンとすることと、トランジスタQ1をオン及びトランジスタQ2をオフにすることとを、交互に複数回繰り返し、 トランジスタQ1のオン/オフを表すゲート-ソース電圧波形58、及びトランジスタQ2のオン/オフを表すゲート-ソーススイッチング信号曲線57においては、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57がオフし、さらに所定時間経過後に、ゲート-ソース電圧波形58がオンし、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57をオンする所定時間前にゲート-ソース電圧波形58がオフする動作を、正のAC入力電圧の間に複数回繰り返す、 システム2」 イ 引用文献2 引用文献2には、次の事項が記載されている A 「[0021] [第1の実施の形態] (素子構造) 本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の模式的断面構造は、図1に示すように表される。また、第1の実施の形態に係る半導体装置の模式的鳥瞰構造は、図2に示すように表される。 [0022] 第1の実施の形態に係る半導体装置は、図1~図2に示すように、高抵抗でn型不純物をドープされた第1ベース層12と、第1ベース層12の裏面に設けられ、n型不純物をドープされたドレイン層10と、第1ベース層12の表面に形成され、p型不純物をドープされた第2ベース層16と、第2ベース層16の表面に形成され、n型不純物をドープされたソース層18と、ソース層18および第2ベース層16の表面上に配置されたゲート絶縁膜20と、ゲート絶縁膜20上に配置されたゲート電極22と、第2ベース層16およびソース層18の下部の第1ベース層12内にドレイン層10に対向して形成され、p型不純物をドープされたコラム層14と、ドレイン層10に設けられたドレイン電極28と、ソース層18および第2ベース層16に設けられたソース電極26とを備える。ゲート電極22上には、層間絶縁膜24が配置されている。図1に示される破線は、ドレイン・ソース間に導通する電流を表す。 [0023] 第1の実施の形態に係る半導体装置においては、コラム層14に対して重粒子照射を行い、トラップレベルを局所的に形成している。」 B 「[0044] 第1の実施の形態によれば、ドレイン・ソース間飽和電流IDSSおよびゲート・ソース間しきい値電圧の劣化を抑制しつつ、内蔵ダイオードの逆回復特性の向上を実現することができる。これによって、スイッチングロスの低減と、ダイオード逆回復損失の低減が可能となった。 [0045] 第1の実施の形態によれば、ドレイン・ソース間のリーク電流を増大させずに逆回復時間trrを短縮するスーパージャンクションMOS構造を備える半導体装置およびその製造方法を提供することができる。」 ウ 引用文献3 引用文献3には、次の事項が記載されている A 「【0014】 素子領域1において形成されるトランジスタは、N型ドリフト層11と、このN型ドリフト層11中に形成される複数のP型ピラー層12から構成されるスーパージャンクション構造を有している。N型ドリフト層11の一方の表面(図1において、下側の表面)に、N型ドリフト層11よりも不純物濃度の高いN+型ドレイン層13が形成され、N+型ドレイン層13の表面には、不図示のドレイン電極が形成されている。尚、本実施の形態では、ドリフト層14は、N型ドリフト層11とP型ピラー層12からなり、また、ドリフト層14は、素子領域1に形成されるドリフト層14Aと、終端領域2に形成されるドリフト層14Bからなる。また、N型ドリフト層11とN+型ドレイン層13の形成方法は、N型ドリフト層11の片面に不純物を拡散する方法や、N+型ドレイン層13を基板としてN型ドリフト層11を結晶成長させる方法により形成される。」 B 「【0024】 具体的には、本実施の形態における半導体装置を製造するプロセスの途中において、終端領域2のドリフト層14Bに、電子線照射、プロトン照射、ヘリウム照射或いはPt等の重金属を表面に付着させた後、熱拡散を行なう。これにより、終端領域2のドリフト層14Bにおけるキャリアライフタイムの値を素子領域1のドリフト層14Aにおけるキャリアライフタイムの値よりも低くしているのである。このように、終端領域2のドリフト層14Bにおけるキャリアライフタイムの値を低くすることにより、逆バイアス時における漏れ電流を増大させることなく、この終端領域2におけるアバランシェ耐量を高めるとともに、トランジスタの内蔵ダイオードの逆回復時における逆回復特性を改善することができ、半導体装置における全体の耐圧を高めることができる。 【0025】 なお、本実施の形態では、終端領域2におけるキャリアライフタイムは、1〔μs〕以下であることが好ましい。 【0026】 また、本実施の形態を別の側面から捉えるならば、本実施の形態における半導体装置を製造するプロセスの途中において、終端領域2のドリフト層14Bに、電子線照射、プロトン照射、ヘリウム照射或いはPt等の重金属を表面に付着させた後、熱拡散を行なうことにより、終端領域2のドリフト層14Bにおける抵抗の値を素子領域1における抵抗の値よりも高くなるように構成されている。このように、終端領域2のドリフト層14Bにおける抵抗値を高くすることにより、半導体装置における全体の耐圧を高めることができる。」 (3)取消理由通知についての当審の判断 ア 理由1(特許法第29条第2項)について (ア)本件発明1について 本件発明1と引用発明とを対比すると以下のとおりである。 A 引用発明の「システム2」は、「DC出力Vo」を出力するものであって、引用発明の「正の出力ノード5a」と「負の出力ノード5b」から該「DC出力Vo」を出力するものと認められる。 してみると、引用発明の「正の出力ノード5a」及び「負の出力ノード5b」は、各々、本件発明1の「直流出力電源の正極端子」及び「直流出力電源の負極端子」に相当する。 そして、引用発明の「トランジスタQ1とトランジスタQ2」は、「正の出力ノード5aと負の出力ノード5bとの間に直列接続され」るものであるから、本件発明1の「直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFET」に相当する。 さらに、引用発明の「ダイオードD3とダイオードD4」は、「正の出力ノード5aと負の出力ノード5bの間に直列接続され」るものであるから、本件発明1の「前記正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオード」に相当する。 そして、引用発明の「回路」は、「DC出力Vo」を出力する「正の出力ノード5aと負の出力ノード5bとの間に直列接続されたトランジスタQ1とトランジスタQ2、及び正の出力ノード5aと負の出力ノード5bの間に直列接続されたダイオードD3とダイオードD4を有する」ものであって、さらに、「トランジスタQ1及びトランジスタQ2の接続点である内部ノード3」に「AC電源4の一端であるAC入力ノード4a」が「接続」され、「ダイオードD3とD4の直列接続点に」「AC電源4の他端であるAC入力ノード4b」が接続されるものであるから、いわゆるブリッジ整流回路といえる。 したがって、引用発明の「回路」は、本件発明1の「直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFETおよび前記正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオードを有するブリッジ整流回路」に相当する。 B 引用発明の「AC電源4」は、本件発明1の「交流電源」に相当する。 そして、引用発明の「インダクタL」は、「AC電源4の一端であるAC入力ノード4aとトランジスタQ1及びトランジスタQ2の接続点である内部ノード3との間に接続され」るものである。 してみると、本件発明1の「AC電源4の一端であるAC入力ノード4a」は、本件発明1の「交流電源の一端」に相当し、引用発明の「インダクタL」は、本件発明1の「交流電源の一端と前記第1、第2のMOSFETの直列接続点との間に接続されたリアクトル」に相当する。 C 引用発明の「出力コンデンサCO」は、「正の出力ノード5aと負の出力ノード5bの間に接続され」るものであるから、本件発明1の「前記直流出力電源の正極端子と負極端子の間に接続された平滑コンデンサ」に相当する。 D 引用発明の「コントローラ8」は、「AC電源4の正のAC入力電圧の間で、トランジスタQ1をオフ及びトランジスタQ2をオンとすることで、インダクタ電流ILが、インダクタLを介してAC電源4の一端であるAC入力ノード4aから内部ノード3へ、その後、作動されたトランジスタQ2を介して負のDC出力ノード5bへ流れ、さらに、ダイオードD4を介し、その後、AC電源4の他端であるAC入力ノード4bへ流れ、インダクタLを介する電流ILを増加させ、さらに、この後、正のAC入力電圧の間に、トランジスタQ1をオンにし、トランジスタQ2をオフにすることで、電流が、インダクタLから内部ノード3へ、その後、トランジスタQ1を介して正のDC出力ノード5aへ流れ、出力コンデンサCOを充電し、負のDC出力ノード5bからダイオードD4を介してAC電源4の他端であるAC入力ノード4bへ戻るものであ」るから、AC電源4の正のAC入力電圧の間に、インダクタLに流れる電流をトランジスタQ1及びトランジスタQ2のどちらか一方に通電するようにトランジスタQ1及びトランジスタQ2をオン/オフさせているといえる。 さらに、引用発明は、「正のAC入力電圧の間に、トランジスタQ1をオフ及びトランジスタQ2をオンとすることと、トランジスタQ1をオン及びトランジスタQ2をオフにすることとを、交互に複数回繰り返」すものであって、このオン/オフを「コントローラ8」が行うことは明らかである。 したがって、引用発明の「コントローラ8」は、本件発明1の「前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を複数回繰り返すように前記第1、第2のMOSFETをオン/オフさせる制御回路」に相当する。 E 引用発明の「AC電源4の他端であるAC入力ノード4b」は、本件発明1の「交流電源の他端」に相当し、引用発明の「AC電源4の他端であるAC入力ノード4bがダイオードD3とD4の直列接続点に接続され」ることは、本件発明1の「前記交流電源の他端が前記第1、第2のダイオードの直列接続点に接続され」ることに相当する。 F 引用発明は、「トランジスタQ1のオン/オフを表すゲート-ソース電圧波形58、及びトランジスタQ2のオン/オフを表すゲート-ソーススイッチング信号曲線57においては、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57がオフし、さらに所定時間経過後に、ゲート-ソース電圧波形58がオンし、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57をオンする所定時間前にゲート-ソース電圧波形58がオフする動作を、正のAC入力電圧の間に複数回繰返す」ものであって、そのように「トランジスタQ1」及び「トランジスタQ2」が制御されるものと認められ、さらに、この制御を「コントローラ8」が行っていることは明らかである。 ここで、引用発明の「ゲート-ソース電圧波形58」は、「トランジスタQ1のオン/オフを表す」ものであり、「ゲート-ソーススイッチング信号曲線57」は、「トランジスタQ2のオン/オフを表す」ものであり、さらに、引用発明は「AC電源4の正のAC入力電圧の間で、トランジスタQ1をオフ及びトランジスタQ2をオンとすることで、インダクタ電流ILが、インダクタLを介してAC電源4の一端であるAC入力ノード4aから内部ノード3へ、その後、作動されたトランジスタQ2を介して負のDC出力ノード5bへ流れ、さらに、ダイオードD4を介し、その後、AC電源4の他端であるAC入力ノード4bへ流れ」、また、「トランジスタQ1をオンにし、トランジスタQ2をオフにすることで、電流が、インダクタLから内部ノード3へ、その後、トランジスタQ1を介して正のDC出力ノード5aへ流れ、出力コンデンサCOを充電し、負のDC出力ノード5bからダイオードD4を介してAC電源4の他端であるAC入力ノード4bへ戻るものであ」る。 してみると、引用発明の「トランジスタQ2」は、インダクタLとダイオードD4ダイオードとを通してAC電源4を短絡する側のトランジスタといえ、さらに、引用発明の「トランジスタQ1」は、出力コンデンサCOに通流する側のトランジスタといえる。 したがって、引用発明の「コンローラ8」が「トランジスタQ1」及び「トランジスタQ2」を「トランジスタQ1のオン/オフを表すゲート-ソース電圧波形58、及びトランジスタQ2のオン/オフを表すゲート-ソーススイッチング信号曲線57においては、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57がオフし、さらに所定時間経過後に、ゲート-ソース電圧波形58がオンし、ゲート-ソーススイッチング信号曲線57をオンする所定時間前にゲート-ソース電圧波形58がオフする動作を、正のAC入力電圧の間に複数回繰り返す」ように制御することは、本件発明1の「前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す」ことに相当する。 G 引用発明の「システム2」は、「負荷6に電力供給するためのDC出力Voを提供する」ものであって、「トランジスタQ1とトランジスタQ2、・・・ダイオードD3とダイオードD4を有する回路」、「インダクタL」、「出力コンデンサCO」、「コントローラ8」を備えるものであるから、後記の点で相違するものの、本件発明1の「直流電源装置」に対応するものである。 そうすると、本件発明1と引用発明は、以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFETおよび前記正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオードを有するブリッジ整流回路と、 交流電源の一端と前記第1、第2のMOSFETの直列接続点との間に接続されたリアクトルと、 前記直流出力電源の正極端子と負極端子の間に接続された平滑コンデンサと、 前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を複数回繰り返すように前記第1、第2のMOSFETをオン/オフさせる制御回路と、 を備え、 前記交流電源の他端が前記第1、第2のダイオードの直列接続点に接続され、 前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す、 ことを特徴とする直流電源装置。」 (相違点1) 本件発明1では、「各前記第1、第2のMOSFETは、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間に比べて、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間が短」いものであるのに対して、引用発明では、「トランジスタQ1」及び「トランジスタQ1」の逆回復時間がどのようなものであるか特定されていない点。 (相違点2) 本件発明1では、「前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長」いものであるのに対して、引用発明では、「ダイオードD3」及び「ダイオードD4」の逆回復時間がどのようなものであるか特定されていない点。 事案に鑑み、まず、相違点1について検討する。 引用文献2、3に記載されるように、内蔵ダイオードの逆回復時間を短くするために不純物を拡散させ、又は、粒子線を照射したスーパージャンクション構造のMOSFETは周知の技術である。 しかしながら、この周知の技術のものは、スーパージャンクション構造のMOSFETの内蔵ダイオードの逆回復時間が、不純物や粒子線を照射しないものに比べ、不純物や粒子線を照射したものが短くなるものであって、MOSFETのゲート信号をオン/オフとの関係は規定されておらず、「MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間」を、「MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間」より短くするものではないから、「MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間に比べて、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間が短」くすることが周知の技術であったとはいえない。 よって、上記相違点1に係る本件発明1の構成は、引用発明及び引用文献2、3に記載された周知の技術に基づいて、当業者が容易に採用し得たものではない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、当業者が引用発明及び引用文献2、3に記載された周知の技術に基づいて容易に発明することができたものではない。 なお、特許異議申立人(角田 朗)は、令和4年5月19日提出の意見書において、 「しかし、スーパージャンクション構造のMOSFETの逆回復時間の長さがスイッチングの切替えのタイミングに応じて異なることは、例えば甲第4号証(600W CoolMOS7 Design Guide)にも記載されているように周知技術である。甲第4号証は、スーパージャンクション構造のMOSFETの素子を提供する製造メーカからの設計に関する資料である。 具体的には、甲第4号証の項目1.2にスーパージャンクションMOSFETであることが記載されている。甲第4号証の項目3.7のFigure16にMOSFETを直列接続した回路が記載されている。甲第4号証の項目3.7.1のFigure19にはスイッチングのオンとオフの切り替えタイミングによって電流値IDS.Lが変化することが記載されている。 [図:0001388378000008.jpg] 甲第4号証のFigure19の右側に示されたデッドタイムが小さい場合、電流値IDS.Lのピークが発生する。このピークの時間幅が本件特許発明1の「MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間」に該当する。デッドタイムが大きくなるほど、この電流値IDS.Lのピークの幅が狭くなる。そして、甲第4号証のFigure19の左側に示されたデッドタイムが十分に大きい場合に、電流値IDS.Lのピークが無くなるが、これが本件特許発明1の「MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間」が0もなったことに該当する。 従って、甲第4号証には、本件特許発明1の第7段落の「各前記第1、第2のMOSFETは、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間に比べて、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間が短く」を開示している。」、 と主張している(令和4年5月19日提出の意見書4頁下から10行-5頁15行)。 しかしながら、特許異議申立人(角田 朗)の甲第4号証のFigure19の右側に示されたデッドタイムにおいては、デッドタイムの始まり部分で「VGS.L」は下がっておりMOSFETはオフになっており(このことは、Figure19の下部のこの時点に対応するFETの記号の図においても、「MOSFET OFF」と記載されている)、そして、その後、デッドタイムの終わりで「VGS.H」が立ち上がり(この時点で、印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わったものと考えられる)電流値IDS.Lのピークが発生しており、この電流が逆回復電流と認められるが、この時点でも、「VGS.L」は立ち下がったままであり、MOSFETはオフのままである(Figure19の下部のこの時点に対応するFETの記号の図においても、「MOSFET OFF」と記載されている)。したがって、デッドタイム直後の逆回復電流は、デッドタイムの長さに関係なく、本件発明1の「MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間」に相当するものであって、「MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間」に該当するものではない。 したがって、上記主張を採用することはできない。 (イ)本件発明2 本件発明2は、本件発明1の「前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す」という構成に代えて、「前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号のパルス幅は、前記リアクトルに流れる電流と電圧との力率が85%以上となるように変調される」としたものであるから、引用発明と、少なくとも上記相違点1及び相違点2で相違する。 してみると、本件発明2は、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、当業者が引用発明及び引用文献2、3に記載された周知の技術に基づいて容易に発明することができたものではない。 (ウ)本件発明3 本件発明3は、本件発明1の「前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す」という構成に代えて、「前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号は、3ショット以上である」としたものであるから、引用発明と、少なくとも上記相違点1及び相違点2で相違する。 してみると、本件発明3は、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、当業者が引用発明及び引用文献2、3に記載された周知の技術に基づいて容易に発明することができたものではない。 (エ)本件発明4、5 本件発明4、5は、本件発明1ない3を直接又は間接的に引用するものである。したがって、本件発明4、5は、本件発明1ないし3の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、当業者が引用発明及び引用文献2、3に記載された周知の技術に基づいて容易に発明することができたものではない。 イ 理由2(特許法第36条第6項第1号)について (ア)請求項2(本件発明2)について 本件訂正請求による訂正により、本件発明2は、「前記制御回路は、前記第1、第2のMOS FETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す」と訂正され、発明の課題を解決するための手段が反映された。 したがって、本件の請求項2に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるということはできない。 (イ)請求項3(本件発明3)について 本件訂正請求による訂正により、本件発明3は、「前記制御回路は、前記第1、第2のMOS FETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す」と訂正され、発明の課題を解決するための手段が反映された。 したがって、本件の請求項3に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるということはできない。 3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由等について (1)申立理由の概要(特許異議申立人 井澤 幹による) ア 理由1(特許法第29条第2項) 請求項1、3、5に係る発明は、下記の甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載の技術事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、 請求項2に係る発明は、下記の甲第1号証に記載された発明、甲第2号証及び甲第3号証にそれぞれ記載の技術事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、 請求項4に係る発明は、下記の甲第1号証に記載された発明、甲第2号証及び甲第4号証にそれぞれ記載の技術事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。 よって、請求項1ないし5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 甲第1号証:特開2011-151984号公報 甲第2号証:特許2008-61414号公報 甲第3号証:特許平3-65056号公報 甲第4号証:国際公開第2010-024433号(引用文献2) イ 理由2(特許法第36条第4項第1号) 請求項2、3について、経済産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、本件特許の請求項2-3に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものである。 (2)各甲号証の記載事項 ア 甲第1号証 (ア)甲第1号証には、図面とともに、次の事項が記載されている。 A 「【0015】 実施の形態1. (直流電源装置の構成) 図1は、本発明の実施の形態1に係る直流電源装置の回路ブロック図である。 図1で示されるように、本実施の形態に係る直流電源装置は、少なくとも、交流電源1、後述する整流器21の一方の入力端と交流電源1との間に挿入されたリアクター2、MOSFET3及びMOSFET4並びにダイオード5及びダイオード6によって構成された整流器21、この整流器21の出力端間に接続された平滑コンデンサー7、MOSFET3及びMOSFET4のON/OFF動作をさせる制御手段11、平滑コンデンサー7の両端電圧を検出する直流電圧検出手段12、並びに、交流電源1の電源電圧を検出する電源電圧検出手段13を備えている。また、平滑コンデンサー7の両端には負荷8が接続されている。 【0016】 整流器21は、MOSFET3のソース側とMOSFET4のドレイン側とが接続されたMOSFET3とMOSFET4との直列回路と、ダイオード5のアノード側とダイオード6のカソード側とが接続されたダイオード5とダイオード6との直列回路とが並列に接続されて構成されている。このとき、MOSFET3とMOSFET4との接続点、及び、ダイオード5とダイオード6との接続点を整流器21の入力端とし、ダイオード5とダイオード6との直列回路の両端が整流器21の出力端となる。また、図1で示されるように、寄生ダイオード3a及び寄生ダイオード4aは、それぞれMOSFET3及びMOSFET4において構造的に形成される内蔵ダイオードである。また、一般的に、MOSFETはそのゲートに電荷が供給されると、単方向通流素子としてではなく、逆方向にも電流を流す性質がある。ここでいう逆方向とは、MOSFETの内部に形成される寄生ダイオードに電流が流れた場合の方向とする。交流電源1から供給される交流電圧は、この整流器21によって全波整流され直流電圧に変換される。 【0017】 平滑コンデンサー7は、整流器21によって出力される直流電圧を平滑する。 【0018】 制御手段11は、後述するように直流電圧検出手段12及び電源電圧検出手段13から受信した電圧情報に基づいて、MOSFET3及びMOSFET4のON/OFF動作をさせる。」 B 「【0050】 また、上記のMOSFET3及びMOSFET4は、スーパージャンクション構造のMOSFETを用いるものとしてもよい。これによって、さらに低損失化を実現することができ、高効率な直流電源装置を得ることができる。ここで、スーパージャンクション構造とは、通常のMOSFETよりも深いP層を持つ構造であり、深いP層がN層と広く接することによって低オン抵抗でありながら高い耐電圧を有することが知られている。」 C 「【0053】 実施の形態2. 本実施の形態に係る直流電源装置について、実施の形態1に係る直流電源装置の動作と相違する点を中心に説明する。なお、本実施の形態に係る直流電源装置の回路構成は、図1で示される実施の形態1に係る直流電源装置の回路構成と同様である。 【0054】 (直流電源装置の同期整流動作) 図6は、本発明の実施の形態2に係る直流電源装置におけるMOSFETのON/OFF動作を示す図である。 図6(a)は、交流電源1の電源電圧Vsの波形を示し、図1で示される電源電圧Vsの矢印の方向を正極とする。また、図6(b)は、交流電源1を流れる入力電流Isの波形を示し、図1で示される入力電流Isの矢印の方向を正方向とする。このとき、制御手段11は、図6(b)で示される入力電流Isに同期させて、MOSFET3を図6(c)で示されるような駆動信号によってON/OFF動作させ、MOSFET4を図6(d)で示されるような駆動信号によってON/OFF動作させる。 【0055】 すなわち、まず、制御手段11は、電源電圧検出手段13によって検出される電源電圧Vsの極性が変化するタイミングを検出する。そして、制御手段11は、このタイミングにおいて、変化した極性において整流のためにゲートオン状態にさせるMOSFETとは異なる方のMOSFETをパルス状にゲートオン状態にさせる。このようにすることで、そのMOSFETがパルス状にゲートオン状態となっている間、交流電源1が短絡状態となり、短絡電流が強制的に流れる。このとき、制御手段11は、そのMOSFETがパルス状にゲートオン状態になっている間、他方のMOSFETはゲートオフ状態にしておく。これは、双方のMOSFETがゲートオン状態になっていると、平滑コンデンサー7が短絡状態となり破損する危険性があるからである。そして、制御手段11は、パルス状のゲートオン状態となっているMOSFETをゲートオフ状態にするのとほぼ同時に、他方のMOSFETをゲートオン状態にさせる。なお、制御手段11は、前述の理由により、双方のMOSFETがゲートオン状態となってしまう状態を回避するため、パルス状にゲートオン状態になっているMOSFETをゲートオフ状態としてから、双方のMOSFETがゲートオフ状態となっている状態(以下、「デッドオフ状態」という)の期間を経てから他方のMOSFETをゲートオン状態にさせる動作としてもよい。 【0056】 具体的には、制御手段11は、電源電圧検出手段13によって検出される電源電圧Vsが負極から正極に変化することを検出した場合、電源電圧Vsが正極側である場合に整流するためにゲートオン状態にさせるMOSFET3ではなく、MOSFET4をパルス状にゲートオン状態にさせる。これによって、MOSFET4がパルス状にゲートオン状態となっている間、交流電源1が短絡状態となり、交流電源1、リアクター2、MOSFET4、ダイオード6、そして交流電源1の順で短絡電流が流れる。そして、制御手段11は、MOSFET4をゲートオフ状態にさせるのとほぼ同時に、MOSFET3をゲートオン状態にさせる。なお、前述のように、MOSFET3をゲートオン状態にさせる前に、デッドオフ状態を設けてもよい。その後、短絡電流と同方向の入力電流Isが流れ続け、制御手段11は、この入力電流Isが0となるタイミングでMOSFET3をゲートオフ状態にさせる。 【0057】 また、制御手段11は、電源電圧検出手段13によって検出される電源電圧Vsが正極から負極に変化することを検出した場合、電源電圧Vsが負極側である場合に整流するためにゲートオン状態にさせるMOSFET4ではなく、MOSFET3をパルス状にゲートオン状態にさせる。これによって、MOSFET3がパルス状にゲートオン状態となっている間、交流電源1が短絡状態となり、交流電源1、ダイオード5、MOSFET3、リアクター2、そして、交流電源1の順で短絡電流が流れる。そして、制御手段11は、MOSFET3をゲートオフ状態にさせるのとほぼ同時に、MOSFET4をゲートオン状態にさせる。なお、前述のように、MOSFET4をゲートオン状態にさせる前に、デッドオフ状態を設けてもよい。その後、短絡電流と同方向の入力電流Isが流れ続け、制御手段11は、この入力電流Isが0となるタイミングでMOSFET4をゲートオフ状態にさせる。」 D 「【0058】 以上のような動作のように、交流電源1の短絡のためのパルス状にMOSFET3又はMOSFET4をゲートオン状態にさせることによって、力率改善及び高調波電流低減用の新たなスイッチング素子等を追加することなく、安価に力率改善及び高調波電流低減を実現できる。」 E 「【0063】 (S24) 制御手段11は、MOSFET3をゲートオフ状態のままとし、MOSFET4をパルス状にON動作及びOFF動作させる。 【0064】 (S25) 制御手段11は、ステップS24において、MOSFET4をゲートオフ状態にさせたのとほぼ同時に、MOSFET3をゲートオン状態にさせる。 なお、MOSFET4をゲートオフ状態にさせてから、デッドオフ状態を設け、その経過後、MOSFET3をゲートオン状態にさせるものとしてもよい。 【0065】 (S26) 制御手段11は、MOSFET4をゲートオフ状態のままとし、MOSFET3をパルス状にON動作及びOFF動作させる。 【0067】 (S27) 制御手段11は、ステップS26において、MOSFET3をゲートオフ状態にさせたのとほぼ同時に、MOSFET4をゲートオン状態にさせる。 なお、MOSFET3をゲートオフ状態にさせてから、デッドオフ状態を設け、その経過後、MOSFET4をゲートオン状態にさせるものとしてもよい。」 F 「【図1】 [図:0001388378000009.jpg] 」 G 「【図6】 [図:0001388378000010.jpg] 」 H 「【図7】 [図:0001388378000011.jpg] 」 I 上記Cの段落【0053】には、“実施の形態2に係る直流電源装置の回路構成は、図1で示される実施の形態1に係る直流電源装置の回路構成と同様である”ことが、さらに、上記Aの段落【0015】には、実施の形態1に係る直流電源装置の回路構成として、“交流電源1、整流器21の一方の入力端と交流電源1との間に挿入されたリアクター2、MOSFET3及びMOSFET4並びにダイオード5及びダイオード6によって構成された整流器21、この整流器21の出力端間に接続された平滑コンデンサー7、MOSFET3及びMOSFET4のON/OFF動作をさせる制御手段11、平滑コンデンサー7の両端電圧を検出する直流電圧検出手段12、並びに、交流電源1の電源電圧を検出する電源電圧検出手段13を備え、平滑コンデンサー7の両端には負荷8が接続されている直流電源装置”が記載されている。 してみると、甲第1号証には実施の形態2として、“交流電源1、整流器21の一方の入力端と交流電源1との間に挿入されたリアクター2、MOSFET3及びMOSFET4並びにダイオード5及びダイオード6によって構成された整流器21、この整流器21の出力端間に接続された平滑コンデンサー7、MOSFET3及びMOSFET4のON/OFF動作をさせる制御手段11、平滑コンデンサー7の両端電圧を検出する直流電圧検出手段12、並びに、交流電源1の電源電圧を検出する電源電圧検出手段13を備え、平滑コンデンサー7の両端には負荷8が接続されている直流電源装置”が記載されているといえる。 J 上記Aの段落【0016】には、“整流器21は、MOSFET3のソース側とMOSFET4のドレイン側とが接続されたMOSFET3とMOSFET4との直列回路と、ダイオード5のアノード側とダイオード6のカソード側とが接続されたダイオード5とダイオード6との直列回路とが並列に接続されて構成され、MOSFET3とMOSFET4との接続点、及び、ダイオード5とダイオード6との接続点を整流器21の入力端とし、ダイオード5とダイオード6との直列回路の両端が整流器21の出力端とな”ることが記載され、さらに、図1によれば、“MOSFET3とMOSFET4との接続点にリアクター2が接続され、ダイオード5とダイオード6との接続点に交流電源1が接続されている”ことが看取できる。 してみると、甲第1号証には、“整流器21は、MOSFET3のソース側とMOSFET4のドレイン側とが接続されたMOSFET3とMOSFET4との直列回路と、ダイオード5のアノード側とダイオード6のカソード側とが接続されたダイオード5とダイオード6との直列回路とが並列に接続されて構成され、リアクター2が接続されるMOSFET3とMOSFET4との接続点、及び、交流電源1が接続されるダイオード5とダイオード6との接続点を整流器21の入力端とし、ダイオード5とダイオード6との直列回路の両端が整流器21の出力端となって”いることが記載されているといえる。 K 上記Bには、「上記のMOSFET3及びMOSFET4は、スーパージャンクション構造のMOSFETを用いるものとしてもよい」ことが記載されている。 L 上記Cの段落【0056】には、“制御手段11は、電源電圧検出手段13によって検出される電源電圧Vsが負極から正極に変化することを検出した場合、電源電圧Vsが正極側である場合に整流するためにゲートオン状態にさせるMOSFET3ではなく、MOSFET4をパルス状にゲートオン状態にさせ、MOSFET4がパルス状にゲートオン状態となっている間、交流電源1が短絡状態とし、交流電源1、リアクター2、MOSFET4、ダイオード6、そして交流電源1の順で短絡電流が流し、そして、制御手段11は、MOSFET4をゲートオフ状態にさせ、デッドオフ状態の後に、MOSFET3をゲートオン状態にさせる”ことが記載されている。 (イ)上記AないしLの記載内容(特に、下線部を参照)からすると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 「交流電源1、整流器21の一方の入力端と交流電源1との間に挿入されたリアクター2、MOSFET3及びMOSFET4並びにダイオード5及びダイオード6によって構成された整流器21、この整流器21の出力端間に接続された平滑コンデンサー7、MOSFET3及びMOSFET4のON/OFF動作をさせる制御手段11、平滑コンデンサー7の両端電圧を検出する直流電圧検出手段12、並びに、交流電源1の電源電圧を検出する電源電圧検出手段13を備え、平滑コンデンサー7の両端には負荷8が接続されている直流電源装置において、 整流器21は、MOSFET3のソース側とMOSFET4のドレイン側とが接続されたMOSFET3とMOSFET4との直列回路と、ダイオード5のアノード側とダイオード6のカソード側とが接続されたダイオード5とダイオード6との直列回路とが並列に接続されて構成され、リアクター2が接続されるMOSFET3とMOSFET4との接続点、及び、交流電源1が接続されるダイオード5とダイオード6との接続点を整流器21の入力端とし、ダイオード5とダイオード6との直列回路の両端が整流器21の出力端となっており、 MOSFET3及びMOSFET4は、スーパージャンクション構造のMOSFETを用いてもよく、 制御手段11は、電源電圧検出手段13によって検出される電源電圧Vsが負極から正極に変化することを検出した場合、電源電圧Vsが正極側である場合に整流するためにゲートオン状態にさせるMOSFET3ではなく、MOSFET4をパルス状にゲートオン状態にさせ、MOSFET4がパルス状にゲートオン状態となっている間、交流電源1が短絡状態とし、交流電源1、リアクター2、MOSFET4、ダイオード6、そして交流電源1の順で短絡電流が流し、そして、制御手段11は、MOSFET4をゲートオフ状態にさせ、デッドオフ状態の後に、MOSFET3をゲートオン状態にさせる、 直流電源装置。」 イ 甲第2号証 甲第2号証には、次の事項が記載されている。 A 「【0037】 制御回路(8)は、商用電源(10)の電源半周期の間に、整流回路(2)を一回または複数回短絡させ(以下、短絡制御という。)、それ以外の期間は上述した同期整流の制御を行うようにする。ここでは、電源極性が正の半周期における制御について説明する。 【0038】 この場合、電源極性が正に切り換わると同時に、上アーム側のスイッチング素子(2a)をオンし、同期整流の制御を行う。そして、オンしてから所定時間が経過すると、オン状態のスイッチング素子(2a)をオフすると共に、下アーム側のスイッチング素子(2b)をオンし、短絡制御を行う。この短絡制御では、正の交流電流がリアクトル(L)、スイッチング素子(2b)、コンデンサ回路(3)の下側のコンデンサ(3b)へ順に流れる。そうすると、電源電圧が短絡し、リアクトル(L)を流れる電流の通電幅が大きくなる。これにより、電源力率が向上する。スイッチング素子(2b)がオンされてから所定時間が経過すると、オン状態のスイッチング素子(2b)をオフすると共に、上アーム側のスイッチング素子(2a)をオンし、再び同期整流の制御を行う。つまり、この制御では、電源極性が正の半周期の間に、同期整流の制御と短絡制御とが交互に行われる。なお、電源極性が負の半周期についても同様の制御が行われる。したがって、このような制御を行うことにより、整流回路(2)の低損失化を図りつつ、電源力率をも向上させることができる。」 ウ 甲第3号証 甲第3号証には、図面とともに、次の事項が記載されている。 A 「2.特許請求の範囲 交流電源を直流電源に変換してこれを電気機器に供給する整流装置において、スイッチング素子により上記交流電源を直流電源に変換すると共に上記直流電源を所定電圧以上に昇圧しかつ上記交流電源の力率をほぼ100%にする高力率コンバータ回路と、上記直流電源を上記所定電圧以上に昇圧する昇圧回路と、上記負荷に対応する負荷電流を検出する電源検出器と、この電流検出器の出力により上記電源力率を判断して上記高力率コンバータ回路と上記昇圧回路とを切り換える切換回路とを備えたことを特徴とする整流装置。」(公報1頁左欄4-14行) B 「第2図は、上記倍電圧回路だけで運転したときの負荷電流と電源力率の関係を示す。すなわち、電流検出器(8)から検出された負荷電流がBよりも小さいときは、切換回路(14)によりリレー接点(13)は開放し、高力率コンバータ回路(4)は、従来装置と同様に電源の高力率化と直流電圧の昇圧を行う。 負荷電流がB-C間にあると、切換回路(14)はリレー接点(13)を閉成させると共に、制御回路(9)に停止信号(14a)を発し、高力率コンバータ回路(4)のFET(4A)(4B)のスイッチングを停止させることにより、上記倍電圧回路として動作させる。 また、負荷電流がCよりも大きいときは、切換回路(14)によりリレー接点(13)は開放し、上述のように電源の高力率化と直流電圧の昇圧を行う。 更に、圧縮機モータ(7)が停止しているような場合は、リレー接点(13)は開放、高力率コンバータ回路(4)のFET(4A)(4B)は停止し、通常の単電圧整流回路として動作する。 このようにして、電源力率は第2図のAよりも下がることはなく、負荷電流がB-C間のときは、高力率コンバータ回路(4)を停止して整流回路の効率の向上を図ることができ、FET (4A)(4B)の負担を軽減し、回路素子の信頼性を高くすることができる。また、圧縮機モータ(7)の停止中も、FET(4A)(4B)の負担は軽減される。」(公報3頁左上欄6行-右上欄11行) C 「 [図:0001388378000012.jpg] 」 エ 甲第4号証 甲第4号証の記載事項に関しては、上記「2.(2)イ 引用文献2の記載事項」に記載のとおりである。 (3)対比・判断 ア 理由1(特許法第29条第2項)について (ア)本件発明1について 本件発明1と甲1発明とを対比すると以下のとおりである。 A 甲1発明の「整流器21」は、「MOSFET3のソース側とMOSFET4のドレイン側とが接続されたMOSFET3とMOSFET4との直列回路と、ダイオード5のアノード側とダイオード6のカソード側とが接続されたダイオード5とダイオード6との直列回路とが並列に接続されて構成され、リアクター2が接続されるMOSFET3とMOSFET4との接続点、及び、交流電源1が接続されるダイオード5とダイオード6との接続点を整流器21の入力端とし、ダイオード5とダイオード6との直列回路の両端が整流器21の出力端とな」るものである。また、甲1発明は「整流器21の出力端間」に「平滑コンデンサー7」が接続され、「平滑コンデンサー7の両端には負荷8が接続され」るものであるから、「整流器21の出力端」は、甲1発明の「直流電源装置」の正極端子及び負極端子と認められる。 したがって、甲1発明の「整流器21の出力端」は、本件発明1の「直流出力電源の正極端子」及び「直流出力電源の負極端子」に相当し、甲1発明の「MOSFET3とMOSFET4」は、本件発明1の「直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFET」に相当し、甲1発明の「ダイオード5とダイオード6」は、本件発明1の「正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオード」に相当する。 そして、甲1発明の「整流器21」は、本件発明1の「直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFETおよび前記正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオードを有するブリッジ整流回路」に相当する。 B 甲1発明の「リアクター2」は、「整流器21の一方の入力端と交流電源1との間に挿入され」るものであり、さらに、「整流器21」の「入力端」のうち「MOSFET3とMOSFET4との接続点」に接続されるものである。 したがって、甲1発明の「交流電源1」は、本件発明1の「交流電源」に相当し、そして、甲1発明の「リアクター2」は、本件発明1の「交流電源の一端と前記第1、第2のMOSFETの直列接続点との間に接続されたリアクトル」に相当する。 C 甲1発明の「平滑コンデンサー7」は、「両端には負荷8が接続され」るものであって、また、上記Aの検討も踏まえると、甲1発明の「平滑コンデンサー7」は、本件発明1の「前記直流出力電源の正極端子と負極端子の間に接続された平滑コンデンサ」に相当する。 D 甲1発明の「制御手段11」は、「電源電圧検出手段13によって検出される電源電圧Vsが負極から正極に変化することを検出した場合、電源電圧Vsが正極側である場合に整流するためにゲートオン状態にさせるMOSFET3ではなく、MOSFET4をパルス状にゲートオン状態にさせ、MOSFET4がパルス状にゲートオン状態となっている間、交流電源1が短絡状態とし、交流電源1、リアクター2、MOSFET4、ダイオード6、そして交流電源1の順で短絡電流が流し、そして、制御手段11は、MOSFET4をゲートオフ状態にさせ、デッドオフ状態の後に、MOSFET3をゲートオン状態にさせる」ものであって、また、「電源電圧検出手段13」は、「交流電源1の電源電圧を検出する」ものである。 してみると、甲1発明の「制御手段11」は、交流電源1の正の半周期内に、リアクター2に流れる電流をMOSFET3とMOSFET4のどちらか一方に通電する動作を1回繰り返すようにMOSFET3とMOSFET4をオン/オフさせているといえる。 したがって、甲1発明の「制御手段11」と、本件発明1の「前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を複数回繰り返すように前記第1、第2のMOSFETをオン/オフさせる制御回路」とは、後記の点で相違するものの、“前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を繰り返すように前記第1、第2のMOSFETをオン/オフさせる制御回路”の点では共通する。 E 甲1発明の「交流電源1」は、「リアクター2」と「ダイオード5とダイオード6との接続点」に接続されるものである。 したがって、甲1発明の「交流電源1」が「ダイオード5とダイオード6との接続点」に接続されることは、本件発明1の「前記交流電源の他端が前記第1、第2のダイオードの直列接続点に接続され」ることに相当する。 F 甲1発明の「制御手段11」は、「電源電圧検出手段13によって検出される電源電圧Vsが負極から正極に変化することを検出した場合、電源電圧Vsが正極側である場合に整流するためにゲートオン状態にさせるMOSFET3ではなく、MOSFET4をパルス状にゲートオン状態にさせ、MOSFET4がパルス状にゲートオン状態となっている間、交流電源1が短絡状態とし、交流電源1、リアクター2、MOSFET4、ダイオード6、そして交流電源1の順で短絡電流が流し、そして、制御手段11は、MOSFET4をゲートオフ状態にさせ、デッドオフ状態の後に、MOSFET3をゲートオン状態にさせる」ものであって、また、「電源電圧検出手段13」は、「交流電源1の電源電圧を検出する」ものである。 したがって、引用発明の「制御手段11」は、交流電源1の正の半周期内において、リアクター2とダイオード6とを通して交流電源1を短絡する側のMOSFET4をオフし、さらにデッドオフ時間後に、平滑コンデンサー7に通流する側のMOSFET4をオンとしているといえる。 してみると、甲1発明の「制御手段11は、電源電圧検出手段13によって検出される電源電圧Vsが負極から正極に変化することを検出した場合、電源電圧Vsが正極側である場合に整流するためにゲートオン状態にさせるMOSFET3ではなく、MOSFET4をパルス状にゲートオン状態にさせ、MOSFET4がパルス状にゲートオン状態となっている間、交流電源1が短絡状態とし、交流電源1、リアクター2、MOSFET4、ダイオード6、そして交流電源1の順で短絡電流が流し、そして、制御手段11は、MOSFET4をゲートオフ状態にさせ、デッドオフ状態の後に、MOSFET3をゲートオン状態にさせる」ことと、本件発明1の「前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンし、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す」こととは、後記の点で相違するものの、“前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンする動作を、前記交流電源の半周期内に行う”点では共通する。 G 甲1発明の「直流電源装置」は、「整流器21」、「リアクター2」、「平滑コンデンサー7」、「制御手段11」を備えるものであるから、後記の点で相違するものの、本件発明1の「直流電源装置」に対応するものである。 なお、特許異議申立人(井澤 幹)は、特許異議申立書において、甲1発明の「MOSFET3」及び「MOSFET4」は、スーパージャンクション構造のものであるから、本件発明1の「各前記第1、第2のMOSFETは、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間に比べて、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間が短」い構成に相当する旨を主張する。(特許異議申立書18頁18―22行) しかしながら、通常、スーパージャンクション構造のものは、逆回復時間が長くなるものであって、ゲート信号をオン/オフと逆回復時間との関係も周知の事項とは認められないことから、上記主張を採用することはできない。 そうすると、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「直流出力電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された第1、第2のMOSFETおよび前記正極端子と負極端子の間に直列接続された第1、第2のダイオードを有するブリッジ整流回路と、 交流電源の一端と前記第1、第2のMOSFETの直列接続点との間に接続されたリアクトルと、 前記直流出力電源の正極端子と負極端子の間に接続された平滑コンデンサと、 前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を繰り返すように前記第1、第2のMOSFETをオン/オフさせる制御回路と、 を備え、 前記交流電源の他端が前記第1、第2のダイオードの直列接続点に接続され、 前記制御回路は、前記第1、第2のMOSFETのうち、前記リアクトルとダイオードとを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETをオフし、さらに所定時間経過後に、前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオンする動作を、前記交流電源の半周期内に行う、 ことを特徴とする直流電源装置。」 (相違点3) 「制御回路」が、本件発明1では、「前記交流電源の半周期内に、前記リアクトルに流れる電流を前記第1、第2のMOSFETのどちらか一方に通電する動作を複数回繰り返す」のに対して、甲1発明では、リアクター2に流れる電流をMOSFET3とMOSFET4のどちらか一方に通電する動作を1回繰り返すものである点。 (相違点4) 本件発明1では、「各前記第1、第2のMOSFETは、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間に比べて、MOSFETへの印加電圧が逆方向電圧から順方向電圧に切替わる際にMOSFETのゲート信号をオフ信号に保ち続けているときの逆回復時間が短」いものであるのに対して、甲1発明では、「トランジスタQ1」と「トランジスタQ1」の逆回復時間がどのようなものであるか特定されていない点。 (相違点5) 本件発明1では、「前記第1、第2のダイオードの逆回復時間が、前記第1、第2のMOSFETのゲート信号をオン信号からオフ信号に切替えたときの逆回復時間よりも長」いものであるのに対して、甲1発明では、ダイオードD3及びD4の逆回復時間がどのようなものであるか特定されていない点。 (相違点6) 本件発明1では、「前記制御回路は、・・・、前記リアクトルがダイオードを通して交流電源を短絡する側のMOSFETをオンする所定時間前に前記平滑コンデンサに通流する側のMOSFETをオフする動作を、前記交流電源の半周期内に複数回繰返す」ものであるのに対して、甲1発明では、「制御手段11」は、リアクター2とダイオード6とを通して交流電源1を短絡する側のMOSFET4をオフし、さらにデッドオフ時間後に、平滑コンデンサー7に通流する側のMOSFET4をオンとする動作を、交流電源1の正の半周期内において1回行うものである点。 事案に鑑み、まず、相違点4について検討する。 相違点4は、上記「2.(3)ア(ア)本件発明1について」で検討した相違点1であって、同様の理由で、甲第4号証に記載される周知の技術とはいえず、また、甲第2号証、甲第3号証には、逆回復時間に関する記載はされていない。 したがって、本件発明1は、当業者が甲1発明、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された技術に基づいて容易に発明することができたものものとはいえない。 (イ)本件発明2 本件発明2は、本件発明1の構成に、さらに、「前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号のパルス幅は、前記リアクトルに流れる電流と電圧との力率が85%以上となるように変調される」という構成を加えたものであるから、甲1発明と、少なくとも上記相違点4ないし相違点6で相違する。 してみると、本件発明2は、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、当業者が甲1発明、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された技術に基づいて容易に発明することができものとはいえない。 (ウ)本件発明3 本件発明3は、本件発明1の構成に、さらに、「前記リアクトルとダイオードを通して前記交流電源を短絡する側のMOSFETの駆動信号は、3ショット以上である」という構成を加えたものであるから、甲1発明と、少なくとも上記相違点4ないし相違点5で相違する。 してみると、本件発明3は、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、当業者が甲1発明、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された技術に基づいて容易に発明することができたものといえない。 (エ)本件発明4、5 本件発明4、5は、本件発明1ない3を直接又は間接的に引用するものである。したがって、本件発明4、5は、本件発明1ないし3の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから、上記本件発明1ないし3についての判断と同様の理由により、当業者が甲1発明、甲第2号証ないし甲第4号証に記載された技術に基づいて容易に発明することができたものとはいえない。 イ 理由イについて(特許法第36条第4項第1号) 本件特許明細書の段落【0041】ないし段落【0052】には、本件発明2、3を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されている。 したがって、本件特許の請求項2-3に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものとはいえない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した異議申立ての理由によっては、本件請求項1ないし5に係る特許を取り消すことはできない。また、他に取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700835

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    共通の審決分類: 121・H02M、536・H02M、537・H02M
  • 2023-701311異議申立 / 2024-03-01 / 維持ノイズ低減回路、負荷システム、電力変換装置及び冷凍装置
    共通の審決分類: 121・H02M、536・H02M、537・H02M
  • 2023-701273異議申立 / 2024-02-27 / 維持ノイズ低減回路、電力変換装置及び冷凍装置
    共通の審決分類: 121・H02M、536・H02M、537・H02M
  • 2023-700069異議申立 / 2023-04-06 / 維持電力変換装置、空気調和機及び冷凍装置
    共通の審決分類: 121・H02M、536・H02M、537・H02M
  • 2022-701095異議申立 / 2023-03-03 / 維持電力変換器
    共通の審決分類: 121・H02M、536・H02M、537・H02M

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