2021-700671
プラント設備の施工方法及びプラント構成モジュール
- 審判番号
- 2021-700671
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-536109外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6816289
- 請求日
- 2021年07月13日
- 審決日
- 2022年10月11日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】アイマックエンジニアリング株式会社
- 【権利者代理人】木村 高明
- 【異議申立人】安達 友和
- 分類
- P1651.113-YAA(E04H) / P1651.121-YAA(E04H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5、特許法第120条の5第5項、特許法第29条第1項第2号、特許法第29条第1項第1号、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 15項目
第1 手続の経緯
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特許第6816289号(以下「本件特許」という。)の請求項1~11に係る特許についての出願は、2019年(令和元年)5月29日を国際出願日とする出願であって、令和2年12月25日にその特許権の設定登録がされ、令和3年1月20日に特許掲載公報が発行された。本件特許の特許請求の範囲に記載された請求項の数は11である。
本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
なお、令和4年8月5日付けで提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、実質的に本件訂正前の請求項1、3、5及び7~11の削除のみの訂正であるといえ、特許法120条の5第5項ただし書に規定された特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるときといえるから、当審合議体は特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えていない。
第2 本件訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲を訂正することを求めるものであり、次の(1)の本件訂正前の特許請求の範囲の記載を、後記(2)の本件訂正後の特許請求の範囲の記載のとおり訂正するものである(下線は訂正箇所を示す。)。
(1) 本件訂正前の特許請求の範囲の記載
「【請求項1】矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上側に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備え、前記柱部材には前記下側枠部材及び前記上側枠部材の一方側又は両方側から突出する突出柱部が形成され、前記突出柱部の先端部に結合用のフランジ板を備えるプラント構成モジュールを作成するステップと、プラント施工個所において、前記プラント構成モジュールを所定の段数だけ積み重ねるステップと、前記重ねたプラント構成モジュールの重なった2枚のフランジ部を連結するステップと、続きを表示(全30行)を備えることを特徴とするプラント設備の施工方法。【請求項2】矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上側に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備え、前記上側枠部材及び前記下側枠部材には所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの前記上側枠部材及び前記下側枠部材に、プラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備えるプラント構成モジュールを作成するステップと、プラント施工個所において、前記プラント構成モジュールを所定の寸法だけ離間させて並べて所定の数だけ配置するステップと、前記並べて配置したプラント構成モジュールの前記枠体の間に前記所定の寸法の接合梁材を配置し、プラント構成モジュールの前記枠体及び前記接合梁材を連結するステップと、を備えることを特徴とするプラント設備の施工方法。【請求項3】前記プラント構成モジュールの間に前記突出柱部で構成される水平方向に形成される貫通領域を配管配線スペースとして所定の部材を配置するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載のプラント設備の施工方法。【請求項4】前記プラント構成モジュールの間に前記接合梁材で構成される水平方向に形成される貫通領域を通路として所定の部材を配置するステップを備えることを特徴とする請求項2に記載のプラント設備の施工方法。【請求項5】矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上方に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備え、複数を組み合わせて施工することによりプラント設備を構築するプラント構成モジュールにおいて、前記柱部材は前記下側枠部材及び前記上側枠部材の一方側又は両方側から突出する突出柱部が形成され、前記突出柱部の先端に結合用のフランジ板を備えることを特徴とするプラント構成モジュール。【請求項6】前記上側枠部材及び前記下側枠部材には、所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備えることを特徴とする請求項5に記載のプラント構成モジュール。【請求項7】前記フランジ板には、ボルト孔が開設され、隣接して配置されるプラントのプラント構成モジュールをボルト及びナットで接合可能であることを特徴とする請求項5に記載のプラント構成モジュール。【請求項8】前記プラント要素は隣接して施工されるプラント設備のプラント構成モジュールに配置された前記プラント要素と結合可能な状態で配置されていることを特徴とする請求項5に記載のプラント構成モジュール。【請求項9】前記上側枠部材だけに前記突出柱部を備える前記プラント構成モジュールは、前記プラント設備の最下位に配置されるものであることを特徴とする請求項5に記載のプラント構成モジュール。【請求項10】前記下側枠部材だけに前記突出柱部を備える前記プラント構成モジュールは、前記プラント設備の最上位に配置されるものであることを特徴とする請求項5に記載のプラント構成モジュール。【請求項11】前記上側枠部材は、下側枠部材を構成する部材が配置される交差する2方向のうちの一つの方向に沿って所定の高さ位置に配置された第1部材と、前記2方向のうち他の方向に沿って配置され、前記第1部材と異なる高さ位置に配置された第2部材とを備えることを特徴とする請求項5に記載のプラント構成モジュール。」
(2) 本件訂正後の特許請求の範囲の記載
「【請求項1】(削除)【請求項2】矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上側に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備え、前記上側枠部材及び前記下側枠部材には所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの前記上側枠部材及び前記下側枠部材に、プラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備えるプラント構成モジュールを作成するステップと、続きを表示(全26行)プラント施工個所において、前記プラント構成モジュールを所定の寸法だけ離間させて並べて所定の数だけ配置するステップと、前記並べて配置したプラント構成モジュールの前記枠体の間に前記所定の寸法の接合梁材を配置し、プラント構成モジュールの前記枠体及び前記接合梁材を連結するステップと、を備えることを特徴とするプラント設備の施工方法。【請求項3】(削除)【請求項4】前記プラント構成モジュールの間に前記接合梁材で構成される水平方向に形成される貫通領域を通路として所定の部材を配置するステップを備えることを特徴とする請求項2に記載のプラント設備の施工方法。【請求項5】(削除)【請求項6】矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上方に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備え、複数を組み合わせて施工することによりプラント設備を構築するプラント構成モジュールにおいて、前記柱部材は前記下側枠部材及び前記上側枠部材の一方側又は両方側から突出する突出柱部が形成され、前記突出柱部の先端に結合用のフランジ板を備え、前記上側枠部材及び前記下側枠部材には、所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備えることを特徴とするプラント構成モジュール。【請求項7】(削除)【請求項8】(削除)【請求項9】(削除)【請求項10】(削除)【請求項11】(削除)」
(3) 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、次の訂正事項1~訂正事項9である。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5を削除する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6に「前記上側枠部材及び前記下側枠部材には、所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備えることを特徴とする請求項5に記載のプラント構成モジュール」と記載されているものを独立形式に改め、「矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上方に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備え、複数を組み合わせて施工することによりプラント設備を構築するプラント構成モジュールにおいて、
前記柱部材は前記下側枠部材及び前記上側枠部材の一方側又は両方側から突出する突出柱部が形成され、前記突出柱部の先端に結合用のフランジ板を備え、前記上側枠部材及び前記下側枠部材には、所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備えることを特徴とするプラント構成モジュール。」に訂正する。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項8を削除する。
キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項9を削除する。
ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項10を削除する。
ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項11を削除する。
(4) 訂正の単位、別の訂正単位とする求めについて
本件訂正前の請求項1及び3について、訂正前の請求項3は請求項1の記載を引用しており、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1及び3は、特許法120条の5の4項に規定する一群の請求項である。
したがって、請求項1及び3についてする訂正事項1及び2による訂正は、一群の請求項〔1、3〕についてするものである。
本件訂正前の請求項5~11について、訂正前の請求項6~11は請求項5の記載を引用しており、訂正事項3によって記載が訂正される請求項5に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項5~11は、特許法120条の5の4項に規定する一群の請求項である。
したがって、請求項5ないし11についてする訂正事項3ないし9による訂正は、一群の請求項〔5~11〕についてするものである。
また、訂正後の請求項6に係る訂正について、特許権者は、当該訂正が認められる場合には他の請求項とは別の訂正単位として扱われることを求めている。
2 本件訂正の適否についての判断
(1) 訂正事項1~3及び5~9について
ア 訂正の目的、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無
訂正事項1~3及び5~9の各々は、訂正前の請求項1、3、5及び7~11を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことは明らかである。また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
イ 小括
以上のとおりであるから、訂正事項1~3及び5~9は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。
(2) 訂正事項4について
ア 訂正の目的、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無
訂正事項4は、訂正前の請求項6が請求項5の記載を引用していたのを、訂正事項3により請求項5を削除したことに伴い、請求項5を引用しないものに訂正するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことは明らかである。また、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
イ 小括
以上のとおりであるから、訂正事項4は、特許法120条の5第2項ただし書4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。
(3) 本件訂正のまとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号及び4号に掲げる事項を目的とし、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項又は6項の規定に適合するので、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、3〕、〔5~11〕について訂正することを認める。
第3 本件特許に係る発明
前記第2において説示したとおり、本件訂正が認められたことから、本件特許の請求項1~11に係る発明(以下「本件特許発明1」等といい、全体の発明を「本件特許発明」という。)は、それぞれ、訂正特許請求の範囲(前記第2の1(2)参照)の請求項1~11に記載されたとおりのものである。
第4 取消理由の概要
訂正前の請求項1、3,5、7~11に係る特許に対して、当審合議体が令和4年5月30日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(進歩性) 本件特許の請求項1、3、5、7~11に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
<引用文献等一覧>
甲第5号証 楊暁東、「工業装置模塊化的鋼結構設計探討」、
2013年全国鋼結構技術学術交流会論文集、2013年6月、
p.30―34
甲第1号証 中国特許出願公開第107386443号明細書
甲第2号証 特開2008-190262号公報
甲第6号証 中国石化工程建設公司、「管廊配管設計規定」、
実施日期 2001年12月28日
以下、各甲号証を「甲1」等と略すことがある。
第5 当審の判断
1 甲号証について
(1) 甲5
本件特許出願前に発行された甲5には、次の記載がある(なお、日本語訳は、申立人が作成した。)。
ア 31頁左欄8行~右欄3行
「[図:0001393058000001.jpg][図:0001393058000002.jpg]」(本稿では、某化学工業分野の工業装置建設プロジェクトを例に、工業装置のモジュール化設計の中で、鋼構造モジュール化設計の関連内容について検討している。
2 工程の概要
当該の工程は、某公司の化学工場内のコア生産装置となる。そのうち、主要な静止設備12台は、いずれも縦型ラグサポート設備であり、主要な機械装置(ポンプ8台など)、さらに小型フィルタ、予熱器、攪拌機などがある。上述の主要設備の間は、工程図にもとづき、管路を採用して連結している。当該生産装置の支持構造は、外観立面がL型、占有面積LxW=27m×16m、全高26mである。計4層で、1~3層の高さは6メートル、4層目の高さは8メートル。装置全体の総乾燥重量は600トンで、内訳は鋼構造重量が450トン、設備・配管・計器などの重量が150トンとなっている。
設備のレイアウトとモジュール分割のスキームをもとに、全体装置を36個の小型モジュール化ユニットに分解して輸送した。各モジュール化ユニットの設備等を含めた重量のうち最も重いものは35トンである。設備、配管、鋼構造を含む装置全体を工場で予め製造し、事前組み立ての完了後、関連する試験と検収を実施した。その後モジュール化ユニットの境界面に応じて分解、梱包、吊上げ、化学工場の工程現場への輸送を行い、モジュールを組み立て、接合して生産装置全体を完成させた。本工程の詳細な設計の開始からモジュール化ユニットの分解・梱包の完了までの総工期は8か月。そして36個のモジュール化ユニットを化学工場の工程現場に輸送した後、装置全体の組み立てを完了させるまでの所要時間はわずか2週間であった。
装置全体は全密閉システムであり、保護構造には軽量鋼の壁面とルーフシステムを採用している。装置全体の鋼構造には、フレーム支持システムを採用し、モジュール化ユニットの鋼構造にはラーメン構造を採用している。モジュール化ユニットの鋼構造間の連結には作業現場でのボルト接続を採用し、モジュール化ユニット鋼構造内の構造部品の連結にはプレハブ工場での溶接を採用した。また柱脚と基礎には、調節可能なアンカーボルトを予め埋め込んだ後、グラウト接合を採用している。総鋼構造用の鉄鋼量は450トン、その中に含まれる連結ボルトの総使用量は8トンである。生産装置全体の鋼構造3D図は図2を参照。)
イ 31頁右欄下から7行~31頁左欄2行
「[図:0001393058000003.jpg][図:0001393058000004.jpg]」(一方、鋼構造モジュール化方式を採用した場合、支持鋼構造は、モジュール化ユニットに応じて工場で予め製造し、現場でモジュール化ユニットを組み立てる、「積み木」に似た方式となる。さらに設備・配管・計器なども工場での事前組み立て時に対応するモジュール化ユニット内に取り付けられる。このような設計方式の施工の利点は次となる。鋼構造の現場据付作業量が小さい、現場を行き交う作業量が小さい、現場施工条件に対する要求が高くない、現場施工サイクルが短め、現場の人件費および材料消費が低減、現場の施工品質や安全管理がしやすい、作業の境界の区分が明瞭、そして総合的な経済効果も高い[2]。典型的な鋼構造モジュール化ユニットは図4を参照。)
ウ 上記アによれば、甲第5号証は「工業装置建設プロジェクト」に係るものであるから、工業装置の建設方法が記載されているものと認められる。
エ 以上を総合すると、甲5には次の発明(以下「甲5発明」という。)
が記載されている。
<甲5発明>
「設備、配管、鋼構造を含む装置全体を工場で予め製造し、その後モジュール化ユニットの境界面に応じて分解、梱包、吊上げ、化学工場 の工程現場への輸送を行い、モジュールを組み立て、接合して生産装置全体を完成させたものであって、モジュール化ユニットの鋼構造にはラーメン構造を採用しており、モジュール化ユニットの鋼構造間の連結には作業現場でのボルト接続を採用し、鋼構造モジュール化方式を採用し、支持鋼構造は、モジュール化ユニットに応じて工場で予め製造し、現場でモジュール化ユニットを組み立てる、「積み木」に似た方式となり、さらに設備・配管・計器なども工場での事前組み立て時に対応するモジュール化ユニット内に取り付けられる工業装置の建設方法。」
オ また、甲5には次の発明(以下「甲5ユニット発明」という。)が記載されている。
<甲5ユニット発明>
「モジュール化ユニットの鋼構造にはラーメン構造を採用したモジュールユニットにおいて、モジュール化ユニットの鋼構造間の連結には作業現場でのボルト接続を採用し、鋼構造モジュール化方式を採用し、支持鋼構造は、モジュール化ユニットに応じて工場で予め製造し、現場でモジュール化ユニットを組み立てる、「積み木」に似た方式となり、さらに設備・配管・計器なども工場での事前組み立て時に対応するモジュール化ユニット内に取り付けられるモジュール化ユニット。」
(2) 甲1
本件特許出願前に頒布された甲1には、次の記載がある(なお、日本語訳は、申立人が作成した日本語訳文(令和4年2月18日付回答書に添付されたもの)による。)。
ア [0006]~[0011]
「[図:0001393058000005.jpg]」([0006]本発明は鋼構造モジュールを提供し、柱、横梁及び前記ての上端及び/又は下端に設置する連結板などを含む;
[0007]前記柱は前記モジュールのフレームを構成する;
[0008]同一の前記フレームに側面で隣接する2個の前記柱の間の上下端、前記柱を支持することで前記横梁をそれぞれ設置される。
[0009]さらに、前記接続構造物は連結板、貫通孔を含む;
[0010]前記連結板が前記柱両端に固定される、
[0011]前記連結板に貫通穴を設置、2個の同様の前記鋼構造モジュールを固定する。)
イ [0020]
「[図:0001393058000006.jpg]」([0020]本発明は前記鋼構造モジュール設置方法を提供し、同様な仕様の少なくとも2個の前記鉄骨モジュールを選択し、前記連結板に基づいて2個の前記モジュールの芯を出してつながって、コネクタによって2個の隣接モジュールを接続固定する;上記ステップを繰り返してモジュール化を形成する。)
ウ [0024]
「[図:0001393058000007.jpg]」([0024]最後に、このような設置方法によって、クレーンで組立時の安定性を大幅に向上することができ、作業者が施工のリスクを低下させる。)
エ 図4
「[図:0001393058000008.jpg]」
オ 上記ア及びイの記載を踏まえると上記エの図4からは、横梁から突出する突出部が形成される点を看取することができる。
カ 以上を総合すると、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)
が記載されている。
<甲1発明>
「柱の上端及び/又は下端に設置する連結板を含み、前記柱は鋼構造モジュールのフレームを構成し、同一の前記フレームに側面で隣接する2個の前記柱の間の上下端、前記柱を支持することで横梁をそれぞれ設置され、接続構造物は連結板、貫通孔を含み、柱には上下の横梁から突出する突出部が形成され、前記連結板が前記柱両端に固定され、前記連結板に貫通穴を設置、2個の同様の前記鋼構造モジュールを固定し、同様な仕様の少なくとも2個の前記鉄骨モジュールを選択し、前記連結板に基づいて2個の前記モジュールの芯を出してつながって、コネクタによって2個の隣接モジュールを接続固定し、上記ステップを繰り返してモジュール化を形成する鋼構造モジュール設置方法。」
キ また、甲1には次の発明(以下「甲1ユニット発明」という。)が記載されている。
<甲1ユニット発明>
「柱の上端及び/又は下端に設置する連結板を含み、前記柱は鋼構造モジュールのフレームを構成し、同一の前記フレームに側面で隣接する2個の前記柱の間の上下端、前記柱を支持することで横梁をそれぞれ設置され、接続構造物は連結板、貫通孔を含み、柱には上下の横梁から突出する突出部が形成され、前記連結板が前記柱両端に固定され、前記連結板に貫通穴を設置、2個の同様の前記鋼構造モジュールを固定し、同様な仕様の少なくとも2個の前記鉄骨モジュールを選択し、前記連結板に基づいて2個の前記モジュールの芯を出してつながって、コネクタによって2個の隣接モジュールを接続固定した鋼構造モジュール。」
(3) 甲2
本件特許出願前に発行された甲2には、次の記載がある。
ア 【0007】
「【0007】このような構成とすれば、当該建築物を垂直方向に積み重ね、格子構造体の上面、下面から突出する柱材の上端、下端にそれぞれ設けられた接合手段で互いに接合するだけで、積層構造を有する複合建築物を容易に構築することができる。接合手段は、当該建築物を構成する格子構造体の上面、下面より突出させた柱材 の上端、下端に設けられているため、建築物の外側から接合作業を行うことができ、施工性も良好である。また、垂直方向に隣り合う建築物の格子構造体の上面、下面よりそれぞれ突出させた柱材の上端、下端を接合手段で接合することにより、垂直方向に隣り合う建築物の格子構造体同士が密着しない状態となるため、騒音も伝わり難い。」
イ 【0013】~【0015】
「【0013】図1~図5に示すように、本実施形態の建築物10は、複数の柱材11,12および梁材13を縦横に配列し複数の節点14をそれぞれ溶接して直方体状格子構造体15を形成し、この格子構造体15の床面、天井面および壁面にそれぞれ板材16f,16c,16wを装着して形成したものである。そして、互いに対向する一対の壁面である正面側壁面および背面側壁面を貫通する通路17が設けられている。後述する図8,図9に示すように、柱材11,12および梁材13はいずれも横断面が四角形状で中空の金属管であり、柱材11と梁材13とは横断面の形状およびサイズが同じであり、柱材12の横断面は柱材11のそれより小さいサイズである。・・・【0015】一方、図6,図7に示すように、柱材11の上端、下端はそれぞれ格子構造体15の上面、下面から突出しており、これらの上端、下端にそれぞれ貫通孔20aを有する緊結プレート20が水平に固着されている。緊結プレート20は柱材11の横断面より広く、建築物10の内側寄りに偏心した状態で取り付けられ、貫通孔20aは突出側に配置されている。柱材11下端の緊結プレート20は、建築物10を所定の設置面に載置したときにアンカーボルト(図示せず)を挿入して固定するためのものである。また、柱材11上端の緊結プレート20は、複数の建築物10を積層させて複合建築物を構築する場合、垂直方向に隣接する建築物10同士を連結するための部材である。従って、下方に位置する建築物10の柱材11上端の緊結プレート20と、上方に位置する建築物10の柱材11下端の緊結プレート20とを密着させ貫通孔20aにボルト(図示せず)を挿通して締結することにより、両者を接合することができる。」
ウ 【0026】
「【0026】次に、図14に基づいて、複数の建築物10を垂直方向に積層する場合について説明する。図14は図1に示す建築物を垂直に積層して構築した複合建築物の斜視図である。図14に示す複合建築物35は、建築物10を垂直方向に積層し、下階の建築物10の柱材11上端の緊結プレート20と、上階の建築物10の柱材11下端の緊結プレート20とを密着させ、それぞれの緊結プレート20の貫通孔20a(図6,図7参照)にボルト(図示せず)を挿入して締結することによって構築されている。」
エ 上記ウの記載からみて、甲第2号証には複合建築物の構築方法が記載されているものと認められる。
オ 以上を総合すると、甲2には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている。
<甲2発明>
「複数の柱材および梁材を縦横に配列し直方体状の格子構造体を形成し、柱材の上端、下端はそれぞれ格子構造体の上面、下面から突出しており、これらの上端、下端にそれぞれ貫通孔を有する緊結プレートが水平に固着されており、下方に位置する建築物の柱材上端の緊結プレートと、上方に位置する建築物の柱材下端の緊結プレートとを密着させ貫通孔にボルトを挿通して締結することにより、両者を接合する複合建築物の構築方法。」
カ また、甲2には次の発明(以下「甲2ユニット発明」という。)が記載されている。
<甲2ユニット発明>
「複数の柱材および梁材を縦横に配列し直方体状の格子構造体を形成し、柱材の上端、下端はそれぞれ格子構造体の上面、下面から突出しており、これらの上端、下端にそれぞれ貫通孔を有する緊結プレートが水平に固着されており、下方に位置する建築物の柱材上端の緊結プレートと、上方に位置する建築物の柱材下端の緊結プレートとを密着させ貫通孔にボルトを挿通して締結することにより、両者を接合する格子構造体。」
(4) 甲6
甲6には、次の記載がある(日本語訳は、申立人が作成した日本語訳文(令和4年2月18日付回答書に添付されたもの)による。)。
ア 1頁下から1行~2頁1行
「[図:0001393058000009.jpg][図:0001393058000010.jpg]」(現在、中規模または大規模の石油化学プラント用のパイプラックは2層
上とする、必要に応じて3層または部分的に3層になります。)
イ 4頁の図3.1-1
「[図:0001393058000011.jpg]」
ウ 上記アの記載を踏まえると、上記イの図からは、石油化学プラントにおいて、2本の柱のそれぞれに3本の梁が紙面に垂直な方向に設けられるとともに、2本の柱の間には2本のパイプラックが梁に直交する方向で、梁とは高さが異なる位置に設けられる点を看取することができ、この点から、3本の梁と当該梁と直交する2本のパイプラックとが高さが異なる位置に設けられることを看取できる。
エ 以上を総合すると、甲6には次の技術的事項(以下「甲6技術的事項」という。)が記載されている。
<甲6技術的事項>
「石油化学プラントにおいて、パイプラックは2層以上とし、3本の梁と当該梁と直交する2本のパイプラックとが高さが異なる位置に設けられる点。」
2 検討・判断
(1) 本件特許発明2
ア 対比
本件特許発明2と甲5発明を対比する。
(ア) 甲5発明の「モジュール化ユニット」は、「モジュール化ユニットの鋼構造にはラーメン構造を採用して」いるから、「モジュール化ユニット」が上下の水平材及び柱部材を直方体に枠組みした構造であることは自明である。
よって、甲5発明の「モジュール化ユニット」は、本件特許発明2の「矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上側に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体」に相当する。
(イ) 甲5発明の「設備・配管・計器など」は、「工場での事前組み立て時に対応するモジュール化ユニット内に取り付けられる」から、本件特許発明2の「枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素」に相当する。
(ウ) 甲5発明の「支持鋼構造は、モジュール化ユニットに応じて工場で予め製造し、現場でモジュール化ユニットを組み立て、さらに設備・配管・計器なども工場での事前組み立て時に対応するモジュール化ユニット内に取り付けられる」工程は、本件特許発明2の「プラント構成モジュールを作成するステップ」に相当する。
(エ) 甲5発明の「現場でモジュール化ユニットを組み立てる」工程は、「『積み木』に似た方式」であることも考慮すると、本件特許発明2の「プラント施工個所において、前記プラント構成モジュールを所定の寸法だけ離間させて並べて所定の数だけ配置するステップ」の間で、「プラント施工個所において、前記プラント構成モジュールを並べて所定の数だけ配置するステップ」の点で共通する。
(オ) 甲5発明の「工業装置の建設方法」は、本件特許発明2の「プラント設備の施工方法」に相当する。
(カ) そうすると、本件特許発明2と甲5発明は、
<一致点>
「矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上側に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備えたプラント構成モジュールを作成するステップと、プラント施工個所において、前記プラント構成モジュールを並べて所定の数だけ配置するステップと、を備えたプラント設備の施工方法。」
の点で一致し、次の相違点1で相違する。
<相違点1>
本件特許発明2は、「プラント構成モジュール」が「前記上側枠部材及び前記下側枠部材には所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの前記上側枠部材及び前記下側枠部材に、プラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備え」、「プラント施工個所において、前記プラント構成モジュールを所定の寸法だけ離間させて並べて所定の数だけ配置するステップ」と「前記並べて配置したプラント構成モジュールの前記枠体の間に前記所定の寸法の接合梁材を配置し、プラント構成モジュールの前記枠体及び前記接合梁材を連結するステップ」を有するのに対し、甲5発明は「モジュール化ユニットの鋼構造間の連結には作業現場でのボルト接続を採用」している点。
イ 判断
上記相違点1について検討する。
甲5には、「モジュール化ユニットの鋼構造間の連結には作業現場でのボルト接続を採用」したものを他の接続方法で接続するように変更することについて記載も示唆もされていない。
そして、複数のプラント構成モジュールを連結する工程として、所定の寸法だけ隣接して配置したプラント構成モジュール間を、接合梁材を用いて接合することは、甲1、甲2、甲6に記載も示唆もされていない。
また、申立人により提出されたその他のいずれの証拠にも記載されておらず、本件特許出願前において、周知であったとも認めることはできない。
よって、甲5発明において、相違点1に係る本件特許発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
ウ 小括
したがって、本件特許発明2は、甲5発明、甲1発明、甲2発明及び甲6技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2) 本件特許発明4
本件特許発明4は、本件特許発明2の発明特定事項をすべて含み、さらに限定を加えた発明であるから、本件特許発明2と同様の理由により、本件特許発明4は、甲5発明、甲1発明、甲2発明及び甲6技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3) 本件特許発明6
ア 対比
本件特許発明6と甲5ユニット発明とを対比する。
(ア) 甲5ユニット発明の「設備・配管・計器など」は、「工場での事前組み立て時に対応するモジュール化ユニット内に取り付けられる」から、本件特許発明6の「枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素」に相当する。
(イ) 甲5ユニット発明の「モジュール化ユニット」は、「モジュール化ユニットの鋼構造にはラーメン構造を採用して」いるから、「モジュール化ユニット」が上下の水平材及び柱部材を直方体に枠組みした構造であることは自明である。
そして、甲5ユニット発明の「設備・配管・計器など」は、「工場での事前組み立て時に対応するモジュール化ユニット内に取り付けられる」ものであり、甲5ユニット発明の「現場でモジュール化ユニットを組み立てる」工程は、「『積み木』に似た方式」であるから、甲5ユニット発明の「モジュール化ユニット」は、本件特許発明6の「矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上方に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備え、複数を組み合わせて施工することによりプラント設備を構築するプラント構成モジュール」に相当する。
(ウ) そうすると、本件特許発明6と甲5ユニット発明は、
<一致点>
「矩形をなす下側枠部材、前記下側枠部材の上方に配置される上側枠部材、及び前記上側枠部材と前記下側枠部材を連結する柱部材を備える枠体と、前記枠体で囲われる領域の内部に配置されたプラント要素とを備え、複数を組み合わせて施工することによりプラント設備を構築するプラント構成モジュール。」
の点で一致し、次の相違点2で相違する。
<相違点2>
本件特許発明6が「前記柱部材は前記下側枠部材及び前記上側枠部材の一方側又は両方側から突出する突出柱部が形成され、前記突出柱部の先端に結合用のフランジ板を備え、前記上側枠部材及び前記下側枠部材には、所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備え」ているのに対し、甲5ユニット発明は、複数の「モジュール化ユニット」を「積み木」に似た方式で組み立てる際に、複数の「モジュール化ユニット」の間の接続構造が不明である点。
イ 判断
上記相違点2について検討する。
複数のプラント構成モジュールを連結する工程として、所定の寸法だけ隣接して配置したプラント構成モジュール間を、接合梁材を用いて接合することは、甲1、甲2、甲6に記載も示唆もされていない。
そして、申立人により提出されたその他のいずれの証拠にも記載されておらず、本件特許出願前において、周知であったとも認めることはできない。
よって、甲5ユニット発明において、相違点2に係る本件特許発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
ウ 小括
したがって、本件特許発明6は、甲5ユニット発明、甲1発明、甲2発明及び甲6技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立書(以下「申立書」という。)の特許異議申立理由について
(1) 申立書について
申立人は、申立書1頁の「3.(1)申し立ての理由の要約」及び12頁~13頁の「3.(3)申立ての根拠」において、次の特許異議申立理由を主張している。
ア 請求項1~11
イ 請求項5
ウ 請求項1~10
<証拠方法>
甲1 上記甲1に同じ
甲2 上記甲2に同じ
甲3 韓国公開特許第10-2010-76390号公報
甲4 中国特許第105863067号明細書
甲5 上記甲5に同じ
甲6 上記甲6に同じ
甲7 上海森松圧力容器有限公司、「重慶天然ガス浄化総工場万州分工場の硫黄回収装置工程可動式項目」、出力日 平成13年7月31日
(2) 審尋に対する回答書について
ア 合議体は審尋の「5.(1)イ.」において、申立人に対して次の事項を確認した。 「申立書における甲第7号証に係る申立ての概要は次の(ア)及び(イ)のとおりであると理解しています。
(ア)甲第7号証は、甲第7号証の1ないし甲第7号証の4という4件の証拠によって、「重慶天然ガス浄化総工場万州分工場の硫黄回収装置工程可動式項目」が公然実施をされたこと(特許法第29条第1項第2号)を立証する趣旨である(公然知られたこと(特許法第29条第1項第1号)や頒布された刊行物に記載されたこと(同項第3号)を立証する趣旨ではない。)。
(イ)甲第7号証に係る申立の理由は、次のa.ないしc.のとおりである。
a.本件特許発明5ないし7は、甲第7号証から把握される公然実施発明と同一であり、新規性を備えていないものである。
b.本件特許発明1ないし10は、甲第7号証から把握される公然実施発明から容易に発明をすることができたものであって、進歩性を備えていないものである。
c.本件特許発明11は、甲第7号証から把握される公然実施発明及び甲第6号証に記載された発明から容易に発明をすることができたものであって、進歩性を備えていないものである。
ウ.ついては、合議体の上記のイ.(ア)及び(イ)の理解に同意するか回答してください。もし同意しない場合には、甲第7号証に係る申立ての理由を、請求項毎に対応する条文及び甲号証を明示した上で説明してください。」
イ これに対し、申立人は回答書6頁の「3.(5)」において「甲第7号証に関する異議申立ての主張を取り下げます。」と回答したため、申立理由1~3において甲7に基づく主張は、検討・判断すべき理由がない。
(3) 検討・判断する申立理由について
上記(2)に加え、本件請求項1、3、5及び7~11に係る特許は訂正により削除されたため、本件請求項2、4、6に係る特許に関する特許異議申立理由について以下で検討・判断する。
そうすると、申立書の13~42頁の「3.(4)」及び「3.(5)」から検討・判断すべき申立人の申立理由は、次のとおりである。
<申立理由>
訂正前の請求項2に係る発明は、甲3に記載された発明及び甲4、5の記載事項に基づき当業者が容易に発明をすることができた発明であり、訂正前の請求項4に係る発明は、甲3に記載された発明及び甲3~5の記載事項に基づき当業者が容易に発明をすることができた発明であり、訂正前の請求項6に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲5の記載事項あるいは甲2に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができた発明であるから、請求項2、4及び6に係る特許は、同法113条2号の規定により取り消されるべきである。
2 申立理由についての検討・判断
(1) 甲号証について
申立書の甲1~6に関し、第5の1において示していない甲3及び4の記載事項等は次のとおりである。
ア 甲3
本件特許出願前に発行された韓国公開特許第10-2010-76390号公報(甲3)には、次の記載がある(日本語訳は、申立人が作成した日本語訳文(令和4年2月18日付回答書に添付されたもの)による。)。
(ア) [0006]
「[図:0001393058000012.jpg]」([0006] 図1に示すようにモジュールユニット(10)は、上部に天井板(11)を備え、下部に地面板(12)を備えて、前記天井板(11)と地面板(12)のそれぞれの角を連結してその天井板(11)と地面板(12)を所定高さに保ちしつつ支持する柱(13)が設けられている。)
(イ) [0008]
「[図:0001393058000013.jpg]」([0008] 通常、前記モジュールユニット(10)は所定大きさに規定化されているが、その大きさは車両で建築現場まで輸送できなければならないので、車両へ搭載できるように制限されている。)
(ウ) [0022]
「[図:0001393058000014.jpg][図:0001393058000015.jpg]」([0022] 本発明によると、モジュールユニットを所定距離に分離して配置し、その間を異なる幅と長さを持つ連結パネルを通じて連結することにより、建物の内部空間に多様な変化を与えることができるし、特に上下層が分離する構造だけでなく相互に結びついた複式構造も可能な利点がある。)
(エ) [0037]及び[0038]
「[図:0001393058000016.jpg][図:0001393058000017.jpg]」([0037] まず、図3を例とすると、モジュールユニット(10)を上下に積層して2層になるようにし、その2層のモジュールユニット(10)が水平方向に一定距離を保持するように分離する。
[0038] この場合、積層されたモジュールユニット(10)の距離は、建築面積を考慮して適切に設定し、隔離された前記モジュールユニット(10)で水平連結が必要な箇所に連結パネル(20)を設置する。)
(オ) 図1
「[図:0001393058000018.jpg]」
(カ) 図4
「[図:0001393058000019.jpg]」
(キ) 以上を総合すると、甲3には次の発明(以下「甲3発明」という。)
が記載されている。
<甲3発明>
「上部に天井板(11)を備え、下部に地面板(12)を備えて、前記天井板(11)と地面板(12)のそれぞれの角を連結してその天天井板(11)と地面板(12)を所定高さに保ちしつつ支持する柱(13)が設けられているモジュールユニット(10)を、所定距離に分離して配置し、その間を異なる幅と長さを持つ連結パネル(20)を通じて連結することにより、建物の内部空間に多様な変化を与えることができ、上下層が分離する構造だけでなく相互に結びついた複式構造も可能なモジュールユニットの設置方法。」
イ 甲4
本件特許出願前に発行された中国特許第105863067号明細書(甲4)には、次の記載がある(日本語訳は、申立人が作成した日本語訳文(令和4年2月18日付回答書に添付されたもの)による。)。
(ア) 特許請求の範囲請求項6
「[図:0001393058000020.jpg][図:0001393058000021.jpg][図:0001393058000022.jpg]」(6.請求項1に記載のモジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム、その特徴は、その組立建物モジュールは組立建物モジュールA、組立建物モジュールBと組立建物モジュールCの3種類のモジュールを含み、
前記の組立建物モジュールA、組立建物モジュールBと組立建物モジュールCは部屋I、廊下と部屋IIに分かれ、部屋Iの4接合部は廊下と階段室の隅に近く、廊下方向と部屋Iの4接合部の相対する部屋Iの3接合部に沿う、部屋Iの他端と部屋Iの3接合部と相対する隅は部屋Iの1接合部、部屋Iの4接合部の相対する隅は部屋Iの2接合部である、部屋IIの1、2、3、4接合部と部屋Iの1、2、3、4接合部は廊下の両側に対称に配置し、
前記の組立建物モジュールAは部屋I、廊下と部屋IIに分けられる、部屋Iは隅柱(9)、L型隅柱(10)、T型隅柱(11)、中柱(12)、2本の上梁(15)、2本の下梁(13)、2本の下二次梁(17)、2本上の上二次梁(18)、プレハブ壁板、シーリングと床を含む。部屋IIは隅柱(9)、L型隅柱(10)、T型隅柱(11)、中柱(12)、2本の上梁(15)、2本の下梁(13)2本の下二次梁(17)、2本上の上二次梁(18)、プレハブ壁板、シーリングと床を含み、2本の短い上梁(16)と2本の短い下梁(14)にて部屋Iと部屋IIを接続し、旦つ床にコンクリート打設、天井を固定して廊下を形成する、その特徴は部屋Iの接合部の柱梁接続方式は前記のモジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システムの接合部1の接続方式とする、部屋Iの2接合部の柱梁接続方式は前記のモジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システムの族合部2の接続方式とする、部屋Iの3接合部の柱梁接続方式は前記のモジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システムの接合部3の接続方式とする、部屋Iの4接合部の柱梁接続方式は前記のモジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の接合部4の接続方式とする、部屋IIと部屋Iの接合部は完全に対称、前記組立建物モジュールAは一方向で接続モジュールとし、すなわち組立建物モジュールAの右で組立建物モジュールAあるいはBを接続することができ、左でその他のモジュールを接続することができない。
前記の組立建物モジュールBは部屋I、廊下と部屋IIに分けられ、部屋Iは2本のL型隅柱(10)、2本の中柱(12)、2本の上梁(15)、2本の下梁(13)、2本上の上二次梁(18)、2本の下二次梁(17)、プレハブ壁板、シーリングと床を含み、部屋IIは2本のL型隅柱(10)、2本の中柱(12)、2本の上梁(15)、2本の下梁(13)、2本の下二次梁(17)、2本上の上二次梁(18)、プレハブ壁板、シーリングと床を合み、2本の短い上梁(16)と2本の短い下梁(14)は部屋Iと部屋IIを接続し、且つ床にコンクリート打設、天井を固定して廊下を形成して、その特徴は部屋Iの1、2ヵ所の柱梁接続方式は前記のモジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システムの接合部2の接続方式とする、部屋Iの3、4接合部の柱梁接続方式前記モジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の接合部4の接続方式とする、部屋IIと部屋Iの接合部接続方式完全な対称、前記組立建物モジュールBは両方向接続モジュールとし、すなわち組立建物モジュールBの左右両側は全て組立建物モジュールAあるいはBを接続することができる。
前記の組立建物モジュールCは部屋I、廊下と部屋IIに分けられ、部屋Iは隅柱(9)、L型隅柱(10)、2本の中柱(12)、2本の上梁(15)、2本の下梁(13)、2本の下二次の梁(17)、2本上の上二次梁(18)、プレハブ壁板、シーリングと床を合み、部屋IIは隅柱(9)、L型隅柱(10)、2本の中柱(12)、2本の上梁(15)、2本の下梁(13)、2本の下二次梁(17)、2本上の上二次梁(18)、プレハブ壁板、シーリングと床を含み、2本の短い上梁(16)と2本の短い下梁(14)は部屋Iと部屋IIを接続し、且つ、床にコンクリート打設、天井を固定して廊下を形成して、その特徴は部屋Iの1接合部の柱梁接続方式は前記モジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の接合部2の接続方式とする、部屋Iの2接合部の柱梁接続方式前記モジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の接合部1の接続方式とする、部屋Iの3、4接合部の柱梁接続方式前記モジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の接合部4の接続方式とする、部屋IIと部屋Iの接合部接続方式完全な対称、前記組立建物モジュールCは両方向接続モジュールとし、すなわち組立建物モジュールCの左側で組立建物モジュールAあるいはBを接続することができ、右側では階段室モジュールのみを接続することができる。
前記モジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の組立建物モジュールA、B、C中のシーリングは上梁(15)、上二次梁(18)に固定して、短い上梁(16)の下部フランジ、シーリングの下面上梁する(15)、上二次梁(18)あるいは短い上梁(16)の下部フランジ下面同一平面内で、組立建物モジュールA、B、C中の床は下梁(13)、下二次梁(17)にあるいは短い下梁(14)の頂部フランジ、床の上面と下梁(13)、下二次梁(17)と短い下梁(14)の頂部フランジ上面と同一平面内で、上層床スラブの下と下層シーリング上の空間は配管用として用いて、家屋の実質的な高さも増加した。
前記の組立建物モジュールAは一方向接続として、その右側は組立建物モジュールBと連結できるあるいは組立建物モジュールCと連結できる、便利に出入りするために、一層の組立建物モジュールAのその廊下左側壁板にドアを設置の選択することができる。廊下右がプレハブ壁板を固定しない。右に連結した組立建物モジュールBあるいはCの廊下を貫通し通行になる廊下を形成し、部屋IあるいはIIの右でプレハブ壁板を固定しない選択する、右の部屋IあるいはII左のプレハブ壁板を固定しない組立建物モジュールBあるいはC接続後大きい空間を形成する。組立建物モジュールBは双方向接続することとして、その左右両側は組立建物モジュールA、B、Cにつながって、前記組立建物モジュールBの廊下左右両側はプレハブ壁板に固定しなく、左右に連結した組立建物モジュールの廊下を貫通し通行し廊下を形成する、前記組立建物モジュールCは双方向接続することとし、その左側の組立建物モジュールA、Bとつながつて、右でただとの組立の階段室モジュールAあるいはBにつながって、その廊下左右両側プレハブ壁板を固定しない、左のそれと他の組立建物モジュールの廊下貫通し通行し廊下を形成する、右の組立の階段室モジュールは通行を貫通し、下から階段に上がる。建築面積によって組立建物モジュールAと若千の組立建物モジュールBを必要に応じてつながり、再び組立建物モジュールCとつながり、その後の組立の階段室とつながり、これによつて1本の完全の建築家屋の系を形成する。
前記の組立建物モジュールA、組立建物モジュールBと組立建物モジュールC中の部屋Iと、部屋IIは全部それぞれ廊下両側に位置し、組立建物モジュールA、組立建物モジュールBと組立建物モジュールCのすべての部屋Iは廊下片側に位置し、すべての部屋IIは廊下反対側に位置する。家屋長手方向に沿って配列順番は組立建物モジュールA、組立建物モジュールB、組立建物モジュールC、中間の組立建物モジュールBが複数組立建物モジュールBは家屋長方向に滑うように配列していて、高さ方向に沿う組立建物モジュールA、組立建物モジュールB、組立建物モジュールCは少なくとも2層がある。組立の屋根モジュールAは組立建物モジュールAに設置し、組立の屋根モジュールBは組立建物モジュールBに設置し、組立の屋根モジュールCは組立建物モジュールCに設置する。
前記のモジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の組立の屋根モジュールは組立の屋根モジュールA、組立の屋根モジュールBと組立の屋根モジュールCを含む。
前記組立式屋根モジュールAは屋根の鉄フレーム、屋根カバーと壁板を含む、その特徴は組立の屋根モジュールAは組立建物モジュールAに設置し、前記組立式屋根モジュールAの屋根鋼鉄フレーム柱の下梁(13)、短い下梁(14)と下二次梁(17)の柱梁接合部接続方式と組立建物モジュールAの鉄フレームの接合部接続方式は一致し、すなわち組立の屋根モジュールAは高応カボルトで組立建物モジュールAとつなぎ、組立の屋根モジュールAは一方向接続であり、すなわち組立の屋根モジュールAの片側は屋根モジュールBとCと接続できる。
前記組立式屋根モジュールBは屋根の鉄フレーム、屋根カバーと壁板を含んで、托の特徴は組立の屋根モジュールBは組立建物モジュールBに設置し、前記組立式屋根モジュールBの屋根鋼鉄フレーム柱と下梁(13)、短い下梁(14)と下二次梁(17)の柱梁接合部接続方式の組立建物モジュールBの鉄フレームの接合部接続方式は一致し、すなわち組立の屋根モジュールBは高応カボルトで組立建物モジュールBと接続、組立の屋根モジュールBは双方向接続して、すなわち組立の屋根モジュールBの両側は屋根モジュールAとC。
前記組立式屋根モジュールCは屋根の鉄フレーム、屋根カバーと璧板を含んで、その特徴は組立の屋根モジュールCは組立建物モジュールCに設置し、前記組立式屋根モジュールCの屋根鋼鉄フレーム柱のと下梁(13)、短い下梁(14)と下二次梁(17)の柱梁接合部接続方式の組立建物モジュールCの鉄フレームの接合部接続方式は一致し、すなわち組立の屋根モジュールCは高応カボルトで組立建物モジュールCと接続、組立の屋根モジュールCは双方向接続して、すなわち組立の屋根モジュールCの片側は屋根モジュールAとBと接続できる、反対側は階段室モジュールと接続することができる。
前記モジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の組立の階段室モジュールは組立の階段室モジュールA、組立の階段室モジュールBと階段室屋根モジュールを含む。
前記組立式階段室モジュールAと組立の階段室モジュールBは同様の階段室の鉄フレームがあり、前記階段室の鉄フレームは2本の隅柱(9)、2本の中柱(12)、2本の短い上梁(16)、2本の上二次梁(18)、2本の短い下梁(14)、2本下の下二次梁(17)プレハブ階段を含んで、その特徴は階段室の鉄フレームの1、3ヵ所の柱梁接続方式の前記モジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の接合部4の接続方式とする、2、4接合部の柱梁接続方式は前記モジュール化低層組立式異形柱鋼構造家屋システム中の接合部1の接続方式とする。柱と梁との溶接を完成した後、プレハブ階段に固定し、すなわち階段室の鉄フレームを溶接。前記階段室の鉄フレームと組立建物モジュールCとつながり、2本のモジュールはT型フランジ連結板(2)高応カボルトで接続する。
前記組立式階段室モジュールAその特徴は前記階段室の鉄フレームを完成した後、プレハブ壁プレートを固定し、床完成など全過程は工場で実現できる、組立式階段室モジュールAは一層に据え付け、組立の階段室モジュールAの左にはプレハブ壁板を固定しない、左に接続する組立建物モジュールの廊下は貫通し便利に通行するできる。他の3面はプレハブ壁板を固定する。
前記組立式階段室モジュールBその特徴は、前記階段室の鉄フレームを完成した後、プレハブ壁プレートを固定し、全過程は工場で完成する。組立の階段室モジュールBは2階および以上に組立、組立の階段室モジュールBは床がいらない、組立の階段室モジュールBの左のプレハブ壁板がない、左に接続する組立建物モジュールの廊下は貫通し便利に通行するできる。他3面はプレハブ壁板に固定する。
前記組立式階段室屋根モジュールは階段室屋根の鉄フレーム、階段室屋根カバーと壁板を含む、その特徴は組立の階段室屋根モジュールは組立の階段室モジュールBに対応し、前記組立式階段室屋根モジュールの階段室屋根の鉄フレームの柱との短い下梁(14)と下二次梁(17)の柱梁俵合部接続方式と組立の階段室モジュールの階段室の鉄フレームの接合部接続方式と一致し、すなわち組立の階段室屋根モジュールは高応カボルトで下の組立の階段室モジュールBと接続する。)
(イ) [0090]
「[図:0001393058000023.jpg][図:0001393058000024.jpg]」([0090] 図26に示すように本発明中の接合部4の接続には中柱、下梁、短い下梁、T型フランジ連結板、上梁、短い上梁、次回の梁、上二次梁を含み、中柱は上層下の柱中柱、下層上の柱中柱に分けられて、その特徴は上層下柱中柱、下層上柱中柱のD面が組立建物モジュールの外にある、B面が屋内に向かう、上層下柱中柱と下梁、短い下梁と下二次梁が直交に溶接、下梁の隙間は屋内に向かつて下梁と上層下柱中柱が溶接する一端の端画と上層下の柱中柱のA画は貼り合わせて、下梁の腹板外側は上層下の柱中柱のD面と同一平面内であり、下梁の下部フランジ下面と上層下の柱中柱下T型フランジIIの下面同一平面内で、下梁のと上層下の柱中柱が溶接する一端下部フランジ下面には隙間を設けて、隙間の長さはT型フランジIIのA面の幅、隙間の深さをT型フランジII板厚とする。二次梁を下りる隙間は屋内に向かい、二次梁と上層下の柱中柱が溶接した一端の端面と上層下の柱中柱のB面を重なり合って、二次梁の腹板外側表面で上層下柱中柱のE面と同一平面内で、二次梁の下部フランジ下画と上層下の柱中柱中下部T型フランジIIの下面が同一平画内で、二次梁と上層下柱中柱が溶接した一端下部フランジ下面に隙間を設けて、隙間の長さはT型フランジIIの中柱B面の幅を超え、隙間の深さをT型フランジII板厚とする。短い下梁の隙間は廊下に向かい、短い下梁のと上層下の柱中柱が溶接する一端の端面のと上層下の柱中柱のC面は重なり合って、短い下梁の腹板外側は上層下柱中柱のD面と同一平面内であり、短い下梁の下部フランジ下面と上層下柱中柱のT型フランジIIの下画同一平面内で、短い下梁のと上層下の柱中柱が溶接する一端下部フランジ下面には隙間を設けてヽ隙間の長さはT型フランジIIの中柱C面の幅、隙間の深さをT型フランジII板厚とする。下層上の柱中柱のと上梁、短いことは上梁と下二次梁が直交に溶接し、上梁と下層上の柱中柱は一端の端面と下層上の柱中柱のA面を溶接して貼り合わせ、上梁した腹板外側は下層上の柱中柱のD面と同一平面にあり、上梁と下頂部フランジ上面と下層上柱中柱中のT型フランジIIの上面は平行し、且つT型フランジIIの上面を比べる1本のT型フランジ連結板2の厚さの高さより高く、上梁と中柱溶接の一端頂部フランジ上面には切欠を設けて、隙間の長さは下層上の柱中柱中T型フランジIIの下層上の柱中柱A面の幅、隙間の深さをT型フランジIIとT型フランジ連結板板厚と合計値とする。上二次梁の隙間は部屋内に向かい、上二次梁と下層上柱中柱の一端を溶接する端画と下層上の柱中柱のB画は重なり合って、1本のT型フランジ連結板の厚さより高く上二次梁の腹板外側表面で下層上柱中柱のEの面と同一平面内で、上二次梁の頂部フランジ上面と下層上柱中柱中T型フランジIIの上面は平行であり、上二次梁と下層上柱中柱が溶接した一端頂部フランジ上面に隙間を設けて、隙間の長さはT型フランジIIの下層上柱中柱B面の幅を超え、隙間の深さをT型フランジIIとT型フランジ連結板板厚と合計値とする。短い上梁隙間は廊下内に向かい、短い上梁と下層上柱中柱は一端の端面と下層上柱中柱のC面を溶接して重なり合って、短い上梁した腹板外側は表面であり下層上柱中柱のD画と同一平面内で、短い上梁の頂部フランジ上画のと下層上の柱中柱中T型フランジIIの上面は平行であり、且つT型フランジIIの上面より1本のT型フランジ連結板の厚さより高く、短い上梁と下層上の柱中柱溶接の一端頂部フランジ上面は隙間を設けて、隙間の長さはT型フランジIIの中柱C面の幅を超え、隙間の深さをT型フランジIIとT型フランジ連結板板厚と合計値とする。下層上の柱接合部4の中柱のと上梁、短い上梁と上二次梁を溶接終了後、下層上柱中柱は上梁、短い上梁と上二次梁の頂部フランジ上面より低い1本のT型フランジ連結板の厚さ、組立建物モジュールを組立てる時、接合部4のT型フランジ連結板の半分ちょうど下層上の柱中柱のT型フランジII上方に設置できる、且つ後接合部4のT型フランジ連結板の上面のと上梁、短い上梁と上二次梁の頂部フランジ上面を配置して同一平面に、接合部4のT型フランジ連結板の他の半分高応カボルトで隣接している組立建物モジュールの接合部4の点に連結し、それによって隣接した2本の組立建物モジュールを接続する。)
(ウ) 図1
「[図:0001393058000025.jpg]」
(エ) 図2
「[図:0001393058000026.jpg]」
(オ) 図26
「[図:0001393058000027.jpg]」
(カ) 以上を総合すると、甲4には次の技術的事項(以下「甲4技術的事項」という。)が記載されている。
<甲4技術的事項>
「組立式階段室モジュールAと組立の階段室モジュールBは同様の階段室の鉄フレームがあり、前記階段室の鉄フレームは2本の隅柱(9)、2本の中柱(12)、2本の短い上梁(16)、2本の上二次梁(18)、2本の短い下梁(14)、2本下の下二次梁(17)プレハブ階段を含み、柱と梁との溶接を完成した後、プレハブ階段に固定し、すなわち階段室の鉄フレームを溶接し、前記階段室の鉄フレームと組立建物モジュールCとがつながり、2本のモジュールはT型フランジ連結板(2)高応カボルトで接続すること。」
(2) 本件特許発明2について
ア 対比
本件特許発明2と甲3発明(前記(1)ア(キ)参照)を対比すると、少なくとも次の点で相違する。
<相違点3>
本件特許発明2は、「プラント構成モジュール」が「前記上側枠部材及び前記下側枠部材には所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの前記上側枠部材及び前記下側枠部材に、プラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備え」、「プラント施工個所において、前記プラント構成モジュールを所定の寸法だけ離間させて並べて所定の数だけ配置するステップ」と「前記並べて配置したプラント構成モジュールの前記枠体の間に前記所定の寸法の接合梁材を配置し、プラント構成モジュールの前記枠体及び前記接合梁材を連結するステップ」を有するのに対し、甲3発明の「モジュールユニット」同士の接続を「所定距離に分離して配置し、その間を異なる幅と長さを持つ連結パネル(20)を通じて連結」する点。
イ 判断
相違点3について検討する。
甲3には、「モジュールユニット」同士の接続を「所定距離に分離して配置し、その間を異なる幅と長さを持つ連結パネル(20)を通じて連結」することを他の接続方法で接続するように変更することについて記載も示唆もされていない。
また、甲4技術的事項は、組立建物モジュールをT形フランジ連結板と高応力ボルトで接続するもの(前記(1)イ(カ)参照)であり、甲5発明は、モジュール化ユニットの鋼構造間の連結には作業現場でのボルト接続を採用するものである(第5の1(1)エを参照。)。
そして、複数のプラント構成モジュールを連結する工程として、所定の寸法だけ隣接して配置したプラント構成モジュール間を、接合梁材を用いて接合することは、申立人により提出されたいずれの証拠にも記載されておらず、本件特許出願前において、周知であったとも認めることはできない。
よって、甲3発明において、相違点3に係る本件特許発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
ウ 小括
したがって、本件特許発明2は、甲3発明、甲4技術的事項及び甲5発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、申立人の主張は採用できない。
(2) 本件特許発明4について
本件特許発明4は、本件特許発明2の発明特定事項をすべて含み、さらに限定を加えた発明であるから、本件特許発明2と同様の理由により、本件特許発明4は、甲3発明、甲4技術的事項及び甲5発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、申立人の主張は採用できない。
(3) 本件特許発明6について
ア 甲1ユニット発明を主引用例とする場合
(ア) 対比
本件特許発明6と甲1ユニット発明(前記第5の1(2)キ参照)を対比すると、少なくとも次の点で相違する。
<相違点4>
本件特許発明6が「前記柱部材は前記下側枠部材及び前記上側枠部材の一方側又は両方側から突出する突出柱部が形成され、前記突出柱部の先端に結合用のフランジ板を備え、前記上側枠部材及び前記下側枠部材には、所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備え」ているのに対し、甲1ユニット発明の「鋼構造モジュール」は「前記連結板に基づいて2個の前記モジュールの芯を出してつながって、コネクタによって2個の隣接モジュールを接続固定」している点。
(イ) 判断
上記相違点4について検討する。
複数のプラント構成モジュールを連結する工程として、所定の寸法だけ隣接して配置したプラント構成モジュール間を、接合梁材を用いて接合することは、甲4、甲5に記載も示唆もされていない。
そして、申立人により提出されたその他のいずれの証拠にも記載されておらず、本件特許出願前において、周知であったとも認めることはできない。
よって、甲1ユニット発明において、相違点4に係る本件特許発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではなく、申立人の主張は採用できない。
イ 甲2ユニット発明を主引用例とする場合
(ア) 対比
本件特許発明6と甲2ユニット発明(前記第5の1(3)カ参照)を対比すると、少なくとも次の点で相違する。
<相違点5>
本件特許発明6が「前記柱部材は前記下側枠部材及び前記上側枠部材の一方側又は両方側から突出する突出柱部が形成され、前記突出柱部の先端に結合用のフランジ板を備え、前記上側枠部材及び前記下側枠部材には、所定の寸法だけ隣接して配置されるプラント構成モジュールの間に配置される接合梁材を接合する接合部を備え」ているのに対し、甲2ユニット発明の「格子構造体」は「下方に位置する建築物の柱材上端の緊結プレートと、上方に位置する建築物の柱材下端の緊結プレートとを密着させ貫通孔にボルトを挿通して締結することにより、両者を接合する」点。
(イ) 判断
上記相違点5について検討する。
複数のプラント構成モジュールを連結する工程として、所定の寸法だけ隣接して配置したプラント構成モジュール間を、接合梁材を用いて接合することは、申立人により提出されたいずれの証拠にも記載されておらず、本件特許出願前において、周知であったとも認めることはできない。
よって、甲2ユニット発明において、相違点5に係る本件特許発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではなく、申立人の主張は採用できない。
3 小括
以上のとおりであるから、申立書のいずれの主張も採用することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本件特許発明2、4、6に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。
また、他に本件特許発明2、4、6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項1、3、5及び7~11に係る特許は訂正により削除され、申立人による請求項1、3、5及び7~11に係る特許異議の申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法120条の8第1項で準用する同法135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2021-700671